JP2007323743A - 相変化型光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】情報層を少なくとも1層有する相変化型光記録媒体において、高い反射率が得られる光記録媒体を提供する。
【解決手段】光記録媒体Dは、レーザ光Lが入射する入射面1Aを底面とした第1基板1上に、少なくとも第1保護膜8、第2保護膜9、第3保護膜10、記録膜11をこの順に積層した情報層D2を備えている。特定波長の光Lにおける第1保護膜の屈折率をn1、第2保護膜の屈折率をn2、第3保護膜の屈折率をn3としたときにn1>n2>n3またはn2>n1>n3を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、光(例えばレーザ光)の照射によって情報の記録・再生または消去を行う相変化型光記録媒体に関するものである。特に本発明は、光ディスク、光カードなどの高反射率を有する相変化型光記録媒体に関する。
相変化型光記録媒体とは、例えば近年のCD−RW、DVD−RWやDVD−RAMやBD−RE(Blu-ray Disc Rewritable)であり、記録層を形成する材料を光により結晶相と非結晶相との間で可逆的に変化させ、記録層に対して情報を記録または消去する記録媒体である。なかでもDVD−RWやDVD−RAM、BD−REは、主に映像情報のような情報量が大きいものの記録、書換えに使用されることが多い。
更に大きな情報量を記録するには、記録密度を増大させることが考えられ、基板の片面側に記録層と反射膜からなる情報層を2層以上重ね合わせて、光記録媒体を多層化する方法(多層型光記録媒体)がある。
上記したような複数の情報層を有する多層型光記録媒体において、レーザ光が入射する側から見て手前側にある情報層は、光の吸収率が大きい記録膜や反射膜を記録特性が良好となるような厚みで形成することが必要である。従って、手前側の情報層の透過率を大きくすることは困難である。このような多層型光記録媒体に記録再生のためにレーザ光を照射すると、レーザ光は手前側の情報層において大きく減衰するため、レーザ光入射側から見て奥側にある情報層では反射率が小さくなる。
特開2000−322766号公報(特許文献1)は、情報層が入射光に対して高い反射率を有するように、基板上に第1保護膜、第2保護膜、第3保護膜、第4保護膜、記録膜、第5保護膜、反射膜を順に積層して形成し、第1〜第3保護膜の屈折率n1〜n3がn1>n2、n3>n2の関係を満たす、相変化型光記録媒体の構造を開示している。しかしながら、本発明者の検討では、第1〜第3保護膜の屈折率n1〜n3を全て同じにして形成した場合と反射率は変わらず、保護膜を多層膜にしたことによる反射率の向上は見られなかった。
特開2000−322766号公報
上記したように、基板上に情報層を複数形成すると、レーザ光に対し手前側の情報層がレーザ光を吸収するため、奥側の情報層の反射率が低下しやすい。
そこで本発明は、前記した問題を解決するために、情報層を複数有する多層型相変化型光記録媒体において光が入射する側から遠い奥側の情報層が、高い反射率を有し、更に生産性を損なわないような光記録媒体を提供することを目的とする。また、情報層を少なくとも1層有する相変化型光記録媒体において、高い反射率を有する光記録媒体を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために本発明は、次の(a)〜(d)の相変化型光記録媒体を提供するものである。
(a)光(L)により情報が記録または再生される光記録媒体(D)において、前記光を入射させる基板(1)と、前記基板上に少なくとも第1保護膜(8)、第2保護膜(9)、第3保護膜(10)、記録膜(11)をこの順に積層した情報層(D2)を備え、特定波長の前記光における前記第1保護膜の屈折率をn1、前記第2保護膜の屈折率をn2、前記第3保護膜の屈折率をn3としたときに、n1>n2>n3、またはn2>n1>n3を満たすことを特徴とする光記録媒体。
(b)前記第1から第3保護膜における2つの保護膜の屈折率の差の絶対値、|n1−n2|、|n2−n3|、|n1−n3|のうち、最小の屈折率の差Δnは0.01以上であることを特徴とする(a)記載の光記録媒体。
(c)前記第1保護膜の膜厚をd1、前記第2保護膜の膜厚をd2、前記第3保護膜の膜厚をd3とし、前記特定波長をλとしたときに、0.17≦(d1+d2+d3)/λ≦0.26を満たすことを特徴とする(b)記載の光記録媒体。
(d)前記第1保護膜、第2保護膜及び第3保護膜はZnSとSiO2との少なくとも一方を含む材料で構成され、前記第1保護膜を構成する前記材料のSiO2モル比率をα1とし、前記第2保護膜を構成する前記材料のSiO2モル比率をα2とし、前記第3保護膜を構成する前記材料のSiO2モル比率をα3としたときに、α1、α2、α3が0以上0.8以下であることを特徴とする(a)ないし(c)のいずれかに記載の光記録媒体。
(e)前記情報層を、前記基板の光が入射する入射面から見て奥側に位置する奥側情報層として備えるとともに、前記奥側情報層よりも前記入射面側に位置する入射面側情報層を備え、前記奥側情報層は、前記特定波長において28%以上の反射率を有することを特徴とする(a)ないし(d)のいずれかに記載の光記録媒体。
本発明によれば、複数の情報層を有する相変化型光記録媒体において、奥側の情報層において高い反射率を得られ、更に量産性を損なうこともない。また、情報層を少なくとも1層有する相変化型光記録媒体において、高い反射率が得られる。
≪光記録媒体の構成≫
記録膜を有する情報層を複数層備える相変化型光記録媒体(以下、多層型光記録媒体)としては、DVD−RWなどの相変化型光ディスク、光カード等の情報を繰り返しオーバライト可能な媒体が挙げられる。なお以下の説明においては本発明の多層型光記録媒体の一実施形態として、多層型光ディスク(光記録媒体)Dを用いるが、これ以外の同様な構成を有する多層型光記録媒体についても本発明を適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態である多層型光記録媒体Dを示す拡大断面図である。光記録媒体Dは、その基本的な構成として、記録・再生または消去用レーザ光Lが入射する入射面1Aを底面とする第1基板1上に、第1情報層D1と中間層7を介して第2情報層D2と第2基板13とを積層したものである。
光記録媒体Dにおいて入射面1A側に位置する第1情報層D1は、第1保護膜2、半透過記録膜3、第2保護膜4、半透過反射膜5、光学調整膜6を順次積層したものである。レーザ光Lの入射面1Aから見て奥側に位置する第2情報層D2は、第2基板14のレーベル面14Bを底面とした第2基板14上に形成され、反射膜13、第6保護膜12、記録膜11、第5保護膜10、第4保護膜9、第3保護膜8を順次積層したものである。第1情報層D1の光学調整膜6と第2情報層D2の第3保護膜8とが中間層7を介して対向するように接着されている。
第1基板1の材料としては、各種透明な合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。第2基板14は、第2情報層D2への記録再生が入射面1Aから第1情報層D1を通して行われるため透明である必要はないが、第1基板1と同じ材料でもよい。このような第1基板1及び第2基板14の材料として例えば、ガラス、ポリカーボネイト樹脂、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。特に、光学的複屈折及び吸湿性が小さく、成形が容易であることからポリカーボネイト樹脂が好ましい。
