JP4436066B2 - 平面ハンドル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分電盤等において扉を固定枠等に錠止するための平面ハンドル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、扉に取り付けるケースと、このケースに起伏可能かつ旋回可能に取り付け、倒伏したときにケースの凹部(収納部)に収納されるハンドルとを備え、ケースの裏面側においてハンドルに連動して旋回可能な係合爪を、扉を取り付けた固定枠に係脱可能にした平面ハンドル装置が知られている(たとえば、特許文献1、2参照)
【0003】
この平面ハンドル装置では、起立させたハンドルに連動して係合爪が旋回して扉に取り付けた固定枠に係脱する。
具体的には、扉を開くときには、ハンドルを起立させて旋回可能とし、ハンドルを旋回させることにより固定枠と係合爪との係合状態を解除して解錠する。
一方、扉を閉めるときには、ハンドルを起立位置まで戻すように旋回させて係合爪を固定枠に係合させ、この状態でさらにハンドルをケースの収納部に収納することで扉と固定枠とを圧接させて施錠を行う。この施錠状態では、扉表面が殆ど平坦な状態となる。
【0004】
なお、分電盤等の扉は、使用条件に応じてそれを取り付けた固定枠との間にパッキングを介在させる場合がある。たとえば、分電盤に水密性を要する場合や、電磁波シールドを要する場合にパッキングを介在させる。電磁波シールドのためには、金属製の扉と固定枠とを導電性パッキングによって接続する。
【0005】
【特許文献1】
特許第3126283号公報
【特許文献2】
実公平8−2336号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の平面ハンドル装置においては、上述したように、解錠状態から施錠する場合、まず、第1動作として、ハンドルを起立位置まで戻すように旋回させて係合爪を固定枠に係合させる。そして、第2の動作として、ハンドルをケースの収納部に収納することで係合片を扉側に引きつけてパッキングの圧縮を行う。
このように、従来の平面ハンドル装置は、ハンドルの回転とハンドルの前後への移動の2方向における2つの動作を必要とすることから、操作が煩雑である。
【0007】
また、ハンドルの回転可能領域を設ける必要があることから、扉の平面ハンドル装置の取り付け領域においては、ある程度の範囲を平面的にデザインをする必要があり、扉のデザインに制約を課すという不利益がある。
逆に、最近のサーバラックなどはデザイン的にフロントドアが曲面で構成されていたりすることから、上述した回転動作を伴う従来の平面ハンドル装置を適用することができない場合等があり、適用対象に制約が生じてしまう。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、煩雑な動作を伴うことなく容易に施錠、解錠を行うことができ、扉のデザインに制約を課すこともなく、種々の形態の扉に適用することが可能な平面ハンドル装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の平面ハンドル装置は、収納部を有するケースと、上記ケースの前面側に対して起伏可能に取り付けられ、倒伏状態時に上記ケースの収納部に収納されるハンドルと、上記ケースの裏面側において、上記ハンドルの倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲における上記ハンドルの起伏動作に連動して、当該ハンドルの起伏方向における第1の位置と第2の位置間を移動可能な可動ブロックと、受け金具と係合する係合部を有し、上記ハンドルの倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲における当該ハンドルの起伏動作に連動して、上記可動ブロックの移動に連動して上記係合部を上記ハンドルの起伏方向における第5の位置と第6の位置間を移動可能な係合ブロックと、
を有し、上記係合部は、上記ハンドルの起立位置から所定の起立位置までの所定の範囲における上記ハンドルの起伏動作に連動して、上記可動ブロックの移動方向と異なる方向における第3の位置と第4の位置間を移動可能である。
【0010】
好適には、上記ハンドルが起立位置から倒伏位置に遷移するときには、上記ハンドルの起立位置から所定の起立位置までの所定範囲においては、上記係合部は、第3の位置から第4の位置に移動し上記ハンドルの所定の起立位置から倒伏位置までの所定の範囲においては、上記可動ブロックは、上記第1の位置から第2の位置に移動し、上記係合部は、上記ハンドルの起伏方向の第5の位置から第6の位置に移動し、上記ハンドルが倒伏位置から所定の起立位置に遷移するときには、上記ハンドルの倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲においては、上記可動ブロックは、上記第2の位置から第1の位置に移動し、上記係合部は、上記ハンドルの起伏方向の第6の位置から第5の位置に移動し、上記ハンドルの所定の起立位置から起立位置までの所定の範囲においては、上記係合部は、第4の位置から第3の位置に移動する。
【0011】
好適には、上記ハンドルは、上記ケースの前面側に対して起伏可能なハンドル本体と、上記ハンドル本体の裏面側に形成され、当該ハンドル本体の起伏動作に連動して、上記ケースの裏面側を所定の範囲回転し、上記ハンドル本体が倒伏位置から所定の角度だけ起立した所定位置間にあるときのみに、上記係合ブロックの係合部を第3の位置から第4の位置に移動させる第1の作動子と、上記ハンドル本体の裏面側に形成され、当該ハンドル本体の起伏動作に連動して、上記ケースの裏面側を所定の範囲回転し、上記ハンドル本体が上記所定位置から倒伏位置に遷移するときに可動ブロックを上記第1の位置から第2の位置に移動させる第2の作動子と、を有する。
【0012】
