JP4435609B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば空気、冷媒等の圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械は、固定スクロールに対して旋回スクロールを旋回運動させることにより、空気、冷媒等を圧縮するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−106266号公報
この種の従来技術による空気圧縮機は、支持フレームとなる略筒状のケーシングと、該ケーシングに設けられ、鏡板の表面に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに支持され、電動機等の駆動源により回転駆動される回転軸と、前記固定スクロールと対面する位置で該回転軸に連結され鏡板の表面に渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールとを備えている。
ここで、圧縮機を組立てるときには、固定スクロールと旋回スクロールのラップ部間に画成される圧縮室の気密性等を確保するために、ケーシング、固定スクロール及び旋回スクロールを互いに高い寸法精度で組付ける必要がある。
このため、ケーシングと旋回スクロールには、これらを組立てるときにピン等を介して互いに位置合わせされる径方向の位置合わせ穴がそれぞれ設けられている。この場合、ケーシング側の位置合わせ穴は、ピンとほぼ等しい穴径をもってケーシングの周壁に開口している。また、旋回スクロール側の位置合わせ穴は、鏡板の外周面に開口している。
そして、圧縮機の組立時には、まずケーシングに回転軸、旋回スクロール等を取付けた後に、旋回スクロールの位置合わせ作業を行う。この位置合わせ作業では、作業者等が回転軸を手で回して適切な角度に回転させることにより、ケーシング側と旋回スクロール側の位置合わせ穴を一致させ、この状態で各位置合わせ穴の間にピンを挿嵌することにより、旋回スクロールと回転軸とをケーシングに対して所定の位置に組付ける。
また、この位置合わせ作業の後には、固定スクロールを旋回スクロールに組付け、これらにそれぞれ設けられた他の位置合わせ穴にピンを挿嵌することにより、固定スクロールと旋回スクロールの位置合わせを行う。
一方、他の従来技術として、例えばケーシングの両側に固定スクロールをそれぞれ設け、これらの固定スクロールと対向する旋回スクロールを回転軸の軸方向両側に設けることにより、空気等の圧縮動作を両側の2箇所で行う構成としたツインラップ型の圧縮機も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−13492号公報
ところで、上述した従来技術では、旋回スクロールとケーシングとを位置合わせするときに、作業者等が回転軸を手で回して適切な角度に回転させた後に、両者の位置合わせ穴の間にピンを挿嵌する構成としている。
しかし、この位置合わせ作業を行うときに、作業者等は、例えばケーシング内で必ずしも掴み易い場所に配置されていない回転軸、旋回スクロール等の部品を把持し、これらの部品を電動機のロータ等と一緒に大きな力で回転させる必要があり、作業性が悪いという問題がある。
しかも、作業者は、この回転動作を行いながら、ケーシングと旋回スクロールの位置合わせ穴に注視しなければならず、両者の位置合わせ穴が一致したときには、例えば一方の手で旋回スクロールを押えつつ、他方の手でピンを挿嵌する必要がある。このため、従来技術では、旋回スクロールの位置合わせ作業に手間がかかり、圧縮機を組立てるときに作業効率が低下するという問題がある。
特に、ツインラップ型の圧縮機等にあっては、回転軸の両側に旋回スクロールが取付けられているため、これらを把持し易い部位が少ない上に、回転軸を回すときに一層大きな力が必要となり、組立作業が難しくなるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、支持フレーム、固定スクロール及び旋回スクロールを簡単な作業によって正確に位置合わせすることができ、組立作業を効率よく行うことができるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、支持フレームと、該支持フレームに設けられた固定スクロールと、支持フレームに支持され駆動源により回転駆動される回転軸と、該回転軸に連結され固定スクロールと対面して固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、回転軸の回転を旋回スクロールの旋回運動に変換するための自転防止手段と、旋回スクロールおよび回転軸を支持フレームに位置合わせする旋回スクロール位置合わせ手段と、固定スクロールを旋回スクロールに組付けるときにこれらを位置合わせする固定スクロール位置合わせ手段とを備えたスクロール式流体機械において、旋回スクロール位置合わせ手段を、支持フレームに設けられ回転軸の回転方向に延びた開口部と、該開口部の長さ方向途中部位に設けられた固定側位置合わせ部と、回転軸またはこれと一体に回転する部材に設けられ、組立補助具を用いて前記固定側位置合わせ部と係合させることにより、前記固定側位置合わせ部と回転方向に対して位置合わせされる回転側位置合わせ部とにより構成している。
