JP2005004943A - 多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法 - Google Patents

多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反射層が薄い場合でも、オーバーライト特性が優れた多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法を提供する。短波長領域でも高透過率を維持でき、3層以上の記録層を設けることが可能であり、オーバーライト特性が優れ、青紫色レーザーを用いた場合でも片面多層記録が可能な大容量の多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法を提供する。
【解決手段】 光の入射によって、結晶状態と非晶質状態との相変化によって情報を記録しうる記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられた光情報記録媒体において、それぞれの情報層を、光が入射される側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の、少なくとも1層の情報層が、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層の順からなり、熱拡散層は、インジウム、亜鉛および酸素が主成分であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明はレーザなどの光により情報の記録、再生などを行なうことができる多層相変化型情報記録媒体とその記録再生方法に関する。
CD−RWなどの相変化型光ディスク(相変化型情報記録媒体)は、一般的にプラスチック基板の上に相変化型材料からなる記録層を設け、その上に記録層の光吸収率を向上させ、かつ熱拡散効果を有する反射層を形成したものを基本構成とし、基板面側からレーザー光を入射して、情報の記録再生を行なう。
相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間で相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものであり、相変化型情報記録媒体は、この性質を情報の記録再生に応用したものである。
更に光照射による加熱によって起る記録層の酸化、蒸散或いは変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層の間に下部保護層(下部誘電体層ともいう)、及び記録層と反射層の間に上部保護層(上部誘電体層ともいう)を設ける。更に、これらの保護層は、その厚さを調節することによって、記録媒体の光学特性の調節機能を有するものであり、また下部保護層は、記録層への記録時の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。
近年、コンピューター等で扱う情報量が増加したことによって、DVD−RAM、DVD+RWのような、光ディスクの信号記録容量が増大し、信号情報の高密度化が進んでいる。現在のCDの記録容量は650MB程度であり、DVDは4.7GB程度であるが、今後、更に高記録密度化の要求が高まることが予想される。
このような相変化型情報記録媒体を高記録密度化する方法として、例えば使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化すること、或いは記録再生を行なうピックアップに用いられる対物レンズの開口数NAを大きくして、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくすることが提案されている。
記録媒体自体を改良して記録容量を高める方法としては、基板の片面側に少なくとも記録層と反射層からなる情報層を2つ重ね、これら情報層間を紫外線硬化樹脂等で接着した構造の2層相変化型情報記録媒体が、例えば特許文献1〜4等において提案されている。
この情報層間の接着部分である分離層(本発明においては中間層という)は、2つの情報層を光学的に分離する機能を有するもので、記録再生用レーザー光がなるべく多く奥側の情報層に到達する必要があるため、レーザー光をなるべく吸収しないような材料から構成されている。
これらの2層相変化型情報記録媒体は、何れも第1情報層に特徴を有するもので、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様に、第1保護層と第2保護層が設けられたものである。
この2層相変化型情報記録媒体については、例えば非特許文献1にもあるように、学会などでも発表されているが、未だ多くの課題が存在している。
例えば、レーザー光照射側から見て手前側にある情報層(第1情報層)をレーザー光が十分に透過しなければ、奥側にある情報層(第2情報層)の記録層に情報を記録し再生することができないため、第1情報層を構成する反射層をなくすか又は極薄にするか、或いは第1情報層を構成する記録層を極薄にすることが考えられる。
相変化型情報記録媒体による記録は、記録層の相変化型材料にレーザー光を照射して急冷し、結晶を非晶質に変化させてマークを形成することにより行なわれるので、反射層を無くすか又は10nm程度と非常に薄くすると、熱拡散効果が小さくなって、非晶質マークを形成することが困難になってしまう。
特にCD−RWなどの相変化型情報記録媒体に広く用いられている材料の1つであるSb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料に比べて消去比が優れ、また高感度であるため、記録マークのアモルファス部の輪郭が明確であるという点で優れている。
しかしながら、Sb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料に比べて材料の結晶化速度が速いので、非晶質化するには、より単時間で急冷しなければならず、急冷構造をとることが必要な材料であり、反射層が薄い構造では、マーク形成が困難になる。
比較的熱伝導率が大きく光吸収率が小さな窒化物あるいは炭化物等を用いて、反射層が担っていた熱拡散機能を補助する層(熱拡散層という)を反射層の上にさらに設けるやりかたが、単層相変化型情報記録媒体に関して特許文献5に、また2層相変化型情報記録媒体に関して特許文献3に開示されており、このやり方は第1情報層を構成する反射層を薄くした場合に発生する前記のような欠点を解消するのに有効な方法であると考えられる。
しかしながら、これら窒化物や炭化物等の材料は応力が大きいために、形成された熱拡散層にクラックが生じ易く、その結果熱拡散層を設けた光ディスク自体の充分なオーバーライト特性が得らないという問題が発生している。更に炭化物の材料はとりわけ短波長側での吸収が大きく、青紫色レーザーを用いるBlue−ray Disk(ブルーレイディスク)システムのような次世代光ディスクでは第1情報層の光透過率を大きくできないという問題が生じる。
特許第2702905号公報(特許請求の範囲) 特開2000−215516号公報(特許請求の範囲) 特開2000−222777号公報(特許請求の範囲) 特開2001−243655号公報(特許請求の範囲) 特開平8−50739号公報(特許請求の範囲) ODS2001 Technical Digest P22−24(P24、Fig.5)
従って、本発明の課題は、情報層の反射層が薄い場合でも、オーバーライト特性が優れた多層相変化型情報記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法を提供することである。
また、本発明は、短波長領域でも高透過率を維持でき、3層以上の記録層を設けることが可能であり、オーバーライト特性が優れ、青紫色レーザーを用いた場合でも片面多層記録が可能な大容量の多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法の提供を目的とする。
而して本発明者らは、第1に、熱拡散層に好ましい材料としてInとZn及びOを用いた多層相変化型情報記録媒体を提案する。この材料を用いた多層相変化型情報記録媒体はオーバーライト特性に優れる。また第2に、短波長になるに従って吸収があまり大きくならず、したがって青紫色波長でも3層以上の記録層を設けることができる多層相変化型情報記録媒体を提案する。
本発明者等は、前記従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次のような解決手段としての第1群の発明及び第2群の発明を見出した。
即ち、上記課題は、次の第1群の発明の(1)〜(3)項の発明及び第2群の発明の(4)〜(9)項の発明及びこれら発明のより好ましい態様をさらに特徴として具備する(10)〜(20)の発明(以下、本発明1〜20という)によって解決される。
〔第1群の発明〕
(1) 光の入射によって、結晶状態と非晶質状態との相変化によって情報を記録しうる記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられた光情報記録媒体において、それぞれの情報層を、光が入射される側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の、少なくとも1層の情報層が、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層の順からなり、熱拡散層は、インジウム、亜鉛および酸素が主成分であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体;
(2) InとZnの原子比が、0.05≦Zn/(In+Zn)≦0.5の範囲であることを特徴とする前記(1)に記載の多層相変化型情報記録媒体;
(3) 前記熱拡散層の厚さが20〜200nmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の多層相変化型情報記録媒体。
〔第2群の発明〕
