本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る弾球遊技機の遊技機盤面の外観を示す正面図である。この弾球遊技機1の遊技機盤面10の略中央には、図柄を変動表示及び停止表示等する図柄表示装置11が配設されている。この図柄表示装置11は、主に液晶ディスプレイが使用されるが、画面上に画像を表示可能であれば例えばCRT、ドットマトリックス等の表示装置でも良い。
図柄表示装置11の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口12が配設されている。始動入賞口12は、遊技球の入賞を契機として図柄表示装置11における図柄の変動表示の開始に係る機能を有している。この始動入賞口12の上部の開口部には、開口幅を拡大する拡大装置13が配設されている。この拡大装置13は、通常は遊技球が1個通過可能であるが2個同時通過不可能な幅を保つことにより、始動入賞口12への遊技球の入賞を困難なものとしているが、拡大時は広い範囲で遊技球を拾うことにより、始動入賞口12への遊技球の入賞を容易なものとする機能を有している。
図柄表示装置11の上方には、それぞれ保留球を表示する複数の保留ランプL1乃至L12が配設されている。このように、本実施形態では保留ランプはL1からL12まで、合計12個配設されている。従って、表示可能な最大保留球数は12個であり、大当たり中に保留球数が12個に達した後は、始動入賞口12に遊技球が入賞しても抽選は行われないものとする。そして、図柄表示装置11において図柄が変動表示されている最中に始動入賞口12に遊技球が入賞した場合、これら保留ランプL1乃至L12により、最大12個分の入賞状態を保留することができ、1個の保留ランプL1,L2,L3,...,又はL12は1個分の入賞状態を表示するようになっている。この保留ランプL1乃至L12には、例えば、LEDや豆電球等が使用される。尚、表示可能な最大保留球数は12個に限られず、より多くても少なくても良い。また、最大保留球数を保留ランプではなく図柄表示装置11の液晶ディスプレイ上等に表示するようにしても良い。
始動入賞口12の下方には、アタッカーユニット14が配設されている。このアタッカーユニット14の正面略中央には、特別遊技である大当たりの際に開放する大入賞口15が設けられている。ここで、特別遊技としての大当たりとは、図柄表示装置11に停止表示される図柄が所定の図柄の場合に、その都度遊技者に特別の利益が提供されるような単位特別遊技を複数回行うことから成る遊技をいう。例えば、通常は閉鎖している大入賞口15が30秒という所定時間の経過または10球という所定個数の遊技球の入賞の何れかが起こるまで開放し、この開放の間に大入賞口15の内部に設けられているVゾーンへの入賞があると大入賞口15は一旦閉鎖した後に再度開放するという単位特別遊技としての大当たり1ラウンドを、15回(ラウンド)という所定回数だけ繰り返すような遊技をいう。
始動入賞口12の左右両端には、入賞口16が配設され、始動入賞口12と入賞口16の間には、遊技球が通過可能なゲート17が配設されている。ゲート17は、遊技球の通過を契機として普通図柄表示部3における普通図柄の変動表示の開始に係る機能を有している。普通図柄は、普通図柄表示部3に設けられたランプの表示によって行われる。ランプの点灯が所定の状態に点灯すると、始動入賞口12の拡大装置13を所定時間作動させる。
遊技機盤面10の下端には、始動入賞口12、大入賞口15、入賞口16の何れにも入賞しなかった遊技球が排出されるアウト口18が配設されている。さらに、遊技機盤面10には、遊技球の落下方向に変化を付けるための風車19及び図示しない釘が配設されている。そして、遊技機盤面10の前面は、図示しないガラス板で覆われている。さらに、遊技機盤面10の下方には、遊技球を遊技機盤面10の下端から上端へ打ち出すための図示しない弾球ハンドルや、始動入賞口12、大入賞口15、入賞口16に遊技球が入賞したときに複数個の遊技球が払い出される図示しない賞球払出口及びそれらの遊技球を受ける球受け皿が配設されている。