また、請求項2の発明では、支持フレームと、該支持フレームの両側にそれぞれ設けられた第1,第2の固定スクロールと、支持フレームに支持され駆動源より回転駆動される回転軸と、該回転軸にそれぞれ連結され第1,第2の固定スクロールと対面して第1,第2の固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する第1,第2の旋回スクロールと、回転軸の回転を旋回スクロールの旋回運動に変換するための自転防止手段と、旋回スクロールおよび回転軸を支持フレームに位置合わせする旋回スクロール位置合わせ手段と、固定スクロールを旋回スクロールに組付けるときにこれらを位置合わせする固定スクロール位置合わせ手段とを備えたスクロール式流体機械において、旋回スクロール位置合わせ手段を、支持フレームに設けられ回転軸の回転方向に延びた開口部と、該開口部の長さ方向途中部位に設けられた固定側位置合わせ部と、回転軸またはこれと一体に回転する部材に設けられ、組立補助具を用いて前記固定側位置合わせ部と係合させることにより、前記固定側位置合わせ部と回転方向に対して位置合わせされる回転側位置合わせ部とにより構成している。
また、請求項3の発明によると、固定側位置合わせ部は支持フレームの開口部の周縁に形成された切欠き溝または突起により構成している。
また、請求項4の発明によると、回転軸の外周側には、支持フレームの開口部に対応する位置で回転軸と共に回転駆動されて冷却風を発生する冷却ファンと、該冷却ファンにあって旋回スクロールが旋回運動するときにバランスをとるバランスウェイトとを設け、回転側位置合わせ部は冷却ファンの一部またはバランスウェイトを用いて形成する構成としている。
さらに、請求項5の発明によると、支持フレームの開口部は冷却ファンにより発生する冷却風が流通する通気口を用いて構成している。
請求項1の発明によれば、旋回スクロールや回転軸を支持フレームに組付けるときには、例えば棒状の組立補助具を支持フレームの開口部から挿入することができ、この組立補助具により旋回スクロールや回転軸を開口部の長さ方向に沿って円滑に回動させることができる。これにより、例えば組立補助具を手動用のレバーとして使用できるから、旋回スクロールや回転軸が作業者等の手で直接回動し難い場合でも、固定側と回転側の位置合わせ部を容易に一致させることができ、旋回スクロールや回転軸の位置合わせを効率よく行うことができる。そして、この旋回スクロールには、固定スクロール位置合わせ手段によって固定スクロールを位置合わせすることができるので、旋回スクロールを介して固定スクロールと支持フレームとを正確に組付けることができる。従って、圧縮機を簡単な作業で精度よく組立てることができ、組立時の作業性を高めることができる。
また、請求項2の発明によれば、例えば回転軸の両側に第1,第2の旋回スクロールが配置されているためにこれらが直接回動し難い場合でも、棒状の組立補助具を支持フレームの開口部から挿入することにより、旋回スクロールや回転軸の位置合わせを容易に行うことができる。従って、ツインラップ型の圧縮機等であっても、これを簡単な作業で精度よく組立てることができる。
また、請求項3の発明によれば、例えば組立補助具等により回動される回転軸が所定の位置に達したときには、組立補助具を開口部周縁の切欠き溝または突起に係合させることができる。これにより、組立補助具を介して回転軸とケーシングとの位置合わせを簡単に行うことができ、これらを組立補助具によって所定の位置関係で一時的に固定しつつ、次の作業等を円滑に行うことができる。
また、請求項4の発明によれば、例えば冷却ファンの一部や、冷却ファンに取付けるバランスウェイトを利用して回転側位置合わせ部を形成でき、位置合わせ用の部品等を特別に設ける必要がないので、位置合わせ手段の構造を簡略化できると共に、これを開口部の外側から見易い位置に配設することができる。そして、位置合わせ作業時には、冷却ファンを介して回転軸を確実に回動させることができる。
さらに、請求項5の発明によれば、ケーシングの通気口を利用して位置合わせ用の開口部を構成することができ、位置合わせを行うために専用の開口部を形成する必要がないので、ケーシングの形状を簡略化でき、その加工、形成を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械として、ツインラップ型のスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
図中、1は空気圧縮機の外枠をなす支持フレームとしての略筒状のケーシングで、該ケーシング1は、後述の固定スクロール7A,7Bと共に固定側部材を構成するものである。そして、ケーシング1は、軸線O1−O1を中心として略円筒状に形成され軸方向の両側が開口した中間ケース2と、該中間ケース2の軸方向両側に取付けられた外側ケース3A,3Bとにより構成されている。
ここで、中間ケース2の軸方向一側(図1中の右側)に位置する第1の外側ケース3Aは、軸方向の一側が開口し他側が閉塞した略有底筒状に形成されている。そして、外側ケース3Aは、例えばねじ止め等の手段によって中間ケース2の一端側に取付けられた有底筒状のファン収容部4Aと、該ファン収容部4Aの一端側に拡径して形成されたスクロール収容部5Aとにより構成されている。
一方、中間ケース2の軸方向他側(図1中の左側)に位置する第2の外側ケース3Bは、図2に示す如く、軸方向の一側が閉塞し他側が開口した有底筒状に形成されている。また、外側ケース3Bは、中間ケース2の他端側に取付けられた有底筒状のファン収容部4Bと、該ファン収容部4Bの他端側に形成されたスクロール収容部5Bとにより構成されている。この場合、ファン収容部4Bには、後述する流出口37Bの周縁に位置合わせ用の切欠き溝39が設けられている。
また、第1の外側ケース3Aは、後述する第1の固定スクロール7A、第1の旋回スクロール23A等と共に低圧段の圧縮部6Aを構成し、第2の外側ケース3Bは、第2の固定スクロール7B、第2の旋回スクロール23B等と共に高圧段の圧縮部6Bを構成している。この場合、低圧段と高圧段の圧縮部6A,6Bは互いにほぼ同一の構成要素を有しているので、以下の説明では、低圧段の構成要素に符号「A」を付して説明し、高圧段の構成要素については、符号「B」を付して説明すると共に、低圧段と重複する説明を省略するものとする。
