JP4437443B2 - 緩衝体 - Google Patents

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Description

本発明は、被梱包体とこれを収納する外箱との間に介在して衝撃等外力を吸収し、該被梱包体を保護する緩衝体に関する。
従来より、オーディオ機器やテレビジョン、パーソナルコンピュータ等の電気機器の梱包には、一般に、緩衝体と外箱との組み合わせが用いられている。
ここで用いられる緩衝体は、電気機器等の被梱包体と外箱との間に介在して、衝撃等外部から力が加わった際には、それ自身が損傷することで外力を吸収し、被梱包体を保護する部材であり、軽量で良好な緩衝能を有する素材として、発泡プラスチック成形体が広く用いられている。
発泡プラスチック成形体からなる緩衝体の形状としては、被梱包体の重量や形状によって適宜選択されるが、通常は、被梱包体を嵌合せしめる開口部或いは凹部を有し、相対する一対で一組、或いは被梱包体の四隅にそれぞれ配して一組として用いられるものが多い。
また、その製造方法としては、所望の形状の金型を用いて型内発泡で一体成形する方法(例えば、JP−U−59−175059参照。)や、板状の発泡体から各部位を切り出して、熱融着や接着剤により接着して一体化させる方法(例えば、JP−U−54−18541参照。)が一般的である。
しかしながら、緩衝体を型内発泡で一体成形する場合、被梱包体の形状に対応して個々に金型を作製する必要があり、経済効率が悪い。また、各部位を切断、接着して一体に形成する場合には、その工程が繁雑である。
さらに、近年、資源の有効利用やゴミの削減といった環境上の観点から、資源の再利用が要求されるようになってきたが、従来の発泡プラスチック成形体からなる緩衝体は、嵩高く、それ自体の輸送、保管の効率が悪く、再利用上の問題となっていた。
ところで、近年、電位部品等のエンドキャップとして、表面に丈夫で平滑な熱溶融スキン層が設けられ、且つこのスキン層を貫通しない切れ込みによりヒンジ部が形成され、該ヒンジ部を中心として折り畳み可能とされたポリオレフィン押出し発泡板からなる緩衝体(例えば、WO 01/56773参照。)が開発されている。
この緩衝体は該ヒンジ部回りに折り畳み可能で、ポリオレフィン押出し発泡板の両表面には平滑で耐久性に富む熱溶融スキン層が設けられていることから、成形性、経済性、再利用の点で有用なものであるが、ポリオレフィン押出し発泡板の片面にのみ熱溶融スキン層を形成するか、又は該発泡板の両面に熱溶融スキン層を形成し、その後該発泡板の発泡層でスライスして2分割した後ヒンジ部を設ける場合には、次の問題点を有している。
即ち、熱溶融スキン層を形成する際それがある程度厚いと、押出し発泡板に該スキン層が収縮(又は該発泡板が拡張)する方向に反りが発生する。
この反りが発生すると、その後の押出し発泡板へのヒンジ部を形成するための切れ込みやその輪郭をカットする2次加工に支障をきたし、被包装物にフィットする正確な形状寸法の緩衝材を得ることができない。
一方これに反して、熱溶融スキン層を薄く形成すると、該スキン層に設けられたヒンジ部が被包装物の輸送中に簡単に破断する、また繰り返し使用のためヒンジ部を起こしたり戻したりする際に容易に破断するといった不都合が生じる。
本発明の課題は、表面全面に熱溶融スキン層を有し、且つこのスキン層を貫通しない切れ込みによりヒンジ部が形成されたポリオレフィン発泡板の緩衝材であって、該発泡板には反りがなく、該ヒンジ部は優れた強度を有し、製造が容易で、繰り返し利用可能な、緩衝性能に優れた緩衝体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、熱溶融スキン層の製法に着目して研究を進める内、ある特定構造の熱溶融スキン層が、該発泡板に反りを発生させず、同時に優れた強度を有するヒンジ部を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、次の(1)〜(8)の発明からなるものである。
(1)表面全面に熱溶融スキン層を有するポリオレフィン発泡板に、熱溶融スキン層を貫通しない切れ込みを設けることによりヒンジ部を形成した緩衝体であって、
前記熱溶融スキン層は、前記ポリオレフィン発泡板表面に対し垂直方向の断面を観察したとき、塊状の樹脂部と該塊状の樹脂部に前記ポリオレフィン発泡板表面に対し略平行方向に結合された単一又は複数の層状の樹脂部とから構成され、前記塊状の樹脂部と層状の樹脂部は前記ポリオレフィン発泡板表面全体に亘り分布しており、且つ
前記塊状の樹脂部と層状の樹脂部によって前記ポリオレフィン発泡板表面全体が凹凸形状を呈していることを特徴とする緩衝体。
(2)前記ポリオレフィン発泡板の中央部の嵩密度が0.010〜0.050g/cmである(1)に記載の緩衝体。
(3)前記ポリオレフィン発泡板厚みが15〜100mmである(1)又は(2)に記載の緩衝体。
(4)前記ポリオレフィン発泡板が低密度ポリエチレン(LDPE)製である(1)〜(3)のいずれかに記載の緩衝体。
(5)前記ポリオレフィン発泡板が押し出し発泡板である(1)〜(4)のいずれかに記載の緩衝体。
