JP4436344B2 - 2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法係り、特に供給する交流電源や直流電源から交流定周波数定電圧電源を得るための2重共振回路を用いた交流定周波数定電圧電源変換方法に関する。
従来のAC/ACコンバータでは、交流入力を一度直流に変換した後、パルス幅変調(以下「PWM」と略称する)の変調制御によって再び交流に変換している。このため、回路が複雑で変換効率が悪く、スイッチング時に多量のノイズを発生するし、またコンデンサ入力型の整流回路を持つ直流回路は、入力する電源電流が電源電圧波形の波高値付近でパルス状に流れるため、電力線の波形が歪んで高調波が発生するので、対策が求められていた。
上記の問題点の対策のため、一組の商用電源線に対し、ブリッジ状に4個のスイッチを配置し、スイッチの中間点間にトランスの1次巻線を接続し、この1次巻線に対して、商用電源線からの電流を交互にかつ異なる方向に繰り返し流すようにすると共に、1次巻線に電流を流す方向の切り替えは、入力商用周波数より十分高い周波数で行うように構成し、1次巻線の電流方向の切り替えと同期して、中間タップ付の2次巻線の出力側に設置した2個のスイッチを開閉することによって、再びもとの商用電源波形に近似した相似の波形とするAC−ACコンバータが提案されている(特許文献1参照)。
また、双方向スイッチ回路で交流電源電圧を高調波に変調してトランスの1次側に入力して変圧し、トランスの2次側には、ダイオードブリッジの整流回路と負荷を接続し、トランスの出力電流を整流して負荷に供給する構成にし、整流回路の出力側で検出する電圧に対応して、双方向スイッチ回路に入力するパルス信号の周波数を増減させ、パルス信号の周波数の変化に伴いトランスでの損失が変化し、この損失の変化によって出力電圧が一定できるAC−DCコンバータが提案されている(特許文献2参照)。
更に、トランスの1次側と2次側にそれぞれ設けた共振回路からなる2重共振回路を用い、直流の入力回路又は商用電源の整流回路からの直流電圧を、昇圧チョッパにより上昇させると共に、昇圧チョッパの出力を交流定周波数定電圧に変換させて電源を得るため、トランスの1次側と2次側の各共振回路のインダクタンス及び共振用コンデンサのそれぞれの静電容量を設定周波数の1.1〜2.0倍が共振周波数になるように設定し、昇圧チョッパの出力電圧を一定に保持させる条件で、負荷電流に無関係にトランスの2次側電圧を常に一定値に保持することが提案されている(特許文献3参照)。
なお、トランスの1次側と2次側のそれぞれに共振回路を設けた2重共振回路を用いたブリッジ型DC−DCコンバータに関しては、例えば特許文献4に記載されている。
WO97/47070号公報 特開平5−122935号公報 特開2002−247861号公報 特開2001−359279号公報
しかし、特許文献1のAC−ACコンバータでは、商用電源線からトランスの1次巻線に流れる電流を、4個のスイッチにより高速で直接断続するため、多量のノイズが発生する問題がある。
また、特許文献2のAC−DCコンバータの如くトランス内での損失特性を利用して出力電圧の一定化制御を行うものでは、本質的に変換効率が悪く、かつトランスでの発熱により、扱いうる電力も低い値に制限される問題がある。
更に特許文献3の変換装置のように、商用交流電源を一度直流(平流)に変換した後、更に商用交流電圧を出力するコンデンサ入力型の整流回路を有するものでは、商用電源の波高値付近で入力電源電流がパルス状に流れるため、商用電源の力率が大幅に低下すると共に、電力線の波形が歪み高調波が発生する問題がある。また、直流(平流)をパルス幅変調(PWM)により交流に変換させているが、電圧の急峻な断続により、広い周波数範囲で高周波ノイズを発生させる欠点があった。高周波ノイズは、自回路の信号回路に悪影響を及ぼすばかりでなく、外部への悪影響を与える恐れがあるため、高性能のノイズフィルタの設置が必要になるし、2重共振回路内のトランスには、50Hzや60Hz等の電源出力周波数の電力が通過するため、商用周波数用の大きくて重いトランスが必要になる欠点があった。
本発明の目的は、有害なノイズを発生させず、部品点数が少なく小型軽量で信頼性や長期安定性があり、回路の簡略化ができる2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法を提供することにある。
本発明の2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法は、トランスの1次側と2次側にそれぞれ設けた共振回路からなる2重共振回路を用い、前記1次側から供給する供給電源を、前記2次側で定周波数定電圧の交流電源に変換する2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法であって、前記2重共振回路の1次側に、前記供給電源側から供給される直流電圧を、商用出力周波数の6倍以上で300kHz以下の高周波の制御信号で断続され断続され、かつ前記高周波の制御信号での断続を商用周波基準脈流電圧波形と変換交流出力の全波整流波形との差を周波数変化に変えた高周波の制御信号で行うと共に、前記断続時の休止期間を前記商用周波基準脈流電圧波形の電気角に対応して複数段階に変化させた矩形波の脈流電圧として入力し、前記2重共振回路の2次側に高周波で変調された高周波交流電圧を発生させ、前記高周波交流電圧は全波整流して高周波脈流電圧とし、前記高周波脈流電圧から高周波で断続された波高値を結ぶ包絡線の波形が、半周期毎に極性の反転する高周波交流電圧を生成し、前記高周波交流電圧はバンドパスフィルタを通して商用周波数の交流電圧にすることを特徴とする。