7Aはケーシング1の外側ケース3Aの開口側に設けられた低圧段の固定スクロールで、該固定スクロール7Aは、図1に示す如く、ケーシング1の軸線O1−O1を中心として配設された略円板状の鏡板8Aと、該鏡板8Aの表面に立設された渦巻状のラップ部9Aと、該ラップ部9Aを取囲む位置で径方向外向きに突出し、ボルト(図示せず)等を介して外側ケース3Aの開口側に着脱可能に取付けられたフランジ部10Aとにより構成されている。
ここで、鏡板8Aの外周側には、例えば空気等の流体を吸込む2箇所の吸込口(図示せず)が設けられ、鏡板8Aの中心側には圧縮空気の吐出口11Aが設けられている。また、鏡板8Aの裏面には、冷却風の流れ方向に沿って垂直方向に延びる複数の冷却フィン12Aが立設されている。
7Bはケーシング1の外側ケース3Bの開口側に設けられた高圧段の固定スクロールで、該固定スクロール7Bは、図2に示す如く、低圧段の固定スクロール7Aとほぼ同様に、鏡板8B、ラップ部9B、フランジ部10B等により構成され、鏡板8Bには、圧縮空気の吐出口11Bと、複数の冷却フィン12Bとが設けられている。この場合、高圧段のフランジ部10Bには、後述の固定側位置合わせ穴42が設けられている。
また、本実施の形態による空気圧縮機は、例えば低圧段の吐出口11Aが配管(図示せず)等を介して高圧段の吸込口に接続され、高圧段の吐出口11Bが他の配管等を介して空気タンクに接続される。これにより、空気圧縮機は、外部から吸込んだ空気を低圧段と高圧段の圧縮部6A,6Bによって順次圧縮する2段式の圧縮機として構成されている。
13はケーシング1の中間ケース2内に設けられた駆動源としての電動モータで、該電動モータ13は、図1に示す如く、低圧段の固定スクロール7Aと高圧段の固定スクロール7Bとの間に配置され、中間ケース2の内周側に固定された筒状のステータ14と、該ステータ14の内周側に回転可能に配設された筒状のロータ15等とにより構成されている。そして、電動モータ13は、後述の回転軸16を軸線O1−O1を中心として回転駆動するものである。
16はケーシング1に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸16は、例えば段付円筒状の中空ロッドからなり、軸方向の中間部位が電動モータ13のロータ15内に嵌着されている。また、回転軸16は、軸方向の両側が回転軸受17A,17Bを介して外側ケース3A,3B(ファン収容部4A,4B)の底部側に回転可能に支持されている。
18Aは回転軸16の一端側に取付けられた偏心ブッシュで、該偏心ブッシュ18Aは、回転軸16の軸線O1−O1と同軸に延びる略円筒状に形成され、その内周側の一部には、例えば圧入等の手段によって回転軸16が嵌合、固着されている。また、偏心ブッシュ18Aの内周側には、軸線O1−O1から径方向に所定の寸法δだけ偏心した連結軸嵌合孔19Aが設けられ、この連結軸嵌合孔19A内には、後述の偏心軸受22Aを介して連結軸20のクランク部21Aが回転可能に取付けられている。
これにより、連結軸20の軸線O2−O2は、回転軸16の軸線O1−O1から所定の寸法δ(偏心量δ)だけ偏心している。また、偏心ブッシュ18Aの外周面は、回転軸16等の軸線O1−O1を中心とする円筒状に形成され、この外周面には後述の冷却ファン31Aが取付けられている。
一方、18Bは回転軸16の他端側に取付けられた略円筒状の偏心ブッシュで、該偏心ブッシュ18Bは、図2に示す如く、一端側の偏心ブッシュ18Aとほぼ同様に構成され、その連結軸嵌合孔19B内には、後述の偏心軸受22Bを介して連結軸20のクランク部21Bが回転可能に取付けられている。また、偏心ブッシュ18Bの外周面には後述の冷却ファン31Bが取付けられている。
20は回転軸16内に挿通して設けられた連結軸で、該連結軸20は、図1に示す如く、例えば段付円柱状のロッドからなり、その軸方向の両側は回転軸16から軸方向に突出した円柱状のクランク部21A,21Bとなっている。
そして、クランク部21A,21Bは、偏心軸受22A,22Bと偏心ブッシュ18A,18Bとを介して回転軸16に回転可能に取付けられている。これにより、連結軸20は、回転軸16等の軸線O1−O1から寸法δだけ偏心した軸線O2−O2を中心として配置され、回転軸16が回転するときに旋回スクロール23A,23Bと一緒に旋回運動するものである。
23Aは固定スクロール7Aと対面してケーシング1内に旋回可能に設けられた低圧段の旋回スクロールで、該旋回スクロール23Aは、略円板状に形成された鏡板24Aと、該鏡板24Aの表面に立設された渦巻状のラップ部25Aとにより大略構成されている。
23Bは固定スクロール7Bと対面して設けられた高圧段の旋回スクロールで、該旋回スクロール23Bは、低圧段の旋回スクロール23Aとほぼ同様に、鏡板24B、ラップ部25B等により構成されている。また、高圧段の旋回スクロール23Bには、図6に示す如く、鏡板24Bの外周側から周方向に間隔をもって径方向に突出する例えば3個の突部26が一体に設けられ、これらの突部26には後述の旋回側位置合わせ穴43が設けられている。
そして、旋回スクロール23A,23Bは、図1に示す如く、鏡板24A,24Bが外側ケース3A,3Bのスクロール収容部5A,5B内に収容されている。また、鏡板24A,24Bの裏面側は、例えば焼き嵌め等の手段によって連結軸20のクランク部21A,21Bに固着され、これらは固定ピン27A,27Bにより回転方向に対して位置決めされている。さらに、鏡板24A,24Bの裏面には、冷却風の流れ方向に沿って水平方向に延びる複数の冷却フィン28A,28Bが立設されている。