第1基板1及び第2基板14の厚さは、特に限定するものではないが、全厚が1.2mmであるDVDとの互換性を考慮すると0.01mm〜0.6mmが好ましく、なかでも0.55mm〜0.6mmが最も好ましい。第1基板1の厚さが0.01mm未満となると、第1基板1の入射面1A側から収束したレーザ光で記録する際にごみの影響を受け易くなるので好ましくない。また光記録媒体Dの全厚に制限がないのであれば、実用的には0.01mm〜5mmの範囲内であればよい。5mm以上となると対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照射レーザ光のスポットサイズが大きくなるため、記録密度をあげることが困難になる。
第1基板1及び第2基板14はフレキシブルなものでも良いし、リジッドなものであっても良い。フレキシブルな第1基板1及び第2基板14は、テープ状、シート状、カード状の光記録媒体で使用する。リジッドな第1基板1及び第2基板14は、カード状、あるいはディスク状の光記録媒体で使用する。
第1保護膜2、第2保護膜4、第3保護膜8、第4保護膜9、第5保護膜10及び第6保護膜12(以下、第1保護膜〜第6保護膜)は、第1基板1、半透過記録膜3、記録膜11及び第2基板14等が記録時の発熱によって変形して記録特性が劣化することを防止する。また光学的な干渉効果により再生信号のコントラストを改善する効果を有する。
第1保護膜〜第6保護膜はそれぞれ、記録・再生または消去用のレーザ光に対して透明であって屈折率nが1.5≦n≦2.3の範囲にあることが望ましい。さらに、第1保護膜〜第6保護膜の材料は熱特性の点から、SiO2、SiO、ZnO、TiO2、Ta25、Nb25、ZrO2、MgOなどの酸化物、ZnS、In23、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、WC、TiCなどの炭化物、いずれかの単体及び混合物が好ましい。なかでも、ZnSとSiO2の混合膜は、記録、消去の繰り返しによっても、記録感度、C/N、消去率などの劣化が起こりにくいことから特に好ましい。
また第1保護膜〜第6保護膜は、同一の材料、組成でなくとも良く、異種の材料から構成されていてもかまわない。
第1保護膜2、第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の厚さは、およそ5nm〜500nmの範囲であればよい。さらには、第1保護膜2、第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の厚さは、所望の光学特性が得られ、かつ、第1基板1や半透過記録膜3や中間層7や記録膜11から剥離し難く、クラックなどの欠陥が生じ難いことが好ましい。これらを考慮すると、第1保護膜2の厚み及び、第3保護膜8と第4保護膜9と第5保護膜10とを合わせた厚みは、いずれも40nm〜200nmの範囲とするのが好ましい。40nmより薄いと所望の光学特性を確保しにくく、200nmより厚いとクラックや剥離を生じ、さらには生産性が劣る。
第2保護膜4及び第6保護膜12の厚さは、C/N、消去率などの記録特性を良好とし、安定に多数回の書き換えが可能となるよう、0.5nm〜50nmの範囲とするのが好ましい。0.5nmより薄いと半透過記録膜3及び記録膜11の熱確保が難しくなるためC/Nや消去率が良好となる最適記録パワーが上昇し、50nmより厚いとオーバライト時のC/Nや消去特性の悪化を招いて、好ましくない。
半透過記録膜3及び記録膜11は、Sb−Te合金にAg、Si、Al、Ti、Bi、Ga、In、Geのうち少なくとも1種類以上を含む組成、またはGe−SbにIn、Sn、Biのうち少なくとも1種類以上を含む組成、またはGa−SbにIn、Sn、Biのうち少なくとも1種類以上を含む組成から構成される合金膜である。
半透過記録膜3の膜厚は、3nm〜15nmが好ましい。膜厚が3nmより薄いと結晶化速度が低下し記録特性が悪くなり、15nmより厚いと第1情報層D1の透過率が低下する。また記録膜11の膜厚は10nm〜25nmが好ましい。これを10nmより薄くすると光吸収が小さくなり発熱し難くなることによる記録感度の悪化が起こり、25nmより厚くすると記録時に大きなレーザパワーが必要となる。
半透過記録膜3と記録膜11は、同一の材料、組成でなくとも良く、異種の材料から構成されていてもかまわない。
また半透過記録膜3及び記録膜11の片面、もしくは両面に接する界面膜を設けても良い。界面膜の材料としては、硫黄物を含まないことが重要である。硫黄物を含む材料を界面膜として用いると、オーバライトの繰り返しにより界面膜に含まれる硫黄が半透過記録膜3または記録膜11中に拡散し、記録特性が劣化することがあるので好ましくない。
界面膜の材料としては、窒化物、酸化物、炭化物のうち少なくとも1種類を含む材料が好ましく、具体的には窒化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、炭化シリコン、炭素のうち少なくとも1種類を含む材料が好ましい。また、これらの材料に酸素、窒素、水素などを含有させても良い。前述の窒化物、酸化物、炭化物は化学量論組成でなくても良く、窒素、酸素、炭素が過剰あるいは不足していても良い。
半透過反射膜5及び反射膜13の材料としては、光反射性を有するAl、Au、Agなどの金属、これらの金属を主成分とし1種類以上の金属または半導体からなる添加元素を含む合金、及びこれらの金属にAl、Siなどの金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物を混合したものなどが挙げられる。ここで、主成分とするとは、半透過反射膜5を構成する全材料のうちAl、Au、Agなどの金属の占める割合が全材料の50%を超える場合をさし、90%以上の場合が好ましい。
なかでもAu、Agなどの金属、及びこれらの金属を主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導度を高くできることから好ましい。合金の例としては、AlにSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、Zrなどの少なくとも1種類の元素を混合したもの、あるいは、AuまたはAgにCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、Ndなどの少なくとも1種類の元素を混合したものなどが一般的である。しかし高線速度記録を考慮した場合には、とりわけ熱伝導率の高いAgを主成分とする金属または合金が、記録特性の点から好ましい。また半透過反射膜5は記録光の波長において透過しやすい材料が好ましく、とりわけ消衰係数が小さいAu、Agが好ましい。
ただし、半透過反射膜5または反射膜13に純銀や銀合金を用いた場合には、エラーレートの要因となるAgS化合物の生成を防止するため、半透過反射膜5または反射膜13に接する膜はSを含有していない材料を用いることが好ましい。
