JP4432311B2 - エチレンサルファイト及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエチレンサルファイト及びその製造方法に関する。詳しくは本発明は電解液溶媒などの用途に有用な精製されたエチレンサルファイト及びその製造方法、該エチレンサルファイトを含有するリチウム電池用電解液、該電解液を用いるリチウム電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレンサルファイトは、有機合成の分野における原料として、或いはリチウム二次電池等の電解液の溶媒又は添加剤として使用されている。
従来、エチレンサルファイト(以下、ESということもある)の製造方法としては、▲1▼エチレングリコールと塩化チオニルとを反応させる方法、▲2▼エチレングリコールと亜硫酸ジメチルとを反応させる方法、▲3▼酸化エチレンと二酸化硫黄とを反応させる方法、▲4▼ポリエチレンサルファイトを解重合する方法、などが知られているが、安全性及び経済性の両面から見て、エチレングリコールと塩化チオニルとの反応による方法が工業的に有利と考えられる。
【0003】
上記のエチレングリコールと塩化チオニルよりエチレンサルファイトを製造する方法としては、例えば両原料を無溶媒、無触媒で反応させる方法が報告されている(D.S.Bleslow and H.Skolnic,Chem.Heterocycl.Compound.,1966,21-1,1)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来法で得られたエチレンサルファイトは、不純物の含有量がかなり多いものであった。
エチレンサルファイトは例えばリチウム電池用電解液の溶媒及び添加剤として有用であるが、上記のエチレンサルファイトの品質は電池用途に使用されるレベルとして充分ではなく、これを使用して調製された電解液は保存中に内圧が上昇しやすい、酸分が増加し易いなど保存性が充分ではなかった。
また、リチウム電池用電解液として用いた場合にも、内圧の上昇や場合によっては、電池缶材へのダメージがみられることがある。
従って電池性能を高めるためにより高純度のエチレンサルファイトが求められていた。
【0005】
本発明の課題は、上記の問題点を解決し、電池用途に好ましく使用可能な精製されたエチレンサルファイト及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電解液の保存性に対してエチレンサルファイト中の塩素分が影響を及ぼしていること、また特にエチレンサルファイト中のクロロエタノールが電解液の保存性及び該電解液を用いた電池の安定性に大きな影響を及ぼしていることを見出した。
さらに本発明者は検討を進めて、これらの不純物の含有量が少ない精製されたエチレンサルファイトを製造する方法を見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、エチレングリコールと塩化チオニルとの反応により得られた粗エチレンサルファイトを精製処理してなる精製エチレンサルファイトであって、不純物としてのクロロエタノールの含有量が1000ppm以下であることを特徴とする、リチウム電池用電解液に用いるための精製エチレンサルファイト、に存する。
本発明の他の要旨は、エチレングリコールと塩化チオニルとの反応により得られた粗エチレンサルファイトを精密蒸留(以下、精密蒸留1という)を含む精製処理により精製してエチレンサルファイトを製造する方法において、該精密蒸留1の前又は後に塩基性水洗浄、全還流脱水、精密蒸留(以下、精密蒸留2という)及び吸着処理からなる群から選択された少なくとも1つの精製処理を行うことを特徴とする前記精製エチレンサルファイトの製造方法、に存する。
本発明のさらに他の要旨は、不純物としてのクロロエタノールの含有量が1000ppm以下である精製エチレンサルファイトを含有するリチウム電池用電解液、に存する。
本発明のさらに他の要旨は、不純物としてのクロロエタノールの含有量が1000ppm以下である精製エチレンサルファイトを含有する電解液を用いるリチウム電池、に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
本発明のエチレンサルファイトの製造方法は特に限定されないが、好ましくは、エチレングリコールと塩化チオニルとを反応させて粗エチレンサルファイトを製造し、これに精製処理を施すことによって精製されたエチレンサルファイトを製造する。
