JP4431775B2 - クリプトスポリジウム・パルバムに由来するrnaの検出方法 - Google Patents

クリプトスポリジウム・パルバムに由来するrnaの検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中のクリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)に由来するRNAの検出方法、検出用試薬キット、及び、新規な塩基配列を有するDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】
クリプトスポリジウム・パルバムは、胞子虫類コクシジウム目アイメリア亜目に属する直径5μmの小型類円形の消化管寄生原虫である。この原虫に感染すると、一般に激しい下痢と腹痛が主症状で感染から1〜4週間後には自然治癒するケースが多いが、乳幼児や高齢者では長期化、重症化するケースもある。またAIDS患者では年余にわたってクリプトスポリジウム・パルバムが腸粘膜で増殖を繰り返し、やがて衰弱死するケースが多い。
この原虫は塩素に対して耐性を示すため通常の浄化施設では完全な処理が困難である。このことから、近年水系による下痢症の集団発生を起こす病原微生物として大きな問題となっている。
【0003】
感染経路は、糞便の経口感染に起因するヒトからヒトへの感染、飲料水、食品汚染による経口感染に起因する家畜からヒトへの感染、放牧場、畜舎周辺、有機肥料使用の農地等の環境汚染による水を介してのヒトへの感染等様々な経路がある。
【0004】
クリプトスポリジウム・パルバムに対する有効な薬剤や治療法は確立していない。そのため早期発見による予防処置が大変重要である。実際の環境水の感染リスクを正確に知るためには、生存するオーシストの有無を知ることが必要となる。現在クリプトスポリジウム・パルバムの生死判定法としては、DAPI/PI染色が知られている。この方法は、DAPI及びPI溶液で試料を染色し、その染まり具合の差を顕微鏡で観察する方法であるが、熟練を要し時間がかかる等の問題点がある。
【0005】
クリプトスポリジウム・パルバムのDNAをPCRによって増幅し、電気泳動やハイブリダイゼーションを用いて検出する方法は既に開発されており、この方法により簡便かつ迅速に試料中のオーシストを検出できるが、一般的にDNAは生物の死亡後も長期間残っており、サンプル中からPCRによってクリプトスポリジウム・パルバムのDNAを増幅し検出した場合、死亡しているクリプトスポリジウム・パルバムからのDNAも検出してしまう可能性が高い。そのため、実際のリスクよりも高く評価してしまう可能性がある。
【0006】
一方、mRNAは、生物の死亡後すばやく分解されるため、生きた生物にしか検出されない(Appl.Environ.Microbial.(1998)64,1313−1318)。したがってクリプトスポリジウム・パルバムのmRNAを増幅し検出することで、生存するクリプトスポリジウム・パルバムのオーシストのみを検出できる可能性がある。
【0007】
これまでに、RT−PCRを用いてクリプトスポリジウム・パルバムのRNAを検出する前例(Appl.Environ.Microbial.(1996)62,3385−3390)はあるが、RT−PCRはRNAとともにDNAも増幅するため、増幅生成物がRNA由来のものかDNA由来のものか区別できない。そのためRT−PCRによるRNAの増幅を行う前に試料をDNaseにより処理する必要がある。それに対しNASBA等により増幅する方法はRNAのみを増幅するため、DNase処理を必要としない。またRT−PCRに比べ、短時間で増幅が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、迅速かつ簡便にクリプトスポリジウム・パルバムを検出するための、クリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAの検出方法、検出用試薬キット、及び、クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な新規な塩基配列を有するDNAを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するmRNAの一部を増幅する行程、及び、得られた増幅生成物とプローブとをハイブリダイゼーションさせる行程を有するクリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAの検出方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