半透過反射膜5の厚さは、半透過反射膜5を形成する材料の熱伝導率の大きさによって変化するが、3nm〜20nmとするのが好ましい。半透過反射膜5の厚みが3nmより薄いと半透過記録膜3で発熱した熱を吸収できないため記録特性が劣り、20nmより厚いと第1情報層D1の透過率が劣るので好ましくない。また反射膜13の厚さも、反射膜13を形成する材料の熱伝導率の大きさによって変化するが、50nm〜300nmであるのが好ましい。反射膜13の厚みが50nm以上であれば、反射膜13は光学的には変化せず反射率の値に影響を与えないが、反射膜13の厚みが増すと冷却速度への影響が大きくなる。また、300nmを超える厚さを形成するのは製造上多くの時間を要する。従って熱伝導率の高い材料を用いることにより、反射膜13の層厚を上記した最適範囲に制御する。
ここで、半透過反射膜5あるいは反射膜13にAgまたはAg合金を、第2保護膜4あるいは第6保護膜12にZnSの混合物を用いる場合には、第2保護膜4と半透過反射膜5との間または第6保護膜12と反射膜13との間に拡散防止膜(図示せず)を挿入することが好ましい。これは第2保護膜4や第6保護膜12中のSと半透過反射膜5や反射膜13中のAgとの化学反応により生成されるAgS化合物による反射率の低下を抑制するためである。
拡散防止膜の材料は、上記した界面膜と同様に硫黄物を含まない材料であることが重要であり、具体的な材料は、界面膜の材料と同じものや金属、半導体、窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウムクロムを用いることができる。
光学調整膜6は、第1情報層D1の透過率を向上させるため、半透過反射膜5の材料よりも高い屈折率を有し、消衰係数は1よりも小さいものが好ましい。また、光学調整膜6の膜厚は、光学調整膜6の屈折率や透過するレーザの波長を考慮して第1情報層D1の透過率が大きくなるように設定する。例えば、レーザが660nmの波長を有し、光学調整膜6の屈折率が2.1である場合には、40nm〜70nmの膜厚が好ましい。
光学調整膜6の材料としては、Ge、Si、SiHいずれかの単体、またはGe、Si、SiHいずれかを主成分とするもの、または、SiO2、SiO、ZnO、TiO2、Ta25、Nb25、ZrO2、MgOなどの酸化物、ZnS、In23、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、WC、TiCなどの炭化物の単体もしくは混合物が好ましい。なかでも、ZnSとSiO2の混合膜は、スパッタレートが速く、生産性が高いことから特に好ましい。ここで、主成分とするとは、光学調整膜6を構成する全材料のうちGe、Si、SiHなどの占める割合が全材料の50%を超える場合をさし、90%以上の場合が好ましい。
≪光記録媒体の製造方法≫
第1保護膜2、半透過記録膜3、第2保護膜4、半透過反射膜5、光学調整膜6、第3保護膜8、第4保護膜9、第5保護膜10、記録膜11、第6保護膜12、反射膜13などを第1基板1または第2基板14上に積膜する方法としては、公知の真空中での薄膜形成法が挙げられる。例えば、真空蒸着法(抵抗加熱型や電子ビーム型)、イオンプレーティング法、スパッタリング法(直流や交流スパッタリング、反応性スパッタリング)であり、特に、組成、膜厚のコントロールが容易であることから、スパッタリング法が好ましい。
また真空漕内で複数の基板を同時に成膜するバッチ法や、基板を1枚ずつ処理する枚葉式成膜装置を使用することが好ましい。形成するそれぞれの膜の膜厚の制御は、スパッタ電源の投入パワーと時間を制御したり、水晶振動型膜厚計で堆積状態をモニタリングしたりすることで容易に行える。
また上記した各膜の形成は、基板を固定した状態、あるいは移動、回転した状態のどちらで行っても良い。膜厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転させることが好ましく、更に公転を組み合わせることがより好ましい。成膜時における基板の発熱状況によっては、必要に応じて第1基板1や第2基板14の冷却を行うと第1基板1や第2基板14の反り量を減少させることができる。
光記録媒体Dを形成するには、第1基板1上に第1保護膜2、半透過記録膜3、第2保護膜4、半透過反射膜5、光学調整膜6を順次成膜したものと、第2基板14上に反射膜13、第6保護膜12、記録膜11、第5保護膜10、第4保護膜9、第3保護膜8を順次成膜したものを、粘着シートまたは紫外線硬化樹脂により形成される中間層7を介して接着を行う方法(第1の形成方法)がある。
またその他の形成方法には、第1基板1上に第1保護膜2、半透過記録膜3、第2保護膜4、半透過反射膜5、光学調整膜6を順次成膜した後、紫外線硬化樹脂を塗布し、溝転写用のクリアスタンパを押し付けながら、紫外線照射により硬化させて中間層7を形成し、クリアスタンパを剥離する。その後、中間層7上に第3保護膜8、第4保護膜9、第5保護膜10、記録膜11、第6保護膜12、反射膜13を順次成膜し、最後に第2基板14を粘着シートまたは紫外線硬化樹脂により接着させる方法(第2の形成方法)がある。
生産性を考慮すると、第2の形成方法よりも第1の形成方法のほうが好ましい。
上記形成方法により形成された光記録媒体Dを初期化するために、続いて半透過記録膜3及び記録膜11にレーザ光、またはキセノンフラッシュランプ等の光を照射して、半透過記録膜3及び記録膜11の構成材料を加熱して結晶化させる必要がある。再生ノイズが少ないことからレーザ光による初期化が好ましい。
≪第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の屈折率の検討≫
本発明者は第2情報層D2の反射率を高くするために、中間層7と第2情報層D2を構成する記録膜11とに隣接する保護膜を、第3保護膜8、第4保護膜9、第5保護膜10というように3膜化して形成し、後述する実施例1〜3及び比較例1〜5に基づいて第3保護膜8の屈折率n1と第4保護膜9の屈折率n2と第5保護膜10の屈折率n3の大小関係と第2情報層D2の反射率との関係を調べた。
本実施形態で行った以下の各実施例及び各比較例において、光学定数測定は株式会社溝尻光学工業所製エリプソメータ(DVA−3613)を用い、シリコンウエハ上に測定したい材料を用いてスパッタにて約100nmの厚さで成膜し、測定波長λ=660nmとして行った。さらに波長が660nmのレーザダイオード、NA=0.60の光学レンズを搭載したパルステック工業株式会社製光ディスクドライブテスタ(DDU−1000)を用いて、第2情報層D2の反射率測定を行った。
(実施例1)
直径が120mm、板厚が0.6mmのポリカーボネイト樹脂製の第1基板1上に、後述する各膜を形成した。第1基板1にはトラックピッチが0.74μmで空溝が形成されている。この溝深さは25nmであり、グルーブ幅とランド幅の比は、およそ50:50であった。なおグルーブはレーザ光Lの入射方向から見て凸状になっている。
まず、真空容器内を3×10-4Paまで排気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用い高周波マグネトロンスパッタ法により、第1基板1上に厚さ70nmの第1保護膜2を形成した。続いて、半透過記録膜3をAg−In−Sb−Teの合金ターゲットで厚さ5nmとして形成した。続いて第2保護膜4を第1保護膜2と同じ材料で厚さ10nm、半透過反射膜5をAg−Pd−Cu合金ターゲットで厚さ10nm、光学調整膜6を第1保護膜2と同じ材料で厚さ50nmとして順次積層し、第1情報層D1を作成した。
