JP4429477B2 - 力検出装置および操作量検出装置 - Google Patents

力検出装置および操作量検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は力検出装置および操作量検出装置に関し、特に、コンピュータゲームや小型電子機器用の入力装置などに用いるのに適した力検出装置および操作量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な力検出装置としては、ピエゾ抵抗素子、圧電素子、容量素子などを利用した種々のタイプのものが普及している。これらの力検出装置は、マン・マシンインターフェイスとして、様々な装置に対する操作量検出装置としても利用することが可能である。たとえば、コンピュータゲーム用の入力装置や、携帯電話などの小型電子機器用の入力装置としては、種々の力検出装置や操作量検出装置が利用されている。このような検出装置では、通常、平面上で互いに直交する4方向についての操作量とともに、ON/OFFスイッチ操作とが検出される。たとえば、マウスなどを用いて、ディスプレイ画面上でカーソルを所定の目的物の位置まで移動させ、この目的物上でマウスなどのボタンをクリックする、という操作は、コンピュータゲームや種々の電子機器に対する操作として頻繁に行われる操作である。この操作を、マウスの代わりに力検出装置を用いて行うためには、カーソルを上下左右に移動させるために、上下左右の4方向についての操作量の検出と、マウスボタンのクリック操作に相当するON/OFFスイッチ操作の検出とを行う必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の力検出装置あるいは操作量検出装置には、良好な操作感を得ることができないという問題があった。たとえば、上下左右の4方向について、確実に操作量を入力するためには、操作部の円滑な動きを確保することが不可欠である。また、確実なON/OFFスイッチ操作を行うためには、スイッチがOFF状態からON状態に切り替わったことが、触覚を通じて認識できるようにする必要がある。ところが、従来の装置で提供される操作感は、確実な操作入力を行う上では必ずしも十分とは言えない。
【0004】
そこで本発明は、良好な操作感を得ることができる力検出装置または操作量検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、XYZ三次元座標系において、所定の作用点に作用した外力のX軸方向成分およびY軸方向成分またはこの外力と同等の押圧力を検出する力検出装置において、
座標系におけるXY平面に沿った上面を有する主基板と、
この主基板の上面のほぼ中心位置に座標系の原点を定義したときに、この主基板上の原点を中心とする位置に伏せるように配置されたドーム状構造体と、
ほぼ平面状の下面を有しドーム状構造体の上方に配置された作用部と、主基板に固定された固定部と、作用部と固定部との間に形成された可撓部と、を有する変位生成体と、
主基板側に形成された固定電極および作用部側に形成された変位電極によって構成される容量素子を有し、この容量素子の静電容量値に基づいて、作用部の下面と主基板の上面との距離を、X軸正領域の上方、X軸負領域の上方、Y軸正領域の上方、Y軸負領域の上方の各位置において検出し、この検出結果に基づいて、作用部に作用した外力のX軸方向成分およびY軸方向成分または当該外力と同等の変位を作用部に生じさせる押圧力を検出する変位検出部と、
を設け、
可撓部は、作用部に外力が作用していない状態において、作用部がドーム状構造体の上方に浮いた位置に配置されるように、作用部を支持する脚部として機能し、
ドーム状構造体は、頂点付近に対して所定の大きさをもった下方への押圧力を加えると、頂点付近が弾性変形して下に凸となるように形状反転を起こす性質を有し、かつ、少なくとも頂点付近の下面が導電性接触面を構成しており、
主基板の上面の原点近傍に、ドーム状構造体が形状反転を起こした際に導電性接触面に接触可能な接触用固定電極が形成されており、
作用部に対して、第1の大きさをもった下方への外力が作用したときに、可撓部が撓みを生じることにより、作用部の下面がドーム状構造体の上面に形状反転を起こさせない状態で接触し、作用部の下面が形状反転を起こしていないドーム状構造体によって支持されつつ、主基板の上面に対して変位を生じる第1の検出状態となり、
作用部に対して、第1の大きさよりも大きな第2の大きさをもった下方への外力が作用したときに、可撓部が撓みを生じるとともに、ドーム状構造体が形状反転を起こすことにより、導電性接触面と接触用固定電極とが接触し、作用部の下面が形状反転を起こしたドーム状構造体によって支持されつつ、主基板の上面に対して変位を生じる第2の検出状態となり、
第1の検出状態および第2の検出状態のいずれの場合も、固定電極と変位電極との間に所定の距離が確保され、容量素子の静電容量値に基づく力の検出が行えるようにし、
変位検出部は、作用部の下面とドーム状構造体の上面との接触状態および導電性接触面と接触用固定電極との接触状態を、それぞれ電気的に検出することにより、装置が第1の検出状態もしくは第2の検出状態にあることを認識し、第1の検出状態における力の検出値と、第2の検出状態における力の検出値と、を区別して出力するようにしたものである。
【0007】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る力検出装置において、
変位検出部が、X軸正領域上もしくはその上方において主基板に固定された第1の固定電極と、X軸負領域上もしくはその上方において主基板に固定された第2の固定電極と、Y軸正領域上もしくはその上方において主基板に固定された第3の固定電極と、Y軸負領域上もしくはその上方において主基板に固定された第4の固定電極と、作用部の下面の第1の固定電極に対向する位置に形成された第1の変位電極と、作用部の下面の第2の固定電極に対向する位置に形成された第2の変位電極と、作用部の下面の第3の固定電極に対向する位置に形成された第3の変位電極と、作用部の下面の第4の固定電極に対向する位置に形成された第4の変位電極と、を有し、第1の固定電極と第1の変位電極とによって形成される第1の容量素子の静電容量値と第2の固定電極と第2の変位電極とによって形成される第2の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のX軸方向成分または当該外力と同等の変位を作用部に生じさせる押圧力を検出し、第3の固定電極と第3の変位電極とによって形成される第3の容量素子の静電容量値と第4の固定電極と第4の変位電極とによって形成される第4の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のY軸方向成分または当該外力と同等の変位を作用部に生じさせる押圧力を検出できるようにしたものである。
【0008】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2の態様に係る力検出装置において、
変位検出部が、主基板側に固定された第5の固定電極と、作用部の下面の第5の固定電極に対向する位置に形成された第5の変位電極と、を更に有し、第5の固定電極と第5の変位電極とによって形成される第5の容量素子の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分または当該外力と同等の変位を作用部に生じさせる押圧力を検出できるようにしたものである。
【0009】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第2または第3の態様に係る力検出装置において、
作用部の下面に形成される各変位電極を、物理的に単一の共通変位電極によって構成するようにしたものである。
【0010】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る力検出装置において、
ドーム状構造体を、作用部に加えられる力に基づいて撓みを生じる材質によって構成し、
主基板の上面に、ドーム状構造体の底周囲部を、生じた撓みによる変位を許容しうるように保持する補助基板を設けたものである。
【0012】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係る力検出装置において、
接触用固定電極を、物理的に分離された一対の電極によって構成し、
変位検出部が、これら一対の電極間の導通状態を電気的に検出することにより、導電性接触面と接触用固定電極との接触状態の検出を行うことができるようにしたものである。
【0013】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る力検出装置において、
ドーム状構造体の下面の導電性接触面と主基板の上面に形成された接触用固定電極とによって構成される容量素子の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分または当該外力と同等の変位を作用部に生じさせる押圧力を検出する機能を更に設けたものである。
【0015】
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第7の態様に係る力検出装置において、
作用部の上面に操作桿を設け、この操作桿の上端の作用点に与えられた外力によって作用部の下面が主基板の上面に対して変位を生じるように構成し、与えられた外力の検出ができるようにしたものである。
【0016】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第1〜第8の態様に係る力検出装置において、
作用部の上面に複数の指標を配置し、個々の指標位置に加えられた押圧力によって作用部の下面が主基板の上面に対して変位を生じるように構成し、どの指標位置にどれだけの押圧力が加えられたかを検出できるようにしたものである。
【0017】
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第9の態様に係る力検出装置において、
作用部を、弾性材料からなる本体部と、この本体部の上面に形成された剛性材料からなる操作盤とによって構成したものである。
【0018】
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第10の態様に係る力検出装置において、
本体部の中心部分に剛性材料からなる心棒を埋込み、この心棒の上端を操作盤の下面に接続するようにしたものである。
【0019】
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第1〜第11の態様に係る力検出装置を用いて操作量検出装置を構成し、
変位検出部から出力された第1の検出状態における力の検出値をX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向の4方向についての第1の操作量として検出し、