(4) 光の入射により、結晶状態と非晶質状態との間で相変化を起して情報を記録し得る記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられた光情報記録媒体において、各情報層を、光が入射する側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の少なくとも1層の情報層が、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層の順に積層された層構成を有し、熱拡散層が、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、酸素(O)及び少なくとも1種のハロゲンを主成分とすることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体;
(5) 熱拡散層が、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、酸素(O)、少なくとも1種のハロゲンの他に、価数が正3価以上である少なくとも1種の第3金属元素を必須構成元素とし、該第3金属元素の総量の金属元素全体に対する原子比が、(全第3金属元素)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.2、を満足することを特徴とする前記(4)記載の多層相変化型情報記録媒体;
(6) 熱拡散層のInとZnの原子比が、0.55≦In/(In+Zn)≦0.9、を満足する範囲にあることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の多層相変化型情報記録媒体;
(7) 熱拡散層のハロゲンの総量の金属元素全体に対する原子比が、0.01≦(全ハロゲン)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.3、を満足することを特徴とする前記(4)乃至(6)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
(8) 熱拡散層のハロゲンがフッ素(F)である、前記(4)乃至(7)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体;
(9) 熱拡散層の厚さが10〜200nmであることを特徴とする前記(4)乃至(8)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
〔より好ましい態様をさらに具備する発明〕
(10) 前記熱拡散層を有する情報層の前記記録層が、SbとTeを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする前記(1)乃至(3)の何れか又は前記(4)乃至(9)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体;
(11) 前記記録層の厚さが、3〜15nmであることを特徴とする前記(1)乃至(10)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体;
(12) 前記熱拡散層を有する情報層の前記反射層が、Au、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とする前記(1)乃至(11)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体;
(13) 前記反射層の厚さが、3〜20nmであることを特徴とする前記(1)乃至(12)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体;
(14) 第1基板と第2基板の間に2つの情報層を有し、かつ上記情報層の間に中間層を有してなる、情報の記録・再生が可能な2層相変化型情報記録媒体であって、第1情報層は第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、第1反射層、第1熱拡散層を含み、第2情報層は、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、第2反射層を含み、記録・再生のための光が入射される側から、第1基板、第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、第1反射層、第1熱拡散層、中間層、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、第2反射層、第2基板の順で配置されていることを特徴とする前記(1)乃至(13)の何れかに記載の2層相変化型情報記録媒体;
(15) 前記第1情報層の光透過率が、波長350〜700nmの光に対して40〜70%であることを特徴とする前記(14)に記載の2層相変化型情報記録媒体;
(16) 前記第1基板と前記第1下部保護層との間に透明層を有することを特徴とする前記(14)または(15)に記載の2層相変化型情報記録媒体;
(17) 前記第1上部保護層と前記第1反射層との間および/又は前記第2上部保護層と前記第2反射層との間にバリア層を有することを特徴とする前記(14)乃至(16)の何れかに記載の2層相変化型情報記録媒体;
(18) 前記第1基板の厚さが、10μm〜600μmであることを特徴とする前記(14)乃至(17)の何れかに記載の2層相変化型情報記録媒体;
(19) 前記(1)乃至(3)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体の各情報層に対し、第1情報層側から波長350〜450nmの光ビームを入射させて情報の記録・再生を行なうことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体の記録再生方法;
(20) 前記(4)〜(9)の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体の各情報層に対し、第1情報層側から波長350〜700nmの光ビームを入射させて情報の記録再生を行なうことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
以下の詳細且つ具体的な説明より明らかなように、第1群の本発明によれば、オーバーライト特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができ、また、オーバーライト特性が優れ、かつ保存信頼性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができ、また、それぞれの層の反射率、記録感度、および透過率(第N層をのぞく)を、記録、再生条件に合わせて最適化することができ、全情報層に対して記録再生特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。
また、第2群の本発明によれば、オーバーライト特性が優れ、350〜700nmの波長のレーザーを用いた場合でも感度の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができ、更にそれぞれの層の反射率、記録感度、及び透過率(第N層をのぞく)を、記録、再生条件に合わせて最適化することができ、全情報層に対して記録再生特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。
また本発明のより好ましい態様を更なる特徴として具備するその余の発明によれば、中間層によって、第1情報層と第2情報層とを光学的に分離することができ、更に第1情報層、第2情報層共に感度がよく、記録再生特性の優れた2層相変化型情報記録媒体を提供することができ、第1基板の厚さが薄い場合でも容易に製造可能な2層相変化型情報記録媒体を提供することができ、反射層の腐食を抑えた保存信頼性の優れた2層相変化型情報記録媒体を提供することができ、対物レンズの開口数NAが変化した場合でも良好に記録再生を行なうことが可能な2層相変化型情報記録媒体を提供することができ、本発明の多層相変化型情報記録媒体を用いて大容量の記録再生を行なうことができる。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
〔第1群の発明〕
第1群の本発明の多層相変化型情報記録媒体は、基板上にN層(N:2以上の整数)の情報層を有し、該情報層は光照射によって結晶状態と非晶質状態との間で相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を有する記録再生可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生光が入射する側からみて最も奥側に形成された情報層以外の少なくとも1つの情報層が、順に積層された下部保護層、記録層、上部保護層、反射層及び熱拡散層で構成され、熱拡散層がインジウム、亜鉛、酸素を含むことを特徴とするものである。ここで、主成分とするとは、インジウム、亜鉛及び酸素の総量が熱拡散層材料全体の80原子%以上を占めること、好ましくは90原子%以上を占めることを意味する。
〔第2群の発明〕
第2群の本発明の多層相変化型情報記録媒体は、基板上にN層(N:2以上の整数)の情報層を有し、該情報層は光照射によって結晶状態と非晶質状態との間で相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を有する記録再生可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生光が入射する側からみて最も奥側に形成された情報層以外の少なくとも1つの情報層が、順に積層された下部保護層、記録層、上部保護層、反射層及び熱拡散層で構成され、熱拡散層がインジウム、亜鉛、酸素及び少なくとも1種のハロゲンを含むことを特徴とするものである。ここで、主成分とするとは、インジウム、亜鉛、酸素及び少なくとも1種のハロゲンの総量が熱拡散層材料全体の80原子%以上を占めること、好ましくは90原子%以上を占めることを意味する。
両群の発明共に、下部保護層、相変化型材料からなる記録層、上部保護層及び反射層については、従来公知の技術が適用可能であるが、熱拡散層にそれぞれ特定の材料を用いることにより上記課題を解決した点に基本的特徴を有する。
ここで、複数ある情報層のうち、光入射側からみて最も奥側に形成される情報層については、光を透過させる必要はなく、従って反射層を厚くできるので熱拡散層を設ける必要はない。また、もしも最も奥側の記録層に熱拡散層を設ける場合には、熱拡散層を構成する材料は上記のようなインジウム、亜鉛、酸素及び少なくとも1種のハロゲンを必須構成元素とする材料である必要はない。