次に、第1基板1と同じように成型された第2基板14上に第1情報層D1と同条件のスパッタにて、反射膜13を半透過反射膜5と同じ材料で厚さ100nm、第6保護膜12を第1保護膜2と同じ材料で厚さ25nm、記録膜11を半透過記録膜3と同じ材料で厚さ20nm、第5保護膜10をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットで厚さ47nm、第4保護膜9をSiO2を40mol%添加したZnSターゲットで厚さ47nm、第3保護膜8を第1保護膜2と同じ材料で厚さ47nmとして順次積層し、第2情報層D2を作成した。
続いて、第1情報層D1の光学調整膜6上にアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製SD661)をスピンコートし、膜厚が50μmの中間層7を紫外線照射により硬化させて形成し、第2情報層D2の第3保護膜8が光学調製膜6と向かい合うように貼り合せて図1に示す光記録媒体Dを得た。
こうして作製した光記録媒体Dに、トラック方向のビーム幅が光記録媒体Dの半径方向のビーム幅より広い形をしているワイドビームのレーザ光を照射して、半透過記録膜3と記録膜11とを結晶化温度以上に加熱し、初期化処理を行った。
続いて、レーザ光を第1情報層D1を通じて第2情報層D2に照射したときの、第2情報層D2の反射率を測定した。なお反射率は、良好な再生が可能となる5.0%を下限値とし、5.0%以上の値であれば良好な反射率とした。
更に、シリコンウエハ上に上述の条件で第3保護膜8のみをスパッタで100nm形成し、エリプソメータで屈折率n1を測定した。同様に、シリコンウエハ上に第4保護膜9のみを100nm形成して屈折率n2を測定し、第5保護膜10のみを100nm形成して屈折率n3を測定した。測定結果を表1に示す。材料の欄には、例えばSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを、ZnS(80)-SiO2(20)というように記載した。なお、表1には以下の実施例2、3及び比較例1〜5の結果も示す。
Figure 2007323743
表1に示すように、第3保護膜8の屈折率n1は2.10、第4保護膜9の屈折率n2は1.95、第5保護膜10の屈折率n3は1.78であるため、n1>n2>n3という関係を満たしている。第2情報層D2の反射率は6.0%と、5.0%を超える良好な値が得られた。
(実施例2)
第3保護膜8をSiO2を10mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第4保護膜9をSiO2を30mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を40mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、第3保護膜8の屈折率n1は2.18、第4保護膜9の屈折率n2は2.02、第5保護膜10の屈折率n3は1.95であり、n1>n2>n3の関係を満たす。第2情報層D2の反射率は5.7%と良好な結果が得られた。
(実施例3)
第3保護膜8をSiO2を40mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第4保護膜9をSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、第3保護膜8の屈折率n1は1.95、第4保護膜9の屈折率n2は2.10、第5保護膜10の屈折率n3は1.78であり、n2>n1>n3の関係を満たす。第2情報層D2の反射率は5.9%と良好な結果が得られた。
(比較例1)
第4保護膜9、第5保護膜10の材料を第3保護膜8と同じにした以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、第3保護膜8の屈折率n1、第4保護膜9の屈折率n2、第5保護膜10の屈折率n3は全て2.10であり、n1=n2=n3という関係であった。第2情報層D2の反射率は4.6%と下限値の5.0%を下回り、良好でなかった。
(比較例2)
第4保護膜9をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を40mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、第3保護膜8の屈折率n1は2.10、第4保護膜9の屈折率n2は1.78、第5保護膜10の屈折率n3は1.95であり、n1>n3>n2という関係であった。第2情報層D2の反射率は4.3%と下限値の4.8%を下回り、良好でなかった。
(比較例3)
第3保護膜8をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第4保護膜9をSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を40mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、第3保護膜8の屈折率n1は1.78、第4保護膜9の屈折率n2は2.10、第5保護膜10の屈折率n3は1.95であり、n2>n3>n1という関係であった。第2情報層D2の反射率は4.1%と下限値の5.0%を下回り、良好でなかった。
(比較例4)
第3保護膜8をSiO2を40mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第4保護膜9をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、第3保護膜8の屈折率n1は1.95、第4保護膜9の屈折率n2は1.78、第5保護膜10の屈折率n3は2.10であり、n3>n1>n2という関係であった。第2情報層D2の反射率は3.7%と下限値の5.0%を下回り、良好でなかった。
(比較例5)
第3保護膜8をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、第3保護膜8の屈折率n1は1.78、第4保護膜9の屈折率n2は1.95、第5保護膜10の屈折率n3は2.10であり、n3>n2>n1という関係であった。第2情報層D2の反射率は3.1%と下限値の5.0%を下回り、良好でなかった。
以上のことより、中間層7と記録膜11との間に設けられていて、第2情報層D2を構成する保護膜を、第3保護膜8、第4保護膜9、第5保護膜10というように3膜化して形成し、更に第3保護膜8の屈折率をn1、第4保護膜9の屈折率をn2、第5保護膜10の屈折率をn3とした場合、それぞれの屈折率がn1>n2>n3という関係、あるいはn2>n1>n3という関係を満たすと第2情報層D2の反射率が良好な値となることが判明した。これは、本実施形態の第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10が測定波長λに対して充分に薄いため、互いに光学干渉し波長λの光を強めあい、反射率の向上につながるからである。