好適には、上記係合ブロックは、上記係合部を第4の位置側から第3の位置側に所定の弾性力をもって付勢する付勢手段と、を有し、上記ハンドル本体が倒伏位置から所定の角度だけ起立した所定位置間にあるとき上記第1の作動子が当接し、当該第1の作動子により上記付勢手段の弾性力に抗した押圧力を受けて、上記係合部が第3の位置から第4の位置に移動し、上記第1の作動子による当接状態が解除されると、上記付勢手段により上記係合部を第3の位置に移動させる。
【0013】
好適には、上記可動ブロックは、移動子と、上記移動子を第2の位置側から第1の位置側に所定の弾性力をもって付勢する付勢手段と、を有し、上記ハンドル本体が上記所定位置から倒伏位置に遷移するときに上記第2の作動子が当接し、当該第2の作動子により上記付勢手段の弾性力に抗した押圧力を受けて、上記移動部が第1の位置から第2の位置に移動し、上記第2の作動子による当接状態が解除されると、上記付勢手段により上記移動子を第3の位置に移動させる。
【0014】
好適には、上記可動ブロックには係止部が形成され、上記係合ブロックには被係止部が形成され、当該係合ブロックの係止部が上記可動ブロックの係止部に係止状態にある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0016】
図1(A)〜(C)は、本発明に係る平面ハンドル装置の一実施形態を示す外観図であって、図1(A)は正面図、図1(B)は側面図、図1(C)は背面図である。なお、図1(A)はハンドルが倒伏状態にある場合を示し、図1(B)は起立状態にハンドルを2点鎖線で示している。
【0017】
本平面ハンドル装置1は、図1(A)〜(C)に示すように、図示しない扉に取り付けられるケース2と、ケース2の前面側(正面側)に対して起伏可能に取り付けられ、ケース2の前面側に形成された凹部からなる収納部21に倒伏状態時に収納可能な平面ハンドル(以下、単にハンドルという)3と、ケース2の裏面側の一端側(本実施形態で参照する図面においてはケース2の上部側)に取り付けられ、ケース2の裏面側において、ハンドル3の起伏動作に連動してハンドル3の起伏方向、すなわち、図1(B)中に矢印Aで示すように、ケース2の前後方向(前面と裏面方向)に所定の範囲に亘って移動可能な可動ブロック4と、係合部としてのデッドボルト51を有し、ハンドル3の起伏動作に連動して係合部51を可動ブロック4の移動方向と略直交する方向、すなわち、図1(A)中に矢印Bで示すように、ケース2の長手方向軸に直交する方向に所定範囲に亘って移動可能で、かつ、可動ブロック4の移動に連動してハンドル3の起伏方向(矢印A方向)に移動可能な係合ブロック5と、ケース2の他端側(本実施形態で参照する図面においてはケース2の下部側)に形成され、収納部21に収納されたハンドル3を係合させ、施錠あるいは解錠するためのハンドルロック部6と、を主構成要素として有している。
【0018】
以下、平面ハンドル装置1のケース2、ハンドル3、可動ブロック4、係合ブロック5、およびハンドルロック部6の具体的な構成および機能について、図面に関連付けて説明する。
【0019】
図2および図3(A)〜(C)は図1(A)の一部省略縦側断面図であって、図2(A),(B)および図3(A)はハンドル収納(ハンドルが倒伏状態)時の縦側断面図、図3(B)はハンドル収納中の縦側断面図、図2および図3の(C)はハンドルオープン(ハンドルが起立状態)時の縦側断面図である。
【0020】
図1〜図3の(A)〜(C)に示すように、ケース2は、所定幅、所定深さを有する略直方体状をなし、上述したように、前面側の長手方向の中央部に、所定範囲に亘ってハンドル3を収納可能なように凹部が形成され、この凹部によりハンドル収納部21が構成されている。この収納部21の裏面側は、上部側には、裏面側に連通する開口部211が形成されている。
収納部21の上部には、図2(B),(C)に示すように、ハンドル3の一端側を回転可能に軸支するハンドル軸212が形成されている。
ハンドル軸212には、ハンドル付勢バネ213の中央部が同心状に挿入されている。ハンドル付勢バネ213の一端側213aはケース2の収納部21の裏面側の内壁214に係止し、他端側213bは、図2(C)に示すように、ハンドル裏面側内壁に係止している。
このハンドル付勢バネ213は、他端側213bによりハンドル3を開く方向、換言すれば図2(C)中の矢印Cで示す起立する方向に所定の弾性力をもって付勢している。
【0021】
このハンドル付勢バネ213の弾性力は、たとえばロックを解除されたハンドル3が図3(C)に示すように、ハンドル3の倒伏状態を回転角0度として規定した場合、この位置から40°の角度の位置までにいっきに付勢して完全な起立状態とすることが可能な程度、あるいは、たとえば図3(B)に示すように、完全な起立状態への途中の8.76°の位置まで付勢することができる程度に設定される。
前者の場合には、ハンドルのロックを解除するだけで解錠でき、後者の場合には、旋回等の煩雑な動作は不要であるが、ハンドル3を8.76°の位置から40°の位置までに引き上げて完全に解錠する動作を要する。
【0022】
ケース2の上部側(収納部21の上方側)には、ケース2の裏面側に可動ブロック4を矢印A方向に移動可能に取り付けるための取付部22が形成されている。
取付部22は、図2(B),(C)に示すように、可動ブロック4の移動範囲を規制するネジを螺着するための螺着部221と、螺着部221の周囲に形成されたバネ収容部222と、バネ収容部222の外周部に形成された可動ブロック4の移動を案内するため案内部223,224とが形成されている。
案内部223および224には、図2(C)に示すように、可動ブロック4の後記する移動子のケース2への進入位置を規制するために、段差をなす規制部223a,224aが形成されている。
また、取付部22の収納部21の境界部には、案内部224の規制部224aより前面側の位置からケース2の前面側にテーパ状に形成され、ハンドル3の回転範囲を規制するハンドル回転規制部225が形成されている。
