JP4439030B2 - 気化器、処理装置、処理方法、及び半導体チップの製造方法 - Google Patents

気化器、処理装置、処理方法、及び半導体チップの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化器、処理装置、処理方法、及び半導体チップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程は、一般に、ウェハへの酸化、薄膜形成、イオン注入、エッチングなどの工程を含んでおり、この種の操作を繰り返すことによって多層構造の半導体チップが形成される。半導体ウェハに薄膜を形成するには一般にCVD装置、スパッタリング装置等が使用される。CVD装置は、真空又は常圧の反応室に半導体ウェハを置き、所定温度下で薄膜を構成する元素を含む1種又は数種のガスを供給して、化学反応により生じた反応生成物をウェハ表面に堆積させる装置である。
【0003】
CVD装置のうち有機金属CVD装置は有機金属化合物の熱分解反応を利用して例えば金属膜を形成する装置として知られている。有機金属化合物としては、例えば、ヘキサフロロアセチルアセトネートトリメチルビニルシラン銅(Cu(hfac)TMVS)が使用される。有機金属化合物は常温常圧では通常液体で気化しにくく、このため有機金属化合物を気体状態で気化器から反応室に供給するために種々の方法が提案されている。例えば、N2ガスなどのキャリアガスによりバブリングして霧状にして供給する方法や加熱して多量の蒸気を発生させて供給する方法などである。
【0004】
しかし、バブリング方式は、液量や液面面積の変化などによって供給量が不安定であると共に、バブリングだけでは必要な蒸気量を十分に確保できないという問題がある。更に、バブリングに使用するN2ガスやH2ガスが液体材料中に溶解して不純物となり成膜に悪影響を与えるという課題もある。一方、加熱方式は、必要蒸気量を確保することはできるが液体材料の加熱により材料自体の化合物が熱分解して変質してしまうという問題がある。更に、いずれの供給方式でも、一度気化したものが再液化したり、液体材料を充満してあった液タンク交換時に配管内や接続部に残留する液体材料が酸素と反応して固体副生成物が発生し、これを閉塞するなどの問題があった。
【0005】
これらの問題を解決するために、特開平2−205317は、気化器と、加熱器と、原料供給管と、結露防止用ヒータを有する成膜装置を開示している。かかる成膜装置は、成膜に必要な気体原料と同じ流量の流体原料を気化器に供給すると共に気化器を加熱器により液体原料の気化熱以上の温度で加熱している。気化された原料は結露防止用ヒータにより加熱された原料供給管(配管)を通って反応室に運ばれる。特開平2−205317によれば、かかる成膜装置は液体原料の気化量を調節することができるとしている。
【0006】
また、本出願人は先に特開平8−17749で類似の液体材料供給装置を提案している。かかる装置は、気化器と、気化器とは独立した部材としての流量制御部と、加熱手段が備わった配管を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の成膜装置は、例えばCu(hfac)TMVS等の成膜原料を導入した場合に生じる再液化を完全に解消するには、未だ至らなかった。成膜原料が再液化した結果として、気体状態の処理媒体を安定して流量制御良く供給することができないという問題が存在していた。かかる再液化や、再液化した成膜原料が反応することによる固体生成物の堆積が、特に、配管(又は気化器が直接反応室に接続される場合には反応室)との気化器の接続部(以下「気化器の出口部」という。)付近において多く見られた。このように、従来の成膜装置(処理装置)においては、成膜原料(処理媒体)が気化器の出口部で再液化することによって、気体状態の処理媒体を安定して流量制御良く供給することができないという問題が有った。このような従来技術の問題点に鑑み、新規かつ有用な気化器、処理装置、処理方法、半導体チップの製造方法を提供することを本発明の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された気化器は、液体状態の処理媒体を受け取る導入部と、前記導入部接続され前記液体状態の処理媒体の流量を制御する流量制御部と、前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の処理媒体を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の処理媒体を混合して加熱する気化部と、前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の処理媒体を加熱する第1のヒータと、前記第1のヒータを制御する第1の制御部と、一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記処理媒体を前記一端から他端に通す接続部と、当該接続部を加熱する第2のヒータと、前記接続部を前記処理媒体の蒸発温度よりも高い温度で加熱するように前記第2のヒータを制御する第2の制御部と、を有し、前記接続部の加熱温度は前記気化部の加熱温度以上である。
請求項2に記載された気化器は、請求項1に記載された気化器において前記処理媒体が銅のβジケトン錯体である。
【0009】
請求項3に記載された処理装置は、液体状態の処理媒体を受け取る導入部と、前記導入部接続され前記液体状態の処理媒体の流量を制御する流量制御部と、前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の処理媒体を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の処理媒体を混合して加熱する気化部と、前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の処理媒体を加熱する第1のヒータと、前記第1のヒータを制御する第1の制御部と、一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記処理媒体を前記一端から他端に通す接続部と、当該接続部を加熱する第2のヒータと、前記接続部を前記処理媒体の蒸発温度よりも高い温度で加熱するように前記第2のヒータを制御する第2の制御部と、を有し、前記接続部の加熱温度は前記気化部の加熱温度以上である気化器と、当該気化器の前記接続部の前記他端から排出された気体状態の前記処理媒体を利用して所定の処理を行う処理室とを有する。
【0010】
請求項に記載された処理装置は、請求項に記載された処理装置において前記処理媒体は成膜原料であり、前記所定の処理が成膜処理である。
【0011】
請求項5に記載された処理装置は、請求項3に記載された処理装置において前記処理装置は、前記気化器の前記接続部の前記他端と前記処理室とを接続する配管と、当該配管を加熱することができる第3のヒータと、前記第3のヒータを制御する第3の制御部とを更に有する。
【0012】
請求項に記載された処理装置は、請求項に記載された処理装置において前記処理媒体が銅のβジケトン錯体である。
【0013】
請求項7に記載された処理装置は、請求項6に記載された処理装置において前記処理装置は、前記気化器の前記接続部の前記他端と前記処理室とを接続する配管と、当該配管を加熱することができる第3のヒータと、前記第3のヒータを制御する第3の制御部とを更に有する。
