JP2010120947A - 非水電解液およびリチウム電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】医農薬原体や電子材料などの合成中間体や原料として有用なサルファイト化合物を、高純度・高収率に提供できる工業的な製造法を提供する。
【解決手段】アルコール化合物とハロゲン化チオニルとの反応によるサルファイト化合物の製造方法において、ハロゲン化チオニル中にアルコール化合物を添加することを特徴とする高純度サルファイト化合物の製造方法、およびその用途に関する。本発明によれば、有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下である高純度サルファイト化合物を製造することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】アルコール化合物とハロゲン化チオニルとの反応によるサルファイト化合物の製造方法において、ハロゲン化チオニル中にアルコール化合物を添加することを特徴とする高純度サルファイト化合物の製造方法、およびその用途に関する。本発明によれば、有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下である高純度サルファイト化合物を製造することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、医農薬原体や電子材料などの合成中間体や原料として有用なサルファイト化合物を、高純度・高収率に提供できる工業的な製造法に関する。更には、電池のサイクル特性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチウム電池を提供することができる非水電解液、およびそれを用いたリチウム電池に関する。
従来、ハロゲン化チオニルとアルコール化合物を使ったサルファイト化合物を合成する方法としては、大量のアルコール化合物の中に、反応活性な塩化チオニルを滴下する手法が一般的に数多く知られている。
例えば、古くは、非特許文献1では、シクロヘキサノールの中に、塩化チオニルを滴下してシクロヘキシルサルファイトを合成する方法が提案されている。この方法は、反応中、シクロヘキサノールと塩化水素が反応して(シクロヘキシルクロライドを経由して)シクロヘキセンを生成する欠点を有する。更には、ブチルサルファイトを合成する際には、3〜5%のブチルクロライドを副生してしまうことが報告されている。
また、特許文献1では、エチレングリコールに塩化チオニルを滴下してエチレンサルファイトを製造する方法が提案されている。しかし、この方法では、副生成物が多量生成する。例えば、特許文献1に記載の実施例では、反応後、クロロエタノールが0.47%副生し、原料のエチレングリコールが1.3%も残ってしまい、この反応液を単蒸留しても、クロロエタノールが0.28%、エチレングリコールは1.6%に増加、全塩素が5300ppm残存するという問題点があり、高純度化するためには、塩基性水洗浄後、全還流脱水処理を行った後、精密蒸留し、次いで吸着処理が必要である。したがって、この精製方法では精製工程が煩雑で、収率も54〜72%程度であり、必ずしも工業的に有利な方法とは言えない。
いずれの公知文献も、アルコール化合物の中に反応活性な塩化チオニルを滴下しているために、反応液中に過剰に存在するアルコールとハロゲン化水素との副反応が必然的に起ってしまう。そのために、従来の滴下法により得られたサルファイト化合物はアルコールとハロゲン化水素によるクロロエタノールに代表される有機ハロゲン化物の不純物の含有量が多いものであった。したがって、これを除去するためには特殊な精製工程が必要となり、工業的に製造する方法としては適していない。
J.Am.Chem.Soc.,1944,66,1006.
特開2003−160580号公報
前記サルファイト化合物の製造方法に関する課題を解決し、高純度サルファイト化合物の工業的な製造方法が求められていた。
また、前記公知文献記載の方法により得られたサルファイト化合物をリチウム電池用の非水電解液の添加剤として使用した場合、しばしばサイクル特性が悪化することがあり、その原因の究明と解決とが求められていた。
また、前記公知文献記載の方法により得られたサルファイト化合物をリチウム電池用の非水電解液の添加剤として使用した場合、しばしばサイクル特性が悪化することがあり、その原因の究明と解決とが求められていた。
そこで、本発明は、新規な高純度サルファイト化合物の工業的な製造方法を提供するとともに、サイクル特性を低下させる主要な物質が有機ハロゲン化合物であると特定するとともに、その物質の生成を低減する方法とともに、その物質を除去することにより、前記のようなリチウム電池用非水電解液に関する課題を解決し、電池のサイクル特性に優れ、さらに電気容量や充電状態での保存特性などの電池特性にも優れたリチウム電池を構成することができる非水電解液、およびそれを用いたリチウム電池を提供することを目的とする。
本発明は、アルコール化合物とハロゲン化チオニルとの反応によるサルファイト化合物の製造方法において、ハロゲン化チオニル中にアルコール化合物を添加することを特徴とする高純度サルファイト化合物の製造方法に関する。
また、本発明は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、該非水電解液中に有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下である高純度サルファイト化合物を、非水溶媒に対して0.05〜0.5容量%含有させることを特徴とする非水電解液に関する。
さらに、本発明は、正極、負極および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム電池において、該非水電解液中に有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下である高純度サルファイト化合物を、非水溶媒に対して0.05〜0.5容量%含有させることを特徴とするリチウム電池に関する。
本発明によれば、アルコール化合物とハロゲン化チオニルとの反応において、従来法よりもハロゲン化水素ガスとアルコールの副反応による不純物を大幅に低減できる、したがって、簡便な蒸留操作のみで、ハロゲン化水素ガスとアルコールの副反応による不純物が少ない高純度サルファイト化合物を工業的に有利に提供できる。
また、本発明の製造方法で得られた高純度サルファイト化合物を添加剤として含有する非水電解液を用いれば、サイクル特性、電気容量、保存特性などの電池特性に優れたリチウム電池を提供することができる。
このように、本発明は、従来の製造方法では全く実施されていなかった製法、すなわちアルコール化合物よりも反応活性が高いハロゲン化チオニルの中にアルコール化合物を添加して反応させるという新たな着想に基づいて達成されたものである。
また、本発明の製造方法で得られた高純度サルファイト化合物を添加剤として含有する非水電解液を用いれば、サイクル特性、電気容量、保存特性などの電池特性に優れたリチウム電池を提供することができる。
このように、本発明は、従来の製造方法では全く実施されていなかった製法、すなわちアルコール化合物よりも反応活性が高いハロゲン化チオニルの中にアルコール化合物を添加して反応させるという新たな着想に基づいて達成されたものである。
