JP4432205B2 - エステルの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なエステル製造法に関する。詳しくは、アルコ−ルまたはアルコールとアルデヒドの気相接触反応による低級エステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酢酸エチルに代表される低級エステル類は塗料用溶剤をはじめ抽出溶媒、化成品中間体、医薬品中間体などとして多量に用いられ化学工業上重要な物質である。
従来、このような低級エステルは、カルボン酸とアルコールからの脱水エステル化反応、またはTishchenko反応と呼ばれるアルデヒドの縮合反応によって製造された。近年、ヘテロポリ酸触媒を用いカルボン酸とオレフィンからエステルを製造する方法(特開平5ー65248など)が報告されており、新たな酢酸エチル製造法として注目されている。
しかしながら、これまでの酢酸エチル製造法は、酸とアルコールまたは酸とオレフィンといった複数の原料を用いるために複数の原料ソースの確保が必要となるか、或いはアセトアルデヒドのような非工業地帯では入手しにくく、取り扱いの困難な原料を用いるため、原料の確保、備蓄、ハンドリングが容易ではなかった。
さらに、炭素鎖の長さの異なるエステルを製造する場合、これまでは、対応する酸とアルコールから脱水エステル化反応によるエステル化反応が有効な手段ではあったが、原料に酸を用いることから装置の腐食などに問題があった。
工業化学雑誌1968年71巻9号1517〜1522頁には、パラジウム触媒を用いた酸化的エステル化反応によりエチルアルコールから酢酸エチルを製造する方法が報告されている。特開平9−29099には、パラジウム−鉛系の触媒によるアルコールとアルデヒドからエステルを製造する方法が開示されている。しかし、これらの反応は酸素を消費する反応であり、エステルは生成するものの工業的に有用な水素を副生成物として利用することができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の技術課題を解決することであり、新規なエステルの製造法を提供することである。詳しくは、低級アルコールから、または低級アルコールと低級アルデヒドとからエステルを製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、銅と酸化ジルコニウムを必須成分として含み、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物を含有する触媒を特別の方法で調製することによって、アルコールからエステルを、またはアルコールとアルデヒドからエステルを脱水素反応にて製造する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
本発明のエステル製造法は、つぎの(1)〜(11)項で定義される。
1) アルコールまたはアルコールとアルデヒドを加圧下において下記触媒に気相接触させることを特徴とするエステルの製造法
(亜鉛、クロム、アルミニウムおよびケイ素からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む金属塩、ジルコニウム塩および銅塩と水酸化アルカリとの反応により得られる触媒前駆体を水素還元してなる酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物、酸化ジルコニウムおよび銅からなる触媒)。
2) 前記触媒が、銅1モルに対して、5モル以下の酸化亜鉛、5モル以下の酸化クロム、5モル以下の酸化アルミニウム、200モル以下の酸化ケイ素および0.05〜5モルの酸化ジルコニウムである前記1項に記載のエステル製造法。
3) 前記触媒が、銅1モルに対して、酸化亜鉛2モル以下、酸化アルミニウム5モル以下および酸化ジルコニウム0.05〜5モルからなる前記1項に記載のエステル製造法。
4) 前記触媒が、銅1モルに対して、酸化亜鉛5モル以下および酸化ジルコニウム0.05〜5モルからなる前記1項に記載のエステル製造製造法。
5) 前記触媒が、銅1モルに対して、酸化アルミニウム5モル以下および酸化ジルコニウム0.05〜5モルからなる前記1項に記載のエステル製造法。
【0006】
6) 前記触媒が、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウムおよび硝酸ジルコニルの混合水溶液と水酸化アルカリとから得られる沈澱物の焼成体(触媒前駆体)を水素還元してなるエステル製造用Cu−ZnO−Al2O3−ZrO2触媒である前記1項に記載のエステル製造法。
7) 前記触媒が、硝酸銅、硝酸亜鉛および硝酸ジルコニルの混合水溶液と水酸化アルカリとから得られる沈澱物の焼成体(触媒前駆体)を水素還元してなるエステル製造用Cu−ZnO−ZrO2触媒である前記1項に記載のエステル製造法。
8) 前記触媒が、硝酸銅、硝酸アルミニウムおよび硝酸ジルコニルの混合水溶液と水酸化アルカリとから得られる沈澱物の焼成体(触媒前駆体)を水素還元してなるエステル製造用Cu−Al2O3−ZrO2触媒ある前記1項に記載のエステル製造法。
