JP4436115B2 - 防曇性樹脂シート - Google Patents

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Description

本発明は、防曇性及び離型性に優れると共に、透明性に優れた防曇性樹脂シートに関し、更に詳しくは、熱成形してワンウェイの食品包装用透明容器等として用いたときに、容器内面への水滴の付着が抑制された優れた防曇効果、及び透明性を発現する防曇性樹脂シートに関する。
従来より、ポリスチレン系樹脂シート、特に二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを熱成形することにより、弁当等の各種食品のワンウェイの食品包装用透明容器の容器本体や蓋体を製造することは広く行われている。このような二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートによる食品包装用容器は、アモルファスポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の他樹脂シートによる食品包装用容器と比較して透明性、光沢、及び剛性等に優れるという特徴を有する。一方、市場の拡大や消費者のニーズの多様化に伴い、食品包装用容器としての要求性能も高まっており、とりわけ防曇性、特に、高温の内容物を包装した場合の容器内面への水滴の付着に対する高温防曇性、及び、水分を含む内容物を包装し冷蔵保存した場合の容器内面での結露に対する低温防曇性等に対する要求レベルは、他樹脂シートと同様にポリスチレン系樹脂シートにおいても高いものとなっている。
ところで、これらの食品包装用容器に用いられる樹脂シートとしては、一方の面に、前述の防曇性の賦与のために非イオン性界面活性剤等の防曇剤層が形成され、他方の面に、成形時の金型からの離型性や成形体同士の剥離性等の賦与のためにシリコーンオイル等の離型剤層が形成されているものが、防曇性と離型性の両立に有効であることが知られている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照。)。ところが、その樹脂シートはロール状に捲き取った捲回物として製品とされ、それを捲き戻しながら熱成形に供されるにおいて、そのロール状捲回物として保管後、捲き戻すときに離型剤層の表面の離型剤が防曇剤層側に剥ぎ取られたり、又、同時に防曇剤層の表面の防曇剤が離型剤層側に剥ぎ取られたり(以降、これらの剥ぎ取られる現象を「転写」と言う。)して、透明シートを白化させてシート外観を悪化させるのみならず、防曇性の低下を引き起こし、それが、捲回物としての保管期間の長期化と共に益々顕著になるという問題があった。
これに対して、防曇剤層と離型剤層間の転写、及びそれに伴うシートの白化や防曇性の低下を抑えるべく、例えば、樹脂シートの一方の面に、蔗糖脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、及びポリビニルアルコールからなる防曇剤層を設け、他方の面に、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体体からなる離型剤層を設ける方法(例えば、特許文献3参照。)、及び、樹脂シートの一方の面に、蔗糖脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルからなる防曇剤層を設け、他方の面に、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体とシリコーンオイルとの混合物からなる離型剤層を設ける方法(例えば、特許文献4参照。)等が提案されている。しかしながら、本発明者等の検討によると、これら改良技術によっても、防曇剤層と離型剤層間の転写、及びそれに伴うシートの白化や防曇性の低下は十分に抑制できてはおらず、市場の要求を十分に満足させ得るには到っていないことが判明した。
特開平9−295384号公報 特開2000−280410号公報 特開2002−86639号公報 特開2003−238716号公報