一方、ラップ部25A,25Bは、固定スクロール7A,7Bのラップ部9A,9Bと所定の角度(例えば180度)だけずらして重なり合うように配設され、これによって低圧段のラップ部9A,25A間には、外周側から内周側にわたって複数の圧縮室29Aが画成されると共に、高圧段のラップ部9B,25B間にも、外周側から内周側にわたって複数の圧縮室29Bが画成されている。
そして、旋回スクロール23A,23Bは、電動モータ13により回転軸16、連結軸20等を介して駆動され、偏心量δに応じた一定の旋回半径をもって旋回運動を行うことにより、各圧縮室29A,29Bで空気の圧縮動作を行うと共に、その旋回動作時には、後述の補助クランク30によって自転が防止される。
30は低圧段の固定スクロール7Aと旋回スクロール23Aとの間に設けられた自転防止手段としての例えば3個の補助クランク(1個のみ図示)で、該各補助クランク30は、回転軸16の回転を旋回スクロール23A,23Bの旋回運動に変換するものであり、例えば回転軸16を中心として周方向の3箇所に設けられている。そして、各補助クランク30は、これらの位置で旋回スクロール23Aを固定スクロール7Aに対して旋回可能に連結し、これによって両側の旋回スクロール23A,23Bの自転を防止している。
この場合、高圧段の旋回スクロール23Bは、連結軸20と固定ピン27A,27Bとを介して低圧段の旋回スクロール23Aと廻止め状態で連結されている。従って、これらの連結軸20と固定ピン27A,27Bとは、補助クランク30と協働して回転軸16の回転を高圧段の旋回スクロール23Bの旋回運動に変換し、旋回スクロール23Bの自転を防止する自転防止手段を構成している。
また、補助クランク30は、後述する圧縮機の組立作業において、低圧段の旋回スクロール23Aをケーシング1に組付けるときに、これらの位置合わせに用いられる。そして、低圧段の旋回スクロール23Aをケーシング1に組付けた状態では、補助クランク30により旋回スクロール23Aと固定ピン27Aとを介して連結軸20の自転が規制される。従って、この状態で後述の切欠き溝39,40等を用いて連結軸20を旋回半径上の所定位置に保持すると、高圧段側の固定ピン27Bの位置が確定され、これによって旋回スクロール23Bをケーシング1に位置合わせすることができる。
次に、圧縮機の冷却構造について述べると、31Aは回転軸16の軸方向一側に設けられた低圧段の冷却ファンで、該冷却ファン31Aは、電動モータ13と低圧段の旋回スクロール23Aとの間に配置されている。
31Bは回転軸16の軸方向他側に設けられた高圧段の冷却ファンで、該冷却ファン31Bは、図1ないし図3に示す如く、後述の流出口37Bに対応する位置で電動モータ13と高圧段の旋回スクロール23Bとの間に配置されている。
ここで、冷却ファン31A,31Bは、例えば遠心ファン等からなり、電動モータ13と高圧段の旋回スクロール23A,23Bとの間にそれぞれ位置して外側ケース3A,3Bのファン収容部4A,4B内に収容されている。また、冷却ファン31A,31Bは、偏心ブッシュ18A,18Bを介して回転軸16に取付けられ、偏心ブッシュ18A,18Bと冷却ファン31A,31Bとの間には、これらを回転方向に位置決めするキー32A,32Bが設けられている。
そして、冷却ファン31A,31Bは、電動モータ13の軸方向両側に位置して旋回スクロール23A,23Bと対向し、この位置で回転軸16と一緒に回転することにより、固定スクロール7A,7Bの裏面側、旋回スクロール23A,23Bの裏面側等に向けて冷却風を発生するものである。
33A,33Bは冷却ファン31A,31Bに設けられたバランスウェイトで、該バランスウェイト33A,33Bは、図1、図6等に示す如く、例えば略四角形の板状体として形成され、取付ねじ34(高圧段のみ図示)等を用いて冷却ファン31A,31Bに取付けられている。
そして、バランスウェイト33A,33Bは、旋回スクロール23A,23Bが旋回運動するときに、回転軸16、冷却ファン31A,31Bと一体に回転し、これによって重量等のバランスをとるものである。また、高圧段のバランスウェイト33Bには、後述の流出口37Bから外部に露出する部位に位置合わせ用の切欠き溝40が設けられている。
35A,35Bは冷却ファン31A,31Bと共に外側ケース3A,3B内に設けられた環状の仕切板で、低圧段の仕切板35Aは、ファン収容部4Aとスクロール収容部5Aとの間を仕切る位置に配置され、高圧段の仕切板35Bは、ファン収容部4Bとスクロール収容部5Bとの間を仕切る位置に配置されている。
36Aは外側ケース3Aのスクロール収容部5Aに設けられた例えば2箇所の流入口(図1中に1個のみ図示)で、該各流入口36Aは、図6に示す高圧段の流入口36Bとほぼ同様に、スクロール収容部5Aの水平方向の両側に開口している。
36Bは外側ケース3Bのスクロール収容部5Bに設けられた例えば2箇所の流入口で、該各流入口36Bは、図6に示す如く、スクロール収容部5Bの水平方向の両側に開口している。
そして、冷却ファン31A,31Bの作動時には、外部の空気が各流入口36A,36Bからスクロール収容部5A,5B内に吸込まれて冷却風となり、これらの冷却風は、冷却フィン28A,28Bに沿って略水平方向に流通しつつ、旋回スクロール23A,23Bの裏面側を冷却する。
37Aは外側ケース3Aのファン収容部4Aに設けられた例えば2箇所の流出口で、該各流出口37Aは、ファン収容部4Aの垂直方向の両側に開口している。この場合、冷却ファン31Aが作動することによって旋回スクロール23A,23Bの裏面側に導入された冷却風は、仕切板35A,35Bの内周側を通ってファン収容部4A内に吸込まれ、流出口37Aから外部に流出する。