また、ケース2の背面板23には、後記するハンドル3の第1の作動子32の回転を規制する作動子規制部231が形成されている。
【0023】
また、ケース2の下部側(収納部21の下方側)にハンドルロック部6の収容部24が設けられている。
さらに、ケース2の平面板23には、ネジ251,252にて取付用ブラケット25が固定される。
【0024】
ハンドル3は、図に示すように所定幅を持つ板状をなすハンドル本体31と、ハンドル本体31の裏面側の一端側に形成された第1の作動子32、および第2の作動子33と、本体31の他端側の端部に形成された被係止部34を有する。
ハンドル3は、図3(A)〜(C)に示すように、第2の作動子33の付け根部分に形成された軸支孔35がケース2の収納部21の前面寄り上部に形成されたハンドル軸212に回転可能に軸支されている。
そして、ハンドル3は、そのハンドル裏面側内壁311にハンドル付勢バネ213の他端側213bが係止され、図2(C)中の矢印Cで示す起立する方向に所定の弾性力をもって付勢されている。
【0025】
第1の作動子32は、ハンドル本体31の裏面側であって、ハンドル軸212による軸支位置よりやや下方側に、図2および図3の(A)〜(C)に示すように、所定の幅を有し、ハンドル3が倒伏状態にあるときに(図2および図3の(A))、ケース2の裏面側に配置された係合ブロック5のデッドボルト51の半球状頭部512に達する長さを有する。
第1の作動子32は、ハンドル3の回転動作に連動して、係合ブロック5のデッドボルト51の頭部51aの配置位置、ケース2の開口211、および作動子規制部231間の所定範囲を回転する。
ハンドル3の倒伏状態を回転角0度として規定した場合には、第1の作動子32の上部回転位置は、図2(A),(B)および図3(A)に示すように、係合ブロック5のデッドボルト51の頭部51aの配置位置に規制される。
ハンドル本体31は、上述したように、ハンドル付勢バネ213の他端側213bにより図2(C)中の矢印Cで示す方向に所定の弾性力をもって付勢されて回転するが、このとき、第1の作動子32がケース2の背面板23に形成された作動子規制部231に当接して回転が抑止される。すなわち、第1の作動子32の下部回転位置は、作動子規制部231の形成位置に規制される。
ハンドル本体31は、この作動子規制部231により第1の作動子32に対する回転抑止作用により回転が規制されて起立状態となる。すなわち、ハンドル本体31が起立状態となるのは、たとえば図3(C)に示すように、倒伏状態から矢印C方向に40°回転した位置となる。
【0026】
第1の作動子32は、ハンドル本体31が起立状態から倒伏位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部321がケース2の前面側から裏面側に移行するように回転し、たとえば図3(B)に示すように、倒伏位置から8.76°の位置にくると、先端部321が係合ブロック5のデッドボルト51の半球状頭部512に当接し、デッドボルト51の半球状頭部512を押圧して、デッドボルト51の先端部51aをデッドボルトケース53からさらに押し出す。
第1の作動子32は、ハンドル本体31が倒伏位置から起立位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部321がケース2の裏面側から前面側に移行するように回転して、デッドボルト51の半球状頭部512に対する押圧力を徐々に弱め、たとえば図3(B)に示すように、倒伏位置から8.76°の位置を過ぎると、先端部321がデッドボルト51の半球状頭部に対する押圧動作から開放される。これにより、デッドボルト51を初期状態に移動させる(復帰させる)。
【0027】
第2の作動子33は、図2(A)および図3(A)〜(C)に示すように、ハンドル本体31の裏面側の側部から、一端部後方側よりさらに延伸するように、かつ、ハンドル本体31の回転に連動して可動ブロック4の側方を回転可能に形成されている。
第2の作動子33は、ハンドル本体31が起立状態から倒伏位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部331がケース2の裏面側から前面側に移行するように回転し、たとえば図3(B)に示すように、倒伏位置から8.76°の位置にくると、先端部331が可動ブロック4の側部に突出するように形成された鍔部41に当接し、ハンドル本体31の倒伏位置へのさらなる回転に伴い、可動ブロック4の鍔部41をケース2の前面方向に押圧して、可動ブロック4を図2(C)に▲1▼で示す第1の位置から図2(B)の▲2▼で示す第2の位置に移動させる。
第2の作動子33は、ハンドル本体31が倒伏位置から起立位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部331がケース2の前面側から裏面側に移行するように回転して、可動ブロック4の鍔部41に対する押圧力を徐々に弱め、たとえば図3(B)に示すように、倒伏位置から8.76°の位置を過ぎると、先端部331が可動ブロック4の鍔部41に対する押圧動作から開放される。これにより、可動ブロック4は、図2(B)の第2の位置▲2▼から図2(C)の第1の位置▲1▼に移動させる(復帰させる)。
【0028】
可動ブロック4は、ケース2の取付部22における案内部223に挿入され、案内される第1の移動子42と、案内部224に挿入され、案内される第2の移動子43と、取付部22のバネ収容部222に収容されて、第1の移動子42および第2の移動子43を、ケース2の背面方向に所定の弾性力をもって付勢する付勢手段としてのコイルバネ44とを有する。
【0029】
第1の移動子42と第2の移動子43は、それらの鍔部421,431が、図2(B),(C)に示すように、ケース2の取付部22における螺着部221を挟む形で先端部42a,43aが案内部223,224に挿入され、各鍔部421,431がコイルバネ44により付勢されている。
