JP4434119B2 - 火花点火式直噴エンジン - Google Patents

火花点火式直噴エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP4434119B2
JP4434119B2 JP2005282874A JP2005282874A JP4434119B2 JP 4434119 B2 JP4434119 B2 JP 4434119B2 JP 2005282874 A JP2005282874 A JP 2005282874A JP 2005282874 A JP2005282874 A JP 2005282874A JP 4434119 B2 JP4434119 B2 JP 4434119B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
nozzle
fuel
fuel injection
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005282874A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007092632A (ja
Inventor
祐利 瀬戸
洋幸 山下
浩之 吉田
啓二 荒木
芳尚 乃生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2005282874A priority Critical patent/JP4434119B2/ja
Publication of JP2007092632A publication Critical patent/JP2007092632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4434119B2 publication Critical patent/JP4434119B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

本発明は、複数の噴口を有する燃料噴射弁を備えた火花点火式直噴エンジンに関するものである。
従来、点火プラグを備えるとともに、燃料を燃焼室内に直接供給する燃料噴射弁(インジェクタ)を備え、成層燃焼を行うことによって燃費改善を図るようにして火花点火式直噴エンジンが知られている。成層燃焼のために、燃料噴射弁の噴口を直接電極に指向させた場合は、電極に燃料が液滴となって付着し易く、着火性が悪化するという問題がある。このため、下記特許文献1に示すように、燃焼室周縁部に配設した燃料噴射弁を、例えば8つの噴口を有するマルチホール型として、そのうちの3つの噴口を、点火プラグの電極近傍の下方に指向された下側噴口、電極近傍で左方に指向された左側噴口、電極近傍で右方に指向された右側噴口として、この3つの噴口からの燃料噴霧によって電極近傍に濃混合気層を形成する成層化を得るようにしたものが開示されている。
また、特許文献1には、上記3つの噴口以外の5つの噴口を、均一燃焼のために、電極から離れた部分となるピストン頂面に指向させたものが開示されている。そして、特許文献1のものでは、燃料噴射弁の軸心にもっとも近い軸心を有する噴口が、ピストン側が噴口のうち下側噴口の真下方向に位置される噴口となるように設定されたものが開示されている。
また、特許文献1には、さらに次のような技術内容も開示されている。すなわち、エンジンの低回転・低負荷域となる所定運転領域において、成層燃焼のために、圧縮行程途中で燃料噴射を行って電極周りにリッチな混合気を生成する一方、その他の運転領域では吸気行程中に燃料噴射を行って均一燃焼を行うことが開示されている。また、複数の噴口から噴射された燃料噴霧同士の相互干渉効果を利用して、点火プラグの電極周りに効果的にリッチとすることも提案されている。効果25度の範囲に設定すること、が開示されている。なお、下記特許文献2にも、前述した特許文献1での開示事項とほぼ同様のことが開示されている。
特開2005−98119号公報 特開2005−98121号公報
ところで、前述した特許文献1に記載のように、成層燃焼のために、燃料噴射弁の噴口を電極近傍に指向させた場合、電極近傍の下方に指向される下側噴口からの燃料噴霧がもっとも重要となる。この下側噴口からの燃料噴霧が、電極から上下方向(気筒軸線方向)に大きく位置ずれしてしまうことは、電極周りに適正な濃混合気層を形成する上で問題となる。
一方、燃料噴射弁は製造誤差を有するものであり、例えば燃料噴射弁の軸心と各噴口の軸心との間の開き角等に若干の製造誤差を有するものである。また燃料噴射弁のエンジン(のシリンダヘッド)への組付誤差の発生という事態を生じやすいものであり、特に燃料噴射弁の周方向(軸心回り)の若干の組付誤差というものが現状では避けられないものである。このように、燃料噴射弁の周方向の組付誤差を生じると、燃料噴射弁の軸心と下側噴口との軸心との開き角が存在する以上、この開き角の誤差に加えた周方向での取付角度の誤差が重なって、下側噴口と電極との上下方向距離がずれる原因となり、この点においてなんらかの対策が望まれることになる。
本発明は、以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、電極近傍の下方に指向される下側噴口が電極に対して上下方向に大きく位置ずれしてしまう事態を抑制できるようにした火花点火式直噴エンジンを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
複数の噴口を有するマルチホール型の燃料噴射弁が、燃焼室の周縁部に配設され、
前記複数の噴口として、燃焼室の中央部付近に配設された点火プラグの電極近傍の下側に指向された下側噴口と、該電極近傍の左側に指向された左側噴口と、該電極近傍の右側に指向された右側噴口と、それぞれ電極から遠い部分となるピストン頂面方向に指向された複数のピストン側噴口と、が設定された火花点火式直噴エンジンにおいて、
前記各噴口の軸心のうち前記下側噴口の軸心が、燃料噴射弁の軸心に対してもっとも近い位置となるように設定され、