本発明は、原料の添加方法を従来法と全く逆に、ハロゲン化チオニル中にアルコール化合物を添加することによって、蒸留や再結晶などの簡便な精製処理のみで、高純度サルファイト化合物を高収率で製造することができる。特に、精製処理により有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下の高純度サルファイト化合物を製造することができる。
以下に本発明をより詳細に説明する。
以下に本発明をより詳細に説明する。
本発明で使用するハロゲン化チオニルは、塩化チオニルまたは臭化チオニルであるが、好ましくは塩化チオニルである。前記ハロゲン化チオニルは蒸留精製して使用することが好ましい。
本発明で使用するアルコール化合物としては、直鎖状または分枝状の1価〜3価のアルコールが挙げられる。また、本発明で使用する他のアルコール化合物としては、炭素−炭素不飽和結合を1つ以上有するアルコールが挙げられる。前記アルコール化合物は蒸留または晶析により精製して使用することが好ましい。
本発明の直鎖状1価アルコールとしては、具体的にメタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノール、メトキシプロパノール、ベンジルアルコール、β−フェニチルアルコールなどが挙げられる。分枝状1価アルコールとしては、具体的に2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、3−エチルヘキサン−1−オール、1,1−ジメチルプロパノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノールなどが挙げられる。
本発明のアルコール化合物のうち、炭素−炭素不飽和結合を1つ以上有するアルコールとしては、具体的に2−プロペン−1−オール、2−メチル−2−プロペン−1−オールなどの二重結合を有するアルコール、2−プロピン−1−オール、1−メチル−2−プロピン−1−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オールなどの三重結合を有するアルコールが挙げられる。
また本発明は、反応により生成するハロゲン化水素ガスが反応系内に残存することが少ないために、アルコール化合物の中でも、特に炭素−炭素二重結合および/または三重結合を1つ以上含むアルコールに対して、ハロゲン化水素の付加した不純物の生成が少なく、より好適である。
本発明の2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、カテコール、1,2−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。
本発明の3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、1,2,4−トリヒドロキシブタンなどが挙げられる。
本発明におけるサルファイト化合物としては、具体的に、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト、ジプロピルサルファイト、ジブチルサルファイト、ジペンチルサルファイト、ジヘキシルサルファイト、ジヘプチルサルファイト、ジオクチルサルファイト、ジデシルサルファイト、ジドデシルサルファイト、ジメトキシエチルサルファイト、ジエトキシエチルサルファイト、ジメトキシエトキシエチルサルファイト、ジメトキシプロピルサルファイト、ジベンジルサルファイト、ジ−(β−フェネチル)サルファイト、ジイソプロピルサルファイト、ジ(2−ブチル)サルファイト、ジ(2−メチル−ブチル)サルファイト、ジ(1,1−ジメチルプロピル)サルファイト、ジ(3−エチル−ヘキシル)サルファイト、ジ(3−エチル−ヘキシル)サルファイト、ジシクロプロピルサルファイト、ジシクロブチルサルファイト、ジシクロペンチルサルファイト、ジシクロヘキシルサルファイト、ジシクロヘプチルサルファイト、ジシクロオクチルサルファイト、ジ(2−プロペニル)サルファイト、ジ(2−メチル−2−プロペニル)サルファイト、ジ(1−メチル−2−プロピニル)サルファイト、ジ(1,1−ジメチル−2−プロピニル)サルファイト、カテコールサルファイト、エチレンサルファイト、1,2−プロピレンサルファイト、1,3−プロピレンサルファイト、メチル−1,3−プロピレンサルファイト、ブチレンサルファイト、1,2−シクロヘキシレンサルファイト、ジプロパルギルサルファイトなどが挙げられる。好ましくは、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ジメチルサルファイト、ジプロパルギルサルファイトから選ばれる1種であることが好ましい。
本発明のハロゲン化チオニル中にアルコール化合物を滴下することを特徴とする高純度サルファイト化合物の製造方法は、溶媒や触媒を全く使用しなくても行うことができるが、有機溶媒や触媒を使用することもできる。
本発明で使用される具体的な溶媒としては、前記反応に不活性な有機溶媒であれば、特に限定されるものではなく、サルファイト化合物が溶解される有機溶媒であれば適宜使用することができる。前記溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、(o,m,p−)キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジオクチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、酢酸ジエチル、酢酸ジエチル、酢酸ジブチル、酢酸ジヘキシル、酢酸ジオクチル、酢酸ドデシルなどのモノエステル類、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジヘキシルなどのジエステル類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類などが用いられる。これらの溶媒はハロゲン化チオニル及びアルコールのいずれとも混合して使用することができる。
本発明で使用される具体的な触媒としては、アミン類などの塩基性を示す有機化合物や、金属アルコキシド類、無機塩基化合物などの各種塩基性化合物を用いることができる。その具体例を以下に示すが、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではない。
鎖状のアミン類としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、環状のアミン類としてはピリジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
また、金属アルコキシド類については、ナトリウム メトキシド、ナトリウム エトキシド、ナトリウム n−プロポキシド、ナトリウム iso−プロポキシド、ナトリウム n−ブトキシド、ナトリウム tert−ブトキシドなどが挙げられ、ナトリウムの代わりにリチウム、カリウム、カルシウム、アルミニウムなどを用いた金属アルコキシド類でも良い。更には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウムなどが挙げられる。
これらの触媒はアルコールまたは溶媒と混合して添加することができる。
鎖状のアミン類としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、環状のアミン類としてはピリジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