第1の移動子42は、後端部が係合ブロック5が取り付けられた取付板7に対してスペーサ422を介してネジ71によりネジ止めされている。
同様に、第2の移動子43は、後端部が係合ブロック5が取り付けられた取付板7に対してスペーサ423を介してネジ72によりネジ止めされている。
そして、係合ブロック5が取り付けられた取付板7がネジ73によりケース2の取付部22の螺着部221に対して固定されている。
このネジ73により固定するに際して、第1の移動子42と第2の移動子43の後端部の位置を第1の位置▲1▼に規制するために、各鍔部421と431との後端面を抑える規制用ワッシャ74を用いて固定される。
【0030】
なお、スペーサ422と432の厚さは、第1の位置▲1▼と第2の位置▲2▼との距離d1、たとえば3mmに設定されている。
ケース2の取付部22の案内部223,224に挿入されている第1の移動子42と第2の移動子43の先端部42a,43aと、ケース2側の移動規制部223a,224aとの距離が、可動ブロック4が第1の位置▲1▼にあるときに、上記第1の位置▲1▼と第2の位置▲2▼との距離d1と略同じとなるように、第1の移動子42と第2の移動子43の長さおよび移動規制部223a,224aの形成位置が規定されている。
そして、可動ブロック4において、鍔部421,431がコイルバネ44と当接している面と、ケース2のコイル収容部222の頂部との距離は、d1またはそれ以上の間隔をもつように構成される。
【0031】
上述したように、可動ブロック4の鍔部41がハンドル3の第2の作動子33による押圧作用を受けていないときには、コイルバネ44の弾性力により、可動ブロック4はケース2の裏面側に付勢されて、この付勢力がワッシャ74にて規制される第1の位置▲1▼に位置するように保持される。
そして、ハンドル3の第2の作動子33の押圧力がコイルバネ44の弾性力に抗して印加されると、図2(B)に示すように、コイルバネ44が収縮して第1の移動子42および第2の移動子43が案内部223,224をケース2の前面方向に案内され、距離d1だけ移動した時点で、移動規制部223a,224aにより移動が規制される。
すなわち、可動ブロック4が第2の位置▲2▼に位置するように保持される。
【0032】
また、可動ブロック4の第2の移動子43の下側の側部には、係合ブロック5に形成された被係止片52が係止する係止部433が、たとえば溝状に形成されている。
したがって、係合ブロック5は、可動ブロック4の第1の位置▲1▼と第2の位置▲2▼との間の移動に連動して、図1(B)に示すように、第5の位置▲5▼と第6の位置▲6▼とを移動する。
なお、この第5の位置▲5▼と第6の位置▲6▼との距離は、第1の位置▲1▼と第2の位置▲2▼との距離d1と同じである。
【0033】
係合ブロック5は、図1〜図3の(A)〜(C)に示すように、係合部としての平板状をなすデッドボルト51を収容するデッドボルトケース53を有する。
デッドボルトケース53には、上述したように、可動ブロック4の第2の移動子43に形成された係止部433に係止する被係止部52が形成されている。デッドボルトケース53の側方には、図1(B)に示すように、平板状のデッドボルト51の先端部51aを出没可能とある開口部531が形成されている。そして デッドボルトケース53内から、デッドボルト51の先端部51aの一部は常時露出している。
また、デッドボルトケース53の裏面には、図1(C)に示すように、デッドボルト51の移動距離を規制する長孔531が形成されている。この長孔531は、デッドボルト51に取り付け移動規制部511が挿入され、図3(C)中の矢印Bで示す方向に案内する。
【0034】
係合ブロック5は、ハンドル3の起伏動作に連動して、ハンドル3の第1の作動子32によりデッドボルト51の先端部51aを、可動ブロック4の移動方向と略直交する方向、すなわち、図1(A)中に矢印Bで示すように、ケース2の長手方向軸に直交する方向に所定範囲に亘って、具体的には、図1(A)中に▲3▼で示す第3の位置と▲4▼で示す第4の位置との間を移動可能で、かつ、可動ブロック4の移動に連動してハンドル3の起伏方向(矢印A方向)に移動可能である。
なお、第3の位置▲3▼と第4の位置▲4▼との距離は、たとえば7mmに設定される。
【0035】
係合ブロック5のさらに詳細な構成および動作について、図4〜図6の(A)および(B)に関連付けて説明する。
図4〜図6の(A)は係合ブロックの背面図、図4〜図6の(B)は係合ブロックの底面側から見た一部省略断面図である。
また、図4(A),(B)は図3(C)に対応したハンドルオープン時の係合ブロックの状態を示し、図5(A),(B)は図3(B)に対応したハンドル収納中の係合ブロックの状態を示し、図6(A),(B)は図3(A)に対応したハンドル収納時の係合ブロックの状態を示している。
【0036】
図に示すように、デッドボルトケース53から露出したデッドボルト51の先端部51aは、一端ケースの裏面側に略直角に屈曲させ、さらに先端部をデッドボルト51の移動方向(矢印B方向)に略直角に屈曲させたフック形状に形成されている。
デッドボルト51の先端部51aは、図4(A)に示すように、ハンドルオープン時には、たとえば10mm程度デッドボルトケース53から露出して、最先端部が第3の位置▲3▼の位置するように保持される。
一方、デッドボルト51の先端部51aは、図5(A)に示すように、ハンドル収納時には、たとえば17mm程度デッドボルトケース53から露出して、最先端部が第4の位置▲4▼の位置するように保持される。
【0037】
デッドボルトケース53の底面側、および前面側(ケース2の背面と対向する側面)には図2(B),(C)並びに図4〜図6の(B)に示すように、ハンドル3の第1の作動子32が、ハンドル本体31の回転に伴って出入り可能とする開口部532が形成されている。