請求項8に記載された処理装置は、請求項7に記載された処理装置において前記第3の制御部は、前記配管の加熱温度が前記接続部の加熱温度以上になるように前記第3のヒータを制御する。
請求項9に記載された処理装置は、請求項8に記載された処理装置において前記第1の制御部と前記第2の制御部と前記第3の制御部は、前記気化部と前記接続部と前記配管の温度が60℃〜70℃の範囲となるように制御する。
【0015】
請求項10に記載された処理装置は、請求項3に記載された処理装置において前記処理装置は、前記気化器の前記接続部の前記他端と前記処理室とを接続する配管と、当該配管を加熱することができる第3のヒータと、前記配管の加熱温度が前記接続部の加熱温度以上になるように前記第3のヒータを制御する第3の制御部とを更に有する。
【0017】
請求項11に記載された処理方法は、液体状態の処理媒体を受け取る導入部と、前記導入部接続され前記液体状態の処理媒体の流量を制御する流量制御部と、前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の処理媒体を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の処理媒体を混合して加熱する気化部と、前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の処理媒体を加熱する第1のヒータと、一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記処理媒体を前記一端から他端に通す接続部と、当該接続部を加熱する第2のヒータと、を有する気化器の前記気化部の第1の温度を測定する工程と、前記接続部の第2の温度を測定する工程と、当該第2の温度が前記処理媒体の蒸発温度よりも高い温度になるとともに前記第1の温度よりも高くなるように前記第2のヒータを制御する工程と、前記接続部の前記他端から排出された気体状態の前記処理媒体を利用して所定の処理を行う工程とを有する。
【0018】
請求項12に記載された処理方法は、請求項11記載の処理方法において、前記気化器に前記接続部の前記他端を介して接続され第3のヒータにより加熱される配管の第3の温度を測定する工程と、当該第3の温度が前記第2の温度よりも高くなるように前記第3のヒータを制御する工程とを更に有し、前記所定の処理を行う工程は、前記接続部の前記他端から前記配管を通じて排出された前記処理媒体を利用する。
請求項13に記載された処理方法は、請求項11または12記載の処理方法において、前記処理媒体が銅のβジケトン錯体である。
請求項14に記載された処理方法は、請求項12記載の処理方法において、前記第1の温度と前記第2の温度と前記第3の温度が60℃〜70℃である。
【0019】
請求項15に記載された半導体チップの製造方法は、液体状態の成膜原料を受け取る導入部と、前記導入部接続され前記液体状態の成膜原料の流量を制御する流量制御部と、前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の成膜原料を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の成膜原料を混合して加熱する気化部と、前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の成膜原料を加熱する第1のヒータと、前記第1のヒータを制御する第1の制御部と、一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記成膜原料を前記一端から他端に通す接続部と、当該接続部を加熱する第2のヒータと、前記接続部を前記成膜原料の蒸発温度よりも高い温度で加熱するように前記第2のヒータを制御する第2の制御部と、を有し、前記接続部の加熱温度は前記気化部の加熱温度以上である気化器に液体状態の成膜原料を導入して気体状態の成膜原料を得る工程と、前記気体状態の成膜原料を反応室に導入して半導体ウエハに成膜処理を行う工程とを有する。
請求項16に記載された製造方法は、請求項15記載の製造方法において、前記気化器の前記接続部の前記他端と前記反応室とを接続する配管と、当該配管を加熱することができる第3のヒータと、前記第3のヒータを制御する第3の制御部とを更に有し、前記第3の制御部は、前記配管の加熱温度が前記接続部の加熱温度以上になるように前記第3のヒータを制御し、前記第1の制御部と前記第2の制御部と前記第3の制御部は、前記気化部と前記接続部と前記配管の温度が60℃〜70℃の範囲となるように制御する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る気化器、処理装置、処理方法、及び半導体チップの製造方法の一実施例を説明する。なお、各図において同一の参照符号は同一部材を表している。図1は本発明の一態様としての処理装置の一例である成膜装置100のブロック図である。図2は図1に示す成膜装置100に使用される本発明の一態様としての気化器140の概略断面図である。
【0021】
本実施例で説明する成膜装置100は、使用される成膜原料(処理媒体)がCu(hfac)TMVSのような不安定化合物であっても、後述するように、処理媒体の再液化や固定生成物の堆積に伴う問題を解決することができる。このような不安定化合物としては、Cu(hfac)TMVSの他に、例えば、[3−ヘキチン]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅、[2−ブチン]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅、[トリメチルフォスフィン]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅等の銅のβジケトン錯体が有る。しかし、本発明は、これらの不安定化合物以外の物質を処理媒体として用いることを排除するものではない。
【0022】
図1に示すように、成膜装置100は、貯留槽108と、流量計110と、気化器140と、反応室160(処理室)とを有しており、好ましくは、常温常圧で液体状態である成膜原料を処理媒体として使用している。以下、本実施例では成膜装置100が成膜原料として、不安定な有機金属化合物であるCu(hfac)TMVSを使用する場合について説明する。
【0023】
貯留槽108は、図1中、符号「L」が付されている液体状態のCu(hfac)TMVS(液体原料)を貯蔵している。貯留槽108は、バルブ118を有するノズル117と、バルブ120を有するノズル119に接続されている。ノズル117の下端はCu(hfac)TMVSの液面上方に配置され、ノズル119の下端は液中に配置されている。ノズル117の上端に配置された口金115には加圧用気体としてのヘリウム(He)ガスを供給するHeガス源104が通路105を介して接続されている。Heガスは、例えば、0.5kg/cm2程度に圧力調整されており、貯留槽108に導入されることによってCu(hfac)TMVSの液面を加圧することができる。また、通路105にはHeガスの給排を制御するバルブ112が設けられている。
【0024】
ノズル119上端に配置された口金121は、気化器140(の後述する液体導入口140Aと)通路123により接続されている。図1に示すように、通路123にはバルブ122及び126が取り付けられ、成膜装置100の保守時その他の必要時に閉じられる。
【0025】
