JP4435629B2 - 薄膜作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の表面に金属薄膜を作製する薄膜作製方法に関する。
現在、半導体等の製造においては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いた成膜が知られている。プラズマCVD装置とは、チャンバ内に導入した膜の材料となる有機金属錯体等のガスを、高周波アンテナから入射する高周波によりプラズマ状態にし、プラズマ中の活性な励起原子によって基板表面の化学的な反応を促進して金属薄膜等を成膜する装置である。
これに対し、本発明者等は、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属成分であって、成膜を望む金属成分からなる被エッチング部材をチャンバに設置し、前記被エッチング部材をハロゲンガスのプラズマによりエッチングすることで金属成分のハロゲン化物である前駆体を生成させるとともに、前駆体の金属成分のみを基板上に成膜するプラズマCVD装置(以下、新方式のプラズマCVD装置という)および成膜方法を開発した(例えば、下記、特許文献1参照。)。
特開2003−147534号公報
上記新方式のプラズマCVD装置では、成膜される金属源となる被エッチング部材の温度に対して基板の温度が低くなるように制御して基板に当該金属膜を成膜している。例えば、被エッチング部材の金属をM、ハロゲンガスをCl2とした場合、被エッチング部材を高温(例えば300°C〜700°C)に、また基板を低温(例えば200°C程度)に制御することにより、前記基板にM薄膜を形成することができる。これは、次のような反応によるものと考えられる。
1)プラズマの解離反応;Cl2→2Cl*
2)エッチング反応;M+Cl*→MCl(g)
3)基板への吸着反応;MCl(g)→MCl(ad)
4)成膜反応;MCl(ad)+Cl* →M+Cl2
ここで、Cl*はClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
上記新方式のCVD装置においては、不純物の少ない金属薄膜を均一にしかも高速に作製することができる。新方式のCVD装置では、基板にM薄膜を形成した後プラズマを停止させてM薄膜が形成された基板を搬出すると共に新たな基板を搬入するようにしている。プラズマを停止させた直後はCl2ガスが残留しているため、基板の温度が低下しきらない状態でCl*と金属Mが再反応(塩化)して不純物層(コンタミ層)が形成されていた。また、残留するCl2ガスにより微粒子の汚染物質(パーティクル)が発生し基板の表面に付着することが生じていた。このため、M薄膜が形成された基板は後処理工程によりコンタミ層やパーティクルを除去していた。従って、後処理のための装置が必要となり後処理工程のためのコストが嵩んでいるのが現状であった。
このような問題は、還元ガスプラズマによって還元作用により基板の表面に所望の薄膜を作製するときにも発生している問題である。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない表面処理装置及び表面処理方法を提供することを目的とする。
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置及び薄膜作製方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の薄膜作製方法は、
基板と金属製の被エッチング部材としてTaが備えられたチャンバ内に塩素を含有する原料ガスを供給し、
前記チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ、該原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれるTa成分と前記原料ガスとの前駆体を生成し、
前記基板側の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体のTa成分を基板に成膜させて柱状晶を含むTa膜を形成し
前記Ta成分を成膜させた後に、前記チャンバの内部にArガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化してArガスプラズマを発生させ、原料ガス成分とArガス成分を置換し、成膜表面への前記原料ガス成分の影響を抑制して成膜表面を清浄にすると共に、前記Arガス成分を前記Ta膜の金属結晶に作用させて前記柱状晶の柱状界面を乱すようにしたことを特徴とする。
本発明の薄膜作製方法では、成膜の終了時に還元ガス成分が不活性ガス成分に置換され、不安定状態の際に残留する還元ガス成分によるコンタミ層の形成やパーティクルの形成を防止することができる。このため、均一にしかも高速に薄膜が作製でき、後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製方法とすることが可能になる。
また、不活性ガスの成分を金属膜の金属結晶に作用させて柱状界面を乱すようにすると、薄膜をアモルファス化することができ、薄膜をバリアメタルとして適用した際にその後に成膜される膜の耐拡散性を向上させることができる。
また、ハロゲンガスを含有する原料ガスとして塩素を含有するガスを適用すると、安価な塩素ガスを用いて後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製方法とすることが可能になる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
(第1実施形態例<参考例>)
図1には本発明の第1実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面、図2には薄膜表面の状況説明、図3には原料ガスと不活性ガスの供給状況を表すタイムチャート、図4には膜の深さに対するCl量の関係を表すグラフを示してある。第1の実施形態例は、Cuの薄膜を作製する薄膜作製装置に成膜後の表面を清浄にする処理を施す表面処理装置を備えた例を示してある。
図1に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10によりプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1には金属製としてCu製の被エッチング部材11が保持され、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7の間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材11は、棒状の突起部12とリング部13とからなり、突起部12がチャンバ1の中心側に延びるようにリング部13が設けられている。これにより、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