また、金属アルコキシド類については、ナトリウム メトキシド、ナトリウム エトキシド、ナトリウム n−プロポキシド、ナトリウム iso−プロポキシド、ナトリウム n−ブトキシド、ナトリウム tert−ブトキシドなどが挙げられ、ナトリウムの代わりにリチウム、カリウム、カルシウム、アルミニウムなどを用いた金属アルコキシド類でも良い。更には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウムなどが挙げられる。
これらの触媒はアルコールまたは溶媒と混合して添加することができる。
本発明の反応温度の下限は、原料、溶媒の凝固点以上であれば特に限定されるものではないが、通常−80℃以上、好ましくは−50℃以上であり、−30℃以上であることが反応時間を短縮できるため最も好ましい。また反応温度の上限は、原料、溶媒の沸点以下であれば特に限定されるものではないが、通常、100℃以下であるが、好ましくは80℃以下であり、50℃以下であることが、副反応を制御するために最も好ましい。特に反応初期は、50℃以下が好ましく、さらに30℃以下であることが、副反応の制御効果が大きいために、最も好ましい。
本発明の反応時間は、通常、0.2時間以上であるが、0.5時間以上がより好ましく、1時間以上が最も好ましい。また48時間以内が好ましいが、24時間以内がより好ましく、さらに12時間以内であることが生産性の面でも最も好ましい。
本発明のアルコール化合物の添加速度は、溶媒の使用の有無、基質濃度などにより異なるため、上記記載に特に限定されるものではないが、通常速度の下限は、酸ハライド1モルに対して0.001モル/分以上、好ましくは0.005モル/分以上であり、より好ましくは0.01モル/分以上である。また、速度の上限は、0.5モル/分以下であり、好ましくは0.1モル/分以下であり、より好ましくは0.05モル/分以下である。
本発明のアルコール化合物の添加方法は、連続的に滴下する方法、断続的に滴下する方法、バブリングして添加する方法などが挙げられる。また、低分子量のアルコールの場合には気化させてガスとして添加することもできる。より好ましくは連続的に滴下する方法である。
本発明では、反応液中に反応に不活性なガスを添加させることで、反応を促進し、かつハロゲン化水素の反応液中への溶存を妨げることにより、不純物の生成をさらに抑制することができる。使用できるガスは、具体的には、窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素、空気、二酸化炭素のように反応に不活性であれば特に限定されるものではないが、好ましくは窒素、アルゴン、二酸化炭素である。これらのガスは単独もしくは、窒素と二酸化炭素のように2種以上を同時に用いてもよい。
前記ガスの添加方法は特に限定されるものではないが、反応液中へのバブリングまたは反応器内へのブローが挙げられる。好ましくはバブリングであり、いずれも継続的に行うかまたは断続的に行ってもよいが、継続して行うのがより好ましい。
前記ガスの添加速度は特に限定されるものではないが、ガスをバブリングする場合、通常、反応液の容積100Lあたり0.01リットル/分以上であるが、好ましくは0.1リットル/分以上であり、より好ましくは0.5リットル/分以上が不純物の生成の低減に効果的である。また、ガスの添加速度は100リットル/分以下であるが、好ましくは50リットル/分以下であり、より好ましくは10リットル/分以下が効率的である。また、ガスをブローする場合、通常、反応器の空間容積100Lあたり0.1リットル/分以上であるが、好ましくは0.5リットル/分以上であり、より好ましくは1リットル/分以上が不純物の生成の低減に効果的である。また、ガスの添加速度は100リットル/分以下であるが、好ましくは50リットル/分以下であり、より好ましくは10リットル/分以下が効率的である。
本発明の高純度サルファイトにおいて、有機ハロゲン含有化合物の全ハロゲン量は1000ppm以下とするのがよく、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下であり、最も好ましくは50ppm以下である。全ハロゲン量はできるだけ少なくするのが望ましいが、過度に少なくすると反応収率が低下するので、通常10ppm程度以上とするのが好ましい。前記ハロゲン含有化合物としては、例えば、前記した原料アルコールの水酸基がハロゲン化された化合物や、不飽和サルファイトにハロゲンが付加した化合物などが挙げられる。
原料アルコールの水酸基がハロゲン化された化合物の含有量は1000ppm以下であり、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。不純物としては、例えば、原料アルコールがジオール化合物の場合には、ヒドロキシアルキルハロアルキルサルファイト化合物、ジ(ヒドロキシアルキル)サルファイト化合物、ジ(ハロアルキル)サルファイト化合物などが挙げられる。具体的には、ヒドロキシエチルクロロエチルサルファイト、ヒドロキシプロピルクロロプロピルサルファイト、ヒドロキシブチルクロロブチルサルファイト、ヒドロキシペンチルクロロプロピルサルファイト、ヒドロキシエチルブロモエチルサルファイト、ヒドロキシプロピルブロモプロピルサルファイト、ヒドロキシブチルブロモブチルサルファイト、ヒドロキシペンチルブロモペンチルサルファイト、ジ(ヒドロキシエチル)サルファイト、ジ(ヒドロキシプロピル)サルファイト、ジ(ヒドロキシブチル)サルファイト、ジ(ヒドロキシペンチル)サルファイト、ジ(クロロエチル)サルファイト、ジ(クロロプロピル)サルファイト、ジ(クロロブチル)サルファイト、ジ(クロロペンチル)サルファイト、ジ(ブロモエチル)サルファイト、ジ(ブロモプロピル)サルファイト、ジ(ブロモブチル)サルファイト、ジ(ブロモペンチル)サルファイトなどが挙げられる。また、原料アルコールが不飽和アルコールの場合には、ジ(ハロアルキル)サルファイト化合物、ジ(ハロアルケニル)サルファイト化合物、ハロアルキルアルケニルサルファイト化合物、ハロアルケニルアルキニルサルファイト化合物などが挙げられる。具体的には、ジ(クロロプロピル)サルファイト、ジ(クロロブチル)サルファイト、ジ(クロロペンチル)サルファイト、ジ(ブロモプロピル)サルファイト、ジ(ブロモブチル)サルファイト、ジ(ブロモペンチル)サルファイト、ジ(クロロアリル)サルファイト、ジ(クロロブテニル)サルファイト、ジ(クロロペンテニル)サルファイト、ジ(ブロモアリル)サルファイト、ジ(ブロモブテニル)サルファイト、ジ(ブロモペンテニル)サルファイトなどが挙げられる。