(6)前記ポリオレフィン発泡板に、厚さ方向に貫通した矩形の開口部を少なくとも1個形成し、ポリオレフィン発泡板表面に平行な平面において、該開口部の相対する一対の端辺に接して、相対する平行な2辺のうち長辺或いは短辺の少なくとも中央部が開口部の端辺を構成する台形状に、長辺の少なくとも両端部近傍の熱溶融スキン層を残してポリオレフィン発泡板を切断して少なくとも一つの突出部を形成し、長辺の切断されていない熱溶融スキン層をヒンジ部として、該ヒンジ部を中心軸に前記突出部を回転させることにより、該突出部を緩衝体の熱溶融スキン層上に引き起こし、少なくとも該突出部が抜けた後のポリオレフィン発泡板の空洞部と該空洞部に隣接する開口部とから構成される嵌合部により被梱包体に嵌合するための、(1)〜(5)のいずれかに記載の緩衝体。
(7)前記開口部の相対する二組の端辺のうち、少なくとも一方の端辺を構成するポリオレフィン発泡板を横切る複数本の破線状で、隣接する破線の切れ目が互い違いに配置するように、ポリオレフィン発泡板を貫通する切り込み部を設けた(6)に記載の緩衝体。
(8)前記破線の実線部分を中央部で屈曲或いは湾曲した山形とし、該屈曲或いは湾曲方向が同一破線内で等しく、且つ隣接する破線において逆方向となるように切り込み部を形成した(7)に記載の緩衝体。
尚、熱溶融スキン層はポリオレフィン発泡板の一方の表面に設ける場合に効果がより発揮されるが、場合によりその両表面に設けても一向に差し支えなく、本発明においてはその両者の態様を含むものである。
図1Aは、熱溶融スキン層を有するポリオレフィン発泡板断面の粒子構造の拡大写真である。
図1Bは、熱溶融スキン層を有するポリオレフィン発泡板断面の粒子構造の拡大写真である。
図2A,B及びCは、本発明の緩衝体の一実施形態を示す。
図3A,B及びCは、本発明の緩衝体の他の実施形態を示す。
図4は、図2A−Cの緩衝体を用いる場合の組み合わせ例を示す。
図5は、図3A−Cの緩衝体を用いる場合の組み合わせ例を示す。
図6は、図2A−Cの緩衝体を用いた梱包体の一例を示す。
図7は、図3A−Cの緩衝体を用いた梱包体の一例を示す。
図8A及びBは、本発明の緩衝体の他の実施形態を示す。
図9は、本発明の緩衝体の他の実施形態を示す。
図10は、本発明の緩衝体の他の実施形態を示す。
図11は、発泡板に熱溶融スキン層を付与する装置の概略図である。
図12A及びBは、ヒンジ部破断限界エネルギー(kgf−cm/cm)の測定の概略図である。
以下に、本発明の各構成について詳しく説明する。
(1)ポリオレフィン発泡板
ポリオレフィン発泡板としては、ポリエチレン、又はポリプロピレン系樹脂発泡板が好ましく用いられる。特に好ましくは低密度ポリエチレン発泡板(LDPE)であり、未架橋或いは架橋ポリエチレン発泡板のいずれもが好ましく用いられる。低密度ポリエチレン発泡板を用いると、後述のヒンジ部の柔軟度が高まるので好ましい。尚、別形態の製品への再加工を重視する場合には、未架橋ポリエチレン発泡板が有利である。
ポリオレフィン発泡板の嵩密度としては0.010〜0.050g/cmが好ましく、更に好ましくは0.015〜0.040g/cmである。この範囲であると、ヒンジ部の柔軟性がより高まる。その厚みは15〜100mmが好ましく、更に好ましくは20〜60mmである。
ポリオレフィン発泡板の成形方法としては、ビーズ発泡成形及び押出発泡成形のいずれでも好ましく用いられる。さらに、押出発泡により成形すると効率よく製造することができる点で好ましい。
また、ポリオレフィン発泡板として、市販のポリオレフィン発泡板(例えば、旭化成社製未架橋ポリエチレン発泡板 商品名「サンテックフォーム」)を使用することができる。
(2)熱溶融スキン層
▲1▼不均一特定構造・寸法
熱溶融スキン層を図1A及びB(夫々ポリオレフィン発泡板表面に対し垂直方向の断面の拡大写真であり、左右端のスケール単位はmmである。)を用いて説明する。
熱溶融スキン層(i)は、前記ポリオレフィン発泡板表面に対し垂直方向の断面を観察したとき、塊状の樹脂部(ii)と該塊状の樹脂部(ii)に前記ポリオレフィン発泡板表面に対し略平行方向に結合された単一又は複数の層状の樹脂部(iii)又は(iv)とから構成され、前記塊状の樹脂部(ii)と層状の樹脂部(iii)及び(iv)は前記ポリオレフィン発泡板表面全体に亘り分布している構造を有するものである。
また、この塊状の樹脂部(ii)には小さな気泡(vi)が含有されていてもよい。(v)は気泡膜を表す。
この不均一特定構造により、ポリオレフィン発泡板に反りを発生させず、同時に優れた強度を有するヒンジ部を形成することができる。
これに対し、層状の樹脂部のみからなる均一な熱溶融スキン層では、厚くなると反りが発生し、ヒンジ部を形成する切れ込みや緩衝材の輪郭をカットする2次加工に支障をきたし、また一方薄いとヒンジ部の強度が弱くなるという問題が生じる。
本発明の熱溶融スキン層は、薄い層状の樹脂部が外力により破断しても隣接する厚い塊状の樹脂部でくい止めることができ、結果としてヒンジ部自体の機能には影響せず、且つ薄い層状の樹脂部の存在により熱溶融スキン層の全体平均厚さをより小さくすることができるので、反りの問題が解決される。