以上のような構成の弾球遊技機1の遊技の概要を図1を参照して説明する。遊技者が弾球ハンドルを操作すると、遊技球が発射されガイドレール2に案内されて遊技機盤面10の上方に放出される。遊技球は、風車19や釘等に接触して落下方向が変化しながら、一部は入賞口16あるいは始動入賞口12に入り、入賞口16あるいは始動入賞口12に入らなかった遊技球は、アウト口18に入る。遊技球が入賞口16に入賞すると、賞球払出口から例えば5球の賞球が遊技者に払い出される。
また、遊技球がゲート17を通過すると、図示しないセンサからの通過信号を契機に抽選が行われ、普通図柄表示部3において普通図柄の変動を開始する。そして、変動開始してから例えば30秒が経過すると、抽選された結果の態様で普通図柄が停止する。このとき普通図柄の停止態様が予め定められた当たりの態様であれば、始動入賞口12の拡大装置13が例えば0.5秒作動する。これにより、始動入賞口12の開口幅が拡大するので、始動入賞口12への入賞が容易となる。また、普通図柄の停止態様が予め定められたハズレの態様であれば、始動入賞口12の拡大装置13は作動しないが、この場合でも始動入賞口12への入賞は可能である。なお、普通図柄表示部3において普通図柄の変動中に遊技球がゲート17を通過した場合には、その分の変動は保留されて順次実行される。
また、遊技球が始動入賞口12に入賞すると、後述する始動入賞検出器12a(図2参照)からの検出信号を契機に賞球払出口から例えば5球の賞球が遊技者に払い出されるとともに、入賞毎に行われる特別遊技の実行可否の判定結果に基づいて図柄表示装置11に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動演出、例えばハズレ変動、リーチ、スーパーリーチを示す図柄変動演出が行われる。ここで、リーチとは、例えば3つの図柄変動表示を行う場合に2つの図柄が揃い、あと1つの図柄が揃えば当たりになるという状態の表示演出を行うことをいい、スーパーリーチとは、通常のリーチよりも大当たりとなる確率の高い状態の表示演出を行うことを意味している。
このとき停止表示される図柄が大当たりの図柄であるときは、特別遊技としての大当たりが発生し、まず、普段は閉鎖している大入賞口15が開放する。そして、遊技球が大入賞口15に入賞すると、賞球払出口から例えば15球の賞球が遊技者に払い出される。この大入賞口15は、例えば開放してから30秒経過するか、10球の入賞があるかの何れかにより一旦閉鎖する。そして、この大入賞口15が開放している間に、この大入賞口15の内部に設けられているVゾーンへの入賞があると、大入賞口15は一旦閉鎖した後、再度開放するようになっている。このような大入賞口15の開放及び閉鎖を単位特別遊技とすれば、特別遊技としての大当たりは、この単位特別遊技を複数回繰り返すことから成る。従来、例えば、最大で15回(ラウンド)という固定された回数だけ単位特別遊技を繰り返せば終了した大当たりは、本実施形態では、一定の条件の下で、所定数の保留球が貯まるまで、この単位特別遊技の繰り返しを継続するようになっている。即ち、本実施形態では、一定の条件の下で、大当たりに当選した場合には、最初の大入賞口15の開放動作(単位特別遊技)が始まる直前の保留球数から、例えば、プラス3個、5個、又は10個というように、抽選によって決定される所定の個数の保留球が更に貯まる(増える)まで、大当たりの1ラウンド(単位特別遊技)を繰り返し継続(ラウンド継続)するようになっている。また、かかる抽選によって当該保留球数(ラウンド継続保留球数)を決定するためには、本実施形態における最大保留球数(12個)という制限値との関係で、以後保留できる個数にそれだけの余裕がなければならない。そこで、例えば、10個というように、以後保留可能な保留球数の閾値を定め、それより多くの個数の保留が可能な場合にだけ上述した抽選を行う。不可能な場合には抽選は行わず、15回(ラウンド)という固定したラウンド数だけ単位特別遊技を繰り返す大当たりとする。尚、いずれの場合も、大入賞口15の開放中にVゾーンへの入賞が無かった場合には、当該大当たり遊技は終了する。かかる大当たり時のラウンド継続の制御方法については、後述する。