また、Ag系材料は、例えばISOM2001 Technical Digest P202に記載されているように、青色波長領域でも屈折率nが0.5以下と小さく、光吸収を小さく抑えることができるため、多層相変化型情報記録媒体の反射層の好ましい材料として従来から知られている。
以下、本発明の光記録媒体の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、第1群及び第2群の本発明の2層相変化型情報記録媒体の一例を示す概略断面図であり、第1基板(3)の上に、第1情報層(1)、中間層(4)、第2情報層(2)、第2基板(5)を順次蓄積した構造からなるものである。
第1情報層(1)は、第1下部保護層(11)、第1記録層(12)、第1上部保護層(13)、第1反射層(14)、第1熱拡散層(15)からなり、第2情報層(2)は、第2下部護層(21)、第2記録層(22)、第2上部保護層(23)、第2反射層(24)からなる。第1上部保護層(13)と第1反射層(14)との間及び/又は第2上部保護層(23)と第2反射層(24)との間にバリア層(図示せず)を設けても構わない。なお、本発明の第1情報層(1)及び第2情報層(2)は、上記層構成に限定されるものではない。
また図2は、第1群及び第2群の本発明の2層相変化型情報記録媒体の他の例を示す概略断面図であり、第1基板(3)と第1下部保護層(11)との間に透明層(6)を設けたものである。このような透明層は、第1基板に厚さの薄いシート状物を用い、製法が図1の記録媒体と相違する場合に設けられる。
第1基板(3)は、記録再生光が充分透過できる材質とする必要があるが、当該技術分野において従来から知られているものを用いればよい。
その材料としては、通常ガラス、セラミックス、樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
第1基板(3)の情報層(1),(2)を形成する面には、必要に応じて、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状又は同心円状の溝などであって通常グルーブ部及びランド部と称される凹凸パターンが形成されていてもよく、これは通常、射出成形法又はフォトポリマー法などによって成型される。
また、第1基板(3)の厚さは、10〜600μm程度が好ましい。
第2基板(5)の材料としては、第1基板(3)と同じ材料を用いることができるが、記録再生光に対して不透明な材料を用いても良く、第1基板(3)とは、材質、溝形状が異なっても良い。
第2基板(5)の厚さは特に限定されないが、第1基板(3)との合計の厚さが1.2mmになるように第2基板(5)の厚さを選択することが好ましい。
第2基板(5)は、第1基板(3)と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形されるグルーブ、案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。
中間層(4)、透明層(6)は、記録再生光の波長における光吸収が小さい方が好ましく、材料としては、樹脂が成形性、コストの点で好適な紫外線硬化性樹脂、遅効性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
中間層(4)には、第1基板(3)と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形されるグルーブ、案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。
中間層(4)は、記録再生を行なう際に、ピックアップが第1情報層(1)と第2情報層(2)とを識別して光学的に分離可能とするものであり、その厚さは10〜70μmが好ましい。10μmより薄いと層間クロストークが生じ、また70μmより厚いと、第2記録層(22)を記録再生する際に球面収差が発生し、記録再生が困難になる傾向がある。
透明層(6)の厚さは特に限定されないが、図1のような透明層を設けない製法により作製した光情報記録媒体の最適な第1基板(3)の厚さと、図2のような製法の異なる光情報記録媒体の第1基板(3)と透明層(6)の厚さの合計が同程度となるように、第1基板(3)と透明層(6)の厚さを調整する必要がある。例えば、NA=0.85の場合であって、図1の光情報媒体の第1基板(3)の厚さが100μmで良好な記録、消去性能が得られたとすると、図2の光情報媒体の第1基板(3)の厚さが50μmならば、透明層(6)の厚さを50μmとすることが好ましい。
第1記録層(12)と第2記録層(22)の材料としては、光照射による加熱と冷却によって、結晶と非晶質の間で相変化する材料であれば特に限定はなく、当該技術分野において従来から知られているものが適用される。
例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金、及びSb−Te共晶系材料を主成分とする薄膜を挙げることができるが、記録(非晶質化)感度・速度、及び消去比の点で、Sb−Te共晶系材料が特に好ましい。ここで、主成分とは薄膜材料全体の90原子%以上を占めることを意味する。
これらの記録層材料には更なる性能向上、信頼性向上などを目的としてAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
これらの記録層(12),(22)は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できるが、中でもスパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1記録層(12)の厚さは特に限定されないが、3〜15nmであることが好ましい。3nm未満では、均一な膜にするのが困難となる傾向があり、15nmを超えると透過率が低下してしまう傾向がある。
第2記録層(22)の厚さも特に限定されないが、3〜25nmであることが好ましい。3nm未満では、均一な膜にするのが困難となる傾向があり、25nmを超えると記録感度が低下してしまう傾向があるので、好ましくない。
第1反射層(14)、第2反射層(24)は、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて非晶質化し易くするなどの機能を有するものであり、そのために通常、熱伝導率の高い金属が用いられ、例えば、Au、Ag、Cu、W、Al、Ta又はそれらの合金などを用いることができる。また、これらの元素の少なくとも1種を主成分とし、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Nd、Znなどから選ばれた少なくとも1種の元素を添加した材料を用いてもよい。ここで主成分とは、反射層材料全体の90原子%以上、好ましくは95原子%以上を占めることを意味する。
中でもAg系材料は、青色波長領域でも屈折率が小さく、nが0.5以下で、光吸収を小さく抑えることができるので、本発明のような多層の情報記録媒体の、特に第1情報層の反射層に用いる材料として好ましいものである。
このような反射層(14),(24)は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1情報層(1)は高い透過率が必要とされるため、第1反射層(14)の材料として、屈折率が低く熱伝導率の高いAg又はその合金を用いることが好ましい。また、その厚さは、3〜20nm程度であることが好ましい。3nm未満にすると、厚さが均一で緻密な膜を作ることが困難になる。20nmより厚いと、透過率が減少し第2情報層の記録再生が困難になる。
また、第2情報層(2)を構成する第2反射層(24)の厚さは、50〜200nm、好適には80〜150nmとするのがよい。50nm未満になると繰り返し記録特性が低下し、200nmより厚くなると感度の低下を生じる傾向があるので好ましくない。
第1下部保護層(11)と第2下部保護層(21)及び第1上部保護層(13)と第2上部保護層(23)の機能と材質は、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様であり、第1記録層(12)と第2記録層(22)の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有する。材料の具体例としては、SiO、SiO、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrOなどの金属酸化物;Si、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物;ZnS、In、TaSなどの硫化物;SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;ダイヤモンドライクカーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層(11),(13),(21),(23)の融点は記録層(12),(22)よりも高いことが必要である。最も好ましいのは、ZnSとSiOの混合物である。
このような保護層(11),(13),(21),(23)は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1下部保護層(11)と第2下部保護層(21)の厚さは、30〜200nmであることが好ましい。30nm未満では、記録時の熱によって、第1基板(3)又は中間層(4)が変形してしまう恐れがあるし、200nmより厚いと、量産性に問題が生じる傾向がある。従って、上記の範囲で、最適な反射率になるように膜厚の設計を行なう。
また、第1上部保護層(13)と第2上部保護層(23)の厚さは、3〜40nmであることが好ましい。3nm未満になると記録感度が低下し、40nmより厚くなると放熱効果が得られなくなる傾向がある。