本発明の2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法によれば、入力電源を高周波の制御信号でオンオフ(断続)制御して正弦波交流を発生させ、ノイズの発生が少なくてスイッチング損失も小さくできる。しかも、変換損失の少ない2重共振回路の入力周波数−出力電圧特性における共振周波数の2分の1以上で、かつ共振周波数の2倍以下の周波数領域を含むため、効率の良い変換が可能になる。周波数の変化に対して出力電圧が単調に変化する特性域を利用するため、周波数を単調にかつ連続的に変化させることにより、2重共振回路からの出力は単調にかつ連続的に変化するため、制御性を向上することができる。
本発明では、トランスの1次側と2次側にそれぞれ設けた共振回路からなる2重共振回路を用い、前記1次側から供給する入力電源を、前記トランスの2次側で定周波数定電圧の交流電源に変換させる2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換を行う際に、供給電源からの電圧を、商用出力周波数の6倍以上で300kHz以下の高周波の制御信号で断続された矩形波の脈流電圧にしてトランスの1次側に入力し、トランスの2次側に高周波交流電圧を発生させ、前記高周波交流電圧を全波整流して高周波脈流電圧にし、前記高周波脈流電圧から高周波で断続された波高値を結ぶ包絡線の波形が、半周期毎に極性が反転する高周波交流電圧にし、前記高周波交流電圧はバンドパスフィルタを通して商用交流電圧としている。
本発明の一実施例を示す図1の2重共振回路を用いた交流定周波数定電圧電源装置を、供給電源として例えば60Hzの商用交流電源を入力した場合について説明する。この実施例においても従来と同様に、第1共振用コンデンサCpとトランス11の共振用インダクタンスL1を有する1次コイルN1とで第1の直列共振回路を形成し、また磁性体コア12で1次コイルN1と電磁結合した共振用インダクタンスL2を有する2次コイルN2と、第2共振用コンデンサCsとで第2の直列共振回路を形成している。即ち、トランス11の入力側と出力側にそれぞれ共振回路が形成されており、トランス11を含めた部分で2重共振回路10を構成している。
トランス11の入力側には、供給電源である60Hzの商用交流電源1を、図11(a)に示す脈流電圧にするために、公知の第1のブリッジ整流回路4を設けている。第1のブリッジ整流回路4は、整流ダイオードDb1のアノードと整流ダイオードDb3のカソードの接続点3aを、60Hzの商用交流電源1における一方の電源端子2aに接続し、整流ダイオードDb2のアノードと整流ダイオードDb4のカソードとの接続点3bを、他方の電源端子2bに接続している。
ブリッジ整流回路4で全波整流した脈流電圧を出力する一方の出力端子5aは、脈流電源線6に接続され、また他方の出力端子5bは、脈流電源線7に接続している。脈流電源線6及び7間には、全波整流後の脈流電圧波形を維持するために、コンデンサCfを接続している。このコンデンサCfの値は、第1のブリッジ整流回路4の出力を直接直流に変換する場合に使用するコンデンサの値に比べ、数十分の一ないしは数百分の一程度の小さな値のものを用いる。
脈流電源線6及び7には、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(以下、「IGBT」と略称する。)等のスイッチング素子を用いた入力側フルブリッジ回路8を接続し、第1のブリッジ整流回路4で全波整流した脈流電圧の波形を、後述する第1制御回路28を使用して、商用出力周波数の6倍以上で300kHz以下の高い周波数の制御信号でオンオフ(断続)制御し、図11(b)に示す矩形波の脈流電圧の波形を発生させている。なお、スイッチング周波数が、商用交流出力周波数の6倍未満の領域では、出力波形並びに電圧を、目的とする商用交流出力に正確に制御することが困難になってくるため、この領域は用いない。
入力側フルブリッジ回路8は、具体的には第1のIGBTQ1と第3のIGBTQ3を、第1スイッチ及び第3スイッチとして直列回路を作るように接続し、またIGBTQ2とIGBTQ4を、第2スイッチ及び第4スイッチとして直列回路を作るように接続しており、このため各直列回路が第1ブリッジ整流回路4の出力端子5a、5bに対して並列の接続構成となる。また IGBTQ1とQ3の接続点9aとIGBTQ2とQ4の接続点9bとを、第1共振用コンデンサCpを備えるトランス11の1次コイルN1に接続している。
良く知られているように各IGBTQ1、Q2、Q3、Q4は、コレクタがサブストレートに接続され、コレクタとエミッタ間にスイッチ部を有すると共に、その各スイッチ部にはコレクタ電流と反対方向の電流を流すようにしたダイオードを並列に接続している。
入力側フルブリッジ回路8の各IGBTQ1、Q2、Q3、Q4のターンオン、ターンオフ時の電圧上昇及び降下は、トランス11の共振回路のため緩慢となるから、急峻なパルスで駆動する従来のPWM法等に比べて、高周波ノイズの発生を大幅に低減ができる。
また、前記トランス11は、前記のように1次コイルN1に対し磁性体コア12で電磁結合した共振用インダクタンスL2を有する2次コイルN2を有し、図2に示すように磁性体コア12の同一脚に1次コイルN1と2次コイルN2とを適当な離隔距離をおいて別々に巻いており、リーゲージトランスを形成している。そのため、1次コイルと2次コイルの巻線間の結合係数は、通常0.95以下となっている。