図2は、上記弾球遊技機1に係る機能を制御する装置のブロック図である。主制御装置20は、始動入賞口入賞判定手段21、表示概要決定手段(乱数取得手段、判定手段)22、大入賞口駆動制御手段(特別遊技実行手段)23及びコマンド送信手段24を備えている。始動入賞口入賞判定手段21は、始動入賞口12に配設された始動入賞検出器12aからの検出信号により、始動入賞口12に遊技球が入賞したか否かを判定する。この始動入賞検出器12aは、例えば、受発光素子を有する光センサを備え、発光素子からの光を遊技球が遮ることにより遊技球を検出するようになっている。なお、始動入賞検出器12aとしては、上述した透過型の光センサのみならず、反射型の光センサや磁気センサ、容量センサ、機械式センサ等を使用することができる。
表示概要決定手段22は、表示概要抽選手段25、停止図柄決定手段26、概要変動パターン決定手段27を備えている。表示概要抽選手段25は、始動入賞口12に遊技球が入賞する毎に大当たり乱数を取得し、この大当たり乱数に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定する。停止図柄決定手段26は、表示概要抽選手段25の判定結果に基づいて図柄表示装置11に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動演出の際の停止図柄を決定する。概要変動パターン決定手段27は、図柄変動演出の際の概要変動パターンを決定する。また、表示概要決定手段22は、大当たり終了条件抽選手段29を備え、この大当たり終了条件抽選手段29は、乱数抽選により特別遊技である大当たりをどのように終了させるか、即ち、例えば、プラス3個、プラス5個、又はプラス10個というように、ラウンド継続する保留球数は何個か、を決定してその結果を入賞球記憶手段28に格納する。
大入賞口駆動制御手段23は、アタッカーユニット14の大入賞口15に配設されたソレノイドにより構成される大入賞口駆動源14aを駆動させて大入賞口15を開閉制御する。コマンド送信手段24は、表示概要決定手段22で決定された表示概要のコマンドを副制御装置30へ送信する。入賞球記憶手段28は、始動入賞口入賞判定手段21により判定された始動入賞口12に入賞した遊技球の球数及び表示概要抽選手段25により判定された特別遊技を実行するか否かの判定結果を記憶する。
副制御装置30は、コマンド受信手段31、可動物駆動判定手段32及び本発明の特徴的な部分である画像制御手段(図柄制御手段)33を備えている。コマンド受信手段31は、コマンド送信手段24から送信される表示概要決定手段22で決定された表示概要のコマンドを受信する。可動物駆動判定手段32は、詳細表示内容確認手段35、予告時駆動判定手段36、タイミング判定手段37を備えている。詳細表示内容確認手段35は、表示概要の内容の詳細を確認する。予告時駆動判定手段36は、予告時駆動抽選手段38と抽選判定テーブル39を備えている。予告時駆動抽選手段38は、表示概要に従って低確率作動用の抽選判定テーブル39aまたは高確率作動用の抽選判定テーブル39bから所定の可動物作動判定乱数を取得する。タイミング判定手段37は、表示概要のタイミングを判定する。
画像制御手段33は、詳細表示内容抽選手段41を有する詳細表示内容決定手段42を備えている。詳細表示内容抽選手段41は、表示概要に従って概要変動パターン決定乱数を取得する。詳細表示内容決定手段42は、表示概要の内容の詳細を決定する。画像制御手段33は、また、上述した特別遊技の終了条件を遊技者に報知する報知手段としてのメッセージ選択・表示手段43を備えている。このメッセージ選択・表示手段43は、図柄表示装置11にそれぞれ所定のメッセージを表示することにより上述した特別遊技の終了条件を遊技者に報知する。