変位検出部から出力された第2の検出状態における力の検出値をX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向の4方向についての第2の操作量として検出するようにしたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
§1.第1の実施形態の構造
図1は、本発明の第1の実施形態に係る力検出装置の側断面図である。この装置の主要な構成要素は、主基板110、ドーム状構造体120、補助基板130、変位生成体140、固定部材150である。ここでは、説明の便宜上、図示のように、主基板110の上面の中央位置に原点O、図の右方向にX軸、図の上方向にZ軸、図の紙面に対して垂直方向にY軸をそれぞれとることにより、XYZ三次元座標系を定義する。
【0026】
主基板110は、XY平面に沿った上面を有する基板である。この主基板110は、上面に電極などが形成されるため、絶縁性材料によって構成するのが好ましい。もちろん、金属板などの導電性材料によって主基板110を構成することも可能であるが、その場合には、上面などの必要な箇所に絶縁層を形成するようにする。実用上は、たとえば、セラミック基板、ガラスエポキシ基板、ガラス基板などによって主基板110を構成するのが好ましい。あるいは、ポリイミドフィルムなどのフィルム状の素材で主基板110を構成することもできる(本発明における「基板」とは、このようなフィルムまでも含む広い概念で用いている。)。図2に、この主基板110の上面図を示す。図示のように、この実施形態では、正方形状の基板からなり、中央部分に円盤状の接触用固定電極E0が形成されている。後述するように、この接触用固定電極E0は、ドーム状構造体120が反転状態となったときに、頂点付近の下面に接触する電極として機能する。
【0027】
主基板110には、図示の位置に配線用の貫通孔111が形成されている。この貫通孔111は、ドーム状構造体120に接続された配線部121を挿通するためのものである。図2に破線で示した円は、ドーム状構造体120の底周囲部の位置を示すものである。ドーム状構造体120は、金属板からなる円形のドーム状(椀状)をした構造体であり、主基板110上の原点Oを中心とする位置に伏せるように配置される。配線部121は、このドーム状構造体120の底周囲部の1か所から下方に導出された導電線であり、その先端は貫通孔111を通って主基板110の下面側へと導出される。図2に示すように、ドーム状構造体120の底周囲部の直径は、接触用固定電極E0の直径よりも大きく、両者は接触することのないように同心円状に配置される。ドーム状構造体120は、必ずしも金属によって構成する必要はないが、本実施形態の作用効果を得るためには、上方からの押圧力が作用すると、弾性変形による撓みを生じる機能を有し、少なくとも頂点付近の下面(接触用固定電極E0に対向した面)には導電性接触面が形成されている必要がある。したがって、実用上は、金属板をドーム状に加工することによって、ドーム状構造体120を構成するのが好ましい。
【0028】
一方、補助基板130の上面図を図3に示す。この補助基板130は主基板110と同じ正方形状をした基板であり、その役割は、ドーム状構造体120を所定位置に保持するとともに、固定電極E1〜E4の形成面を提供することにある。すなわち、この補助基板130の中央部分には、ドーム状構造体120の直径よりも若干小さな直径をもった円形ホールHが形成されており、この円形ホールHからドーム状構造体120の主要部分が上方へ露出することになる。この円形ホールHの外周に沿った下面部分には、環状溝131が形成されている。この環状溝131は、ドーム状構造体120の底周囲部を保持するためのものである。上述したように、ドーム状構造体120は可撓性をもった金属板から構成されているため、撓みが生じると径が変化したり周辺部が上下に変位したりし、底周囲部に変位が生じることになる。環状溝131は、このような変位を許容した状態でドーム状構造体120を主基板110上に保持する機能を有する。
【0029】
補助基板130の上面には、4枚の扇形状の固定電極E1〜E4が形成されている。すなわち、図3に示すように、X軸正領域の上方位置には第1の固定電極E1が配置され、X軸負領域の上方位置には第2の固定電極E2が配置され、Y軸正領域の上方位置には第3の固定電極E3が配置され、Y軸負領域の上方位置には第4の固定電極E4が配置されている。これら4枚の固定電極E1〜E4は、いずれも同一形状、同一サイズの電極であり、X軸またはY軸に関して線対称の形状をもち、線対称となる位置に配置されている。図1は、この力検出装置をX軸に沿って切断した側断面図であるため、X軸上方に配置された第1の固定電極E1および第2の固定電極E2しか示されていないが、紙面裏側に第3の固定電極E3、紙面手前側に第4の固定電極E4が配置されていることになる。
【0030】
図4は、主基板110の上面にドーム状構造体120を配置し、更に、その上に補助基板130を載せた状態を示す上面図である。図に破線で示す円は、内側から順に、それぞれ接触用固定電極E0の位置、ドーム状構造体120の外周位置、環状溝131の外周位置を示している。ドーム状構造体120の主要部分は、補助基板130の円形ホールHから上方へと露出した状態となる。各固定電極の平面的な配置に着目すると、中央領域に接触用固定電極E0が位置し、これを取り囲む周辺領域に第1〜第4の固定電極E1〜E4が位置している。これらの各電極は、導体であればどのような材料で構成してもかまわないが、本実施形態の場合、各基板上にプリント配線の技術を利用して形成した銅のパターンによって各電極を構成している。また、ここでは図が繁雑になるために図示を省略してあるが、実際には、各基板上には個々の電極に対する配線層が形成されている。これらの配線層も、プリント配線の技術を利用した銅などの金属パターンによって構成するのが好ましい。
【0031】
図5は、変位生成体140の上面図である。この変位生成体140は、図1の側断面図に示されているように、円盤状の作用部141と、その周囲の肉薄部分である可撓部142と、更にその周囲の固定部143と、作用部141の上面中央部分に取り付けられた操作桿144と、この操作桿144の上面に形成された突起部145と、によって構成されている。本実施形態の場合、変位生成体140は、絶縁性のシリコンゴムを一体成型してなり、全体的にある程度の弾力性を有している。ここで、作用部141および操作桿144は肉厚が大きい塊状体となっているのに対し、可撓部142および固定部143は肉厚の小さな層状体となっており、十分な可撓性を有している。ただし、固定部143は、固定部材150によって固定されているため、実際に十分な可撓性を有する部分は、可撓部142の部分ということになる。本発明に係る力検出装置を構成する上では、変位生成体140のうち、少なくとも可撓部142の部分が可撓性を有していれば十分である。ただ、製造コストを低減するためには、この実施形態のように、変位生成体140全体をシリコンゴムのような弾性材料で一体成型するのが好ましい。
【0032】
図5の上面図における破線の円は、固定部材150の上面開口部を示している。固定部材150は、図1の側断面図に示されているように、主基板110、補助基板130、変位生成体140の3層からなる積層体の外周部分を固定する機能を有しており、上面層および下面層には、それぞれ円形の開口部が形成されている。図5に示す破線の円の外側部分が、固定部材150の上面層によって覆われて固定されてしまう固定部143ということになる。円盤状の作用部141は、その周囲にある円環状の可撓部142によって周囲から支持された状態となっている。
【0033】
操作桿144は、円柱状の形態をなし、操作者が指で操作する対象物である。その上面中央部には、突起部145が形成されている。実用上は、必要に応じて、この操作桿144の外側にプラスチックや金属などの筒状カバーを被せて利用するようにする。
【0034】
図6は、変位生成体140の下面図である。図示のとおり、変位生成体140は平面状の下面を有しており、ここに円盤状の共通変位電極Ecが形成されている。この共通変位電極Ecの円周は、図4に示す第1〜第4の固定電極E1〜E4の外周に対応しており、共通変位電極Ecは、第1〜第4の固定電極E1〜E4のすべてに対する共通の対向電極として機能することになる。原理的には、第1の固定電極E1に対向する第1の変位電極と、第2の固定電極E2に対向する第2の変位電極と、第3の固定電極E3に対向する第3の変位電極と、第4の固定電極E4に対向する第4の変位電極と、をそれぞれ変位生成体140の下面に独立して形成すればよいが、実用上は、4枚の変位電極を別個独立して形成するよりも、1枚の共通変位電極Ecを形成した方が構造が単純になる。ここでは、導電性ゴムによって共通変位電極Ecを構成している。
【0035】
図1に示すように、作用部141はドーム状構造体120の上方に配置される。このとき、作用部141の下面に形成された共通変位電極Ecが、ドーム状構造体120に接触した状態となり、作用部141の下面と主基板110の上面とが平行な状態を維持するように配置する。したがって、操作桿144に何ら外力が作用していない状態では、接触用固定電極E0および第1〜第4の固定電極E1〜E4と、共通変位電極Ecとは平行な状態を維持することになる。
【0036】
§2.第1の実施形態の動作
続いて、§1で構造を述べた力検出装置の動作を説明する。この装置は、2とおりの機能を有している。第1の機能は、操作桿144に加えられた外力のX軸方向成分およびY軸方向成分の検出機能であり、第2の機能は、操作桿144を下方に押し込むことによるスイッチのON/OFF操作の検出機能である。
【0037】
まず、ここでは、第1の機能について述べことにし、便宜上、突起部145の中心位置に作用点を定義し、この作用点に外力が作用したものとして、以下の説明を行うことにする。いま、操作桿144の上端の作用点に外力が作用したとすると、この外力は作用部141へと伝わり、可撓部142に撓みを生じさせる。その結果、作用部141は変位することになる。すなわち、何ら外力が作用していない状態においては、図1に示すように、作用部141の下面と主基板110の上面とは平行を維持しているが、突起部145にX軸方向成分またはY軸方向成分を含む外力が作用すると、作用部141の下面が主基板110の上面に対して傾き、変位を生じるようになる。
【0038】
たとえば、突起部145にX軸正方向への外力+Fxが加えられたとすると、作用部141(および操作桿144)は、図7の側断面図に示すように変位することになる。すなわち、図の右側(X軸正領域)では、作用部141の下面と主基板110の上面との距離が狭くなり、図の左側(X軸負領域)では、作用部141の下面と主基板110の上面との距離が広くなる。これに対して、突起部145にX軸負方向への外力−Fxが加えられたとすると、図の状態とは左右逆の変位が生じることになり、図の右側(X軸正領域)では、作用部141の下面と主基板110の上面との距離が広くなり、図の左側(X軸負領域)では、作用部141の下面と主基板110の上面との距離が狭くなる。このような関係は、突起部145にY軸正方向の外力+Fyが加えられた場合や、Y軸負方向の外力−Fyが加えられた場合も同様である。