比較例1は、第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の材料を同じとしたため、実質1層の保護膜となっており、第2情報層D2は充分な反射率が得られなかった。
なお本実施形態では、波長λ=660nmを用いて屈折率を測定したが、測定に用いられる波長λは限定されない。特に405nm〜680nmの波長λを用いた場合に上記関係が満たされるように光記録媒体Dを作成すると、第2情報層D2の反射率が良好な値となる。
≪第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の屈折率差の検討≫
本発明者は、上記したような第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の屈折率がn1>n2>n3という関係、あるいはn2>n1>n3という関係を満たす第2情報層D2の反射率を更に良好な値とするため、これらの屈折率の差において良好な反射率を得られる範囲があるのではないかと推定し、下記の実施例4〜10及び比較例6、7より好ましい範囲を求めた。
屈折率の差は、n1、n2、n3における2つの屈折率の差の絶対値(|n1−n2|,|n2−n3|,|n1−n3|)をそれぞれ求め、そのなかで最も小さい値をΔnとして、指標にした。
(実施例4)
第4保護膜9をSiO2を30mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を40mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.08であった。第2情報層D2の反射率は5.9%と良好な結果が得られた。
結果を表2に示す。なお、表2には以下の実施例5〜10及び比較例1の結果も示す。
Figure 2007323743
(実施例5)
第5保護膜10をSiO2を50mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.08であった。第2情報層D2の反射率は6.3%と良好な結果が得られた。
(実施例6)
第5保護膜10をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.08であった。第2情報層D2の反射率は6.7%と良好な結果が得られた。
(実施例7)
第3保護膜8をSiO2を10mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.16であった。第2情報層D2の反射率は7.0%と良好な結果が得られた。
(実施例8)
第3保護膜8をSiO2を30mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第4保護膜9をSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn2>n1>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.08であった。第2情報層D2の反射率は6.0%と良好な結果が得られた。
(実施例9)
第3保護膜8をSiO2を30mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第4保護膜9をSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn2>n1>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.08であった。第2情報層D2の反射率は6.5%と良好な結果が得られた。
(実施例10)
第3保護膜8をSiO2を30mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第4保護膜9をSiO2を10mol%添加したZnSターゲットを用いて形成し、第5保護膜10をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn2>n1>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.16であった。第2情報層D2の反射率は7.1%と良好な結果が得られた。
(比較例6)
第4保護膜9をSiO2を25mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0.03であった。本比較例において、第2情報層D2の反射率は4.9%と下限値の5.0%を下回り、良好でなかった。
(比較例7)
第4保護膜9をSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用いて形成した以外は、実施例4と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例4と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1=n2>n3の関係を満たし、屈折率の差Δn(|n1-n2|)は0であった。本比較例において、第2情報層D2の反射率は4.6%と下限値の5.0%を下回り、良好でなかった。
以上の表2に示した結果に基づいて、図2に屈折率の差Δnに対する第2情報層D2の反射率の関係を示す。図2より、第2情報層D2が5.0%以上の反射率を得られるのは、屈折率の差Δnが0.01以上であることが判明した。屈折率の差Δnが0.01以上であれば、レーザ波長に対し第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10が光学干渉し、高い反射率を得られると考えられる。また、屈折率の差Δnが0.08以上であると反射率が6.0%程度となり、生産マージンを考慮した充分な反射率が確保できて好ましい。
なお本実施形態では、波長λ=660nmを用いて屈折率を測定したが、測定に用いられる波長λは限定されない。特に405nm〜680nmの波長λを用いた場合に上記関係が満たれるように光記録媒体Dを作成すると、第2情報層D2の反射率が良好な値となる。
≪第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の膜厚の検討≫
本発明者は更に、第3保護膜8の膜厚をd1、第4保護膜9の膜厚をd2、第5保護膜10の膜厚をd3とし、記録・再生または消去用レーザ光の波長をλとしたときに、第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の全厚(d1+d2+d3)とレーザ光の波長λとの間に第2情報層D2の良好な反射率を得られる関係があるのではないかと推定し、既述した実施例1と実施例11〜実施例21及び比較例8〜比較例23に基づいて反射率が良好となる全厚と波長λの関係((d1+d2+d3)/λ)(光路長)を求めた。
(実施例11)
第3保護膜8を40nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を40nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を40nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は5.53%と良好な結果が得られた。