本発明の多層相変化型情報記録媒体は、上部保護層(13),(23)と反射層(14),(24)との間にバリア層を設けても構わない。前述のように、反射層(14),(24)としては、Ag合金、保護層としては、ZnSとSiOの混合物が最も好ましいが、この2層が隣接した場合、保護層中の硫黄が反射層のAgを腐食させる可能性があり、保存信頼性が低下する恐れがある。この不具合をなくすために、反射層にAg系材料を用いた場合にはバリア層を設けることが好ましい。バリア層は、硫黄を含まず、かつ融点が記録層よりも高い必要があり、具体的にはSiO、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrOなどの金属酸化物;Si、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物;SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;或いはそれらの混合物が挙げられる。中でもSiCが好ましい。また、これらのバリア層は、レーザー波長での吸収率が小さいことが望ましい。
バリア層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
バリア層の厚さは、2〜10nmであることが好ましい。2nm未満になると、Agの腐食を防止する効果が得られなくなり保存信頼性が低下する。10nmより厚くなると、放熱効果が得られなくなったり透過率が低下する傾向がある。
第1群及び第2群の本発明における第1熱拡散層(15)としては、共に、レーザー照射された記録層を急冷させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。また、奥側の情報層(2)を記録再生できるように、記録再生用レーザー光波長での吸収率が小さいことも望まれる。情報の記録再生用レーザー光波長において、消衰係数が0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下である。0.5より大きいと第1情報層(1)での吸収率が増大し、第2情報層(2)の記録再生が困難になる。
熱拡散層(15)は、本発明の特徴部である。第1群の本発明においてはインジウム(In)、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を必須構成元素とする材料を用いることによって、熱拡散層(15)としての上記の機能を発揮して、オーバーライト特性を向上させることができる。具体的には、酸化インジウムおよび酸化亜鉛の混合物であることが好ましい。InとZnの原子比は、0.05≦Zn/(In+Zn)≦0.5の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、0.05≦Zn/(In+Zn)≦0.3の範囲である。0.05より少ないと保存信頼性が低下してしまい、0.5より多いと熱伝導率が低下してオーバーライト特性が劣化する。また、更なる特性の向上、信頼性の向上などを目的として他の元素、化合物を添加することができる。ハロゲン化物、酸化物が好ましいと考えている。
また、情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、消衰係数が1.0以下であることが好ましい。さらには、0.5以下であるのが好ましい。1.0より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録再生が困難になる。
熱拡散層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1熱拡散層(15)の膜厚は、20〜200nmが好ましい。20nmより薄いと、放熱効果が得られなくなる。200nmより厚いと、応力が大きくなり、繰り返し記録特性が低下するばかりでなく、量産性にも問題が生じる。
第2群の本発明においてはインジウム(In)、亜鉛(Zn)、酸素(O)及び少なくとも1種のハロゲンを必須構成元素とする材料を用いることによって、熱拡散層(15)としての上記の機能を発揮して、オーバーライト特性を向上させることができ、とりわけ短波長領域での充分な光透過率を確保することができる。
熱拡散層(15)におけるInとZnの原子比、In/(In+Zn)は、0.55〜0.9の範囲にあること、即ち、0.55≦In/(In+Zn)≦0.9を満足する範囲にあることが好ましい。より好ましくは0.6〜0.9であり、特に好ましくは0.7〜0.9である。0.55より少ないと熱伝導率の低下によってオーバーライト特性が低下してしまい、0.9より多いと耐熱性が低下することによりオーバーライト特性が劣化する。また、ZnとInの原子比は、0.05≦Zn/(In+Zn)≦0.5の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、0.05≦Zn/(In+Zn)≦0.3の範囲である。0.05より少ないと保存信頼性が低下してしまい、0.5より多いと熱伝導率が低下してオーバーライト特性が劣化する。
また第2群の本発明においては、熱拡散層(15)は、In、Zn、O及び少なくとも1種のハロゲンの他に、価数が正3価以上である少なくとも1種の第3金属元素を構成元素として含有してもよい。この第3金属元素の具体例としては、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ランタン(La)、ルテニウム(Ru)が挙げられる。これらの第3金属元素の中でも、熱伝導性が向上するという観点から、スズ(Sn)が特に好ましい。
上記第3金属元素の総量の金属元素全体に対する原子比は0.2以下、即ち、(全第3金属元素)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.2、を満足することが好ましく、0.1以下とすることがより好ましい。原子比が0.2を超えると、熱伝導性が低くなる。
一方、第2群の本発明の熱拡散層における必須構成元素であるハロゲンの総量の金属元素全体に対する原子比は0.01〜0.3であること、即ち、0.01≦(全ハロゲン)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.3、を満足することが好ましい。0.01未満ではハロゲンを添加したことによる熱伝導性や短波長領域での光透過性の向上が実質的に認められず、0.3を超えると熱伝導率が低下する。上記原子比は0.2以下であることがより好ましい。また、0.1以上になると熱伝導率が低下する傾向にあるので、そのような場合には熱拡散層の膜厚を80nm以上とすることが好ましい。なお、上記原子比を求めるに当って、当該熱拡散層が第3金属元素を構成元素としていない場合には、上記の式において全第3金属元素の値を0として算出する。
上記のハロゲンの具体例としてはフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、沃素(I)が挙げられるが、他のハロゲンを構成元素とした場合よりもより熱伝導率の高い熱拡散層が得られるという観点から、特にフッ素が好ましい。
第1群及び第2群の本発明における熱拡散層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
熱拡散層の膜厚は、第1群の本発明においては20〜200nm、第2群の本発明においては10〜200nmが好ましい。これら最小膜厚より薄いと、放熱効果が得られなくなる。200nmより厚いと、応力が大きくなり、繰り返し記録特性が低下するばかりでなく、量産性にも問題が生じる。
なお、第1群及び第2群の両本発明において、熱拡散層を第1下部保護層と第1基板との間にも設けて、熱拡散効果の更なる向上を図っても何ら問題はない。
また、第1群及び第2群の本発明において、第1情報層は、記録再生用レーザー光波長350〜700nmでの光透過率が40〜70%であることが好ましく、より好ましくは、40〜60%である。
初期化後に記録を行なった2層相変化型情報記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファス状態での光透過率は結晶状態での光透過率より小さくても構わない。また、第1群の本発明の場合、第1情報層側から入射させる光ビームとして、特に、波長350〜450nmのレーザー光を好ましく用いることができる。
次に、本発明の多層相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の2層相変化型情報記録媒体の製造方法の一つは、成膜工程、初期化工程、密着工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。図3に示すのが、この方法により製造した2層相変化型情報記録媒体の概略断面図であり、第1基板、第2基板にグルーブが形成されている。
成膜工程としては、第1基板のグルーブが設けられた面に第1情報層を形成したものと、第2基板のグルーブが設けられた面に第2情報層を形成したものを別途作成する。
第1情報層(1)、第2情報層(2)のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
初期化工程としては、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより記録層全面を初期化(結晶化)する。
初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまう恐れがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層(1)及び第2情報層(2)の上にUV樹脂などをスピンコートし、紫外線を照射して硬化させオーバーコートを施しても良い。また、次の密着工程を先に行なった後に、第1基板(3)側から、第1情報層(1)、第2情報層(2)を初期化しても構わない。
次に、以上のようにして初期化した、第1基板(3)面上に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)面上に第2情報層(2)を形成したものとを、第1情報層(1)と第2情報層(2)を向かい合わせながら、中間層(4)を介して貼り合わせる。
例えば、何れか一方の膜面に中間層となる紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で、紫外線を照射して樹脂を硬化させる。
また、図2に示すような本発明に係る2層相変化型情報記録媒体を製造するための他の方法について説明する。この方法は、第一成膜工程、中間層形成工程、第二成膜工程、基板貼り合わせ工程及び初期化工程からなり、基本的にこの順に各工程を行なう。図4に示すのが、この方法により製造した2層相変化型情報記録媒体の概略断面図であり、中間層(4)、第2基板(5)にグルーブが形成されている。