これにより、流出口37Aは、ダクト(図示せず)等を介して固定スクロール7Aの背面側に冷却風を供給したり、吸込空気や吐出空気を冷却するために圧縮機の上側に取付けられた冷却器等に冷却風を供給する。
37Bは外側ケース3Bのファン収容部4Bに設けられた例えば2箇所の流出口で、該各流出口37Bは、図2ないし図6に示す如く、低圧段の流出口37Aとほぼ同様に、ファン収容部4Bの垂直方向の両側に開口し、冷却ファン31Bにより発生される冷却風を固定スクロール7Bの背面側や冷却器等に供給するものである。
ここで、上側の流出口37Bは、冷却風が流通する通気口と、後述の如く圧縮機の組立時に用いられる組立補助用の開口部とを兼ねて形成され、回転軸16の回転方向に円弧状をなして延びると共に、一定の回転角(中心角)にわたってケーシング1の外部に開口している。そして、圧縮機の組立時には、後述の如く棒状の組立補助具44を流出口37Bからケーシング1内に挿入することにより、旋回スクロール23Bと回転軸16とをケーシング1に対して位置合わせする作業を行うことができる。
次に、圧縮機の組立時に使用される位置合わせ用の構造について説明する。まず、38はケーシング1と回転軸16側の部位とに設けられた旋回スクロール位置合わせ手段としての旋回スクロール位置合わせ機構で、該旋回スクロール位置合わせ機構38は、ケーシング1のファン収容部4Bに設けられた開口部としての上側の流出口37Bと、後述の切欠き溝39,40とにより構成され、旋回スクロール23Bと回転軸16とをケーシング1に組付けるときに、これらを位置合わせするものである。
39は外側ケース3Bのファン収容部4Bに設けられた固定側位置合わせ部としての切欠き溝で、該切欠き溝39は、図5、図6に示す如く、回転軸16の回転方向に延びる流出口37Bの長さ方向途中部位に配置され、該流出口37Bの周縁部位を切欠くことにより略四角形状に窪んだ凹溝として形成されている。
40は切欠き溝39と位置合わせされる回転側位置合わせ部としての切欠き溝で、該切欠き溝40は、回転軸16またはこれと一体に回転する部材(例えば、偏心ブッシュ18B、旋回スクロール23B、冷却ファン31B、バランスウェイト33B等)に設けられるものであり、本実施の形態では、例えばバランスウェイト33Bを用いて形成されている。また、切欠き溝40は、例えばバランスウェイト33Bのうち流出口37Bの外部から見える部位を切欠くことにより、回転軸16の径方向に窪んだ略四角形状の凹溝として形成されている。
そして、圧縮機を組立てるときには、まず低圧段の旋回スクロール23Aをケーシング1に組付けて連結軸20の回転を規制した後に、後述の図7ないし図9に示す如く、棒状の組立補助具44によって切欠き溝39,40の回転方向の位置を一致させることにより、回転軸16と旋回スクロール23Bとをケーシング1に対して正確に位置合わせした状態で組付けることができる。
この場合、回転軸16の中心(軸線O1−O1)を基準として、旋回スクロール23Bの中心(連結軸20の軸線O2−O2)と、バランスウェイト33Bとの回転方向の位置関係は、例えば偏心ブッシュ18B、冷却ファン31B及びキー32Bからなる3個の部品によって定められている。
従って、これら3個の部品の形状を予め適切に設定しておくことにより、切欠き溝39,40の位置を組立補助具44によって一致させたときに、旋回スクロール23Bがケーシング1の所定位置に組付けられた状態となるように、圧縮機を構成することができる。この場合、本実施の形態では、例えば旋回スクロール23Bを旋回半径上で最も下側となる所定の位置(図2に示す下死点)に位置合わせすることができる。
一方、41は固定スクロール7Bと旋回スクロール23Bとに設けられた固定スクロール位置合わせ手段としての固定スクロール位置合わせ機構で、該固定スクロール位置合わせ機構41は、図6に示す如く、後述の位置合わせ穴42,43によって構成され、固定スクロール7Bを旋回スクロール23Bに組付けるときに、これらを位置合わせするものである。
42は固定スクロール7Bのフランジ部10Aに設けられた複数箇所の固定側位置合わせ穴(1個のみ図示)で、該各固定側位置合わせ穴42は、フランジ部10Aの少なくとも2箇所に形成され、これを軸方向に貫通している。
43は旋回スクロール23Bの突部26に設けられた複数箇所の旋回側位置合わせ穴で、該各旋回側位置合わせ穴43は、各固定側位置合わせ穴42に対応する位置にそれぞれ形成されている。
そして、圧縮機を組立てるときには、後述の組立補助ピン45によって位置合わせ穴42,43の位置を一致させることにより、固定スクロール7Bを旋回スクロール23Bに対して正確に位置合わせすることができる。これにより、回転軸16等の軸線O1−O1に対して特定の位置(例えば、下死点)に配置された旋回スクロール23Bを基準として、ケーシング1と固定スクロール7Bとを軸線O1−O1に対して同軸に配置でき、これらを精度よく組立てることができる。
本実施の形態によるツインラップ型のスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその組立作業について説明する。
まず、組立作業では、ケーシング1、電動モータ13、回転軸16、偏心ブッシュ18A,18B、連結軸20等を一体に組立てた後に、低圧段の圧縮部6Aの組付作業を行い、さらに高圧段の圧縮部6Bの組付作業を行う。
この場合、低圧段の圧縮部6Aの組付作業では、連結軸20に固定ピン27Aを介して旋回スクロール23Aを取付け、その鏡板24Aとケーシング1との間に補助クランク30を連結する。これにより、連結軸20は、補助クランク30により旋回スクロール23Aと固定ピン27Aとを介して自転が規制された状態となる。