結果を表3に示す。なお、表3には既述した実施例1と以下の実施例12〜実施例21、比較例8〜比較例23の結果も示す。
Figure 2007323743
(実施例12)
第3保護膜8を43nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を43nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を43nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は5.90%と良好な結果が得られた。
(実施例13)
第3保護膜8を50nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を50nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を50nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は5.88%と良好な結果が得られた。
(実施例14)
第3保護膜8を53nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を53nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を53nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は5.52%と良好な結果が得られた。
(実施例15)
第3保護膜8をSiO2を10mol%添加したZnSターゲットを用いて37nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9をSiO2を60mol%添加したZnSターゲットを用いて37nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10をSiO2を80mol%添加したZnSターゲットを用いて37nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は5.65%と良好な結果が得られた。
(実施例16)
第3保護膜8を40nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を40nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を40nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は6.38%と良好な結果が得られた。
(実施例17)
第3保護膜8を43nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を43nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を43nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は6.85%と良好な結果が得られた。
(実施例18)
第3保護膜8を47nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を47nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を47nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は7.00%と良好な結果が得られた。
(実施例19)
第3保護膜8を50nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を50nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を50nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は6.83%と良好な結果が得られた。
(実施例20)
第3保護膜8を53nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を53nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を53nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は6.36%と良好な結果が得られた。
(実施例21)
第3保護膜8を57nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を57nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を57nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たし、更に第2情報層D2の反射率は5.65%と良好な結果が得られた。
(比較例8)
第3保護膜8を20nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を20nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を20nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は1.90%と良好な結果が得られなかった。
(比較例9)
第3保護膜8を23nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を23nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を23nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は2.02%と良好な結果が得られなかった。
(比較例10)
第3保護膜8を27nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を27nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を27nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は2.50%と良好な結果が得られなかった。
(比較例11)
第3保護膜8を30nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を30nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を30nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は3.28%と良好な結果が得られなかった。
(比較例12)
第3保護膜8を33nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を33nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を33nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は4.09%と良好な結果が得られなかった。