2重共振回路10に使用するトランス11としては、発明者らの実験によると、結合係数が0.7以上のトランスであることが必要であり、結合係数が0.7以下のトランスを使用した場合には、高電力出力時に所望の交流電圧出力振幅が得られない。望ましくは、結合係数が0.75以上で0.95以下の結合度の良いトランスが好ましい。また、大電力トランス用コアの材料としては、例えばFe−Si−B系のアモルファス材料やNKスーパーEコア(JFEホールデングス株式会社の商品名)等を、スイッチング周波数として20kHz程度以下の領域で使用する。
一方、中電力トランス用コアの材料としては、例えばフェライトコアやセンダスト圧粉鉄心などの高周波用コアを、スイッチング周波数として10kHz程度以上で300kHz以下の領域で使用する。トランス用コア材料は、一般にその上限周波数付近以上では、コア内の損失が急増する性質があり、通常、その周波数より低い領域に制限して使用する。コア材料は日々進歩しており、例示したもの以外を用いても良いことは勿論である。
第2共振用コンデンサCsを備えて図11(c)に示す高周波で変調された高周波交流電圧が発生するトランス11の2次コイルN2には、第2のブリッジ整流回路15を接続している。即ち、整流ダイオードDb5のアノードと整流ダイオードDb7のカソードの接続点16aを、交流出力端子13に接続し、また整流ダイオードDb6のアノードと整流ダイオードDb8のカソードとの接続点16bを、交流出力端子14に接続している。ブリッジ整流回路15で高周波交流電圧を全波整流し、図11(d)に示す高周波脈流電圧を出力する一方の出力端子17aは、高周波重畳脈流線18に接続し、また他方の出力端子17bは、別の高周波重畳脈流線19に接続している。
ブリッジ整流回路15の各整流ダイオードDb5、Db6、Db7、Db8としては、第2共振用コンデンサCsの端子間に出力される高周波交流電圧が、高周波で断続された電圧であるため、例えば高速低損失ダイオードの高速用ダイオードを使用する。
ブリッジ整流回路15には、入力側と同様な公知の構成であるIGBT等のスイッチング素子を用いた出力側フルブリッジ回路20を接続、即ちIGBTQ5とIGBTQ7を、第5スイッチと第7スイッチとして直列回路を構成するように接続し、また、IGBTQ6とIGBTQ8を、第6スイッチと第8スイッチとして直列回路を構成するように接続している。出力側フルブリッジ回路20は、後述する第2制御回路35を使用して、IGBTQ5及びQ8とQ6及びQ7とを、商用周波数を考慮した制御信号でオンオフ(断続)制御し、ブリッジ整流回路15で全波整流した図11(d)に示す高周波脈流電圧を、図11(e)に示す波高値を結ぶ包絡線の波形が、半周期毎に極性の反転する高周波交流電圧に変換する。
出力側フルブリッジ回路20のIGBTQ5とQ7の接続点21aと、IGBTQ6とQ8の接続点21b間には、共振用インダクタL3とコンデンサCbとの直列回路で構成する60Hzバンドパスフィルタ22を接続し、これを通して図11(e)の高周波交流電圧の波形中に含まれている高周波成分を除去し、図11(f)に示す60Hzの商用周波数成分のみの商用交流電圧を取り出し、出力電源線23及び24で接続する負荷25に供給する。
電源出力線23及び24には、第2降圧トランス27を接続しており、出力電圧を第2降圧トランス27で絶縁降圧して、出力電圧検出線33及び34信号として第1制御回路28に入力している。第1制御回路28では、後述のように整流後に商用交流電源1と同期を取った基準脈流電圧源39との比較を行い、その差により周期を変化させた2相の2値信号を出力する。この2相の2値信号により、入力側フルブリッジ回路8のIGBTQ1とQ4及びIGBTQ2とQ3のオンオフ(断続)がフィードバック制御され、出力電圧検出線信号が基準脈流電圧源39の波形と一致ないしは相似となるように制御される。また、商用交流電源1の電圧波形は、第1降圧トランス26で絶縁降圧し、電源モニタ線31,32から同期用信号として第1制御回路28に入力している。
第1制御回路28は、図3に示すように全波整流回路38、基準脈流電圧源39、誤差増幅器40、電圧−抵抗変換器42、CR発振器43、制御信号形成回路44、及び零クロス点検出器41を備えている。第1制御回路28内の全波整流回路38には、第2降圧トランス27の2次コイルN22出力の出力電圧検出線33、34を接続し、2次出力電圧を入力する。全波整流回路38の出力は、電源出力の脈流モニタ信号として誤差増幅器40の正側入力端子に入力する。この誤差増幅器40の負側入力端子には、基準脈流電圧源39を接続し、また誤差増幅器40の出力は、電圧−抵抗変換器42に入力し、その出力はCR発振器43に入力する構成としている。
第1制御回路28の例である図3は、機能の概要をブロック図で示したものであり、類似の機能が出せれば、この回路構成に限定する必要はなく、例えば電圧−抵抗変換器42とCR発振器43とは、電圧−周波数変換器で代用することもできる。
第1制御回路28内の零クロス点検出器41には、第1降圧トランス26の2次コイルN12出力の出力電圧検出線31、32を接続し、2次出力電圧を入力する。この零クロス点検出器41では、零クロス点を検出し、このタイミングを同期補正パルスとして基準脈流電圧源39に入力することにより、商用交流電源1の電圧波形と基準脈流電圧源39との同期をとる構成としている。
基準脈流電圧源39、誤差増幅器40、及び電圧−抵抗変換器42は、出力電圧検出線33、34で検出した電圧を全波整流した脈流電圧の瞬時値と、基準脈流電圧源39との差に対応する抵抗変化を出力するものである。電圧−抵抗変換器42の出力抵抗値が小さくなると、CR発振器43の発振周波数f1が高くなり、逆に電圧−抵抗変換器42の出力抵抗値が大きくなると、CR発振器43の発振周波数f1が低くなる。