[粗エチレンサルファイトの製造]
エチレングリコール及び塩化チオニルからエチレンサルファイトを製造する反応は、無溶媒で、触媒の不存在下に行うことができるが、また、溶媒及び/又は触媒の存在下に行うこともできる。
【0009】
上記溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されず、例えば、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類;酢酸エチルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類;トルエンなどの芳香族炭化水素類などが用いられる。
触媒としては、各種の塩基性化合物を使用することができ、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの無機塩基、N−メチルピペリジン、N−エチルモルホリンなどの有機塩基が用いられる。
【0010】
反応温度は、通常、−20〜100℃、好ましくは0〜80℃である。反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは0.5〜5時間である。
上記反応の反応液として、溶媒が含有されている場合には蒸留により除去することによって、粗エチレンサルファイトを得ることが出来る。粗エチレンサルファイト中には、目的生成物のエチレンサルファイトの外に、未反応のエチレングリコール(以下、EGということもある)、副反応生成物のクロロエタノール(以下、Cl−ETOHということもある)、その他の不純物などが生成しており、また塩基性化合物を触媒とした場合には塩基性化合物と塩化水素との塩が生成している。塩基性化合物と塩化水素との塩は、濾過、水洗、抽出などにより除去することができる。
【0011】
[精製処理]
粗エチレンサルファイトに対して以下のような精製処理を行う。以下、好適な精製処理について説明する。
本発明の方法では、上述の反応によって得られた粗エチレンサルファイトを精密蒸留(以下、精密蒸留1という)を含む精製処理により精製し、該精密蒸留1の前又は後に塩基性水洗浄、全還流脱水、精密蒸留(以下、精密蒸留2という)及び吸着処理からなる群から選択された少なくとも1つの精製処理を行う。精密蒸留1、並びに塩基性水洗浄、全還流脱水、精密蒸留2及び吸着処理からなる群から選択された精製処理、の何れにも先立って単蒸留を行うのが好ましい。
[単蒸留]
エチレングリコールと塩化チオニルとの反応により得られた粗エチレンサルファイト中には種々の不純物が含有されているが、これを精密蒸留1、並びに塩基性水洗浄、全還流脱水、、精密蒸留2及び吸着処理からなる群から選択された精製処理、に供する前に単蒸留を行うと、それに引き続く精製処理の負荷を効果的に低減することが出来て好ましい。
【0012】
単蒸留は、常圧または減圧下のいずれで実施することもできる。好ましくは内温100℃以下で行うのが好ましい。
[精密蒸留1及び精密蒸留2]
精密蒸留においては、常圧下または減圧下に、通常、理論段数2〜15段程度、好ましくは理論段数3〜10段程度の精密蒸留塔を使用し、内温100℃以下、還流比3〜15程度の条件で行うのが好ましい。
【0013】
複数回の精密蒸留を組み合わせて実施する場合、上記精密蒸留1と精密蒸留2との蒸留条件は同一でもよいし異なっていてもよい。
[塩基性水洗浄]
塩基性水洗浄においては、炭酸水素ナトリウム等の塩基性無機塩が溶解した水溶液又は水を使用し、粗エチレンサルファイトを水層が中性になるまで洗浄する。この際、洗液量及び洗浄回数は特に限定されない。
[全還流脱水]
全還流脱水においては、内温100℃以下、圧力20Torr以下で、粗エチレンサルファイトを全還流しながら、水を非凝縮ガスとして系外へ除去する。処理時間は、通常、1〜5時間程度である。
[吸着処理]
吸着処理において使用する吸着剤としては、例えば4A、5A等のモレキュラーシーブス(以下、MSと略することがある)等の複合金属酸化物、活性炭、酸化アルミニウム(Al23)、酸化マグネシウム(MgO)等の金属酸化物等が好ましい。吸着剤の使用量は特に限定されないが、好ましくはエチレンサルファイトに対して10%以下とする。処理方式は、バッチ式、連続式等の何れでもよい。
【0014】
[精製処理の組み合わせ]