【0039】
本発明に係る力検出装置のひとつの特徴は、主基板110の上面にドーム状構造体120が配置されているため、操作桿144に外力が作用した場合、作用部141の下面がドーム状構造体120によって支持されつつ、主基板110に対して変位を生じる点にある。ドーム状構造体120の上面は、たとえば、球面あるいは楕円体面の一部(Z軸を中心軸とした回転体の形状をもつ)から構成され、非常になだらかな曲面となっている。作用部141は、このなだらかな曲面に接触しながら変位することができるため、操作者の指先になだらかな触覚が伝わることになり、良好な操作感を得ることができるようになる。
【0040】
なお、上述したように、本実施形態では、可撓性をもった金属板からなるドーム状構造体120を用いているため、操作桿144に作用する外力のZ軸負方向成分−Fz(突起部145を下方へ押し込む成分)が所定のしきい値(ドーム状構造体120に弾性変形を誘発させるために必要な力)よりも小さいうちは、図7の側断面図に示すように、ドーム状構造体120自体は変形せず、作用部141の下面がこのドーム状構造体120の上面に沿って変位することになるが、−Fzがこのしきい値を越えると、図8の側断面図に示すように、ドーム状構造体120が弾性変形を生じることになる。すなわち、ドーム状構造体120は若干潰れて偏平形状となり、その底周囲部の径はやや広がることになる。
【0041】
図7の状態および図8の状態のいずれの場合でも、作用部141の下面と主基板110の上面との距離を、X軸正領域の上方、X軸負領域の上方、Y軸正領域の上方、Y軸負領域の上方の各位置において検出する機能をもった変位検出部を用意しておけば、各距離に基づいて作用部141の変位を検出することができ、突起部145に与えられた外力の検出を行うことができる。ここに示す実施形態では、主基板110側に形成された第1〜第4の固定電極E1〜E4と、作用部側に形成された共通変位電極Ecとによって4組の容量素子C1〜C4を形成し、これらの容量素子の静電容量値に基づいて各距離の検出を行うようにしている。
【0042】
図9は、このようにして形成された各容量素子C1〜C4の等価回路である。第1の容量素子C1は、X軸正領域の上方に配置された第1の固定電極E1と、これに対向する第1の変位電極(共通変位電極Ecの一部分)とによって構成され、第2の容量素子C2は、X軸負領域の上方に配置された第2の固定電極E2と、これに対向する第2の変位電極(共通変位電極Ecの一部分)とによって構成され、第3の容量素子C3は、Y軸正領域の上方に配置された第3の固定電極E3と、これに対向する第3の変位電極(共通変位電極Ecの一部分)とによって構成され、第4の容量素子C4は、Y軸負領域の上方に配置された第4の固定電極E4と、これに対向する第4の変位電極(共通変位電極Ecの一部分)とによって構成される。本実施形態の場合、第1〜第4の変位電極は、物理的に単一の共通変位電極Ecによって構成されているため、図9の回路図における各容量素子C1〜C4の上側の変位電極Ecは電気的に接続された状態となっているが、下側の各固定電極E1〜E4は、それぞれ電気的に独立しており、外部端子T1〜T4に接続されている。なお、各固定電極E1〜E4から外部端子T1〜T4への具体的な配線層は、本願図面には示されていない。
【0043】
図9の回路図に示されている容量素子C0は、接触用固定電極E0とドーム状構造体120(変位電極Edとして機能する)とによって構成される付加的な容量素子である。上述したように、本実施形態では、ドーム状構造体120として金属板からなる構造体を用いているため、ドーム状構造体120自身が、変位電極Edとして機能する。しかも、ドーム状構造体120の上面のいずれかの箇所と共通変位電極Ecとは接触状態を維持しているため、図9の回路図では、変位電極Edは共通変位電極Ecに電気的に接続された状態となっている。図1に示されているように、ドーム状構造体120には、配線部121が接続されており、この配線部121は、貫通孔111を通って主基板110の下面側へと導かれている。図9の回路図における外部端子Tdは、この配線部121の下端に設けられた端子である。また、接触用固定電極E0は、図示されていない配線により、外部端子T0に接続されている。
【0044】
かくして、図1に示す力検出装置には、5組の容量素子C0〜C4が形成されていることになり、これらの容量素子の一方の電極はいずれも変位電極となっているため、静電容量値が変化することになる。これら静電容量値に基づいて、操作桿144に作用した外力の各座標軸方向成分を、次のようにして検出することができる。
【0045】
まず、外力のX軸方向成分±Fxは、第1の容量素子C1の静電容量値と第2の容量素子の静電容量値との差を求めることによって検出することができる。図7または図8に示すように、X軸正方向の力+Fxが作用すると、第1の容量素子C1の電極間隔は狭くなるためその静電容量値は増加するのに対し、第2の容量素子C2の電極間隔は広くなるためその静電容量値は減少する。よって、第1の容量素子C1の静電容量値から第2の容量素子C2の静電容量値を減じる演算を行えば、その差は、X軸正方向の力+Fxを示す値となる。逆に、X軸負方向の力−Fxが作用すると、増減の関係が逆転するため、その差の符号が逆転することになる。結局、第1の容量素子C1の静電容量値から第2の容量素子C2の静電容量値を減じる演算結果が得られれば、その符号がX軸正方向か負方向かの向きを示し、その絶対値が作用した力の大きさを示すことになる。全く同様にして、第3の容量素子C3の静電容量値から第4の容量素子C4の静電容量値を減じる演算結果により、作用した外力のY軸方向成分の向きと大きさを得ることができる。
【0046】
一方、容量素子C0の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸負方向成分−Fzを検出することができる。図8に示すように、操作桿144を下方へと押圧する力−Fzが所定のしきい値を越えると、ドーム状構造体120が弾性変形を生じ偏平する。これにより、接触用固定電極E0とドーム状構造体120(変位電極Ed)との距離が狭くなるため、容量素子C0の静電容量値は増加することになる。よって、容量素子C0の静電容量値の変化を電気的に検出すれば、作用した外力のZ軸負方向成分−Fzを検出することができる。もっとも、この実施形態の場合、Z軸正方向成分+Fz(操作桿144を図の上方へと持ち上げる力)を検出することはできない。このような力が加わると、作用部141の下面がドーム状構造体120の上面から離れてしまい、ドーム状構造体120に何ら変位が生じないからである。また、Z軸負方向成分−Fzを検出するにしても、精度の高い検出値は得ることができない。ドーム状構造体120は、もともとクリック感を有するスイッチ用に設計されているため、力−Fzの大きさと容量素子C0の電極間距離との間に線形性が得られない。したがって、この容量素子C0に基づくZ軸負方向成分−Fzの検出機能は、大まかな値を求める場合に利用される補助的な機能というべきものになる。Z軸方向成分についてより精度の高い検出を行う方法は、後の§3で説明する。
【0047】
なお、これまで述べてきた各容量素子の静電容量値に基づく検出は、図9に示す外部端子T0〜T4,Tdに所定の検出用回路を接続することによって行われることになる。このような検出回路は、既に種々のものが公知であるため、ここでは説明を省略する。
【0048】
続いて、この実施形態に係る力検出装置の第2の機能、すなわち、操作桿144を下方に押し込むことによるスイッチのON/OFF操作の検出機能について述べる。この機能は、操作桿144に対して作用した下方への力を検出するという点においては、上述した容量素子C0に基づいてZ軸負方向成分−Fzを検出する補助的な機能と類似する。しかしながら、スイッチのON/OFF操作は、ON状態とOFF状態との2つの状態間の遷移操作であり、かつ、操作者にON状態にあるのかOFF状態にあるのかを明確に認識させる必要がある操作である。本発明に係る力検出装置では、操作時にクリック感をもたせることにより、触覚を通じていずれの状態にあるかを明確に認識させるようにしている。
【0049】
これまで、図1,図7,図8に、この力検出装置の種々の状態を示したが、これらの状態はいずれもスイッチOFFの状態を示している。この力検出装置において、スイッチONの状態とは、接触用固定電極E0とドーム状構造体120とが接触した状態を言う。図10は、この力検出装置がスイッチONの状態となったときを示す側断面図である。スイッチONの状態の特徴は、ドーム状構造体120の形状にある。すなわち、図1,図7,図8に示す例では、いずれの場合もドーム状構造体120は、上に凸となる状態を維持しているが、図10では、ドーム状構造体120の頂点付近が弾性変形して、下に凸となるように形状反転を起こしている。その結果、頂点付近の下面が接触用固定電極E0の上面に接触した状態となっている。したがって、ドーム状構造体120と接触用固定電極E0とが電気的に導通状態となる。図9の回路図では、外部端子T0とTdとの間が導通することになり、この両端子がスイッチ端子として用いられることになる。
【0050】
本実施形態の場合、ドーム状構造体120は金属板から形成されており、このような金属板から形成されたドーム状構造体では、板厚を適当な寸法に設定すれば、頂点付近に対して下方への押圧力を加えると、頂点付近が弾性変形して下に凸となるように形状反転を起こす性質をもたせることができる。もっとも、このようにドーム状構造体120に形状反転を起こさせるためには、操作桿144にかなり大きな押圧力を加える必要がある。図1に示す状態において、操作者が操作桿144を下方に押し込むような力を加えてゆくと、この力が所定の臨界値を越えた時点で、ドーム状構造体120が急激に形状反転して図10に示す状態に至ることになる。このため、操作者は、図1に示す状態から図10に示す状態に遷移したことを、触覚を通じて認識することができ、いわゆる「クリック感」が得られることになる。操作者が力を緩めると、弾性変形していたドーム状構造体120が元の状態に復帰し、再び図1に示す状態に遷移する。このときの状態遷移も、操作者は、触覚を通じて認識することができる。このように、操作桿144を押しボタンとするスイッチのON/OFF操作を、触覚を通じて明確に認識することができるので、良好な操作感が得られることになる。
【0051】
結局、ここで述べた実施形態に係る力検出装置は、操作桿144に与えられたX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向の4方向の力を検出する第1の機能と、操作桿144を押しボタンとするスイッチのON/OFF操作を検出する第2の機能と、更に、操作桿144に与えられたZ軸負方向の力を大まかに検出する付加機能とを有していることになる。このうち、第1の機能および第2の機能は、コンピュータや小型電子機器用の入力装置としての利用価値が高い。たとえば、カーソルを上下左右に移動させる操作と、マウスクリックに対応する操作とを、この力検出装置で行うようにするのであれば、4方向の力の検出値に応じてカーソルを上下左右に移動させ、スイッチのON/OFF操作をマウスクリックに対応する操作として取り扱うようにすればよい。