クリプトスポリジウム・パルバムのRNAを検出する方法としては既にヒートショックタンパク質70(HSP70)遺伝子のmRNAをRT−PCRにより増幅し、検出する方法が既に発表されているが、本発明は更に効率のよい方法を提供する。
【0011】
本発明は、サンプル中から抽出したRNAを増幅し、その増幅生成物にクリプトスポリジウム・パルバムに対し特異的なプローブをハイブリダイズさせることによって、サンプル中のクリプトスポリジウム・パルバムの存在を決定するものである。
【0012】
本発明においては、まず、クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するmRNAの一部を増幅する。
クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するmRNAとしてはクリプトスポリジウム・パルバムに特異的であれば特に限定されないが、ヒートショックタンパク質86(heat shock protein 86、以下、HSP86という)遺伝子のmRNAが好適に用いられる。
本発明に用いる核酸増幅領域は、HSP86遺伝子内の塩基配列の一部であり、HSP遺伝子は一般に熱ショックをかけることにより大量のmRNAを生成する利点がある。
配列番号1に示すDNAは、増幅されるHSP86遺伝子の一部分であり、ハイブリダイゼーションの標的領域配列である。配列番号1に示す塩基配列は新規なものである。
【0013】
クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するmRNAは、クリプトスポリジウム・パルバムが含まれている試料から抽出される。
上記試料としては特に限定されず、例えば、生体試料や環境試料等を挙げることができる。
上記生体試料としては、糞便検体や生検試料等を挙げることができる。
上記環境試料としては、水道水、排液のような環境中から採取された試料を挙げることができる。
【0014】
本発明において、クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するmRNAの一部を増幅する工程においては、配列番号2に示す塩基配列の少なくとも一部分を含み少なくとも10ヌクレオチドの鎖長であるDNAと、配列番号3に示す塩基配列の少なくとも一部分を含み少なくとも10ヌクレオチドの鎖長であるDNAとを、プライマーセットとして用いるのが好ましい。配列番号2及び配列番号3に示す塩基配列は、いずれも新規なものである。
また、増幅工程においては、NASBA技術を用いるのが好ましい。
増幅は、クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するmRNAが検出可能なレベルにまで行うことが必要である。
【0015】
NASBA技術による増幅の際には、配列番号3に示すオリゴヌクレオチドにT7プロモーター配列を連結させた配列番号4に示すオリゴヌクレオチドをプライマーに用いるのが好ましい。配列番号4に示す塩基配列は新規なものである。
【0016】
本発明においては、次いで、得られた増幅生成物とプローブとをハイブリダイゼーションさせる。
本発明において、上記プローブには、ストリンジェントな条件下で得られた増幅生成物に対して特異的なハイブリダイズを達成することが可能なすべてのオリゴヌクレオチドが含まれる。したがって、上記増幅生成物に対して必ずしも完全に相補的な塩基配列である必要はない。即ち、上記増幅生成物に相補的な塩基配列に対して、1つ又は複数の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は、付加した塩基配列によって構成され、上記増幅生成物に特異的にハイブリダイゼーションすることができるオリゴヌクレオチドをも含む。また、ハイブリダイズに必要な塩基配列で構成される部分に対して、更に付加的な領域を持つこともできる。また、上記プローブはDNAであってもRNAであってもよい。
【0017】
本発明においてストリンジェントな条件としては特に限定されず、例えば、5×SSC、0.5%ブロッキング試薬、0.5%ポリビニルピロリドンK−30、1%SDS、55℃でのハイブリダイゼーション、2×SSC、0.1%SDS、55℃での洗浄という条件を挙げることができる。これらの条件は限定されるものではなく、同様のストリンジェンシーを与える条件も含まれる。
【0018】
上記プローブとしては、配列番号5に示す塩基配列の少なくとも一部分を含むDNAを好適に用いることができる。なお、配列番号5に示す塩基配列は新規なものである。