尚、プラズマアンテナ8の電気の流れに対して不連続状態にする構成としては、被エッチング部材を格子状に形成したり網目状に構成する等とすることも可能である。
チャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(Cl2 ガス)21を供給する原料ガス供給手段としてのノズル14が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。ノズル14には流量制御器15を介してCl2 ガス21が送られる。成膜に関与しないガス等は排気口16から排気される。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置17によって所定の圧力に維持される。
尚、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。
一方、チャンバ1の筒部にはチャンバ1の内部に不活性ガスとしてのアルゴンガス(Arガス)を供給するガス供給手段としてのガスノズル18が接続されている。ガスノズル18には流量制御器19を介してArガス22が送られる。成膜後、プラズマ発生手段によりArガスプラズマが発生する(処理表面清浄化手段)。
上述した薄膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル14からCl2 ガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガス21をイオン化してCl2 ガスプラズマを発生させる。プラズマは、ガスプラズマ20で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl2→2Cl* ・・・・(1)
ここで、Cl*は塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマ20がCu製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Cuにエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
Cu(s)+Cl* →CuCl(g) ・・・・(2)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(2)は、Cuがガスプラズマ20によりエッチングされ、前駆体23とされた状態である。
ガスプラズマ20を発生させることにより被エッチング部材11を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度制御手段6により基板3の温度を被エッチング部材11の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、前駆体23は基板3に吸着(成膜)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)→CuCl(ad) ・・・・(3)
基板3に吸着したCuClは、塩素ラジカルCl*により還元されてCu成分となることでCu薄膜が作製される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(ad)+Cl*→Cu(s)+Cl2↑ ・・・・(4)
更に、上式(2)において発生したガス化したCuCl(g)の一部は、基板3に吸着する(上式(3)参照)前に、塩素ラジカルCl*により還元されてガス状態のCuとなる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)+Cl*→Cu(g)+Cl2↑ ・・・・(5)
この後、ガス状態のCu成分は、基板3に成膜されてCu薄膜が作製される。
Cuの薄膜が形成されると、Cl2 ガス21の供給を停止すると同時に、ガスノズル18からArガス22を供給する。ガスノズル18から供給されたArガスは励起されてAr*とされ、基板3にCu成分が成膜された後に残留するCl*と置換される(図2(a)から図2(b)、図2(c)の状態)。これにより残留するCl*が再反応してコンタミ層の形成やパーティクルの形成を抑えてCu層の表面を清浄に保つことができる。また、被エッチング部材11の表面を清浄に保つことができる。
この時のCl2ガス21の供給及びArガス22の供給状況は、図3で示したように、パルス的に交互に行われる。Cl2ガス21の供給停止とArガス22の供給開始のタイミングを合わせることにより、プラズマアンテナ8への電力供給を連続することができ、プラズマを発生させた状態を維持して被エッチング部材11の温度を保持することができる。尚、Cl2ガス21の供給停止とArガス22の供給開始にタイムラグを設けてプラズマの発生を断続させることも可能である。
Cuの薄膜を形成した後にArガス22を供給し、残留するCl*とAr*とを置換することにより、図4に実線で示すように、Cu薄膜の表面のCl量は、例えば1020atom/ccとなる。Cl*とAr*との置換を実施しない場合、図4に点線で示すように、Cu薄膜の表面のCl量は、例えば1021atom/ccとなる。これにより、残留するCl*とAr*との置換を行うことで、残留するCl*の再反応が減少してコンタミ層の形成やパーティクルの形成を抑えることができることが判る。
従って、均一にしかも高速にCu薄膜が作製でき、後処理の工程を経ることなくClの影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置とすることが可能になる。
(第2実施形態例)
図5には本発明の第2実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面、図6には原料ガスと不活性ガスの供給状況を表すタイムチャート、図7にはバリアメタル膜の状況を表す概念を示してある。第2の実施形態例は、薄膜としてTaのバリアメタル膜を作製する薄膜作製装置に成膜後の表面を清浄にする処理を施す表面処理装置を備えた例を示してある。尚、本実施形態例の薄膜作製装置は、図1に示した薄膜作製装置に対し、被エッチング部材が異なる構成であり、その他の構成は同一である。このため、同一部材には同一符号を付してある。