前記燃料噴射弁が、吸気弁を挟んで排気弁とは反対側となる位置に配設され、
燃焼室の天井壁面が、気筒軸心と直交する所定平面に対してそれぞれ傾斜された2つの傾斜面を有するペントルーフ型とされ、
2つの傾斜面の一方に吸気弁が配設されると共に、他方に排気弁が配設され、 前記2つの傾斜面のうち前記一方の傾斜面の前記所定平面に対する傾斜角度が、前記他方の傾斜面の前記所定平面に対する傾斜角度よりも小さく設定され、
前記燃料噴射弁の軸心と下側噴口の軸心とが略同一となるように設定されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、燃料噴射弁を正規の組付位置からその軸心回りに若干回動させたとき、各噴口の軸心のうち燃料噴射弁の軸心と離れた軸心ほど上下方向の距離変動が大きいものとなり、逆に、各噴口の軸心のうち燃料噴射弁の軸心に近い軸心ほど上下方向の距離変動が小さいものとなる。本発明では、上述のように、成層化の上でもっとも重要となる下側噴口の軸心を、他の噴口の軸心よりも燃料噴射弁の軸心に近い位置となるように設定してあるので、下側噴口の軸心は電極との間の上下方向距離の変動幅がもっとも小さいものとなる。これにより、常に適正に電極周りに濃混合気層を形成する成層化を得る上で好ましいものとなる(成層ロバスト性の向上あるいは確保)。また、特に自動車用エンジンとして広く普及しているペントルーフ型の燃焼室を有するエンジンに本発明を適用する上で好ましいものとなる。さらに、燃料噴射弁が周方向の組付誤差を生じても、下側噴口の軸心と電極との間の上下方向距離を殆ど一定値のままとすることができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項4に記載のとおりである。すなわち、
前記燃料噴射弁が、吸気弁を挟んで排気弁とは反対側となる位置に配設され、
燃焼室天井壁面のうち、吸気弁側の天井壁面の傾斜角度が排気弁側の天井壁面の傾斜角度よりも小さくなるように設定されている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、燃料噴射弁を配設するスペース、特に気筒軸線方向のスペースを十分に確保して、燃料噴射弁の設置傾斜角度を浅くして(燃料噴射弁の軸心が気筒軸線と直交する平面に対してなす角度を小さくして)、下側噴口の軸心と燃料噴射弁の軸心との開き角を極力小さくすることが可能となり、燃料噴射弁の周方向の組付誤差によって生じる下側噴口の軸心と電極との間の上下方向距離の変動をより一層小さくする上で好ましいものとなる。また、燃料噴射弁の設置スペースを大きく確保できるということは、燃料噴射弁の周囲にエンジンの冷却水通路を形成することを可能として、燃料噴射弁の冷却や吸入空気の冷却の上で好でもましいものとなる。
1つの燃焼室に対して、2つの吸気弁が設けられ、
前記点火プラグが燃焼室の略中心に配設され、
前記燃料噴射弁が、前記2つの吸気弁の間に配設されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、特に自動車用エンジンとして広く普及している吸気2弁式のエンジンに本発明を適用する上で好ましいものとなる。また、燃料噴射弁を、2つの吸気弁の間という大きな空間を有効に利用して配設することができる。
前記燃料噴射弁が、該燃料噴射弁の軸心と交差する方向に伸びると共に通電用接続端子が接続される突起部を有し、
前記燃料噴射弁の突起部が、シリンダヘッドに形成された一対の位置決め部の間に挟み込まれた状態で配設されることにより、該燃料噴射弁がその軸心回りに回動するのが規制されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、燃料噴射弁が有する通電用の接続端子部分となる突起部を有効に利用して、燃料噴射弁の周方向の位置決めを簡単かつ精度よく行うことができる。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項5に記載のように、
複数の噴口を有するマルチホール型の燃料噴射弁が、燃焼室の周縁部に配設され、
前記複数の噴口として、燃焼室の中央部付近に配設された点火プラグの電極近傍の下側に指向された下側噴口と、該電極近傍の左側に指向された左側噴口と、該電極近傍の右側に指向された右側噴口と、それぞれ電極から遠い部分となるピストン頂面方向に指向された複数のピストン側噴口と、が設定された火花点火式直噴エンジンにおいて、
前記各噴口の軸心のうち前記下側噴口の軸心が、燃料噴射弁の軸心に対してもっとも近い位置となるように設定され、
前記下側噴口、左側噴口および右側噴口の各噴口から前記電極までの距離が、20mm以上に設定され、
前記下側噴口の軸心と前記左側噴口の軸心とのなす開き角が20度以内に設定されて、該下側噴口からの燃料噴霧と該左側噴口からの燃料噴霧とが相互干渉効果によって互いに連続したものとなるように設定され、
前記下側噴口の軸心と前記右側噴口の軸心とのなす開き角が20度以内に設定されて、該下側噴口からの燃料噴霧と該右側噴口からの燃料噴霧とが相互干渉効果によって互いに連続したものとなるように設定され、
前記下側噴口からの燃料噴霧のペネトレーションが、前記左側噴口および右側噴口からの各燃料噴霧のペネトレーションよりも大きくなるように設定されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、電極周りでの成層化状態が、燃料噴射弁から電極を見たときに、濃混合気が略V字形状でもって電極の下方および左右側方を囲んだ状態となって、成層化状態として極めて好ましい状態が得られる。また、下側噴口からの燃料噴霧のペネトレーションを、左側噴口および右側噴口のペネトレーションよりも大きく設定することにより、相互干渉効果によって下側噴口からの燃料噴霧が不必要に大きく電極に接近する側に引き寄せられてしまうのを防止する上で好ましいものとなる。
上記第2の解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項6に記載のとおりである。すなわち、