本発明は、前述の従来技術における現状に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、一方の面に防曇剤層が形成され、他方の面に離型剤層が形成された防曇性樹脂シートにおいて、ロール状に捲き取った捲回物を捲き戻して成形に供する際に、防曇剤層と離型剤層間の転写が抑制され、食品包装用透明容器等としたときの低温及び高温防曇性の低下、及び透明性等の外観の低下が少なく、更に、成形時の離型性にも優れる防曇性樹脂シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、離型剤層としてシリコーンオイルにシリコーンパウダー等を更に加えることにより前記目的を達成できることを見い出し本発明に到達したもので、即ち、本発明は、一方の面に防曇剤層が形成され、他方の面に離型剤層が形成された防曇性樹脂シートであって、離型剤層が、下記の(R1)、(R2)、及び(R3)成分を含有する防曇性樹脂シート、を要旨とする。
(R1)シリコーンオイル又はその変性物
(R2)シリコーンパウダー
(R3)ポリ酢酸ビニル鹸化物
本発明によれば、一方の面に防曇剤層が形成され、他方の面に離型剤層が形成された防曇性樹脂シートにおいて、ロール状に捲き取った捲回物を捲き戻して成形に供する際に、防曇剤層と離型剤層間の転写が抑制され、食品包装用透明容器等としたときの低温及び高温防曇性の低下、及び透明性等の外観の低下が少なく、更に、成形時の離型性にも優れる防曇性樹脂シートを提供することができる。
本発明の防曇性樹脂シートは、一方の面に防曇剤層が形成され、他方の面に離型剤層が形成された防曇性樹脂シートであって、離型剤層が、下記の(R1)、(R2)、及び(R3)成分を含有することを必須とする。
(R1)シリコーンオイル又はその変性物
(R2)シリコーンパウダー
(R3)ポリ酢酸ビニル鹸化物
本発明において、離型剤層を構成する(R1)成分のシリコーンオイル又はその変性物としては、この種の離型剤として公知の、例えば、メチル水素ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等が挙げられる。これらの中で、離型性、臭い、及び経済性等の点から、ジメチルポリシロキサンが特に好ましい。
又、これらシリコーンオイルの変性物は、前記シリコーンオイルの水素原子、メチル基、或いはフェニル基等に代えて、ポリオキシアルキレン基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、或いはフッ素原子含有アルキル基等が導入されたシリコーンオイルであり、具体的には、この種の離型剤として公知の、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの中で、安全衛生性等の点から、ポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましく、離型剤層形成時の塗布液における溶解性等の点から、ポリオキシアルキレン(C2 〜C4 )ジメチルポリシロキサンが特に好ましい。
又、本発明において、離型剤層を構成する(R2)成分のシリコーンパウダーは、シロキサン結合を有する三次元網目状化合物の球状或いは不定形状粉末であり、具体的には、例えば、シロキサン結合が(RSiO3/2 n で表されるポリオルガノシルセスキオキサン硬化物であるシリコーンレジンパウダー、直鎖状のジメチルポリシロキサンを架橋させたシリコーンゴムパウダー、球状シリコーンゴムパウダーの表面をシリコーンレジンで被覆した球状シリコーン複合パウダー、球状アモルファスシリカの表面をシリコーンにより疎水化処理したシリコーン表面処理シリカパウダー等が挙げられる。これらの中で、離型層形成時の塗布液における分散性等の点から、シリコーン複合パウダーが好ましく、その平均粒径が1〜30μmであるのが特に好ましい。
又、本発明において、離型剤層を構成する(R3)成分のポリ酢酸ビニル鹸化物は、この種の離型剤、防曇剤等における高分子化合物成分として公知の、所謂、ポリビニルアルコールであり、その鹸化度は60〜90モル%であるのが好ましく、65〜87モル%でほあるのが更に好ましく、70〜85モル%であるのが特に好ましい。鹸化度が前記範囲未満では防曇剤層としての透明性が低下する傾向となり、一方、前記範囲超過では、熱成形等の二次加工時の加熱によりシートが白化し易い傾向となる。