図5に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10によりプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1には金属製としてTa製の被エッチング部材25が保持され、被エッチング部材25はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7の間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材25は、棒状の突起部26とリング部27とからなり、突起部26がチャンバ1の中心側に延びるようにリング部27が設けられている。これにより、被エッチング部材25はプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
尚、プラズマアンテナ8の電気の流れに対して不連続状態にする構成としては、被エッチング部材を格子状に形成したり網目状に構成する等とすることも可能である。
チャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(Cl2 ガス)21を供給する原料ガス供給手段としてのノズル14が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。ノズル14には流量制御器15を介してCl2 ガス21が送られる。成膜に関与しないガス等は排気口16から排気される。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置17によって所定の圧力に維持される。
尚、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。
一方、チャンバ1の筒部にはチャンバ1の内部に不活性ガスとしてのアルゴンガス(Arガス)を供給するガス供給手段としてのガスノズル18が接続されている。ガスノズル18には流量制御器19を介してArガス22が送られる。成膜後、プラズマ発生手段によりArガスプラズマが発生する(処理表面清浄化手段)。
上述した薄膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル14からCl2 ガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガス21をイオン化してCl2 ガスプラズマを発生させる。プラズマは、ガスプラズマ20で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl2→2Cl* ・・・・(1)
ここで、Cl*は塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマ20がTa製の被エッチング部材25に作用することにより、被エッチング部材25が加熱されると共に、Taにエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
xTa(s)+yCl* →TaxCly(g) ・・・・(6)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表し、x及びyは係数を表す。式(6)は、Taがガスプラズマ20によりエッチングされ、前駆体28とされた状態である。
ガスプラズマ20を発生させることにより被エッチング部材25を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度制御手段6により基板3の温度を被エッチング部材25の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、前駆体28は基板3に吸着(成膜)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
TaxCly(g)→TaxCly(ad) ・・・・(7)
基板3に吸着したTaxCly(ad)は、塩素ラジカルCl*により還元されてTa成分となることでバリアメタル膜が製される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
TaxCly(ad)+yCl*→xTa(s)+yCl2↑ ・・・・(8)
更に、上式(6)において発生したガス化したTaCl(g)の一部は、基板3に吸着する(上式(7)参照)前に、塩素ラジカルCl*により還元されてガス状態のTaとなる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
TaCl(g)+Cl*→Ta(g)+Cl2↑ ・・・・(9)
この後、ガス状態のTa成分は、基板3に成膜されてバリアメタルが作製される。
バリアメタルが形成されると、図6に示すように、Cl2 ガス21の供給を漸減させて停止すると共に、Cl2 ガス21の漸減開始と同時にガスノズル18からArガス22を漸増させて供給する。この時、チャンバ1内にはCl2 ガス21及びArガス22が同時に供給された状態になっているため、プラズマアンテナ8への電力供給は連続されている。従って、プラズマを発生させた状態を維持して被エッチング部材11の温度を保持することができる。
ガスノズル18から供給されたArガスは励起されてAr*とされ、基板3にTa成分が成膜された後に残留するCl*と置換される。これにより残留するCl*が再反応してコンタミ層の形成やパーティクルの形成を抑えてTa層の表面を清浄に保つことができる。また、被エッチング部材25の表面を清浄に保つことができる。
Ar*と残留するCl*とが置換されて1枚目の基板に対するバリアメタルの作製及び表面の清浄処理が終了すると、次の(2枚目)基板3が搬入されてCl2 ガス21が漸増状態で供給開始されると同時にArガス22が漸減状態で供給停止される。そして、再び前述したバリアメタルの作製及び表面の清浄処理が施される。
尚、前述した第1実施形態例ではCl2 ガス21の供給・供給停止とArガス22の供給・供給停止を交互に行ったが、Cl2 ガス21を漸増・漸減させると共にArガス22を漸増・漸減させるようにすることも可能である。
ところで、Taは融点が300℃程度であるため、被エッチング部材25の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定されている基板3に成膜される場合、図7に示すように、Taの結晶は柱状となって成長して膜厚方向に柱状晶29が存在するバリアメタル膜30とされる。この状態で金属(例えばCu)の膜を作製すると、柱状晶29の界面を通してCuが基板3側に拡散してしまう。
本実施形態例では、表面の清浄処理を実施するためにArガス22が供給されてAr*を発生させているので、Ar*の一部がTaの結晶に作用して柱状晶29の柱状界面が乱される(アモルファス化)ようになっている。つまり、Ar*によりTaの柱状晶29に拡散作用が生じ柱状界面が乱される。このため、膜厚方向の柱状晶29が物理的に変化して柱状晶29が壊された状態になり、単層で構成されるTaのバリアメタル膜30であっても金属の密着性と耐拡散性を両立させることができる。尚、Arガス22の流量は、流量制御器19によって制御され、所望の表面部分のアモルファス化が可能となっている。