上記のような各精製処理を、好ましくは単蒸留に引き続く、精密蒸留1とその前又は後の塩基性水洗浄、全還流脱水、精密蒸留2及び吸着処理からなる群から選択された精製処理との組み合わせとして実施し、精製エチレンサルファイトを製造する。精製処理の好適な組み合わせとしては、例えば単蒸留と吸着処理と精密蒸留との組み合わせ、単蒸留と塩基性水洗浄と全還流脱水と精密蒸留との組み合わせ、単蒸留と塩基性水洗浄と全還流脱水と吸着処理と精密蒸留との組み合わせなどが挙げられる。
[精製エチレンサルファイト]
上記精製処理によって、有害な不純物の含有量が低減された本発明の精製エチレンサルファイトが得られる。
【0015】
本発明の精製エチレンサルファイトは、塩素の含有量が500ppm以下、好ましくは200ppm以下であり、また、クロロエタノールの含有量が1000ppm以下、好ましくは400ppm以下である。また、上記のような精製処理を実施した場合には、通常、塩素分或いはクロロエタノールと共に未反応のエチレングリコール含有量も例えば2000ppm以下に低減される。
なお、塩素、クロロエタノールおよびエチレングリコールの含有量は、例えば、次のような方法で測定することができる。
[ES中の全塩素分の測定]
エチレンサルファイトを秤量してエチレンサルファイトに対して不活性な溶媒(例えば、トルエン)で希釈し、該希釈液を酸水素炎燃焼装置の中で燃焼させ、燃焼生成物を過酸化水素水に吸収する。吸収液中の塩素イオンをイオンクロマトグラフにて測定し、全塩素含有量を算出する。
【0016】
[ES、Cl−ETOH及びEGの含有量の測定]
エチレンサルファイトを秤量してエチレンサルファイトに対して不活性な溶媒(例えば、トルエン)で希釈し、該希釈液をガスクロマトグラフィー(カラム:ジメチルポリシロキサン型カラム、ディテクター:水素系イオン化検出器(FID))により測定し、クロマトグラム上のピーク面積の百分率を用いて各成分を表示する。
本発明のクロロエタノールの含有量1000ppm以下のエチレンサルファイトは、リチウム電池用電解液の溶媒及び添加剤として有用であり、特にリチウム二次電池用電解液の溶媒及び添加剤として有用である。
また、別の発明のリチウム電池用電解液は、クロロエタノールの含有量1000ppm以下のエチレンサルファイトを含有するリチウム電池用電解液であり、リチウム電解質、溶媒、エチレンサルファイトからなる。用いるクロロエタノールの含有量1000ppm以下のエチレンサルファイトは上述の方法で製造することができる。本発明の電解液のリチウム系電解質としては、ホウフッ化リチウム、六フッ化燐酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムトリフロロメタンスルホネート等のリチウム化合物を用いる。溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネートやジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等、通常、電解液に汎用に用いられる溶媒であればよい。クロロエタノールの含有量1000ppm以下のエチレンサルファイトは、溶媒または添加剤のいずれとしても用いることが可能である。クロロエタノールの含有量が低減されたエチレンサルファイトを含有する電解液は保存安定性が良好で、例えば、電解液を長期保存した時の電解液中の酸分の上昇が低減され、リチウム電池用電解液、特にリチウム二次電池用電解液に有用に用いられる。一方、クロロエタノールの含有量が1000ppmを超えるエチレンサルファイトを電解液に用いると、電解液の保存安定性が低下しやすい。
なお、電解液中の酸分は、例えば、次の方法で測定することができる。
【0017】
[電解液の酸分の測定]
電解液を精秤し、冷却した純水に溶解して、アルカリ滴定(指示薬:ブロモチモールブルー(BTB)、黄色→青色)して滴定値をHF換算した値として酸分値を求める。
また、別の発明のリチウム電池は、上述のクロロエタノールの含有量1000ppm以下のエチレンサルファイトを含有する電解液を用いたリチウム電池である。クロロエタノールの含有量が低減されたエチレンサルファイトを含有する電解液を用いたリチウム電池は安定性が良好で、例えば、コイン型電池、アルミラミネート型電池等の電池を作成し、長期保存した時の電池の内圧上昇や膨れが低減され、リチウム電池、特にリチウム二次電池として有用である。一方、クロロエタノールの含有量が1000ppmを超えるエチレンサルファイトを含有する電解液をリチウム電池に用いると、電池の内圧上昇、膨れ等の現象が起きやすい。さらに電池の缶材の材質によっては穴があいたり、開弁等により、電解液が漏液する恐れもある。