(比較例13)
第3保護膜8を37nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を37nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を37nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は4.78%と良好な結果が得られなかった。
(比較例14)
第3保護膜8を57nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を57nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を57nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は4.82%と良好な結果が得られなかった。
(比較例15)
第3保護膜8を60nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を60nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を60nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は4.11%と良好な結果が得られなかった。
(比較例16)
第3保護膜8を63nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を63nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を63nmの厚さd3で形成した以外は、実施例1と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例1と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は3.30%と良好な結果が得られなかった。
(比較例17)
第3保護膜8を20nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を20nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を20nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は2.21%と良好な結果が得られなかった。
(比較例18)
第3保護膜8を23nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を23nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を23nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は2.34%と良好な結果が得られなかった。
(比較例19)
第3保護膜8を27nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を27nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を27nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は2.91%と良好な結果が得られなかった。
(比較例20)
第3保護膜8を30nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を30nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を30nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は3.77%と良好な結果が得られなかった。
(比較例21)
第3保護膜8を33nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を33nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を33nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は4.71%と良好な結果が得られなかった。
(比較例22)
第3保護膜8を60nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を60nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を60nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は4.72%と良好な結果が得られなかった。
(比較例23)
第3保護膜8を63nmの厚さd1で形成し、第4保護膜9を63nmの厚さd2で形成し、第5保護膜10を63nmの厚さd3で形成した以外は、実施例15と同様の条件で光記録媒体Dを作成した。
実施例15と同様に測定を行ったところ、それぞれの屈折率はn1>n2>n3の関係を満たしたものの、第2情報層D2の反射率は3.78%と良好な結果が得られなかった。
以上の表3に示した結果に基づいて、(d1+d2+d3)/λと第2情報層D2の反射率との関係を図3に示す。
図3より、第3保護膜8の屈折率n1が2.10、第4保護膜9の屈折率n2が1.95、第5保護膜10の屈折率n3が1.78である光記録媒体D(実施例1、実施例11〜実施例14及び比較例8〜比較例16)は、(d1+d2+d3)/λが0.17以上0.26以下の範囲において、5.0%以上の第2情報層D2の反射率を得られる。また、第3保護膜8の屈折率n1が2.18、第4保護膜9の屈折率n2が1.78、第5保護膜10の屈折率n3が1.63である光記録媒体D(実施例15〜実施例21及び比較例17〜比較例23)は、(d1+d2+d3)/λが0.15以上0.27以下の範囲において、5.0%以上の第2情報層D2の反射率を得られる。
従って、いずれの屈折率n1、n2、n3の組み合わせにおいても、(d1+d2+d3)/λが0.17以上0.26以下の範囲にあれば、5.0%以上の第2情報層D2の反射率を得られて、好ましい関係にある。また、(d1+d2+d3)/λが0.18以上0.24以下の範囲にあると更に良好な第2情報層D2の反射率を得られるため、より好ましい。
なお、本実施形態においてはレーザ光の波長λを660nmとして、第2情報層D2が良好な反射率を得られる(d1+d2+d3)/λを求めたが、波長λは当然これに限定されるものではない。なかでも405nm〜680nmの波長λを用いて、(d1+d2+d3)/λが0.17以上0.26以下となるように光記録媒体Dを作成すると、第2情報層D2の反射率が良好な値となる。
表3に示したように、本実施形態において良好な第2情報層D2の反射率が得られる第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の全厚(d1+d2+d3)は、110nm以上となり厚い。従って量産性を考慮すると、第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10を形成する材料は、スパッタレートが速いものが好ましい。
