JP4435755B2 - 蛋白質に比べて核酸に対する結合力が選択的に高いpH依存性のイオン交換物質、それが固定化されている固体基板、及び前記物質及び固体基板を利用して核酸を分離する方法 - Google Patents

蛋白質に比べて核酸に対する結合力が選択的に高いpH依存性のイオン交換物質、それが固定化されている固体基板、及び前記物質及び固体基板を利用して核酸を分離する方法 Download PDF

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Description

本発明は、核酸に対する結合力が特異的に高いpH依存性のイオン交換物質、前記物質が固定化されている固体基板及びそれを利用して核酸を分離する方法に関する。
従来、pH依存性のイオン交換物質(マトリックス)を利用した核酸の分離方法が知られていた。例えば、特許文献1には、イオン化可能な基を有している物質を利用する、核酸の分離方法が開示され、前記イオン化可能な基は、第1pHにおいて正電荷を有して核酸と結合でき、前記第1pHよりも高い第2pHにおいて前記核酸を放出させる。イオン化可能な基を有している物質の例としては、N−2−アセトアミド−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−2−アセトアミド−2−イミドジアセト酸(ADA)、N−トリヒドロキシメチル−メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)及びトリヒドロキシメチルアミノエタン(Tris)などが含まれる。また、特許文献2には、シリカ磁性粒子および複数個の第1イオン交換リガンドを含むpH依存性のイオン交換物質(マトリックス)を利用して核酸を分離する方法が開示され、前記複数個の第1イオン交換リガンドは、前記芳香族炭化水素環に共有的に付着されているスペーサ、及び第1末端で前記シリカ磁性粒子に付着されており第2末端で前記スペーサに付着されているリンカーアルキル鎖を含むリンカーを有する。
しかし、前記従来の技術においては、イオン化可能な基を有している物質と核酸との結合速度が速く、かつ、pHを上昇させた場合に核酸を放出する効率の高い物質が、依然として要求されていた。また、従来の技術では、DNAだけでなく蛋白質までもが結合してしまい、核酸に対する選択性が低いという問題点を有していた。これにより、本願の発明者は、高い選択性で核酸を結合でき、pHを上昇させた場合に核酸を放出する効率が顕著に高い物質を探索する中で、pKa値が4以下である酸の官能基と塩基を含むpH依存性のイオン交換物質を知得し、本発明を完成するに至った。
米国特許公開第2001/0018513号 米国特許第6,310,199号明細書
本発明に係る目的は、第1pHにおいて、蛋白質に対する結合力に比べて核酸に対する結合力が相対的に強く、選択的に核酸と結合でき、pHを上昇させたときに核酸の放出効率の高い、pH依存性のイオン交換物質を提供することである。
本発明に係る他の目的は、前記物質が固定化されている固体基板を提供することである。
本発明に係るさらに他の目的は、前記本発明に係る物質またはそれが固定化された基板を利用して核酸を分離する方法を提供することである。
本発明による一態様おいて、下記化学式MO、M1、M2及びM3からなる群から選択される一種以上の単量体由来の構成単位を含み、Aを有する単量体及びBを有する単量体由来の構成単位が、少なくとも一種含まれ、重合度は、2〜30,000であるpH依存性のイオン交換物質を提供する:
Figure 0004435755
ただし、
Aは、−X(CHYであり、この際、nは、1〜10の整数であり、Xは、活性化エステルと反応しうる官能基であり、Yは、第1級、第2級、第3級アミノ基または窒素含有の芳香族複素環塩基であり、
Bは、−X’(CHY’であり、この際、nは、1〜10の整数であり、X’は、活性化エステルと反応できる官能基であり、Y’は、pKa値が4以下の酸発生基であり、
は、炭素数が1〜10のアルキレン基である。
本発明に係るpH依存性のイオン交換物質及びそれが固定化されている固体基板によれば、蛋白質に対する結合力は弱いが、核酸に対しては高い結合力を維持していて、選択的な核酸の分離に有用である。
本発明に係る核酸分離方法によれば、核酸に対する高い選択性及び高い回収率で核酸を分離できる。
本発明による一態様によると、下記化学式MO、M1、M2及びM3からなる群から選択される少なくとも一種の単量体が結合されており、Aを有する単量体及びBを有する単量体が少なくとも一種含まれ、重合度は2〜30,000であるpH依存性のイオン交換物質を提供する:
Figure 0004435755
ただし、Aは、−X(CHYであり、この際、nが1〜10の整数であり、Xは、活性化エステルと反応しうる官能基であり、Yは、第1級、第2級、第3級アミノ基または窒素含有の芳香族複素環塩基であり、Bは、−X’(CHY’であり、この際、nが1〜10の整数であり、X’は、活性化エステルと反応できる官能基であり、Y’は、pKa値が4以下の酸発生基であり、Rは、炭素数が1〜10のアルキレン基である。