原料アルコールの水酸基がハロゲン化された化合物の含有量は1000ppm以下であり、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。不純物としては、例えば、原料アルコールがジオール化合物の場合には、ヒドロキシアルキルハロアルキルサルファイト化合物、ジ(ヒドロキシアルキル)サルファイト化合物、ジ(ハロアルキル)サルファイト化合物などが挙げられる。具体的には、ヒドロキシエチルクロロエチルサルファイト、ヒドロキシプロピルクロロプロピルサルファイト、ヒドロキシブチルクロロブチルサルファイト、ヒドロキシペンチルクロロプロピルサルファイト、ヒドロキシエチルブロモエチルサルファイト、ヒドロキシプロピルブロモプロピルサルファイト、ヒドロキシブチルブロモブチルサルファイト、ヒドロキシペンチルブロモペンチルサルファイト、ジ(ヒドロキシエチル)サルファイト、ジ(ヒドロキシプロピル)サルファイト、ジ(ヒドロキシブチル)サルファイト、ジ(ヒドロキシペンチル)サルファイト、ジ(クロロエチル)サルファイト、ジ(クロロプロピル)サルファイト、ジ(クロロブチル)サルファイト、ジ(クロロペンチル)サルファイト、ジ(ブロモエチル)サルファイト、ジ(ブロモプロピル)サルファイト、ジ(ブロモブチル)サルファイト、ジ(ブロモペンチル)サルファイトなどが挙げられる。また、原料アルコールが不飽和アルコールの場合には、ジ(ハロアルキル)サルファイト化合物、ジ(ハロアルケニル)サルファイト化合物、ハロアルキルアルケニルサルファイト化合物、ハロアルケニルアルキニルサルファイト化合物などが挙げられる。具体的には、ジ(クロロプロピル)サルファイト、ジ(クロロブチル)サルファイト、ジ(クロロペンチル)サルファイト、ジ(ブロモプロピル)サルファイト、ジ(ブロモブチル)サルファイト、ジ(ブロモペンチル)サルファイト、ジ(クロロアリル)サルファイト、ジ(クロロブテニル)サルファイト、ジ(クロロペンテニル)サルファイト、ジ(ブロモアリル)サルファイト、ジ(ブロモブテニル)サルファイト、ジ(ブロモペンテニル)サルファイトなどが挙げられる。
本発明の高純度サルファイトにおいて、酸分の含有量は1000ppm以下とするのがよく、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。前記酸分としては、例えば、硫酸、亜硫酸、ヒドロキシスルホン酸エステル、ヒドロキシスルフィン酸エステルなどが挙げられる。酸分はできるだけ少なくすることが望ましいが、過度に少なくすると反応収率が低下するので、通常10ppm程度以上とするのが好ましい。
本発明の高純度サルファイトにおいて、目的とするサルファイト化合物より低沸点な不純物の主なものとしては、前記原料アルコールの水酸基がハロゲン化された化合物が挙げられる。そのほかに、原料アルコールが脱水したオレフィン系炭化水素化合物や不飽和アルコールなどが挙げられる。
前記低沸点な不純物の含有量は2000ppm以下であり、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは100ppm以下である。
本発明の高純度サルファイトにおいて、目的とするサルファイト化合物より高沸点な不純物としては、例えば、原料アルコールがジオール化合物の場合には、ヒドロキシアルキルハロアルキルサルファイト化合物、ジ(ヒドロキシアルキル)サルファイト化合物、ジ(ハロアルキル)サルファイト化合物などが挙げられる。また、原料アルコールが不飽和アルコールの場合には、ジ(ハロアルキル)サルファイト化合物、ジ(ハロアルケニル)サルファイト化合物、ハロアルキルアルケニルサルファイト化合物、ハロアルケニルアルキニルサルファイト化合物などが挙げられる。
前記高沸点な不純物の含有量は1000ppm以下であり、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。
本発明の反応液から目的の高純度サルファイト化合物を取り出す方法としては、本発明においては、反応液中の副生成物量が少なく、目的物であるサルファイト化合物の含有量が高いため、必要に応じて精密蒸留も行うこともできるが、通常、単蒸留あるいは再結晶などの手段を行うことにより、簡単に高純度サルファイト化合物を高収量で分離・取得することができる。
本発明で得られた高純度サルファイト化合物をリチウム電池用非水電解液中に含有させることにより、電池のサイクル特性を向上させることができる。
前記高純度サルファイトと共に本発明で使用される非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類が挙げられる。
前記高純度サルファイトと共に本発明で使用される非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類が挙げられる。
中でも、環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は、容量比率で20:80〜40:60が好ましく、特に25:75〜35:65が好ましい。
本発明の非水電解液における高純度サルファイト化合物の含有量は少なすぎると効果が小さいため、該非水溶媒に対して、好ましくは0.05容量%以上であり、より好ましくは0.07容量%以上であり、さらに好ましくは0.1容量%以上である。また添加量が多すぎると電池特性が低下するため、好ましくは0.5容量%以下であり、より好ましくは0.4容量%以下であり、さらに好ましくは0.3容量以下である。
また本発明の非水電解液においては、ビニレンカーボネートを併用することによりサイクル特性や保存特性などの電池性能を向上させることができる。
本発明の非水電解液におけるビニレンカーボネートの含有量は少なすぎると効果が小さいため、該非水溶媒に対して、好ましくは0.5容量%以上であり、より好ましくは0.7容量%以上であり、さらに好ましくは1容量%以上である。また添加量が多すぎると電池特性が低下するため、好ましくは3容量%以下であり、より好ましくは2.5容量%以下であり、さらに好ましくは2容量以下である。
本発明の非水電解液の好ましい組み合わせとして、EC:VC:サルファイト化合物:鎖状カーボネート=24:1:0.05:74.95〜32:3:0.5:64.5の間で任意である。ただし、そのうちサルファイト化合物/VC比は0.03〜0.3とするのがサイクル特性の面で好ましい。前記サルファイト化合物の好ましい例としては、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ジプロパルギルサルファイト、ジブチルサルファイト、ジアリルサルファイトなどの少なくとも1種が挙げられる。
本発明で使用される電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)などの鎖状のアルキル基を含有するリチウム塩や、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLiなどの環状のアルキレン鎖を含有するリチウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は、1種類で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質塩が溶解されて使用される濃度は、前記の非水溶媒に対して、通常0.3M以上が好ましく、0.5M以上がより好ましく、0.7M以上が最も好ましい。また、これら電解質塩の濃度は、3M以下が好ましく、2.5M以下がより好ましく、2M以下が最も好ましい。
本発明の非水電解液は、二次電池などの電池用として使用され、特にリチウム二次電池の構成部材として使用される。二次電池を構成する非水電解液以外の構成部材については特に限定されず、従来使用されている種々の構成部材を使用できる。