【0052】
なお、図10に示す例では、第1〜第4の固定電極E1〜E4が、共通変位電極Ecに接触し、図9の回路図における容量素子C1〜C4の両電極が短絡した状態となってしまう。検出回路として、このような容量素子の短絡が生じると不都合である場合には、第1〜第4の固定電極E1〜E4の上面に絶縁膜を形成しておくようにすればよい。
【0053】
§3.第1の実施形態の変形例
続いて、§1および§2で述べた力検出装置の変形例を説明する。
【0054】
はじめに、操作桿144に作用した力のZ軸方向成分についても、より精度の高い検出が可能な変形例を述べる。この変形例では、図3に示す補助基板130の代わりに、図11に示す補助基板130を用いるようにする。この図11の補助基板130では、固定電極の構成が若干異なっている。すなわち、第1〜第4の固定電極E1〜E4に加えて、更に、第5の固定電極E5が付加されている。第1〜第4の固定電極E1〜E4は、幅がやや狭くなっているものの前述した力検出装置における機能と全く同一の機能を果たす。これに対して、第5の固定電極E5は、円形ホールHの外周に沿って配置された円環状の電極であり、Z軸方向成分の検出に寄与する。すなわち、作用部141の下面側に、この第5の固定電極E5に対向する第5の変位電極を設けておけば、これら一対の対向電極によって第5の容量素子C5を形成することができ、この第5の容量素子の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分を検出することができる。
【0055】
前述した実施形態の場合、作用部141の下面には、図6に示すような共通変位電極Ecが形成されており、この共通変位電極Ecの一部が、第5の変位電極として機能するので、変位生成体140側は§1で述べた実施形態と全く同様の構成でかまわない。操作桿144にZ軸負方向の力−Fzが加えられると、共通変位電極Ecと第5の固定電極との距離が狭くなり、第5の容量素子C5の静電容量値は増大し、逆に、操作桿144にZ軸正方向の力+Fzが加えられると、共通変位電極Ecと第5の固定電極との距離が広くなり、容量素子C5の静電容量値は減少する。したがって、第5の容量素子C5の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分を検出することができる。
【0056】
§2で述べたように、外力のZ軸方向成分は、接触用固定電極E0とドーム状構造体120とによって構成される容量素子の静電容量値に基づいても検出することが可能であるが、この場合、Z軸正方向の力+Fzについての検出を行うことはできない。上述した第5の容量素子C5を用いる方法では、Z軸正方向の力+Fzについての検出が可能になり、また、線形出力を得やすいというメリットがある。
【0057】
なお、これまで述べてきた実施形態では、ドーム状構造体120を、補助基板130によって保持するようにしているが、別な部材によってドーム状構造体120を保持することができれば、補助基板130は必ずしも用いる必要はない。補助基板130を用いない場合、固定電極E1〜E5は主基板110上に直接形成することができる。ただし、実用上は、容量素子による検出感度を高めるために、固定電極E1〜E5と共通変位電極Ecとの間隔はできるだけ小さく設定するのが好ましい。したがって、これまで述べてきた例のように、補助基板130によってドーム状構造体120を保持するようにし、固定電極E1〜E5を補助基板130の上面に形成する形態を採るのが実用的である。また、図12では、各基板が板状のものとして示されているが、主基板110と補助基板130とは、ポリイミドフィルムやPETフィルムなどのフィルム材料で構成してもよい。この場合、ドーム状構造体120は、2枚のフィルムの間に挟み込まれるようにして接着され、固定されることになる。
【0058】
図12に側断面図を示す変形例は、図1に示す実施形態から操作桿144および突起部145を削除したものであり、作用部141以下の構成要素には何ら変更はない。図1に示す力検出装置の場合、操作者からの操作入力(外力の作用)は、操作桿144に対して行われたが、図12に示す力検出装置の場合、操作者からの操作入力(外力の作用)は、作用部141の上面に対して直接行われることになる。このため、操作者の操作入力は、X軸方向への力あるいはY軸方向への力として与えられるのではなく、作用部141の上面の所定位置に対する押圧力として与えられることになる。
【0059】
このため、作用部141の上面には複数の指標が配置されている。図13は、図12に示す変形例に用いられている変位生成体140の上面図である。円盤状の作用部141の上面は平面になっており、ここに5つの指標M1〜M5が描かれている。これらの指標M1〜M5は、操作者に対する押圧位置を示す目安として機能する。たとえば、指標M1の位置を指で押し込む操作を行うと、図1の実施形態に係る力検出装置における操作桿144にX軸正方向の力+FxおよびZ軸負方向の力−Fzが作用したのと同等の変位が、作用部141に生じることになる。力−Fzが作用しているため、容量素子C1〜C4は、いずれも電極間隔が狭くなる。しかしながら、力+Fxが作用したのと同等の変位が生じるため、容量素子C1の電極間隔の変化が最も顕著に現れる。たとえば、静電容量値の小さな増加を+,顕著な増加を+++と表現すると、指標M1の位置を指で押し込む操作を行った場合の容量素子C1〜C4の静電容量値の変化は、C1+++,C2+,C3+,C4+となる。同様に、指標M2を押し込む操作を行った場合は、C1+,C2+++,C3+,C4+となり、指標M3を押し込む操作を行った場合は、C1+,C2+,C3+++,C4+となり、指標M4を押し込む操作を行った場合は、C1+,C2+,C3+,C4+++となる。
【0060】
このように、指標M1〜M4のうちのいずれかの位置が押圧された場合、4つの容量素子C1〜C4のうちのいずれかの静電容量値が顕著に変化するので、各容量素子の静電容量値を測定できれば、どの指標位置にどれだけの押圧力が加えられたかを検出することができるようになる。実用上は、各容量素子C1〜C4の静電容量値をそれぞれC1〜C4としたときに、C1−C2およびC3−C4を求める回路を用意しておけばよい。C1−C2の値が正になれば、この値に応じた押圧力をもった操作が指標M1の位置に加えられたことになり、C1−C2の値が負になれば、この値に応じた押圧力をもった操作が指標M2の位置に加えられたことになる。同様に、C3−C4の値が正になれば、この値に応じた押圧力をもった操作が指標M3の位置に加えられたことになり、C3−C4の値が負になれば、この値に応じた押圧力をもった操作が指標M4の位置に加えられたことになる。
【0061】
もちろん、この力検出装置は、指標位置に加えられた操作だけでなく、任意の位置に加えられた操作を検出することもできる。たとえば、図13において、指標M1と指標M3との中間位置(X軸およびY軸に対して45°の方向)に対して、所定の押圧操作がなされた場合、C1−C2の値およびC3−C4の値の双方が正の値になるので、指標M1と指標M3との双方に所定の押圧力をもった操作が加えられたと判断することができる。この操作は、指標M1と指標M3との中間位置に対する押圧操作と等価である。
【0062】
また、操作者が、指標M5を強く押し込む操作を行うと、ドーム状構造体120の頂点付近が形状反転を生じ、ドーム状構造体120と接触用固定電極E0とが接触することになり、スイッチON状態となる。このとき、十分なクリック感が得られるため、操作者は、スイッチON状態となったことを触覚を通じて認識できる。結局、図12に示す力検出装置は、指標M1〜M4で示される4方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向)についての操作量と、ON/OFFスイッチ操作とを検出することができる操作量検出装置として機能することになる。このような装置は、前述したように、カーソルの上下左右への移動操作と、マウスクリックに対応する操作とを行うための入力装置として応用性が非常に広い。
【0063】
なお、図12に示す装置では、接触用固定電極E0とドーム状構造体120とによって容量素子C0が形成されているので、この容量素子C0の静電容量値に基づいて、指標M5の位置に加えられた押圧操作の操作量を検出することも可能である。
【0064】
図14は、図12に示す力検出装置の更なる変形例を示す側断面図である。図12に示す力検出装置との相違点は次の4点である。まず、第1の相違点は、作用部141(141A,141B,141Cからなる部分)を支持する脚部として機能している可撓部142がより長くなっており、何ら外力(操作者の操作入力)が作用していない状態において、作用部141はドーム状構造体120の上方に浮いた位置に配置されている。このように、作用部141をドーム状構造体120から離した状態にしておくと、スイッチONのための指標M5に対する押圧操作のストークをより長く確保することが可能になり、クリック感をより高めることができるようになる。
【0065】
第2の相違点は、主基板110上に形成された接触用固定電極が、物理的に分離された一対の電極E0AとE0Bとによって構成されている点である。この変形例に用いられる主基板110の上面図を図15に示す。図2に示す主基板110には、単一の接触用固定電極E0が形成されていたのに対し、図15に示す主基板110には、一対の電極E0A,E0Bが形成されている。このように、接触用固定電極を一対の電極E0A,E0Bによって構成しておくと、これら一対の電極間の導通状態を電気的に検出することにより、スイッチのON/OFF状態の検出を行うことができるようになるため、ドーム状構造体120に対する配線部121が不要になるというメリットが得られる。実際、図14に示す力検出装置には、配線部121は設けられていない。
【0066】
図1に示す装置の場合、ドーム状構造体120と接触用固定電極E0との接触状態(スイッチのON/OFF状態)を検出するために、ドーム状構造体120と接触用固定電極E0とのそれぞれから配線を引き出す必要がある。ところが、図14に示す装置の場合、電極E0AとE0Bとのそれぞれから配線を引き出しておき、これら両電極間の導通状態を検出すればよいので、ドーム状構造体120に対する配線は不要になる。すなわち、図16に示すように、ドーム状構造体120の頂点付近が形状反転を起こし、一対の電極E0A,E0Bに接触した状態になると、一対の電極E0A,E0Bは、このドーム状構造体120の接触面を介して導通状態になるので、電極E0A,E0B間の導通状態さえ検出できれば、ドーム状構造体120に対する配線は必要ない。また、図16に示すようにスイッチON状態となれば、電極E0A,E0Bの一方を、共通変位電極Ecへの配線として利用することもできる。したがって、次に第3の相違点として述べる機能により、スイッチON状態となった後の押圧力だけを検出できればよい場合は、共通変位電極Ecおよびドーム状構造体120のいずれに対しても配線を行う必要がなくなる。
