JP4437850B2 - 複合タイル - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明はあらかじめ鉄製部材又は強磁性体面を有する被着面に貼着でき、建造物の壁面、床面等の内外装用の表装材又は多数のタイルにより床面等に模様を描くモザイク用に特に適した複合タイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築用として頻繁に用いられる磁器タイル等の窯業系タイルは多くの場合、モルタルを接合材として左官作業により張り付け、個々のタイルとタイルとの間に目地を入れる作業が行われていた。また、タイル固定のための固定部材を付設した後、挿入部に対応した形状のタイルを挿入する方法も採られている。窯業系タイルの外、木製、合成樹脂製、金属製など種々のタイルがあり、貼着方法もモルタルに限らず、接着剤など他の貼着手段により壁面や床に貼着する場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、タイルを貼着しセメント等で目地作業を行うことは時間を要し、良質の仕上げには熟練した職人を必要とし、種々の材料から成るタイルを接着剤で固定する場合でも、一定の目地幅に仕上げ、あるいは多様な色や形のタイルを組み合わせて所定の図柄に仕上げることは熟練者による手間のかかる作業が必要であった。更に、一度貼着したタイルは剥がすことが困難で、簡単にデザインを変更することができなかった。
【0004】
本発明は上記のような従来の欠点を解消し、建造物の鉄製部材の表面又はあらかじめ強磁性体面を形成した被着体に容易に貼り付け又は取り外しができ、熟練工を必要とせず、未経験者が複雑なモザイクも模様替えできる複合タイルを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、強磁性体面に対して磁気吸着にて複数個を隙間無く貼着できる複合タイルであって、タイルとその平面形状に略同一形状でなるシート状磁石とで構成されており、シート状磁石はタイルの裏面に対して周縁部の一部が未接着状態となるように接着されている構成の複合タイルとすることができる。
【0006】
このような構成にすることにより、タイルは引っ張るだけで簡単に浮き上げるので、タイル施工後の剥離作業を簡単に行うことができる。
【0007】
なお、タイルの形状が方形となっており、その裏面に接着されるシート状磁石にはタイル周囲の一辺と平行の偶数本の縞状磁極が設けられているようにすると、タイルの周囲の一辺とその他端とは必然的に異極が形成されることになるので、同一仕様の別の複合タイルを簡単に磁気吸着させることができ、好適なものとなる。
【0008】
また、タイルの形状が正六角形の場合でも、その裏面に接着されるシート状磁石にはタイル周囲の一辺と平行の偶数本の縞状磁極が設けられていると、同様に、同一仕様の別の複合タイルを簡単に磁気吸着させることができ、好適なものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。図1は本発明の部材構成を表わした斜視図であり、1はタイルで、施工場所や用途に適した材質が選択され、陶磁器、硝子、セメント等の窯業系タイル、金属製、木製、合成樹脂製等、任意の素材のものが用いられる。2はタイル1の裏面に接着剤によって貼着したシート状磁石で、タイル1の側縁と平行な複数の磁極が縞状に並列している。従って、施工時は磁石の異極同士が隣接するようにタイルの方向を調整すれば、強磁性体壁面に対して次々とタイルを並列するだけで施工を迅速に完成することができる。
【0010】
シート状磁石2としては例えば、バリウムフェライト系、ストロンチウム系、希土類系等の焼結磁石、あるいはバリウムフェライト系ゴム磁石、ストロンチウム系ゴム磁石、ストロンチウム系プラスチック磁石等のボンド磁石がシート状磁石2として用いられるが、強磁性体の壁面に吸着固定できる磁力があれば、材質は問わない。
【0011】
図2は、本発明における複合タイルの外形を正六角形としたときの背面図を表わしたものであり、正六角形の一辺を基準線とし、磁極と辺とが平行になるようにシート状磁石を貼着したものである。
【0012】
なお、図に示されるように、この実施例でも磁極は偶数本で配置され、基準線側の辺と他端の辺とは、必然的に異極が形成されることになる。
【0013】
図3は本発明による複合タイルの実施例を表わした斜視図であり、本実施例では、タイルと可撓性シート状磁石とを対角線状の2ヶ所の角部のみ接着することを特徴としており、この図は、タイルを外すためにタイル面に対して垂直方向に引っ張り剥がれる直前を示している。
【0014】
具体的には、3はタイル1とシート状磁石2との接着部で、この接着部3以外はタイル1と磁石2とは未接着部4で、互いに離れている。この複合タイルをスチール製の壁面5に貼着すると、タイル1と磁石2とを全面接着した複合タイルと変わりなく吸着固定することができる。
【0015】