保留制御手段34は、閾値(設定値)記憶手段44と、大当り終了条件確認手段45と、残数計算手段46と、比較判断手段47と、既保留球数確認手段48とを備えている。閾値(設定値)記憶手段44は、上述したように、例えば、10個という、当該大当たり時点から以後保留可能な保留球数の閾値(設定値)を保持している。既保留球数確認手段48は、当該時点で既に保留されている遊技球数をリアルタイムに確認する。残数計算手段46は、当該大当たり時点から以後実際に保留可能な残数を計算する。比較判断手段47は、第1の比較判断手段47Aと第2の比較判断手段47Bとを含む。第1の比較判断手段47Aは、残数計算手段46により計算した以後保留可能な残数と閾値(設定値)記憶手段44に保持されている閾値(設定値)とを比較し、以後保留可能な残数が当該閾値(設定値)以上であるか否かを判断する。大当り終了条件確認手段45は、第1の比較判断手段47Aにより以後保留可能な残数が閾値(設定値)以上であると判断された場合に、上述したように、プラス3個、プラス5個、又はプラス10個というように、ラウンド継続する保留球数の確認を行う。比較判断手段47の第2の比較判断手段47Bは、後述するように、大当たり途中で始動入賞口12に遊技球が入賞した場合に、既保留球数確認手段48により確認された大当たり時点で既に保留されていた遊技球数と大当り終了条件確認手段45により確認された、例えば、プラス10個という値とを比較し、プラス10個に達したか否かを判断する。
このような構成において、上記弾球遊技機1の大当たり時のラウンド継続の制御方法(動作)を、図3乃至図5のフローチャート並びに図6を参照して説明する。まず、第1の実施形態として、ラウンド数の制限がある場合について述べる。図3に示すように、始動入賞口入賞判定手段21は、始動入賞検出器12aからの検出信号により、始動入賞口12に遊技球が入賞するまで判定する(ステップS1)。始動入賞口入賞判定手段21は、始動入賞口12に遊技球が入賞したら入賞球記憶手段28に格納されている入賞した遊技球の数を1つ増加し、停止図柄をセットする(ステップS2、S3)。詳細表示内容決定手段42の詳細表示内容抽選手段41は、概要変動パターン決定乱数を取得し(ステップS4)、予告時駆動判定手段36の予告時駆動抽選手段38は、可動物作動判定乱数を取得する(ステップS5)。
そして、表示概要決定手段22の表示概要抽選手段25は、大当たり乱数を取得して格納し(ステップS6)、この乱数により特別遊技である大当たりを実行するか否かを判定してその判定結果を入賞球記憶手段28に格納する。また、表示概要決定手段22の大当たり終了条件抽選手段29は、大当たり終了条件乱数を取得し(ステップS7)、この乱数により特別遊技である大当たりをどのように終了させるか、即ち、例えば、プラス3個、プラス5個、又はプラス10個というように、ラウンド継続する保留球数は何個か、を判定してその判定結果を入賞球記憶手段28に格納する。そして、表示概要決定手段22の停止図柄決定手段26は、上記判定結果が大当たりを実行するか否かを判定し(ステップS8)、大当たりを実行する場合は(ステップS8でYes)、上記乱数に該当する大当たり停止図柄を決定する(ステップS9)。そして、表示概要決定手段22の概要変動パターン決定手段27は、大当たり変動パターンから概要変動パターンを決定する(ステップS10)。そして、コマンド送信手段24は、概要変動パターンのコマンドをコマンド受信手段31へ送信する(ステップS15)。
一方、停止図柄決定手段26は、上記判定結果が大当たりを実行しない場合(ステップS8でNo)、即ちハズレの場合は上記乱数に該当するハズレ停止図柄を決定し(ステップS11)、リーチか否かを判定する(ステップS12)。そして、停止図柄決定手段26は、リーチである場合はリーチ変動パターンから概要変動パターンを決定し(ステップS13)、リーチでない場合はハズレ変動パターンから概要変動パターンを決定する(ステップS14)。そして、コマンド送信手段24は、概要変動パターンのコマンドをコマンド受信手段31へ送信し(ステップS15)、ステップS1へ戻って上述した処理を繰り返す。
ここで、画像制御手段33の詳細表示内容決定手段42は、図柄表示装置11において図柄の変動を停止させる。図4に示すように、このときの停止図柄が特別遊技である大当たりであるときは(ステップS21)、保留制御手段34の残数計算手段46は、当該大当たり時点から以後実際に保留可能な残数を計算し、第1の比較判断手段47Aが、残数計算手段46により計算した残数と閾値(設定値)記憶手段44に保持されている閾値(設定値)とを比較し、当該残数が閾値(設定値)以上であるか否かを判断する(ステップS22)。