第一成膜工程としては、第2基板(5)上の案内溝の設けられた面に第2情報層(2)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
中間層形成工程としては、第2情報層(2)上に案内溝を有する中間層(4)を形成する。例えば、第2情報層(2)上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料で作られたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させ、溝を形成することができる。
第二成膜工程としては、中間層(4)上に第1情報層(1)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
基板貼り合わせ工程としては、第1情報層(1)と第1基板(3)を、透明層(4)を介して貼り合わせる。例えば、第1情報層(1)上又は第1基板(3)上に、透明層(4)の材料である紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、第1情報層(1)と第1基板(3)とを貼り合わせてから、紫外線を照射して硬化させる。また、透明層(4)を形成せずに、第1基板の材料である樹脂を第1情報層(1)上に塗布し、硬化させることによって、第1基板(3)を形成してもよい。
初期化工程として、第1基板側から、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより記録層全面を初期化(結晶化)する。第2情報層(2)に対しては、中間層形成工程直後に初期化を行なっても何ら問題はない。
更に、図5に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、次のような工程順で行なわれる。
第一成膜工程(第1基板に第1情報層、第2基板に第3情報層を成膜)→中間層形成工程(第2基板の第3情報層の上に第2中間層を形成する)→第二成膜工程(第2基板の第2中間層の上に第2情報層を成膜)→密着工程(第1基板と第2基板を第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、第1中間層を介して貼り合わせる)→初期化工程
なお初期化工程は、各情報層を成膜した直後でもよい。
次に、図6に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、次のような工程順で行なわれる。
第一成膜工程(第3情報層を成膜)→第一中間層形成工程(第2中間層を形成)→第二成膜工程(第2情報層を成膜)→第二中間層形成工程(第1中間層を形成)→第三成膜工程(第1情報層を成膜)→第1基板貼り合わせ工程(透明層を介して貼り合わせる)→初期化工程
なお、初期化工程については、第3情報層は第一成膜工程後又は第一中間層形成直後、第2情報層は第二成膜工程後又は第二中間層形成直後、第1情報層は第三成膜工程後でもよい。
以下、本発明の相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の2層相変化型情報記録媒体の製造方法のひとつは、成膜工程、初期化工程、密着工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。図3に示すのが、この方法により製造した2層相変化型情報記録媒体の概略断面図であり、第1基板(3)、第2基板(5)にグルーブが形成されている。
成膜工程としては、第1基板(3)のグルーブが設けられた面に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)のグルーブが設けられた面に第2情報層(2)を形成したものを別途作成する。
第1情報層(1)、第2情報層(2)のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。
中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
初期化工程として、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。
初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまうおそれがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層および第2情報層の上に、UV樹脂などをスピンコートし紫外線を照射して硬化させ、オーバーコートを施しても良い。
また、次の密着工程を先に行なった後に、第1基板側から、第1情報層、第2情報層を初期化させても構わない。
次に、以上のようにして初期化された、第1基板(3)の面上に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)の面上に第2情報層(2)を形成したものとを、第1情報層(1)と第2情報層(2)とを向かい合わせながら、中間層(4)を介して貼り合わせる。
例えば、何れか一方の膜面に中間層となる紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で、紫外線を照射して樹脂を硬化させることができる。
また、図2に示すような本発明に係る2層相変化型情報記録媒体を製造するための他の方法について説明する。この方法は、第一成膜工程、中間層形成工程、第二成膜工程、基板貼り合わせ工程および初期化工程からなり、基本的にこの順に各工程を行なう。図4に示すのが、この方法により製造した2層相変化型情報記録媒体の概略断面図であり、中間層(4)、第2基板(5)にグルーブが形成されている。
第一成膜工程として、第2基板(5)上の案内溝の設けられた面に第2情報層(2)を成膜する。成膜方法は、前述のとおりである。
中間層形成工程として、第2情報層(2)上に案内溝を有する中間層(4)を形成する。例えば、第2情報層(2)上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料でつくられたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させて、溝を形成することができる。
第二成膜工程として、中間層(4)上に第1情報層(1)を成膜する。成膜方法は、前述のとおりである。
基板貼り合わせ工程として、第1情報層(1)と第1基板(3)を、透明層(6)を介して貼り合わせる。例えば、第1情報層(1)上、または第1基板(3)上に、透明層(6)の材料である紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、第1情報層(1)と第1基板(3)とを貼り合わせてから、紫外線を照射して硬化させて形成することができる。また、透明層(6)を形成せずに、第1基板(3)の材料である樹脂を第1情報層(1)上に塗布し、硬化させることによって、第1基板(3)を形成してもよい。
初期化工程として、第1基板(3)側から、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。第2情報層(2)に対しては、中間層(4)形成工程直後に初期化を行なってもなんら問題はない。
さらに、図5に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第一成膜工程(第1基板に第1情報層、第2基板に第3情報層を成膜)→中間層形成工程(第2基板の第3情報層の上に第2中間層を形成する)→第二成膜工程(第2基板の第2中間層の上に第2情報層を成膜)→密着工程(第1基板と第2基板を第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、第1中間層を介して貼り合わせる)→初期化工程。
なお、初期化工程は、各情報層を成膜した直後でもよい。
次に、図6に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第一成膜工程(第3情報層を成膜)→第一中間層形成工程(第2中間層を形成)→第二成膜工程(第2情報層を成膜)→第二中間層形成工程(第1中間層を形成)→第三成膜工程(第1情報層を成膜)→第1基板貼り合わせ工程(透明層を介して貼り合わせる)→初期化工程。
なお、初期化工程は、第3情報層は第一成膜工程後または第二中間層形成直後、第2情報層は第二成膜工程後または第一中間層形成直後、第1情報層は第三成膜工程後でもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
〔第1群の発明〕
[実施例1]
予備実験として、ガラス基板上に熱拡散層に用いられるインジウム、亜鉛および酸素を主成分とするターゲット(Zn/(In+Zn)=0.1)を、Balzers社製枚葉スパッタ装置を用いてスパッタし、200nm程度の膜を設けた。その際、ArとOの混合ガスをスパッタガスとして、Arガス流量を一定にしたままOガス流量を変えながらスパッタを行ない、薄膜の電気抵抗率が最も低くなるOガス流量を求めた。電気抵抗率の測定は四端子法を用いた。
直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上にZnS・SiOからなる第1下部保護層120nm、GeAgInSb70Te22からなる第1記録層6nm、ZnS・SiOからなる第1上部保護層15nm、Ag−Zn−Alからなる第1反射層10nm、表1に示す第1熱拡散層120nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。本発明の熱拡散層に関しては、予備実験で求めた流量のArとOの混合ガス(Ar:10sccm、O:0.2sccm)を用いた。また、同様の基板を第2基板として、第2基板上にAl−Tiからなる第2反射層を120nm、ZnS・SiOからなる第2上部保護層20nm、GeAgInSb70Te22からなる第2記録層12nm、ZnS・SiOからなる第2下部保護層130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。ここで、第1情報層の波長405nmでの光透過率を、SHIMADZU製分光光度計を用いて第1基板側から測定した。次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。ここでまた、第1情報層の波長405nmでの透過率を測定した。次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2基板の第2情報層面側を貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線光を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。中間層の厚さは35μmとした。なお、サンプル1−1は実施例、サンプル1−2〜1−4は比較例である。