【0018】
【実施例】
次に本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例中の測定は以下の方法に従って実施した。
[ES中の全塩素分の測定]
精製して得られたエチレンサルファイトを秤量してトルエンで希釈し、該希釈液を酸水素炎燃焼装置の中で燃焼させ、燃焼生成物を過酸化水素水(3%)中に吸収した。吸収液中の塩素イオンをイオンクロマトグラフにて測定し、全塩素含有量を算出した。
【0019】
[ES、Cl−ETOH及びEGの含有量の測定]
精製して得られたエチレンサルファイトを秤量してトルエンで希釈し、該希釈液をガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC14A;100%ジメチルポリシロキサン型カラムHR−1;80℃で5分間保持した後、8℃/分で220℃まで昇温し10分間保持;インジェクション、ディテクター(FID)共に250℃)で測定を実施した。ES、Cl−ETOH及びEGの含有量はクロマトグラム上のピーク面積の百分率で表示した(Cl−ETOH及びEG共に検出限界25ppm)。
[電解液の酸分の測定]
電解液10gを精秤後、5℃以下に冷却した純水(100cm3)に溶解させ、アルカリ滴定(指示薬:BTB、黄色→青色)して滴定値をHF換算した値を酸分値とした。
【0020】
[製造例1]
2Lフラスコにエチレングリコール1kg(三菱化学社製)を仕込み、系内を室温下、30Torrに減圧脱気し、窒素ガスで置換した後、フラスコ内を攪拌しながら塩化チオニル2.1kg(キシダ化学社製、純度95%)を6時間で滴下した。この時の内部温度は最高45℃まで上昇した。滴下終了後、内部温度68℃で70分間熟成した後、内部温度63℃、圧力35Torrで25分間減圧脱気を実施した。得られた反応液は薄褐色の液体で、ES純度97.04%、Cl−ETOH0.47%、EG1.30%であった。
【0021】
この反応液につき、圧力20Torr、熱媒温度85℃一定で単蒸留を実施した。初留を5%カットし、製品留分を得た。収率86%、ES純度97.7%、Cl−ETOH0.28%、EG1.6%、全塩素5300ppmであった。これを粗ESとする。
得られた粗ESを更に、理論段数10段、熱媒温度91℃、還流比は5%留出するまでは10、それ以降は5として精密蒸留を実施した。
【0022】
得られた精密蒸留ESは、収率71.8%、ES純度99.30%、Cl−ETOH0.14%、EG0.38%、全塩素1600ppmであった。
[実施例1]
製造例1で得られた粗ESを、室温にて吸着処理(吸着剤:活性炭、品川化成社製、商品名セカードBW−50、添加量10%、攪拌時間5Hr)を実施した。更に、製造例1と同様の条件にて精密蒸留を実施した。
【0023】
得られた精製ESは、収率68%、ES純度99.5%、Cl−ETOH0.09%、EG0.18%、全塩素480ppmであった。
[実施例2]
製造例1で得られた粗ESを、飽和重曹水を30重量%添加し、攪拌1時間、静置30分間の後、水層を廃棄した。更に水20重量%添加し、攪拌1時間、静置30分間の後、水層を廃棄した。水洗を2回実施したES層を、内部温度70℃、20Torrで全還流を5時間実施し、その間、水を非凝縮ガスとして系外へ除去した。更に製造例1と同様の条件にて精密蒸留を実施した。
【0024】
得られた精製ESは、収率60.1%、Cl−ETOH0.09%、EG0.05%、全塩素110ppmであった。
[実施例3]
実施例2で得られた精製ESを、吸着処理(吸着剤:試薬MS5A、添加量3%、攪拌時間5Hr)を実施し、更に製造例1と同様の条件にて精密蒸留を実施した。
【0025】
得られた精製ESは、収率54%、Cl−ETOH0.01%、EG0.01%以下、全塩素40ppm以下であった。
[実施例4]
1M3の反応器にエチレングリコール440kg(三菱化学社製)を仕込み、系内を室温下、30Torrに減圧脱気し、窒素ガスで置換した後、反応器内を攪拌しながら塩化チオニル900kg(キシダ化学社製、純度95%)を12時間で滴下した。この時の内部温度は最高35℃まで上昇した。滴下終了後、内部温度68℃で70分間熟成した後、内部温度69℃、圧力95Torrで3時間減圧脱気を実施した。
【0026】