当該残数が閾値(設定値)未満である場合には(ステップS22でNo)、15回(ラウンド)という固定した回数(ラウンド数)だけ単位特別遊技を繰り返す、従来と同様の(通常の)大当たりとなり(ステップS23)、固定ラウンド数の単位特別遊技を繰り返す、従来と同様の(通常の)大当たりの処理が行われる(ステップS24)。即ち、大入賞口駆動制御手段23は、アタッカーユニット14の大入賞口駆動源14aを駆動制御して大入賞口15の入口の開放等を開始する。そして、大入賞口駆動制御手段23は、大入賞口15の入口を開放してから規定球数(例えば10球)が入賞したか、または規定時間(例えば30秒)が経過したか等により、一旦大入賞口15の入口の開放等を終了する。以上の大当たりの単位特別遊技(ラウンド)は、15回連続して終了する(ステップS25)が、大入賞口15の開放中にVゾーンへの入賞が無かった場合には、そのラウンドで終了する。
一方、当該残数が閾値(設定値)以上である場合には(ステップS22でYes)、大当たり終了条件確認手段45が、入賞球記憶手段28に記憶されている大当たり終了条件となる(ラウンド継続する)保留球数を確認する(ステップS26)。ラウンド継続する保留球数が、例えば、プラス10個と確認された場合には、画像制御手段33のメッセージ選択・表示手段43は、保留球数がプラス10個にならない限り15ラウンドまで継続するという内容を表す所定のメッセージAを図柄表示装置11に表示する(ステップS27)。このメッセージの一例を図6(a)に示す。図6(a)に示す例では、保留球があと10個増えない限り大当たりが15ラウンドまで継続する旨が図柄表示装置11の液晶ディスプレイ上に言葉(文章)として表示されることで、特別遊技としての大当たりの終了条件が遊技者に報知される。これにより、遊技者がその後10個以上始動入賞口12に遊技球が入賞しないように打つことに努めれば大当たりが15ラウンドまで継続するので、当該大当たり中にも、保留球の数をどのようにコントロールするかという緊張感や技術介入度等を遊技者に感じさせることが可能となり、遊技者は、興趣性を高められて、大当たりを楽しむことができる。また、大当たりの終了条件が図柄表示装置11にメッセージとして表示されるので、遊技に熱中して打球の行方等に注意が向いていたとしても、遊技者が大当たりの終了条件を看過することを有効に防止できる。
メッセージAの表示と同時に、ラウンド継続するのは最大で15ラウンドだが、保留球数がプラス10個になったら終了するという内容で大当たりの制御がスタートする(ステップS28)。即ち、1ラウンドから15ラウンドまでの当該Nラウンドの制御が実行される(ステップS29)。当該Nラウンドの途中で始動入賞口12に遊技球が入賞しなければ(ステップS30でNo)、上述したように、大当たりの単位特別遊技(ラウンド)はラウンド15まで継続して終了する(ステップS31、S25)。始動入賞口12に遊技球が入賞すると(ステップS30でYes)、既保留球数確認手段48を構成するカウンタの値が1つ追加される(ステップS32)。そして、比較判断手段47の第2の比較判断手段47Bが、プラス10個という保留球制限数に達したか否かを判断する(ステップS33)。この結果、保留球制限数に達していない場合には(ステップS33でNo)、ステップS31に戻って、上述したように、そのまま、更に、ラウンド15まで大当たりの単位特別遊技(ラウンド)が継続する。反対に、保留球制限数に達した場合には(ステップS33でYes)、大入賞口駆動制御手段23は、アタッカーユニット14の大入賞口駆動源14aを駆動制御して大入賞口15の入口の開放を終了する(ステップS34)。これにより、当該大当たりは終了する(ステップS25)。
尚、閾値(設定値)記憶手段44に保持させる閾値(設定値)は、上述したように、例えば、10個という固定した値でも良いし、或いはラウンド継続する保留球数との関係で変動する値(例えば、ラウンド継続する保留球数がプラス3個、プラス5個、又はプラス10個の場合で閾値(設定値)を異ならせる)を設定し保持させるようにしても良い。