本発明において、離型剤層を構成する前記(R1)成分のシリコーンオイル又はその変性物、前記(R2)成分のシリコーンパウダー、及び前記(R3)成分のポリ酢酸ビニル鹸化物の各重量割合は、前記(R1)成分と前記(R2)成分との重量割合が、両者の合計量に対して、(R1)成分が10〜90重量%、(R2)成分が90〜10重量%であるのが好ましく、(R1)成分が20〜80重量%、(R2)成分が80〜20重量%であるのが更に好ましく、(R1)成分が30〜70重量%、(R2)成分が70〜30重量%であるのが特に好ましい。(R1)成分が前記範囲未満で(R2)成分が前記範囲超過では、防曇性樹脂シートとしての離型性、剥離性、滑り性等が低下する傾向となり、一方、(R1)成分が前記範囲超過で(R2)成分が前記範囲未満では、防曇剤層と離型剤層間の転写、及びそれに伴うシートの白化や防曇性の低下を抑制することが困難な傾向となる。
又、前記(R3)成分の重量割合は、三者の合計量に対して、(R1)成分と(R2)成分の合計量が2〜80重量%、(R3)成分が98〜20重量%であるのが好ましく、(R1)成分と(R2)成分の合計量が5〜70重量%、(R3)成分が95〜30重量%であるのが更に好ましく、(R1)成分と(R2)成分の合計量が10〜65重量%、(R3)成分が90〜35重量%であるのが特に好ましい。(R1)成分と(R2)成分の合計量が前記範囲未満で(R3)成分が前記範囲超過では、防曇性樹脂シートとしての離型性、剥離性、滑り性等が低下する傾向となり、一方、(R1)成分と(R2)成分の合計量が前記範囲超過で(R3)成分が前記範囲未満では、防曇剤層と離型剤層間の転写、及びそれに伴うシートの白化や防曇性の低下を抑制することが困難な傾向となる。
尚、本発明における前記離型剤層には、前記(R1)、(R2)、及び(R3)成分の外に、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の帯電防止剤、及び、粘度調節剤、消包剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、抗菌剤、及び顔料、染料等の着色剤等が添加されていてもよい。
又、本発明において、前記離型剤層の膜厚は、3〜100mg/m2 であるのが好ましく、5〜80mg/m2 であるのが更に好ましく、8〜50mg/m2 であるのが特に好ましい。離型剤層の膜厚が前記範囲未満では、防曇性樹脂シートとして良好な離型性、剥離性、滑り性等が得られ難くなる傾向となり、一方、前記範囲超過では、防曇剤層と離型剤層間の転写、及びそれに伴うシートの白化や防曇性の低下を抑制することが困難な傾向となる。
又、本発明において、防曇剤層としては、下記の(F1)成分を含有するのが好ましい。
(F1)多価アルコール型非イオン性界面活性剤
本発明において、防曇剤層を構成する(F1)成分の多価アルコール型非イオン性界面活性剤としては、この種の防曇剤として公知の、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール或いはソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル等が挙げられ、これらは2種以上を併用して用いられていてもよい。
これらの中で、構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18の飽和又は/及び不飽和脂肪酸であり、且つ、モノエステルを20モル%以上含有するモノ−、ジ−、トリ−、及びポリ−エステルの混合体である蔗糖脂肪酸エステル、及び、構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18の飽和又は/及び不飽和脂肪酸であり、且つ、重縮合度が4〜20、更には6〜12で、モノエステルを20モル%以上含有するモノ−、ジ−、トリ−、及びポリ−エステルの混合体であるポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
尚、本発明における前記防曇剤層には、前記(F1)成分の外に、通常、例えば、前記離型剤層における(R3)成分として挙げたと同様のポリ酢酸ビニル鹸化物、及び、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子化合物(F2)成分が含有されていてもよく、その(F2)成分の含有量は、前記(F1)成分の多価アルコール型非イオン性界面活性剤100重量部に対して900重量部以下であるのが好ましい。(F2)成分の水溶性高分子化合物の含有量が前記範囲超過では、防曇性自体が不十分となる傾向となる。
