JP4428821B2 - 弾性材料の氷上摩擦特性試験方法および装置 - Google Patents

弾性材料の氷上摩擦特性試験方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の弾性材料、たとえば加硫済みトレッドゴムの氷上摩擦力を高い精度で測定できる、氷上摩擦特性試験方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、空気入りタイヤの運動性能に大きな影響を及ぼすトレッドゴムの氷上摩擦特性を求めるために従来から行われている方法としては、サンプルホルダを介して試料軸に固定した円環状のトレッドゴムサンプルを、その試料軸上への一定荷重の負荷状態で、表面を平滑に研磨され、水平面内で回転駆動される氷盤上に押圧し、このときの摩擦力をロードセルをもって測定するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トレッドゴムサンプルについてのこのような実験室レベルでの氷上摩擦力等の測定結果は、実際のタイヤのそれと高い相関を有することが、トレッドゴムの迅速にして効率的な開発を行う上で必須であるところ、上記従来技術にあっては、とくに、試料軸構造、荷重負荷構造等に起因して、負荷荷重、駆動および制動力、摩擦力その他の物理特性の測定、調節等を高い精度で行うことができず、測定結果の、実際のタイヤとの相関が低いため、その測定結果だけに基いたトレッドゴムの開発は実質上不可能であり、それ故に、試作タイヤによる氷路の実車走行なしにはトレッドゴムの開発を進めることができないという不都合があり、しかも、この実車走行による性能評価はドライバのフィーリングによって行われるため、具体的・客観的な数値評価ができないという問題もあった。
【0004】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、弾性材料サンプルによる試験によって、所期した通りの荷重の作用下で、そのサンプルに固有の摩擦力を、たとえば製品タイヤのそれと高い相関をもつ客観データとして正確に測定することを可能とし、これにより、試作タイヤを用いた実車試験等を不要として、弾性材料の迅速にして効率的な開発を実現可能ならしめる、弾性材料の氷上摩擦特性試験方法および装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の、弾性材料の氷上摩擦特性試験方法は、筒状サンプルのサンプルホルダと一体に構成したサンプルホルダ固定ベースに対し、サンプルロックブロックを固定したサンプルロックシリンダを収縮作動させて、そのサンプルホルダを試料軸に保持した状態で、弾性材料の筒状サンプルの周面を、回転駆動される氷盤上に所要の力で押圧するとともに、その筒状サンプルを、そのサンプルを取り付けたサンプルホルダ側の被動ブロックと、試料軸側の駆動力伝達用のブロックとの嵌合による駆動連絡状態の下で回転駆動し、筒状サンプルの周速と氷盤の速度とを相対的に変化させた場合、たとえば、それらの一方を他方に対して0〜100%のスリップ率の範囲で変化させたときの摩擦力を、これもたとえば試料軸に発生するトルクをもって計測するものである。
【0006】
ところで、このようにして計測されたトルクは、たとえばそれをCPUに入力することで、スリップ率をパラメータとする摩擦力もしくは摩擦係数曲線として記録したり表示したりすることができる他、ロック制動力係数、最大制動力係数等として記録し、表示することができる。
【0007】
このような試験方法によれば、例えば20Km/h程度の、実際のタイヤに相似した速度条件下で、回転駆動される氷盤に、筒状サンプルの周面を、所要のスリップ率の下に、所期した通りの力で押圧しつつ、制動摩擦力、駆動摩擦力等を発生トルクをもって計測することにより、測定精度を大きく向上させて、製品タイヤと高い相関をもたせることができる。