以上のように、本実施形態では、大当たりの単位特別遊技(ラウンド)は、ラウンド15まで最大で合計15回までしか継続しないので、一律にラウンド15まで継続させていた従来例に比べ、1台の弾球遊技機におけるラウンド継続数は確実に減少する。従って、その分、当たる確率を高くすることも可能となるので、大当たりの確率の幅を広げる等バリエーションに富んだ制御が可能となる。尚、本実施形態でも、大入賞口15の開放中にVゾーンへの入賞が無かった場合には、そのラウンドで終了するのは、従来例と同様である。
次に、第2の実施形態として、ラウンド数の制限が無い場合について、図5を参照して述べる。上述した第1の実施形態と同様に、画像制御手段33の詳細表示内容決定手段42は、図柄表示装置11において図柄の変動を停止させる。図5に示すように、このときの停止図柄が特別遊技である大当たりであるときは(ステップS41)、保留制御手段34の残数計算手段46は、当該大当たり時点から以後実際に保留可能な残数を計算し、第1の比較判断手段47Aが、残数計算手段46により計算した残数と閾値(設定値)記憶手段44に保持されている閾値(設定値)とを比較し、当該残数が閾値(設定値)以上であるか否かを判断する(ステップS42)。
当該残数が閾値(設定値)未満である場合には(ステップS42でNo)、15回(ラウンド)という固定した回数(ラウンド数)だけ単位特別遊技を繰り返す、従来と同様の(通常の)大当たりとなり(ステップS43)、固定ラウンド数の単位特別遊技を繰り返す、従来と同様の(通常の)大当たりの処理が行われる(ステップS44)。即ち、大入賞口駆動制御手段23は、アタッカーユニット14の大入賞口駆動源14aを駆動制御して大入賞口15の入口の開放等を開始する。そして、大入賞口駆動制御手段23は、大入賞口15の入口を開放してから規定球数(例えば10球)が入賞したか、または規定時間(例えば30秒)が経過したか等により、一旦大入賞口15の入口の開放等を終了する。以上の大当たりの単位特別遊技(ラウンド)は、15回連続して終了する(ステップS45)が、大入賞口15の開放中にVゾーンへの入賞が無かった場合には、そのラウンドで終了する。
一方、当該残数が閾値(設定値)以上である場合には(ステップS42でYes)、大当たり終了条件確認手段45が、入賞球記憶手段28に記憶されている大当たり終了条件となる(ラウンド継続する)保留球数を確認する(ステップS46)。ラウンド継続する保留球数が、例えば、プラス10個と確認された場合には、画像制御手段33のメッセージ選択・表示手段43は、ラウンド継続するのは保留球数がプラス10個までという内容を表す所定のメッセージBを図柄表示装置11に表示する(ステップS47)。このメッセージBの一例を図6(b)に示す。図6(b)に示す例では、保留球があと10個増えない限り大当たりのラウンドが継続する旨が図柄表示装置11の液晶ディスプレイ上に言葉(文章)として表示されることで、特別遊技としての大当たりの終了条件が遊技者に報知される。これにより、遊技者がその後10個以上始動入賞口12に遊技球が入賞しないように打てれば、大当たりのラウンドが継続するので、当該大当たり中にも、保留球の数をどのようにコントロ−ルするかという緊張感や技術介入度等を遊技者に感じさせることが可能となり、遊技者は、報知された終了条件に合わせて確実に大当たりを楽しむことができる。また、大当たりの終了条件が図柄表示装置11にメッセージとして表示されるので、遊技に熱中して打球の行方等に注意が向いていたとしても、遊技者が大当たりの終了条件を看過することを有効に防止できる。