配列番号5に示す塩基配列の少なくとも一部分を含むDNAは、少なくとも10塩基の鎖長であるのが好ましい。ストリンジェントな条件下で特異的なハイブリダイゼーションを達成するには、より好ましくは20〜30塩基の鎖長である。
【0019】
本発明において、上記プローブは標識して用いる。上記プローブを標識するための標識物質及びそれをプローブに修飾する方法としては特に限定されず、例えば、DIG(ジゴキシゲニン)、32P、他の認識されうる官能基、ビオチン、蛍光色素、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビパーオキシダーゼ等の容易に検出可能な反応生成物を生成することのできる酵素、又は、それに対して特異的な抗血清又はモノクローナル抗体が得られる抗原等を標識物質として用いてプローブを修飾する方法を挙げることができる。
このうち、ジゴキシゲニンのような抗原やアルカリフォスタファーゼのような酵素によって修飾したものをプローブとして用いるのが好ましい。
【0020】
本発明においては、増幅生成物とプローブとをハイブリダイゼーションが可能な条件で接触させる。
本発明において、ハイブリダイゼーションとは核酸の2本の相補鎖を一緒にして2本鎖分子を形成させることをいう。
ハイブリダイゼーションが可能な条件下で接触させるとは、融解温度(Tm)よりも低い温度条件下で、両者を接触させることを意味する。Tmは、相補的な塩基配列を構成する部分の塩基組成、ハイブリダイゼーション環境の塩濃度、又は、共存する各種の成分等によって決定される。Tmに近いほどストリンジェンシーが高い条件ということができ、特異的なハイブリダイズが発現される。
増幅生成物と標識プローブとの接触は、mRNAの増幅反応後に行うことができる。
【0021】
本発明において、得られた増幅生成物とプローブとをハイブリダイゼーションさせる方法としては特に限定されず、例えば、スロットブロットハイブリダイゼーション法、ドットブロットハイブリダイゼーション法等を挙げることができる。
【0022】
本発明において、検出とはある試料中にクリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAが一定の基準を超えて存在しているかどうかを判定するための試験をいう。
クリプトスポリジウム・パルバムの管理基準が設定されている場合には、その値を基準として、基準を越えている場合に陽性の結果を得られるように検出系の感度を設定してもよい。
感度の調整は、NASBAの反応サイクルやプライマーセットの使用量といったRNA増幅反応の条件を一定にすると共に、増幅生成物に対する標識プローブの添加濃度等を適宜調整することによって行うことができる。
【0023】
本発明の検出方法は、検出のみならず、分離された微生物がクリプトスポリジウム・パルバムであるかどうかを判定するための試験である同定に利用することもできる。
【0024】
本発明はクリプトスポリジウム・パルバムのオーシストの直接検出を可能にし顕微鏡観察を必要としない。本発明は糞便検体及び水道水、下水のような環境サンプル中のクリプトスポリジウム・パルバムの検出を可能にする。
【0025】
本発明1のクリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAの検出方法は、本発明2の検出用試薬キットを用いて実施することができる。
即ち、本発明2は、クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するmRNAの一部を増幅するためのプライマー、及び、得られた増幅生成物に特異的にハイブリダイズすることができるプローブを含むクリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAの検出用試薬キットである。
クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するRNAを増幅するためのプライマーとしては、本発明1において用いるプライマーと同様のものを挙げることができる。
増幅生成物に特異的にハイブリダイズすることができるプローブとしては、本発明1において用いるプローブと同様のものを挙げることができる。
本発明2の検出用試薬キットは、更に、逆転写酵素、RNアーゼH、T7RNAポリメラーゼ、ヌクレオチド基質、反応液を構成する緩衝液成分、そして校正用の標準試料等を含んでいてもよい。本発明2の検出用試薬キットは、これら核酸試料の分析用試薬類に加えて、各種生体試料、又は、環境試料からクリプトスポリジウム・パルバムの核酸を抽出するための界面活性剤や酵素成分等を前処理用の試薬として更に含んでいてもよい。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
クリプトスポリジウム・パルバムHNJ−1株のオーシスト懸濁液を段階希釈した。各濃度の希釈液をそれぞれのチューブに入れ、42℃で20分間熱処理した後、RNAを抽出した。
【0027】
(RNA抽出)
RNA抽出はMagExtractor(東洋紡績社製)を用いて行った。
まず熱処理したオーシスト希釈液を3000×gで5分間遠心した。上清を捨て、2−メルカプトエタノールを1%含む700μLの溶解・吸着液を加えて懸濁した。この懸濁液をドライアイス−エタノールで凍結し、65℃に設定したホットブロックで融解した。この凍結−融解処理を5回行った。懸濁液に5μLの磁性ビーズ溶液を加え、ボルテックスで20秒間攪拌した。室温に1分間放置して懸濁液中のRNAを磁性ビーズに吸着させた。3000×gで10秒間遠心し、上清を捨てた。600μLの洗浄液Iを加え、ボルテックスで10秒間攪拌した。3000×gで10秒間遠心し、上清を捨てた。800μLの洗浄液IIを加え、ボルテックスで10秒間攪拌した。3000×gで10秒間遠心し、上清を捨てた。再度800μLの洗浄液IIを加え、同様のことを行った。溶出液5μLを加え、ボルテックスで5秒間攪拌した。65℃で2分間放置し、ビーズに吸着したRNAを溶出させた。再度ボルテックスで5秒間攪拌した。3000×gで10秒間遠心し、上清に含まれるRNAを回収した。
【0028】
(NASBA法)
抽出したRNAをNASBAキット(東洋紡績社製)を用いて増幅した。まずNASBA凍結乾燥試薬に、NASBA溶解液50μLを加えて溶解した。次いで51.6μLの水、8.4μLのKCl(2M)、5μLのプライマー1(配列番号2、100μM)、5μLのプライマー2(配列番号4、100μM)を加えてプライマー溶液を作成した。作成したプライマー溶液10μLをチューブにそれぞれ加え、更にオーシスト懸濁液から抽出した5μLのRNA溶液を加えた。各チューブを65℃、5分、次いで41℃、5分処理した。更に各々にNASBA酵素溶液5μLを加え、軽くタッピングした後41℃、5分保温した。これを軽く遠心した後、41℃で1時間半保温しRNAを増幅させた。
【0029】
(プローブの作成)
実験に用いたプローブの作成は、DIG DNA標識及び検出キット(ベーリンガーマンハイム社製)を用いて行った。まずクリプトスポリジウム・パルバムHNJ−1株のRNAから、RT−PCRを用いて、配列番号5の領域を増幅した。得られた増幅生成物を精製し、精製物の内の45μLを100℃、5分で変成し、氷上で急冷した。これに6μLのヘキサヌクレオチド混合液、6μLのdNTP標識溶液および2μLのKlenow酵素(2unit/μL)を加え、37℃で20時間インキュベーションしてプローブを作成した。エタノール沈殿によってプローブを沈殿させ、沈殿を70%エタノールで洗浄した後、乾燥させて50μLの超純水に溶かし、これをプローブ溶液として使用した。
【0030】
(ドットブロットハイブリダイゼーション)
NASBA増幅生成物はドットブロットハイブリダイゼーションにより検出した。まずナイロンメンブレンを適切な大きさに切り、各NASBA増幅生成物を1μLずつブロットしていった。ブロットしたメンブレンを0.5M NaOH/1.5M NaClに2分間浸し、RNAを変性させた。メンブレンを5×SSC(0.6M NaCl、60mM クエン酸三ナトリウム二水和物 pH7.0)中に移し、数分間振とうした。メンブレンを乾いた濾紙の上に置き風乾した。乾いたメンブレンをラップに包み、ブロットした面を下にして、UVトランスイルミネーター上に置いた。5分間UVを照射してRNAを固定した。
【0031】
RNAが固定されたメンブレンを5×SSCで湿らせた。メンブレンをハイブリバック(コスモ・バイオ社製)に移し、5mLのハイブリダイゼーションバッファー(5×SSC、0.5%ブロッキング試薬、0.5%ポリビニルピロリドンK−30、1%SDS)を加えた後、55℃のウォーターバス中で30分間インキュベーションした。メンブレンを新しいハイブリバックに入れ、3μLのプローブ溶液を含む1mLのハイブリダイゼーションバッファーを加えて55℃で一晩インキュベートした。
【0032】
メンブレン上のスポットは、ベーリンガーマンハイム社製のDIG DNA標識及び検出キットを用いて発色させ、検出した。