次に、高圧段の圧縮部6Bの組付作業では、図6に示す如く、まず冷却ファン31Bにバランスウェイト33Bをねじ止めして取付け、これらをキー32Bを介して偏心ブッシュ18Bの外周側に挿嵌することにより、冷却ファン31Bとバランスウェイト33Bとを回転軸16に取付ける。
そして、連結軸20のクランク部21Bに固定ピン27Bを取付け、この状態で旋回スクロール23Bを焼き嵌め等の手段によってクランク部21Bに取付ける。なお、この旋回スクロール23Bの取付作業を行う前に、後述の位置合わせ作業を先に実施してもよい。この場合には、旋回スクロール23Bを取付けていない状態で回転軸16の位置合わせ作業を行うことになるが、この手順でも、後述の組立補助具44によって回転軸16を軸線O1−O1を中心とした回転方向の特定位置(即ち、例えば旋回スクロール23Bを取付けたときにこれが下死点等に保持されるような位置)に位置合わせすることができるので、実質的に旋回スクロール23Bの位置合わせ作業を行うことができる。
次に、回転軸16を回転させることにより、旋回スクロール23Bと回転軸16とをケーシング1に対して位置合わせする位置合わせ作業を行う。この位置合わせ作業では、まず図7、図8に示す如く、予め用意した棒状の組立補助具44を、ケーシング1の流出口37Bから内部に挿入し、その先端側をバランスウェイト33Bの切欠き溝40に係合させる。
そして、例えば組立補助具44の基端側を手で掴んで流出口37Bの長さ方向に動かすことにより、組立補助具44を流出口37Bの中間位置(ケーシング1の切欠き溝39)に向けて移動させる。これにより、組立補助具44を用いて回転軸16と旋回スクロール23Bとを容易に回動させることができ、組立補助具44を手動用のレバーとして用いることができる。
また、組立補助具44がケーシング1の切欠き溝39に対応する位置に達したときには、図9に示す如く、組立補助具44をバランスウェイト33Bの切欠き溝40を中心として傾け、これを切欠き溝39に係合させる。この結果、切欠き溝39,40は、組立補助具44により回転方向の位置が一致した状態で連結されるので、回転軸16と連結軸20とを旋回半径上の所定位置(例えば、下死点等)に正確に保持することができる。
このとき、連結軸20は、低圧段の圧縮部6Aにより自転が規制されているので、固定ピン27Bの位置は確定された状態となっている。従って、この連結軸20に固定ピン27Bを介して旋回スクロール23Bを取付けることにより、旋回スクロール23Bをケーシング1に対して正確に位置合わせした状態で組付けることができ、これらを切欠き溝39,40等によって所定の位置関係で一時的に固定することができる。
そして、旋回スクロール23Bの位置合わせ作業の後には、固定スクロール7Bの位置合わせ及び組付け作業を行う。この作業では、まず固定スクロール7Bを旋回スクロール23Bに衝合し、位置合わせ穴42,43に組立補助ピン45を挿嵌することにより、固定スクロール7Bを旋回スクロール23Bと位置合わせすることができる。これにより、旋回スクロール23Bを介して固定スクロール7Bとケーシング1とを同軸に配置できるから、ねじ止め等の手段によって固定スクロール7Bをケーシング1の正確な位置に組付けることができる。
次に、圧縮機の作動について説明すると、まず電動モータ13に給電したときには、そのロータ15により回転軸16が軸線O1−O1を中心として回転駆動される。これにより、回転軸16内に偏心した状態で取付けられた連結軸20が旋回運動を行うと、その両端側に連結された旋回スクロール23A,23Bは、固定スクロール7A,7Bに対して寸法δの旋回半径をもった旋回動作を行う。
この結果、低圧段の圧縮部6Aでは、固定スクロール7Aの吸込口から外気を吸込みつつ、この空気を各圧縮室29A内で順次圧縮する。そして、低圧段の圧縮室29A内で圧縮された中間圧の圧縮空気は、固定スクロール7Aの吐出口11Aから配管、冷却器等を介して高圧段の圧縮部6B側に吐出される。
また、高圧段の圧縮部6Bでは、この中間圧の圧縮空気が固定スクロール7Bの吸込口に供給されると、この圧縮空気を各圧縮室29B内でさらに圧縮し、高圧の圧縮空気を吐出口11Bから吐出する。そして、この圧縮空気は、冷却器で冷やされ、他の配管を介して空気タンク等に貯留される。
次に、空気圧縮機を冷却する冷却風の流れについて説明すると、まず回転軸16が回転するときには、これと一緒に冷却ファン31A,31Bが回転駆動される。これにより、外側ケース3A,3B内の空気が遠心力によって流出口37A,37Bから外部に流出すると、水平方向の流入口36A,36Bからスクロール収容部5A,5B内に外気が冷却風として吸込まれる。そして、この冷却風は、冷却フィン28A,28Bに沿ってほぼ水平方向に流れるので、旋回スクロール23A,23Bを裏面側から効率よく冷却することができる。
また、この冷却風は、冷却ファン31A,31Bの回転によって仕切板35A,35Bの内周側からファン収容部4A,4B内に吸込まれ、上,下の流出口37A,37Bからケーシング1の外部に流出する。そして、この冷却風は、ダクト等を介して固定スクロール7A,7Bの裏面側や冷却器の内部に導かれ、これらを冷却することができる。
かくして、本実施の形態によれば、旋回スクロール用位置合わせ機構38を、ケーシング1の流出口37Bと、該流出口37Aの周縁に設けた切欠き溝39と、バランスウェイト33Bに設けた切欠き溝40とにより構成したので、旋回スクロール23Bや回転軸16をケーシング1に組付けるときには、組立補助具44を流出口37Bからケーシング1内に挿入することができ、この組立補助具44により旋回スクロール23Bや回転軸16を流出口37Bの長さ方向に沿って円滑に回動させることができる。