熱溶融スキン層は、塊状の樹脂部と層状の樹脂部によってポリオレフィン発泡板表面を凹凸形状にしその表面摩擦係数を大きくしている。
これによる効果を後述する図2A−C〜図3A−Cの緩衝体において説明すると、ヒンジ部回りに90°回転させて引き起こされた突出部(5)が熱溶融スキン層(12)の凹凸形状表面にその摩擦力によりしっかりと保持され、該突出部(5)はその弾性復元力で容易に元の形状に戻ることがない。
これに反しポリオレフィン発泡板表面が平滑であると、突出部(5)は滑ってその弾性復元力で容易に元の形状に戻り易い。
特に、緩衝体が繰り返し再利用されると突出部(5)の底面が磨滅するので更に滑り易く戻り易くなり、緩衝体に被梱包体をセットする作業に支障が生じる。
塊状の樹脂部厚みはポリオレフィン発泡板中央部の気泡膜平均厚みの2.0〜13.6倍が好ましく、且つ
層状の樹脂部厚みはポリオレフィン発泡板中央部の気泡膜平均厚みの1.0〜8.5倍が好ましい。夫々2.0倍、1.0倍以上であると形成したヒンジ部の強度がより強くなり、13.6倍、8.5倍以内であると熱溶融スキン層を形成する加工時の反りがより生じにくい。
塊状の樹脂部長さと層状の樹脂部長さとの比は30:70〜60:40が好ましい。この範囲内であると、ほとんどが層状と塊状の樹脂部のバランスが適度であるので、ヒンジ強度が向上しつつも熱溶融スキン層形成加工において反りが生じることがない。
▲2▼熱溶融スキン層の設け方
例えば、次の方法が考えられる。
先ず、ポリオレフィン発泡板を熱線ヒーター、遠赤外ヒーター、熱風ヒーターの内の少なくとも1種の加熱手段を用いて、その表面を発泡体を構成する最も高い融点を有する樹脂の融点以上、融点+70℃以下、例えば低密度ポリエチレンからなる発泡体では、110℃以上、180℃以下の温度で、5秒以上、20秒以下加熱する。
この加熱条件は、ポリオレフィン発泡板の表面に多数の二次発泡突起部を生成させ、その二次発泡突起部を消滅させず、そのままの状態で後述する冷却ロール圧縮工程に導いて、前記塊状と層状の樹脂部からなる不均一構造の熱溶融スキン層を生成するのに好適な加熱条件である。
加熱温度が110℃以上であると、加熱時間が20秒より短くても、二次発泡突起部生成と該二次発泡突起部直下樹脂の適切な軟化が得られ、又加熱温度が180℃より低いと、加熱時間が5秒以上となってもこの二次発泡部が破泡せずに突起が生成され、又該二次発泡突起部直下樹脂の軟化が適度に進むので、いずれの場合も前記塊状と層状の樹脂部からなる不均一構造の熱溶融スキン層がより形成しやすくなる。
次に、前記加熱工程を経たポリオレフィン発泡板を一対の冷却ロール間を通過させる。該冷却ロールは、内部に冷却水等を流すことによって、その表面を20〜80℃に、好ましくは35〜75℃に、更に好ましくは50〜70℃に保持する。
この表面温度がこの範囲である方が、前記塊状と層状の樹脂部からなる不均一構造の熱溶融スキン層を形成しやすい。
この一対の冷却ロールによって、前記加熱工程が生成した二次発泡突起部の頂面が圧縮され、該二次発泡突起部及びその下方に存在する軟化した樹脂の主に気泡膜頂面が圧縮されることにより、層状に積層されるとともに、該二次発泡突起部の立ち上がり壁部及びその下方に存在する軟化した樹脂の主に気泡膜壁部が連続的に圧縮され、折り畳まれて塊状となり、その結果前記不均一構造の熱溶融スキン層が形成される。
又この不均一構造の熱溶融スキン層の形成により、ポリオレフィン発泡板表面が凹凸形状を呈する。
(3)ヒンジ部の設け方
ヒンジ部は、熱溶融スキン層を有するポリオレフィン発泡板に熱溶融スキン層を貫通しない切れ込みを設けることにより形成される。
そして、この熱溶融スキン層は、既に述べたとおり、前記塊状と層状の樹脂部がポリオレフィン発泡板表面全体に亘り分布するものであるから、結果として、ポリオレフィン発泡板のいずれの箇所に設けたヒンジ部にも前記塊状と層状の樹脂部とが存在する。
(4)緩衝体
本発明の緩衝体は、ヒンジ部を必要とする全ての緩衝体に利用可能である。
その代表的具体例2つを以下に示す。
▲1▼L字型緩衝パット
ヒンジ部を中心にL字型に拡開して被梱包体の角部に当て、ダンボール箱との間の緩衝パットとする。
▲2▼嵌合型緩衝体(内ヒンジ型、外ヒンジ型緩衝体)
表面全面に熱溶融スキン層を有するポリオレフィン発泡板に、開口部を形成し、さらに該開口部に隣接して台形状の突出部を熱溶融スキン層の一部を残して切断加工したものである。
これにより、被梱包体の梱包時には、切断されていない熱溶融スキン層をヒンジ部として突出部を緩衝板より引き起こして良好な緩衝能を発現させ、非使用時には該突出部を元に戻して板状とし、省スペース化を図ることができ再利用に好適に対応できる。
また、該突出部においては、発泡板と熱溶融スキン層の並列配置で被梱包体を支持するため、従来よりも高い緩衝能が得られる。
さらに、この緩衝体は、熱溶融スキン層を有するポリオレフィン発泡板を被梱包体の形状に合わせて切断加工して製造されるため、大量生産が容易で、形状の異なる緩衝体であっても同じ該ポリオレフィン発泡板で対応することができる。
この緩衝体を図2〜図10を用いて、以下により詳細に説明する。
緩衝板に厚さ方向に貫通する矩形の開口部を少なくとも1個設け、該開口部に接して台形状の突出部を切断加工して形成する。ここで、該開口部の端辺に対する突出部の台形の向きにより、この緩衝体は大きく2つに分けることができる。