本発明のイオン交換物質は、上述したように、A及びBを有する上記化学式M0、M1、M2及びM3の少なくとも1種の単量体由来の構成単位を含むものであればよい。このため、本発明のイオン交換物質は、上記化学式M1およびM2の単量体のホモポリマーであっても、あるいは、上記化学式M0、M1、M2及びM3の単量体のいずれか2種以上の単量体からなる共重合体であってもよい。後者の場合には、上記化学式M0、M1、M2及びM3の単量体の結合形式は、特に制限されず、ランダム、ブロックのいずれの形態で付加してもよい。また、本発明において、上記化学式M0、M1、M2及びM3の単量体由来の各繰り返し単位におけるA(即ち、X、Y及びn)、B(即ち、X’、Y’及びn)並びに、Rは、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。また、本発明のイオン交換物質は、上記化学式M0、M1、M2及びM3の単量体に加えて、他の単量体由来の構成単位を有するものであってもよい。
さらに、上記化学式M0、M1、M2及びM3におけるRは、炭素数1〜10のアルキレン基であり、具体的には、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、トリメチレン基(−CHCHCH−)、プロピレン基(−CH(CH)CH−)等の、直鎖あるいは分岐鎖のアルキレン基が挙げられる。
本発明に係るpH依存性のイオン交換物質を構成する構成単位の一例には、Aは、−X(CHYがあり、この際、nは、1〜10の整数であり、Xは、活性化エステルと反応しうる官能基であり、Yは、ピリジニル、ピロリルまたはイミダゾリル基である。
本発明に係るpH依存性のイオン交換物質を構成する構成単位の他の例には、Bは、−X’(CHY’であり、この際、nが1〜10の整数であり、X’は、活性化エステルと反応しうる官能基であり、Y’は、スルホニル、スルフェニル、スルフィニルまたはホスホリル基である。
本発明に係るpH依存性のイオン交換物質において、前記AまたはB中のXまたはX’は、−NH−、−O−または−S−であってもよい。
本発明に係る実施形態におけるpH依存性のイオン交換物質を構成する構成単位は、当該分野において既知の合成方法により合成されうる。例えば、ポリ無水物(例えば、ポリ(エチレン−アルト−マレイン酸無水物)(分子量100,000〜500,000))のうち無水物部分(モイエティ)を加水分解してカルボキシル基を露出させ、前記カルボキシル基をN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)及び1、[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDC)のような物質と反応させて活性化エステルを形成させる。次いで、前記A(例えば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール)またはB(例えば、タウリン)部分(モイエティ)を、活性化エステルと反応させることによって、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質を製造できる。前記ポリ無水物、A(例えば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール)またはB(例えば、タウリン)モイエティは、当業者が容易に合成できるか、または商業的に購入できる。このとき、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質の純電荷は、AまたはB部分(モイエティ)を反応中、適切な割合で使用することによって調節できる。
また、本発明は、前記の本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が表面に固定化されている固体基板を提供する。
本発明に係るもう一つの実施形態において、前記pH依存性のイオン交換物質が表面に固定化されている固体基板は、任意の形態を有しうる。例えば、前記固体基板は、平板、球形、またはマイクロチャンネルの形態を有しうるが、これらに限定されるものではない。本発明に係る前記固体基板の望ましい一形態において、マイクロ流体素子内のマイクロチャンネルの形態を有してもよい。
本発明に係る前記pH依存性のイオン交換物質が表面に固定化されている固体基板は、シリカ、融合シリカ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ガラス、特に、スライドガラス及びシリコンウェーハからなる群から選択されうるが、これらの材質の基板に限定されるものではない。
本発明に係る前記固体基板は、本発明に係る前記pH依存性のイオン交換物質鎖の末端部分をアルデヒド及びエステル基のような活性基で活性化させ、活性化された前記イオン交換物質を、アミノ基のような活性基でコーティングされている固体基板とカップリングさせることによって製造されうる。前記イオン交換物質及び固体基板の活性化は、当該分野において既知である任意の方法により行われうる。例えば、前記イオン交換物質は、末端基を酸化または酸無水物のようなエステル化合物とカップリングさせて活性基を導入することによって活性化されうる。また、前記固体基板は、固体基板の表面上にアミノ基のような活性物質を、例えば、スピンコーティングのような方法によってコーティングすることによって活性化させうる。前記イオン交換物質を固体基板に固定化する方法の他の例は、前記ポリ無水物(例えば、ポリ(エチレン−アルト−マレイン酸無水物)(分子量100,000〜500,000))を基板上のアミノ基とカルボキシ無水物基との間の直接的反応によって活性化された基板上にコーティングし、基板上にコーティングされている残りの前記ポリ無水物のうち無水物部分(モイエティ)を加水分解してカルボキシル基を露出させる。