前記複数のピストン側噴口のうち前記下側噴口ともっとも近い位置関係にある特定のピストン側噴口の軸心が、該下側噴口の軸心の軸心に対して25度以上の開き角となるように設定されている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、下側噴口からの燃料噴霧とピストン側噴口からの燃料噴霧との間で相互干渉効果が生じるのを防止して、下側噴口から燃料噴霧の実質的な軸心が不必要に電極から離れる方向に移動してしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
本発明によれば、電極近傍の下方に指向される下側噴口が電極に対して上下方向に大きく位置ずれしてしまう事態を抑制することができる。
図1は、火花点火式直噴エンジン1を示し、このエンジン1は、紙面直角方向に直列に複数の気筒2を有する直列多気筒(実施形態では4気筒)エンジンとされている(図1では1つの気筒のみが示される)。各気筒2は、シリンダブロック3と、このシリンダブロック3上に配置されたシリンダヘッド4とを有しており、気筒2内にはピストン5が上下方向に往復動可能に嵌挿されている。このピストン5とシリンダヘッド4との間の気筒2内には燃焼室6が区画されている。燃焼室6は、気筒2の天井部における略中央部からシリンダヘッド4の下端面付近まで延びる2つの傾斜面を有するいわゆるペントルーフ型燃焼室とされている。
シリンダヘッド4には、図2に示すように、2つの吸気ポート10(2つの吸気ポートを区別するときは符合10A、10Bでもって示すこととする)と、2つの排気ポート11とが形成されている(図1ではいずれも1つのみ開示)。この2つの吸気ポート10は、その各一端が各気筒2天井部における傾斜面の一方から燃焼室6に開口され、その各他端側が燃焼室6から斜め上方に延びて、エンジン1の一側面(図1中右側面)に互いに独立して開口されている。各吸気ポート10の燃焼室6側の開口端には、それぞれ所定のタイミングで開閉作動される吸気弁12が配置されている(図1ではいずれも1つのみ開示)。2つの排気ポート11には、その各一端が各気筒2の天井部における傾斜面の他方から燃焼室6に開口され、その各他端側は、途中で1つに合流した後略水平に延びてエンジン1の他端面(図1中左側面)に開口されている。各排気ポート11の燃焼室6側の開口端には、それぞれ所定のタイミングで開閉作動される排気弁13が配置されている(図1ではいずれも1つのみ開示)
各吸気ポート10には、吸気通路30が接続されている。この吸気通路30には、それぞれ図示を略すが、その上流側から下流側へ順次、エアクリーナ、吸入空気量センサ、スロットル弁、サージタンク等が配設されている。なお、上記スロットル弁は、実施形態では、アクセルペダルとは機械的な連係が遮断されて、アクセル開度に応じて電子的にその開度が変更制御されるようになっている。また、上記サージタンクは、各気筒毎に対して個々独立した独立分岐管によって接続されている(図2で示す吸気通路30はこの独立分岐管が示される)。
各排気ポート11には、排気通路31が接続されている。この排気通路31には、それぞれ図示を略すが、その上流側から下流側へ順次、リニア酸素センサ、三元触媒、NOx吸収剤が配設されている。なお、上記リニア酸素センサは、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出するために用いられるもので、理論空燃比を含む所定範囲において酸素濃度に対してリニアな出力が得られるようになっている。また、NOx吸収剤は、排気中の酸素濃度の高い雰囲気でNOxを吸収する一方、酸素濃度の低下に伴い吸収したNOxを放出し、その放出NOxを排気中のHC、CO等により還元浄化するNOx吸収還元タイプのものとされている。
燃焼室6の上部には、4つの吸排気ポート10,11(4つの吸排気弁12、13)に囲まれた燃焼室6の略中心に、点火プラグ16が配設されている(図2をも参照)。この点火プラグ16の先端の電極は、燃焼室6の天井部から所定距離だけ突出した位置にある。また、燃焼室6の周縁部には、2つの吸気ポート10間で、その各吸気ポート10下方において、燃料噴射弁18が配設されている。この燃料噴射弁18は、複数の噴口、具体的には6つの噴口を備えたマルチホール型の燃料噴射弁とされている。各噴口は、当該各噴口から噴射される燃料噴霧が後述するよう点火プラグ16の電極近傍及びピストン5上方側に指向するよう、その燃料噴射弁18の燃料噴射方向が設定されている。
図2において、一方の吸気ポート10Aに関連して、スワール弁40が設けられている。すなわち、2つの吸気ポート10Aと10Bとは、シリンダヘッド4内において隔壁4aによって互いに個々独立されている一方、吸気通路30の下流端部(独立分岐管の下流端部)には、隔壁4aに連なる隔壁30aが形成されて、2つの吸気ポート10Aと10Bとは、燃焼室6側から上流側に向けて所定距離だけ互いに独立した通路となるように構成されている。そして、隔壁30aには、一方の吸気ポート10Aの開度変更を行うスワール弁40が配設され、このスワール弁40の駆動が電磁式のアクチュエータ40aによって行われる。これにより、スワール弁40を全開としたときは、2つの吸気ポート10A、10Bからほど同量の吸気が導入されて、燃焼室6内でのスワールの生成は実質的に行われないことになる。スワール弁40を全閉とすることにより、他方の吸気ポート10Bからのみ燃焼室6内に吸気が供給されて、燃焼室6内には図2矢印で示すように吸気のスワールが生成されることになる。スワール弁40の開度を調整することにより、スワールの強さが変更される。