これにより、作業者等は組立補助具44をレバーとして把持し、これを回動させるだけの簡単な動作によって切欠き溝39,40を容易に一致させることができ、例えば旋回スクロール23Bや回転軸16が作業者等の手で直接回動し難い場合でも、これらの位置合わせを効率よく行うことができる。そして、この旋回スクロール23Bには、固定スクロール位置合わせ機構41によって固定スクロール7Bを位置合わせすることができるので、旋回スクロール23Bを介して固定スクロール7Bとケーシング1とを正確に組付けることができる。
従って、例えば回転軸16の両側に旋回スクロール23A,23Bが配置されているツインラップ型の圧縮機等であっても、これを簡単な作業で精度よく組立てることができ、組立時の作業性を高めることができる。
この場合、固定側と回転側の位置合わせ部を切欠き溝39,40により形成したので、組立補助具44を切欠き溝40に係合して回転軸16等をスムーズに回動させることができ、例えば電動モータ13のロータ15や反対側の旋回スクロール23A等を一緒に回動させるために比較的大きな力が必要な場合でも、これらを容易に回動させることができる。従って、例えばDCBL等のビルトインモータを用いる圧縮機であっても、組立作業を効率よく行うことができる。
そして、回転軸16が所定の位置に達したときには、組立補助具44を固定側の切欠き溝39に係合させることができるので、組立補助具44を介して回転軸16とケーシング1との位置合わせを簡単に行うことができ、これらを組立補助具44によって所定の位置関係で一時的に固定することができる。従って、作業者等は、位置合わせした旋回スクロール23B等を手で押えつつ、次の作業を行う必要がなくなるので、作業効率を高めることができる。
また、冷却ファン31Bに取付けるバランスウェイト33Bを利用して切欠き溝40を形成でき、位置合わせ用の部品等を特別に設ける必要がないので、位置合わせ機構38の構造を簡略化できると共に、これを流出口37Aの外側から見易い位置に配設することができる。そして、位置合わせ作業時には、冷却ファン31Bを介して回転軸16を確実に回動させることができる。
さらに、ケーシング1の流出口37Aを利用して位置合わせ用の開口部を構成することにより、位置合わせを行うために専用の開口部を形成する必要がないので、ケーシング1の形状を簡略化でき、外側ケース3B等の加工、形成を容易に行うことができる。
また、旋回スクロール23A,23Bと連結軸20との間に固定ピン27A,27Bを設けたので、圧縮機の組立時には、まず低圧段の旋回スクロール23A、固定ピン27A、補助クランク30等の組付作業を行うことにより、連結軸20の回転を規制することができる。そして、この状態で回転軸16と連結軸20の位置合わせを行うことにより、回転方向に対して固定ピン27Bを確実に位置決めすることができ、この固定ピン27Bによって旋回スクロール23Bの位置を正確に定めることができる。従って、低圧段の圧縮部6Aを利用して高圧段の旋回スクロール23Bの位置合わせを行うことができる。
なお、前記実施の形態では、固定側位置合わせ部及び回転側位置合わせ部として切欠き溝39,40を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図10に示す第1の変形例のように構成してもよい。この場合、外側ケース3Bのファン収容部4Bには、流出口37B′の周縁に位置して固定側位置合わせ部となる突起51が設けられている。また、バランスウェイト33B′には、回転側位置合わせ部となる突起52が設けられている。そして、位置合わせ作業時には、これらの突起51,52に係合する凹窪部44A′が形成された棒状の組立補助具44′を用いる構成とすればよい。
また、本発明は、固定側位置合わせ部と回転側位置合わせ部とは、切欠き溝39,40や突起51,52以外の構造物として形成してもよく、例えばピン等を用いて位置合わせされる位置合わせ穴や、目視により位置合わせされる位置合わせマーク等によって構成してもよい。
一方、実施の形態では、バランスウェイト33Bに切欠き溝40を設ける構成とした。しかし、本発明の回転側位置合わせ部は、回転軸16またはこれと一体に回転する任意の部位に設けることができ、例えば図11に示す第2の変形例のように構成してもよい。この場合、回転軸16′と偏心ブッシュ18B′には、組立補助具44を係合させる回転側位置合わせ部としての係合穴53が設けられている。また、この図11に仮想線で示すように、冷却ファン31Bに切欠き溝54を設ける構成としてもよい。
また、実施の形態では、旋回スクロール位置合わせ手段の開口部として、冷却風の流出口37Bを用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば冷却風の流入口を開口部として用いることもできる。また、例えば支持フレームに冷却風の流入口や流出口と異なる他の開口部を設け、この開口部を用いて旋回スクロール位置合わせ手段を構成してもよい。
また、実施の形態では、圧縮部6A,6Bにより2段階で空気を圧縮するツインラップ型のスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、2個の圧縮部がそれぞれ独立に1段圧縮を行う構成とした圧縮機に適用してもよい。
さらに、本発明は、ツインラップ型の空気圧縮機に限らず、例えば特許文献1の従来技術に示すように、単一の圧縮部を有するスクロール式空気圧縮機に適用してもよく、また冷媒を圧縮する冷媒圧縮機、真空ポンプ等を含めて他のスクロール式流体機械に適用してもよい。