9) 反応圧力が2MPa以下である前記1〜8項のいずれか1項に記載のエステルの製造法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のエステル製造法に用いる触媒は、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物、酸化ジルコニウムおよび銅からなる触媒であって、該酸化物を構成する金属の少なくとも1種を含む塩、ジルコニウム塩および銅塩と水酸化アルカリとの反応により得られる触媒前駆体を水素還元して得られるのが特徴である。
たとえば、触媒に含まれる金属の硝酸塩の水溶液に水酸化アルカリの水溶液を添加し金属水酸化物からなる触媒前駆体を沈殿させ、この触媒前駆体を水洗、乾燥、焼成して後、120〜500℃、1〜48時間で水素還元することにより、酸化銅を還元して活性な金属銅−酸化ジルコニウム−酸化物触媒とする。
すなわち、本発明のエステルの製造法に用いる触媒の成分は、金属銅、酸化ジルコニウムが必須であり、これに酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素から選ばれた1つまたは2種以上の酸化物が含まれるものである。酸化物、酸化ジルコニウムの含有量は、銅1モルに対して、5モル以下の酸化亜鉛、5モル以下の酸化クロム、5モル以下の酸化アルミニウム、200モル以下の酸化ケイ素および0.05〜5モルの酸化ジルコニウムである
【0008】
本発明のエステル製造法に用いる触媒は、触媒前駆体の段階でエステル製造に使用する反応装置に所定量採り入れこれを水素還元して活性化して触媒とし、これにエステル原料を供給するのが適当な方法である。たとえば、高圧気相流通反応装置に所定量の触媒前駆体を入れ、これを水素還元することにより活性な触媒層をエステル製造装置内に形成させる。
また、金属硝酸塩と水酸化アルカリとの反応により金属水酸化物からなる沈澱物の調製には、特に限定しないが共沈法、含浸法などの方法が好適に適用される。
【0009】
本発明の製造法に用いるCu−ZnO−Al2O3−ZrO2触媒における銅または金属酸化物の含有量は、銅1モルに対して、酸化亜鉛が2モル以下、酸化アルミニウムが5モル以下、酸化ジルコニウム0.05〜5モルが好ましく、より好ましくは銅1モルに対して、酸化亜鉛が0.05〜1モル、酸化アルミニウム0.1〜1モル、酸化ジルコニウムが0.1〜1モルである。含有量が好ましい範囲を外れると目的エステルの選択率が低下する。
この触媒は、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウムおよび硝酸ジルコニルの混合水溶液と水酸化アルカリとから得られる沈澱物の焼成体(触媒前駆体)を水素還元して調製される。その混合水溶液は、硝酸銅1モルに対して、2モル以下の硝酸亜鉛、10モル以下の硝酸アルミニウムおよび0.05〜5モルの硝酸ジルコニルを含有するのが好ましく、より好ましくは0.05〜1モルの硝酸亜鉛、0.2〜2モルの硝酸アルミニウムおよび0.1〜1モルの硝酸ジルコニルである。
【0010】
本発明の製造法に用いるCu−ZnO−ZrO2触媒における銅または金属酸化物の含有量は、銅1モルに対し、酸化亜鉛が5モル以下、酸化ジルコニウム0.05〜5モルが好ましく、より好ましくは銅1モルに対し、酸化亜鉛が0.1〜1モル、酸化ジルコニウム0.1〜1モルである。含有量が好ましい範囲を外れると目的エステルの選択率が低下する。
この触媒は、硝酸銅、硝酸亜鉛および硝酸ジルコニルの混合水溶液と水酸化アルカリとから得られる沈澱物の焼成体(触媒前駆体)を水素還元して調製される。その混合水溶液は、硝酸銅1モルに対して、5モル以下の硝酸亜鉛および0.05〜5モルの硝酸ジルコニルを含有するのが好ましく、より好ましくは、0.1〜1モルの硝酸亜鉛および0.1〜1モルの硝酸ジルコニルである。
【0011】
本発明の製造法に用いるCu−Al2O3−ZrO2触媒における銅または金属酸化物の含有量は、銅1モルに対して、酸化アルミニウムが5モル以下、酸化ジルコニウム0.05〜5モルが好ましく、より好ましくは銅が1モルに対して、酸化アルミニウムが0.1〜1モル、酸化ジルコニウム0.1〜1モルである。含有量が好ましい範囲を外れると目的エステルの選択率が低下する。
この触媒は、硝酸銅、硝酸アルミニウムおよび硝酸ジルコニルの混合水溶液と水酸化アルカリとから得られる沈澱物の焼成体(触媒前駆体)を水素還元して調製される。その混合水溶液は、硝酸銅1モルに対して、10モル以下の硝酸アルミニウムおよび0.05〜5モルの硝酸ジルコニルを含有するのが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜1モルの硝酸アルミニウムおよび0.1〜1モルの硝酸ジルコニルである。
【0012】
本発明のエステル製造法は、本発明に特有の前記触媒にアルコールまたはアルコールとアルデヒドとを気相加圧下で接触させ、脱水素反応によりエステルを生成することが特徴である。
【0013】
本発明のエステル製造法に用いられる好ましい触媒は、金属銅−酸化ジルコニウム−金属酸化物であるが、具体的には、Cu−ZnO−Al2O3−ZrO2−SiO2;Cu−ZnO−Al2O3−ZrO2;Cu−ZnO−ZrO2;Cu−ZrO2;Cu−Cr2O3−ZrO2などがあげられる。