【0067】
第3の相違点は、図16に示すように、スイッチがON状態となったときにも、各固定電極E1〜E4と共通変位電極Ecとの間に所定の距離が確保されるようにし、スイッチがON状態となった後にも、作用部141に対して加えられた力の検出を行えるようにした点である。すなわち、図10に示す力検出装置では、スイッチがON状態となったときに、各固定電極E1〜E4が共通変位電極Ecに接触した状態となっているが、図16に示す力検出装置では、各固定電極E1〜E4と共通変位電極Ecとの間には、まだ所定の間隔が確保されている。もともとドーム状構造体120は、弾性変形をする材質から構成されているので、図16に示すように、スイッチがON状態となった後に、更なる押圧力を作用させると、ドーム状構造体120は更に押し潰されるように変形し、各固定電極E1〜E4と共通変位電極Ecとの間隔に変化が生じることになる。その結果、容量素子C1〜C4の静電容量値が変化するので、スイッチがON状態となった後に加えられた更なる押圧力の検出が可能になる。
【0068】
このような構成にしておくと、操作者は、スイッチがOFF状態における指標M1〜M4の押圧操作と、スイッチがON状態における指標M1〜M4の押圧操作とを行うことが可能になる。具体的には、図13に示す上面図において、指標M1〜M4のいずれかを軽く押し込む操作を行うと、スイッチがOFF状態における押圧操作を行うことができる。そして、指標M5を強く押し込むと、スイッチをON状態にもってゆくことができるが、指標M5を強く押し込んだ状態のまま、指を指標M1〜M4のいずれかの方向に移動させるようにして、更に押し込む操作を行えば、スイッチがON状態における押圧操作を行うことができるようになる。図16に示すように、スイッチがON状態になると、各容量素子C1〜C4の電極間隔が非常に小さくなるので、より高い感度で押圧力の検出を行うことができるようになる。上述したように、指標M1〜M4の押圧操作を、スイッチON状態のときにのみ検出できればよい場合は、共通変位電極Ecが必ず電極E0A,E0Bに接触した状態での検出が行われることになるので、共通変位電極Ecに対する配線は不要である。なお、スイッチOFF状態においても指標M1〜M4の押圧操作を検出したい場合には、ドーム状構造体120に対する配線(たとえば、図1に示す例における配線部121)を行っておけば実用上は十分であり、共通変位電極Ecに対する配線は次の理由により不要である。いま、図14において、共通変位電極Ecがドーム状構造体120に接する状態になるまで(ドームは反転していない)軽く押し込む操作を第1クリック操作と呼び、更に、ドームを反転させて図16の状態になるまで押し込む操作を第2クリック操作と呼ぶ。スイッチは第2クリック操作によりON状態になるが、第1クリック操作後は、共通変位電極Ecはドーム状構造体120に接触した状態となるので、このドーム状構造体120に対して行われた配線を利用すれば、スイッチがOFF状態(第2クリック操作前)であっても各容量素子を利用した押圧操作検出が可能になる。結局、指標M1〜M4の押圧操作検出を、第1クリック操作後に限定すれば、共通変位電極Ecに対する配線なしに、ドーム状構造体120を配線として利用した検出が可能になる。第1クリック操作前は、容量素子の電極間隔がかなり大きいため、検出感度はかなり低い。したがって、実用上は、第1クリック操作後の検出に限定しても問題はない。もちろん、第1クリック操作後であって第2クリック操作前の状態における検出感度は、第2クリック操作後の検出感度に比べれば低くなる。
【0069】
第4の相違点は、図14あるいは図16に示されているように、作用部141が、本体部141A、操作盤141B、心棒141Cの3つの部分によって構成されている点である。本体部141Aは、弾性材料からなる部分であり、この例の場合、絶縁性のシリコンゴムによって構成されている。一方、操作盤141Bは、本体部141Aの上面に配置された剛性材料からなる部分であり、この例の場合、プラスチックによって構成されている。また、心棒141Cは、本体部141Aの中心部分に埋め込まれた剛性材料からなる部分であり、この例の場合、操作盤141Bと同様にプラスチックによって構成されている。心棒141Cの上端は、操作盤141Bの下面に接続されている。実用上は、操作盤141Bと心棒141Cとを一体成型品として用意すればよい。
【0070】
このように、作用部141を弾性材料からなる部分と剛性材料からなる部分とによって構成することは、良好な操作性を得る上で重要である。作用部141に力を加える場合、ある程度の弾性が得られた方が柔らかな操作性を得ることができて好ましい。しかしながら、指の力が直接加わる上面部分も弾性材料によって構成されていると、指が沈み込むようになり力が加わりにくくなる。そこで、上面には、剛性をもった操作盤141Bを被せるようにし、指に対して良好な接触感が得られるようにしている。また、心棒141Cを埋め込んでおくと、スイッチON操作を行う上で効果的である。スイッチON操作では、ドーム状構造体120の頂点付近を形状反転させる必要があるため、ある程度の強い押圧力が必要になる。中心部分に心棒141Cを埋め込んでおくと、操作盤141Bの中央部分に加えた押圧力をドーム状構造体120の頂点付近に効率的に伝達することができるようになる。
【0071】
§4.第2の実施形態の構造および動作
続いて、本発明の第2の実施形態について述べる。この第2の実施形態は、実用上は操作量検出装置として利用するのが一般的であるので、ここでは、操作量検出装置と呼ぶことにする。図17は、この第2の実施形態に係る操作量検出装置の構成を示す側断面図である。この装置は、平面上で互いに直交する4方向(具体的には、X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向)についての操作量とON/OFFスイッチ操作とを検出する機能を有している。
【0072】
図17に示す主基板210は、セラミック基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、ポリイミドフィルムなどの絶縁性の基板であり、図18にその上面図を示す。図示のとおり、この主基板210も正方形状の基板である。ここでも、この主基板210の上面の中心部に原点Oを定義し、図示の方向にX軸,Y軸,Z軸を定義することにする。主基板210の上面には、図18に示すように、5枚の固定電極が形成されている。ここでは、中央の原点位置に配置された電極を接触用固定電極E0、X軸正領域に配置された電極を第1の固定電極E1、X軸負領域に配置された電極を第2の固定電極E2、Y軸正領域に配置された電極を第3の固定電極E3、Y軸負領域に配置された電極を第4の固定電極E4と呼ぶことにする。また、この主基板210上において、接触用固定電極E0が配置された原点Oの近傍部分を中央領域と呼び、第1〜第4の固定電極E1〜E4が配置された部分(中央領域を環状に取り囲む部分)を周辺領域と呼ぶことにする。
【0073】
図17の側断面図に示されているように、中央領域においては、接触用固定電極E0の位置に伏せるように、ドーム状構造体220が配置されており、このドーム状構造体220は、補助基板230によって主基板210上に保持されている。補助基板230の上面には円形開口部が形成されており、ドーム状構造体220の一部が露出した状態となっている。一方、周囲領域には、弾性変形する材質からなる弾性導電層240が配置されている。この弾性導電層240は、各固定電極E1〜E4に沿って配置された平板円環状(ワッシャーのような形状)の導電層であり、その下面には、各固定電極E1〜E4に接触しないように円環状の溝が形成されている。具体的には、この弾性導電層240は、導電性シリコンゴムあるいは導電性エラストマーなどの導電性弾性材料で構成しておけばよい。各固定電極E1〜E4と、弾性導電層240のうちこれらの固定電極に対向する部分とによって、容量素子C1〜C4が形成されることになる。
【0074】
弾性緩衝層250は、中央領域および周辺領域を覆うような円盤状のパッドであるが、表面に凹凸構造が形成されているため、図17の側断面図においては、やや複雑な形状をしている。この例では、弾性緩衝層250は、絶縁性シリコンゴムによって構成されている。この弾性緩衝層250の上には、剛体材料(この例ではプラスチック)からなる円盤状の操作盤260が配置されている。操作盤260は、その中央部分においてのみ弾性緩衝層250の中心部分に接続されており、周囲部分は、弾性緩衝層250から浮いた状態となっている。これは、操作盤260の中央を押し込むことによるスイッチON操作と、周囲の所定位置を押し込むことによる4方向の操作量入力とが、互いに干渉しないようにするための配慮である。
【0075】
主基板210、弾性導電層240、弾性緩衝層250の3層構造体は、その周囲部分で、固定部材270によって固定されている。図19は、この操作量検出装置全体の上面図である。固定部材270は、この装置の筐体上面を構成する上面部(図19に現れている部分)と、筐体下面を構成する下面部と、筐体側面を構成する側面部と、によって構成されており、固定部材として機能するものであれば、どのような材料を用いて構成してもかまわない。上面部には、図19に示すように、円形の開口部が形成されており、この開口部から円盤状の操作盤260が露出している。固定部材270の下面部にも、同様に円形の開口部が形成されており、主基板210の下面の一部が露出している。この露出部分から、主基板210に対する配線を施すことができる。
【0076】
操作盤260の上面には、図19に示すように、5つの指標M1〜M5が描かれている。指標M1〜M4は、それぞれ4方向についての操作入力を行う際の押圧位置の目標を示しており、指標M5は、スイッチON操作を行う際の押圧位置の目標を示している。操作者が、指標M1〜M4のうちのいずれかの位置に対して押圧操作を行うと、操作盤260の押圧された箇所が下方へと変位する。たとえば、指標M1の位置に対する押圧操作が行われると、図17に示す操作盤260において、第1の固定電極E1の上方に相当する部分が下方へと変位し、弾性緩衝層250に接触することになる。弾性緩衝層250のこの部分は、操作盤260からの押圧力を受けて下方へと変位するため、その下に位置する弾性導電層240の一部分(溝が形成された部分)も下方へと変位することになる。その結果、第1の固定電極E1と、これに対向する弾性導電層240の一部分と、によって形成される第1の容量素子C1の電極間隔は狭くなり、静電容量値は増加する。結局、指標M1の位置に対する押圧操作量は、第1の容量素子C1の静電容量値の増加として検出される。同様に、指標M2〜M4の位置に対する押圧操作量は、第2〜第4の容量素子C2〜C4の静電容量値の増加として検出される。実用上は、§2で述べたように、一対の容量素子C1,C2の静電容量値の差に基づいて指標M1あるいはM2に対する押圧操作量を求め、一対の容量素子C3,C4の静電容量値の差に基づいて指標M3あるいはM4に対する押圧操作量を求めるのが好ましい。