作成された各ディスクについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.65
線速:6.0m/s
トラックピッチ:0.43μm
線密度0.18μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および1000回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。
各サンプルの測定結果を表1に示す。本発明に係る2層相変化型情報記録媒体であるサンプル1−1は、熱拡散層はインジウム、亜鉛および酸素が主成分であり(Zn/(In+Zn)=0.1)、光透過率は40%を越え、1回記録後のジッター値は第1情報層、第2情報層ともに9%以下となり、光ディスクとして優れていることがわかった。サンプル1−2は、熱拡散層に窒化アルミニウムを用いているが、120nmの厚さで成膜したところ、目に見えるクラックが多発してしまい、記録再生を行なうことができなかった。サンプル1−3、1−4は、熱拡散層にそれぞれ炭化珪素、酸化チタンを用いたが、第1情報層の光透過率が40%以下となり、第2情報層の感度が悪く、ジッター値も大きく、1000回書き換えすることはできなかった。以上の結果から、第1情報層の熱拡散層はインジウム、亜鉛および酸素を主成分とした材料を用いることが好ましい。
Figure 2005004943
[実施例2]
実施例2に用いた熱拡散層のターゲットは、インジウム、亜鉛および酸素が主成分で、Znの原子比は表2に示すとおりである。このターゲットを熱拡散層に用いた以外は、実施例1と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作製した。
作成された各サンプルについて実施例1と同条件で記録し、第1情報層、第2情報層のジッター、および1000回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。
Znを0.05〜0.5の範囲の原子比で添加することによって、1000回書き換え後のジッターが低下し、オーバーライト特性が向上することがわかった。比較例であるサンプル2−1は、Znが添加されておらず、オーバーライト特性は良好であるが、80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定したところ、9%以上となり、保存信頼性が低下したことがわかった。反対に、サンプル2−5、2−6はZnの添加量がそれぞれ0.8、1.0であり、第1情報層のオーバーライト特性が低下した。しかし比較例であるサンプル1−2〜1−4と比べると透過率は大きく、1000回繰り返し記録後のジッター値も大きいながらも測定可能であったため、熱拡散層にインジウム、亜鉛および酸素を主成分とする材料を用いたことによる本発明の効果は得られていると考えられる。以上の結果から、Znの割合は0.05≦Zn/(In+Zn)≦0.5であることが好ましいことが分かる。
また、その他の試作実験からも、第1情報層の記録層膜厚が3〜15nm、反射層が3〜20nm、熱拡散層が20〜200nmの範囲であると、第1情報層、第2情報層ともに良好な記録再生ができ、また、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
Figure 2005004943
[実施例3]
実施例3として、第1反射層にAgを用い、第1上部保護層と第1反射層との間にバリア層として膜厚3nmのSiCを設けた以外は実施例1のサンプル1−1と同様にして、実施例であるサンプル3−1の2層相変化型情報記録媒体を作製した。
また、バリア層を設けない点以外は、サンプル3−1と同様にして、サンプル3−2を作製した。
作成された各サンプルについて実施例1と同条件で記録し、第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。さらに保存信頼性を調べるために、初期記録した各メディアを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定した。結果は表3に示すとおりであり、第1反射層にAgを用いた場合、バリア層を設けたサンプルは、保存後のジッターも良好で、光ディスクとして優れていることがわかった。
Figure 2005004943
[実施例4]
実施例4として、直径12cm、厚さ1.1mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第2基板上にAl−Tiからなる第2反射層を120nm、ZnS・SiOからなる第2上部保護層20nm、GeAgInSb70Te22からなる第2記録層12nm、ZnS・SiOからなる第2下部保護膜130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を形成した。このようにして形成した第2情報層上に、樹脂を塗布し、2P(photo polymerization)法によって、連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つ中間層を形成した。中間層の厚さは30μmである。さらにその上にサンプル1−1と同様のターゲットを用いて第1熱拡散層120nmを設け、Ag−Pd−Cuからなる第1反射層10nm、ZnS・SiOからなる第1上部保護層15nm、GeAgInSb70Te22からなる第1記録層6nm、ZnS・SiOからなる第1下部保護層120nm、の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を形成した。熱拡散層に関しては、ArとOの混合ガスをスパッタガスとし、電気伝導率、透過率が大きくなるArガスとOガスの比(Ar:10sccm、O:0.2sccm)で成膜を行なった。さらに第1情報層膜面上に直径12cm、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムからなる第1基板を、45μmの厚さの両面粘着シートからなる透明層を介して貼り合わせて、2層相変化型情報記録媒体を作成した。また、これとは別に、透過率測定用として、厚さ1.1mmの基板に第1情報層と透明層、第1基板を同様に設け、第1基板側からの光透過率を測定した。
本実施例の第1情報層の初期化前の波長405nmでの透過率は44%、初期化後の透過率は50%であった。
作成されたメディアについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.85
線速:6.5m/s
トラックピッチ:0.32μm
線密度0.16μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および1000回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定したところ、第1情報層、第2情報層ともに良好に記録再生を行なうことができた。
また、その他の試作実験からも、NA=0.85ピックアップで記録再生を行なう場合でも、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
以上のことから、第1群の本発明の光ディスクは、記録再生を行なう対物レンズの開口数NAが変化した場合でも、第1基板の厚さを10μm〜600μmの範囲で調整することによって、良好に記録再生を行なうことが出来る。
〔第2群の発明〕
[実施例5]
予備実験として、ポリカーボネート基板上に、熱拡散層に用いられるZnF2、ZnO及びInを燒結させたターゲットを、Balzers社製枚葉スパッタ装置を用いてスパッタし、200nm程度の膜を設けた。成膜ガスとしてはArガスを用いた。
この薄膜におけるInとZnの原子比、In/(In+Zn)、及びハロゲンの総量の金属元素全体に対する原子比、(全ハロゲン)/(In+Zn+全第3金属元素)を求めた(但し、本実施例では全第3金属元素=0である)。方法としては、薄膜の組成をXPS(X線光電子分光分析)により求め、その結果から上記の式を用いて算出した。
その結果を表4に示す。
予備実験とは別に、直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に(ZnS)70・(SiO30からなる第1下部保護層(厚さ120nm)、GeAgInSb70Te22からなる第1記録層(厚さ6nm)、(ZnS)70・(SiO30からなる第1上部保護層(厚さ15nm)、Ag96−Zn−Alからなる第1反射層(厚さ10nm)、第1熱拡散層(厚さ120nm)の順にBalzers社製枚葉スパッタ装置を用いてArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。第1熱拡散層は予備実験で使用したターゲットを用いた。
次に、第1基板と同じ構成の第2基板上にAl98−Tiからなる第2反射層(厚さ120nm)、(ZnS)70・(SiO30からなる第2上部保護層(厚さ20nm)、GeAgInSb70Te22からなる第2記録層(厚さ12nm)、(ZnS)70・(SiO30からなる第2下部保護層(厚さ130nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。ここで、第1情報層の波長407nmでの光透過率を、SHIMADZU製分光光度計を用いて第1基板側から測定した。
次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射し、初期化処理を行った。ここでまた、第1情報層の波長407nmでの透過率を測定した。
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2基板の第2情報層面側と貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。中間層の厚さは35μmとした。