表4に、第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10の形成に用いられる材料とその屈折率、スパッタレートをそれぞれ示す。なおスパッタレートは、SiO2を20mol%添加したZnSターゲット(ZnS(80)-SiO2(20))を1.0とし、比較した値である。1.0より小さいと、ZnS(80)-SiO2(20)のスパッタレートよりも遅いことを表す。
Figure 2007323743
表4より、スパッタレートが1.0に近いものは、ZnSとSiO2の混合物(ZnS−SiO2)のみであり、その他の材料(SiO2、SiC、TiO2、SiH、GeN、ZnO、ZrO2及びNb25)はスパッタレートが大幅に1.0よりも小さいことが判明した。従ってZnS−SiO2以外の材料を用いると、スパッタレートが遅く量産性に向いていない。
このことより、第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10にZnS−SiO2を用いて、第3保護膜8の屈折率n1と第4保護膜9の屈折率n2と第5保護膜10の屈折率n3とが既述したような関係を満たすように光記録媒体Dを形成する必要がある。既述した関係を満たすことで第2情報層D2の高い反射率が得られ、量産性に優れた光記録媒体Dが形成できる。
図4に、ZnS−SiO2におけるSiO2のモル比αと屈折率nの関係を示す。SiO2のモル比が大きくなると、屈折率nは小さくなる。また、SiO2のモル比が0.8を超えるとスパッタレートが遅くなるため、量産には適さない。
以上のことより、ZnSとSiO2との少なくとも一方を含む材料を用いて第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10を形成することが好ましい。更に第3保護膜8を形成する材料におけるSiO2のモル比をα1、第4保護膜9を形成する材料におけるSiO2のモル比をα2、第5保護膜10を形成する材料におけるSiO2のモル比をα3としたときに、α1、α2、α3がそれぞれ0以上0.8以下となるような材料を用いると、良好な第2情報層D2の反射率が得られる。
図5に、第2情報層D2単独での反射率と第2情報層D2の反射率との関係を示す。第2情報層D2単独とは、第1基板1上に第1情報層D1及び中間層7を設けずに第2情報層D2を形成し、続いて第2基板14を形成したものをさす。所定の透過率T(0.42、0.46、0.50)となるように第2情報層D2の構成をそれぞれ設定し、各透過率Tの構成において、第2情報層D2単独の反射率を増大させた。第2情報層D2単独の反射率は、パルステック工業株式会社製光ディスクドライブテスタ(DDU−1000)を用いて測定した。
同様の構成条件で本実施形態の光記録媒体Dをそれぞれ形成し、第2情報層D2の反射率を測定した。なお本実施形態の第1情報層D1の透過率は、660nmのレーザ波長λにおいて0.43程度である。
図5より、いずれの透過率Tにおいても、第2情報層D2単独の反射率が28%以上となると第2情報層D2の反射率は5.0%以上となる。従って、本実施形態の光記録媒体Dにおいてレーザ入射面1Aから見て奥側の、第2情報層D2単独の反射率は28%以上が好ましい。
本発明は、記録膜を有する情報層を複数層備える多層型相変化光記録媒体Dを用いて検討を行ったが、図6に示すような情報層が1層の相変化型光記録媒体Dsでも、既述した第3保護膜8と第4保護膜9と第5保護膜10との関係を満たすように情報層を形成すると、高い反射率が得られる。
図6の光記録媒体Dsは、その基本的な構成として、記録・再生または消去用レーザ光Lが入射する入射面21Aを底面とする第1基板21上に第1保護膜22、第2保護膜23、第3保護膜24、記録膜25、第4保護膜26、反射膜27を順次積層し、その上に第5保護膜28を塗布したものである。第1保護膜22、第2保護膜23及び第3保護膜24が、図1に示す多層型相変化光記録媒体Dの第3保護膜8、第4保護膜9及び第5保護膜10にそれぞれ対応する。従って、第1保護膜22の屈折率n22と第2保護膜23の屈折率n23と第3保護膜24の屈折率n24が、既述した第3保護膜8の屈折率n1と第4保護膜9の屈折率n2と第5保護膜10の屈折率n3との関係を満たすように形成すればよい。
本発明の一実施形態である多層型光記録媒体Dを示す拡大断面図である。 屈折率の差に対する第2情報層D2の反射率の関係を示す図である。 (d1+d2+d3)/λと第2情報層D2の反射率との関係を示す図である。 ZnS−SiO2におけるSiO2のモル比と屈折率nの関係を示す図である。 第2情報層D2単独での反射率と第2情報層D2の反射率との関係を示す図である。 本発明の一実施形態である情報層が1層の相変化型光記録媒体Dsを示す拡大断面図である。
符号の説明
1 第1基板(基板)
8 第3保護膜(第1保護膜)
9 第4保護膜(第2保護膜)
10 第5保護膜(第3保護膜)
11 記録膜

Claims (5)

  1. 光により情報が記録または再生される光記録媒体において、
    前記光を入射させる基板と、
    前記基板上に少なくとも第1保護膜、第2保護膜、第3保護膜、記録膜をこの順に積層した情報層を備え、
    特定波長の前記光における前記第1保護膜の屈折率をn1、前記第2保護膜の屈折率をn2、前記第3保護膜の屈折率をn3としたときに、以下の(1)式または(2)式、
    n1>n2>n3…(1)
    n2>n1>n3…(2)
    を満たすことを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記第1から第3保護膜における2つの保護膜の屈折率の差の絶対値、|n1−n2|、|n2−n3|、|n1−n3|のうち、最小の屈折率の差Δnは0.01以上であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 前記第1保護膜の膜厚をd1、前記第2保護膜の膜厚をd2、前記第3保護膜の膜厚をd3とし、前記特定波長をλとしたときに、以下の(3)式、
    0.17≦(d1+d2+d3)/λ≦0.26…(3)
    を満たすことを特徴とする請求項2記載の光記録媒体。
  4. 前記第1保護膜、第2保護膜及び第3保護膜はZnSとSiO2との少なくとも一方を含む材料で構成され、前記第1保護膜を構成する前記材料のSiO2モル比率をα1とし、前記第2保護膜を構成する前記材料のSiO2モル比率をα2とし、前記第3保護膜を構成する前記材料のSiO2モル比率をα3としたときに、α1、α2、α3が0以上0.8以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 前記情報層を、前記基板の光が入射する入射面から見て奥側に位置する奥側情報層として備えるとともに、前記奥側情報層よりも前記入射面側に位置する入射面側情報層を備え、
    前記奥側情報層は、前記特定波長において28%以上の反射率を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光記録媒体。

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