図5は、2重共振回路10の入力周波数(f1)−出力電圧(VL2)特性であり、無負荷時の特性曲線NLと、負荷時の特性曲線OLをそれぞれ示している。本発明では図5のf1−VL2特性曲線において、共振周波数(曲線で出力電圧VL2が最大となる周波数)より高い領域の垂下特性部分、即ち、入力周波数f1が増加すると出力電圧VL2が単調に減少する領域を利用している。入力周波数f1が高くなると出力電圧VL2は低くなり、また入力周波数f1が低くなると出力電圧VL2は高くなる。
2重共振回路10を用いた場合、共振周波数の2分の1以上でかつ共振周波数の2倍以下の共振に近い領域を利用すると、通過する電力に対する損失の割合が少なくなる傾向がある。したがって、本発明では通過電力の一部は、少なくとも共振周波数の2分の1以上でかつ共振周波数の2倍以下の領域を利用している。2重共振回路を通過する電力の50%以上が、共振周波数の1/2以上でかつ共振周波数の2倍以下の領域を利用していることが好ましい。2重共振回路を通過する電力の80%以上が、共振周波数の1/2以上でかつ共振周波数の2倍以下の領域を利用していることが更に好ましい。
通常、負荷時の特性は、特性曲線NLとOLとの間に位置し、このとき出力電圧VL2は、特性曲線OLの最大値で規制され、図5では90V以上の電圧は出力できない。特性曲線OLは、6kHz以上の周波数の領域部分で、入力周波数f1の増加に対して、出力電圧VL2が単調に減少する特性が得られるから、この周波数領域を利用する。
CR発振器43の出力は、制御信号形成回路44に接続している。この制御信号形成回路44は、CR発振器43の出力波形をコンパレータで整形して、2値化した第1制御信号29及び第2制御信号30を出力する。第1制御回路28からの第1制御信号29及び第2制御信号30は、それぞれIGBTQ1とQ4及びIGBTQ2とQ3のゲートに印加する。
第1制御回路28の第1制御信号29及び第2制御信号30とは、互いに逆位相であり、かつ後述するように僅かな休止期間を有して、交互にオンオフ(断続)期間になるように設定されている。
また、第2制御回路35は、IGBTQ5及びQ8と、IGBTQ6及びQ7とを、制御信号36及び37で、交互にオンオフ(断続)制御するものである。第3制御信号36は、IGBTQ5とQ8のゲートに接続し、第4制御信号37は、IGBTQ6とQ7のゲートに接続している。即ち、上記したようにIGBTQ5及びQ8と、IGBTQ6及びQ7は公知の出力側フルブリッジ回路20を構成し、それぞれを第2制御回路35からの制御信号でオンオフ(断続)制御する。これによって、ブリッジ整流回路15で全波整流した図11(d)に示す高周波脈流電圧を、図11(e)に示す高周波で断続された波高値を結ぶ包絡線の波形が、半周期毎に極性が反転する高周波交流電圧に変換する。
この第2制御回路35は、図4に示すように、固定周波数発振回路45と、これに接続した制御信号形成回路46を備えている。この制御信号形成回路46は、固定周波数発振回路45の出力波形をコンパレータで2値化して、第3制御信号36と第4制御信号37とを出力する。第3制御信号36は、IGBTQ5及びQ8のゲートに印加し、第4制御信号37は、IGBTQ6及びQ7のゲートに印加する。
固定周波数発振回路45は、商用周波数の60Hzに設定されると共に、第1制御回路28内の零クロス点検出器41の出力である同期補正パルス線47を接続している。これによって、固定周波数発振回路45の出力波形は、商用交流電源1の電圧波形と同期を取る構成としている。
第1制御回路28の具体的な回路例を、図6に示している。出力電源線23と24は、降下用トランス27の1次コイルN21と接続し、絶縁かつ降圧され2次コイルN22からの出力電圧検出線33、34に出力し、この出力は第1制御回路28に入力される。第1制御回路28では、まず全波整流回路38内の絶対値回路で全波整流した後、バイアス源48からの電圧を加算して増幅する。バイアス源48は、安定化した2.5Vの基準電圧(REF)とバッファにより構成しており、出力電圧検出線や基準脈流電圧を2.5V程度にバイアスすることによって、相互間の信号基準点の調整を容易にしている。全波整流回路38の出力は、バイアスが加わった全波整流波形の反転したもの(負出力)となっている。
一方、詳細を図7(a)に示す如く、時間毎に変化するデジタルポテンショメータを利用し、基準脈流電圧源39を構成している。この基準脈流電圧源39は、バイアス電源48の電圧分だけバイアスされた基準の脈流電圧(正出力)を出力する。この基準脈流電圧源39出力(正出力)と全波整流回路38出力(負出力)とを、誤差増幅器40に入力し加算増幅する。誤差増幅器40の出力は、後述する電圧−抵抗変換器42及びCR発振器43を経由して制御信号形成回路44に入力される。即ち、出力電圧検出線信号の値が所望の電圧値より大きくなると、全波整流回路38出力(負出力)は負で大きくなり、その結果誤差増幅器40の出力は、負で大きくなる。
基準脈流電圧源39は、図7(a)の例に示ように、カウンタ52とデコーダ53及びn個のスイッチ−抵抗アレイ54とから構成するIC化されたデジタルポテンショメータ51を用いている。発振器55からの出力は、デジタルポテンショメータ51のクロック端子並びにUP/DOWN信号発生器に入力し、UP/DOWN信号発生器56の出力は、デジタルポテンショメータ51のUP/DOWN端子に入力される。なお、商用交流電源1の波形と同期をとるため、零クロス点検出器41の出力の同期補正パルス線47信号により、基準脈流電圧源39内の発振器、UP/DOWN信号発生器、並びにデジタルポテンショメータ51内のカウンタ52がリセットされる。