図3に示すように、燃料噴射弁18の基端部には、全気筒2に共通の燃料分配管19が接続されており、その燃料分配管19は、燃料供給系20から供給される高圧の燃料を各気筒2に分配供給するようになっている。この燃料供給系20は、燃料分配管19と燃料タンク21とを接続する燃料通路22を有し、この燃料通路22には、その上流側から下流側に向けて順次、低圧燃料ポンプ23、低圧レギュレータ24、燃料フィルタ25、高圧燃料ポンプ26及び燃圧を調節可能とされる高圧レギュレータ27が接続されている。高圧燃料ポンプ26及び高圧レギュレータ27は、リターン通路29により燃料タンク21側に接続されている。なお、符合28は、燃料タンク21側に戻す燃料の圧力状態を整える低圧レギュレータである。これにより、低圧燃料ポンプ23により燃料タンク21から吸い上げられた燃料は、低圧レギュレータ24により調圧された後、燃料フィルタ25を介して高圧燃料ポンプ26に圧送される。そして、高圧燃料ポンプ26によって昇圧した燃料の一部を高圧レギュレータ27により流量調節しながらリターン通路29によって燃料タンク21側に戻すことで、燃料分配管19へ供給する燃料の圧力状態を適正値、例えば、12MPa〜20MPaに調整する。
図4には、エンジン1を制御するための制御系統が示される。この図4において、50は、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)である。このコントローラ50によって、点火回路17(点火時期制御用)、燃料噴射弁18(燃料噴射量および燃料噴射タイミング制御用)、燃料供給系20の高圧レギュレータ27(燃圧調整用)、スワール弁40(のアクチュエータ40a)が制御される他、前述した吸気通路30に配設された電子制御式のスロットル弁も制御される。このコントローラ50には、エンジン回転数センサS1からのエンジン回転数信号、アクセル開度センサS2からのアクセル開度信号、温度センサS3からのエンジン冷却水温度信号が、クランク角センサS4からのクランク角信号等が入力される。
次に、コントローラ50による制御の内容について説明する。
1.燃料噴射制御
燃料噴射制御は、エンジン温度に応じて燃料噴射制御マップが切換えられ、その切換えられたマップに従ってその制御が行われる。燃料噴射制御マップは、エンジン温度が所定値(例えば80度C)以上の温間時は、図5に示す温間時のマップが選択される。温間時のマップは、エンジンの運転状態が低負荷・低回転の所定運転領域にある時、成層燃焼領域とされ、その他の運転領域では均一燃焼領域とされる。また、冷間時の燃料噴射制御マップは、図示を略すが、全ての運転領域において均一燃焼領域とされる。
成層燃焼領域では、燃料噴射弁18による燃料噴射時期を圧縮行程の所定時期、例えば、一括噴射の場合、圧縮上死点前(BTDC)0°〜60°の範囲に燃料を噴射させて、点火プラグ16の近傍に混合気が層状に偏在する状態で燃焼させる成層燃焼が行われる。この成層燃焼領域では、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーン側になるように、燃料噴射量やスロットル開度が制御される。また、成層燃焼領域以外の領域は、均一燃焼領域とされており、吸気行程において燃料噴射弁18から燃料を噴射させて吸気と十分に混合し、燃焼室6内に均一な混合気を形成した上で燃焼させる均一燃焼が行われる。この均一燃焼領域では、大部分の運転領域で混合気の空燃比が略理論空燃比(A/F≒14.7)になるように、燃料噴射量やスロットル開度が制御されるが、全負荷運転状態では、空燃比を理論空燃比よりもリッチな空燃比(A/F=13程度)に制御して、高負荷に対応した大出力が得られるようになっている。なお、エンジン冷間時は、前述したように、全運転領域において均一燃焼が行われる(空燃比は理論空燃比あるいはそれよりもリッチ)。
また、上記低回転・低負荷域となる所定運転領域での高負荷域では、図7に示すように、例えば2段階での分割噴射が実行される。図7に示す分割噴射では、遅い時期に燃料噴射が行われる後段噴射の開始は、例えばBTDC30度〜40度の範囲に設定され、早い時期に燃料噴射が行われる前段噴射は、後段噴射時期よりも例えばクランク角で40度程度早い時期に噴射が開始される。上記所定運転領域での高負荷域において、要求される燃料噴射量のうち、後段噴射で噴射される燃料量はほぼ一定量とされて、燃料噴射量の変更は、前段噴射での燃料噴射量の変更によって行われる。
2.燃圧制御
燃圧制御は、エンジン温度に応じて燃圧制御マップが切換えられ、その切換えられたマップに従ってその制御が行われる。燃圧制御マップは、エンジン温度が所定値(例えば、80度)以上の温間時は、図6に示す温間時のマップが選択される。この図6のマップでは、成層燃焼領域では、エンジン回転数の増大に応じて燃圧が徐々に大きくなるように変化され(最低燃圧a1が例えば12MPaとされ、最高燃圧a2が例えば20MPaとされる)。また、均一燃焼領域では、常時、成層燃焼領域での最高燃圧a2という一定値とされて、エンジン回転数上昇に伴う燃圧上昇が抑制された状態となる。なお、エンジン温度が所定値よりも低い冷間時は、常時、成層燃焼領域での最高燃圧a2に相当する燃圧とされる。また、エンジン始動時の燃圧は、高圧燃料ポンプ26がカム軸によって駆動される関係で燃圧が十分に上がらないことから、例えば、0.5MPa程度になっている。
3.スワール制御
エンジン低回転・低負荷域となる所定運転領域では、スワール弁40が開かれて、燃焼室6内に吸気のスワールが生成される。この場合、スワール弁40の開度は、上記所定運転領域においては、エンジン負荷の大小にかかわらず例えば常に全閉としてもよいが、低負荷域では開度が大きくされ(全開に近い)、エンジン負荷の増大に伴って徐々に開度が小さくされ、高負荷域で全閉となるように設定することもできる。
次に、図8〜図11を参照しつつ、燃料噴射弁18の各噴口について詳述する。まず、図8〜図10は、燃料噴射弁18の各噴口から噴射された燃料噴霧の状態を互いに異なる方向から見た状態を示すものである。また、図11は、マルチホール型の燃料噴射弁18の軸心を中心に燃料噴射方向先端側を見た時の軸心に対する各噴口の軸心との三次元傾斜角を模式的に示した図である。
図11において、LBはマルチホール型の燃料噴射弁18の軸心、L1ないしL6は第1噴口〜第6噴口の各軸心、A1〜A6は第1噴口〜第6噴口から噴射された燃料の噴霧角、Eは点火プラグの電極を示している。全噴口の噴口径は同一とされており、例えば、0.15mmに設定されている。ピストン軸線方向から見たとき、点火プラグ16の電極Eを通る気筒2の直径方向延長線上に、燃料噴射弁18の軸線LBが位置するように、燃料噴射弁18が配設されている。図11において、軸心LBを中心とする径方向の目盛りは、1目盛りが5度の開き角を示しており、また、軸心LBを中心とする周方向の目盛りは、1目盛りが15度の開き角を示している。