そしてこのことは、筒状サンプルを、たとえばタイヤトレッドをスケールダウンさせたものとした場合、筒状サンプルの押圧力、周速度、駆動もしくは制動力等を、タイヤのそれに対応させた場合等にとくに顕著である。
【0008】
なおここで、筒状サンプルを氷盤上に所要の力で押圧するに当り、そのサンプルを保持する試料軸等の重量を考慮に入れることで、サンプル押圧力を十分正確に特定することができ、この一方で、その重量をバランスウエイト等をもって相殺することで、試料軸等の重量より小さい力でのサンプルの押圧を可能ならしめることができる。
【0009】
従ってこの方法によれば、スリップ率に対応する摩擦力を、極めて高い精度で客観的に計測することができ、たとえば製品タイヤの氷上性能と高い相関をもった氷上性能データをもたらすことができる。
【0010】
かくして、この方法の下では、タイヤの試作等を必要とすることなしに、トレッドゴムその他の弾性材料の摩擦特性を、客観データとして正確に求めることができ、これがため、弾性材料の、迅速にして効率的な研究開発等を実現することができる。
【0011】
この発明の、他の試験方法は、筒状サンプルのサンプルホルダと一体に構成したサンプルホルダ固定ベースに対し、サンプルロックブロックを固定したサンプルロックシリンダを収縮作動させて、そのサンプルホルダを水平な試料軸に保持した状態で、弾性材料の筒状サンプルの周面を、回転駆動される氷盤上に所要の力で押圧するとともに、その筒状サンプルを、そのサンプルを取り付けたサンプルホルダ側の被動ブロックと、試料軸側の駆動力伝達用のブロックとの嵌合による駆動連絡状態の下で回転駆動し、試料軸を水平面内で揺動変位させた場合に、試料軸の軸線方向に発生する力および、その軸線方向と直交する方向に発生する力の少なくとも一方を計測するものである。
ここでもまた好ましくは、試料軸等、少なくとも試料軸の重量の、バランスウエイト等による相殺下で計測を行う。そしてまた好ましくは、氷盤からの入力による筒状サンプルの上下動を、バランスウエイトショック吸収用スプリングで抑制する。
【0012】
この方法において、試料軸の軸線方向に発生する力を計測するときは、筒状サンプルにいわゆるスリップアングルを付与した場合に、たとえばトレッドゴムによって発生する氷上横力を、コニシティフォース、プライステアフォース等の影響を受けることなく正確に求めることができ、また、試料軸と直交する方向に発生する力を計測するときは、トレッドゴムの路面グリップ力、転がり抵抗等を正確に求めることができる。
【0013】
ところで、以上のような方法の実施に当り、所要に応じて冷却される恒温室内で計測を行う場合には、極寒地の氷盤から比較的温暖な地の氷盤までの広範囲の計測環境を適宜に作り出すことができる。
【0014】
ここでとくに、恒温室内での計測を行う場合には、試料軸に保持した試験済みの筒状サンプルと、次に試験を行う筒状サンプルとの交換を行うに当たって、はじめに、試料軸に整列させた空のサンプル支持軸上に、試料軸上の試験済み筒状サンプルを抜き取り、次いで、次に試験を行う筒状サンプルを支持したサンプル支持軸をその試料軸に整列させ、そこで、サンプル支持軸上の筒状サンプルを試料軸上に嵌め合わせることが好ましく、これらのことを恒温室内で自動的に行うことにより、筒状サンプルの交換に伴う恒温室の開閉操作、ひいては、その開閉操作による計測環境の変動を防止して試験の能率を大きく向上させることができる。
【0015】