リセット時のデジタルポテンショメータ51の出力抵抗は0Ω、その後発振器55からのパルスが、クロック端子に入力される毎にR、2R、3R、…と増加し、脈流電圧の電気角が90度になるまで増加する。電気角が90度を超えると、DOWN信号がデジタルポテンショメータ51のUP/DOWN端子に入力され、発振器55からのパルスがクロック端子に入力される毎に出力抵抗は0まで減少していく。このような動作が1/120秒毎に繰り返される。なお、基準レベルの調整を容易にするため、バイアス源48の出力が、基準脈流電圧源39内の差動増幅器の正端子に入力される。差動増幅器の負端子と出力端間に、デジタルポテンショメータ51の出力抵抗を接続することにより、基準脈流電圧源39の出力は、図7(b)に示すバイアスされた脈流波形が得られる。
表1に、デジタルポテンショメータの出力抵抗とその電気角との関係を示している。
Figure 0004436344
この例は、同一値の抵抗を、100個集積したデジタルポテンショメータを使用した場合を示しており、所望の特性を得るために、表1中で抵抗値が変化する電気角に対応して、図7の発振器55からのパルス間隔を変化させている。
また、基準脈流電圧源39の他の例を、図8に示しており、カウンタ52とROM(Read−Only Memory)57及びD/A変換器58とから、デジタルポテンショメータ51を構成している。電気角に対応する出力振幅の情報は、ROM57中にデジタル量で記憶している。発振器55からの出力は、カウンタ52のクロック端子並びにUP/DOWN信号発生器56に入力し、UP/DOWN信号発生器56の出力は、カウンタ52のUP/DOWN端子に入力される。
商用交流電源1の波形と同期をとるため、同様に零クロス点検出器41の出力の同期補正パルス線47信号により、基準脈流電圧源39内の発振器55、UP/DOWN信号発生器56並びにデジタルポテンショメータ内のカウンタ52がリセットされる。リセット時のD/A変換器58の出力電圧は0V、その後発振器55からのパルスがクロック端子に入力される毎に、その電気角に対応した振幅電圧に増加し、脈流電圧の電気角が90度になるまで増加していく。電気角が90度を超えると、DOWN信号がデジタルポテンショメータのUP/DOWN端子に入力され、発振器55からのパルスが、クロック端子に入力される毎に出力電圧は0Vまで減少してゆく。このような動作が1/120秒毎に繰り返される。上記した例と同様に、基準レベルの調整を容易にするため、バイアス源48の出力とD/A変換器の出力とが、図8下部の2個のオペアンプで加算され、基準脈流電圧源39から出力する。基準脈流電圧源39の出力は、前記図7(b)と同様のバイアスされた脈流波形となる。
電圧−抵抗変換器42の例を、図9に示している。この例では、誤差増幅器40からの出力により、逆極性で出力端を接続した2個のホトカプラPC1、PC2に流す電流を制御している。誤差増幅器40の出力が零の時に、ホトカプラに流しておく電流を設定するために、図9内の左下の増幅度が可変のオペアンプの出力を、この上部のオペアンプの入力に加算するバイアス電流設定回路を設けている。なお、図9内の上部のオペアンプと右下のオペアンプにより、公知の定電流回路を構成している。この回路により、電源出力が所望の値になったときの第1制御信号29並びに第2制御信号30のパルス周期である基準周期を決定する。誤差増幅器40の出力が負で大きくなるとホトカプラに流れる電流は増加し、電圧−抵抗変換器42の出力抵抗は低下する。
公知の集積回路を用いたCR発振器43の例を、図10に示している。発振周波数は、CR発振器43内のCT−RT端子間抵抗が小さくなると発振周波数は大きくなり、CT−RT端子間抵抗が大きくなると発振周波数は小さくなる。制御信号形成回路28では、CR発振器43からの高周波出力信号をコンパレータによりデジタル化した後、図12を用いて後述する休止期間(例えば1マイクロ秒)を設定して第1制御信号29並びに第2制御信号30を出力する。CR発振器43出力の発振周波数が大きくなると、制御信号形成回路28から出力する第1制御信号29並びに第2制御信号30のパルス周期が小さくなる。
即ち、出力電圧検出線信号の値が所望の電圧値より大きくなると、全波整流回路38出力(負出力)は負で大きくなり、その結果誤差増幅器40の出力は、負で大きくなり、ホトカプラに流れる電流が大きくなり、電圧−抵抗変換器42の出力抵抗が下がり、CR発振器43の出力周波数は増加し、第1制御信号29並びに第2制御信号30のパルス周期が小さくなる。図1において、脈流電圧を断続させる矩形波の周期が短くなり、周波数が高くなって2重共振回路の入力側に印加される。前に述べた図5の入力周波数f1−出力電圧VL2の特性中、共振周波数より高く、2重共振回路の入力周波数f1の増加に対して、2重共振回路の出力電圧VL2が単調に減少する領域を使用している。このため、2重共振回路の出力電圧VL2は減少し、出力電源線23及び24間の出力電源電圧も減少する。
以上を要約すると、出力電源検出線33と34の間の電圧を、全波整流した値と基準脈流電圧源電圧とをリアルタイムで比較し、誤差が生じた場合は、その誤差をなくすように、脈流電圧を断続させる矩形波の周波数を変化させて2重共振回路に入力することにより、2重共振回路の高周波電圧出力振幅を調整し、出力電源線23及び24間の出力電源電圧が常に一定値に保たれるようにする。
本発明の2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換装置での変換動作における各部の波形について、より詳細に説明する。商用周波数の交流電源1は、第1のブリッジ整流回路4によって全波整流し、ここで図11(a)に示す脈流電圧の波形を得る。次の入力側フルブリッジ回路8の制御では、商用電源1の出力電圧を用いる第1降圧トランス26と負荷に供給する変換交流出力電圧を用いる第2降圧トランス27とを活用し、これらとの差を周波数変化に変えた高周波を有効に使用する。第1制御回路28出力の第1制御信号29と第2制御信号30により、入力側フルブリッジ回路8のIGBTQ1及びQ4と、IGBTQ2及びQ3とを交互にオンオフ(断続)制御し、図11(b)に示すように矩形波で断続され、波高値を結んだ包絡線の波形を脈流電圧とし、接続点9a及び9bの間に得る。