この緩衝体においては、係る台形の相対する平行な2辺のうち、長辺が突出部を緩衝板から引き起こす際のヒンジ部になるため、該長辺が開口部の端辺を構成する場合を内ヒンジ型、短辺が開口部の端辺を構成する場合を外ヒンジ型とする。
〈内ヒンジ型緩衝体〉
図2A−Cは本発明の緩衝体の内ヒンジ型の一実施形態を示す図である。図2A−Cにおいて、Aは平面図、BはA中のI−II断面図であり、Cは図中の突出部5を引き起こした状態のI−II断面図である。図中、1は本発明の緩衝体、2は緩衝板、3は開口部、4は開口部の端辺、5は突出部、6は突出部5の短辺、7は切り欠き部、8は突出部5の長辺、9は突出部5の側辺、11はポリオレフィン発泡板、12は熱溶融スキン層(簡略化して斜線部分で示してある。)、13は空洞部、14は間隙である。
この緩衝体1は、基本構成として、ポリオレフィン発泡板11と熱溶融スキン層12とからなる緩衝板2に、厚さ方向に貫通した矩形の開口部3を少なくとも1個形成し、緩衝板2表面に平行な平面において、該開口部3の相対する一対の端辺4に接して、台形状の突出部5を切断加工によって形成する。
この緩衝体において内ヒンジ型の場合、緩衝板2表面に平行な平面形状が台形状の突出部5の相対する平行な2辺のうち、長辺8が開口部3に接し、該長辺8の両端部近傍を除く中央部が開口部3の相対する一対の端辺4を構成している。
突出部5はかかる台形状に緩衝板2を切断加工して形成するが、端辺4から延長された該長辺8の両端部近傍においては、発泡板11のみが切断され、熱溶融スキン層12は切断されておらず、短辺6端部と長辺8端部とをつなぐ側辺9においては、発泡板11及び熱溶融スキン層12の両方が切断されている。
即ち、突出部5は長辺8の両端部近傍において熱溶融スキン層12により緩衝板2本体に繋がっている。
この緩衝体1を使用する際には、図2Cに示すように、突出部5の長辺8の両端部近傍の切断されていない熱溶融スキン層12をヒンジ部として、該ヒンジ部を中心軸に、突出部5を外側に折り曲げながら好ましくは90°回転させて緩衝板2より引き起こす。
引き起こされた突出部5は、ヒンジ部の熱溶融スキン層12により緩衝板2本体に繋がったままである。
尚、かかるヒンジ部において発泡板11は切断加工されているが、熱溶融スキン層12と発泡板11とは一体化しているため、熱溶融スキン層12を外側に折り曲げても発泡板11の切断が熱溶融スキン層12には及ばないため、熱溶融スキン層12は高いヒンジ強度を示す。
ヒンジ部において折り曲げられた熱溶融スキン層12は復元力により元に戻ろうとして突出部5を緩衝板2方向へ押圧するが、長辺8の端部の厚み部分が、長辺8の端部から短辺6の端部に向かって逆テーパー状に張り出して側辺9を形成する緩衝板2本体に阻まれて空洞部13に戻ることができず、外側に引き起こされた状態で突出部5が緩衝板2本体に実質固定化される。
尚、突出部5を引き起こす際には、上記とは逆に、その長辺8の端部の厚みが側辺9を形成する緩衝板2本体に阻まれることになるが、この緩衝体は可撓性、弾性に富むポリオレフィン発泡体11と可撓性に優れた熱溶融スキン層12で構成されているため、突出部5を長辺8側に凸になるように撓めて、及び/又は、該突出部5の端部或いは緩衝板2本体を圧縮変形させて、該突出部5を引き起こすことが可能である。
また、引き起こした後には、発泡板11の良好な復元力により突出部5及び緩衝板2本体はそれぞれ元の形状に戻ることができる。
さらに、同様にして、突出部5や緩衝板2を適宜圧縮或いは撓めて、一旦引き起こした突出部5を空洞部13に収め、嵩の低い板状に戻すことができる。
即ち、被梱包体を梱包する際には突出部5が緩衝板2の外側に突出した形状とし、非使用時の保管、輸送の際には嵩の低い板状とすることができる。
また、この緩衝体1においては、突出部5の短辺6中央部に切り欠き部7を設けておくことにより、該突出部5を緩衝板2から引き起こす際、或いは、空洞部13に収納する際に、該突出部5が撓み易くなり、当該作業を容易にすることができる。また、図2Aに示したように、突出部5の短辺6と緩衝板2本体との間に間隙14を形成しておくことにより、突出部5の引き起こし或いは収納をより容易にすることができる。
図4は、図2の緩衝体を用いて被梱包体を梱包する際の組み合わせを示した斜視図であり、図6は図2の緩衝体で被梱包体51を梱包した梱包体の斜視図である。図4、図6に示したように、この緩衝体1は、基本的に相対する一対で一組として用い、突出部5を緩衝板2より引き起こした後の空洞部13と該空洞部13に隣接する開口部3とを少なくとも嵌合部として、被梱包体51の両側から嵌合する。
通常は、この状態で、さらに段ボール等の外箱内に収納して、保管、輸送される。
図4から明らかなように、突出部5は緩衝板2より引き起こす際に90°回転しているため、被梱包体51に接して支持する突出部5の支持面は、緩衝板2の切断面であり、発泡板11と熱溶融スキン層12が並列に配置して被梱包体51を支持する。