また、この発明の、弾性材料の氷上摩擦特性試験装置は、回転駆動される氷盤、たとえば円環形状をなす氷盤を水平に配置するとともに、一端に、サンプルホルダを介して弾性材料の筒状サンプルを保持し、他端にモータを連結される試料軸を水平に配置し、この試料軸とサンプルホルダとを、嵌合によって駆動連絡する、試料軸側の駆動力伝達用ブロックおよび、サンプルホルダ側の被動ブロックを設け、サンプルホルダと一体に構成したサンプルホルダ固定ベースに対し、サンプルロックブロックを作動させて、筒状サンプルを取付けたサンプルホルダを試料軸に保持するサンプルロックシリンダを配設し、試料軸の中間部にトルクメータを介装し、そして、試料軸を昇降変位させる往復駆動手段を設けるとともに、この往復駆動手段により変位されて、試料軸に保持した筒状サンプルを氷盤上に所要の力で押圧する圧下シリンダを設け、この圧下シリンダと試料軸との間に垂直荷重センサを配設したものである。
【0016】
この装置では、試料軸の一端にホルダを介して取り付けた筒状サンプルは、たとえば、シリンダ、ねじ手段等とすることができる往復駆動手段により、回転駆動される氷盤に対し、所要の高さまで上昇変位される一方、その氷盤面まで下降変位され、また、試料軸とともに昇降変位される圧下シリンダの作用下で、その周面を氷盤表面に、所要の力で押圧され、併せて、試料軸の他端に連結したモータをもって所要の周速で回転駆動される。
【0017】
またここでは、筒状サンプルの、氷盤への押圧力を、圧下シリンダと試料軸との間に介装した、ロードセルとすることができる垂直荷重センサをもって検知することにより求め、好ましくは、試料軸重量およびサンプル重量等による影響も考慮してサンプル押圧力とする。なおここで、試料軸の中間部、たとえば、重心位置にバランスウエイトを連結して、モータ、サンプルホルダおよびトルクメータも含めた試料軸重量の相殺を図る場合には、荷重センサの検知結果に対し、サンプル重量を考慮するだけで押圧力を正確に求めることができ、併せて、サンプル押圧力を、試料軸重量に相当する押圧力よりも小さい力とすることもできる。
そしてまた好ましくは、バランスウエイトの揺動基部に、筒状のサンプルの上下動変位を抑制するバランスウェイトショック吸収用スプリングを配設してなる
【0018】
ところで、筒状サンプルの周面を、このようにして氷盤表面に所要の力で押圧した状態の下での、そのサンプルの摩擦力は、たとえは、氷盤とサンプル周面とをともに等しい所定速度で回転させている状態から、サンプルもしくは氷盤のいずれか一方の速度を低下させてそれらの両者間に一定のスリップを発生させ、このときに試料軸に生じるトルクを、試料軸に設けたトルクメータをもって計測することで測定することができ、このことを、スリップ率が0〜100%の範囲で、漸次にまたは段階的に行うことで、スリップ率に応じた制動摩擦力または駆動摩擦力を求めることができる。
【0019】
かくしてこの装置によれば、垂直荷重センサの作用下で、圧下シリンダをもって筒状サンプルを所期した通りの力で氷盤に押圧しつつ、それら両者の相対速度を変化させた場合の摩擦力をトルクメータに生じるトルクとして計測することにより、前述したように、スリップ率に応じた摩擦力を高い精度をもって測定することができる。
【0020】
かかる装置において好ましくは、試料軸の前記他端側を揺動変位させる揺動駆動手段を設けるとともに、試料軸の軸線を含む平面内での二次元方向のそれぞれの分力センサを設ける。
これによれば、揺動駆動手段の作用により、氷盤の回転方向に対する筒状サンプルの水平姿勢を所要に応じて変化させて、筒状サンプルに、タイヤにスリップアングルを付与した状況をもたらすことができ、この場合に、試料軸の軸線方向に生じる力および試料軸と直交する方向に生じる力のそれぞれをそれぞれの分力センサをもって計測することで、たとえばトレッドゴムによって生じる氷上横力および、トレッドゴムの路面グリップ力等をもまた正確に求めることができる。
【0021】
そしてこの場合にもまた、バランスウエイトをもって試料軸重量等を相殺して、試料軸重量等よりも小さな押圧力の付与を可能とすることで、より広範な押圧力の作用に対する各種計測を高い精度で行うことができる。
【0022】
またここで、氷盤および試料軸のそれぞれを恒温室に収納するとともに、この恒温室内を冷却する冷却手段を設けた場合には、温度条件の異なる各種の氷盤に対する計測を行うことができる。