次いで、前記カルボキシル基は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)及び1−3[(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDC)のような物質と反応させて活性化エステルを形成させる。次に、前記活性化エステルと前記A(例えば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール)またはB(例えば、タウリン)部分(モイエティ)を反応させることによって、その表面上で固定化されたpH依存性のイオン交換物質を有する基板を製造する。前記ポリ無水物、A(例えば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール)またはB(例えば、タウリン)モイエティは、当業者が容易に合成できるか、または商業的に購入できる。
また、本発明に係るさらにもう一つの実施形態において、核酸を含む試料を本発明によるpH依存性のイオン交換物質またはそれらが固定化されている固体基板に第1pHで接触させる工程と、前記核酸が結合された前記イオン交換物質を前記第1pHより高い第2pHを有する溶液にさらして、核酸を放出させる工程と、を含む、pH依存性のイオン交換物質または前記イオン交換物質が固定化されている固体基板を利用して核酸を分離(精製)する方法を提供する。
本発明に係る方法は、核酸を含む試料を、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質または前記イオン交換物質が固定化されている固体基板と第1pHにおいて接触させる工程を含む。前記試料は、核酸を含む生物学的または非生物学的試料であり、例えば血液、細胞及びPCR産物がある。pH依存性のイオン交換物質および前記イオン交換物質が表面上で固定化されている固体基板は、前記の通りである。前記第1pHは、前記pH依存性のイオン交換物質のうち、Aの塩基部分が正電荷を有し、Bの酸発生基部分が電荷を有さない、または、負電荷を有するpHであってよい。Bが負電荷を有すれば、Aの量はBの量よりはるかに多くて表面上には純正電荷を有する。前記第1pHは、4以下、望ましくは、2〜3.5、より望ましくは、2〜2.5である。
本発明に係る方法は、核酸が結合された前記イオン交換物質を、前記第1pHより高い第2pHを有する溶液にさらして、イオン交換物質から核酸を放出させる工程を含む。前記第2pHは、前記pH依存性のイオン交換物質のうち、Aの塩基部分が電荷を有さず、Bの酸発生基部分が負電荷を有するpHであってよい。望ましくは、前記第2pHは、7〜10である。前記核酸−pH依存性のイオン交換物質複合体の溶出に使われる溶液は、水及び適切なバッファなどが使われうる。
以下、本発明を、実施例を通じてさらに詳細に説明する。しかし、それらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明に係る範囲がそれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板を利用した核酸の回収
本実施例では、下記化学式MO、M1、M2及びM3からなる群から選択される少なくとも一種の単量体が結合されており、Aを有する単量体及びBを有する単量体が、少なくとも一種含まれており、重合度2〜30,000であるpH依存性のイオン交換物質を基板上で合成し、前記基板を利用して核酸を精製(分離)した:
ただし、
Aは、1−(3−アミノプロピル)イミダゾールであり、
Bは、タウリンであり、
は、−CHCH−である。
Figure 0004435755
(1)前記pH依存性のイオン交換物質が固定化された基板の製造
下記反応式のように、前記pH依存性のイオン交換物質が固定化された基板を製造した。
Figure 0004435755
まず、アミノ基でコーティングされたガラス(Corning GAPSガラス、コーニング社製)基板をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中の200mM(繰り返し単位基準)のポリ無水物(ポリ(エチレン−アルト−マレイン酸無水物)(分子量100,000〜500,000))に室温で1時間浸漬した後、アセトンで洗浄し、真空下で乾燥した。
得られた前記ポリ無水物が結合されたガラス基板をpH9.0のホウ酸10mMの緩衝溶液に1時間浸漬して加水分解させた後、水とエタノールで洗浄して乾燥した。このガラス基板を、NHSを0.15g、EDCを0.19g、トリエチルアミン(TEA)を120μl、10mlのNMPに溶かした溶液に1時間浸漬した後、エタノールで洗浄し、乾燥して活性化エステル部分(モイエティ)を前記pH依存性のイオン交換物質に結合させた。得られたガラス基板にアセトニトリルを溶媒として使用して、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール及びタウリンを、モル比を基準としてそれぞれ6:4(実験例1:以下、“CRS3−1”という)及び8:2(実験例2:以下、“CRS3−2”という)を含む溶液に室温で1時間浸漬した後、エタノールで洗浄して乾燥した。
(2)対照群(コントロール)基板の製造