また、外箱に接する突出部5の短辺6の側面においても、発泡板11と熱溶融スキン層12が並列に配置しているため、外力が加わった場合には、発泡板11と熱溶融スキン層12の平面方向に応力がかかり、発泡板11と熱溶融スキン層12で支持する場合、或いは緩衝板2と同じ厚さの発泡板のみで支持する場合に比べて高い緩衝能が得られる。
〈外ヒンジ型緩衝体〉
次に、図3A−Cに本発明の緩衝体の外ヒンジ型の一実施形態を示す。図中のA〜Cは図2A−Cと同様であり、図中、図2A−Cと同じ部材には同じ符号を付した。また、図中の21は本実施形態の緩衝体、22は開口部である。
図3A−Cに示したように、外ヒンジ型の場合には、内ヒンジ型とは逆に突出部5の短辺6が開口部3の端辺を構成する。
尚、本実施形態は短辺6が開口部3の端辺と一致しているが、発明においては、図8Bに示すように、短辺6の少なくとも中央部が開口部3の端辺を構成していればよい。一方、突出部5の長辺8はヒンジ部となるため、本実施形態の突出部5においても、緩衝板2は、側辺9においては発泡板11及び熱溶融スキン層12のいずれもが切断され、長辺8においては発泡板11のみが切断され、熱溶融スキン層12は切断されていない。
よって、図3A−Cの実施形態においても、長辺8の切断されていない熱溶融スキン層12をヒンジ部として、圧縮変形及び撓みを利用して、突出部5を緩衝板2より90°回転させて引き起こし、また、一旦引き起こした突出部5を空洞部13に収納することができる。突出部5を引き起こした状態では、図2A−Cと同様に、突出部5の長辺8両端部の厚み部分が側辺9を形成する緩衝板2本体に阻まれて、突出部5と緩衝板2本体に実質固定化される。
また、この場合においても、短辺6の中央部に切り欠き部7を形成することで、突出部5を撓み易くすることができ、突出部5の引き起こし、圧縮が容易になる。
さらに、この形態においては、図3A−Cに示すように、紙面右側の突出部5の長辺8に接して、開口部22を設けることによって、当該突出部5が長辺8側に凸に撓み易くなり、作業がより容易になる。また、図8Bに示したように、短辺6の両端部が開口部3の端辺よりも外側に延長されている場合には、短辺6と緩衝板2本体との間に間隙71を形成しておくことにより、突出部5の引き起こし、収納作業が容易になる。
図5は、図3A−Cの緩衝体を用いて被梱包体を梱包する際の組み合わせを示した斜視図であり、図7は被梱包体51を梱包した梱包体の斜視図である。図5、図7に示したように、本実施形態の緩衝体21も、図2A−Cの緩衝体1と同様に基本的に相対する一対で一組として用い、突出部5を緩衝板2より引き起こした後の空洞部13と該空洞部に隣接する開口部3とを少なくとも嵌合部として、被梱包体51の両側から嵌合する。
この形態においても、図2A−Cの場合と同様に、突出部5においては、被梱包体51を発泡板11と熱溶融スキン層12とが並列に配置して支持するため、従来よりも高い緩衝能が得られる。
以上の内、外ヒンジ型緩衝体は、熱溶融スキン層12を形成した発泡板11(原反)から緩衝板2を切り出すと同時に開口部や突出部を切断加工して製造されるが、当該切断加工には、一般に発泡体の切断加工に用いられている、プレス抜き加工などの方法を用いることができる。
また、当該工程において、突出部の熱溶融スキン層12を切断しない部分については、切断する箇所とは抜き刃の高さを変えることにより、同時に切断加工することができる。
尚、本発明の緩衝体において、突出部の平面形状である台形状とは、長辺端部から短辺端部に向かって該長辺に平行な方向の長さが漸減する形状であればよく、図2A−C、図3A−Cに示したように、側辺9が直線の台形以外に、図8A及びBに示したように、側辺9が傾きの異なる直線の組み合わせで構成されていてもよい。また、側辺9が曲線である場合も本発明に含まれるものとする。
また、この内、外ヒンジ緩衝体においては、図2A−C、図3A−Cに示したように、基本的に開口部3の相対する一対の端辺4に接してそれぞれ突出部5を形成するが、相対する突出部5は同一の形状に限定されるものではない。また、図2A−Cの内ヒンジ型と図3A−Cの外ヒンジ型を組み合わせて用いてもよい。
さらに、この緩衝体においては、開口部3は1個に限定されず、2個以上の開口部3を形成し、それぞれに突出部5を形成して、一組の緩衝体で2つ以上の被梱包体を一体に梱包する形態や、2個以上の開口部を設け、隣接する開口部間にそれぞれ突出部5を1個ずつ設け、該突出部5を引き起こした際に形成される空洞部が隣接する複数の開口部を連続させて1つの嵌合部を形成する形態も好ましく適用される。
特に、被梱包体が平板状であり、嵌合部の開口部形状が非常に長尺である場合には、該嵌合部の途中に突出部が配置されることで、緩衝能を高くすると同時に緩衝体自体の強度も高めることができる。
さらに、この緩衝体は、図2A−C、図3A−Cに示したように、緩衝板2本体に適宜切り欠き部15を形成することにより、その可撓性や強度を調整することが可能である。
さらにまた、図4、図5に示したように、この緩衝体は相対する一対で一組として用いるが、該一組は同じ形状である必要はなく、被梱包体の形状に応じて、異なる形状、異なるヒンジ型の緩衝体を組み合わせて用いても構わない。
また、この緩衝体においては、発泡板11の熱溶融スキン層12を形成していない面にも同様の熱溶融スキン層を積層することにより、緩衝能や強度を調整することが可能である。