【0023】
ところで、とくに、恒温室内でのこのような計測のためには、氷盤と平行に配置されて、各割出し位置に、試料軸と整列するサンプル支持軸を有するタレットおよび、各サンプル支軸軸と試料軸との間での筒状サンプルの受け渡しを司どるサンプル交換ユニットを設けることが好ましく、これらのそれぞれを、たとえば恒温室内に配設して、サンプル支持軸上に予め配置した筒状サンプルと、試料軸上の試験済み筒状サンプルとの受け渡しを自動化した場合には、全てのサンプル支持軸上の筒状サンプルについての試験が終了するまで恒温室の開閉が不要となるので、特定の温度条件の下での試験を能率的に行うことができる。
【0024】
ここで、前記サンプル交換ユニットは、ロッドレスシリンダその他とすることができる進退駆動部と、この進退駆動部に腕部を介して連結されて、サンプル支持軸上の筒状サンプルの、サンプルホルダの端面に当接するとともに、試料軸上の筒状サンプルの、サンプルホルダフックに掛合するサンプルホルダ着脱用開閉爪とで構成することが好ましく、これによれば、進退駆動部と開閉爪との作動に基き、簡単な構造の下で、筒状サンプルの前述したような受け渡しを、タレットの割出し作用と相俟って、簡単かつ確実に行うことができる。
【0025】
そして、このような装置において一層好ましくは、氷盤の研磨手段を設け、これにより、氷盤の表面状態を一定として計測精度のより一層の向上をもたらす。
ところで、この研磨手段は、氷盤に所要の力で押圧されて回転駆動される研削刃をもって構成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明に係る装置の要部を示す正面図および側面図であり、図2はその装置の全体を示す部分断面路線側面図である。
ここでは、全体としてほぼ円環形状をなす氷盤1を水平姿勢で配置するとともに、この氷盤1を氷盤駆動モータ2により、減速機3を介して所要の速度で回転駆動可能ならしめる。
【0027】
ここで氷盤1は、冷水機5内の、冷却器により冷却した水を、ほぼ樋状をなす氷盤枠1aに供給するとともに、その枠内の冷却水を、装置のほぼ全体を囲繞する恒温室6内へ、冷気発生装置4で所要温度に冷却した冷却空気を送給することをもって氷結させることで形成することができ、これにより、その氷盤1は冷却空気温度に応じた氷温に維持される。
【0028】
またここでは、氷盤1の上方に、試料軸7を水平姿勢で配設し、この試料軸7の、氷盤側の一端に、サンプルホルダ8を介して、弾性材料、たとえば加硫済みトレッドゴムの筒状サンプル9を着脱自在に保持させる一方、その他端に、筒状サンプル9を所要の周速で回転駆動する試料軸駆動モータ10を取付け、そしてその中間部に、試料軸7に発生する軸線周りのトルクを計測するトルクメータ11を配設する。
【0029】
ここで、筒状サンプル9の試料軸7への保持は、たとえば図3に示すように、筒状サンプル9の内周側に嵌め込んだサンプルホルダ8と一体に構成したサンプルホルダ固定ベース33に対し、サンプルロックブロック39を固定したサンプルロックシリンダ38を収縮作動させるとともに、90度回動させて、サンプルロックブロック39をサンプルホルダ固定ベース33に対して直交姿勢として、そのサンプルホルダ8を試料軸7に取付けることにより行うことができる。
【0030】
再び図1に示すところにおいて、このような試料軸7および試料軸駆動モータ10のそれぞれを、ここでは、それらの背面側の昇降プレート12で支持し、そして、この昇降プレート12の、固定フレーム13に対する昇降を、昇降プレート12の更に背面側に配設した図示しない直動ガイドをもって案内するとともに、それの昇降変位を、固定フレーム13に取付けた、往復駆動手段の一例としての試験部昇降シリンダ14の作用をもって行わせる。
【0031】