又、本発明における前記防曇剤層には、前記(F1)、及び(F2)成分の外に、本発明の効果を損なわない範囲で、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、粘度調節剤、消包剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、抗菌剤、及び顔料、染料等の着色剤等が添加されていてもよい。
本発明において、前記防曇剤層の膜厚は、5〜150mg/m2 であるのが好ましく、10〜100mg/m2 であるのが更に好ましく、15〜70mg/m2 であるのが特に好ましい。防曇剤層の膜厚が前記範囲未満では、防曇性自体が不十分となる傾向となり、一方、前記範囲超過では、防曇性樹脂シートとしてのベタツキによるシート同士のブロッキングが生じ易く、又、防曇剤層と離型剤層間の転写、及びそれに伴うシートの白化等が生じ易い傾向となる。
尚、本発明において、前記防曇剤層及び前記離型剤層の各膜厚の測定は、防曇性樹脂シート上の防曇剤、及び離型剤を洗浄して洗液を集め、重量法、ガスクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法等ですることができるが、膜厚既知のシートを標準サンプルとしてFT−IR(ATR法)や蛍光X線分析法により検量線を作成し、膜厚未知の測定値と比較する方法が簡便である。
本発明の防曇性樹脂シートで対象となる樹脂シートとしては、防曇性の食品包装用透明容器に用いられる樹脂、例えば、ポリスチレン系樹脂、アモルファスポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、及びポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂の未延伸シート、一軸或いは二軸延伸シート等が挙げられる。これらの中で、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートが好ましく、透明性の点で、GPPSと称されるホモポリスチレンの二軸延伸シートが特に好ましい。尚、樹脂シートとしての厚みは、0.1〜0.7mm程度であるのが好ましい。
本発明の前記防曇性樹脂シートは、通常、前記樹脂シート表面を公知の表面処理方法により、例えばコロナ放電処理により表面張力を50〜60mN/mに調整し、又は、高周波処理等の処理を施した後、その一方の表面に、0.1〜5重量%程度の濃度に調整した前記防曇剤の水溶液を、スプレーコーター、エアーナイフコーター、スクィーズロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター等の公知の塗布方法で、乾燥膜厚が前記膜厚となる量で塗布し、熱風乾燥機等により乾燥させて防曇剤層を形成させ、次いで、他方の面に、0.1〜5重量%程度の濃度に調整した前記離型剤の水溶液を同様の方法で、乾燥膜厚が前記膜厚となる量で塗布し、熱風乾燥機等により乾燥させて離型剤層を形成させることにより、製造される。尚、防曇剤層と離型剤層の形成順序は逆であってもよい。製造された防曇性樹脂シートは、通常、防曇剤層を外側とし離型剤層を内側として両層が重合するように、好ましくは150〜350N/m程度の捲き取り張力で、ロール状に捲き取られて捲回物とされる。
ロール状に捲き取られた防曇性樹脂シート捲回物は、捲き戻されながら、主として、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、熱板加熱式圧空成形法、プラグアシスト成形法等の熱成形法、好ましくは熱板加熱式圧空成形法により、防曇剤層が内面となるように容器本体及び/又は蓋体等に賦形され、防曇性食品包装用容器の容器本体及び/又は蓋体として用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例、比較例で用いた(R1)成分のシリコーンオイル又はその変性物、(R2)成分のシリコーンパウダー、(R3)成分のポリ酢酸ビニル鹸化物、(F1)成分の多価アルコール型非イオン性界面活性剤、及び(F2)成分の水溶性高分子化合物を以下に示す。
<(R1)シリコーンオイル又はその変性物>