また、この緩衝体においては、緩衝板2に複数の切り込み部を設けて展張可能に構成することによって、非使用時の容積をより削減し、回収、繰り返し使用における利便性を高めることができる。
図9にその具体例を示す。図中、101は緩衝板2を貫通する切り込み部であり、開口部3の相対する二対の端辺4a〜4dの少なくとも一方の端辺4aと4c、或いは4bと4dを形成する緩衝板2に破線状の切り込み部101を設ける。
図9は両方に設けた例であり、該切り込み部101は、緩衝板2を横切る複数本の破線状で、隣接する破線の切れ目が互い違いに配置するように設ける。破線の方向としては、端辺4a〜4dに直交する方向とすればよいが、端辺4a〜4dに斜めに交差する方向であってもよい。
このような複数の切り込み部101を設けた緩衝板2を矢印102、103の方向に切り込み部101を広げるように引っ張ると、緩衝板2が網目状に展張し、実質的な平面積を広げることができ、非使用時には再び網目を閉じて容易に元の容積に戻すことができるため、非使用時の容積低減効果が高い。
また、開口部3内の緩衝板は通常廃棄されているが、当該構成では、切り込み部101を設けない構成に比べて開口部3自体を小さくできるため、廃棄する緩衝板容積を低減して経済効率を高めることができる。
さらに、図9の切り込み部101を中央部で屈曲或いは湾曲した山形とし、広げ易くした形態も好ましく、図10に屈曲させた形態を示す。
図10は山形の切り込み部101’を有するこの緩衝体の部分平面図である。
即ち、図10に示したように、破線の実線部分を中央部で屈曲或いは湾曲させた山形とし、その屈曲或いは湾曲方向が同一破線内で等しく、且つ隣接する破線において逆方向となるように、切り込み部101’を形成する。
本発明の緩衝体を、前記▲1▼L字型緩衝パットと▲2▼嵌合型緩衝体(内ヒンジ型、外ヒンジ型緩衝体)についての実施例を用いて、以下にさらに詳しく説明する。
尚、以下で用いる発泡板の嵩密度(ρf)は、次の測定方法により測定されたものである。
発泡板嵩密度(ρf)の測定方法
測定用サンプル作製
ポリオレフィン系樹脂発泡板断面中央部より一辺の長さが20mmの立方体(発泡板の厚みが20mm未満の場合はその厚み×20mm×20mm)サンプルを切り出す。
測定方法
サンプル重量W(g)を測定後、水没法にてサンプル体積Vf(cm)を測定し、次式で発泡体の密度ρf(g/cm)を計算する。
ρf=W/Vt
〈L字型緩衝パット〉
実施例1〜2及び比較例1〜3
実施例1,2及び比較例1,2では、旭化成株式会社製 商品名 サンテックフォーム〈45〉(低密度ポリエチレン(LDPE)発泡体 嵩密度0.025g/cm 公称寸法50mm×600mm×2400mm)の発泡板を用いた。
比較例3では、旭化成株式会社製 商品名 サンテックフォーム〈15〉(低密度ポリエチレン(LDPE)発泡体 嵩密度0.068g/cm 公称寸法50mm×510mm×2400mm)の発泡板を用いた。
実施例1,2及び比較例1,2の発泡板には、以下の[熱溶融スキン層を付与する装置・条件]を用いて熱溶融スキン層を形成した。
比較例3は、前記商品名 サンテックフォーム〈15〉をそのまま(熱溶融スキン層付与処理を施さない状態で)使用した。
熱溶融スキン層を付与する装置
この処理装置は、図11に示すように、水平な架台aの中央上部に、棒遠赤ヒータ(直径12mm、有効長さ700mmのヒータ 800w/本)をその長さ方向を装置の流れ方向に直角に配し、かつ約50mm間隔で水平に18本配置する状態にして、幅800mm、長さ1000mmの架台下部に固定した加熱部bを、水平な架台からヒータまでの垂直間隔を調整可能にセットしている。
加熱部b直前の装置入口側に一対の駆動ロールc(直径100mm、長さ800mm)と、加熱部b直後の装置出口側に一対の駆動ロールd(直径100mm、長さ800mm)をそれぞれのロール間隔が可変出来るように上下移動可能に取り付けている。さらに、装置出口側の駆動ロールdの内部に冷却水を通水してロール表面を冷却出来るような構造(図には示さず)の冷却ロールからなっている。
熱溶融スキン層を付与する条件
Figure 0004437443
次に、実施例1,2及び比較例1,2の熱溶融スキン層を形成した発泡板について、以下の方法によりその長さ方向及び幅方向の反り(mm)と、発泡板中央部の気泡膜平均厚みと、熱溶融スキン層の塊状の樹脂部、層状の樹脂部の寸法(μm)とを測定した。
熱溶融スキン層を形成した発泡板の反りの測定
熱溶融スキン層を形成した後完全に常温まで冷却した発泡板原反を、水平な台に反りの凹面を上方にして乗せる。反りを生じて発生した、発泡板と水平台面間すき間の垂直距離(mm)を測定する。長さ方向の反りは、巾両端位置でかつ長さ方向に3点以上、合計6点以上測定し、その平均値をとる。巾方向の反りは、長さ両端位置でかつ巾方向に3点以上、合計6点以上測定し、その平均値をとる。
発泡板中央部の気泡膜平均厚みの測定
発泡板の幅方向中心部をその長さ方向に約10cmにカットし、ほぼ同間隔で10箇所以上の厚み方向中心層の断面拡大写真を撮影する。その写真の厚み方向中心部にスキン面と並行な線を引き、その線上にある各気泡膜の数と各気泡膜厚みを読み取り、気泡膜厚の総計値を気泡膜の数で除し平均気泡膜厚みを求める。