メンブレンをチューブから取り出し、50mLの2×SSC/0.1%SDS溶液に浸して、室温で5分間振とうした。これを2回行なった。50mLの0.1×SSC/0.1%SDS溶液に浸して、55℃で20分間振とうした。これを2回行なった。50mLの洗浄バッファー(0.1Mマレイン酸、0.15M NaCl、0.3%Tween20、pH7.5)に浸して室温で10分振とうした。その後メンブレンを10mLのバッファー2(0.1Mマレイン酸、0.15M NaCl、1%ブロッキング剤、pH7.5)に浸して室温で1時間静置した。2μLのアルカリフォスファターゼ標識−抗ジゴキシゲニン抗体(750units/mL)を含む10mLのバッファー2の中にメンブレンを移し、更に1時間静置した。メンブレンを50mLの洗浄バッファーに移し室温で15分振とうした。これを2回行なった。メンブレンを10mLの検出バッファーに浸した後、200μLのNBT/BCIP溶液を含む10mLの発色溶液に移して発色させた。結果は図1に示した。なお、図1において、スポット1はオーシスト105 個、スポット2はオーシスト104 個、スポット3はオーシスト103 個、スポット4はオーシスト102 個、スポット5はオーシスト101 個、スポット6はオーシスト100 個、スポット7はオーシストなし、を示す。
図1に示したとおり、20分後には100 〜105 個のスポットすべてにはっきりとした発色が現れた。この結果オーシスト1個からでも検出可能であることが示された。
【0033】
実施例2
表1に示した、クリプトスポリジウム・パルバム杏林大株、クリプトスポリジウム・パルバムHNJ−1株、クリプトスポリジウム・バイレイタイプ株、サッカロマイセス・セレビシエ、エシェリヒア・コリの5株を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0034】
【表1】
Figure 0004431775
【0035】
結果を図2に示した。図2において、スポット1はクリプトスポリジウム・パルバム杏林大株、スポット2はクリプトスポリジウム・パルバムHNJ−1株、スポット3はクリプトスポリジウム・バイレイタイプ株、スポット4はサッカロマイセス・セレビシエIFO 0234株、スポット5はエシェリヒア・コリIFO 3301株、を示す。
図2に示したとおり、クリプトスポリジウム・パルバム杏林大株とクリプトスポリジウム・パルバムHNJ−1株のみを特異的に検出した。
【0036】
【発明の効果】
今まで検査時間が長くかかったり、煩雑な操作が必要とされたクリプトスポリジウム・パルバムの検出が、本発明によるプローブ及びプライマーを用い、迅速かつ簡便に行えるようになる。更に、生きたクリプトスポリジウム・パルバムのみを検出できる。そのため、水道水や環境水等におけるクリプトスポリジウム・パルバムに対するリスク管理が今まで以上に迅速かつ安価に行えるようになる。
【0037】
【配列表】
Figure 0004431775
Figure 0004431775
Figure 0004431775

【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における各濃度のオーシスト懸濁液のRNAから増幅したNASBA増幅生成物についてドットブロットハイブリダイゼーションを行った結果を示す図である。
【図2】実施例2における微生物5株のRNAを増幅したNASBA増幅生成物についてドットブロットハイブリダイゼーションを行った結果を示す図である。

Claims (7)

  1. クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するヒートショックタンパク質86遺伝子のmRNAの一部の増幅を、プライマーセットとして配列番号2に示す塩基配列のDNAと配列番号4に示す塩基配列のDNAとを用いかつNASBA技術を用いて行う工程、及び、得られた増幅生成物とプローブとしての配列番号5に示す塩基配列からなるDNAとをハイブリダイゼーションさせる工程を有することを特徴とするクリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAの検出方法。
  2. クリプトスポリジウム・パルバムに特異的な塩基配列を有するヒートショックタンパク質86遺伝子のmRNAの一部を増幅するための配列番号2に示す塩基配列のDNAと配列番号4に示す塩基配列のDNAとからなるプライマー、及び、得られた増幅生成物に特異的にハイブリダイズすることができるプローブとして配列番号5に示す塩基配列からなるDNA、を含むことを特徴とするクリプトスポリジウム・パルバムに由来するRNAの検出用試薬キット。
  3. 配列番号1に示す塩基配列からなるDNA。
  4. 配列番号2に示す塩基配列からなるDNA。
  5. 配列番号3に示す塩基配列からなるDNA。
  6. 配列番号4に示す塩基配列からなるDNA。
  7. 配列番号5に示す塩基配列からなるDNA。
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