例えば、正極活物質としてはコバルト、マンガン、ニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種類だけを選択して使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−XNiXO2(0.01<x<1)などが挙げられる。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように適当に混ぜ合わせて使用しても良い。以上のように、正極活物質としては、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、のような充電終了後の開回路電圧がLi基準で4.3V以上を示すリチウム複合金属酸化物であり、正極材料として最も好ましくは、CoやNiを含有するリチウム複合金属酸化物を用いることであり、リチウム複合金属酸化物の一部が他元素で置換されていても良い。例えば、LiCoO2のCoの一部をSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、Cuなどで置換されていても良い。
正極の導電剤として、化学変化を起こさない電子伝導材料であれば何でも良い。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チェンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類などが挙げられる。また、グラファイト類とカーボンブラック類を適宜混合して用いても良い。導電剤の正極合剤への添加量は、1〜10 重量%が好ましく、特に2〜5重量%が好ましい。
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウム箔やステンレス製のラス板に圧延して、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製される。
負極は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料が使用され、例えば、リチウム金属、リチウム合金、および炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊維〕、スズ、スズ化合物、ケイ素、ケイ素化合物が使用される。炭素材料の一部または全部をスズ、スズ化合物、ケイ素、ケイ素化合物で置換することにより、リチウム電池の容量を上げることができる。
負極(負極活物質)としては、炭素材料においては、特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm以下であることが好ましく、0.335〜0.340nmである黒鉛型結晶構造を有するグラファイト類を使用することがより好ましい。これらの負極活物質は、1種類だけを選択して使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して負極合剤として使用される。負極の製造方法は、特に限定されず、上記の正極の製造方法と同様な方法により製造することができる。
負極(負極活物質)としては、炭素材料においては、特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm以下であることが好ましく、0.335〜0.340nmである黒鉛型結晶構造を有するグラファイト類を使用することがより好ましい。これらの負極活物質は、1種類だけを選択して使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して負極合剤として使用される。負極の製造方法は、特に限定されず、上記の正極の製造方法と同様な方法により製造することができる。
リチウム二次電池の構造は特に限定されるものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極およびロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池などが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては公知のポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが使用される。また、電池用セパレータは単層多孔質フィルム及び積層多孔質フィルムのいずれの構成であっても良い。本発明で使用される電池用セパレータは、製造条件によっても異なるが、透気度が50〜1000秒/100ccが好ましく、100〜800秒/100ccがより好ましく、300〜500秒/100ccが最も好ましい。透気度が高すぎるとリチウムイオン伝導性が低下するために電池用セパレータとしての機能が十分でなく、低すぎると機械的強度が低下するので上記範囲とするのが好ましい。また、空孔率は30〜60%が好ましく、35〜55%がより好ましく、40〜50%が最も好ましい。特に空孔率をこの範囲とすると、電池の容量特性が向上するので好ましい。さらに、電池用セパレータの厚みはできるだけ薄い方がエネルギー密度を高くできるため好ましいが、機械的強度、性能等の両面から5〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好ましく、15〜25μmが最も好ましい。
本発明においては、有効な添加剤の効果を得るために、電極材料層の密度が重要である。特に、アルミニウム箔上に形成される正極合剤層の密度は3.2〜4.0g/cm3が好ましく、更に好ましくは3.3〜3.9g/cm3、最も好ましくは3.4〜3.8g/cm3 である。正極合剤密度が4.0g/cm3を超えて大きくなると、実質上、作製が困難となる。一方、銅箔上に形成される負極合剤層の密度は1.3〜2.0g/cm3、更に好ましくは1.4〜1.9g/cm3、最も好ましくは1.5〜1.8g/cm3の間である。負極合剤層の密度が2.0g/cm3を超えて大きくなると、実質上、作製が困難となる。
また、本発明における好適な前記正極の電極層の厚さ(集電体片面当たり)は、30〜120μm、好ましくは50〜100μmであり、前記負極の電極層の厚さ(集電体片面当たり)は、1〜100μm、好ましくは3〜70μmである。電極材料層の厚みが好適な前記範囲より薄いと、電極材料層での活物質量が低下するために電池容量が小さくなる。一方、その厚さが前記範囲より厚いと、サイクル特性やレート特性が低下するので好ましくない。
また、リチウム二次電池の構成は特に限定されるものではなく、正極、負極、多孔膜セパレータおよび電解液を有するコイン電池や円筒型電池、角型電池、積層型電池などが一例として挙げられる。
本発明におけるリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2Vより大きい場合にも長期間にわたり、優れたサイクル特性を有しており、特に充電終止電圧が4.3V以上のような場合にも優れたサイクル特性を有している。放電終止電圧は、2.5V以上とすることができ、さらに2.8V以上とすることができる。電流値については特に限定されるものではないが、通常0.1〜3Cの定電流放電で使用される。また、本発明におけるリチウム二次電池は、−40℃以上で充放電することができるが、好ましくは0℃以上である。
また、100℃以下で充放電することができるが、好ましくは80℃以下である。
また、100℃以下で充放電することができるが、好ましくは80℃以下である。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は、その趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