熱溶融スキン層の塊状の樹脂部、層状の樹脂部の寸法の測定
発泡板の幅方向中心部をその長さ方向に約10cmにカットし、ほぼ同間隔で10箇所以上の熱溶融スキン層の拡大写真を撮影する。拡大写真に撮影された熱溶融スキン層を観察し、層状樹脂部から塊状樹脂部へと厚みが増加し始める箇所を層状樹脂部と塊状樹脂部の境界とし、拡大写真から熱溶融スキン層の各樹脂部の最大、最小厚み及び樹脂部長さを測りとる。
続いて、実施例1,2及び比較例1,2の熱溶融スキン層を形成した発泡板から、夫々長さ方向に100mm、巾方向に50mm、厚み方向に40mmに切り出し、次いで長さ方向中央に長さ方向と直角方向で、且つ厚み方向に熱溶融スキン層(2mm)を残して切れ目を入れ、これをヒンジ部として熱溶融スキン層を内側にして90度開いてL字型緩衝パットを得た。
比較例3の発泡板は、実施例1と同様に切れ目を入れ、、厚さ2mmの発泡体表面スキン層からなるヒンジ部を形成し、これを同様に90度開いてL字型緩衝パットを得た。
以上の実施例1,2及び比較例1,2並びに比較例3のL字型緩衝パットのヒンジ部について、次の方法によりその破断限界エネルギー(kgf−cm/cm)を求めた。
ヒンジ部破断限界エネルギー(kgf−cm/cm)の測定方法
図12A及びB(Aは正面断面図、BはAのI−I線断面図である。)に示すように、Bフルート段ボール104製の内寸90mm×90mm×50mmで、隣り合う90mm×50mmの二面が解放した箱を作成し、L字型緩衝パット(サンテックフォーム(商品名))105の開放辺をこの段ボール箱の内面に両面粘着テープ(厚手)で接着して固定し、これを直角な水平稜を持つ固定治具(木製)107上に、その水平稜に、フィルム又はスキン層106を介してL字型緩衝パットのヒンジ部が接するように乗せる。
次いで、Bフルート段ボール製箱の頂部に所定重量の重錘を所定高さから自由落下して衝撃を加え、前記ヒンジ部に破断を生じる限界の重量と落下高さを求める。この様にして求めた破断限界の重量(Wkgf)と落下高さ(hcm)及びヒンジ長(5cm)より、
ヒンジ部の単位長さ当たり破断限界エネルギー=W×H/5
として、算出する。
実施例1,2及び比較例1,2並びに比較例3のL字型緩衝パットについての各種測定値は、次の表2に示されている。尚、熱溶融層樹脂部のμm、倍率、割合(%)は、塊状、層状の樹脂部の厚み、気泡膜平均厚みに対する倍率、両樹脂部の長さの割合を示している。
Figure 0004437443
〈嵌合型緩衝体(内ヒンジ型、外ヒンジ型緩衝体)〉
被梱包体として重量の異なる2種の中〜軽重量ダミーを用い、各ダミーに対して内ヒンジ型と外ヒンジ型の2種の緩衝体を形成し、梱包状態で繰り返し落下衝撃を加え、該緩衝体のヒンジ部の耐久性を評価した。
ポリオレフィン発泡板
ポリオレフィン発泡板としては、実施例1、2及び比較例1、2の熱溶融スキン層を形成した発泡板を用いた。
ダミー
中重量ダミー:12.6kg、450mm×252mm×114mm
軽重量ダミー:6.6kg、330mm×227mm×103mm
緩衝体
緩衝体A(中重量ダミー用、内ヒンジ型、図8Aに示した平面形状)
図8Aの平面形状において、緩衝板2の最大外寸が469mm(紙面左右方向)×224mm(紙面上下方向)、突出部5の長辺8が194mm、短辺6が174mm、長辺8と短辺6との距離が46mm、2つの突出部5の長辺8間の距離が220mm、開口部3の幅(紙面上下方向)が114mmである。
緩衝体B(中重量ダミー用、外ヒンジ型、図8Bに示した平面形状)
図8Bの平面形状において、緩衝板2の最大外寸が469mm(紙面左右方向)×224mm(紙面上下方向)、突出部5の長辺8が194mm、短辺6が174mm、長辺8と短辺6との距離が46mm、2つの突出部5の短辺6間の距離が260mm、開口部3の幅(紙面上下方向)が114mmである。
緩衝体C(軽重量ダミー用、内ヒンジ型、図2A−Cに示した平面形状)
図2A−Cの平面形状において、緩衝板2の最大外寸が328mm(紙面左右方向)×191mm(紙面上下方向)、突出部5の長辺8が153mm、短辺6が103mm、長辺8と短辺6との距離が38mm、2つの突出部5の長辺8間の距離が127mm、開口部3の幅(紙面上下方向)が103mmである。
緩衝体D(軽重量ダミー用、外ヒンジ型、図3に示した平面形状)
図3の平面形状において、緩衝板2の最大外寸が328mm(紙面左右方向)×191mm(紙面上下方向)、突出部5の長辺8が153mm、短辺6が103mm、長辺8と短辺6との距離が38mm、2つの突出部5の短辺6間の距離が151mm、開口部3の幅(紙面上下方向)が103mmである。
落下試験
それぞれ緩衝体A〜Dを作製し、図6、図7に示したようにダミーに嵌合して、外箱(Aフルート段ボール、JIS形式0201、JIS Z1507−1989)に収納し、落下高さを60cmとして、下記の順序で落下させた。
▲1▼地面の1角部を下方に向けて落下させた。
▲2▼▲1▼で落下させた角部を形成する3本の稜を短い順に下方に向けて落下させた。