デッドボルトケース53内には、上記移動規制部511およびデッドボルト51の後端部51bが固定され、さらにデッドボルト51が延伸する側面と対向する側面側に半球状頭部512が形成されたデッドボルトスライド部54がスライド可能に設けられている。
【0038】
デッドボルトスライド部54は、図4〜図6の(A)に示すように、その側部に形成したバネ受部541とデッドボルトケース53のデッドボルト51が出没する側面との間に、デッドボルトスライド部54を、デッドボルト51の出力方向と反対方向に所定の弾性力をもって付勢する付勢手段としてのコイルバネ55が設けられている。
【0039】
したがって、デッドボルトスライド部54は、図4(A),(B)に示すように、デッドボルト51の先端部51aが第3の位置▲3▼に保持する位置にコイルバネ54により付勢されている。
この状態で、たとえばハンドル3の第1の作動子32が、ハンドル本体31が起立状態から倒伏位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部321がケース2の前面側から裏面側に移行するように回転し、先端部321が係合ブロック5のデッドボルト51の半球状頭部512の最頂部ではなく側部の方向から当接し、この球面を摺接しながら、かつ、デッドボルトスライド部54をコイルバネ55の弾性力に抗してデッドボルト51の先端部51aをデッドボルトケース53から徐々に押し出し、たとえば倒伏位置から8.76°の位置にくると、半球状頭部512の最頂部を第1の作動子32が押圧する状態になったら、デッドボルトスライド部54がデッドボルトケース53のデッドボルト51が出没する側面に当接して、そのスライド動作が抑止される。
このとき、デッドボルト51の先端部51aが第4の位置▲4▼に位置するように保持される。この場合、図5(B)に示すように、デッドボルト51の先端部51aは、たとえばラックの扉等に設けられる受け金具8と、第1の位置▲1▼と第2の位置▲2▼との距離d1と略同じ距離d1(たとえば3mm)の間隔を開けて対峙している。
また、このとき、可動ブロック4はハンドル3の第2の作動子33の押圧動作によって、第1の位置▲1▼から第2の位置▲2▼に移動し、この可動ブロック4の移動に連動して係合ブロック5が第5の位置▲5▼から第6の位置▲6▼に移動することに伴い、図6(B)に示すように、デッドボルト51の先端部51aは、ラックの扉等に設けられる受け金具8と当接(圧接)状態となる。
【0040】
一方、ハンドル本体31が倒伏位置から起立位置に遷移させるときの回転に伴い、第1の作動子32の先端部321がケース2の裏面側から前面側に移行するように回転し、たとえば倒伏位置から8.76°の位置にくると、先端部321が係合ブロック5のデッドボルト51の半球状頭部512の最頂部ではなく側部の方向から摺接しながら、かつ、デッドボルトスライド部54をコイルバネ55の弾性力に対する押圧力を徐々に弱めてデッドボルト51をデッドボルトケース53内に徐々に引き戻して、倒伏位置から8.76°の位置を過ぎると、先端部321がデッドボルト51の半球状頭部512に対する当接状態から開放される。これにより、デッドボルトスライド部54がコイルバネ55によりデッドボルト51の出力方向と反対方向に所定の弾性力をもって付勢され、デッドボルト51の先端部51aが第3の位置▲3▼に位置するように保持される。
【0041】
ハンドルロック部6は、ケース2の収納部21の下方に設けられたロック本体61と、ロック本体61を収納部21側(本実施形態で参照する図面においては上方)に所定の弾性力をもって付勢するコイルバネ62と、ロック本体61の裏面側に設けられたロックストッパ63と、ロックストッパ63のさらに裏面側においてケース2の背面に固定されたロックガイド64と、ロックガイド64の内壁からロックストッパ63を裏面側から前面側に所定の弾性力をもって付勢するコイルバネ65とを有する。
【0042】
ロック本体61は、収納部21に収納されたハンドル3の被係止部34を係止する係止部611と、コイルバネ62の弾性力に抗してロック本体61をケース2の他端部側にスライドさせて(本実施形態で参照する図面においては下方に押し下げて)、係止部611のハンドル3の被係止部34に対する係止状態を解除するためのレバー612と、レバー612を係止部611のハンドル3の被係止部34に対する係止状態を解除できないようにロックするための錠部613を有している。
【0043】
係止部611は、ロック本体61の上部に形成されており、ハンドル本体31の他端部の裏面側に突出するように形成された被係止部34の端部341が当接し、コイルバネ62の弾性力に抗してロック本体61をケース2の他端部側にスライドさせる(本実施形態で参照する図面においては下方に押し下げる)ことが可能なように前面側から裏面側にかけて徐々に高さが高くなるように形成されたテーパ面部611aと、ロック本体61がある距離だけスライドされて被係止部34の係止穴342に係止するための垂直面部611bにより構成されている。すなわち、係止部611は、断面が図2および図3の(A)〜(C)に示すように三角形となるように形成されている。
【0044】
錠部613は、図示しないキーを差し込むための錠穴613aを有し、この錠穴613aが、解錠(オープンOP)時には、図1(A)に示すように、ケース2の長手方向軸に対して、図面に向かって右側に45°をなし、施錠(クロ−ズCL)時には、図面に向かって左側に45°をなすようにロック本体61に取り付けられている。
また、錠部613は、図示しないキーの回転に伴い、図7および図8に示すように、錠穴613a(キー)がオープンOP位置にあるとき、先端部がケース2の長手方向軸方向に位置し、クローズCL位置にあるときは先端部がケース2の長手方向軸に対して、図面に向かって左側に90°をなす方向に位置するように回転可能に形成されたカム部613bを有している。