また、アルコールから酢酸エチルの製造、アルコールとアセトアルデヒドとから酢酸エチルの製造などには、Cu−ZnO−Al2O3−ZrO2−SiO2;Cu−ZnO−Al2O3−ZrO2;Cu−ZnO−ZrO2;Cu−ZrO2;Cu−Cr2O3−ZrO2などが好ましい。
【0014】
原料となるアルコールはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどが好ましい。またアルデヒドはアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ブチルアルデヒドなどが好ましい。
また、これらの原料から得られるエステルとしては、ぎ酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸ブチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−プロピルなどがあげられる。
特に本発明のエステル製造法は、エチルアルコールから酢酸エチル、エチルアルコールとアセトアルデヒドから酢酸エチルの製造に好ましく用いられる。
【0015】
本発明のエステル製造法は、加圧下好ましくはゲージ圧2MPa以下、より好ましくは1〜0.05MPaで行う。反応温度は、180℃から400℃の温度範囲が好適に使用される。180℃未満では反応の進行が十分でなく400℃を越えると生成物選択率が悪くなる。
【0016】
原料のアルコール、アルデヒド中の水分は、0〜30重量%の範囲で使用可能であり、好ましくは0〜15重量%の範囲である。
【0017】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例、比較例に用いた固定床気相流通反応装置は、内径27mm、全長600mm(上部500mmはセラミックリングの充填した気化層であり、下部に長さ100mmの触媒層を有する)の反応器であり、その上端にキャリヤーガス導入口と原料流入口があり、下端にガス抜け口を有する反応粗液捕集容器(冷却)を有するものである。
また、捕集容器に捕集された反応粗液は、ガスクマトグラフィーにて測定し、検量線補正と水分補正後、酢酸エチルなどの収量、エチルアルコールなどの原料の残量を決定し、この値から転化率(重量%)、選択率(重量%)、収率(重量%)を求めた。
【0018】
(実施例1)
(触媒の調製)
フラスコ内に硝酸銅195g、硝酸亜鉛20g、硝酸アルミニウム、101g、硝酸ジルコニル36gを水5リットルに溶解したものに、水酸化ナトリウム179gを水1リットルに溶解した水溶液を加える。生じた沈澱を水洗、乾燥、焼成したものを触媒前駆体とする。
この触媒前駆体72gを固定床気相流通反応装置の触媒層(内径27mm、長さ約100mm)に採り、つぎに窒素で希釈した水素を還元剤として200℃以下で12時間水素還元し、この反応装置内にCu−ZnO−Al2O3−ZrO2エステル製造用触媒層を設定した。
(エステルの製造)
上記Cu−ZnO−Al2O3−ZrO2触媒層の設定された固定床気相流通反応装置の上部から原料のエチルアルコール(99.5%)とキャリアガスの窒素を供給することにより反応は開始される。気化層でエチルアルコールは気化され、反応器を密閉することで反応器内は加圧状態となる。気化されたエチルアルコールは触媒層へと供給される。反応器内の圧力は反応圧力として、気化層および触媒層の温度は反応温度として表に示した。
所定の反応圧力下での、反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表1】
反応圧力:0.1MPa(ゲージ圧)、LHSV=0.5h-1
【0019】
(実施例2)
(エステルの製造)
反応圧力が0.3MPaであること以外は、実施例1と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表2】
反応圧力:0.3MPa(ゲージ圧)、LHSV=0.5h-1
【0020】
(実施例3)
(エステルの製造)
反応圧力が0.5MPaであること以外は、実施例1と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表3】
反応圧力:0.5MPa(ゲージ圧)、LHSV=0.5h-1
【0021】
(実施例4)
(エステルの製造)
反応圧力が0.7MPaであること以外は、実施例1と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表4】
反応圧力:0.7MPa(ゲージ圧)、LHSV=0.5h-1
【0022】
(実施例5)
(エステルの製造)
LHSVが1.0であること以外は、実施例2と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表5】
反応圧力:0.3MPa(ゲージ圧)、LHSV=1.0h-1
【0023】
(実施例6)
(エステルの製造)
LHSVが2.0であること以外は、実施例2と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表6】
反応圧力:0.3MPa(ゲージ圧)、LHSV=2.0h-1
【0024】
(実施例7)
(エステルの製造)