サルファイト化合物の純度、不純物の含有量は以下のとおり測定した。
[サルファイト、低沸点不純物、及び高沸点不純物の含有量]
ガスクロマトグラフィー(SHIMADZU製GC−14B;カラム:HR−1701、ディテクター:FID) 内部標準法で定量した。
[原料アルコールおよび有機ハロゲン化物の含有量]
ガスクロマトグラフィー(SHIMADZU製GC−14B;カラム:G−300、ディテクター:FID) 内部標準法で定量した。20
[全ハロゲン量]
酸水素炎燃焼法により前処理後、イオンクロマトグラフィー(SHIMADZU製SCL−10A;カラム:Shim−Pack 1C−A1、電気伝導度検出器:CDD−6A)で測定した。
[酸分の含有量]
0.01N−KOH エタノール溶液を滴定溶液、ブロモチモールブルー(BTB)液を指示薬とし、HIRANUMA製自動滴定装置(TITSTATION TS−980)を用いて測定し、測定値を酢酸換算した値を酸分とした。
[サルファイト、低沸点不純物、及び高沸点不純物の含有量]
ガスクロマトグラフィー(SHIMADZU製GC−14B;カラム:HR−1701、ディテクター:FID) 内部標準法で定量した。
[原料アルコールおよび有機ハロゲン化物の含有量]
ガスクロマトグラフィー(SHIMADZU製GC−14B;カラム:G−300、ディテクター:FID) 内部標準法で定量した。20
[全ハロゲン量]
酸水素炎燃焼法により前処理後、イオンクロマトグラフィー(SHIMADZU製SCL−10A;カラム:Shim−Pack 1C−A1、電気伝導度検出器:CDD−6A)で測定した。
[酸分の含有量]
0.01N−KOH エタノール溶液を滴定溶液、ブロモチモールブルー(BTB)液を指示薬とし、HIRANUMA製自動滴定装置(TITSTATION TS−980)を用いて測定し、測定値を酢酸換算した値を酸分とした。
本発明の実施例で使用したハロゲン化チオニル及びアルコール化合物は以下に記載の市販試薬を通常用いられる方法で蒸留精製をした。
塩化チオニル:和光純薬製、純度95%以上品
臭化チオニル:Aldrich製、純度97%以上品
エチレングリコール(EG):和光純薬製、純度99%以上品
プロピレングリコール(PG):和光純薬製、純度99%以上品
2−プロピン−1−オール(PA):Aldrich製、純度99%以上品
1−ブタノール(BA):和光純薬製、純度99%以上品
アリルアルコール(AA):和光純薬製、純度99%以上品
塩化チオニル:和光純薬製、純度95%以上品
臭化チオニル:Aldrich製、純度97%以上品
エチレングリコール(EG):和光純薬製、純度99%以上品
プロピレングリコール(PG):和光純薬製、純度99%以上品
2−プロピン−1−オール(PA):Aldrich製、純度99%以上品
1−ブタノール(BA):和光純薬製、純度99%以上品
アリルアルコール(AA):和光純薬製、純度99%以上品
実施例A−1
3Lフラスコに塩化チオニル4.1kgを仕込み、攪拌し続け、エチレングリコール2.0kgを、反応液中に窒素ガスをバブリング(0.05L/min)しながら、15℃以下で135分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は2.5L、空間容積は0.5L)なお反応中に発生するHClガスは系外に排出し、アルカリ水溶液中で中和処理した。系内の温度は徐々に上昇するが、気化熱のために滴下途中から下降し始めた。さらに10時間かけて熟成させて無色透明液体である粗エチレンサルファイト3.5kgを得た。
反応液の分析値を表1に示す。
3Lフラスコに塩化チオニル4.1kgを仕込み、攪拌し続け、エチレングリコール2.0kgを、反応液中に窒素ガスをバブリング(0.05L/min)しながら、15℃以下で135分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は2.5L、空間容積は0.5L)なお反応中に発生するHClガスは系外に排出し、アルカリ水溶液中で中和処理した。系内の温度は徐々に上昇するが、気化熱のために滴下途中から下降し始めた。さらに10時間かけて熟成させて無色透明液体である粗エチレンサルファイト3.5kgを得た。
反応液の分析値を表1に示す。
実施例B−1
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES 2.7kgを得た。収率78%であった。精ESの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES 2.7kgを得た。収率78%であった。精ESの分析値を表2に示す。
実施例A−2
3Lフラスコに塩化チオニル4.5kgを仕込み、攪拌し続け、エチレングリコール2.0kgを、反応液中にアルゴンをバブリング(0.02L/min)しながら、30℃以下で135分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は2.5L、空間容積は0.5L)滴下後、40℃に加温し、10時間かけて熟成させて無色透明液体である粗エチレンサルファイト3.4kgを得た。反応液の分析値を表1に示す。
3Lフラスコに塩化チオニル4.5kgを仕込み、攪拌し続け、エチレングリコール2.0kgを、反応液中にアルゴンをバブリング(0.02L/min)しながら、30℃以下で135分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は2.5L、空間容積は0.5L)滴下後、40℃に加温し、10時間かけて熟成させて無色透明液体である粗エチレンサルファイト3.4kgを得た。反応液の分析値を表1に示す。
実施例B−2
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES 2.6kgを得た。収率75%、精ESの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES 2.6kgを得た。収率75%、精ESの分析値を表2に示す。
比較例X−1
3Lフラスコにエチレングリコール2.0kgを仕込み、撹拌し続け、塩化チオニル4.1kgを、反応液中に窒素ガスをバブリング(0.05L/min以下)しながら、15℃以下で135分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は2〜2.5L、空間容積は0.5〜1L)さらに10時間かけて熟成させて無色透明液体である粗エチレンサルファイト3.5kgを得た。反応液の分析値を表1に示す。
3Lフラスコにエチレングリコール2.0kgを仕込み、撹拌し続け、塩化チオニル4.1kgを、反応液中に窒素ガスをバブリング(0.05L/min以下)しながら、15℃以下で135分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は2〜2.5L、空間容積は0.5〜1L)さらに10時間かけて熟成させて無色透明液体である粗エチレンサルファイト3.5kgを得た。反応液の分析値を表1に示す。
比較例Y−1
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES 2.7kgを得た。収率78%、精ESの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES 2.7kgを得た。収率78%、精ESの分析値を表2に示す。
実施例A−3