対照群(コントロール)基板として、下記化学式において、R及びRは、同じであるか、または異なっていてもよく、それぞれ独立的に−OH基及び−NH(CHNHからなる群から選択され、この際、mは、2であり、lは、1〜30,000であるpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板(対照群1:以下、“CRS1”ともいう)、ならびに、R及びRは同じであるか、または異なっていてもよく、それぞれ独立的に、−OH基及び1−(3−アミノプロピル)イミダゾリル基からなる群から選択され、この際、mは、2であり、lは1〜30,000であるpH依存性の下記化学式のイオン交換物質が固定化された基板(対照群2:以下、“CRS2”ともいう)を製造し、第1pHでDNAを結合させた後、第2pHで前記DNA−基板複合体から核酸を回収(分離)した。
Figure 0004435755
対照群1及び2の基板は、以下のように製作された:まず、アミノ基でコーティングされたガラス(Corning GAPS glass、コーニング社製)基板をNMP中の200mM(繰り返し単位基準)のポリ無水物(ポリ(エチレン−アルト−マレイン酸無水物)(分子量100,000〜500,0000))に室温で1時間浸漬した後、アセトンで洗浄し、真空下で乾燥した。得られた前記ポリ無水物が固定化されているガラス基板を、N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として使用して、モル比を基準としてエチレンジアミン:HO=4:6(対照群1)、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール:HO=4:6(対照群2)で作った溶液に室温で1時間浸漬した後、エタノールで洗浄して乾燥した。ここで、前記エチレンジアミン及び1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの濃度は、それぞれ400mMであり、水は600mMであった。
前記のように得られたpH依存性のイオン交換物質が固定化されている基板(実験例及び対照群基板)上に、pH3で、5’末端がCy3で標識された配列番号1のDNAと反応させた。反応は、前記DNAの1μMを含む0.15Mの酢酸ナトリウム溶液(pH=3.0)60μlを基板上に添加し、蓋を覆って室温で1分間放置することによって行われた。反応後、0.15Mの酢酸ナトリウム(pH7.0)で洗浄した後、532nm(PMT 350)でエキソンスキャナ(GenePix社、米国)を使用して蛍光度を測定した。蛍光度の測定結果を図1に示した。図1は、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板上にDNAをpH3で結合させ、pH7.0で結合されたDNAをpH依存性のイオン交換物質から溶出した後、蛍光度を測定した結果を示す図面である。
図1に示したように、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板(CRS3−1及びCRS3−2)を使用する場合、従来のpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板(CRS1及びCRS2)を使用する場合に比べて、DNA結合能は若干低下したが、DNA回収率は、CRS1に比べては優秀であるが、CRS2とは同等レベルであるということが分かった。
本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板(CRS3−1及びCRS3−2)を使用する場合、結合されるDNA量が多少減少するが、1.5amol/mmの濃度は、約1、000個の細胞からのDNA量の7500倍であるため、通常的な生物学的実験、例えばPCR増幅などを進めるには十分な結合量であった。
実施例2:本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板を利用した蛋白質結合能の測定
実施例1で得られたpH依存性のイオン交換物質が固定化されている基板上に、標準蛋白質であるAlexa−532が標識されたIgG 100nMを含む0.15Mの酢酸ナトリウム溶液(pH3.0)60μlを添加し、蓋を覆って室温で1分間放置した後、0.15Mの酢酸ナトリウム溶液(pH3.0)60μlで洗浄し、蛍光度を測定した。ここで、Alexa−532が標識されたIgGは、ヒトIgG(Sigma社、米国)及びAlexa Fluor−532(MolecularProbe社、米国)をAlexa Fluor 532 Monoclonal AbLabeling Kit(Molecular Probe社、米国)によって反応させて製造した。
図2は、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板上に蛋白質をpH3で結合させ、pH3.0で洗浄した後、蛍光度を測定した結果を示す図面である。
図2に示したように、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化されている基板(CRS3−1及びCRS3−2)を利用する場合、従来のpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板(CRS1及びCRS2)を利用する場合に比べて、蛋白質結合能の低下率が顕著であるということが分かった(CRS1 0%、CRS2 30%、CRS3−1 82%、CRS3−2 82%)。これは、本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化されている基板の表面が、従来のpH依存性のイオン交換物質が固定化されている基板(CRS1及びCRS2)に比べて、さらに親水性を有して選択的に蛋白質の疎水性結合を低下させるためであると考えられる。