【0077】
一方、指標M5の位置に対して、下方へ押し込むようなスイッチON操作が与えられた場合、この押圧力はドーム状構造体220へと伝達される。ドーム状構造体220は、このような下方への押圧操作が加えられると、その頂点付近が弾性変形して下に凸となるように形状反転を起こす性質を有し、かつ、少なくとも頂点付近の下面に導電性接触面が形成されている。したがって、指標M5の位置に対して、ある程度の押圧力が加えられると、頂点付近が形状反転を生じ、下面の導電性接触面が接触用固定電極E0に接触することになる。こうして、接触用固定電極E0とドーム状構造体220との接触を電気的に検出することにより、スイッチのON状態を検出することができる。ドーム状構造体220の形状反転を利用しているため、スイッチON操作時には、十分なクリック感が得られることは、前述の実施形態と同様である。
【0078】
かくして、図17に示す操作量検出装置は、平面上で互いに直交する4方向についての操作量とON/OFFスイッチ操作とを検出することができる。このような機能は、第1の実施形態として示した図1,図12,図14に示す装置と同じである。なお、本願明細書では、便宜上、図1や図12で示した装置を第1の実施形態と呼び、図17以降に示す装置を第2の実施形態と呼ぶことにしているが、発明の基本思想という点では、いずれの実施形態もその本質的な部分は同じになる。
【0079】
たとえば、図17に示す装置において、弾性導電層240、弾性緩衝層250、操作盤260からなる部分(操作者の操作入力に基づいて変位を生じる部分)を操作部と呼ぶことにすると、この操作部は、主基板210上の中央領域および周辺領域を含む領域上に配置され、底面には、第1の固定電極E1に対向する第1の変位電極(弾性導電層240の一部)、第2の固定電極E2に対向する第2の変位電極(弾性導電層240の一部)、第3の固定電極に対向する第3の変位電極(弾性導電層240の一部)、第4の固定電極に対向する第4の変位電極(弾性導電層240の一部)が形成され、所定の押圧操作が加えられたときに弾性変形を生じることにより第1〜第4の変位電極に変位が生じるように構成されていることになる。このような構成は、図1に示す装置において、変位生成体140を操作部と呼んだ場合の構成と実質的に同一である。
【0080】
図20に側断面図を示す操作量検出装置は、図17に示す装置の変形例である。この装置も、平面上で互いに直交する4方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向)についての操作量とON/OFFスイッチ操作とを検出する機能を有している。
【0081】
図20に示す主基板310は、図18に示す主基板210と同様に、セラミック基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、ポリイミドフィルムなどの絶縁性の基板であり、その上面の中央領域には、接触用固定電極E0が形成され、周辺領域には第1〜第4の固定電極E1〜E4(配置は、図18に示す固定電極E1〜E4と同じ)が形成されている。また、中央領域において、接触用固定電極E0の位置に伏せるように、ドーム状構造体320が配置されており、このドーム状構造体320は、補助基板330によって主基板310上に保持されている。この点も図17に示す装置と同様である。
【0082】
弾性導電層340は、中央部弾性導電層341と周辺部弾性導電層342とによって構成された円盤状のパッドであるが、表面に凹凸構造が形成されているため、図20の側断面図においては、やや複雑な形状をしている。中央部弾性導電層341は、ドーム状構造体320の上方に位置し、その底面はドーム状構造体320の上面に接触している。周辺部弾性導電層342は、その周囲を取り囲むように、各固定電極E1〜E4に沿って配置された平板円環状(ワッシャーのような形状)の部分であり、その下面には、各固定電極E1〜E4に接触しないように円環状の溝が形成されている。具体的には、この弾性導電層340は、導電性シリコンゴムあるいは導電性エラストマーなどの導電性弾性材料で構成しておけばよい。各固定電極E1〜E4と、中央部弾性導電層341のうちこれらの固定電極に対向する部分とによって、容量素子C1〜C4が形成されることになる。電気的には、ドーム状構造体320と弾性導電層340とは導通状態にあり、共通の電極として機能することになる。
【0083】
中央部弾性緩衝層351は、中央部弾性導電層341の上に配置された円盤状のパッドであり、周辺部弾性緩衝層352は、周辺部弾性導電層342の上に配置された平板円環状(ワッシャーのような形状)のパッドである。これらのパッドは、いずれも絶縁性シリコンゴムによって構成されている。これらの上には、それぞれ、剛体材料(この例ではプラスチック)からなる円盤状の中央操作盤361および円環状の周辺操作盤362が被せられている。
【0084】
主基板310、弾性導電層340、周辺部弾性緩衝層352の3層構造体は、その周囲部分で、固定部材370によって固定されている。図21は、この操作量検出装置全体の上面図である。固定部材370は、この装置の筐体上面を構成する上面部(図21に現れている部分)と、筐体下面を構成する下面部と、筐体側面を構成する側面部と、によって構成されており、固定部材として機能するものであれば、どのような材料を用いて構成してもかまわない。上面部には、図21に示すように、円形の開口部が形成されており、この開口部から円盤状の中央操作盤361および円環状の周辺操作盤362が露出している。固定部材370の下面部にも、同様に円形の開口部が形成されており、主基板310の下面の一部が露出している。この露出部分から、主基板310に対する配線を施すことができる。
【0085】
図21に示すように、中央操作盤361には指標M5が描かれ、周辺操作盤362には4つの指標M1〜M4が描かれている。指標M1〜M4は、それぞれ4方向についての操作入力を行う際の押圧位置の目標を示しており、指標M5は、スイッチON操作を行う際の押圧位置の目標を示している。操作者が、指標M1〜M4のうちのいずれかの位置に対して押圧操作を行うと、周辺操作盤362の押圧された箇所が下方へと変位する。たとえば、指標M1の位置に対する押圧操作が行われると、図20に示す周辺操作盤362において、第1の固定電極E1の上方に相当する部分が下方へと変位し、周辺部弾性緩衝層352を介して、周辺部弾性導電層342を下方へと変位させる力が伝わることになる。その結果、第1の固定電極E1と、これに対向する周辺部弾性導電層342の一部分と、によって形成される第1の容量素子C1の電極間隔は狭くなり、静電容量値は増加する。結局、指標M1の位置に対する押圧操作量は、第1の容量素子C1の静電容量値の増加として検出される。同様に、指標M2〜M4の位置に対する押圧操作量は、第2〜第4の容量素子C2〜C4の静電容量値の増加として検出される。実用上は、§2で述べたように、一対の容量素子C1,C2の静電容量値の差に基づいて指標M1あるいはM2に対する押圧操作量を求め、一対の容量素子C3,C4の静電容量値の差に基づいて指標M3あるいはM4に対する押圧操作量を求めるのが好ましい。
【0086】
一方、指標M5の位置に対して、下方へ押し込むようなスイッチON操作が与えられた場合、この押圧力はドーム状構造体320へと伝達される。ドーム状構造体320は、このような下方への押圧操作が加えられると、その頂点付近が弾性変形して下に凸となるように形状反転を起こす性質を有し、かつ、少なくとも頂点付近の下面に導電性接触面が形成されている。したがって、指標M5の位置に対して、ある程度の押圧力が加えられると、頂点付近が形状反転を生じ、下面の導電性接触面が接触用固定電極E0に接触することになる。こうして、接触用固定電極E0とドーム状構造体320との接触を電気的に検出することにより、スイッチのON状態を検出することができる。ドーム状構造体320の形状反転を利用しているため、スイッチON操作時には、十分なクリック感が得られることは、前述の実施形態と同様である。
【0087】
結局、この図20に示す装置において、主基板310の中央領域上に配置された中央部弾性導電層341、中央部弾性緩衝層351、中央操作盤361の3層構造体を中央操作部と呼び、主基板310の周辺領域上に配置された周辺部弾性導電層342、周辺部弾性緩衝層352、周辺操作盤362の3層構造体を周辺操作部と呼べば、中央操作部によってスイッチのON/OFF操作を行うことができ、周辺操作部によって4方向についての操作量入力を行うことができることになる。中央操作部も周辺操作部も、弾性材料からなる部分を有するため、柔らかで良好な操作感が得られる。しかも、スイッチのON/OFF操作に関しては、ドーム状構造体320を用いているため、良好なクリック感が得られるようになる。図17に示す装置の場合、すべての操作を操作盤260に対して行うことになるが、図20に示す装置の場合、中央操作盤361と周辺操作盤362とに分けて操作入力を行うことができるため、より確実な操作入力が可能になる。
【0088】
図22に側断面図を示す操作量検出装置は、図17に示す装置の更に別な変形例である。この装置では、平面上で互いに直交する4方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向)および下方向(Z軸負方向)についての操作量と、上記4方向に対応した4系統のON/OFFスイッチ操作とを検出する機能を有している。
【0089】
図22に示す主基板410は、図18に示す主基板210と同様に、セラミック基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、ポリイミドフィルムなどの絶縁性の基板であるが、その上面の電極構成は若干異なっている。すなわち、原点Oを中心とする中央領域には、X軸正領域に配置された第1の固定電極E1と、X軸負領域に配置された第2の固定電極E2と、Y軸正領域に配置された第3の固定電極E3と、Y軸負領域に配置された第4の固定電極E4と、原点O上に配置された第5の固定電極E5と、が設けられている(図22には、固定電極E3,E4は示されていないが、X軸上に配置された電極E1,E2と同様の位置関係となるようにY軸上に配置されている)。一方、中央領域の周辺に位置する周辺領域には、X軸正領域に配置された第1の接触用固定電極E01と、X軸負領域に配置された第2の接触用固定電極E02と、Y軸正領域に配置された第3の接触用固定電極E03と、Y軸負領域に配置された第4の接触用固定電極E04と、が設けられている(図22には、固定電極E03,E04は示されていないが、X軸上に配置された電極E01,E02と同様の位置関係となるようにY軸上に配置されている)。
【0090】