ここで好ましくは、サンプルホルダ8、試料軸駆動モータ10およびトルクメータ11をも含んだ試料軸7の重量、より好ましくは、昇降プレート12をも含むそれらの重量を、たとえば、昇降プレート12にワイヤ15を介して連結したバランスウエイト16をもって実質的に相殺する。
このバランスウエイト16は、たとえば図4に拡大正面図で示すように、バランスウエイト16の重力方向の力を、ウエイト伝達用ギヤ18の作用によってワイヤ15を上方へ引き上げる力に変換することにより、昇降プレート12に掛る重量を相殺するべく機能する。
【0032】
このようにして昇降プレート12に掛る重量を相殺することにより筒状サンプル9に掛る重量は略ゼロとなり試験時に圧下シリンダ19により作用させた所定の圧押荷重が正確に筒状サンプル9に掛ることになる。
又バランスウエイトショック吸収用スプリング17の作用により氷盤1の表面上に出来た若干の起伏による筒状サンプル9の上下動を抑制することができる。
【0033】
さらにここでは、固定フレーム13に取付けた試験部昇降シリンダ14のロッド14aに、試料軸7および昇降プレート12とともに昇降変位される圧下シリンダ19を中間プレート20を介して取付ける。
ここでたとえば、試料軸7を下降させる場合は、昇降シリンダ14のロッド14aを最下端まで下降させることにより筒状サンプル9を氷盤1に接触させる。このとき試料軸昇降ガイドシャフト42の上部と中間プレート20との拘束が解除され、試料軸7及び昇降プレート12がフリーの状態になる。またこの時昇降シリンダ14は最下端でエアーによって固定されるため圧下シリンダ19により所要の押圧荷重が負荷できる。
【0034】
一方、上昇させる場合は、昇降シリンダ14のロッド14aを最上端まで上昇させることにより試料軸昇降ガイドシャフト42の上部と中間プレート20とが拘束され筒状サンプル9が氷盤1から隔離される。
【0035】
ここにおいて好ましくは、圧下シリンダ19の配設位置を、筒状サンプル9に作用する押圧力の中心が、氷盤1への接触幅の中央部となるよう選択する。そしてまた、このような圧下シリンダ19によるサンプル押圧力を測定する垂直荷重センサ、より好ましくは、それに加えて、試料軸7の軸線方向の力および、その軸線と直交する方向の力をもまた測定する三分力計21を、圧下シリンダ19と試料軸7との間に介装し、好ましくは、この三分力計21の中心軸線を、サンプル9の氷盤接触幅の中央部および圧下シリンダ19のロッド軸線に整列させて位置させる。
【0036】
このように構成することにより、試験部昇降シリンダ14は、筒状サンプル9を保持する試料軸7を、そのサンプル9が氷盤1から大きく離隔する上昇位置と、サンプル周面が氷盤1に接触する位置との間で昇降変位させることができ、また、圧下シリンダ19は、筒状サンプル9の周面を氷盤1に所要の力で押圧し、そして、その押圧力を所要に応じて増減させることができる。
【0037】
ここで、筒状サンプル9の摩擦力の測定はそれぞれのモータ2,10、たとえばそれぞれのサーボモータにより、氷盤1およびサンプル9のそれぞれをともに等速回転させた状態から、たとえば、サンプル9の周速を、次第にまたは段階的に低下させて、そのサンプル9と氷盤1との間のスリップ率を0%から100%まで変化させ、各スリップ率の下で、試料軸7に生じる、軸の回転を高める向きのトルクを、トルクメータ11をもって計測することにより求めることができ、この場合の摩擦力は制動摩擦力となる。
【0038】
これに対し、氷盤1の速度を減じてスリップを生じさせた場合および、サンプル9の周速を高めてスリツプを生じさせた場合には、試料軸7の回転を妨げる向きに生じるトルクを計測することで、駆動摩擦力を測定することができる。
【0039】
加えてこの装置では、図3に路線平面図で示すように、試料軸7、昇降プレート12および固定フレーム13を含む装置の要部を、円弧状に延在させた一対の同心のガイドレール22上に配置して、その要部の全体を、試料軸7に保持した筒状サンプル9の幅方向の中央部を中心として揺動可能とし、また、固定フレーム13に取付けた試料揺動変位用モータ23の軸端に設けたピンオンを、ガイドレール22に設けたラックに噛合させることで駆動可能とする。