[実施例6]
熱拡散層として、ZnOとInを焼結させたターゲットを用い、Arガスとフッ素ガスと酸素ガスの混合ガス〔Ar:O:F=10:0.2:0.2(体積比)〕を成膜ガスとした点以外は、実施例5と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。実施例5の予備実験と同様にして算出したInとZnの原子比、及びハロゲンの総量の金属元素全体に対する原子比(ハロゲンの原子比)を表4に示す。
[実施例7]
熱拡散層として、ZnO、In及びSnOを焼結させたターゲットを用い、Arガスとフッ素ガスと酸素ガスの混合ガス〔Ar:O:F=10:0.2:0.4(体積比)〕を成膜ガスとした点以外は、実施例5と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。実施例5の予備実験と同様にして算出したInとZnの原子比、第3金属元素の総量の金属元素全体に対する原子比(第3金属元素の原子比)、及びハロゲンの原子比を表4に示す。
[実施例8]
熱拡散層として、実施例5とは異なる組成比のZnF、ZnO及びInを焼結させたターゲットを用いた点以外は、実施例5と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。実施例5の予備実験と同様にして算出したInとZnの原子比、及びハロゲンの原子比を表4に示す。
[実施例9]
熱拡散層として、実施例7とは異なる組成比のZnO、In及びSnOを焼結させたターゲットを用い、Arガスとフッ素ガスと酸素ガスの混合ガス〔Ar:O:F=10:0.2:0.3(体積比)〕を成膜ガスとした点以外は、実施例7と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。実施例5の予備実験と同様にして算出したInとZnの原子比、第3金属元素の原子比、及びハロゲンの原子比を表4に示す。
実施例10
熱拡散層として、実施例5とは異なる組成比のZnF、ZnO及びInを焼結させたターゲットを用いた点以外は、実施例1と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。実施例5の予備実験と同様にして算出したInとZnの原子比、及びハロゲンの原子比を表4に示す。
実施例11
熱拡散層として、ZnO、In及びGeを焼結させたターゲットを用い、Arガスとフッ素ガスと酸素ガスの混合ガス〔Ar:O:F=10:0.2:0.5(体積比)〕を成膜ガスとした点以外は、実施例7と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。実施例5の予備実験と同様にして算出したInとZnの原子比、第3金属元素の原子比、及びハロゲンの原子比を表4に示す。
比較例1
熱拡散層として、ZnO及びInとを焼結させたターゲットを用いた点以外は、実施例5と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。実施例5の予備実験と同様にして算出したInとZnの原子比を表4に示す。
上記のようにして作成した各記録媒体に対し、下記の条件で記録を行なった。
・レーザー波長:407nm
・NA=0.65
・線速:6.0m/s
・トラックピッチ0.43μm
線密度0.18μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、及び、100回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。また、第2情報層のジッター値が9%以下となる記録パワー(Pw)も測定した。各記録媒体の測定結果を表4に示す。
Figure 2005004943
実施例5〜11の記録媒体の第1情報層の結晶状態の光透過率は52%以上で、1回記録後のジッター値は第1情報層、第2情報層ともに9%以下となり、光記録媒体として優れていることが分った。これに対し、比較例1の記録媒体は、光透過率は50%であるが、第2情報層の記録パワーが15mW以上必要となり、実施例5〜11よりも劣っていることが分った。実施例10、11と実施例5を比較した結果、及び、他の試作実験から、0.55≦In/(In+Zn)≦0.9、(全第3金属元素)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.2、0.01≦(全ハロゲン)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.3の範囲であると、第1情報層、第2情報層共に良好に記録再生ができ、また、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
実施例12
第1反射層にAgを用い、第1上部保護層と第1反射層との間にバリア層として膜厚3nmのSiCを設けた点以外は、実施例5と同様にしてサンプルNo.8−1の2層相変化型情報記録媒体を作製した。
また、バリア層を設けない点以外は、No.8−1と同様にしてサンプルNo.8−2の2層相変化型情報記録媒体を作製した。
作成された各サンプルについて実施例5と同条件で記録を行い、第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。更に保存信頼性を調べるために、初期記録した各サンプルを80℃85%RHで300時間保存した後の初期記録マークの3T再生信号のジッターを測定した。結果は表5に示す通りであり、バリア層を設けたサンプルNo.8−1の保存後のジッター上昇は0.5%ほどであり、光記録媒体としてより好ましい構成であることが分った。
Figure 2005004943
[実施例13]
直径12cm、厚さ1.1mmで表面に連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第2基板上に、Al98−Tiからなる第2反射層(厚さ120nm)、(ZnS)70・(SiO30からなる第2上部保護層(厚さ20nm)、GeAgInSb70Te22からなる第2記録層(厚さ12nm)、(ZnS)70・(SiO30からなる第2下部保護層(厚さ130nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を形成した。
この第2情報層上に樹脂を塗布し、2P(photo polymerization、光重合)法によって、連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つ中間層を形成した。中間層の厚さは30μmである。
更にその上に、実施例5と同様のターゲットを用いて第1熱拡散層(厚さ120nm)を設け、Ag98−Pd−Cuからなる第1反射層(厚さ10nm)、(ZnS)70・(SiO30からなる第1上部保護層(厚さ10nm)、GeAgInSb70Te22からなる第1記録層(厚さ6nm)、(ZnS)70・(SiO30からなる第1下部保護層(厚さ120nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を形成した。
更に第1情報層膜面上に、直径12cm、厚さ40μmのポリカーボネートフィルムからなる第1基板を、45μmの厚さの両面粘着シートからなる透明層を介して貼り合わせて、2層相変化型情報記録媒体を作成した。
また、これとは別に、透過率測定用として、厚さ1.1mmの基板に第1情報層と透明層、第1基板を同様に設け、第1基板側からの光透過率を測定した。
本実施例の第1情報層は、初期化前の波長405nmでの透過率が48%、初期化後の透過率が55%であった。
上記のようにして作成した記録媒体に対し、下記の条件で記録を行なった。
・レーザー波長:405nm
・NA=0.85
・線速:5.7m/s
・トラックピッチ0.32μm
線密度0.13μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、及び、100回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定したところ、第1情報層、第2情報層共に良好に記録再生を行なうことができた。
[実施例14〜21]
第1熱拡散層、第1反射層、第1記録層の膜厚をそれぞれ変えた点以外は実施例13と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。(それぞれの膜厚は表6に記載した通りである)
作成された各記録媒体について、実施例13と同様の条件で第1情報層、第2情報層のジッター、及び100回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定した結果を表6に示すが、何れの記録媒体も光透過率は47%以上で、1回記録後、100回オーバーライト後のジッター共に9%以下となり、光記録媒体として優れていることが分った。
Figure 2005004943
また、その他の試作実験からも、NA=0.85のピックアップで記録再生を行なう場合でも、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
以上のことから、本発明の光記録媒体は、記録再生を行なう対物レンズの開口数NAが変化した場合でも、第1基板の厚さを10〜600μmの範囲で調整することによって、良好に記録再生を行なうことができる。
また、その他の試作実験からも、第1情報層の記録層膜厚が3〜15nm、反射層が3〜20nm、熱拡散層が10〜200nmの範囲であると、第1情報層、第2情報層共に良好に記録再生ができた。特に、第1情報層の記録層膜厚、反射層膜厚がそれぞれ15nm、20nmより厚いと初期化後の光透過率を40%以上にすることが出来ないために、第2情報層を良好には記録することができなかった。また、熱拡散層が200nmより厚いと、2層光ディスクを作成するのに60秒かかり、量産には困難であることが分った。
[実施例22]
直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に(ZnS)80・(SiO20からなる第1下部保護層(厚さ50nm)、GeAgInSb70Te22からなる第1記録層(厚さ6nm)、(ZnS)80・(SiO20からなる第1上部保護層(厚さ15nm)、Ag96−Zn−Alからなる第1反射層(厚さ10nm)、第1熱拡散層(厚さ100nm)の順にBalzers社製枚葉スパッタ装置を用いてArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。第1熱拡散層は実施例1と同様のターゲットを用いた。