第1〜第4の接触用固定電極E01〜E04の各位置には、それぞれ第1〜第4のドーム状構造体421〜424(図22には、第3および第4のドーム状構造体423,424は示されていない)が伏せるように配置されている。
【0091】
弾性導電層440は、中央部弾性導電層441、周辺部弾性導電層442、周縁部弾性導電層443によって構成された円盤状のパッドであるが、表面に凹凸構造が形成されているため、図22の側断面図においては、やや複雑な形状をしている。中央部弾性導電層441は、主基板410の中央領域上の各固定電極E1〜E5を覆うような円盤状の部分であるが、その底面には、各固定電極E1〜E5を収容するための空洞部が形成されている。周辺部弾性導電層442は、中央部弾性導電層441の周囲を取り囲むように、周辺領域上に配置された円環状の部分であり、X軸およびY軸と交差する4か所において、第1〜第4のドーム状構造体421〜424の上面と周辺部弾性導電層442の底面とが接触した状態となっている。周縁部弾性導電層443は、周辺部弾性導電層442の更に周囲に形成された円環状の部分であり、主基板410上に固定される。中央部弾性導電層441、周辺部弾性導電層442、周縁部弾性導電層443は、図示されているように、肉薄の可撓部によって連結されており、弾性導電層440は全体として、大きな円盤状のパッドを構成している。
【0092】
具体的には、この弾性導電層440は、導電性シリコンゴムあるいは導電性エラストマーなどの導電性弾性材料で構成しておけばよい。各固定電極E1〜E5と、中央部弾性導電層441のうちこれらの固定電極に対向する部分とによって、容量素子C1〜C5が形成されることになる。電気的には、4つのドーム状構造体421〜424と弾性導電層440とは導通状態にあり、共通の電極として機能することになる。
【0093】
中央部弾性緩衝層451は、中央部弾性導電層441の上に配置されたほぼ円柱状の部材であり、絶縁性シリコンゴムによって構成されている。その上には、剛体材料(この例ではプラスチック)からなる円筒状の中央操作盤461が被せられている。また、周辺部弾性導電層442の上には、同じく剛体材料(この例ではプラスチック)からなる円環状の周辺操作盤462が被せられている。更に、中央操作盤461と周辺操作盤462との間には、同じく剛体材料(この例ではプラスチック)からなる環状壁部463が設けられている。この環状壁部463は、円筒状の構造体であり、中央部弾性緩衝層451の周縁上に接着されることにより、間接的に、主基板410上に固定される。
【0094】
主基板410および周縁部弾性導電層443は、その周縁部分で、固定部材470によって固定されている。図23は、この操作量検出装置全体の上面図である。固定部材470は、この装置の筐体上面を構成する上面部(図23に現れている部分)と、筐体下面を構成する下面部と、筐体側面を構成する側面部と、によって構成されており、固定部材として機能するものであれば、どのような材料を用いて構成してもかまわない。上面部には、図23に示すように、円形の開口部が形成されており、この開口部から円盤状の中央操作盤461、円環状の周辺操作盤462、円筒状の環状壁部463が露出している。固定部材470の下面部にも、同様に円形の開口部が形成されており、主基板410の下面の一部が露出している。この露出部分から、主基板410に対する配線を施すことができる。
【0095】
図23に示すように、中央操作盤461には4つの指標M1〜M4が描かれている。この4つの指標M1〜M4は、それぞれ4方向についての操作入力を行う際の押圧位置の目標を示している。操作者が、指標M1〜M4のうちのいずれかの位置に対して押圧操作を行うと、中央操作盤461の押圧された箇所が下方へと変位する。たとえば、指標M1の位置に対する押圧操作が行われると、図22に示す中央操作盤461において、第1の固定電極E1の上方に相当する部分が下方へと変位し、中央部弾性緩衝層451を介して、中央部弾性導電層441を下方へと変位させる力が伝わることになる。その結果、第1の固定電極E1と、これに対向する中央部弾性導電層441の一部分と、によって形成される第1の容量素子C1の電極間隔は狭くなり、静電容量値は増加する。結局、指標M1の位置に対する押圧操作量は、第1の容量素子C1の静電容量値の増加として検出される。同様に、指標M2〜M4の位置に対する押圧操作量は、第2〜第4の容量素子C2〜C4の静電容量値の増加として検出される。同様に、中央操作盤461の中央の突起部の位置に対する押圧操作量は、第5の容量素子C5の静電容量値の増加として検出される。実用上は、§2で述べたように、一対の容量素子C1,C2の静電容量値の差に基づいて指標M1あるいはM2に対する押圧操作量を求め、一対の容量素子C3,C4の静電容量値の差に基づいて指標M3あるいはM4に対する押圧操作量を求めるのが好ましい。
【0096】
一方、周辺操作盤462にも4つの指標MM1〜MM4が描かれている。この4つの指標MM1〜MM4は、それぞれ4方向についてのスイッチON操作を行う際の押圧位置の目標を示している。これまで述べてきた装置は、いずれも、ON/OFF操作の対象となるスイッチは1系統のみであったが、ここに示す変形例では、上下左右の4方向について合計4系統のスイッチが設けられている。たとえば、操作者が、指標MM1の位置に対して、下方へ押し込むようなスイッチON操作を与えた場合、この押圧力は第1のドーム状構造体421へと伝達される。第1のドーム状構造体421は、このような下方への押圧操作が加えられると、その頂点付近が弾性変形して下に凸となるように形状反転を起こす性質を有し、かつ、少なくとも頂点付近の下面に導電性接触面が形成されている。したがって、指標MM1の位置に対して、ある程度の押圧力が加えられると、第1のドーム状構造体421の頂点付近が形状反転を生じ、下面の導電性接触面が接触用固定電極E01に接触することになる。こうして、接触用固定電極E01と第1のドーム状構造体421との接触を電気的に検出することにより、指標MM1に対応するスイッチ(図23における右方向についてのスイッチ)のON状態を検出することができる。ドーム状構造体の形状反転を利用しているため、スイッチON操作時には、十分なクリック感が得られることは、前述の実施形態と同様である。指標MM2〜MM4の位置に対して押圧力を加えた場合にも、同様に対応するスイッチのON操作を行うことができる。もちろん、各ドーム状構造体421〜424と各接触用固定電極E01〜E04とによって、それぞれ容量素子が形成されているので、これら容量素子の静電容量値に基づいて、各指標MM1〜MM4に加えられた押圧力を操作量として検出することも可能である。
【0097】
結局、この図22に示す装置において、主基板410の中央領域上に配置された中央部弾性導電層441、中央部弾性緩衝層451、中央操作盤461の3層構造体を中央操作部と呼び、主基板410の周辺領域上に配置された周辺部弾性導電層442および周辺操作盤462の2層構造体を周辺操作部と呼べば、中央操作部によって5方向についての操作量入力を行うことができ、周辺操作部によって4系統のスイッチのON/OFF操作を行うことができることになる。中央操作部も周辺操作部も、弾性材料からなる部分を有するため、柔らかで良好な操作感が得られる。しかも、スイッチのON/OFF操作に関しては、ドーム状構造体を用いているため、良好なクリック感が得られるようになる。また、図23に示すように、中央操作盤461と周辺操作盤462との間には、環状壁部463が形成されているため、中央操作盤461に対する操作と周辺操作盤462に対する操作とを隔絶することができ、より確実な操作入力が可能になる。
【0098】
なお、この§4において第2の実施形態として述べた操作量検出装置では、操作部、中央操作部、周辺操作部が、シリコンゴムなどの弾性材料からなる本体部と、この本体部の上面に形成されたプラスチックなどの剛性材料からなる操作盤とによって構成されているが、これは、押圧時に弾力ある操作感を確保するとともに、指に対する堅固な接触感を与えるためである。また、弾性材料からなる本体部を、導電性ゴムからなる弾性導電層と、絶縁性シリコンゴムなどからなる弾性緩衝層との2層構造にしている理由は、容量素子の電極として機能させるためには導電性の層を形成する必要があるものの、一般的な導電性ゴムは、絶縁性ゴムに比べて弾力性に劣るためである。導電性ゴムからなる弾性導電層を下層に配置し、絶縁性ゴムからなる弾性緩衝層を上層に配置した2層構造をとることにより、底面側の層が電極としての機能を果たしつつ、全体としては十分な弾力性を確保することができるようになる。
【0099】
以上、本発明を図示するいくつかの実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。特に、各部の材質や形状などは、同等の機能を果たすことができれば、どのように改変してもかまわない。たとえば、変位生成体および共通変位電極として、これまでの実施形態ではシリコンゴムおよび導電性シリコンゴムを用いた例を示したが、より弾性体としての性能に優れた高分子材料であるエラストマーおよび導電性エラストマーを用いてもかまわない。また、本願明細書では、力検出装置と操作量検出装置とを適宜使い分けているが、本発明の基本的な技術思想の上からは、両者は実質的には同一の装置であり、上述した各実施形態は、いずれも力検出装置として用いてもよいし、操作量検出装置として用いてもよい。
【0100】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、良好な操作感を得ることができる力検出装置または操作量検出装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る力検出装置の側断面図である。
【図2】図1に示す力検出装置における主基板110の上面図である。
【図3】図1に示す力検出装置における補助基板130の上面図である。
【図4】図1に示す力検出装置における主基板110の上面にドーム状構造体120を配置し、更に、その上に補助基板130を載せた状態を示す上面図である。
【図5】図1に示す力検出装置における変位生成体140の上面図である。
【図6】図1に示す力検出装置における変位生成体140の下面図である。
【図7】図1に示す力検出装置に、X軸正方向の力+Fxが与えられたときの状態を示す側断面図である。
【図8】図1に示す力検出装置に、X軸正方向の力+FxおよびZ軸負方向の力−Fzが与えられたときの状態を示す側断面図である。
【図9】図1に示す力検出装置の各電極に着目した等価回路を示す回路図である。
【図10】図1に示す力検出装置に、Z軸負方向の力−Fzを与えてスイッチONとしたときの状態を示す側断面図である。
【図11】図1に示す力検出装置の変形例に利用される補助基板130の上面図である。
【図12】図1に示す力検出装置の別な変形例を示す側断面図である。
【図13】図12に示す変形例に係る力検出装置の変位生成体140の上面図である。
【図14】図1に示す力検出装置の更に別な変形例を示す側断面図である。