この場合、揺動角度範囲は、たとえば、±30°程度とすることができる。
【0040】
このような揺動機構の作用の下で、筒状サンプル9の、氷盤1に対する水平姿勢を変化させて、タイヤにスリップアングルを付与した状況を作り出した場合には、試料軸7の軸線方向に生じる力およびその軸線と直交する方向の力の少なくとも一方を三分力計21をもって計測することで、筒状サンプル9の氷上横力および氷盤グリップ力の少なくとも一方を求めることができ、この場合にもまた、氷盤とサンプル周面との間に所要のスリップ率のスリップを生じさせることで、たとえば、車両の旋回時の駆動および制動摩擦力を求めることができる。
【0041】
ところで、図3中24は、前述した装置の要部に隣接させて配設されて、摩擦特性試験の前後の筒状サンプル9を支持するタレットを示す。ここでは、このタレット24を、図2に示すように、氷盤1の上方にそれと平行に位置させるとともに、その上方に連結したインデックスシリンダ25をもって所定角度毎、たとえば60°毎に割出し変位可能ならしめ、そしてそのタレット24の各割出し位置に、不作用姿勢の試料軸7、いいかえれば、試験部昇降シリンダ14によって上昇姿勢にある試料軸7と高い精度で整列するサンプル支持軸26を設け、併せて、サンプル支持軸26上にサンプルホルダ8とともに支持した筒状サンプル9を回り止めして、それを所定の姿勢に位置決めするべく、図3に示すように、サンプルホルダ8に取付けたサンプルホルダ固定ベース33の貫通孔内へ進入する位置決めピン27を、そのサンプル支持軸26に近接させて設ける。
【0042】
またここでは、図5に拡大して示すように、サンプル支持軸26と試料軸7との間での筒状サンプル9の受け渡しを司るサンプル交換ユニット28をタレット24の上側に設け、この交換ユニット28を、たとえば、上部フレーム29に水平に取付けたロッドレスシリンダ30と、このロッドレスシリンダ30に一端を連結した腕部31と、腕部31の他端部に取付けた開閉爪32とで構成する。
なお、開閉爪32の開閉作動については、筒状サンプル9の受け渡し操作と併せて後に説明する。
【0043】
ここで、サンプル支持軸26に支持され、また、試料軸7上に保持される筒状サンプル9の、サンプルホルダ8への取付けは、図6に拡大で示すように、サンプルホルダ固定ベース33と、その周りにベアリングを介して嵌め合わせたホイールフランジ35とからなるホルダ本体の外周に、筒状サンプル9を嵌め合わせるとともに、そのサンプル9の一方の端面をホイールフランジ35によって、また他方の端面を、ホィールフランジ35にねじ止めした押えリング36によってそれぞれ拘束するとともに、サンプル9の内周突起9aをホイールフランジ35の外周に設けた溝部に嵌め込んで、筒状サンプル9の、ホイルフランジ35上でのスリップを拘束することにより行うことができる。
【0044】
なお、このサンプルホルダ8は、前述したように、試料軸7上で、ホイルフランジ35より試料軸7の先端側へ突出するサンプルホルダ固定ベース33を有し、このサンプルホルダ固定ベース33は、前記サンプルホルダ着脱用開閉爪32の嵌まり込みを許容する溝部を画成するサンプルホルダフック34を有する。
【0045】
またここで、このようなサンプルホルダ8に取付けた筒状サンプル9の、試料軸7上への抜止め保持は、図3に示すように、その試料軸7の軸線と平行に位置するサンプルロックシリンダ38の作用下にて進退変位されるサンプルロックブロック39を、サンプルホルダ固定ベース33の端部溝内に嵌め込んで、そのサンプルロックブロック39をサンプルホルダ固定ベース33の前面に接触させ、これによって、サンプルホルダ8、ひいては、筒状サンプル9の、試料軸7上での軸線方向変位を阻止することにて行うことができ、そのホルダ8の、試料軸7への駆動連結は、試料軸側の駆動力伝達用ブロック40と、サンプルホルダ側の被動ブロック41とを嵌め合わせることにより行うことができる。これによれば、サンプルホルダ8が軸線方向変位を拘束されることにより、バックラシュも無くサンプルホルダ8と試料軸7は一体回転することが可能となる。