流量計110は、貯留槽108から気化器140に供給されるCu(hfac)TMVSの質量流量を検出することができる。図1では、貯留槽108と気化器140の間に流量計110が設けられているが、図3を参照して後述されるように、流量計110は気化器140と一体であってもよい。選択的に、流量計110を流量制御バルブ142の役割を果たすことができる流量制御装置に置換して、気化器140をかかる機能を有しない通常の気化器に置換してもよい。どのような構造の気化器であっても配管135又は反応室160に接続されるための後述する接続部149を含んでおり、かかる接続部149に本発明は適用することができるため、結局、本発明が適用することができる気化器140の構造は限定されない。
【0026】
気化器140は、液体状態のCu(hfac)TMVSを受け取る液体導入部140Aと、通常は気化状態であるCu(hfac)TMVSを排出する蒸気出口部140Bと、Cu(hfac)TMVSを気化するために導入されるキャリアガスを受け取るガス導入部140Cとを有している。気化器140は、流量制御されたCu(hfac)TMVSを、例えば、霧吹きの原理で蒸気化或いは霧化することができる。上述したように、液体導入部140Aは通路123を介して貯留槽108に接続されている。出口部140Bは通路(配管)135を介して(あるいは選択的に直接に)後述する反応室160(のシャワーヘッド162)に接続されている。ガス導入部140Cは通路103を介してHeガス源102に接続されている。本実施例では、例示的に、キャリアガスは圧力が0.5kg/cm2程度の流速の大きく60℃乃至70℃の温度を有するHeガスである。なお、気化器140はHeガス源102によって加圧されてもよいし減圧状態に保たれていてもよい。なお、通路103には保守時又は必要時にキャリアガスを遮断するのに使用されるバルブ130が設けられている。
【0027】
次に、図2を参照して本発明の一態様である気化器140の構造をより詳細に説明する。同図に示すように、気化器140は、流量制御バルブ142と、蒸気バルブ145と、第1のヒータ146と、第1の熱電対148と、第1のヒータ制御装置150と、第2のヒータ152と、第2の熱電対154と、第2のヒータ制御装置156とを有している。なお、図1と図2においては、便宜上、キャリアガスやCu(hfac)TMVSの進行方向が逆になっている。
【0028】
なお、気化器140は流量計110と一体に構成されてもよい。図3に気化器140に一体的に構成された流量計110aを示す。流量計110aの筐体110bは面110cにおいて気化器140に接着している。流量計110aは当業界で周知の感熱センサ110eが取り付けられたセンサ管110dを有している。また、流量計110aは、面110cを通じて感熱センサ110eの熱が気化器140に影響を与えたり感熱センサ110eの温度が気化器140により変化したりするのを防止するために面110c及び感熱センサ110eを囲むように断熱材110fを配置している。
【0029】
流量計110aを通過した流体原料は即座に気化器140に供給されるため、流量計110aの測定結果に基づいて信頼性良く気化器140の流量制御バルブ142は流量制御を行うことができる。即ち、図3に示す構造は、流体原料が図1の流量計110を経た後に外部温度の影響などを受けて状態が変化する場合の流量制御バルブ142による制御誤差を最小にするものであり、有機金属化合物のような不安定化合物を取り扱う成膜装置100には好ましい構造である。
【0030】
流量制御バルブ142は、流量計110の検出結果に従って図示しないコントローラがその開閉を制御する。例えば、かかるコントローラは、バルブ孔143を流れる液体状態のCu(hfac)TMVSの質量流量が、例えば、毎秒0.1乃至1mlとなるように、流量制御バルブ142を制御することができる。蒸気バルブ145はバルブ本体144に上下運動可能に取り付けられており、キャリアガスの流量を制御する。従って、流量制御バルブ142及び蒸気バルブ145をそれぞれバルブ孔143から離間して配置することにより、バルブ孔143を通過して流れてきた液体材料が流速の速いキャリアガスにより図2の右方(図1では左方)に運ばれて反応室160に向かって流れて行く。
【0031】
第1のヒータ146と、第1の熱電対148と、第1のヒータ制御装置150は、キャリアガスが混合された液体材料Cu(hfac)TMVSを第1の加熱部147においてその蒸発温度より高い温度で加熱するように動作する。なお、図2は、一対の第1のヒータ146を示しているがその数は2つに限定されないことは言うまでもない。また、第1の熱電対148は、温度測定が可能な当業界で周知のその他のいかなる部材とも置換することができる。なお、図2において、Cu(hfac)TMVSが流量制御バルブ142により排出されてキャリアガスと混合して第1の加熱部147を介して加熱されながら気化される空間は一般に気化部又は蒸発部といわれている。
【0032】
第1の加熱部147は、図2においてはバルブ孔143付近から配管135との接続部149の前までの領域に相当する。図2とは異なる構造を有する気化器においては第1の加熱部の領域も変化する場合がある。また、接続部149に直接反応室160が接続される場合には接続部149の形状が変化する場合もある。図2において左側の第1のヒータ146と流量制御バルブ145との間も当然加熱されるがCu(hfac)TMVSの移動方向から見て本実施例では問題としていない。第1の加熱部147は、広義には、第1のヒータ146により加熱されて第1のヒータ制御装置150により温度制御することができる領域である。処理媒体がCu(hfac)TMVSのような不安定化合物である場合は、気化した処理媒体の流路(成膜装置100においては、第1の加熱部147から反応室160内のウエハWまで)のコンダクタンスをなるべく高くし、気化した処理媒体が流路を迅速に通過するようにすることが好ましい。
【0033】
第1の熱電対148は第1の加熱部147の温度を測定し、第1のヒータ制御装置150は、第1の加熱部147の温度がCu(hfac)TMVSの蒸発温度より高い温度になるように、例えば、第1のヒータ146に流れる電流値を制御する。Cu(hfac)TMVSは、圧力2Torrの下で蒸発温度が50℃程度であるので、第1の加熱部147は通常60℃乃至70℃に加熱される。
【0034】
一般に、Cu(hfac)TMVSは不安定であり、蒸発温度以下でも後述する分解反応を生じる。しかし、60℃乃至70℃に加熱されれば分解反応が生じる前に反応室160に気体状態で送られて反応室160で適時に反応する。この温度以上に加熱されれば熱エネルギーを多く得る結果反応速度が速すぎてしまい、Cu(hfac)TMVSは後述の分解反応を反応室160に到達する前に生じてしまう。完全に気化されて上述の温度に制御されたCu(hfac)TMVSは反応室160への移動速度が速く、反応室160に導入されれば直ちに成膜処理に供することができるので最も好ましい。
【0035】
Cu(hfac)TMVS以外の有機金属化合物が使用されれば第1の加熱部147も変化するのは当然である。その場合、第1の加熱部147は有機金属化合物の蒸発温度より高い所定の範囲の温度に加熱される。「所定の範囲」の温度は、蒸発温度より高いが反応室160までは分解反応を生じない範囲の温度であることが好ましい。また、気化器と反応室が直結される場合には有機金属化合物が移送される距離は短いので所定の範囲の温度は変化する場合があることが理解されるだろう。
【0036】
気化部で加熱された液体原料は出口部140Bに運ばれる。出口部140Bには、上述したように、配管135(又は選択的に反応室160)に接続される接続部149が設けられている。