メッセージBの表示と同時に、ラウンド継続するのは保留球数がプラス10個までという内容で大当たりの制御がスタートする(ステップS48)。即ち、1ラウンドから当該Nラウンドの制御が実行される(ステップS49)。そして、大入賞口駆動制御手段23は、アタッカーユニット14の大入賞口駆動源14aを駆動制御して大入賞口15の入口の開放等を開始する。大入賞口駆動制御手段23は、大入賞口15の入口を開放してから規定球数(例えば10球)が入賞したか、または規定時間(例えば30秒)が経過したか等により、一旦大入賞口15の入口の開放等(ラウンド1)を終了する。以上の大当たりの単位特別遊技(ラウンド)は、更に、ラウンド2からラウンドNまで継続するが、大入賞口15の開放中にVゾーンへの入賞が無かった場合には、そのラウンドで終了するのはステップS29の場合と同様である。尚、ステップS49では、理論上は、大当たりの単位特別遊技(ラウンド)は、ラウンド1からラウンドNまで無限に継続する場合も考えられるが、実際上は、遊技球の球切れ、或いはホール側による打ち止め制限等により、無限に継続することはないであろう(N≠∞)。当該Nラウンドの途中で始動入賞口12に遊技球が入賞しなければ(ステップS50でNo)、上述したように、大当たりの単位特別遊技(ラウンド)はラウンドNまで継続する(ステップS49)。始動入賞口12に遊技球が入賞すると(ステップS50でYes)、既保留球数確認手段48を構成するカウンタの値が1つ追加される(ステップS51)。そして、比較判断手段47の第2の比較判断手段47Bが、プラス10個という保留球制限数に達したか否かを判断する(ステップS52)。この結果、保留球制限数に達していない場合には(ステップS52でNo)、ステップS49に戻って、上述したように、そのまま、更に、ラウンドが継続する。反対に、保留球制限数に達した場合には(ステップS52でYes)、大入賞口駆動制御手段23は、アタッカーユニット14の大入賞口駆動源14aを駆動制御して大入賞口15の入口の開放を終了する(ステップS53)。これにより、当該大当たりは終了する(ステップS45)。
以上のように、本実施形態では、一律に固定ラウンド数(ラウンド15)までしか継続させなかった従来例に比べ、抽選結果如何により、大当たりがラウンドNまで相当多くのラウンド数継続する場合もあるので、遊技者から見て、大量出玉の遊技機となる場合もある。従って、遊技者の興奮度を著しく高めることができる場合がある。その分、当たる確率を低くすることも可能なので、大当たりの内容や確率の幅を広げる等バリエーションに富んだ制御が可能となる。
尚、上述した大当たり終了条件確認手段45がラウンド継続する保留球数を確認した結果(ステップS26、S46)、例えば、プラス5個と確認された場合には、ラウンド継続するのは保留球数がプラス5個までという内容で、ステップS27又はS47以後の処理が行われる。また、同様に、プラス3個と確認された場合には、ラウンド継続するのは保留球数がプラス3個までという内容で、ステップS27又はS47以後の処理が行われる。
前述した第1の実施形態では、保留球が大当たり始動時よりも所定個数増えた場合は勿論、ラウンド数の最大値(例えば、15ラウンド)に達した時も必ず終了するようにしたのに対し、この第2の実施形態では、保留球が大当たり始動時よりも所定個数増えたこと(保留球数)だけが大当たりの終了条件である、換言すれば、保留球が大当たり始動時よりも所定個数増えない限り、理論上は、大当たりが無限に継続する(保留球数だけが大当たりの終了条件である)。
而して、以上の第1及び第2の実施形態に対し、抽選により、保留球が大当たり始動時よりも所定個数増えたこと(保留球数)だけが大当たりの終了条件である場合と、保留球数に加え、例えば、ラウンド数の最大値(例えば、15ラウンド)に達したこと(ラウンド数)も大当たりの終了条件になる場合とに分かれる、即ち、抽選により大当たりの終了条件を異ならしめる例も考えられる。以下、かかる第3の実施形態について、図7を参照して述べる。
この第3の実施形態では、図2に示した大当たり終了条件抽選手段29は、特別遊技である大当たりをどのように終了させるか、即ち、大当たり終了条件の乱数抽選において、例えば、プラス3個、プラス5個、又はプラス10個というように、ラウンド継続する保留球数は何個かという条件に加えて、当該保留球数に達しなくても最大ラウンド数を制限するか否かという条件をも決定し、それらの結果を入賞球記憶手段28に格納しておく。また、図3のフローチャートにおいて、表示概要決定手段22の大当たり終了条件抽選手段29は、大当たり終了条件乱数を取得し(ステップS7)、この乱数により特別遊技である大当たりをどのように終了させるか、即ち、例えば、プラス3個、プラス5個、又はプラス10個というように、ラウンド継続する保留球数は何個か、に加えて当該保留球数に達しなくても最大ラウンド数を制限するか否かをも判定してその判定結果を入賞球記憶手段28に格納しておく。