LHSVが3.0であること以外は、実施例2と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表7】
反応圧力:0.3MPa(ゲージ圧)、LHSV=3.0h-1
【0025】
(実施例8)
(エステルの製造)
反応原料が4重量%の水を含むエチルアルコールであること以外は、実施例5と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表8】
反応圧力:0.3MPa(ゲージ圧)、LHSV=1.0h-1
【0026】
(実施例9)
(エステルの製造)
反応圧力が大気圧であること以外は、実施例1と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表9】
反応圧力:0.01MPa(ゲージ圧)、LHSV=0.5h-1
【0027】
(実施例10)
(エステルの製造)
LHSVが1.0h-1であること以外は、実施例5と同条件でエステル化を行った。
反応温度に対するエタノール転化率、酢酸エチル選択率、酢酸エチル収率をつぎの表に示す。
【表10】
反応圧力:0.5MPa(ゲージ圧)、LHSV=1.0h-1
【0028】
(比較例1)
(触媒の調製)
酸化銅48g、酸化亜鉛16g、酸化アルミニウム102gおよび酸化ジルコニウム25gを水150gと共に物理的に混合し乾燥したものを200℃で焼成し灰白色の固体の触媒前駆体を得る。
この触媒前駆体20gを固定床気相流通反応装置の触媒層(内径17mm、長さ約100mm)に採り、つぎに窒素で希釈した水素を還元剤として200℃以下で4時間水素還元し、この反応装置内にCu−ZnO−Al2O3−ZrO2エステル製造用触媒層を設定した。
(エステルの製造)
上記エステル製造用触媒層の設定された固定床気相流通反応装置の上部からキャリアガスである窒素の供給量は一律としたキャリアガスとして窒素ガスを20ml/min.の速度で流した。この窒素ガスと共に99.5重量%のエチルアルコールを供給し、触媒層上部に設けられたセラミックリングを充填した気化層でエチルアルコールを気化して触媒層へ供給し反応を行った。なお気化層と触媒層の温度は260℃で行った。反応を行った結果をつぎの表に示す。
【表11】
【0029】
(比較例2)
(触媒の調製)
フラスコ内に硝酸銅97g、硝酸亜鉛40g、硝酸アルミニウム504g、硝酸ジルコニル36gを水5リットルに溶解した。この溶液に30%アンモニア水540mlを水1リットルに溶解した水溶液を加えて得られる沈澱物を、水洗、乾燥、焼成したものを触媒前駆体とした。
この触媒前駆体20gを固定床気相流通反応装置の触媒層(内径17mm、長さ約100mm)に採り、つぎに窒素で希釈した水素を還元剤として200℃以下で4時間水素還元し、この反応装置内にCu−ZnO−Al2O3−ZrO2エステル製造用触媒層を設定した。
(エステルの製造)
上記エステル製造用触媒層の設定された固定床気相流通反応装置の上部からキャリアガスである窒素の供給量は一律としたキャリアガスとして窒素ガスを20ml/min.の速度で流した。この窒素ガスと共に99.5重量%のエチルアルコールを供給し、触媒層上部に設けられたセラミックリングを充填した気化層でエチルアルコールを気化して触媒層へ供給し反応を行った。なお気化層と触媒層の温度は260℃で行った。反応を行った結果をつぎの表に示す。
【表12】
【0030】
【発明の効果】
本発明の製造法は、特有の触媒が優れた活性を示し、特に加圧下で効果を示すことが特徴である。このことにより、アルコール、またはアルコールとアルデヒドからエステルを高収率、高選択率で得ることができる。特に酢酸エチルなどの製造に適し、工業上意義のある製造法である。
Claims (4)
- アルコールまたはアルコールとアルデヒドを加圧下において下記触媒に気相接触させることを特徴とするエステルの製造法(亜鉛、およびアルミニウムを含む金属塩、ジルコニウム塩および銅塩と、水酸化アルカリとの反応により得られる触媒前駆体を水素還元してなる酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび銅からなるCu−ZnO−Al 2 O 3 −ZrO 2 触媒)。
- 前記触媒が、銅1モルに対して、酸化亜鉛0.08〜2モル、酸化アルミニウム0.1〜5モルおよび酸化ジルコニウム0.05〜5モルからなる請求項1に記載のエステル製造法。
- 前記触媒が、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウムおよび硝酸ジルコニルの混合水溶液と水酸化アルカリとから得られる沈澱物の焼成体(触媒前駆体)を水素還元してなるエステル製造用Cu−ZnO−Al2O3−ZrO2触媒である請求項1に記載のエステル製造法。
- 反応圧力が2MPa以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエステルの製造法。
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WO2013114781A1 (ja) * | 2012-02-02 | 2013-08-08 | Jnc株式会社 | 低級エステル製造法 |
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