各噴口の軸心の位置関係について説明すると、まず、点火プラグ16の電極E周りに濃混合気を成層化するための噴口が、第1噴口〜第3噴口とされている。この第1噴口は下側噴口となるもので、その軸心L1は、軸心LBから電極E近傍で下方の所定位置に指向するよう配置されている。なお、第1噴口の軸心L1、噴霧角A1は、2つの吸気弁12の最大リフト位置の間に位置、つまり、吸気弁の可動範囲外に位置されている。また、第2噴口は、左側噴口となるもので、その軸心L2は、軸心LBから電極E近傍で側方(図中左側)の所定位置に指向するよう配置されている。さらに、第3噴口は右側噴口となるもので、その軸心L3は、軸心LBから電極E近傍で側方(図中右側)の所定位置に指向するよう配置されている。なお、第2噴口の軸心L2、噴霧角A2、第3噴口の軸心L3、噴霧角A3は、ともに吸気弁12の最大リフト位置の可動範囲内に位置されている。このように、第1噴口と第2噴口と第3噴口との各軸心は、電極Eの近傍を指向しつつ、しかも下方および左右側方から電極Eを取り囲むように設定されている。
第4噴口〜第6噴口は、それぞれピストン側噴口となるもので、電極E近傍以外となるピストン頂面に向けて燃料噴射を行うものである。第4噴口の軸心L4は、軸心LBからピストン側(図中下方側)でピストン下死点位置よりも上方側の所定位置(図中左側)に指向するよう配置されている。第5噴口の軸心L5は、軸心LBからピストン側(図中下方側)で、ピストン下死点位置よりも上方側の所定位置(図中センター位置で、第1噴口の軸心L1の真下位置)に指向するよう配置されている。第6噴口の軸心L6は、軸心LBからピストン側(図中下方側)でピストン下死点位置よりも上方側の所定位置(図中右側)に指向するよう配置されている。なお、全噴口から噴射された全体の燃料噴霧は、軸心LBを中心とする70°以下の円錐空間内に収まるように設定されている。
電極E周りに燃料噴霧を噴射する3つの噴口、つまり下側噴口、左側噴口、右側噴口のうち、下側噴口の燃料噴霧のペネトレーションが左側噴口と右側噴口からのペネトレーションよりも大きくなるように、下側噴口の軸長が左側噴口の軸長および右側噴口の軸長よりも長く設定されている。なお、電極E周り以外に燃料噴霧を噴射する各ピストン側噴口の軸長は、左側噴口の軸長および右側噴口の軸長と同一に設定されている。以上に加えて、全噴口のうち下側噴口の軸心L1が、燃料噴射弁18の軸心LBにもっとも近い位置となるように設定されており、しかも軸心L1の軸心LBに対する開き角も、他の噴口における軸心L2〜L6の軸心LBに対する開き角よりも小さくなるように設定されている。
以上説明したように、点火プラグの電極Eの下方及び両側方に、第1噴口〜第3噴口の軸心L1〜L3が配置されているため、成層燃焼時、点火プラグの電極E近傍に微粒化された混合気を集めることができ、着火性を向上することができる。また、軸心LBよりもピストン側に第4噴口〜第6噴口の軸心L4〜L6が配置されているため、燃焼室6全体に混合気を存在させることができ、均一燃焼時における混合気の均質化を向上することができる。また、第1噴口と第4噴口〜第6噴口の各軸心L1、L4〜L6は、吸気弁12の可動範囲外に配置されるため、多噴口としながらも大半の噴口を吸気弁12の可動範囲外に配置でき、各噴口から噴射される燃料噴霧が吸気弁12に衝突することを抑制することができる。
ここで、点火プラグの電極E近傍に配置される第1噴口〜第3噴口の各軸心L1〜L3とは、相互干渉効果を得るために、次のような関係に設定されている。すなわち、第1噴口〜第3噴口(第4噴口〜第6噴口についても同じ)は、電極Eに対して20mm以上離間した距離とされている。また、第1噴口の軸心L1と第2噴口の軸心L2との開き角が15度〜25度の範囲(実施形態では20度)となるように設定され、かつ、第1噴口の軸心L1と第3噴口の軸心L3との開き角が15度〜25度の範囲(実施形態では20度)となるように設定されている。これにより、第1噴口からの燃料噴霧と第2噴口からの燃料噴霧とが相互干渉効果によって電極E近傍で互いに連続したものとなり、同様に、第1噴口からの燃料噴霧と第3噴口からの燃料噴霧とが相互干渉効果によって電極E近傍で互いに連続したものとなる。この相互干渉効果が得られた状態では、図11において、電極E近傍において、軸心L1からL2に向けて伸びる連続した燃料噴霧が生成され、かつ軸心L1から軸心L3に向けて伸びる連続した燃料噴霧が生成されることになる(図11において連続した燃料噴霧の形状が略V字形状となる)。下側噴口からの燃料噴霧のペネトレーションが、左側噴口および右側噴口からの燃料噴霧のペネトレーションよりも大きくなるように設定されているので、相互干渉効果によって、軸心L1が電極Eに対して下方から接近する方向へと大きく移動されてしまう事態が防止あるいは抑制されることになる。
ここで、エンジン低回転・低負荷域での高負荷域では、筒内圧力が大きくなるため、各噴口から噴射された燃料噴霧のペネトレーションが小さくなる。このペネトレーションが小さくなるということは、特に成層化に関連した第1噴口〜第3噴口から噴射された燃料噴霧が、電極Eを通りすぎて反対側のシリンダ壁に向かう割合が減少して、電極E付近に留まる割合が大きくなることを意味する。したがって、成層化を行う所定運転領域において、特に所定運転領域の高負荷域において、スワールを生成することにより、電極E周りの濃混合気層が、気筒軸線方向から見たとき、電極Eを通って燃料噴射弁の軸心と直交する方向のうち、スワールに乗る側に移動、拡散されるので、この高負荷域において電極E周りが過度にリッチになりすぎるのを防止する上で好ましいものとなる。