【図15】図14に示す変形例に係る力検出装置の主基板110の上面図である。
【図16】図14に示す変形例に係る力検出装置に、Z軸負方向の力−Fzを与えてスイッチONとしたときの状態を示す側断面図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る操作量検出装置の側断面図である。
【図18】図17に示す操作量検出装置の主基板210の上面図である。
【図19】図17に示す操作量検出装置全体の上面図である。
【図20】図17に示す操作量検出装置の変形例の側断面図である。
【図21】図20に示す操作量検出装置全体の上面図である。
【図22】図17に示す操作量検出装置の別な変形例の側断面図である。
【図23】図22に示す操作量検出装置全体の上面図である。
【符号の説明】
110…主基板
111…貫通孔
120…ドーム状構造体
121…配線部
130…補助基板
131…環状溝
140…変位生成体
141…作用部
141A…本体部
141B…操作盤
141C…心棒
142…可撓部
143…固定部
144…操作桿
145…突起部
150…固定部材
210…主基板
220…ドーム状構造体
230…補助基板
240…弾性導電層
250…弾性緩衝層
260…操作盤
270…固定部材
310…主基板
320…ドーム状構造体
330…補助基板
340…弾性導電層
341…中央部弾性導電層
342…周辺部弾性導電層
351…中央部弾性緩衝層
352…周辺部弾性緩衝層
361…中央操作盤
362…周辺操作盤
370…固定部材
410…主基板
421〜424…ドーム状構造体
440…弾性導電層
441…中央部弾性導電層
442…周辺部弾性導電層
443…周縁部弾性導電層
451…中央部弾性緩衝層
461…中央操作盤
462…周辺操作盤
463…環状壁部
470…固定部材
C0〜C5…容量素子
E0,E0A,E0B,E01〜E04…接触用固定電極
E1〜E5…固定基板
Ec…共通変位電極
Ed…変位電極(ドーム状構造体120)
H…円形ホール
M1〜M5,MM1〜MM4…指標
O…座標系の原点
T0〜T4,Td…外部端子

Claims (12)

  1. XYZ三次元座標系において、所定の作用点に作用した外力のX軸方向成分およびY軸方向成分またはこの外力と同等の押圧力を検出する力検出装置であって、
    前記座標系におけるXY平面に沿った上面を有する主基板と、
    前記主基板の上面のほぼ中心位置に前記座標系の原点を定義したときに、この主基板上の前記原点を中心とする位置に伏せるように配置されたドーム状構造体と、
    ほぼ平面状の下面を有し前記ドーム状構造体の上方に配置された作用部と、前記主基板に固定された固定部と、前記作用部と前記固定部との間に形成された可撓部と、を有する変位生成体と、
    前記主基板側に形成された固定電極および前記作用部側に形成された変位電極によって構成される容量素子を有し、この容量素子の静電容量値に基づいて、前記作用部の下面と前記主基板の上面との距離を、X軸正領域の上方、X軸負領域の上方、Y軸正領域の上方、Y軸負領域の上方の各位置において検出し、この検出結果に基づいて、前記作用部に作用した外力のX軸方向成分およびY軸方向成分または当該外力と同等の変位を前記作用部に生じさせる押圧力を検出する変位検出部と、
    を備え、
    前記可撓部は、前記作用部に外力が作用していない状態において、前記作用部が前記ドーム状構造体の上方に浮いた位置に配置されるように、前記作用部を支持する脚部として機能し、
    前記ドーム状構造体は、頂点付近に対して所定の大きさをもった下方への押圧力を加えると、前記頂点付近が弾性変形して下に凸となるように形状反転を起こす性質を有し、かつ、少なくとも前記頂点付近の下面が導電性接触面を構成しており、
    前記主基板の上面の前記原点近傍に、前記ドーム状構造体が形状反転を起こした際に前記導電性接触面に接触可能な接触用固定電極が形成されており、
    前記作用部に対して、第1の大きさをもった下方への外力が作用したときに、前記可撓部が撓みを生じることにより、前記作用部の下面が前記ドーム状構造体の上面に形状反転を起こさせない状態で接触し、前記作用部の下面が形状反転を起こしていない前記ドーム状構造体によって支持されつつ、前記主基板の上面に対して変位を生じる第1の検出状態となり、
    前記作用部に対して、前記第1の大きさよりも大きな第2の大きさをもった下方への外力が作用したときに、前記可撓部が撓みを生じるとともに、前記ドーム状構造体が形状反転を起こすことにより、前記導電性接触面と前記接触用固定電極とが接触し、前記作用部の下面が形状反転を起こした前記ドーム状構造体によって支持されつつ、前記主基板の上面に対して変位を生じる第2の検出状態となり、
    前記第1の検出状態および前記第2の検出状態のいずれの場合も、前記固定電極と前記変位電極との間に所定の距離が確保され、前記容量素子の静電容量値に基づく力の検出が行えるようにし、
    前記変位検出部は、前記作用部の下面と前記ドーム状構造体の上面との接触状態および前記導電性接触面と前記接触用固定電極との接触状態を、それぞれ電気的に検出することにより、装置が前記第1の検出状態もしくは前記第2の検出状態にあることを認識し、前記第1の検出状態における力の検出値と、前記第2の検出状態における力の検出値と、を区別して出力することを特徴とする力検出装置。
  2. 請求項1に記載の力検出装置において、
    変位検出部が、X軸正領域上もしくはその上方において主基板に固定された第1の固定電極と、X軸負領域上もしくはその上方において主基板に固定された第2の固定電極と、Y軸正領域上もしくはその上方において主基板に固定された第3の固定電極と、Y軸負領域上もしくはその上方において主基板に固定された第4の固定電極と、作用部の下面の前記第1の固定電極に対向する位置に形成された第1の変位電極と、作用部の下面の前記第2の固定電極に対向する位置に形成された第2の変位電極と、作用部の下面の前記第3の固定電極に対向する位置に形成された第3の変位電極と、作用部の下面の前記第4の固定電極に対向する位置に形成された第4の変位電極と、を有し、前記第1の固定電極と前記第1の変位電極とによって形成される第1の容量素子の静電容量値と前記第2の固定電極と前記第2の変位電極とによって形成される第2の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のX軸方向成分または当該外力と同等の変位を前記作用部に生じさせる押圧力を検出し、前記第3の固定電極と前記第3の変位電極とによって形成される第3の容量素子の静電容量値と前記第4の固定電極と前記第4の変位電極とによって形成される第4の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のY軸方向成分または当該外力と同等の変位を前記作用部に生じさせる押圧力を検出する機能を有することを特徴とする力検出装置。
  3. 請求項2に記載の力検出装置において、
    変位検出部が、主基板側に固定された第5の固定電極と、作用部の下面の前記第5の固定電極に対向する位置に形成された第5の変位電極と、を更に有し、前記第5の固定電極と前記第5の変位電極とによって形成される第5の容量素子の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分または当該外力と同等の変位を前記作用部に生じさせる押圧力を検出する機能を更に有することを特徴とする力検出装置。
  4. 請求項2または3に記載の力検出装置において、
    作用部の下面に形成される各変位電極が、物理的に単一の共通変位電極によって構成されていることを特徴とする力検出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の力検出装置において、
    ドーム状構造体が、作用部に加えられる力に基づいて撓みを生じる材質から構成され、
    主基板の上面に、前記ドーム状構造体の底周囲部を、前記撓みによる変位を許容しうるように保持する補助基板が設けられていることを特徴とする力検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の力検出装置において、
    接触用固定電極が、物理的に分離された一対の電極から構成され、
    変位検出部が、これら一対の電極間の導通状態を電気的に検出することにより、導電性接触面と接触用固定電極との接触状態の検出を行うことができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の力検出装置において、
    ドーム状構造体の下面の導電性接触面と主基板の上面に形成された接触用固定電極とによって構成される容量素子の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分または当該外力と同等の変位を前記作用部に生じさせる押圧力を検出する機能を更に有することを特徴とする力検出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の力検出装置において、
    作用部の上面に操作桿を設け、この操作桿の上端の作用点に与えられた外力によって作用部の下面が主基板の上面に対して変位を生じるように構成し、与えられた外力の検出ができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の力検出装置において、
    作用部の上面に複数の指標を配置し、個々の指標位置に加えられた押圧力によって作用部の下面が主基板の上面に対して変位を生じるように構成し、どの指標位置にどれだけの押圧力が加えられたかを検出できるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  10. 請求項9に記載の力検出装置において、
    作用部を、弾性材料からなる本体部と、この本体部の上面に形成された剛性材料からなる操作盤とによって構成したことを特徴とする力検出装置。
  11. 請求項10に記載の力検出装置において、
    本体部の中心部分に剛性材料からなる心棒を埋込み、この心棒の上端を操作盤の下面に接続したことを特徴とする力検出装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の力検出装置を含み、
    変位検出部から出力された第1の検出状態における力の検出値をX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向の4方向についての第1の操作量として検出し、
    変位検出部から出力された第2の検出状態における力の検出値をX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向の4方向についての第2の操作量として検出することを特徴とする操作量検出装置。
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