本発明に係るpH依存性のイオン交換物質が固定化された基板を利用する場合、前記基板に対する核酸や蛋白質の結合能はいずれも低下するが、その程度は、蛋白質の結合能がはるかに顕著であるということが分かった(CRS1と比較して、核酸の場合には25%減少したが、蛋白質の場合には82%減少した)。
本発明は、図面に示した一実施形態を参考にして説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解しなければならない。したがって、本発明に係る真の技術的範囲は、特許請求の範囲の技術的思想により決まらねばならない。
本発明は、核酸の分離方法関連の技術分野に適用可能である。
本発明に係るpH依存性のイオン交換物質(CRS3−1、CRS3−2)または従来のpH依存性のイオン交換物質(CRS1、CRS2)が固定化された基板上にDNAをpH3で結合させ、pH7.0で結合されたDNAをpH依存性のイオン交換物質から溶出した後、蛍光度を測定した結果を示す図面である。 本発明に係るpH依存性のイオン交換物質(CRS3−1、CRS3−2)または従来のpH依存性のイオン交換物質(CRS1、CRS2)が固定化された基板上に蛋白質をpH3で結合させ、pH3.0で洗浄した後に蛍光度を測定した結果を示す図面である。

Claims (13)

  1. 下記化学式MO、M1、M2及びM3からなる群から選択される少なくとも一種の単量体由来の構成単位を含み、Aを有する単量体及びBを有する単量体由来の構成単位が、少なくとも一種含まれ、重合度は2〜30,000であり、
    Figure 0004435755
    ただし、
    Aは、−X(CHYであり、この際、nが1〜10の整数であり、Xは、−NH−であり、Yは、イミダゾリル基であり、
    Bは、−X’(CHY’であり、この際、nは、1〜10の整数であり、X’は、−NH−であり、Y’は、スルホ基であり、
    は、炭素数が1〜10のアルキレン基であるpH依存性のイオン交換物質。
  2. 前記イミダゾリル基が、1−(3−アミノプロピル)イミダゾールに由来する、請求項1に記載のpH依存性のイオン交換物質。
  3. 前記スルホ基が、タウリンに由来する、請求項1または2に記載のpH依存性のイオン交換物質。
  4. 前記イミダゾリル基が、1−(3−アミノプロピル)イミダゾールに由来し、
    前記スルホ基が、タウリンに由来し、
    前記1−(3−アミノプロピル)イミダゾールおよび前記タウリンが、モル比を基準として、それぞれ、6:4または8:2である、請求項1に記載のpH依存性のイオン交換物質。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のpH依存性のイオン交換物質が表面に固定化されていることを特徴とする、固体基板。
  6. 前記固体基板は、マイクロ流体素子内のマイクロチャンネルの形態を有することを特徴とする、請求項5に記載の固体基板。
  7. 前記イオン交換物質が固定化される固体基板は、シリカ、融合シリカ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スライドガラス及びシリコンウェーハからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5または6に記載の固体基板。
  8. 核酸を含む試料を請求項1〜4のいずれか1項に記載のpH依存性のイオン交換物質と第1pHで接触させる工程と、
    核酸が結合された前記イオン交換物質を前記第1pHより高い第2pHを有する溶液にさらしてイオン交換物質から核酸を放出させる工程と、
    を含むことを特徴とする、pH依存性のイオン交換物質を利用して核酸を精製する方法。
  9. 前記第1pHは、2〜3.5であり、前記第2pHは、7〜10であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 核酸を含む試料を請求項5〜7のいずれか1項に記載のpH依存性のイオン交換物質が固定化されている固体基板に第1pHで接触させる工程と、
    核酸が結合された前記イオン交換物質を前記第1pHより高い第2pHを有する溶液にさらしてイオン交換物質から核酸を放出させる工程と、
    を含むことを特徴とする、pH依存性のイオン交換物質が固定化されている固体基板を利用した核酸の精製方法。
  11. 前記第1pHは、2〜3.5であり、前記第2pHは、7〜10であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記固体基板は、マイクロ流体素子内のマイクロチャンネルの形態を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記イオン交換物質が固定化される固体基板は、シリカ、融合シリカ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スライドガラス及びシリコンウェーハからなる群から選択されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
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