JP4437358B2 - 落書き汚染物質の除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物・土木構築物表面に形成された撥水・撥油被膜の落書きを容易に除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、建築物や土木構築物において、落書き等の汚染を防止する目的から、落書き汚染物質が基材に染み込んで定着しないように、撥水、撥油塗膜を設けることが行われている。このような撥水・撥油塗膜を形成する塗料としては、シリコーン系の被膜形成材料を使用したものが一般的である。
【0003】
また、これらの塗膜を形成した基材面に、落書き等がなされた場合には、各種の方法により、その汚染を除去することが行われている。
例えば、特開平5−5070号公報には、基体からペンキ塗りを除去する組成物として、a)ジ−、トリ−および/またはテトラエチレングリコール、および/またはC1−4、モノまたはC1−4ジエーテルの少なくとも1種、および/またはモノまたはジ酢酸エステル、および/または前記からのC1−4モノエーテル酢酸エステル、b)N−メチル−2−ピロリドンおよび、c)少なくとも1種の界面活性剤を含み、実質的に無水であることを特徴とする、水を同時に使用してペンキ塗りを除去するための組成物が記載されている。
【0004】
特開平9−165536号公報には、塗料支持基材に対して、必要な場合に均一化および状態調整の作用を示す塗料除去剤において、
・ジカルボン酸ジアルキルエステル、またはジカルボン酸残基中に4〜6個の炭素原子を有し、各アルキル残基中に1〜3個の炭素原子を有するようなエステルの混合物、
・アルコキシ残基中に1〜4個の炭素原子を有する2−(2−アルコキシエトキシ)エタノール、
・脂肪アルコールポリグリコールエーテル
・アルキル残基中に1〜8個の炭素原子を有するN−アルキルピロリドン
等を含有する塗料除去剤が記載されている。
【0005】
特表平8−505892号公報には、支持体から望ましくない塗料、落書き又はその他の被覆物質を除去に使用される、N−メチル−2−ピロリドンのような5員環ラクタム、及び、C1−4の飽和脂肪族モノカルボン酸のグリセロールトリエステルを含む洗浄組成物が記載されている。
【0006】
また、特開平11−131022号公報には、基材の表面に、プライマー層を介して、その上に撥水性を有する溶剤縮合型シリコーン樹脂塗料を塗付して、難接着性の表面層を形成し、この表面層に落書きされた後に、その上に可剥離性塗料を塗付して可剥離層を形成し、可剥離層が硬化した後に、可剥離層を表面層から剥ぐことにより、表面層の表面から落書き汚染物質を除去することが記載されている。
【0007】
しかしながら、有機溶剤を含有する剥離剤、洗浄剤を用いる場合には、大気中への揮発や廃液の流出につながり、環境の保全、浄化の目的から好ましくない。また、可剥離層を落書き汚染物質と共に剥ぐ場合は、可剥離層を形成するための手順が必要であり、落書き汚染物質の簡便な除去方法とは言えないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明が解決しようとする課題は、撥水・撥油被膜に付着した落書き汚染物質を、簡便に除去でき、さらには環境の汚染を生じない落書き汚染物質除去方法を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明者らは、撥水・撥油被膜が落書き汚染物質をその被膜中に浸透させることなく、被膜表面に乾燥付着させているだけであることに着目し、このような落書き汚染物質とは付着性が高く、撥水・撥油被膜とは付着しない程度の粘着性を有する粘着剤を利用して、落書き汚染物質を除去する方法を見出すことができた。
【0010】
すなわち、本発明は、
1.構築物表面に形成された空気中での水の接触角90°以上の撥水性を有する撥水・撥油被膜に付着した落書き汚染物質を、粘着力がJIS Z0237の180度引きはがし法で1.0N/cm以上である粘着層を表面に有するローラーを転がすことで、該粘着層を被膜に着脱することにより除去することを特徴とする落書き汚染物質の除去方法。である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な態様について詳述する。
【0012】
[撥水・撥油被膜]
本発明の撥水・撥油被膜は、落書きによる汚染物質との親和性が低く、落書き汚染物質が単にその表面において物理的に乾燥固着しているのみの被膜であれば特に限定されるものではない。
このような撥水・撥油被膜を形成できるものとしては、例えば、バインダーとして、ラダー型アクリルシリコーン樹脂、グラフト型アクリルシリコーン樹脂等のアクリルシリコーン系樹脂、3官能性オルガノアルコキシシラン、または3官能性オルガノアルコキシシランと2官能性オルガノアルコキシシランとを複合して、予め加水分解縮合させた直鎖状オルガノシロキサンオリゴマー、等を用いた落書き防止用塗料等があげられる。
【0013】
[汚染除去具]
本発明では、上記のような被膜の表面に付着した落書き汚染物質を除去するため、粘着層を備えた汚染除去具を用いる。汚染除去具の形態は、特に限定されず、例えばスタンプタイプ、ローラータイプ等を使用することができる。このうち、ローラータイプのものを使用した場合は、汚染除去作業を効率良く行うことができるため好ましい。
【0014】
このようなローラーは、表面に粘着層を形成させた円筒状の芯材と、芯材を回転可能な状態で支持する軸と、軸に連結された把手を具備するものを使用することができる。円筒状の芯材の材質としては、特に限定されず、例えば、金属、硬質紙、プラスチック、ゴム、スポンジ等を使用することができる。ローラーに粘着層を設ける方法としては、粘着シート、粘着テープ等を円筒状の芯材に巻きつける方法、芯材の表面に粘着剤を塗布する方法、芯材自体に粘着性を付与する方法等が可能である。