次に、第1基板と同じ構成の第2基板上にAl98−Tiからなる第2反射層(厚さ80nm)、(ZnS)80・(SiO20からなる第2上部保護層(厚さ20nm)、GeAgInSb67Te25からなる第2記録層(厚さ12nm)、(ZnS)80・(SiO20からなる第2下部保護層(厚さ80nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。ここで、第1情報層の波長660nmでの光透過率を、SHIMADZU製分光光度計を用いて第1基板側から測定した。
次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射し、初期化処理を行なった。ここでまた、第1情報層の波長660nmでの透過率を測定した。
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2基板の第2情報層面側を貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。中間層の厚さは50μmとした。
本実施例の第1情報層は、初期化前の波長660nmでの透過率が56%、初期化後の透過率が50%であった。
上記のようにして作成した記録媒体に対し、下記の条件で記録を行なった。
・レーザー波長:660nm
・NA=0.65
・線速:3.49m/s
・トラックピッチ0.74μm
線密度0.267μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、及び100回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定したところ、第1情報層、第2情報層共に良好に記録再生を行なうことができた。
本発明の2層情報記録媒体の一例を示す概略断面図。 本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図。 第1基板及び第2基板にグルーブが設けられた2層相変化型情報記録媒体の概略断面図。 第1基板及び中間層にグルーブが設けられた2層相変化型情報記録媒体の概略断面図。 本発明に係る3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体を示す図。 本発明に係る他の3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体を示す図。
符号の説明
1 第1情報層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
6 透明層
11 第1下部保護層
12 第1記録層
13 第1上部保護層
14 第1反射層
15 第1熱拡散層
21 第2下部保護層
22 第2記録層
23 第2上部保護層
24 第2反射層

Claims (20)

  1. 光の入射によって、結晶状態と非晶質状態との相変化によって情報を記録しうる記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられた光情報記録媒体において、それぞれの情報層を、光が入射される側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の、少なくとも1層の情報層が、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層の順からなり、熱拡散層は、インジウム、亜鉛および酸素が主成分であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体。
  2. InとZnの原子比が、0.05≦Zn/(In+Zn)≦0.5の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の多層相変化型情報記録媒体。
  3. 前記熱拡散層の厚さが20〜200nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の多層相変化型情報記録媒体。
  4. 光の入射により、結晶状態と非晶質状態との間で相変化を起して情報を記録し得る記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられた光情報記録媒体において、各情報層を、光が入射する側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の少なくとも1層の情報層が、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層の順に積層された層構成を有し、熱拡散層が、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、酸素(O)及び少なくとも1種のハロゲンを主成分とすることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体。
  5. 熱拡散層が、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、酸素(O)、少なくとも1種のハロゲンの他に、価数が正3価以上である少なくとも1種の第3金属元素を必須構成元素とし、該第3金属元素の総量の金属元素全体に対する原子比が、(全第3金属元素)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.2、を満足することを特徴とする請求項4記載の多層相変化型情報記録媒体。
  6. 熱拡散層のInとZnの原子比が、0.55≦In/(In+Zn)≦0.9、を満足する範囲にあることを特徴とする請求項4又は5に記載の多層相変化型情報記録媒体。
  7. 熱拡散層のハロゲンの総量の金属元素全体に対する原子比が、0.01≦(全ハロゲン)/(In+Zn+全第3金属元素)≦0.3、を満足することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  8. 熱拡散層のハロゲンがフッ素(F)である、請求項4乃至7の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  9. 熱拡散層の厚さが10〜200nmであることを特徴とする請求項4乃至8の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  10. 前記熱拡散層を有する情報層の前記記録層が、SbとTeを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか又は請求項4乃至9の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  11. 前記記録層の厚さが、3〜15nmであることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  12. 前記熱拡散層を有する情報層の前記反射層が、Au、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とする請求項1乃至11の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  13. 前記反射層の厚さが、3〜20nmであることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  14. 第1基板と第2基板の間に2つの情報層を有し、かつ上記情報層の間に中間層を有してなる、情報の記録・再生が可能な2層相変化型情報記録媒体であって、第1情報層は第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、第1反射層、第1熱拡散層を含み、第2情報層は、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、第2反射層を含み、記録・再生のための光が入射される側から、第1基板、第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、第1反射層、第1熱拡散層、中間層、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、第2反射層、第2基板の順で配置されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の2層相変化型情報記録媒体。
  15. 前記第1情報層の光透過率が、波長350〜700nmの光に対して40〜70%であることを特徴とする請求項14に記載の2層相変化型情報記録媒体。
  16. 前記第1基板と前記第1下部保護層との間に透明層を有することを特徴とする請求項14または15に記載の2層相変化型情報記録媒体。
  17. 前記第1上部保護層と前記第1反射層との間および/又は前記第2上部保護層と前記第2反射層との間にバリア層を有することを特徴とする請求項14乃至16の何れかに記載の2層相変化型情報記録媒体。
  18. 前記第1基板の厚さが、10μm〜600μmであることを特徴とする請求項14乃至17の何れかに記載の2層相変化型情報記録媒体。
  19. 請求項1乃至3の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体の各情報層に対し、第1情報層側から波長350〜450nmの光ビームを入射させて情報の記録・再生を行なうことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
  20. 請求項4〜9の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体の各情報層に対し、第1情報層側から波長350〜700nmの光ビームを入射させて情報の記録再生を行なうことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
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