(R1−1)ジメチルポリシロキサン
(R1−2)ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン
<(R2)シリコーンパウダー>
(R2−1)シリコーン複合パウダー(平均粒径5μm)
<(R3)ポリ酢酸ビニル鹸化物>
(R3−1)ポリ酢酸ビニル鹸化物(鹸化度80モル%)
(R3−2)(比較例用)ホリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体(ポリオキシエチレン80重量%、平均分子量15,000)、(前記特許文献3の実施例1、及び前記特許文献4の実施例1記載の離型剤)
<(F1)多価アルコール型非イオン性界面活性剤>
(F1−1)蔗糖ラウリン酸エステル(モノエステル30%、ジ・トリ・ポリエステル70%の混合体)
(F1−2)ヘキサグリセリンラウリン酸エステル(非エステル10%、モノエステル30%、ジ・トリ・ポリエステル60%の混合体)
<(F2)水溶性高分子化合物
(F2−1)ポリ酢酸ビニル鹸化物(鹸化度80モル%)
又、以下の実施例、比較例における防曇性樹脂シートの性能評価は、以下の方法及び基準に従って行った。特に断りがない限り「○」以上が本発明の対象レベルである。
<シートの透明性>
防曇性樹脂シートの曇価(ヘーズ)を、JIS K7105に準拠して、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH−300A」を用いて測定(n=5の平均値)し、そのヘーズ値と、肉眼により観察したシート外観の両方を、以下の基準で評価した。
◎:ヘーズ1.5未満、又は白いムラ(転写模様)が全く見られない。
○:ヘーズ1.5〜2未満、又はうっすらとした白いムラ(転写模様)が見られる。
△:ヘーズ2〜3未満、又は白いムラ(転写模様)が目立つ。
×:ヘーズ3以上、又はくっきりとした白いムラ(転写模様)が見られる。
<成形時の離型性>
防曇性樹脂シート捲回物を捲き戻しながら、シートを熱板加熱式圧空成形機(関西自動成型機社製)にセットし、離型圧空なしの条件で、開口部260mm×80mm、深さ60mmの成形品を成形した際の金型からの離型性を、以下の基準で評価した。
◎:成形終了後、スムーズに離型する。
○:離型する際、若干の引っかかりがあるが、連続成形が可能である。
×:離型時に金型に引っかかり、連続成形が不可能である。
<容器本体同士の剥離性>
開口部220mm×135mm、深さ30mmに熱成形した容器本体(中仕切あり)144枚を積み重ね、その上に5kgの荷重を載せたときの高さをAとし、1分後荷重を取り除いた時の高さをBとして次式より復元率(n=2の平均値)を求め、以下の基準で評価した。
復元率(%)=〔(B−A)/A〕×100
◎:25%以上。
○:20〜25%未満。
△:10〜20%未満。
×:10%未満。
<蓋体の低温防曇性>
ポリスチレンシートから開口部195mm×135mm、深さ20mmに熱成形した容器本体(嵌合タイプ)に23℃の水150ccを入れ、一方、本発明の防曇性樹脂シートから、熱板加熱式圧空成形機を用いて、防曇剤層が内面となるように開口部195mm×135mm、深さ38mmに賦形した蓋体(嵌合タイプ)で蓋をして、5℃のショーケース内に静置し、30分後、及び3時間後における蓋体内面の曇りの発生状況、液膜・水滴の付着状況を目視観察し、それぞれ初期防曇性、持続防曇性として、以下の基準で評価した。
◎:蓋体に曇りがなく、液膜が均一であり、内容物の視認性が良好なレベル。
○:蓋体に曇りはなく、液膜が不均一でやや水滴の付着が見られるが、内容物の視認性は問題ないレベル。
△:蓋体に曇りはないが、液膜が不均一でかなりの水滴付着が見られ、内容物の視認性に問題があるレベル。
×:蓋体の一部に曇りが見られるか、蓋体のほぼ全面で水滴付着が激しく内容物の視認が困難なレベル。
<蓋体の高温防曇性>
ポリスチレンシートから開口部195mm×135mm、深さ20mmに熱成形した容器本体(嵌合タイプ)に80℃のお湯150ccを入れ、一方、本発明の防曇性樹脂シートから、熱板加熱式圧空成形機を用いて、防曇剤層が内面となるように開口部195mm×135mm、深さ38mmに賦形した蓋体(嵌合タイプ)で蓋をして、23℃雰囲気に静置し、2分後、及び1間後における蓋体内面の曇りの発生状況、液膜・水滴の付着状況を目視観察し、それぞれ初期防曇性、持続防曇性として、以下の基準で評価した。