本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。 高圧段の圧縮部を拡大して示す図1中の要部拡大断面図である。 高圧段の圧縮部を仕切板を取外した状態で図1中の矢示III−III方向からみた横断面図である。 高圧段の圧縮部を図2中の矢示IV−IV方向から拡大してみた部分拡大平面図である。 ケーシングの流出口、冷却ファン、バランスウェイト等を拡大して示す図3中の要部拡大断面図である。 高圧段の圧縮部等を組立てる前の状態で示す分解斜視図である。 組立補助具をケーシングの外部からバランスウェイトの切欠き溝に嵌合させる状態を図5と同様位置からみた要部拡大断面図である。 組立補助具を用いて回転軸、旋回スクロール、冷却ファン等を回動させる状態を示す要部拡大断面図である。 組立補助具を2箇所の切欠き溝に嵌合させることによりケーシングと旋回スクロールとを位置合わせした状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の第1の変形例によるスクロール式空気圧縮機を図4と同様位置からみた部分拡大平面図である。 本発明の第2の変形例によるスクロール式空気圧縮機を図9と同様位置からみた要部拡大断面図である。
符号の説明
1 ケーシング(支持フレーム)
7A,7B 固定スクロール
13 電動モータ(駆動源)
16,16′ 回転軸
20 連結軸(自転防止手段)
27A,27B 固定ピン(自転防止手段)
30 補助クランク(自転防止手段)
33A,33B バランスウェイト
37A,37B,37B′ 流出口(通気口)
38 旋回スクロール用位置合わせ機構(旋回スクロール位置合わせ手段)
39 切欠き溝(固定側位置合わせ部)
40,54 切欠き溝(回転側位置合わせ部)
41 固定スクロール用位置合わせ機構(固定スクロール位置合わせ手段)
42,43 位置合わせ穴
51 突起(固定側位置合わせ部)
52 突起(回転側位置合わせ部)
53 係合穴(回転側位置合わせ部)

Claims (5)

  1. 支持フレームと、該支持フレームに設けられた固定スクロールと、前記支持フレームに支持され駆動源により回転駆動される回転軸と、該回転軸に連結され前記固定スクロールと対面して前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記回転軸の回転を前記旋回スクロールの旋回運動に変換するための自転防止手段と、前記旋回スクロールおよび前記回転軸を前記支持フレームに位置合わせする旋回スクロール位置合わせ手段と、前記固定スクロールを旋回スクロールに組付けるときにこれらを位置合わせする固定スクロール位置合わせ手段とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記旋回スクロール位置合わせ手段は、前記支持フレームに設けられ前記回転軸の回転方向に延びた開口部と、該開口部の長さ方向途中部位に設けられた固定側位置合わせ部と、前記回転軸またはこれと一体に回転する部材に設けられ、組立補助具を用いて前記固定側位置合わせ部と係合させることにより、前記固定側位置合わせ部と回転方向に対して位置合わせされる回転側位置合わせ部とにより構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 支持フレームと、該支持フレームの両側にそれぞれ設けられた第1,第2の固定スクロールと、前記支持フレームに支持され駆動源より回転駆動される回転軸と、該回転軸にそれぞれ連結され前記第1,第2の固定スクロールと対面して前記第1,第2の固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する第1,第2の旋回スクロールと、前記回転軸の回転を前記旋回スクロールの旋回運動に変換するための自転防止手段と、前記旋回スクロールおよび前記回転軸を前記支持フレームに位置合わせする旋回スクロール位置合わせ手段と、前記固定スクロールを旋回スクロールに組付けるときにこれらを位置合わせする固定スクロール位置合わせ手段とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記旋回スクロール位置合わせ手段は、前記支持フレームに設けられ前記回転軸の回転方向に延びた開口部と、該開口部の長さ方向途中部位に設けられた固定側位置合わせ部と、前記回転軸またはこれと一体に回転する部材に設けられ、組立補助具を用いて前記固定側位置合わせ部と係合させることにより、前記固定側位置合わせ部と回転方向に対して位置合わせされる回転側位置合わせ部とにより構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  3. 前記固定側位置合わせ部は前記支持フレームの開口部の周縁に形成された切欠き溝または突起である請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記回転軸の外周側には、前記支持フレームの開口部に対応する位置で前記回転軸と共に回転駆動されて冷却風を発生する冷却ファンと、該冷却ファンにあって前記旋回スクロールが旋回運動するときにバランスをとるバランスウェイトとを設け、前記回転側位置合わせ部は前記冷却ファンの一部またはバランスウェイトを用いて形成してなる請求項1,2または3に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記支持フレームの開口部は前記冷却ファンにより発生する冷却風が流通する通気口を用いて構成してなる請求項4または5に記載のスクロール式流体機械。
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