上述した電極E周りでの過度なリッチ化防止のために、前述のように、スワール生成が行われると共に、圧縮行程中での分割噴射が実行される。スワール生成により、電極Eを取り囲んでいた濃混合気層は、図13に示すような状態に変化される。すなわち、スワールの勢いによって、濃混合気層は、全体的に電極Eからシリンダ壁面方向へと移動されて、電極E周辺のうち、濃混合気層の移動方向とは反対側には濃混合気層が位置されない状態となる。これにより、初期燃焼割合が低減されて、燃費向上となる。とりわけ、エンジン低回転・低負荷域での低負荷域から、エンジン負荷の増大に伴って徐々にスワールの強さを強くする(スワール弁の開度をエンジン負荷の増大に応じて徐々に小さくする)ことにより、燃料噴射量の増大に応じた適切な強さのスワールとして、電極E周りに生成される濃混合気層を、着火性を確保しつつ燃費向上を図ることのできる最適な状態に設定することができる。
以上に加えて、前述した分割噴射を行うことによって、一括噴射(例えば図7後段噴射時期で全ての燃料噴射量を実行する噴射)を行う場合に比して、電極E周りの濃混合気層生成をより一層促進することができる。すなわち、同じ量の燃料噴射を行う場合であっても、分割噴射の場合は、前段噴射された分の燃料噴霧は、電極Eへの通電(点火)実行までの期間に燃焼室6内においてかなりの割合が拡散されてしまい、電極E周りでの濃混合気層生成には殆ど寄与しないこととなる(後段噴射された燃料噴霧のみが実質的に電極E周りでの濃混合気層生成に寄与する)。エンジン低回転・低負荷域となる所定運転領域での電極E周りの混合気濃度は、該所定運転領域での低負荷域での電極E周りの混合気濃度とほぼ同程度となるように設定するのが好ましいものである。
図12,図13は、燃料噴射弁18のシリンダヘッド4に対する取付例を示すものである。図中、45はシリンダヘッド4に形成された取付孔であり、図12では、取付孔45がシリンダヘッド4の外部への開口端面に開口されている様子が示される。シリンダヘッド4の外側端面には、取付孔45の周縁部において、2つの位置決め用の突起部4c、4dが形成されている。この2つの突起部4cと4dとの間の距離(相対向する面の間の距離)は、所定寸法となるように精度よく仕上げられている。
燃料噴射弁18は、前記取付孔45にがたつきなく挿入される筒部18cと、筒部18cの基端部からほぼ径方向に伸びる突起部18dとを有し、この突起部18dの先端部が、外部からの通電用のカプラが着脱自在に接続される接続端子部18eとされている。なお、実施形態では、筒部18cと突起部18dとが一体成形されているが(電気的接続部分は除く)、突起部18dを筒部18cとは別体に形成して、後に互いに周方向および筒部18cの軸線方向に移動しないように規制された状態で一体に組付するようにしてもよい。
燃料噴射弁18のシリンダヘッド4に対する取付けは、その筒部18cを所定深さまで取付孔45に挿入することにより行われる。このとき、燃料噴射弁18の突起部18cが、シリンダヘッド4に形成された一対の突起部4cと4dとの間に位置される(挟まれる)。燃料噴射弁18のc突起部18cの幅は、一対の突起部4cと4dとの間の寸法に対応して精度よく仕上げられて、突起部18cが、一対の突起部4cと4dとの間にがたつきなく挿入される状態とされる(この状態が図13の状態である)。そして、図13の取付状態においては、各噴口の電極Eに対する位置関係が図11の状態となるように設定されている。このように、燃料噴射弁18の突起部18cは、シリンダヘッド4に形成された一対の突起部4c、4dと共に、燃料噴射弁18を所定の取付角度(回動角度)でもってシリンダヘッド4に取付けるための位置決め(用の治具)の機能をも果たすようになっている。前述したように、下側噴口の軸心L1が燃料噴射弁18の軸心LBにもっとも近い位置にあるため、燃料噴射弁18をエンジンへの取付状態からその周方向に回動させたときに、軸心L1の電極Eに対する上下方向の距離の変動量が、他の軸心L2〜L6に比して軸心L1がもっとも小さいものとなる。すなわち、軸心L1と電極Eとの上下方向距離が極力一定値となるようにする上で好ましい設定となっている。
図14は、本発明の別の実施形態を示すものであり、前記実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する。本実施形態では、燃焼室天井壁面となるシリンダヘッド4の内面に、図1の場合と同様に2つの傾斜面が形成されているが、吸気弁側の傾斜面の傾斜角度(気筒軸線方向と直交する平面となす角度)が、排気弁側の傾斜面の傾斜角度よりも十分に小さく(浅く)なるように形成されている。これにより、シリンダヘッド4のうち、吸気弁側の端面付近に設定される燃料噴射弁18の取付スペースとして、燃焼室内において上下方向(気筒軸線方向)にかなり長く伸びる縦面4eを確保することが可能となる。燃料噴射弁18は、その軸心が縦面4eと略直交するように、つまり気筒軸線に対して略直交するように配設されている(燃料噴射弁18の設置傾斜角度が小さくされている)。そして、燃料噴射弁18の軸心と、下側噴口の軸心L1とが略一致するように設定されている(実施形態では両軸心が完全一致)。このように、燃料噴射弁18の軸心と下側噴口の軸心L1とが略一致しているということは、燃料噴射弁18のシリンダヘッド4に対する取付完了状態において、燃料噴射弁18が周方向に大きく回動されたとしても、下側噴口の軸心L1と電極Eとの上下方向距離が殆ど変化しないことになる。
また、図14の実施形態では、シリンダヘッド4には、燃料噴射弁18の周囲において余裕スペースが十分に確保されているので、燃料噴射弁18と吸気ポート10との間において、冷却水通路(ウオータジャケット)37が形成されている。この冷却水通路37によって、シリンダヘッド4そのものの冷却は勿論のこと、燃料噴射弁18の冷却や吸気ポート10を流れる吸入空気を冷却することが可能となる。