このカム部613bは、ロック本体61の裏面側で回転可能に配置されており、その先端部は、図7および図8に示すように、錠穴613a(キー)がオープンOP位置にあるときはロックストッパ63と重なる位置となり、クローズCL位置にあるときはロックストッパ63とは重ならない位置となるように構成されている。
すなわち、カム部613bの先端部は、錠穴613a(キー)がオープンOP位置にあるときは、ロックストッパ63と重なる位置となり、かつ、ロックストッパ63に形成されたカムストッパ部STPに入り込み回転ができないように固定される。
【0045】
ロックストッパ63は、図2(A),(B)に示すように、ロックガイド64の内壁と対向する面631に形成されたバネ保持部632とロックガイド64の内壁に形成されたバネ保持部641とにセットされたコイルバネ65により、ケース2の裏面側から前面側に所定の弾性力をもって付勢されている。
ロックストッパ63のバネ保持部632に形成されている面と対向する前面側面部633の図中上部には、ハンドル本体31の被係止部314が係止部611に係止されていないときには、ロック本体61の係止部611の垂直面部611bの近傍まで達する突部634が形成されている。
また、ロックストッパ633の前面側面部633には、上述したカム部613bの先端部が入り込むことが可能な、カムストッパ部STPが形成されている。
また、ロックガイド64は、裏面側に突き出るように空間部642が形成されており、図2(B)に示すように、ハンドル本体31の被係止部34がロック本体61の係止部611に係止されているときに、この空間部642にカムストッパ部STPが形成されている前面側面部633を含むロックストッパ63を収容可能に構成されている。
【0046】
たとえば、図2(B)に示すように、ハンドル本体31の被係止部34がロック本体61の係止部611に係止されているときは、被係止部34の端部341により、ロックストッパ63の突部634の先端部が背面方向にコイルバネ65の弾性力に抗して押圧される。これにより、ロックストッパ63は、カムストッパ部STPが形成されている前面側面部633は、ロックガイド64の空間部642に収容され、この状態に保持される。
この場合、ロック本体61の裏面側とロックストッパ63の前面側面部633との間に空間が形成されることから、錠部613のカム部613bの先端部はロックストッパ63により回転を規制されることはない。
したがって、ユーザは、図示しないキーを錠穴613aを差し込んでクローズCL位置に回転させて、レバー612により係止部611のハンドル3の被係止部34に対する係止状態を解除できないようにロックすることも、また、オープンOP位置に回転させてこのロック状態を解除することも任意に行うことができる。
【0047】
また、図示しないキーを錠穴613aを差し込んでオープンOP位置に回転させて、ロック状態を解除する。このとき、錠部613のカム部613bの先端部は、ロックストッパ63と重なる位置にある。
そして、レバー612をケース2の他端部側にスライドさせて(本実施形態で参照する図面においては下方に押し下げて)、係止部611のハンドル3の被係止部34に対する係止状態を解除させると、図2(C)に示すように、被係止部34の端部341によるロックストッパ63の突部634の先端部に対する背面方向への押圧力が解除される。
これにより、ロックストッパ63は、コイルバネ65の弾性力により前面側に付勢されて、カムストッパ部STPに錠部613のカム部613bの先端部が入り込んだ状態で、ロック本体61の裏面側とロックストッパ63の前面側面部633との間に形成されていた空間が閉塞される。
その結果、カム部613bは、その先端部がカムストッパ部STPに入り込み回転が規制され、ユーザは、錠穴613aを差し込んだ図示しないキーを、クローズCL位置に回転させることができなくなる。
すなわち、ハンドル3の起立状態時(扉等の解錠時)には、ユーザはハンドルロック部6をロックできない。換言すれば、ユーザが扉等の解錠時に任意に(あるいは無意識に)ロックして、キーを抜き取ることが防止される。
【0048】
次に、上記構成による動作を説明する。
【0049】
まず、ハンドル3がハンドルロック部6にロックされ、さらにキーにより施錠されているときには、ユーザがキーを錠穴613aに差し込んでオープンOP位置に回転させて、ロック状態を解除する。このとき、カム部613bは、その先端部がカムストッパ部STPに入り込み回転が規制され、ユーザは、錠穴613aを差し込んだ図示しないキーを、クローズCL位置に回転させることができなくなる。
すなわち、ハンドル3の起立状態時(扉等の解錠時)には、ユーザはハンドルロック部6をロックできない。
【0050】
この状態で、レバー612により、係止部611のハンドル3の被係止部34に対する係止状態を解除する。
これにより、ハンドル本体31はバネ213の弾性力により、たとえば倒伏位置から8.76°の位置にくる。そして、ユーザがハンドル本体31をさらに倒伏位置から40°の位置まで引き上げる。
このとき、ハンドル3の第2の作動子33は、ハンドル本体31が倒伏位置から起立位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部331がケース2の前面側から裏面側に移行するように回転して、可動ブロック4の鍔部41に対する押圧力を徐々に弱め、たとえば倒伏位置から8.76°の位置を過ぎると、先端部331が可動ブロック4の鍔部41に対する押圧動作から開放される。これにより、可動ブロック4は、第2の位置▲2▼から第1の位置▲1▼に移動する(復帰する)。
そして、ハンドル3の第1の作動子32が、ハンドル本体31が倒伏位置から起立位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部321がケース2の裏面側から前面側に移行するように回転する。