【0037】
従来の接続部は加熱制御がなされていなかった。このため、従来の成膜装置に有機金属化合物を導入するとかかる接続部付近で有機金属化合物の再液化や固化が多く見られた。このような再液化や固化は、蒸発(気化)温度と反応温度の差が30℃以内(しばしば20℃以内)と近接している有機金属化合物の特性に起因しており、本発明者等は気化器の出口付近においても十分な温度制御を行うことがより好ましいことを発見した。
【0038】
有機金属化合物は、液体流量バルブ142によって制御される液体材料の流量が大きかったりすると、十分加熱されずに液状又は半液状(霧状)のまま接続部149に導入される場合がある。液体状態のCu(hfac)TMVSは反応室160への移動速度が遅いために反応室160に到達するまでに後述の分解反応が生じてしまう。そこで、このようなCu(hfac)TMVSは接続部149で完全に液体材料を蒸発することが好ましい。
【0039】
また、第1の加熱部147でCu(hfac)TMVSが完全に気化されて接続部149へ導入されても接続部149の温度が低ければ再液化し、以下のように分解反応を生じて固体生成物が堆積してしまう。
2Cu(hfac)TMVS→Cu+Cu(hfac)2+2TMVS
【0040】
貯留槽108から気化器140に導入される液体状態のCu(hfac)TMVSには安定剤TMVSが混合されているため、上記の分解反応が生じないか生じても安定剤が可逆的に元の状態に戻すように作用する。しかし、一旦気化してから液化した場合にはTMVSはその比重の違いからCu(hfac)2よりも速く反応室160に移動してCu(hfac)2から離れるため上記の分解反応の可逆性は維持されない。分解すれば運ばれるべき気体状態のCu(hfac)TMVSの流量が減少するだけでなく、例えば、Cu(銅)などが接続部149やそれに接続される配管135に堆積し配管135が詰まってその後の供給量の制御が困難になる。
【0041】
そこで、本発明者等は接続部149は第1の加熱部とは別個に第2の加熱部151として加熱制御されなければならないことを発見した。即ち、接続部149は、一般に、図2に示すように、第1の加熱部147との接触領域が小さく第1のヒータ146からの熱が伝導しにくいパイプ形状を有している。このため、第1のヒータ146により接続部149を十分に加熱しようとすれば第1の加熱部147の温度は60℃乃至70℃を超えてしまい、上述した分解反応が生じてしまう。また、接続部149の熱伝導性を高めるためにパイプ形状からブロック形状に変形することは費用がかかって実用的ではない。
【0042】
また、特開平2−205317や特開平8−17749は配管135にヒータ155を取り付けることを一般的に開示している。そこで、配管135のヒータ155の加熱を大きくして接続部149に配管135の熱を伝えることが考えられる。しかし、接続部149を60℃乃至70℃に保つためにはヒータ付近をより高温にしなければならず、この結果ヒータ付近の温度は60℃乃至70℃を超えてしまい、結局上述の分解が生じてしまう。
【0043】
本発明の例示的実施例においては、接続部149には、第2のヒータ152と、第2の熱電対154と、第2のヒータ制御装置156とが設けられる。接続部149の形状は図2に示す構造には限定されず気化器140に接続される部材によってその形状は変化する。例えば、気化器140には図1に示すように配管135が接続される場合以外、反応室160が直接接続される場合があるからである。
【0044】
第2のヒータ152は、抵抗加熱式ヒータや放射加熱式ヒータなどを含む当業界で周知のいかなるヒータも適用することができる。例えば、抵抗加熱式ヒータとしては坂口E.H.VOC社のシリコンゴムヒータSSH−16やシースヒータを利用することができる。また、放射加熱式ヒータとしては、遠赤外線セラミックヒータを利用することができる。第2の加熱部151の周りを囲んでその表面をカーボン系塗料で黒色に着色すれば赤外線の輻射熱により第2の加熱部151を効率的に加熱することができる。また、遠赤外線セラミックヒータを使用する場合は接続部149から通常に離間されるので図2では模式的に図示されている第2のヒータ152は必ずしも第2の加熱部151に物理的に接続している必要はない。
【0045】
図2においては、第2のヒータ152は右側の第1のヒータ146と一部重なっているが、これはかかる部位の肉厚が薄く第1のヒータのみでは十分に加熱できないため第2の加熱部151の周りを全て覆うことが好ましいからである。このため、第2のヒータ152によって加熱される第2の加熱部は、接続部149だけでなく、その肉厚が薄いために第1のヒータ146による熱が十分に伝わりにくい部位も含むものである。
【0046】
第2の熱電対154の位置や数は図2に示すものに限定されないことはもちろんである。第2の熱電対154は、第1の熱電対147と同様に、当業界で周知のいかなる熱電対も適用することができるため、ここでは詳しい説明は省略する。例えば、接続部149の周りに接続するリング状のバンド板を取り付け、かかるリングプレートに孔を開ける。一方、第2の熱電対154を、例えば、シース熱電対として構成してバンド板の孔に係合(例えば、密着又は埋め込み)させる。これにより、第2の熱電対154は接続部149と同じ温度のバンド板の温度を測定することができる。
【0047】
一方、配管135には、図1の点線及び図2に模式的に示すように、第3のヒータ155と、第3の熱電対157と、第3のヒータ制御装置159が設けられている。第3のヒータ155は第2のヒータ152と同様に構成することができ、第3の熱電対157は第2の熱電対154と同様に構成することができる。また、図2は、第3のヒータ155により加熱される領域である第3の加熱部158を模式的に表している。第3のヒータ155や第3の熱電対157の位置は限定されないが、第3の加熱部158は配管135の全長に及んでいることが好ましい。なお、図1において配管133にも第3のヒータ155が及んでいるが、第3のヒータとは別個のヒータとして構成してもよい。
【0048】
以下、図4を参照して、第2のヒータ制御装置152の制御方法について説明する。なお、図3に示すステップ1002乃至1006の先後は問わない。まず、第2のヒータ制御装置152は、第1のヒータ制御装置150と同様に、第2の加熱部151の温度が使用される液体材料の蒸発温度よりも高い温度であって、好ましくは過度な反応を防止する所定の範囲の温度(例えば、60℃乃至70℃)になるように、例えば、第2のヒータ152に流れる電流値を制御する(ステップ1002、1008)。第2の加熱部151の温度は第2の熱電対154によって測定される。なお、本実施例においては、第1及び第2のヒータ146及び152によるキャリアガスを含む液体(又は気体)材料の温度をそれらヒータの周辺の温度を測定することによって間接的に測定しているが、本発明は、かかる液体(又は気体)材料の温度を直接測定する手段を排除するものではない。
【0049】
上述したように、従来は第2の加熱部151において温度制御がなされていなかったために第2の加熱部151は液体材料の蒸発温度よりも通常低い温度であった。しかし、本発明の制御方法により、第2の加熱部151は液体又は半液体の原料を完全に気化することができること、又は、気化された原料の液化及び固体生成物の堆積を防止することを達成している。
【0050】