トランス11の1次側と2次側とに設けた各共振回路、即ち2重共振回路10の入力側に、図11(b)の脈流電圧を入力すると、2重共振回路10の出力側である第2共振用コンデンサCsの端子間には、図11(c)に示すように60Hzの正弦波交流波形である商用交流電源1での半周期の理想の波形である線Aに対して、高周波出力電圧の波形である線Bの波高値を結んだ包絡線である線Cが、相似となるような高周波で変調された高周波交流電圧が発生する。次に、この高周波交流電圧を、第2のブリッジ整流回路15で全波整流し、図11(d)に示すように高周波出力電圧の波高値を結んだ包絡線の波形が、高周波脈流電圧の波形としている。この高周波脈流電圧は、IGBTQ5及びQ8とQ6及びQ7とを交互にオンオフ(断続)制御することにより、出力側フルブリッジ回路20で交流に変換することで、図11(e)に示すように高周波で断続されて波高値を結んだ包絡線の波形が、半周期毎に極性が反転する波形の高周波交流電圧を得る。この図11(e)の高周波交流電圧の波形には、60Hzの商用周波数成分以外が含まれているから、この商用周波数成分以外の高周波成分は、60Hzのバンドパスフィルタ22を通して除去することによって、図11(f)に示す商用周波数の交流電圧の出力が得られる。
この商用交流電圧出力信号に全波整流を施した信号と、商用交流電源1に同期した基準脈流電圧(図11(c)の線Aで示す商用交流電源1での理想の半周期の波形に相似の波形)との差を、脈流電圧波形を断続する上記の矩形波の周波数変化に変えて制御し、商用交流電圧出力が位相及び振幅共に、商用交流電源1での理想の半周期の波形に一致するように制御する。即ち、2重共振回路の出力電圧(線Bの高周波交流電圧)の波高値を結ぶ図11(c)に線Cで示す包絡線の波形が、線Aで示す商用交流電源1での理想の半周期の波形と相似になるよう制御する。
また、入力周波数を増加すると出力電圧が単調低下する2重共振回路の垂下特性部分を利用し、2重共振回路の入力周波数を変化させて、2重共振回路の出力電圧を制御することにより所望の定周波定電圧出力を得ている。
本発明による2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法では、商用交流電圧を入力し、負荷側に商用交流電圧を変換出力するまでの過程で、直流(平流)に変換されることがないため、電力線の波形の歪みや高周波の発生の問題は引き起こすことがなく、有害なノイズの発生も著しく少なくなる。
次に図12を用いて、実施例1の入力側フルブリッジ回路8のIGBTQ1及びQ4と、IGBTQ2及びQ3におけるオンオフ(断続)の1周期の動作について説明する。公知のものと同様に時刻t0からt4までが、脈流電圧を断続させる矩形波の1周期である。この一周期の長さは、周波数を変化させる制御により変化するが、この周波数変化に対しても、1周期中の相対波形が類似していることが実験によって確かめられている。なお、時刻t0からt4までが1周期の矩形波の周波数は、電源変換出力の周波数の6倍以上でかつ300kHz以下の高い周波数の制御信号を使用している。
図12(a)はIGBTQ1とQ4のゲートに加わる第1制御信号29、図12(b)はIGBTQ2とQ3のゲートに加わる第2制御信号30、図12(c)はIGBTQ1、Q2、Q3、Q4のコレクタ・コミッタ間電圧VQ1、VQ2、VQ3、VQ4、図12(d)は第1の共振用コンデンサCpと1次コイルN1からなる第1の直列共振回路に流れる1次共振電流I1,図12(e)はトランス11の1次コイルN1の電圧VL1、図12(f)は第2の共振用コンデンサCsと2次コイルN2からなる第2の直列共振回路に流れる2次共振電流I2、図12(g)はトランス11の2次コイルN2に誘起する電圧VL2をそれぞれ示している。
図12においては、時刻t0からt4 を大別して時刻t0からt1の第1期間と、時刻t1からt2の第2期間、時刻t2からt3の第3期間と、時刻t3からt4の第4期間に分けて説明する。第1期間及び第3期間が休止期間、第2期間及び第4期間が出力期間(マークタイム)である。以下において、電流の経路の説明では、回路素子の符号のみによって電流経路を記載している。
時刻t0からt1の第1期間では、時刻t0の直前は第1制御信号29が低レベル、第2制御信号30が高レベルである。時刻t0の時点で、第2制御信号30が高レベルから低レベルに変化すると、IGBTQ2及びQ3がオンからオフに変化する。従って、時刻t1の直前では、IGBTQ1とQ4、及びIGBTQ2とQ3は、共にオフの状態にある。
時刻t1からt2の第2期間では、時刻t1の時点で第1制御信号29が低レベルから高レベルに変化すると、IGBTQ1とQ4は、オフからオンに変化する。このIGBTQ1とQ4がオンになると、第1の直列共振回路には6→Q1→9a→Cp→L1→9b→Q4→7の閉回路に1次共振電流I1が流れる。この電流I1は直列共振の条件から図12(d)に示すように正の正弦波形の半波となり、第1共振用コンデンサCpに電荷を蓄積する。
また、トランス11の1次コイルN1に1次共振電流I1が流れることにより、1次共振電流I1の磁束によって同トランス11の2次コイルN2に電圧VL2が誘起され、この電圧によって、L2→13→Cs→14→L2からなる第2の直列共振回路にも2次共振電流I2が流れる。この電流I2は直列共振の条件から図12(f)に示すように正の正弦波形の半波となり、第2共振用コンデンサCsに電荷を蓄積する。