これに伴い、デッドボルト51の半球状頭部512に対する押圧力を徐々に弱め、たとえば図3(B)に示すように、倒伏位置から8.76°の位置を過ぎると、先端部321がデッドボルト51の半球状頭部512に対する押圧動作から開放される。これにより、デッドボルト51が第4の位置▲4▼から第3の位置▲3▼に移動する(復帰する)。
【0051】
一方、扉等を閉める場合には、ユーザは、ハンドル本体31を倒伏位置に対して40°の位置からケース2の収納部21に収納する方向に押し込む。
このとき、ハンドル3の第1の作動子32は、ハンドル本体31が起立状態から倒伏位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部321がケース2の前面側から裏面側に移行するように回転し、たとえば図3(B)に示すように、倒伏位置から8.76°の位置にくると、先端部321が係合ブロック5のデッドボルト51の半球状頭部に当接し、デッドボルト51の半球状頭部512を押圧して、デッドボルト51の先端部51aをデッドボルトケースからさらに押し出す。
また、ハンドル3の第2の作動子33は、ハンドル本体31が起立状態から倒伏位置に遷移させるときの回転に伴い、その先端部331がケース2の裏面側から前面側に移行するように回転する。
そして、たとえば図3(B)に示すように、倒伏位置から8.76°の位置にくると、先端部331が可動ブロック4の側部に突出するように形成された鍔部41に当接する。ハンドル本体31の倒伏位置へのさらなる回転に伴い、可動ブロック4の鍔部41をケース2の前面方向に押圧して、可動ブロック4が第1の位置▲1▼から第2の位置▲2▼に移動する。
このとき、可動ブロック4はハンドル3の第2の作動子33の押圧動作によって、第1の位置▲1▼から第2の位置▲2▼に移動し、この可動ブロック4の移動に連動して係合ブロック5が第5の位置▲5▼から第6の位置▲6▼に移動することに伴い、図6(B)に示すように、デッドボルト51の先端部51aは、ラックの扉等に設けられる受け金具8と当接(圧接)状態となる。
【0052】
以上の動作に伴い、ハンドル本体31の被係止部34がロック本体61の係止部611に係止される。
このとき、被係止部34の端部341により、ロックストッパ63の突部634の先端部が背面方向にコイルバネ65の弾性力に抗して押圧される。これにより、ロックストッパ63は、カムストッパ部STPが形成されている前面側面部633は、ロックガイド64の空間部642に収容され、この状態に保持される。
この場合、ロック本体61の裏面側とロックストッパ63の前面側面部633との間に空間が形成されることから、錠部613のカム部613bの先端部はロックスットパ63により回転を規制されることはない。
したがって、ユーザは、図示しないキーを錠穴613aを差し込んでクローズCL位置に回転させて、レバー612により係止部611のハンドル3の被係止部34に対する係止状態を解除できないようにロックすることも、また、オープンOP位置に回転させてこのロック状態を解除することも任意に行うことができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、ケース2と、ケース2の前面側に対して起伏可能に取り付けられ、倒伏状態時にケース2の収納部21に収納されるハンドル3と、ケース2の裏面側においてハンドル3の倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲におけるハンドル3の起伏動作に連動してハンドル3の起伏方向における第1の位置▲1▼と第2の位置▲2▼間を移動可能な可動ブロック4と、係合用デッドボルト51を有し、ハンドル3の倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲におけるハンドル3の起伏動作に連動して、デッドボルト51を可動ブロック4の移動方向と直交する方向における第3の位置▲3▼と第4の位置▲4▼間を移動可能で、かつ、可動ブロック4の移動に連動してデッドボルト51をハンドル3の起伏方向における第5の位置▲5▼と第6の位置▲6▼間を移動可能な係合ブロック5とを設けたので、扉の締めつけをハンドルの上げ下げの1動作でできる。
したがって、煩雑な動作を伴うことなく容易に施錠、解錠を行うことができる。また、扉のデザインに制約を課すこともなく、種々の形態の扉に適用することが可能な平面ハンドル装置を実現できる。
【0054】
また、ハンドル3をロックしていないときには、カム部513bがロックストッパ63により回転を禁止するように固定するので、ユーザが扉等の解錠時に任意に(あるいは無意識に)ロックして、キーを抜き取ることを防止できる利点がある。
【0055】
なお、本実施形態では、付勢手段としてコイルバネを用いた場合を例に説明したが、本発明は、ゴムや他の弾性体を適用できることはいうまでもない。
【0056】
また、受け金具8とデッドボルト51の先端部51aとは、直接的に当接して場合を例に説明したが、たとえば、分電盤に水密性を要する場合や、電磁波シールドを要する場合にパッキングを介在させるように構成することも可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、扉の締めつけをハンドルの上げ下げの1動作でできる。
したがって、煩雑な動作を伴うことなく容易に施錠、解錠を行うことができる。また、扉のデザインに制約を課すこともなく、種々の形態の扉に適用することが可能な平面ハンドル装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平面ハンドル装置の一実施形態を示す外観図であって、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。
【図2】図1(A)の一部省略縦側断面図であって、(A)および(B)はハンドル収納(ハンドルが倒伏状態)時の縦側断面図、(C)はハンドルオープン(ハンドルが起立状態)時の縦側断面図である。