【0015】
粘着層に用いる粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル等のアクリル系粘着剤;リブドスモークドシート、ペールクレープ等の天然ゴム系粘着剤;スチレン―イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン―ブチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム等の合成ゴム系粘着剤;シリコン系粘着剤;ウレタン系粘着剤、等を用いることができる。
【0016】
粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤樹脂、軟化剤、顔料、粘度調整剤等の助剤を添加することもできる。粘着付与剤としては、例えば、ロジンエステル樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂等があげられる。軟化剤としては、例えば、ポリブテン、パラフィン系あるいは芳香族系のプロセスオイル等があげられる。顔料としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛等があげられる。
【0017】
粘着層の粘着力は、JIS Z0237の180度引きはがし法で1.0N/cm以上であることが望ましい。このような粘着力を有するものを使用することにより、十分な汚染除去性を得ることができる。
【0018】
[落書き汚染除去方法]
本発明では、上述のような粘着層を備えた汚染除去具を用いて、該粘着層を撥水・撥油被膜に着脱することにより、落書き汚染物質を除去する。この方法によれば、落書き汚染物質が被膜表面から剥離され、粘着層側に付着することとなり、簡単に落書き汚染物質を除去することができる。また、周辺環境に悪影響を及ぼすこともない。特に、ローラータイプのものを使用した場合は、撥水・撥油被膜上でローラーを転がすことにより、簡単かつ連続的に落書き汚染物質を除去することができる。
【0019】
本発明において、撥水・撥油被膜は、その表面における空気中での水の接触角が90°以上の被膜であることが好ましい。このような場合には、ローラーの粘着剤との親和性も非常に低く、固着した落書き汚染物質のみが粘着剤層に付着して除去され、汚染除去性が向上する。
なお、空気中での水の接触角は、20℃にて塗膜表面に、0.2ccの脱イオン水を滴下し、滴下直後の接触角を協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置等にて測定されるものである。
【0020】
落書き汚染物質を除去した後は、各種の方法により汚染除去具を処理することができる。例えば、粘着シートを取り付けたタイプでは、落書き汚染物質が付着した粘着シートを汚染除去具から取り外して、そのまま廃棄すればよい。また、粘着剤層が洗浄可能な場合は、洗浄によって落書き汚染物質を除去し、その後再使用することもできる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例、比較例をあげて本発明の効果を明確にする。
【0022】
まず、図1に示すように、硬質紙製の円筒状芯材の表面に、粘着層が表向きとなるように粘着シートを巻きつけて、ローラーを作製した。粘着シートとして、JIS Z0237の180度引きはがし法による粘着力が1.5N/cmのものを用いたローラーをローラーA、0.9N/cmのものを用いたローラーをローラーBとした。なお、粘着シートの粘着剤としては、いずれもアクリル系粘着剤を主成分とするものを用いた。
【0023】
次に、ウレタン樹脂系白色塗料が予め塗装された90×90cmのスレート板に、バインダーとしてラダー型アクリルシリコーン樹脂を用いた落書き汚染防止塗料を塗装し、室温にて7日間乾燥させて撥水・撥油被膜を形成させた。この被膜の空気中での水の接触角を、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置にて測定したところ、95°であった。
【0024】
このようにして得られた被膜に、市販の赤色系のラッカースプレーを用いて落書きし、室温にて7日間放置したものを試験板とした。
そこで、前述のローラーAを、落書きされた試験板上で転がしたところ、簡単に汚染が除去され、元の白色の外観を取り戻すことができた。ローラーBについても同様に試験を行ったところ、若干汚染が残存したものの、ほぼ元の白色の外観を取り戻すことができた。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、撥水・撥油被膜に付着した落書き汚染物質を、簡便に除去でき、さらには環境の汚染を生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するローラーの一例を示す斜視図
【符号の説明】
1:粘着層
2:芯材
3:軸
4:把手
Claims (1)
- 構築物表面に形成された空気中での水の接触角90°以上の撥水性を有する撥水・撥油被膜に付着した落書き汚染物質を、粘着力がJIS Z0237の180度引きはがし法で1.0N/cm以上である粘着層を表面に有するローラーを転がすことで、該粘着層を被膜に着脱することにより除去することを特徴とする落書き汚染物質の除去方法。
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