電流I1がトランス11の1次コイルN1に流れると、1次共振電流I1と1次共振用インダクタンスL1の積に比例した電圧VL1が1次コイルN1に誘起され、その波形は図12(e)の電圧VL1に示すような正の半波となる。
2次共振電流I2が、トランス11の2次コイルN2に流れると、2次共振電流I2と2次共振用インダクタンスL2との積に比例した電圧VL2が2次コイルN2に誘起され、その波形は図12(g)に示すような正の正弦波の半波となる。
時刻t2からt3の第3期間では、時刻t2の時点で第1制御信号29が高レベルから低レベルに転換すると、IGBTQ1とQ4がオンからオフに変化する。従って、時刻t3の直前ではIGBTQ1とQ4、及びIGBTQ2とQ3とは、共にオフの状態にある。
時刻t3からt4の第4期間では、時刻t3の時点で、第2制御信号30が低レベルから高レベルに変化すると、IGBTQ2とQ3がオフからオンに変化する。このIGBTQ2とQ3がオンになると、第1の直列共振回路には第1共振用コンデンサCpに蓄積した電荷が放電され、かつこれに重畳して6→Q2→9b→L1→Cp→9a→Q3→7の閉回路を、1次共振電流I1となって流れる。第4期間の電流I1の波形は、図12(d)に示すように負の波形の半波となる。またIGBTQ2とQ3が、オフからオンに転換すると、第2の直列共振回路にも、第2の共振用コンデンサCsに蓄積した電荷の放電による電流と、1次共振電流I1の磁束によってトランス11の2次コイルN2に電圧が誘起されて生じた電流が重畳され、2次共振電流I2となってL2→14→Cs→13→L2の閉回路を流れる。
第3期間の2次電流I2の波形は、図12(f)に示すように負の正弦波の半波となる。また2次共振電流I2が、トランス11の2次コイルN2に流れると、2次共振電流I2と共振用インダクタンスL2の積に比例した電圧VL2が、2次コイルN2に誘起され、その波形は図12(g)に示すように負の正弦波形の半波となる。
図13に本発明の2重共振回路を用いた交流定周波数定電圧電源装置の他の実施例を示しており、この例では2重共振回路10の1次側の供給電源として、蓄電池や蓄電器又は太陽電池更には燃料電池等の電池49出力の直流電圧を用いたものであり、このため入力側のブリッジ整流回路が省略されており、その他の部分は図1の例と同様に構成したものである。この実施例2の装置では、図11(a)の全波整流された脈流電圧に代えて、直接電池49出力の直流電圧が、入力側フルブリッジ回路8に供給され、これに伴い図11(b)が高周波で断続された矩形波の直流電圧の波形になるが、これ以降の各部の波形は、図11(c)から図11(f)に示す実施例1と同様になる。
直流電源を入力した場合、基本的には図1と同様に商用周波基準脈流電圧波形と電源変換出力の全波整流波形との差を周波数変化に変えた高周波で、直流電圧を断続する制御を実施する。しかし、図1と同様な制御のみでは出力電圧が低く、電気角が−20度から20度並びに160度から200度の範囲において、所望の制御が困難になる。このため、図12の時刻t0からt1の第1期間及び時刻t2からt3の第3期間の休止期間に関し、上記の電気角に対応する期間では、その他の電気角の期間における休止期間(例えば1マイクロ秒)に対して、休止期間を長くすることにより、所望の制御が行えるようにしている。
図14には、1マイクロ秒に固定したときにおける図5の負荷時の特性を、曲線OL1に示し、また電気角−20度から20度並びに160度から200度の範囲において、電気角に対応して休止期間を2.5マイクロ秒から25マイクロ秒の間で多段階に変化させた時の特性を、曲線OL2に示している。この図14に示すように、入力周波数f1の増加に対し、出力電圧VL2の低い期間の制御が容易になる。更に、休止期間が25マイクロ秒の場合、20kHz以上の周波数領域では、図12の出力期間(第2期間及び第4期間)が消失し、2重共振回路からの出力電圧VL2が零となる。
実施例2に使用する制御信号形成回路44の構成例を、図15に示している。CR発振器43の高周波出力信号を、コンパレータ60でデジタル化信号にした後、波形の立ち上がり部分でリセット信号を発生させる。一方、電気角のアドレスに対応する基準脈流電圧源39内のカウンタ出力のアドレスを入力し、その電気角アドレスに対応してROM61により、休止期間をデジタル的に出力する。その休止期間の値を前記リセット信号により、ダウンカウンタに初期値としてセットする。その後、1マイクロ秒周期の発振器62によりカウントダウンし、カウンタ値が0に達した後、更にカウントダウンする前にダウンカウンタ63からBORROW信号が出力される。この信号により、ダウンカウンタのクロック入力をストップさせる。このBORROW信号をフリップフロップ64にて整形し、前記のデジタル化信号と論理積をとることにより、第1制御信号29が得られる。デジタル化信号を反転させたものと、電気角アドレスから同様にして第2制御信号30が得られる。また、ROMの内容を変えることにより容易に電気角−休止期間特性を変えることができるため、所望の電源変換に適した電気角−休止期間特性を容易に得ることができる利点がある。電気角に対応してn段階(nは2以上)に休止期間を変化させる場合、所望の出力波形に制御するためには、入力直流電圧を断続させる矩形波の周波数として、電源変換出力の周波数とnとの積の少なくとも10倍以上、好ましく20倍以上とする。デジタル的に休止期間を設定する場合について、図15に示したが、アナログ回路を用いることにより、電気角に対応してアナログ的に休止期間を設定することもできる。