第2のヒータ制御装置152は、第2の加熱部151の温度が第1の加熱部147の温度よりも高いかどうかを判断している(ステップ1004)。本発明者等は、たとえ第2の加熱部151の温度が液体材料の蒸発温度よりも高い所定の範囲の温度であっても、第1の加熱部147から第2の加熱部151へ向かって温度が上昇していなければ第2の加熱部151において上述の分解反応が生じやすいことを発見した。このため、第1の加熱部の温度が、例えば、62℃であれば第2の加熱部151の温度は、例えば、65℃に設定されるように、第2のヒータ制御装置152は第2のヒータ152を制御する(ステップ1004、1008)。
【0051】
ステップ1004を実行するためには、第2のヒータ制御装置152は、例えば、第1のヒータ制御装置150及び/又は第1の熱電対147に接続されて第1の加熱部147の温度情報を得ることが望ましい。また、図2は、第2のヒータ制御装置152を第1のヒータ制御装置150とは別個の部材として表しているが、一の制御装置として例えばワンチップICにより一体的に構成してもよい。
【0052】
上述したように、従来は第2の加熱部151において温度制御がなされていなかったために第2の加熱部151は第1の加熱部147よりも温度が低く上述した分解反応が起こりやすかった。しかし、本発明の制御方法により、第2の加熱部151は分解反応を効果的に防止している。なお、ステップ1004とは代替的に、第1のヒータ制御装置150は、第1の加熱部147が第2の加熱部149よりも低くなるように第1のヒータ146を制御してもよい。
【0053】
第2のヒータ制御装置152は、第2の加熱部151の温度が第3の加熱部158の温度よりも低いかどうかを判断している(ステップ1006)。本発明者等は、たとえ第2の加熱部151の温度が60℃乃至70℃の範囲にあっても、第2の加熱部151から第3の加熱部158へ向かって温度が上昇していなければ第3の加熱部158において上述の分解反応が生じやすいことを発見した。このため、第3の加熱部の温度が、例えば、68℃であれば第2の加熱部151の温度は、例えば、65℃に設定されるように、第2のヒータ制御装置152は第2のヒータ152を制御する(ステップ1006、1008)。ステップ1006を実行するためには、第2のヒータ制御装置152は、例えば、第3のヒータ制御装置159及び/又は第3の熱電対157に接続されて第3の加熱部158の温度情報を得ることが望ましい。また、図2は、第2のヒータ制御装置156を第3のヒータ制御装置159とは別個の部材として表しているが、一の制御装置として一体的に構成してもよい。第1乃至第3のヒータ制御装置150、152及び159を一の制御装置として構成してもよい。なお、ステップ1006とは代替的に、第3のヒータ制御装置159は、第3の加熱部147が第2の加熱部149よりも高くなるように第3のヒータ155を制御してもよい。
【0054】
このように、本実施例の制御方法は、第2の加熱部151の温度を第3の加熱部158の温度よりも低くなるように制御することにより気化器140から配管135に有機金属化合物が導入される際に上述の分解反応が生じることを効果的に防止している。
【0055】
このように、気化されて温度制御されたCu(hfac)TMVSは、ごく短い時間で効率的に反応室160のシャワーヘッド162に運ばれる。反応室160は被処理体に成膜処理を施す部位であり、例えば、半導体ウェハWに成膜処理を施すCVD装置として構成される。反応室160を真空処理室として構成すれば真空ポンプを設けた真空排気系がこれに接続され、常圧処理室として構成すれば単なる排気系が接続される。なお、配管135には、後述する保守時又は残留液体排出時等に気化器140を孤立させるためのバルブ134が設けられている。
【0056】
図4を参照して説明した本実施例の制御方法は、成膜処理に使用される処理ガスを制御するために成膜処理された部材(例えば、半導体チップ)の製造方法として機能する。即ち、半導体チップの製造工程は、前工程としてのウェハの酸化、薄膜形成、イオン注入、エッチング、後工程としての組み立てを行って半導体チップを製造するが、本発明の製造方法を用いれば原料ガスの供給量を安定的に制御良く行うことができるので上述の薄膜形成工程を迅速且つ高精度に行うことができる。
【0057】
なお、第1乃至第3の制御部150、156及び159のいずれか又は全ては、制御パラメータに液体材料の流量やキャリアガスの流量及び圧力を含めて第1乃至第3のヒータ146、152及び155を制御してもよい。本実施例で使用されるキャリアガスの温度は、上述したように、60℃乃至70℃になるように供給されるのでキャリアガスの温度によるヒータの制御は本実施例では一般には必要ないが、これ以外の温度を有するキャリアガスを使用する場合にはキャリアガスの温度によるヒータの制御を行ってもよい。
【0058】
その他、成膜装置100は、装置の不使用時及び保守時に配管内部に溜まった液体その他の残留物を除去するための排気系を有している。排気系は、バルブ124、128、132、136、排出通路(配管)133、トラップ150、真空ポンプ152を含んでいる。なお、反応室160にも排気系が接続されるが図1では図示が省略されている。これらの詳しい構造は当業界で周知であるためにここでは詳しい説明は省略する。
【0059】
排出通路133は、気化器140とバルブ134との間の配管135、流量計110と気化器140との間の配管123、及びバルブ122と126との間の配管123にそれぞれバルブ132、128及び124を介して接続されている。また、排出通路133の排出側にはバルブ136、排気中の液体を除去するトラップ150及び真空ポンプ152が設けられている。
【0060】
排出通路133からの吸引排出だけでは十分に残留物等を除去できない場合を考慮して、本実施例の成膜装置100は配管123に配管107と洗浄液源106を接続している。洗浄液としてはエ夕ノール、メタノール等のアルコール又はへキサン等の有機溶剤若しくは原料に含まれる成分(例えば、TMVSなど)を使用することができる。配管107は、洗浄液の給排を行うバルブ114及び116を有している。
【0061】
各通路のうち気化器140から出る配管135及び133、並びにそれらの接続通路には、常時加熱して気化ガスの再液化を阻止するための例えばテープヒータ等よりなる第3のヒータ155が設けられている。
【0062】
成膜装置100には当業界で周知のいかなる配管をも使用することができる。例えば、内径D1が4.35mm、外径D2が6.35mmで肉厚が1.00mmを有するいわゆる1/4インチステンレス製配管と、これと同寸法を有する継ぎ手やガスケットを使用することができる。代替的に、外径D2が6.35mmで内径1.80mmを有する配管と、これと同寸法を有する継ぎ手やガスケットを使用してもよい。
【0063】
次に、成膜装置100の動作について説明する。なお、事前に配管等内の残留物を除去してこれらが反応室160に送られるのを防止しておく。次に、反応室160のサセプタ164上に半導体ウェハWをセットし、このウェハWを所定のプロセス温度(例えば、150乃至200℃)に維持すると共に所定のプロセス圧力(例えば、0.1乃至数Torr)を維持するように真空排気系を駆動する。この状態で成膜処理を行う。
【0064】
バルブ132及び136を開いて気化器140を通路133にt秒間だけ接続させる。通路133は真空ポンプ152によって常時真空引きされているので、気化器140内の残留物が通路133を介して排除される。所定時間後、バルブ132及び136を閉じてバルブ112、118、120、122、126、130及び134をそれぞれ開ける。気化器140の流体制御バルブ142も開放される。
【0065】
