JP2002001252A - 落書き汚染物質の除去方法 - Google Patents
落書き汚染物質の除去方法Info
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Abstract
簡便に除去でき、さらには環境の汚染を生じない落書き
汚染物質除去方法を得る。 【解決手段】構築物表面に形成された撥水・撥油被膜に
付着した落書き汚染物質を、粘着層を備えた汚染除去具
を用いて、該粘着層を被膜に着脱することにより除去す
る。汚染除去具としては、粘着層を表面に有するローラ
ーを使用することが望ましい。
Description
物表面に形成された撥水・撥油被膜の落書きを容易に除
去する方法に関するものである。
き等の汚染を防止する目的から、落書き汚染物質が基材
に染み込んで定着しないように、撥水、撥油塗膜を設け
ることが行われている。このような撥水・撥油塗膜を形
成する塗料としては、シリコーン系の被膜形成材料を使
用したものが一般的である。
落書き等がなされた場合には、各種の方法により、その
汚染を除去することが行われている。例えば、特開平5
−5070号公報には、基体からペンキ塗りを除去する
組成物として、a)ジ−、トリ−および/またはテトラ
エチレングリコール、および/またはC1−4、モノま
たはC1−4ジエーテルの少なくとも1種、および/ま
たはモノまたはジ酢酸エステル、および/または前記か
らのC1−4モノエーテル酢酸エステル、b)N−メチ
ル−2−ピロリドンおよび、c)少なくとも1種の界面
活性剤を含み、実質的に無水であることを特徴とする、
水を同時に使用してペンキ塗りを除去するための組成物
が記載されている。
支持基材に対して、必要な場合に均一化および状態調整
の作用を示す塗料除去剤において、・ジカルボン酸ジア
ルキルエステル、またはジカルボン酸残基中に4〜6個
の炭素原子を有し、各アルキル残基中に1〜3個の炭素
原子を有するようなエステルの混合物、・アルコキシ残
基中に1〜4個の炭素原子を有する2−(2−アルコキ
シエトキシ)エタノール、・脂肪アルコールポリグリコ
ールエーテル・アルキル残基中に1〜8個の炭素原子を
有するN−アルキルピロリドン等を含有する塗料除去剤
が記載されている。
体から望ましくない塗料、落書き又はその他の被覆物質
を除去に使用される、N−メチル−2−ピロリドンのよ
うな5員環ラクタム、及び、C1−4の飽和脂肪族モノ
カルボン酸のグリセロールトリエステルを含む洗浄組成
物が記載されている。
は、基材の表面に、プライマー層を介して、その上に撥
水性を有する溶剤縮合型シリコーン樹脂塗料を塗付し
て、難接着性の表面層を形成し、この表面層に落書きさ
れた後に、その上に可剥離性塗料を塗付して可剥離層を
形成し、可剥離層が硬化した後に、可剥離層を表面層か
ら剥ぐことにより、表面層の表面から落書き汚染物質を
除去することが記載されている。
剤、洗浄剤を用いる場合には、大気中への揮発や廃液の
流出につながり、環境の保全、浄化の目的から好ましく
ない。また、可剥離層を落書き汚染物質と共に剥ぐ場合
は、可剥離層を形成するための手順が必要であり、落書
き汚染物質の簡便な除去方法とは言えないものであっ
た。
決しようとする課題は、撥水・撥油被膜に付着した落書
き汚染物質を、簡便に除去でき、さらには環境の汚染を
生じない落書き汚染物質除去方法を得ることである。
るために、本発明者らは、撥水・撥油被膜が落書き汚染
物質をその被膜中に浸透させることなく、被膜表面に乾
燥付着させているだけであることに着目し、このような
落書き汚染物質とは付着性が高く、撥水・撥油被膜とは
付着しない程度の粘着性を有する粘着剤を利用して、落
書き汚染物質を除去する方法を見出すことができた。
落書き汚染物質を、粘着層を備えた汚染除去具を用い
て、該粘着層を被膜に着脱することにより除去すること
を特徴とする落書き汚染物質の除去方法。 2.構築物表面に形成された撥水・撥油被膜に付着した
落書き汚染物質を、粘着層を表面に有するローラーを転
がすことにより除去することを特徴とする落書き汚染物
質の除去方法。 3.撥水・撥油被膜が、空気中での水の接触角90°以
上の被膜であることを特徴とする1.または2.に記載
の落書き汚染物質の除去方法。である。
いて詳述する。
膜は、落書きによる汚染物質との親和性が低く、落書き
汚染物質が単にその表面において物理的に乾燥固着して
いるのみの被膜であれば特に限定されるものではない。
このような撥水・撥油被膜を形成できるものとしては、
例えば、バインダーとして、ラダー型アクリルシリコー
ン樹脂、グラフト型アクリルシリコーン樹脂等のアクリ
ルシリコーン系樹脂、3官能性オルガノアルコキシシラ
ン、または3官能性オルガノアルコキシシランと2官能
性オルガノアルコキシシランとを複合して、予め加水分
解縮合させた直鎖状オルガノシロキサンオリゴマー、等
を用いた落書き防止用塗料等があげられる。
被膜の表面に付着した落書き汚染物質を除去するため、
粘着層を備えた汚染除去具を用いる。汚染除去具の形態
は、特に限定されず、例えばスタンプタイプ、ローラー
タイプ等を使用することができる。このうち、ローラー
タイプのものを使用した場合は、汚染除去作業を効率良
く行うことができるため好ましい。
成させた円筒状の芯材と、芯材を回転可能な状態で支持
する軸と、軸に連結された把手を具備するものを使用す
ることができる。円筒状の芯材の材質としては、特に限
定されず、例えば、金属、硬質紙、プラスチック、ゴ
ム、スポンジ等を使用することができる。ローラーに粘
着層を設ける方法としては、粘着シート、粘着テープ等
を円筒状の芯材に巻きつける方法、芯材の表面に粘着剤
を塗布する方法、芯材自体に粘着性を付与する方法等が
可能である。
(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル
酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メ
タ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸シ
クロヘキシルエステル等のアクリル系粘着剤;リブドス
モークドシート、ペールクレープ等の天然ゴム系粘着
剤;スチレン―イソプレンブロック共重合体、スチレン
−エチレン―ブチレンブロック共重合体、スチレンブタ
ジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴ
ム、ブチルゴム等の合成ゴム系粘着剤;シリコン系粘着
剤;ウレタン系粘着剤、等を用いることができる。
脂、軟化剤、顔料、粘度調整剤等の助剤を添加すること
もできる。粘着付与剤としては、例えば、ロジンエステ
ル樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂等があげられる。
軟化剤としては、例えば、ポリブテン、パラフィン系あ
るいは芳香族系のプロセスオイル等があげられる。顔料
としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛等があげられる。
180度引きはがし法で1.0N/cm以上であること
が望ましい。このような粘着力を有するものを使用する
ことにより、十分な汚染除去性を得ることができる。
のような粘着層を備えた汚染除去具を用いて、該粘着層
を撥水・撥油被膜に着脱することにより、落書き汚染物
質を除去する。この方法によれば、落書き汚染物質が被
膜表面から剥離され、粘着層側に付着することとなり、
簡単に落書き汚染物質を除去することができる。また、
周辺環境に悪影響を及ぼすこともない。特に、ローラー
タイプのものを使用した場合は、撥水・撥油被膜上でロ
ーラーを転がすことにより、簡単かつ連続的に落書き汚
染物質を除去することができる。
表面における空気中での水の接触角が90°以上の被膜
であることが好ましい。このような場合には、ローラー
の粘着剤との親和性も非常に低く、固着した落書き汚染
物質のみが粘着剤層に付着して除去され、汚染除去性が
向上する。なお、空気中での水の接触角は、20℃にて
塗膜表面に、0.2ccの脱イオン水を滴下し、滴下直
後の接触角を協和界面科学株式会社製CA−A型接触角
測定装置等にて測定されるものである。
法により汚染除去具を処理することができる。例えば、
粘着シートを取り付けたタイプでは、落書き汚染物質が
付着した粘着シートを汚染除去具から取り外して、その
まま廃棄すればよい。また、粘着剤層が洗浄可能な場合
は、洗浄によって落書き汚染物質を除去し、その後再使
用することもできる。
を明確にする。
状芯材の表面に、粘着層が表向きとなるように粘着シー
トを巻きつけて、ローラーを作製した。粘着シートとし
て、JIS Z0237の180度引きはがし法による
粘着力が1.5N/cmのものを用いたローラーをロー
ラーA、0.9N/cmのものを用いたローラーをロー
ラーBとした。なお、粘着シートの粘着剤としては、い
ずれもアクリル系粘着剤を主成分とするものを用いた。
された90×90cmのスレート板に、バインダーとし
てラダー型アクリルシリコーン樹脂を用いた落書き汚染
防止塗料を塗装し、室温にて7日間乾燥させて撥水・撥
油被膜を形成させた。この被膜の空気中での水の接触角
を、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置
にて測定したところ、95°であった。
色系のラッカースプレーを用いて落書きし、室温にて7
日間放置したものを試験板とした。そこで、前述のロー
ラーAを、落書きされた試験板上で転がしたところ、簡
単に汚染が除去され、元の白色の外観を取り戻すことが
できた。ローラーBについても同様に試験を行ったとこ
ろ、若干汚染が残存したものの、ほぼ元の白色の外観を
取り戻すことができた。
した落書き汚染物質を、簡便に除去でき、さらには環境
の汚染を生じることもない。
Claims (3)
- 【請求項1】構築物表面に形成された撥水・撥油被膜に
付着した落書き汚染物質を、粘着層を備えた汚染除去具
を用いて、該粘着層を被膜に着脱することにより除去す
ることを特徴とする落書き汚染物質の除去方法。 - 【請求項2】構築物表面に形成された撥水・撥油被膜に
付着した落書き汚染物質を、粘着層を表面に有するロー
ラーを転がすことにより除去することを特徴とする落書
き汚染物質の除去方法。 - 【請求項3】撥水・撥油被膜が、空気中での水の接触角
90°以上の被膜であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の落書き汚染物質の除去方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|---|
JPH0235977A (ja) * | 1988-07-23 | 1990-02-06 | Senshiyaki Shokai:Kk | 塗装面の付着物除去法 |
JPH0847674A (ja) * | 1994-08-08 | 1996-02-20 | Techno Roll Kk | 粘着ゴミ取り装置 |
JPH09100445A (ja) * | 1995-10-04 | 1997-04-15 | Natoko Paint Kk | 被覆組成物 |
JPH11131022A (ja) * | 1997-10-31 | 1999-05-18 | Sho Bond Constr Co Ltd | 落書き除去方法 |
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2000
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