200mLフラスコに塩化チオニルを50gを仕込み、攪拌し続け、プロピレングリコール(PG)30gを、反応液中に窒素ガスをバブリング(0.01L/min)しながら、15℃以下で30分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は0.1L、空間容積は0.1L)なお反応中に発生するHClガスは系外に排出し、アルカリ水溶液中で中和処理した。系内の温度は徐々に上昇するが、気化熱のために滴下途中から下降し始めた。滴下終了後、40℃で5時間かけて熟成させて無色透明液体である粗プロピレンサルファイト45gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
200mLフラスコに塩化チオニルを50gを仕込み、攪拌し続け、プロピレングリコール(PG)30gを、反応液中に窒素ガスをバブリング(0.01L/min)しながら、15℃以下で30分かけて滴下した。(反応中の反応液の容積は0.1L、空間容積は0.1L)なお反応中に発生するHClガスは系外に排出し、アルカリ水溶液中で中和処理した。系内の温度は徐々に上昇するが、気化熱のために滴下途中から下降し始めた。滴下終了後、40℃で5時間かけて熟成させて無色透明液体である粗プロピレンサルファイト45gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
実施例B−3
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精プロピレンサルファイト37gを得た。収率77%、精ESの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精プロピレンサルファイト37gを得た。収率77%、精ESの分析値を表2に示す。
実施例A−4
PGに代えて、2−プロピン−1−オール(PA)44gと塩化チオニルを50gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして淡褐色透明液体である粗ジプロパルギルサルファイト(DPS)60gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
PGに代えて、2−プロピン−1−オール(PA)44gと塩化チオニルを50gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして淡褐色透明液体である粗ジプロパルギルサルファイト(DPS)60gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
実施例B−4
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精DPS46gを得た。収率74%、精DPSの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精DPS46gを得た。収率74%、精DPSの分析値を表2に示す。
実施例A−5
PGに代えて、1−ブタノール46gと塩化チオニルを40gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして粗ジブチルサルファイト(DBS)58gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
PGに代えて、1−ブタノール46gと塩化チオニルを40gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして粗ジブチルサルファイト(DBS)58gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
実施例B−5
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精DBS45gを得た。収率75%、精DBSの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精DBS45gを得た。収率75%、精DBSの分析値を表2に示す。
実施例A−6
PGに代えて、アリルアルコール45gと塩化チオニルを50gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして粗ジアリルサルファイト(DAS)61gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
PGに代えて、アリルアルコール45gと塩化チオニルを50gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして粗ジアリルサルファイト(DAS)61gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
実施例B−6
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精DAS46gを得た。収率73%、精DASの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精DAS46gを得た。収率73%、精DASの分析値を表2に示す。
実施例A−7
塩化チオニルに代えて臭化チオニル80gとエチレングリコール23gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして粗エチレンサルファイト39gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
塩化チオニルに代えて臭化チオニル80gとエチレングリコール23gを用いたほかは、実施例A−3と同様にして粗エチレンサルファイト39gを得た。反応液の分析値を表1に示す。
実施例B−7 20
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES29gを得た。収率72%、精ESの分析値を表2に示す。
この反応液を減圧下、単蒸留(初留分5%をカットし、蒸留残さを15%残した)し、精ES29gを得た。収率72%、精ESの分析値を表2に示す。
実施例C−1
〔非水電解液の調製〕
実施例B−1で得られたESを用い、EC:VC:ES:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6 を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。
〔非水電解液の調製〕
実施例B−1で得られたESを用い、EC:VC:ES:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6 を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。
〔リチウム二次電池の作製および電池特性の測定〕
LiCoO2(正極活物質)を89重量%、アセチレンブラック(導電剤)を5.3重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5.7重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、厚さ3.2mm)を作製した。