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、特許請求の範囲に記載された範囲において種々の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。燃料噴射弁18の噴口の数は、5あるいは7以上であってもよい。1つの気筒について、吸気ポート(切換弁)の数は1あるいは3以上であってもよい。電極E周りの濃混合気層生成を抑制するために、スワール生成と圧縮行程での分割噴射との両方を行うことなく、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。ペネトレーションの強さを変更するのに、噴口の軸長を変更する場合に限らず、噴口の口径を変更することにより行うこともできる。図1に示すようなペントルーフ型の燃焼室形状を有するエンジンにおいて、吸気弁側の傾斜面の傾斜角度を、図1に示す場合よりもより一層小さく設定する(排気弁側の傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定する)ようにしてもよい(図14の実施形態により近い燃焼室形状とする)。勿論、本発明の目的として、実質的に好ましいあるいは利点として表現された発明を提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明が適用されたエンジンの一例を示す要部側面断面図。 スワール生成部分を含む燃焼室付近の簡略平面図。 燃料系統例を示す系統図。 制御系統例をブロック図的に示す図。 成層燃焼領域と均一燃焼領域との設定例を示す図。 エンジン回転数変化に応じた燃圧変化の設定例を示す図。 分割噴射の一例を示す図。 複数噴口から噴射される燃料噴霧の状態を示す斜視図。 複数噴口から噴射される燃料噴霧の状態を示す側方から見た図。 複数噴口から噴射される燃料噴霧の状態を示す燃料噴射弁の反対側から見た図。 複数噴口の設定例の詳細を示すもので、燃料噴射弁の軸心方向から見たときの図。 シリンダヘッドに対する燃料噴射弁の取付例を示すもので、取付直前の状態を示す斜視図。 シリンダヘッドに対する燃料噴射弁の取付例を示すもので、取付完了状態を示す斜視図。 本発明の別の実施形態を示すもので、図1に対応した断面図。
1:エンジン
4:シリンダヘッド
4c、4d:突起部(燃料噴射弁の回り止め用)
6:燃焼室
10(10A、10B):吸気ポート
12:吸気弁
16:点火フプラグ
18:燃料噴射弁
18c:筒部
18d:突起部
18e:(通電用の)接続部
27:高圧レギュレータ(燃圧調整手段)
40:スワール弁(スワール生成手段)
50:コントローラ(燃料噴射時期制御手段)
E:点火プラグの電極
LB:燃料噴射弁の軸心
L1:第1噴口(下側噴口)の軸心
L2:第2噴口(左側噴口)の軸心
L3:第3噴口(右側噴口)の軸心
L4〜L6:ピストン側噴口
A1:第1噴口から噴射された燃料の噴霧角
A2:第2噴口から噴射された燃料の噴霧角
A3:第3噴口から噴射された燃料の噴霧角


Claims (6)

  1. 複数の噴口を有するマルチホール型の燃料噴射弁が、燃焼室の周縁部に配設され、
    前記複数の噴口として、燃焼室の中央部付近に配設された点火プラグの電極近傍の下側に指向された下側噴口と、該電極近傍の左側に指向された左側噴口と、該電極近傍の右側に指向された右側噴口と、それぞれ電極から遠い部分となるピストン頂面方向に指向された複数のピストン側噴口と、が設定された火花点火式直噴エンジンにおいて、
    前記各噴口の軸心のうち前記下側噴口の軸心が、燃料噴射弁の軸心に対してもっとも近い位置となるように設定され、
    前記燃料噴射弁が、吸気弁を挟んで排気弁とは反対側となる位置に配設され、
    燃焼室の天井壁面が、気筒軸心と直交する所定平面に対してそれぞれ傾斜された2つの傾斜面を有するペントルーフ型とされ、
    2つの傾斜面の一方に吸気弁が配設されると共に、他方に排気弁が配設され、 前記2つの傾斜面のうち前記一方の傾斜面の前記所定平面に対する傾斜角度が、前記他方の傾斜面の前記所定平面に対する傾斜角度よりも小さく設定され、
    前記燃料噴射弁の軸心と下側噴口の軸心とが略同一となるように設定されている、
    ことを特徴とする火花点火式直噴エンジン。
  2. 請求項1において、
    前記燃料噴射弁が、吸気弁を挟んで排気弁とは反対側となる位置に配設され、
    燃焼室天井壁面のうち、吸気弁側の天井壁面の傾斜角度が排気弁側の天井壁面の傾斜角度よりも小さくなるように設定されている、
    ことを特徴とする火花点火式直噴エンジン。
  3. 請求項1において、
    1つの燃焼室に対して、2つの吸気弁が設けられ、
    前記点火プラグが燃焼室の略中心に配設され、
    前記燃料噴射弁が、前記2つの吸気弁の間に配設されている、
    ことを特徴とする火花点火式直噴エンジン。
  4. 請求項1において、
    前記燃料噴射弁が、該燃料噴射弁の軸心と交差する方向に伸びると共に通電用接続端子が接続される突起部を有し、
    前記燃料噴射弁の突起部が、シリンダヘッドに形成された一対の位置決め部の間に挟み込まれた状態で配設されることにより、該燃料噴射弁がその軸心回りに回動するのが規制されている、
    ことを特徴とする火花点火式直噴エンジン。
  5. 複数の噴口を有するマルチホール型の燃料噴射弁が、燃焼室の周縁部に配設され、
    前記複数の噴口として、燃焼室の中央部付近に配設された点火プラグの電極近傍の下側に指向された下側噴口と、該電極近傍の左側に指向された左側噴口と、該電極近傍の右側に指向された右側噴口と、それぞれ電極から遠い部分となるピストン頂面方向に指向された複数のピストン側噴口と、が設定された火花点火式直噴エンジンにおいて、
    前記各噴口の軸心のうち前記下側噴口の軸心が、燃料噴射弁の軸心に対してもっとも近い位置となるように設定され、
    前記下側噴口、左側噴口および右側噴口の各噴口から前記電極までの距離が、20mm以上に設定され、
    前記下側噴口の軸心と前記左側噴口の軸心とのなす開き角が20度以内に設定されて、該下側噴口からの燃料噴霧と該左側噴口からの燃料噴霧とが相互干渉効果によって互いに連続したものとなるように設定され、
    前記下側噴口の軸心と前記右側噴口の軸心とのなす開き角が20度以内に設定されて、該下側噴口からの燃料噴霧と該右側噴口からの燃料噴霧とが相互干渉効果によって互いに連続したものとなるように設定され、
    前記下側噴口からの燃料噴霧のペネトレーションが、前記左側噴口および右側噴口からの各燃料噴霧のペネトレーションよりも大きくなるように設定されている、