上述した薄膜作製装置では、残留するCl*とAr*との置換を行うことで、残留するCl*の再反応が減少してコンタミ層の形成やパーティクルの形成を抑えることができる。従って、均一にしかも高速にバリアメタル膜が作製でき、後処理の工程を経ることなくClの影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置とすることが可能になる。また、表面の清浄処理に加えて表面のアモルファス化が行え、表面組織の改善を行うことができる。
(第3実施形態例<参考例>)
図8には本発明の第3実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面を示してある。第3の実施形態例は、原料ガスと還元ガスをプラズマ化し、薄膜として窒化ホウ素(BN)膜を作製する薄膜作製装置に成膜後の表面を清浄にする処理を施す表面処理装置を備えた例を示してある。尚、図1及び図5に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。薄膜として作成される窒化ホウ素は一例であり、原料ガスや還元ガスとして種々のガスを用いる薄膜作製装置を適用することが可能である。
図8に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が200℃から400℃に維持される温度)に制御される。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10によりプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部に材料ガスとしての窒素ガス(N2ガス)41を供給する材料ガスノズル(材料ガス供給手段)42が設けられ、材料ガスノズル42には流量制御器43を介してN2ガス41が送られる。
また、材料ガスノズル42の下方におけるチャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部に材料ガス44を供給する材料ガスノズル(材料ガス供給手段)45が設けられている。材料ガス44は、B26ガスとなっている。材料ガスノズル45には流量制御器46を介して材料ガス44が送られる。
一方、材料ガスノズル42の下方におけるチャンバ1の筒部にはチャンバ1の内部に不活性ガスとしてのアルゴンガス(Arガス)を供給するガス供給手段としてのガスノズル18が接続されている。ガスノズル18には流量制御器19を介してArガス22が送られる。成膜後、プラズマ発生手段によりArガスプラズマが発生する(処理表面清浄化手段)。
上述した薄膜作製装置では、材料ガスノズル42からN2ガス41が所定の流量で供給され、材料ガスノズル45から材料ガス44が所定の流量で供給される。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、主にN2ガス41が励起されてプラズマ状態となってガスプラズマ48が発生し、N2ガス41が励起された後、材料ガス44が混合されて反応し、基板3上に窒化ホウ素(BN)膜47が作製される。
チャンバ1内では、材料ガスノズル42がプラズマアンテナ8側に設けられているために、主にN2ガス41が励起されてプラズマ化して気体となり、プラズマ化した気体と材料ガス44が反応する。この反応により、ホウ素と窒素が反応してBNとH2ガスが生成される。H2ガスが排気口16から排気されてBN膜47が基板3に作製される。
BN膜47が作製されると、N2ガス41及び材料ガス44の供給を停止すると同時に、ガスノズル18からArガス22を供給する。ガスノズル18から供給されたArガスは励起されてAr*とされ、基板3にBNが成膜された後に残留する還元成分と置換される。これにより残留する還元成分が再反応してコンタミ層の形成やパーティクルの形成を抑えてBN膜47の表面を清浄に保つことができる。
従って、均一にしかも高速にBN膜47が作製でき、後処理の工程を経ることなく還元成分の影響をなくして不純物層等が形成されることがない薄膜作製装置とすることが可能になる。
本発明は薄膜を作製する産業分野で利用することができる。
本発明の第1実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面である。 薄膜表面の状況説明図である。 原料ガスと不活性ガスの供給状況を表すタイムチャートである。 膜の深さに対するCl量の関係を表すグラフである。 本発明の第2実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面である。 原料ガスと不活性ガスの供給状況を表すタイムチャートである。 バリアメタル膜の状況を表す概念図である。 本発明の第3実施形態例に係る薄膜作製装置の概略側面である。
符号の説明
1,51 チャンバ
2 支持台
3,59 基板
4,60 ヒータ
5,61 冷媒流通手段
6,62 温度制御手段
7 天井板
8,32 プラズマアンテナ
9 整合器
10 電源
11,25 被エッチング部材
12,26 突起部
13,27 リング部
14 ノズル
15,19,43,46 流量制御器
16 排気口
17 真空装置
18 ガスノズル
20,48 ガスプラズマ
21 原料ガス
22 Arガス
23,28 前駆体
29 柱状晶
30 バリアメタル膜
41 N2ガス
42,44 材料ガス
45 材料ガスノズル
47 窒化ホウ素膜

Claims (1)

  1. 基板と金属製の被エッチング部材としてTaが備えられたチャンバ内に塩素を含有する原料ガスを供給し、
    前記チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ、該原料ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれるTa成分と前記原料ガスとの前駆体を生成し、
    前記基板側の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体のTa成分を基板に成膜させて柱状晶を含むTa膜を形成し
    前記Ta成分を成膜させた後に、前記チャンバの内部にArガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化してArガスプラズマを発生させ、原料ガス成分とArガス成分を置換し、成膜表面への前記原料ガス成分の影響を抑制して成膜表面を清浄にすると共に、前記Arガス成分を前記Ta膜の金属結晶に作用させて前記柱状晶の柱状界面を乱すようにしたことを特徴とする薄膜作製方法。
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