これにより、貯留槽108内の液体材料Lは加圧Heガスにより押し出されて僅かずつ配管123を流れて行き、この流量は流量計110と流量制御バルブ142により制御される。液体材料Lは気化器140にて、通路103を流れてくる比較的流速の速いキャリアガスと熱により霧吹きの原理で霧化されて蒸気化される。ガス化された成膜材料はそのまま通路135を介して反応室160へ導入されて時間Tだけ成膜が行われる。なお、この時、気化器140の気化部(即ち、上述したように、有機金属化合物がキャリアガスと混合して気化される第1の加熱部147を含む気化器140の内部空間)の圧力が反応室160の圧力の1.0倍乃至10倍以下と近接するように設定することが好ましい。これは、気化部の圧力をできるだけ低く(ガス化された成膜材料が反応室160から気化器140の方向へ逆流しない範囲で)することによって、液体材料Lが気化しやすくなり、気化速度を速めることができるからである。
【0066】
このように本実施例では、成膜処理前に、成膜装置100の各部の残留物を排除することができるので、成膜ガス供給量を安定的に且つ精度良く供給することができ、従って、品質及び特性の良好な成膜を得ることが可能となる。なお、残留物の排除は、前段の成膜処理終了後今回の成膜処理前に行えば足りることはいうまでもない。
【0067】
以上の実施例においては、キャリアガス、加圧用ガスとしてHeガスを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、他の不活性ガス、例えばArガス、N2ガスやH2等の還元性ガスも用いることができる。また、被処理体としては半導体ウェハに限定されず、他の材料、例えばLCD基板、ガラス基板等も用いることができるのは勿論であり、また、反応室の処理方式としては、枚葉式、バッチ式どちらにも適用することができる。
【0068】
本実施例の気化器140は、Cu(hfac)TMVSを受け取る液体導入部140Aと、第1の加熱部147においてCu(hfac)TMVSを加熱する第1のヒータ146と、第1の加熱部147において加熱されたCu(hfac)TMVSを排出する蒸気出口部140Bと、蒸気出口部140Bを加熱する第2のヒータ152と、蒸気出口部140BをCu(hfac)TMVSの蒸発温度よりも高い温度で加熱するように第2のヒータ152を制御する第2のヒータ制御装置156とを有する。かかる構成を採用しているので、Cu(hfac)TMVSが蒸気出口部140Bで再液化することを抑え、後段の装置に気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。
【0069】
本実施例の処理装置100は、Cu(hfac)TMVSを受け取る液体導入部140Aと、第1の加熱部147においてCu(hfac)TMVSを加熱する第1のヒータ146と、第1の加熱部147において加熱されたCu(hfac)TMVSを排出する蒸気出口部140Bと、蒸気出口部140Bを加熱する第2のヒータ152と、蒸気出口部140BをCu(hfac)TMVSの蒸発温度よりも高い温度で加熱するように第2のヒータ152を制御する第2のヒータ制御装置156とを有する気化器140と、気化器140の蒸気出口部140Bから排出された気体状態のCu(hfac)TMVSを利用して所定の処理を行う処理室160とを有する。かかる構成を採用しているので、Cu(hfac)TMVSが蒸気出口部140Bで再液化することを抑え、反応室(処理室)160に気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。
【0070】
また、本実施例の処理装置100において処理媒体として用いられるCu(hfac)TMVSは成膜原料であり、処理室160で行われる処理が成膜処理であるので、成膜処理における膜厚の制御を容易に行うことができる。
【0071】
また、本実施例の処理装置100は、気化器140の蒸気出口部140Bと処理室160とを接続する配管135と、配管135を加熱することができる第3のヒータ155と、第3のヒータ155を第2のヒータ制御装置156とは独立に制御する第3のヒータ制御装置159とを更に有する。かかる構成を採用しているので、ガス配管135の温度を上げすぎることなく蒸気出口部140Bの温度を調節することが容易にできる。
【0072】
また、本実施例の処理装置100において処理媒体として用いられるCu(hfac)TMVSは銅のβジケトン錯体であり、Cu(hfac)TMVSが蒸気出口部140Bで再液化し、再液化したCu(hfac)TMVSが反応することによって固体上の反応生成物が蒸気出口部140Bに堆積して蒸気出口部140Bが詰まることを抑えることができる。
【0073】
また、本実施例の処理装置100は、気化器140の蒸気出口部140Bと処理室160とを接続する配管135と、配管135を加熱することができる第3のヒータ155と、第3のヒータ155を第2のヒータ制御装置156とは独立に制御する第3のヒータ制御装置159とを更に有する。かかる構成を採用しているので、ガス配管135の温度を上げ過ぎることなく蒸気出口部140Bの温度を調節することが容易にできるので、不安定で反応しやすいCu(hfac)TMVSを配管135内で大量に反応させることなく、気体状態のCu(hfac)TMVSを反応室(処理室)160に到達させることができる。
【0074】
本実施例の処理装置100では、蒸気出口部140Bの加熱温度を第1の加熱部147の加熱温度以上にしているので、飽和に近い状態で第1の加熱部147から蒸気出口部140Bに流入する気体状態のCu(hfac)TMVSが蒸気出口部140B内で再液化することを抑えることができ、気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。
【0075】
本実施例の処理装置100は、気化器140の蒸気出口部140Bと反応室(処理室)160とを接続する配管135と、
配管135を加熱することができる第3のヒータ155と、配管135の加熱温度が蒸気出口部140Bの加熱温度以上になるように第3のヒータ155を制御する第2のヒータ制御装置156とは別の第3のヒータ制御装置159とを更に有する。かかる構成を採用しているので、飽和に近い状態で蒸気出口部140Bから配管135に流入する気体状態のCu(hfac)TMVSが配管135内で再液化することを抑えることができ、気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。
【0076】
本実施例の処理方法は、Cu(hfac)TMVSを受け取る液体導入部140Aと、第1の加熱部147においてCu(hfac)TMVSを加熱する第1のヒータ146と、第1の加熱部147において加熱されたCu(hfac)TMVSを排出する蒸気出口部140Bと、蒸気出口部140Bを加熱する第2のヒータ152とを有する気化器140の蒸気出口部140Bの温度を測定する工程と、蒸気出口部140Bの温度がCu(hfac)TMVSの蒸発温度よりも高い温度になるように第2のヒータ152を制御する工程と、蒸気出口部140Bから排出された気体状態の前記Cu(hfac)TMVSを利用して所定の処理を行う工程とを有する。かかる構成を採用しているので、Cu(hfac)TMVSが蒸気出口部140Bで再液化することを抑え、反応室(処理室)160に気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。
【0077】