得られた反応液を、圧力20Torr、熱媒温度85℃一定で単蒸留を実施した。初留を5%カットし、製品留分を得た。得られた粗ESを、飽和重曹水を30重量%添加し、攪拌1時間、静置30分間の後、水層を廃棄した。更に水20重量%添加し、攪拌1時間、静置30分間の後、水層を廃棄した。水洗を2回実施したES層を、内部温度70℃、20Torrで全還流を5時間実施し、その間、水を非凝縮ガスとして系外へ除去した。更に得られた粗ESを理論段数10段、熱媒温度90℃、還流比は5%留出するまでは10、それ以降は5として精密蒸留を実施し得られた精製ESを、吸着処理(吸着剤:試薬MS5A、添加量3%、攪拌時間5Hr)を実施し、更に理論段数10段、熱媒温度90℃、還流比は5%留出するまでは10、それ以降は5として精密蒸留を実施した。
【0027】
得られた精製ESは、収率62%、Cl−ETOH検出限界以下、EG検出限界以下、全塩素40ppm以下であった。
[試験例]
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)286gとエチルメチルカーボネート(EMC)514gとを混合し、吸着剤MS4A5.1gを添加し、5Hr脱水した後、1μmフィルターで濾過を実施し、EC−MEC混合溶媒を作製した。この混合溶媒に市販のLiPF6114gを少量ずつ添加し、30分攪拌した後、再度1μmフィルターで濾過を実施して電解液を作製した。この電解液の酸分は9.5ppm、水分は5.1ppmであった。
【0028】
この電解液に、Cl−ETOH濃度の変化させたES(下記表に記載)をそれぞれ2重量%添加して電解液 i)〜v)を作成し、ステンレス(SUS No.304;American Iron and Steal Institute)容器中に仕込み、窒素雰囲気下、25℃で保存し、10日目の酸分を測定した。
【0029】
【表1】
Figure 0004432311
また、これらの電解液 i)〜v)を用いて、外缶としてアルミラミネートフィルムを使用した電池(外形5cm×9cm×6mm)の電池 i)〜v)を作成し、25℃で1ヶ月間放置した際の、電池の膨れを観察すると、表2の結果となる。
【0030】
【表2】
Figure 0004432311
【0031】
【発明の効果】
本発明の精製されたエチレンサルファイトは、不純物が少なく、これを電解液の成分として使用した際の保存性が良好であり、電解液などの用途に有用である。

Claims (9)

  1. エチレングリコールと塩化チオニルとの反応により得られた粗エチレンサルファイトを精製処理してなる精製エチレンサルファイトであって、不純物としてのクロロエタノールの含有量が1000ppm以下であることを特徴とする、リチウム電池用電解液に用いるための精製エチレンサルファイト。
  2. エチレングリコールの含有量が2000ppm以下である請求項1に記載の精製エチレンサルファイト。
  3. エチレングリコールと塩化チオニルとの反応により得られた粗エチレンサルファイトを精密蒸留(以下、精密蒸留1という)を含む精製処理により精製してエチレンサルファイトを製造する方法において、該精密蒸留1の前又は後に塩基性水洗浄、全還流脱水、精密蒸留(以下、精密蒸留2という)及び吸着処理からなる群から選択された少なくとも1つの精製処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の精製エチレンサルファイトの製造方法。
  4. 精密蒸留1、並びに塩基性水洗浄、全還流脱水、精密蒸留2及び吸着処理からなる群から選択された精製処理、の何れにも先立って単蒸留を行う、請求項3に記載の精製エチレンサルファイトの製造方法。
  5. 吸着処理が、複合金属酸化物、活性炭、及び金属酸化物からなる群から選択された少なくとも1つの吸着剤を使用するものである、請求項3又は4に記載の精製エチレンサルファイトの製造方法。
  6. エチレンサルファイトを含有するリチウム電池用電解液であって、該エチレンサルファイトとして、請求項1又は2に記載の精製エチレンサルファイトが用いられていることを特徴とするリチウム電池用電解液
  7. 電解液として、請求項6に記載のリチウム電池用電解液が用いられていることを特徴とするリチウム電池
  8. 不純物としてのクロロエタノールの含有量が1000ppm以下である精製エチレンサルファイトを含有するリチウム電池用電解液。
  9. 不純物としてのクロロエタノールの含有量が1000ppm以下である精製エチレンサルファイトを含有するリチウム電池用電解液を用いることを特徴とするリチウム電池。
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