このコイン電池を用いて、室温(20℃)下、1.1mAの定電流および定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に1.1mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は91.2%であった。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
LiCoO2(正極活物質)を89重量%、アセチレンブラック(導電剤)を5.3重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5.7重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、厚さ3.2mm)を作製した。
このコイン電池を用いて、室温(20℃)下、1.1mAの定電流および定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に1.1mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は91.2%であった。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例C−2
実施例B−3で得られたPSを用い、EC:VC:PS:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例B−3で得られたPSを用い、EC:VC:PS:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例C−3
実施例B−4で得られたDPSを用い、EC:VC:DPS:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例B−4で得られたDPSを用い、EC:VC:DPS:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例C−4
実施例B−5で得られたDBSを用い、EC:VC:DBS:MEC(容量比)=28:1.5:0.5:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例B−5で得られたDBSを用い、EC:VC:DBS:MEC(容量比)=28:1.5:0.5:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例C−5
実施例B−6で得られたDASを用い、EC:VC:DAS:MEC(容量比)=28:1.95:0.05:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
実施例B−6で得られたDASを用い、EC:VC:DAS:MEC(容量比)=28:1.95:0.05:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
比較例Z−1
添加剤として、比較例Y−1で得られたESを用い、EC:VC:ES:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池にはわずかに膨れが見られた。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
添加剤として、比較例Y−1で得られたESを用い、EC:VC:ES:MEC(容量比)=28:1.85:0.15:70の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。試験後のコイン電池にはわずかに膨れが見られた。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
比較例Z−2
添加剤として、比較例B−1で得られたESを用い、EC:VC:ES:MEC(容量比)=28:1.6:1.4:69の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。(ESの容量比1.4は2重量%に相当)試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
添加剤として、比較例B−1で得られたESを用い、EC:VC:ES:MEC(容量比)=28:1.6:1.4:69の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製したほかは、実施例C−1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、充放電サイクルを行った。(ESの容量比1.4は2重量%に相当)試験後のコイン電池には全く膨れは見られなかった。コイン電池の作製条件および電池特性を表3に示す。
なお、本発明は記載の実施例に限定されず、円筒電池、角型電池またはラミネート式電池にも適用される。
Claims (8)
- アルコール化合物とハロゲン化チオニルとの反応によるサルファイト化合物の製造方法において、ハロゲン化チオニル中にアルコール化合物を添加することを特徴とする高純度サルファイト化合物の製造方法。
- アルコール化合物とハロゲン化チオニルとの反応により得られるサルファイト化合物を精製処理を行う、サルファイト化合物中の有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下である請求項1記載の高純度サルファイト化合物の製造方法。
- アルコール化合物とハロゲン化チオニルとの反応により得られるサルファイト化合物を精製処理を行う、サルファイト化合物中の酸分の含有量が1000ppm以下である請求項1または2記載の高純度サルファイト化合物の製造方法。
- 前記サルファイト化合物が、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ジメチルサルファイトおよびジプロパルギルサルファイトから選ばれる1種である請求項1〜3のいずれか1項記載の高純度サルファイト化合物の製造方法。
- 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、該非水電解液中に有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下である高純度サルファイト化合物を、非水溶媒に対して0.05〜0.5容量%含有させることを特徴とする非水電解液。
- 高純度サルファイト化合物が、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ジメチルサルファイトおよびジプロパルギルサルファイトから選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の非水電解液。
- 正極、負極および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム電池において、該非水電解液中に有機ハロゲン化合物含有量が1000ppm以下である高純度サルファイト化合物を、非水溶媒に対して0.05〜0.5容量%含有させることを特徴とするリチウム電池。
- 高純度サルファイト化合物が、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ジメチルサルファイトおよびジプロパルギルサルファイトから選ばれる少なくとも1種である請求項7記載のリチウム電池。
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