    ことを特徴とする火花点火式直噴エンジン。
  6. 請求項5において、
    前記複数のピストン側噴口のうち前記下側噴口ともっとも近い位置関係にある特定のピストン側噴口の軸心が、該下側噴口の軸心の軸心に対して25度以上の開き角となるように設定されている、ことを特徴とする火花点火式直噴エンジン。
JP2005282874A 2005-09-28 2005-09-28 火花点火式直噴エンジン Expired - Fee Related JP4434119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005282874A JP4434119B2 (ja) 2005-09-28 2005-09-28 火花点火式直噴エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005282874A JP4434119B2 (ja) 2005-09-28 2005-09-28 火花点火式直噴エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007092632A JP2007092632A (ja) 2007-04-12
JP4434119B2 true JP4434119B2 (ja) 2010-03-17

Family

ID=37978636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005282874A Expired - Fee Related JP4434119B2 (ja) 2005-09-28 2005-09-28 火花点火式直噴エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4434119B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4941664B2 (ja) * 2007-09-27 2012-05-30 三菱自動車工業株式会社 筒内噴射型内燃機関
JP2010101290A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Denso Corp 燃料噴射弁
JP2020084844A (ja) * 2018-11-20 2020-06-04 ヤンマー株式会社 副室式ディーゼル機関

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007092632A (ja) 2007-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6668792B2 (en) Control system for in-cylinder direct injection engine
JP4161974B2 (ja) ディーゼル式内燃機関の制御装置
KR20030022040A (ko) 불꽃 점화식 직접 분사 엔진의 제어 장치
JP2007092633A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP4434119B2 (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP4622852B2 (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP4640169B2 (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP2007051549A (ja) 燃料噴射弁及びそれを備えた筒内噴射式エンジン
JP4155184B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関
JP2006258053A (ja) 直接噴射式内燃機関およびその燃焼方法
JP2007177740A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP2007092634A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP2010285998A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP2007177746A (ja) 火花点火式直噴エンジンおよびその組付方法
JP2005256630A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP4696908B2 (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP2005098117A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP4696909B2 (ja) 火花点火式直噴エンジンおよびその組付方法
JP2007092635A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP6102958B2 (ja) 直噴エンジンの燃料噴射制御装置
US6837211B2 (en) Stratified air-fuel mixture forming apparatus for internal combustion engine and method thereof
JP2003262146A (ja) 火花点火式直噴エンジンの制御装置
JP2003193884A (ja) エンジンの制御装置
JP4622853B2 (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP4151570B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4434119

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees