JP4430310B2 - ステータの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウタロータ型のステータの製造方法および製造装置に関し、特に、ヨークとティースとが個別に形成されるステータの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16に示すように、一般的なアウタロータ型のステータ500は、ヨーク502とティース504とを一体に打ち抜いた鋼板に形成されている。このようなヨーク502とティース504とが一体となったステータ500では、相互のティース504の間に、素線を供給するノズルを挿入する空間が必要であり隙間部506が大きく、素線の占積率が低くなりトルクが低下する。また、コギングトルクを減少させるためには、スロットの開口部508をより狭く設定することが有効であるが、開口部508はノズルまたは素線が通過する広い幅が必要である。
【0003】
さらに、素線の巻終わりが外側になる場合で同相毎のティース504の間で素線を渡す際には、他相のティース504に対する素線の巻回の障害とならないように内径側に設けたピンを中継する必要がある。
【0004】
このような問題を考慮して、ヨークとティースとを別体型としたステータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−341888号公報(図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記の特許文献1で開示されている技術では、ボビンに夫々コイルを形成してティースに装着した後に、各ボビン間の渡り線の処理を行っている。従って、素線の占積率を向上させることができる一方、渡り部の結線工程が増えることとなる。
【0007】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ヨークとティースとが分割型のステータの製造方法および製造装置において、同相のボビン間における渡り線を切断することなく連続して巻回することを可能とし、しかも素線により形成されるコイルの占積率を向上させることを可能にするステータの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るステータの製造方法は、環状のヨークと、該ヨークに対して放射状に結合する複数のティースと、前記ティースの周囲に設けられるボビンと、該ボビンに素線が巻回されて形成されるコイルとを備えるステータの製造方法において、中央部に前記ヨークが挿入され得る間隔で、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように配設する第1ステップと、ボビンの1つに素線を巻回して前記コイルを形成した後、前記ボビンの一側面で前記素線を経由し、次のボビンに素線を巻回して前記コイルを形成する処理を繰り返し、同相のボビンの全てに前記コイルを形成する第2ステップと、少なくとも一相のボビンに囲まれた中央部で、前記素線が経由される面の反対側から前記ヨークを挿入する第3ステップと、前記ボビンの孔の外側から前記ティースを挿入して、前記ティースの一部を前記ヨークに結合させる第4ステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
このように、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように配設して、各ボビンに対してコイルを形成し、この後、中央部にヨークを挿入してボビンの外側からティースを挿入することによって、同相の渡り線を切断することなく連続して巻回することができる。また、素線の占積率を向上させることができる。
【0010】
この場合、前記第1ステップでは、前記ヨークより大径のブロックに対して、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように取り付け、前記第2ステップでは、前記素線が供給されるボビンの軸を中心として、前記ブロックを回転させることにより前記素線をボビンに巻回させて前記コイルを形成した後、前記ブロックの一側面に沿って次のボビンに素線を経由し、前記第3ステップでは、ボビンに囲まれた中央部で、前記素線が経由される面の反対側から前記ブロックを取り外した後、前記ヨークを挿入するようにしてもよい。
【0011】
このように、ヨークより大径のブロックを用いることにより、同相のボビンの位置を適切かつ容易に設定することができ、しかもボビンに対する素線の巻回処理が容易である。また、各ボビン間における素線の渡りを容易に設定することができる。
【0012】
前記ティースは、ティース本体と、前記ヨークに設けられ前記ボビンが結合す突出部とからなり、前記第4ステップでは、前記突出部に前記ボビンを結合した後、前記ボビンの孔の外側から前記ティース本体を挿入して、前記突出部に結合させるようにしてもよい。
【0013】
このように、ボビンを突出部に係合させることによって、ボビンとヨークとを堅固に係合させることができる。
【0014】
また、本発明に係るステータの製造装置は、環状のヨークと、該ヨークに放射状に結合する複数のティースと、前記ティースの周囲に設けられるボビンと、該ボビンに素線が巻回されて形成されるコイルとを備えるステータの製造装置において、前記ヨークより大径のブロックに対して、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように取り付けた状態で、前記ブロックを回転可能に保持する保持アームと、前記素線を供給する素線供給部と、前記素線が供給されるボビンの軸を中心として、前記保持アームおよび前記ブロックを回転させるモータと、各ボビンの軸を前記モータの回転軸と一致するように係止するインデックス部と、前記コイルが形成された少なくとも一相のボビンから前記ブロックを取り外した状態で、中央部に前記ヨークが挿入され得る間隔で、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように保持する組立機構部と、前記中央部に前記ヨークを挿入した後、前記ボビンの孔を介して前記ヨークにティースを結合させるティース結合部と、を有することを特徴とする。
【0015】
このように、ブロックを用いて、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように配設して、各ボビンに対してコイルを形成し、組立機構部において、中央部にヨークを挿入してボビンの外側からティースを挿入することによって、同相の渡り線を切断することなく連続して巻回することができる。また、素線の占積率を向上させることができる。
【0016】
この場合、一部が前記ボビンの孔に挿入されて先端部が前記ブロックに係合され、前記ボビンを前記ブロックに取り付けるとともに、一部が前記インデックス部に係止可能なボビンガイドと、前記組立機構部に設けられ、前記ボビンガイドを引き抜き可能な引抜治具とにより、ボビンに対する素線の巻回処理およびボビンのインデックスが確実に行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るステータの製造方法および製造装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図1〜図15を参照しながら説明する。
【0018】
本実施の形態に係る製造方法は図1に示すステータ10を製造する方法であり、製造工程の一部に図2に示す製造装置50を用いて製造する。
【0019】
図1に示すように、ステータ10は、積層鋼板からなる円環状のヨーク12と、該ヨーク12に対して放射状に設けられた12個の突極部14とを有する。突極部14は、ヨーク12に結合されるティース本体16と、該ティース本体16に対してボビン18を介して巻回されるコイル20とからなる。
【0020】
ヨーク12には、2つで1組であってティースの一部となる突出対部22が12組設けられ、それぞれ外方向に突出している。それぞれの突出対部22を構成する2つの突出部は略平行に突出しており、その間にティース本体16の先端部16aが結合可能である。
【0021】
ボビン18は、絶縁材の機能を有し、薄い硬質樹脂により成形されている。ボビン18の中央には四角の孔18aが設けられ、該孔18aには突出対部22が挿入される。ティース本体16は、孔18aの反対側から挿入され、1組の突出対部22の間に結合する。
【0022】
突極部14はU相、V相、W相の3相に分かれており、各相それぞれ4つの突極部14からなる。また、素線19は4本ずつまとめて巻回されてコイル20を形成している。ボビン18間における素線19は連続しており、途中に圧着やハンダ付けなどの処理はなされていない。
【0023】
製造装置50はステータ10を製造する装置であって、図2に示すように、同相の4つのボビン18に素線19を巻回するためのコイル巻回機構部50aと、素線19が巻回されコイル20が形成されたボビン18およびティース本体16をヨーク12に装着する組立機構部50bとを有する。
【0024】
図3および図4に示すように、コイル巻回機構部50aは、一相分の4つのボビン18が90°の間隔で取り付けられる円環状のブロック52と、該ブロック52の中心孔に挿入されて固定されるシャフト54と、ボビン18をそれぞれブロック52に固定するボビンガイド56とを有する。また、コイル巻回機構部50aは、対向する2つのボビンガイド56の端部をボールプランジャ(インデックス部)58によって支持する第1支持部60および第2支持部62と、第1支持部60に連結され、シャフト54の一端を回転自在に保持する保持アーム64と、2つのボールプランジャ58のボール58aを中心とする軸Cで第1支持部60および保持アーム64を回転させるモータ68と、第2支持部62に支持されるボビン18に素線19を供給する素線供給部70とを有する。軸Cは、モータ68の回転軸と一致し、かつ、シャフト54の軸と直交している。素線供給部70は同時に4本の素線19を供給することが可能であり、さらに素線19を供給する際、モータ68の回転と同期して軸Cと平行にガイド部71に沿って移動可能である。
【0025】
ブロック52はヨーク12よりやや大きい外径を有し、外周面にはボビンガイド56の先端が挿入される孔52aが設けられている。ボビンガイド56は、ボビン18の孔18aを通して先端部が孔52aに挿入されることによってボビン18をブロック52に固定することができる。ボビンガイド56の外側端面の中央部には、ボール58aに適合する大きさの穴56aが設けられており、該穴56aの中心部にはねじ穴56bが設けられている。
【0026】
シャフト54の一端は、保持アーム64の回転部74に着脱自在な構造となっており、モータ68の回転による遠心力によって抜けることがないように堅固に結合される。回転部74はベアリング76によって滑らかに回転可能である。シャフト54の他端の延出部54aにはレンチなどの工具72が装着可能となっている。ブロック52、シャフト54、ボビン18およびボビンガイド56は、工具72の操作によって回転可能であり、90°回転する毎にボールプランジャ58のボール58aがボビンガイド56の穴56aに係止して位置決めされる。ボビンガイド56が位置決めされた状態でモータ68を回転させるとともに素線供給部70から素線19を供給することによって、第2支持部62に支持されたボビン18に対して素線19を巻回してコイル20を形成することができる。
【0027】
第2支持部62にはボビンガイド56の端面を支持する4つのローラ78が設けられており、ボビン18に素線19が巻回される際に、素線19の張力によってボビン18およびボビンガイド56が移動してしまうことを防止する。ローラ78はロッド80によって進退可能であり、ブロック52およびシャフト54を回転させる際には、第2支持部62の内部に収納しておく。これによりボビンガイド56がローラ78に干渉することなく回転可能である。
【0028】
次に、組立機構部50bについて図5および図6を参照しながら説明する。組立機構部50bは、ブロック52、シャフト54、ボビンガイド56およびコイル20が形成されたボビン18が載置され、ボビンガイド56およびブロック52を引き抜き、ヨーク12を挿入した後に、ボビン18を突出対部22に結合させるための機構部である。
【0029】
組立機構部50bは、シャフト54の延出部54aが挿入される回転部102を底部に備える本体104と、該本体104の外周部に設けられ上方にやや突出したボビンガイド引抜ベース部106と、該ボビンガイド引抜ベース部106の下部から本体104の中心方向へ向かって延在するガイドピン108と、該ガイドピン108の下に配置され、一端が本体104の外部に突出しているボルトシャフト110と、該ボルトシャフト110の端部に設けられたハンドル112とを有する。
【0030】
ボビンガイド引抜ベース部106には、本体104の周方向の一端に開口するU字状の切欠部106aが設けられている。また、組立機構部50bでは、ねじ孔114にボルトシャフト110が螺合するとともにガイド孔116にガイドピン108が案内挿入される移動部材118と、該移動部材118の上面に開口している2つの穴120に挿入される逆U字状のボビン押圧部材122と、本体104の上部に設けられ、本体104の中心方向に対して進退自在なロックピン124(図5参照)とを有する。さらに、組立機構部50bでは、ボビンガイド引抜ベース部106の切欠部106aに挿入され、先端部126aがボビンガイド56のねじ穴56bに螺合し、略中間部の基準面126bがボビンガイド引抜ベース部106の端面に当接する引抜治具126が用いられる。
【0031】
回転部102およびボルトシャフト110は、それぞれベアリング128および130によって軸支されていて滑らかに回転可能である。
【0032】
次に、このように構成される製造装置50を用いてステータ10を製造する方法について、図7〜図13を参照しながら説明する。この製造方法においてはU相の4つのボビン18に素線19を巻回し、このボビン18をヨーク12に取り付け、さらにティース本体16を結合する。この後、V相およびW相についても同様の処理を繰り返してステータ10を製造する。
【0033】
まず、図7のステップS1において、ブロック52の4つの孔52aにそれぞれボビン18の一端を合わせて、ボビン18の他端からボビンガイド56を挿入する。ボビンガイド56の先端部は孔52aに係合して取り付けられる。また、ブロック52の中心孔にシャフト54を挿入して固定した後、シャフト54の一端を保持アーム64に取り付ける。ブロック52に取り付けられた4つのボビン18はステータ10における同相として形成される。
【0034】
さらに、シャフト54の延出部54aに工具72を差し込んでブロック52を回転させ、対向する2つのボビンガイド56の穴56aにボールプランジャ58を係止させるとともに、4本の素線19の端部をブロック52のクランパ132(図3参照)に係止する。
【0035】
次に、ステップS2において、モータ68を回転させるとともに素線供給部70から4本の素線19を供給し、第2支持部62によって支持されたボビン18に素線19を巻回させる。つまり、モータ68を回転させることにより保持アーム64および該保持アーム64に保持されたブロック52とシャフト54が軸Cを中心として一体的に回転する。これにより、第2支持部62によって支持されたボビン18も軸Cを中心として回転し、素線供給部70がガイド部71に沿って移動しながら素線19を供給することによってボビン18に素線19が巻回されることとなる。素線19は、ボビン18の外側ほど巻回数を多くし、素線19の巻終わりはボビン18の外側となる。
【0036】
ボビン18にコイル20が形成された後、モータ68の回転と素線19の供給を停止させる。4本の素線19を同時に巻回させることにより、巻回に要する時間を短縮することができる。素線19の本数はボビン18のサイズ等に合わせて適当な本数に設定すればよい。
【0037】
次いで、ステップS3において、4つのボビン18の全てに素線19を巻回して、コイル20を形成したか否かを確認する。未巻回のボビン18が存在する場合にはステップS4に移り、4つのボビン18の全てに素線19を巻回した場合には、ステップS5に移る。
【0038】
ステップS4においては、シャフト54の延出部54aに工具72を差し込んでシャフト54およびブロック52を90°回転させる。このとき、4本の素線19をブロック52の一端面52bに沿って渡らせて2つのボビン18間の渡り線とすれば、素線19の切断または接続の処理は不要となる。なお、ブロック52を回転させる際には、ロッド80によってローラ78を引き抜いて待避させておく。
【0039】
この場合、素線19の巻終わりはボビン18の外側となるために、上面から見た際、渡り線は他相の領域を通る領域重複部134(図3参照)を有することとなるが、各相は個別に巻回するので、領域重複部134が他相の巻回の際に障害となることはない。従って、中継ピン等によって渡り線をブロック52からはみ出ないようにする処理は不要である。
【0040】
このステップS4の処理後ステップS2に戻り、未巻回のボビン18に素線19を巻回する。
【0041】
ステップS5においては、素線19を素線供給部70の近傍で切断した後、シャフト54を回転部74から取り外す。すなわち、コイル巻回機構部50aから取り外す。シャフト54にはブロック52、ボビンガイド56およびコイル20が形成された4つのボビン18が一体的に結合している。また、4つのボビン18の間の渡り線は、ブロック52の一端面52bに沿って配設されている。
【0042】
次に、ステップS6において、シャフト54の延出部54aを下向きにして組立機構部50bに取り付ける。シャフト54の延出部54aは回転部102に挿入され、シャフト54、ブロック52、ボビンガイド56およびボビン18は一体的に回転可能となる。シャフト54を回転させ、ボビン18の1つをボビンガイド引抜ベース部106の位置に合わせ、ボビン押圧部材122の2つの先端部を移動部材118の穴120に挿入する。このとき、ハンドル112を回転することによって移動部材118を本体104の外周側に移動させておく。ボビンガイド56の突出部はボビン押圧部材122によって挟まれ、ボビン押圧部材122の一側面はボビン18の外周側面に接する。
【0043】
次いで、ステップS7において、ボビンガイド引抜ベース部106の切欠部106aに引抜治具126の先端部126aを挿入してボビンガイド56のねじ穴56bに螺合させ、ボビンガイド56をブロック52の孔52aから引き抜く。このとき、ボビン18はボビン押圧部材122によって押さえられているので、ボビン18がボビンガイド56と共に外径方向にずれることがなく、ボビンガイド56のみが確実に引き抜かれる。
【0044】
さらに、ステップS8において、ブロック52の4つ全てのボビンガイド56を引き抜いたか否かを確認する。ボビンガイド56が引き抜かれていない孔52aが存在する場合にはステップS9に移り、4つの孔52aの全てからボビンガイド56を引き抜いた場合には、図8のステップS10に移る。
【0045】
ステップS9においては、シャフト54を時計方向に90°回転させる。このとき、引抜治具126はボビンガイド引抜ベース部106の切欠部106aから離脱して、ボビンガイド56のねじ穴56bに螺合したまま一体的に移動する。シャフト54を回転させる際には、ボビン押圧部材122およびロックピン124を引き抜いておく。この後、ステップS7に戻り、ボビンガイド引抜ベース部106の軸上に位置することになる孔52aからボビンガイド56を引き抜く。
【0046】
図8のステップS10においては、ブロック52を上方に取り外した後、シャフト54にヨーク12を取り付ける(図9参照)。ヨーク12はブロック52より小径であることからブロック52に取り付けられていたボビン18に干渉することなく挿入可能である。
【0047】
なお、この時点でV相のボビン18の組立を行っているときには、ヨーク12にはU相の4組のボビン18およびティース本体16が装着済みであり、W相のボビン18の組立を行っているときには、U相およびV相の8組のボビン18およびティース本体16が装着済みである。
【0048】
また、ロックピン124を本体104の中心方向へ進出させることにより突出部に係合させてヨーク12の位置決めを行うとともに、各ボビンガイド56から引抜治具126を取り外す。
【0049】
次に、ステップS11において、ハンドル112を回転操作することによって移動部材118を本体104の中心方向へ移動させ、移動部材118と一体に移動するボビン押圧部材122によってボビン18をヨーク12の突出対部22に圧入して結合させる(図10および図11参照)。ボビン18は突出対部22に結合されることによって、ヨーク12に対して確実に固定される。この操作の後、移動部材118を本体104の外径側に戻す。
【0050】
次いで、ステップS12において、4つのボビン18の全てを突出対部22に結合したか否かを確認する。結合されていないボビン18が存在する場合にはステップS13に移り、4つのボビン18の全ての結合が終了した場合には、ステップS14に移る。
【0051】
ステップS13においては、ロックピン124を外側に一度待避させた状態でシャフト54を90°回転させ、再度ロックピン124でヨーク12の位置決めを行う。この後、ステップS11に戻り、ボビン18の結合の処理を行う。
【0052】
ステップS14においては、4つのボビンガイド56を取り除くとともに、4つのボビン18の外側からティース本体16を仮挿入する。
【0053】
次に、ステップS15において、前記のステップS11と略同様に、ハンドル112を回転操作することによってティース本体16を本体104の中心方向へ移動させ、ティース本体16の先端部16aを1組の突出対部22の間に圧入して結合する(図12参照)。この操作の後、移動部材118を本体104の外径側に戻す。
【0054】
ティース本体16を結合する処理は、例えば、引抜治具126によって押し込むようにしてもよい。
【0055】
次いで、ステップS16において、4つのボビン18の全てに対してティース本体16を結合したか否かを確認する。ティース本体16が結合されていないボビン18が存在する場合にはステップS17に移る。4つのボビン18の全てにティース本体16の結合処理を終了した場合、すなわち、同相の4つの突極部14が組み立てられた場合にはステップS18に移る。
【0056】
ステップS17においては、ロックピン124を外側に一度待避させた状態でシャフト54を90°回転させ、再度ロックピン124でヨーク12の位置決めを行う。この後、ステップS15に戻り、ティース本体16の結合処理を行う。
【0057】
ステップS18においては、ヨーク12をシャフト54から取り外すとともに、シャフト54も回転部102から取り外す。
【0058】
次に、ステップS19においてU、V、W相の3相全てについてボビン18およびティース本体16の取り付けを終了したか否かを確認する。未処理の相が存在する場合にはステップS1に戻る。3相全てについてボビン18およびティース本体16の取り付けを終了した場合には、ステータ10の製造を終了する。
【0059】
このようにして製造されたステータ10は、図13に示すように、突極部14間におけるコイル20の占積率が高く、隙間部136を非常に小さくすることができる。従って、このステータ10が組み込まれる回転電機は高いトルクを発生することができる。また、ティース間の幅138を非常に小さく設定することができるのでコギングトルクの影響が小さい。さらに、同相のコイル20間の渡り線には圧着やハンダ付けなどの処理が不要であって、容易に製造できるとともに、簡便な構成であることから信頼性が高い。
【0060】
なお、上記の例ではボビン18をステップS11で結合し、ティース本体16をステップS15で挿入するものとしたが、ボビン18とティース本体16とをボビン押圧部材122によって一体的に結合するようにしてもよい。引抜治具126およびハンドル112等は手動操作で行うものとして説明したが、これらの操作部は適当なアクチュエータによって自動的に操作してもよい。
【0061】
また、図7および図8に基づくステータ10の製造方法においてはU、V、W相毎のボビン18にコイル20を巻回し、このボビン18をヨーク12に取り付けさらにティース本体16を結合するという例について説明したが、U相のボビン18にコイル20を巻回してブロック52から取り外した後にV、W相の8個のコイル20についてもそれぞれコイル20を形成するようにしてもよい。すなわち、図14に示すように、まず12個のボビン18のそれぞれにコイル20を形成した後に、これらをまとめてヨーク12に対して位置合わせを行い、順に突出対部22に結合するようにしてもよい。
【0062】
さらに、上記のヨーク12は、ボビン18が結合される突出対部22を有するものとしたが、図15に示すように、突出部を設けずに、ボビン18毎に対応する凹部140を有するものとしてもよい。この場合、ティース17をボビン18の孔18aに挿入し、先端部17aを凹部140に圧入して結合することによって突極部14を形成することができる。なお、ヨーク12(図1参照)における突出対部22に相当する部分がないことから、突出対部22にボビン18を結合する処理、つまり前記のステップS11〜S13は不要である。
【0063】
ステータ10の各相はそれぞれ4つのコイル20からなる、所謂4スロットの例を示したが、このスロット数は任意の数に設定可能である。
【0064】
本発明に係るステータの製造方法および製造装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至ステップを採り得ることはもちろんである。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るステータの製造方法および製造装置によれば、ヨークとティースとが分割型のステータを製造する際に、同相のボビン間における渡り線を切断することなく連続して巻回することができ、しかも素線により形成されるコイルの占積率を向上させるという効果を達成することができる。
【0066】
また、ティース間の幅を狭く設定することができるのでコギングトルクの影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造方法で製造されるステータを示す分解斜視図である。
【図2】本実施の形態に係るステータの製造装置の平面図である。
【図3】ステータの製造装置におけるコイル巻回機構部の平面図である。
【図4】ステータの製造装置におけるコイル巻回機構部の一部断面側面図である。
【図5】ステータの製造装置における組立機構部の一部断面平面図である。
【図6】ステータの製造装置における組立機構部の断面側面図である。
【図7】本実施の形態に係るステータの製造方法の手順を示すフローチャート(その1)である。
【図8】本実施の形態に係るステータの製造方法の手順を示すフローチャート(その2)である。
【図9】組立機構部においてブロックを取り外した後にヨークを挿入する工程を示す断面側面図である。
【図10】組立機構部においてヨークにボビンを圧入する工程を示す一部断面平面図である。
【図11】組立機構部においてヨークにボビンを圧入する工程を示す断面側面図である。
【図12】組立機構部においてヨークにティースを圧入する工程を示す断面側面図である。
【図13】本実施の形態に係る製造方法により製造されるステータを示す一部拡大断面図である。
【図14】組立機構部において12個のボビンを順にヨークに挿入する工程を示す一部断面平面図である。
【図15】本実施の形態に係る製造方法により製造される、凹部にティースが圧入される型のステータを示す分解斜視図である。
【図16】従来のヨークとティースが一体型のステータを示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
10…ステータ 12…ヨーク
14…突極部 16…ティース本体
18…ボビン 19…素線
20…コイル 22…突出対部
50…製造装置 50a…コイル巻回機構部
50b…組立機構部 52…ブロック
54…シャフト 56…ボビンガイド
58…ボールプランジャ 58a…ボール
60…第1支持部 62…第2支持部
64…保持アーム 68…モータ
70…素線供給部 74、102…回転部
104…本体 106…ボビンガイド引抜ベース部
108…ガイドピン 110…ボルトシャフト
118…移動部材 122…ボビン押圧部材
126…引抜治具

Claims (5)

  1. 環状のヨークと、該ヨークに対して放射状に結合する複数のティースと、前記ティースの周囲に設けられるボビンと、該ボビンに素線が巻回されて形成されるコイルとを備えるステータの製造方法において、
    中央部に前記ヨークが挿入され得る間隔で、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように配設する第1ステップと、
    ボビンの1つに素線を巻回して前記コイルを形成した後、前記ボビンの一側面で前記素線を経由し、次のボビンに素線を巻回して前記コイルを形成する処理を繰り返し、同相のボビンの全てに前記コイルを形成する第2ステップと、
    少なくとも一相のボビンに囲まれた中央部で、前記素線が経由される面の反対側から前記ヨークを挿入する第3ステップと、
    前記ボビンの孔の外側から前記ティースを挿入して、前記ティースの一部を前記ヨークに結合させる第4ステップと、
    を有し、
    前記第1ステップでは、前記ヨークより大径のブロックに対して、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように取り付け、
    前記第2ステップでは、前記素線が供給されるボビンの軸を中心として、前記ブロックを回転させることにより前記素線をボビンに巻回させて前記コイルを形成した後、前記ブロックの一側面に沿って次のボビンに素線を経由し、
    前記第3ステップでは、ボビンに囲まれた中央部で、前記素線が経由される面の反対側から前記ブロックを取り外した後、前記ヨークを挿入することを特徴とするステータの製造方法。
  2. 請求項1記載のステータの製造方法において、
    前記ティースは、ティース本体と、前記ヨークに設けられ前記ボビンが結合する突出部とからなり、
    前記第4ステップでは、前記突出部に前記ボビンを結合した後、前記ボビンの孔の外側から前記ティース本体を挿入して、前記突出部に結合させることを特徴とするステータの製造方法。
  3. 環状のヨークと、該ヨークに対して放射状に結合する複数のティースと、前記ティースの周囲に設けられるボビンと、該ボビンに素線が巻回されて形成されるコイルとを備えるステータの製造方法において、
    中央部に前記ヨークが挿入され得る間隔で、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように配設する第1ステップと、
    ボビンの1つに素線を巻回して前記コイルを形成した後、前記ボビンの一側面で前記素線を経由し、次のボビンに素線を巻回して前記コイルを形成する処理を繰り返し、同相のボビンの全てに前記コイルを形成する第2ステップと、
    少なくとも一相のボビンに囲まれた中央部で、前記素線が経由される面の反対側から前記ヨークを挿入する第3ステップと、
    該ヨークに設けた一対の突出部を前記ボビンの孔に挿入することにより前記ヨークに前記ボビンを結合した後、前記ボビンの孔の外側から前記ティース本体を挿入して、前記ティース本体の先端部を前記突出部の間に結合させる第4ステップと、
    を有することを特徴とするステータの製造方法。
  4. 環状のヨークと、該ヨークに放射状に結合する複数のティースと、前記ティースの周囲に設けられるボビンと、該ボビンに素線が巻回されて形成されるコイルとを備えるステータの製造装置において、
    前記ヨークより大径のブロックに対して、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように取り付けた状態で、前記ブロックを回転可能に保持する保持アームと、
    前記素線を供給する素線供給部と、
    前記素線が供給されるボビンの軸を中心として、前記保持アームおよび前記ブロックを回転させるモータと、
    各ボビンの軸を前記モータの回転軸と一致するように係止するインデックス部と、
    前記コイルが形成された少なくとも一相のボビンから前記ブロックを取り外した状態で、中央部に前記ヨークが挿入され得る間隔で、一相のボビンを等角度で、かつ、それぞれの孔が放射状となるように保持する組立機構部と、
    前記中央部に前記ヨークを挿入した後、前記ボビンの孔を介して前記ヨークにティースを結合させるティース結合部と、
    を有することを特徴とするステータの製造装置。
  5. 請求項4記載のステータの製造装置において、
    一部が前記ボビンの孔に挿入されて先端部が前記ブロックに係合され、前記ボビンを前記ブロックに取り付けるとともに、一部が前記インデックス部に係止可能なボビンガイドと、
    前記組立機構部に設けられ、前記ボビンガイドを引き抜く引抜治具と、
    を有することを特徴とするステータの製造装置。
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