施行後のタイルを外すときは、タイル1の未接着部4と対応する部分を表面側に引っ張って浮かせると、接着部3のタイルも引っ張られて磁石2と共に剥がれ、未接着部4の磁石のみが壁面5に吸着し図3の状態になる。更にタイル1を引くと接着部3の磁石2に引っ張られて磁石を剥がす方向に力が作用し、複合タイルを壁面5から完全に剥がすことができる。またタイル1を施工する壁面側に若干凹凸のある場合、タイル1から自由な可撓性磁石周縁は強磁性体面に密着することができ、確実にタイル1を固定することができる。
【0016】
図4は本発明による複合タイルの変形例を施工したときの斜視図を表わしたものであり、本変形例は、対角線状の2ヶ所の角部のみ未接着部とすることを特徴としており、この図は、複合タイルが剥がれる直前を示している。
【0017】
具体的には複合タイルは、図3と同様に壁面5に吸着固定することができ、剥がす場合はタイル1と磁石2との接着部3の面積が広いため、図3の場合よりも大きな力を要するが、タイル1の未接着部4と対応する部分を表面側に引っ張ることにより、タイル1と一体の接着部3の磁石が剥がれると、未接着部4のシート状磁石は瞬時に剥がれる。
【0018】
図6(A)(B)(C)は1枚の正方形のタイルの2辺にそれぞれ二等辺三角形を隣接して成る、3枚1グループで1模様を形成するタイルの施工例を示したもので、(A)は平面側説明図、(B)は背面図で、偶数本の磁極が個々のタイルの一辺と平行するようにシート状磁石を貼着している。(C)は他実施例の背面図で、タイル表面は(A)と同一であるが、背面側が1グループのタイルのうち三角形の底辺を基準線として偶数本の磁極が並列するように磁石を貼着している。
【0019】
図6の四角形のタイルのように模様の方向性がきまっていると(B)のような磁極配列の場合タイルを上下逆にして貼着できないので、模様の方向性に合わせた磁極配列の磁石を貼着しなければならない。また、(C)の場合、個々の二等辺三角形の磁極は奇数本であるが1グループとしての磁極は偶数本であるため同一模様を縦列又は並列しても磁石端部は異極同士対向することができ、多数連続することができる。
【0020】
上記のようにタイルの模様に決まった方向性があるときはタイル施工時に方向性を誤ると、隣接する磁石と反発して貼着することができず、むしろ貼りまちがえるおそれがなく、簡単かつ確実に施工することができる
【0021】
【発明の効果】
本発明によるタイルは裏面に偶数本の磁極を有する磁石を、タイルの基準線と磁極とが平行になるように貼ったので、タイル周縁で異極同士を隣接して次々に並列するだけでタイルを貼着でき、初心者でも磁石のN極S極の吸引力を利用して位置ずれのない安定した施工を行うことができる。また、貼着後にデザインを変更したければ磁石端縁部から剥がして貼り替えることができ、特に可撓性磁石の場合、貼り替えが容易である。
【0022】
そして、タイルとシート状磁石との間に未接着部を設けているので、施工後の複合タイルを容易に剥がすことができ、未経験者でも施工面や複合タイルを損傷することなく、適確な施工、貼り替えを行うことができる。
【0023】
本発明による複合タイルは施工及び取り外しが容易であるため、複雑な模様や連続模様も未経験者が良い出来栄えで貼り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における複合タイルの部材構成を表わした斜視図を示す。
【図2】 本発明における複合タイルの外形を正六角形としたときの背面図を示す。
【図3】 本発明による複合タイルの実施例を施工したときの斜視図を示す。
【図4】 本発明による複合タイルの変形例を施工したときの斜視図を示す。
【図5】 (A)(B)(C)は3枚1グループで1模様を構成するタイルを連続して施工する例を示した図で、(A)は平面側説明図、(B)は背面図で、個々のタイルの辺を基準線として磁石を貼着した例である。(C)は他実施例の背面図で、二等辺三角形の底面を基準線とし1グループに偶数本の磁極を有する磁石を貼着した例である。
【符号の説明】
1 タイル
2 シート状磁石
3 接着部
4 未接着部
Claims (3)
- 強磁性体面に対して磁気吸着にて複数個を隙間無く貼着できる複合タイルであって、
タイルとその平面形状に略同一形状でなるシート状磁石とで構成されており、
上記シート状磁石は上記タイルの裏面に対して周縁部の一部が未接着状態となるように接着されていることを特徴とする複合タイル - タイルの形状は方形となっており、その裏面に接着されるシート状磁石にはタイル周囲の一辺と平行の偶数本の縞状磁極が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の複合タイル
- タイルの形状は正六角形となっており、その裏面に接着されるシート状磁石にはタイル周囲の一辺と平行の偶数本の縞状磁極が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の複合タイル
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JP17310999A JP4437850B2 (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | 複合タイル |
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