【図3】図1(A)の一部省略縦側断面図であって、(A)および(B)はハンドル収納(ハンドルが倒伏状態)時の縦側断面図、(B)はハンドル収納中の縦側断面図、(C)はハンドルオープン(ハンドルが起立状態)時の縦側断面図である。
【図4】(A)は係合ブロックのハンドルオープン(ハンドルが起立状態)時の背面図、(B)は係合ブロックのハンドルオープン(ハンドルが起立状態)時の底面側から見た一部省略断面図である。
【図5】(A)は係合ブロックのハンドル収納中の背面図、(B)は係合ブロックのハンドル収納中の底面側から見た一部省略断面図である。
【図6】(A)は係合ブロックのハンドルクローズ(ハンドルが倒伏状態)時の背面図、(B)は係合ブロックのハンドルクローズ(ハンドルが倒伏状態)時の底面側から見た一部省略断面図である。
【図7】本実施形態に係るハンドルロック部の機構を説明するための図である。
【図8】本実施形態に係るハンドルロック部の機構を説明するための図である。
【符号の説明】
1…平面ハンドル装置、2…ケース、3…ハンドル、31…ハンドル本体、32…第1の作動子、33…第2の作動子、4…可動ブロック、41…鍔部、42…第1の移動子、43…第2の移動子、433…係止部、44…付勢手段としてのコイルバネ、5…係合ブロック、51…デッドボルト(係合部)、51a…デッドボルトの先端部、52…被係止部、55…付勢手段としてのコイルバネ、6…ハンドルロック部、61…ロック本体、62…コイルバネ、63…ロックストッパ、64…ロックガイド、65…コイルバネ。

Claims (6)

  1. 収納部を有するケースと、
    上記ケースの前面側に対して起伏可能に取り付けられ、倒伏状態時に上記ケースの収納部に収納されるハンドルと、
    上記ケースの裏面側において、上記ハンドルの倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲における上記ハンドルの起伏動作に連動して、当該ハンドルの起伏方向における第1の位置と第2の位置間を移動可能な可動ブロックと、
    受け具と係合する係合部を有し、上記ハンドルの倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲における当該ハンドルの起伏動作に連動して、上記可動ブロックの移動に連動して上記係合部を上記ハンドルの起伏方向における第5の位置と第6の位置間を移動可能な係合ブロックと、
    を有し、
    上記係合部は、上記ハンドルの起立位置から所定の起立位置までの所定の範囲における上記ハンドルの起伏動作に連動して、上記可動ブロックの移動方向と異なる方向における第3の位置と第4の位置間を移動可能である
    平面ハンドル装置。
  2. 上記ハンドルが起立位置から倒伏位置に遷移するときには、
    上記ハンドルの起立位置から所定の起立位置までの所定範囲においては、
    上記係合部は、第3の位置から第4の位置に移動し
    上記ハンドルの所定の起立位置から倒伏位置までの所定の範囲においては、
    上記可動ブロックは、上記第1の位置から第2の位置に移動し、
    上記係合部は、上記ハンドルの起伏方向の第5の位置から第6の位置に移動し、
    上記ハンドルが倒伏位置から所定の起立位置に遷移するときには、
    上記ハンドルの倒伏位置から所定の起立位置までの所定範囲においては、
    上記可動ブロックは、上記第2の位置から第1の位置に移動し、
    上記係合部は、上記ハンドルの起伏方向の第6の位置から第5の位置に移動し、
    上記ハンドルの所定の起立位置から起立位置までの所定の範囲においては、
    上記係合部は、第4の位置から第3の位置に移動する
    請求項1記載の平面ハンドル装置。
  3. 上記ハンドルは、
    上記ケースの前面側に対して起伏可能なハンドル本体と、
    上記ハンドル本体の裏面側に形成され、当該ハンドル本体の起伏動作に連動して、上記ケースの裏面側を所定の範囲回転し、上記ハンドルの起立位置から所定の起立位置までの所定の範囲にあるときのみに、上記係合ブロックの係合部を第3の位置から第4の位置に移動させる第1の作動子と、
    上記ハンドル本体の裏面側に形成され、当該ハンドル本体の起伏動作に連動して、上記ケースの裏面側を所定の範囲回転し、上記ハンドル本体が上記所定位置から倒伏位置に遷移するときに可動ブロックを上記第1の位置から第2の位置に移動させる第2の作動子と、を有する
    請求項1または2記載の平面ハンドル装置。
  4. 上記係合ブロックは、
    上記係合部を第4の位置側から第3の位置側に所定の弾性力をもって付勢する付勢手段を、有し、
    上記ハンドル本体が倒伏位置から所定の角度だけ起立した所定位置間にあるとき上記第1の作動子が当接し、当該第1の作動子により上記付勢手段の弾性力に抗した押圧力を受けて、上記係合部が第3の位置から第4の位置に移動し、上記第1の作動子による当接状態が解除されると、上記付勢手段により上記係合部を第3の位置に移動させる
    請求項3記載の平面ハンドル装置。
  5. 上記可動ブロックは、
    移動子と、
    上記移動子を第2の位置側から第1の位置側に所定の弾性力をもって付勢する付勢手段と、を有し、
    上記ハンドル本体が上記所定位置から倒伏位置に遷移するときに上記第2の作動子が当接し、当該第2の作動子により上記付勢手段の弾性力に抗した押圧力を受けて、上記移動子が第1の位置から第2の位置に移動し、上記第2の作動子による当接状態が解除されると、上記付勢手段により上記移動子を第1の位置に移動させる
    請求項3または4記載の平面ハンドル装置。
  6. 上記可動ブロックには係止部が形成され、上記係合ブロックには被係止部が形成され、当該係合ブロックの係止部が上記可動ブロックの係止部に係止状態にある
    請求項1、2、3、4、または5記載の平面ハンドル装置。
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