なお、図13の例で入力する電池49の出力電圧の変動(例えば定格の40%等)が存在する場合に、その変動を2重共振回路の入力周波数変化のみで対応すると、周波数の変化が広範となり、共振周波数の1/2以上でかつ共振周波数の2倍以下の領域を通過する電力が少なくなり、装置の変換効率が低下する。このような場合には、供給電源である電池49の出力電圧の経時的変動に対しても、上記の休止期間変化技術を用いることができる。この場合には、電気角が0度及び180度付近での低振幅領域対応と併せて、上記の休止期間変化技術を適用する。図15のROM61に、電池49の出力電圧を、A/D変換した信号を入力すれば、電池49の出力電圧変動分も併せて休止期間変化制御により吸収し、2重共振回路の入力周波数の変化が広範となる欠点が解消でき、装置の変換効率も低下することがなくなる。
本発明を実施例1及び実施例2と各部の構成例について説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、例えば電圧−抵抗変換器42及びCR発振器43は、機能的に同じである電圧−周波数変換器に変えることができる。
また、60Hzの商用交流電源の例で説明したが、50Hzの商用交流電源に適用できることは明らかであり、更に2相の商用周波電源の出力について説明してきたが、基本的には、実施例1及び実施例2に例示した回路を、3組準備すれば、当然3相の商用周波数の電源出力も得ることができる。
また、上記では本発明を、2重共振回路の共振周波数より高い領域を使用する場合について述べてきたが、共振周波数より低い領域も使用することができる。本発明は要するに、制御に用いる周波数範囲において、入力周波数の変化に対し、2重共振回路の出力電圧が単調に変化する領域であればよい。
なお、実施例1では商用電源を全波整流した脈流電圧を用い、また実施例2では電池出力の直流電圧を用いたもので説明したが、商用電源を直接入力側フルブリッジ回路で矩形波の脈流電圧に変換して、2重共振回路に入力するようにした場合でも同様に商用周波数の交流電圧が得られる。
本発明では、トランスの1次側と2次側を利用し、それぞれに設けた共振回路からなる2重共振回路であり、トランスの1次側と2次側とは電気的に絶縁され、かつ1次コイルと2次コイルとは同一脚に適当な離隔距離を有するリーケージトランスで形成されている。そのため一般に、低減が困難なコモンモードノイズの大幅な低減が容易に実現できる。つまり、電源側で発生したコモンモードノイズの影響を負荷側に及ぼすことが少なく、また負荷側で発生したコモンモードノイズが電源側に送出することも少なくなる。
本発明の一実施例である2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換装置を示す回路図である。 本発明に用いるトランスの構成を示す正面図である。 本発明に用いる第1制御回路の例を示すブロック図である。 本発明に用いる第2制御回路の例を示すブロック図である。 本発明における2重共振回路の入力周波数−出力電圧の特性図である。 本発明の2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換装置に用いる第1制御回路の回路図である。 本発明に用いる基準脈流電圧源のブロック図である。 本発明に用いる基準脈流電圧源の他のブロック図である。 本発明に用いる電圧−抵抗変換器の例を示す回路図である。 本発明に用いるCR発振器の例を示す回路図である。 本発明の2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換装置における各部の波形を示す図である。 本発明の2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換装置の入力側フルブリッジ回路と2重共振回路の動作説明図である。 本発明の他実施例である2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換装置を示す回路図である。 本発明における休止期間の変化による2重共振回路の入力周波数−出力電圧の特性図である。 図13に用いる休止期間可変回路の例を示す図である。
符号の説明
1…商用交流電源、4、15…ブリッジ整流回路、8…入力側フルブリッジ回路、10…2重共振回路、11…トランス、12…磁性体コア、20…出力側フルブリッジ回路、22…バンドパスフィルタ、25…負荷、26…第1降圧トランス、27…第2降圧トランス、28…第1制御回路、35…第2制御回路、N1…1次コイル、N2…2次コイル、49…電池。

Claims (1)

  1. トランスの1次側と2次側にそれぞれ設けた共振回路からなる2重共振回路を用い、前記1次側から供給する供給電源を、前記2次側で定周波数定電圧の交流電源に変換する2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法であって、前記2重共振回路の1次側に、前記供給電源側から供給される直流電圧を、商用出力周波数の6倍以上で300kHz以下の高周波の制御信号で断続され、かつ前記高周波の制御信号での断続を商用周波基準脈流電圧波形と変換交流出力の全波整流波形との差を周波数変化に変えた高周波の制御信号で行うと共に、前記断続時の休止期間を前記商用周波基準脈流電圧波形の電気角に対応して複数段階に変化させた矩形波の脈流電圧として入力し、前記2重共振回路の2次側に高周波で変調された高周波交流電圧を発生させ、前記高周波交流電圧は全波整流して高周波脈流電圧とし、前記高周波脈流電圧から高周波で断続された波高値を結ぶ包絡線の波形が、半周期毎に極性の反転する高周波交流電圧を生成し、前記高周波交流電圧はバンドパスフィルタを通して商用周波数の交流電圧にすることを特徴とする2重共振回路を用いた定周波定電圧交流電源変換方法。
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