また、本実施例の処理方法は、Cu(hfac)TMVSを受け取る液体導入部140Aと、第1の加熱部147において前記Cu(hfac)TMVSを加熱する第1のヒータ146と、第1の加熱部147において加熱されたCu(hfac)TMVSを排出する蒸気出口部140Bと、蒸気出口部140Bを加熱する第2のヒータ152とを有する気化器140の第1の加熱部147の第1の温度を測定する工程と、蒸気出口部140Bの第2の温度を測定する工程と、第2の温度がCu(hfac)TMVSの蒸発温度よりも高い温度になるとともに第1の温度よりも高くなるように前記第2のヒータを制御する工程と、蒸気出口部140Bから排出された気体状態のCu(hfac)TMVSを利用して所定の処理を行う工程とを有する。かかる構成を採用しているので、飽和に近い状態で第1の加熱部147から蒸気出口部140Bに流入する気体状態のCu(hfac)TMVSが蒸気出口部140B内で再液化することを抑えることができ、気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。
【0078】
また、本実施例の処理方法は、気化器140に蒸気出口部140Bを介して接続され第3のヒータ155により加熱される配管135の第3の温度を測定する工程と、当該第3の温度が前記第2の温度よりも高くなるように第3のヒータ155を制御する工程とを更に有し、蒸気出口部140Bから配管135を通じて排出された気体状態のCu(hfac)TMVSを利用して所定の処理を行うものである。かかる構成を採用しているので、飽和に近い状態で蒸気出口部140Bから配管135に流入する気体状態のCu(hfac)TMVSが配管135内で再液化することを抑えることができ、気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。
【0079】
本実施例の半導体チップの製造方法は、Cu(hfac)TMVSを受け取る液体導入部140Aと、第1の加熱部147においてCu(hfac)TMVSを加熱する第1のヒータ146と、第1の加熱部147において加熱されたCu(hfac)TMVSを排出する蒸気出口部140Bと、蒸気出口部140Bを加熱する第2のヒータ152と、蒸気出口部140BをCu(hfac)TMVSの蒸発温度よりも高い温度で加熱するように第2のヒータ152を制御する制御部を有する気化器140に液体状態のCu(hfac)TMVSを導入して気体状態のCu(hfac)TMVSを得る工程と、気体状態のCu(hfac)TMVSを反応室(処理室)160に導入してウエハに成膜処理を行う工程とを有する。かかる構成を採用しているので、Cu(hfac)TMVSが蒸気出口部140Bで再液化することを抑え、反応室(処理室)160に気体状態のCu(hfac)TMVSを安定して流量制御良く供給することができる。従って、成膜処理における膜厚の制御を容易に行うことができ、半導体チップの構成要素となる薄膜の形成を高精度に行うことができるので半導体チップの歩留まりが向上する。
【0080】
【発明の効果】
請求項1に記載された気化器によれば、飽和に近い状態で気化部から接続部に流入する気体状態の処理媒体が接続で再液化することを抑え、後段の装置に気体状態の処理媒体を安定して流量制御良く供給することができる。
【0081】
請求項に記載された処理装置によれば、飽和に近い状態で気化部から接続部に流入する気体状態の処理媒体が接続で再液化することを抑え、処理室に気体状態の処理媒体を安定して流量制御良く供給することができる。
【0082】
請求項に記載された処理装置によれば、成膜原料が接続部で再液化することを抑え、処理室に気体状態の成膜原料を安定して流量制御良く供給することができる。従って、成膜処理における膜厚の制御を容易に行うことができる。
【0083】
請求項に記載された処理装置によれば、ガス配管の温度を上げすぎることなく接続部の温度を調節することが容易にできる。
【0084】
請求項2、6及び13に記載された気化器、処理装置及び処理方法によれば、請求項1、2、11及び12の効果に加えて、銅のβジケトン錯体が接続部で再液化し、再液化した銅のβジケトン錯体が反応することによって固体状の反応生成物が接続部に堆積して接続部が詰まることを抑えることができる。
【0085】
請求項7、8及び9に記載された処理装置によれば、ガス配管の温度を上げすぎることなく接続部の温度を調節することが容易にできるので、請求項6の効果に加えて、不安定で反応しやすい銅のβジケトン錯体を配管内で大量に反応させることなく、気体状態の銅のβジケトン錯体を処理室に到達させることができる。
【0087】
請求項10に記載された処理装置によれば、請求項3の効果に加えて、飽和に近い状態で接続部から配管に流入する気体状態の処理媒体が配管内で再液化することを抑えることができ、気体状態の処理媒体を安定して流量制御良く供給することができる。
【0089】
請求項11に記載された処理方法によれば、飽和に近い状態で気化部から接続部に流入する気体状態の処理媒体が接続部内で再液化することを抑えることができ、処理室に気体状態の処理媒体を安定して流量制御良く供給することができる。
【0090】
請求項12及び14に記載された処理方法によれば、請求項11の効果に加えて、飽和に近い状態で接続部から配管に流入する気体状態の処理媒体が配管内で再液化することを抑えることができ、気体状態の処理媒体を安定して流量制御良く供給することができる。
【0091】
請求項15及び16に記載された半導体チップの製造方法によれば、成膜原料が接続部で再液化することを抑え、処理室に気体状態の成膜原料を安定して流量制御良く供給することができる。従って、成膜処理における膜厚の制御を容易に行うことができるという効果により、半導体チップの構成要素となる薄膜の形成を高精度に行うことができるので半導体チップの歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一態様としての処理装置の一例である成膜装置のブロック図である。
【図2】 図1に示す成膜装置に使用される本発明の一態様としての気化器の概略断面図である。
【図3】 図1に示された気化器と流量計の構造の変形例を示す概略断面図である。
【図4】 図2に示された気化器の接続部の温度制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
100 成膜装置(処理装置)
135 配管
140 気化器
140A 液体導入部
140B 蒸気出口部
140C ガス導入部
146 第1のヒータ
147 第1の加熱部
149 接続部
150 ヒータ制御装置
151 第2の加熱部
152 第2のヒータ
154 第2の熱電対
155 第3のヒータ
156 第2のヒータ制御装置
157 第3の熱電対
158 第3の加熱部
159 第3のヒータ制御装置
160 反応室(処理室)

Claims (16)

  1. 液体状態の処理媒体を受け取る導入部と、
    前記導入部接続され前記液体状態の処理媒体の流量を制御する流量制御部と、
    前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の処理媒体を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、
    前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の処理媒体を混合して加熱する気化部と、
    前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の処理媒体を加熱する第1のヒータと、