◎:蓋体に曇りがなく、液膜が均一であり、内容物の視認性が良好なレベル。
○:蓋体に曇りはなく、液膜が不均一でやや水滴の付着が見られるが、内容物の視認性は問題ないレベル。
△:蓋体に曇りはないが、液膜が不均一でかなりの水滴付着が見られ、内容物の視認性に問題があるレベル。
×:蓋体の一部に曇りが見られるか、蓋体のほぼ全面で水滴付着が激しく内容物の視認が困難なレベル。
実施例1〜5、比較例1〜5
二軸延伸ポリスチレンシート(厚み0.3mm)にコロナ処理を施した後、一方の面に、表1に示す組成の防曇剤の水溶液を2g/m2 の塗布量で、他方の面に、離型剤として表1に示す組成の離型剤を0.5g/m2 の塗布量で、それぞれスプレーコーターで塗布し、塗工面を均一化し、乾燥させた後、防曇剤層を外側とし離型剤層を内側として両層が重合するようにロール状に捲き取って捲回物とした。尚、実施例5においては、防曇剤塗布液の塗布量を3g/m2 とした。巻き取った直後の捲回物を捲き戻してシートをサンプリングし、防曇剤層の膜厚をFT−IR(ATR法)により、又、離型剤層の膜厚を蛍光X線分析法により、それぞれ測定し、結果を表1に示した。尚、膜厚の測定は、防曇剤層については1730cm-1付近の特性吸収と、ポリスチレンの1940cm-1付近の特性吸収との比を、離型剤層についてはSi原子のピーク強度を、膜厚既知のシートから作成した検量線と比較することで定量した。
一方、巻き取った捲回物を室温で約3ヶ月間保管した後、捲き戻したシートの透明性、熱成形時の離型性、成形した容器本体同士の剥離性、及び成形した蓋体の防曇性を、前述の方法で評価し、結果を表1に示した。
Figure 0004436115
本発明の実施例1〜5と比較し、比較例1〜3より、離型剤層としてはシリコーンオイル、及びシリコーンパウダーが必要であること、更に、比較例4〜5より、ポリ酢酸ビニル鹸化物が必要であることが明らかである。
本発明の防曇性樹脂シートは、ロール状に捲き取った捲回物を捲き戻して成形に供する際に、防曇剤層と離型剤層間の転写が抑制され、低温及び高温防曇性の低下、及び透明性等の外観の低下が少なく、更に、成形時の離型性にも優れるものであり、熱成形により防曇性食品包装用透明容器等として用いるに好適である。

Claims (8)

  1. 一方の面に防曇剤層が形成され、他方の面に離型剤層が形成された防曇性樹脂シートであって、離型剤層が、下記の(R1)、(R2)、及び(R3)成分を含有することを特徴とする防曇性樹脂シート。
    (R1)シリコーンオイル又はその変性物
    (R2)シリコーンパウダー
    (R3)ポリ酢酸ビニル鹸化物
  2. 離型剤層における(R1)成分のシリコーンオイル又はその変性物が、ジメチルポリシロキサン又はその変性物である請求項1に記載の防曇性樹脂シート。
  3. 離型剤層における(R1)成分のシリコーンオイル変性物が、ポリエーテル変性シリコーンオイルである請求項1又は2に記載の防曇性樹脂シート。
  4. 離型剤層における(R2)成分のシリコーンパウダーが、球状シリコーンゴムパウダーの表面をシリコーンレジンで被覆した球状シリコーン複合パウダーである請求項1乃至3のいずれかに記載の防曇性樹脂シート。
  5. 離型剤層における(R3)成分のポリ酢酸ビニル鹸化物が、鹸化度60〜90モル%のものである請求項1乃至4のいずれかに記載の防曇性樹脂シート。
  6. 離型剤層における(R1)成分と(R2)成分との重量割合が、両者の合計量に対して、(R1)成分10〜90重量%、(R2)成分90〜10重量%であり、且つ、その合計量と(R3)成分との重量割合が、三者の合計量に対して、(R1)成分と(R2)成分の合計量2〜80重量%、(R3)成分98〜20重量%である請求項1乃至5のいずれかに記載の防曇性樹脂シート。
  7. 防曇剤層が下記の(F1)成分を含有する請求項1乃至6のいずれかに記載の防曇性樹脂シート。
    (F1)多価アルコール型非イオン性界面活性剤
  8. 樹脂シートが二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートである請求項1乃至7のいずれかに記載の防曇性樹脂シート。
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