かかる構成において、本実施形態における大当たり時のラウンド継続の制御方法(動作)では、図7に示すように、S51からS56までの処理は、S21からS26又はS41からS46までの処理と全く同様である。そして、ステップS56において、大当たり終了条件確認手段45が、入賞球記憶手段28に記憶されている大当たり終了条件となる(ラウンド継続する)保留球数を確認したら(ステップS56)、本実施形態では、続いて、大当たり終了条件確認手段45は、入賞球記憶手段28に記憶されているラウンド数制限の有無を確認する(ステップS57)。ラウンド数の制限があると確認された場合には(ステップS57でYes)、画像制御手段33のメッセージ選択・表示手段43は、保留球数がプラス10個にならない限り15ラウンドまで継続するという内容を表す所定のメッセージAを図柄表示装置11に表示し(ステップS58)、以後、S28からS34及びS25の処理(図4参照)と同様の処理がなされる。
一方、ステップS57において、大当たり終了条件確認手段45が入賞球記憶手段28に記憶されているラウンド数制限の有無を確認した結果、ラウンド数の制限が無いと確認された場合には(ステップS57でNo)、画像制御手段33のメッセージ選択・表示手段43は、ラウンド継続するのは保留球数がプラス10個までという内容を表す所定のメッセージBを図柄表示装置11に表示し(ステップS59)、以後、S48からS53及びS45の処理(図5参照)と同様の処理がなされる。
このように、本実施形態では、抽選により、保留球が大当たり始動時よりも所定個数増えたこと(保留球数)だけが大当たりの終了条件である場合と、保留球数に加え、例えば、ラウンド数の最大値(例えば、15ラウンド)に達したこと(ラウンド数)も大当たりの終了条件になる場合とに分かれる、即ち、抽選により大当たりの終了条件を異ならしめることができる。
抽選結果如何により、大当たりの単位特別遊技(ラウンド)は、ラウンド15まで最大で合計15回までしか継続しない場合と、大当たりがラウンドNまで相当多くのラウンド数継続して、大量出玉の遊技機となる場合とに分かれるので、バリエーションに富んだ制御が可能となり、遊技者は、更に、興趣性を高められる。
尚、以上の実施形態では、ラウンド継続する保留球数は、プラス3個、5個、10個の3つの場合について説明した。しかしながら、ラウンド継続する保留球数は、プラス3個、5個、10個等に限られず、表示可能な保留球数との関係で任意の整数個として良い。
また、特別遊技としての大当たりの終了条件を図柄表示装置11の液晶ディスプレイ上に言葉(文章)から成るメッセージとして表示したが、遊技者に報知する方法はこれに限られない。例えば、図柄表示装置11の液晶ディスプレイ上に、大きく数字を表示し、保留球が増えるとこの数字をカウントアップしていくことで遊技者に報知しても良い。また、例えば、あと何個というように、音声で遊技者に報知しても良い。
更にまた、上記のように大当たりの終了条件が異なる場合によって、例えば、図柄表示装置11に通常とは異なる文字や図柄を表示したり、遊技機盤面に設けられているランプを通常とは異なる方法で点滅させたり可動物を通常とは異なる方法で可動させ、あるいは遊技機盤面に設けられているスピーカから通常とは異なる音を出すことにより、その旨を遊技者に報知するように構成しても良いし、また、大入賞口15の入口を通常とは異なる変則的な開閉動作を行わせるように構成しても良い。また、大当たりの終了条件が異なる場合によって、例えば、図柄表示装置11の背景を変更することにより、その旨を遊技者に報知するように構成しても良い。また、役物と連動してその旨を遊技者に報知するように構成しても良い。また、例えば、図柄表示装置11に、保留球あと何個まで継続する等のプラカードを持ったキャラクタを表示することで、遊技者に報知するようにしても良い。以上のように構成することにより、さらに興趣性を高めることができる。