    前記第1のヒータを制御する第1の制御部と、
    一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記処理媒体を前記一端から他端に通す接続部と、
    当該接続部を加熱する第2のヒータと、
    前記接続部を前記処理媒体の蒸発温度よりも高い温度で加熱するように前記第2のヒータを制御する第2の制御部と、を有し、
    前記接続部の加熱温度は前記気化部の加熱温度以上である気化器。
  2. 前記処理媒体が銅のβジケトン錯体である請求項1記載の気化器。
  3. 液体状態の処理媒体を受け取る導入部と、
    前記導入部接続され前記液体状態の処理媒体の流量を制御する流量制御部と、
    前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の処理媒体を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、
    前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の処理媒体を混合して加熱する気化部と、
    前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の処理媒体を加熱する第1のヒータと、
    前記第1のヒータを制御する第1の制御部と、
    一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記処理媒体を前記一端から他端に通す接続部と、
    当該接続部を加熱する第2のヒータと、
    前記接続部を前記処理媒体の蒸発温度よりも高い温度で加熱するように前記第2のヒータを制御する第2の制御部と、を有し、
    前記接続部の加熱温度は前記気化部の加熱温度以上である気化器と、
    当該気化器の前記接続部の前記他端から排出された気体状態の前記処理媒体を利用して所定の処理を行う処理室と、
    を有する処理装置。
  4. 前記処理媒体は成膜原料であり、前記所定の処理が成膜処理である請求項3記載の処理装置。
  5. 前記処理装置は、
    前記気化器の前記接続部の前記他端と前記処理室とを接続する配管と、
    当該配管を加熱することができる第3のヒータと、
    前記第3のヒータを制御する第3の制御部と、
    を更に有する請求項3記載の処理装置。
  6. 前記処理媒体が銅のβジケトン錯体である請求項3記載の処理装置。
  7. 前記処理装置は、
    前記気化器の前記接続部の前記他端と前記処理室とを接続する配管と、
    当該配管を加熱することができる第3のヒータと、
    前記第3のヒータを制御する第3の制御部とを更に有する請求項6記載の処理装置。
  8. 前記第3の制御部は、前記配管の加熱温度が前記接続部の加熱温度以上になるように前記第3のヒータを制御する請求項7記載の処理装置。
  9. 前記第1の制御部と前記第2の制御部と前記第3の制御部は、前記気化部と前記接続部と前記配管の温度が60℃〜70℃の範囲となるように制御する請求項8記載の処理装置。
  10. 前記処理装置は、
    前記気化器の前記接続部の前記他端と前記処理室とを接続する配管と、
    当該配管を加熱することができる第3のヒータと、
    前記配管の加熱温度が前記接続部の加熱温度以上になるように前記第3のヒータを制御する第3の制御部とを更に有する請求項3記載の処理装置。
  11. 液体状態の処理媒体を受け取る導入部と、
    前記導入部接続され前記液体状態の処理媒体の流量を制御する流量制御部と、
    前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の処理媒体を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、
    前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の処理媒体を混合して加熱する気化部と、
    前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の処理媒体を加熱する第1のヒータと、
    一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記処理媒体を前記一端から他端に通す接続部と、
    当該接続部を加熱する第2のヒータと、
    を有する気化器の前記気化部の第1の温度を測定する工程と、
    前記接続部の第2の温度を測定する工程と、
    当該第2の温度が前記処理媒体の蒸発温度よりも高い温度になるとともに前記第1の温度よりも高くなるように前記第2のヒータを制御する工程と、
    前記接続部の前記他端から排出された気体状態の前記処理媒体を利用して所定の処理を行う工程と、
    を有する処理方法。
  12. 前記気化器に前記接続部の前記他端を介して接続され第3のヒータにより加熱される配管の第3の温度を測定する工程と、
    当該第3の温度が前記第2の温度よりも高くなるように前記第3のヒータを制御する工程とを更に有し、
    前記所定の処理を行う工程は、
    前記接続部の前記他端から前記配管を通じて排出された前記処理媒体を利用する請求項11記載の処理方法。
  13. 前記処理媒体が銅のβジケトン錯体である請求項11または12記載の処理方法。
  14. 前記第1の温度と前記第2の温度と前記第3の温度が60℃〜70℃である請求項12記載の処理方法。
  15. 液体状態の成膜原料を受け取る導入部と、
    前記導入部接続され前記液体状態の成膜原料の流量を制御する流量制御部と、
    前記流量制御部に接続され、前記流量制御部にて流量が制御された前記液体状態の成膜原料を気化するためのキャリアガスを導入するガス導入部と、
    前記ガス導入部に接続され、前記ガス導入部より導入されたキャリアガスと前記液体状態の成膜原料を混合して加熱する気化部と、
    前記気化部において前記キャリアガス及び前記液体状態の成膜原料を加熱する第1のヒータと、
    前記第1のヒータを制御する第1の制御部と、
    一端が前記気化部に接続され、前記気化部において加熱された前記キャリアガス及び前記成膜原料を前記一端から他端に通す接続部と、
    当該接続部を加熱する第2のヒータと、
    前記接続部を前記成膜原料の蒸発温度よりも高い温度で加熱するように前記第2のヒータを制御する第2の制御部と、を有し、
    前記接続部の加熱温度は前記気化部の加熱温度以上である気化器に液体状態の成膜原料を導入して気体状態の成膜原料を得る工程と、
    前記気体状態の成膜原料を反応室に導入して半導体ウエハに成膜処理を行う工程と、
    を有する半導体チップの製造方法。
  16. 前記気化器の前記接続部の前記他端と前記反応室とを接続する配管と、
    当該配管を加熱することができる第3のヒータと、
    前記第3のヒータを制御する第3の制御部とを更に有し、
    前記第3の制御部は、前記配管の加熱温度が前記接続部の加熱温度以上になるように前記第3のヒータを制御し、
    前記第1の制御部と前記第2の制御部と前記第3の制御部は、前記気化部と前記接続部と前記配管の温度が60℃〜70℃の範囲となるように制御する請求項15記載の製造方法。
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