▲3▼6面を右(緩衝体を嵌合した一方の側面)、左(緩衝体を嵌合した他方の側面)、前、後、地、天の順で下方に向けて落下させた。
▲4▼▲3▼をさらに5回繰り返した。
評価
各緩衝体について、突出部の引き起こし作業性(官能試験)、及び引き起こした突出部の自立性(官能試験)を評価した後、▲1▼〜▲4▼の落下試験を行い、試験後の緩衝体のヒンジ部の耐久性を、最も破損の大きいヒンジ部において、ヒンジ部切断長さがヒンジ部長さの1/2未満の場合を○、前記のヒンジ部切断長さがヒンジ部長さの1/2以上の場合を×と評価した。
その結果は、次の表3に示されている。
Figure 0004437443
以上説明したように、本発明は、表面に熱溶融スキン層とこのスキン層を貫通しない切れ込みにより形成されたヒンジ部とを有するポリオレフィン発泡板の緩衝材であって、該発泡板には反りがなく、該ヒンジ部は優れた強度を有し、製造が容易で、繰り返し利用可能な、緩衝性能に優れた緩衝体を提供することができる。
そして、特に前記内ヒンジ型、外ヒンジ型緩衝体の場合には、以下に述べる格別の効果を奏することができる。
(1)被梱包体の梱包時に突出部を緩衝板より引き起こせばよく、梱包時以外は該突出部が緩衝板内に収納されるため、梱包作業、緩衝体の保管及び輸送において省スペース化を図ることができ、再利用効率も向上する。
(2)突出部を緩衝板より引き起こした際には、該突出部は緩衝板本体にヒンジ部によって実質的に固定化されるため、従来の一体成形の緩衝体と同様に、梱包作業が容易で、梱包体の輸送中に該突出部が移動しないため、確実に被梱包体を保護することができる。
(3)熱溶融スキン層の形成された発泡体を切断加工して製造されるため、プレス抜き加工等により大量、且つ迅速に製造することができ、また、異なる形状の緩衝体にも同じ緩衝板で対応できるため、設計変更にも容易に対応でき、安価に且つ迅速に提供することができる。さらに、員数確認等諸管理が容易である。
(4)熱溶融スキン層の形成された発泡体で形成され、被梱包体は両者の並列配置により支持されるため、高い緩衝能が得られ、より確実に包装体を保護することができる。また、同じ緩衝能であれば、より薄い、或いは小さい緩衝体とすることができ、緩衝体及び梱包体の省スペース化を図ることができる。また、発泡体と熱溶融スキン層のそれぞれの厚さや発泡倍率等を選択することにより、緩衝能やヒンジ部の強度等を容易に調整することができる。よって、特に、破損し易い被梱包体や、高重量の被梱包体の梱包、或いは、流通経路の条件が厳しい場合の梱包に、好ましく用いられる。

Claims (8)

  1. 表面全面に熱溶融スキン層を有するポリオレフィン発泡板に、熱溶融スキン層を貫通しない切れ込みを設けることによりヒンジ部を形成した緩衝体であって、
    前記熱溶融スキン層は、前記ポリオレフィン発泡板表面に対し垂直方向の断面を観察したとき、塊状の樹脂部と該塊状の樹脂部に前記ポリオレフィン発泡板表面に対し略平行方向に結合された単一又は複数の層状の樹脂部とから構成され、前記塊状の樹脂部と層状の樹脂部は前記ポリオレフィン発泡板表面全体に亘り分布しており、且つ
    前記塊状の樹脂部と層状の樹脂部によって前記ポリオレフィン発泡板表面全体が凹凸形状を呈している緩衝体。
  2. 前記ポリオレフィン発泡板の中央部の嵩密度が0.010〜0.050g/cmである請求項1に記載の緩衝体。
  3. 前記ポリオレフィン発泡板厚みが15〜100mmである請求項1又は請求項2に記載の緩衝体。
  4. 前記ポリオレフィン発泡板が低密度ポリエチレン(LDPE)製である請求項1〜3のいずれか1項に記載の緩衝体。
  5. 前記ポリオレフィン発泡板が押し出し発泡板である請求項1〜4のいずれか1項に記載の緩衝体。
  6. 前記ポリオレフィン発泡板に、厚さ方向に貫通した矩形の開口部を少なくとも1個形成し、ポリオレフィン発泡板表面に平行な平面において、該開口部の相対する一対の端辺に接して、相対する平行な2辺のうち長辺或いは短辺の少なくとも中央部が開口部の端辺を構成する台形状に、長辺の少なくとも両端部近傍の熱溶融スキン層を残してポリオレフィン発泡板を切断して少なくとも一つの突出部を形成し、長辺の切断されていない熱溶融スキン層をヒンジ部として、該ヒンジ部を中心軸に前記突出部を回転させることにより、該突出部を緩衝体の熱溶融スキン層上に引き起こし、少なくとも該突出部が抜けた後のポリオレフィン発泡板の空洞部と該空洞部に隣接する開口部とから構成される嵌合部により被梱包体に嵌合するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の緩衝体。
  7. 前記開口部の相対する二組の端辺のうち、少なくとも一方の端辺を構成するポリオレフィン発泡板を横切る複数本の破線状で、隣接する破線の切れ目が互い違いに配置するように、ポリオレフィン発泡板を貫通する切り込み部を設けた請求項6に記載の緩衝体。
  8. 前記破線の実線部分を中央部で屈曲或いは湾曲した山形とし、該屈曲或いは湾曲方向が同一破線内で等しく、且つ隣接する破線において逆方向となるように切り込み部を形成した請求項7に記載の緩衝体。
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