【0046】
なお、以上のような筒状サンプル9の、サンプル支持軸26上への支持は、サンプルホルダ8のサンプルホルダフック34が、タレット24の半径方向内側に位置する姿勢で、そのサンプルホルダ8をサンプル支持軸26に単に嵌め合わせることにより行うことができる。
ところで、上述したようにして試料軸7上に保持され、また、サンプル支持軸26上に支持される筒状サンプル9の、それらの両軸間での受け渡しは、前述したサンプル交換ユニット28との協働下で、以下のようににして行うことができる。
【0047】
試料軸7が未だ筒状サンプル9を受け取っていない場合には、図3に示すように、タレット24のそれぞれの割出し位置に設けた、図では六本のサンプル支持軸26の全てが、これから試験を行う、同種もしくは異種の筒状サンプル9を、位置決めピン27の作用下でそこに位置決め支持している。
【0048】
そこで、試験の開始に当たっては、はじめに、インデックスシリンダ25の作動によって、タレット24に割出し運動を行わせて、所要の筒状サンプル9を支持するサンプル支持軸26を、不作用姿勢にある試料軸7に、図7(a)に示すように整列させて、それらの両軸線を実質的に同一線上に位置させる。
【0049】
その後は、サンプル交換ユニット28のロッドレスシリンダ30を作動させて、腕部31およびサンプル着脱用開閉爪32を、そのサンプル着脱用開閉爪32の開状態で進出変位させて、サンプル支持軸26に支持された所要の筒状サンプル9を、図7(b)に示すように、サンプルホルダ着脱用開閉爪32の、サンプルホルダ固定ベース33への当接下にて、試料軸7上に十分に押込み嵌合させるとともに、駆動力伝達用ブロック40と被動ブロック41とを嵌合させることで、そのサンプル9を試料軸7に駆動連結させ、続いて、そのサンプルホルダ着脱用開閉爪32を元位置に後退帰路させる一方、サンプルロックブロック39を軸端に取り付けたサンプルロックシリンダ38を図7(c)に示すように90度回転させながら後退変位させることによって固定して、サンプル支持軸26から試料軸7に所要の筒状サンプル9の引き渡しを完了する。
【0050】
このようにして筒状サンプル9を受け取った試料軸7は、前述した試験部昇降シリンダ14および圧下シリンダ19の作用下で、筒状サンプル9の周面を、所定温度に冷却された氷盤1に所要の力で押圧するとともに、その筒状サンプル9を、試料軸駆動モータ10をもって回転駆動し、その筒状サンプル9に、氷盤速度に対する所要のスリップ率を付与する。
この場合、三分力計21は、筒状サンプル9の氷盤押圧力を正確に計測し、トルクメータ11は、サンプル9の摩擦力に基づいて試料軸7に発生するトルクを正確に計測する。
【0051】
なおここで、試料軸7を水平面内で揺動変位させて、筒状サンプル9の向きを、氷盤1の平面視で、それの接線方向から変位させた場合、すなわち、筒状サンプル9にいわゆるスップアングルを付与した場合には、トルクメータ11による摩擦力の計測に加え、三分力計21をもって、その試料軸7の軸線方向に発生する氷上横力および、その軸線と直交する方向に生じる路面グリップ力、転がり抵抗等を計測することができる。
【0052】
以上のようにして、試料軸7に保持した筒状サンプル9に対する所要の試験を行った後は、そのサンプル9を、元位置に待機中の前述したサンプル支持軸26上に引き取るべく、はじめに、試料軸7を、それがサンプル支持軸26と整列する位置まで上昇変位させ、そこで、サンプルロックシリンダ38を90度回転させながら進出変位させて筒状サンプル9の、試料軸7への拘束を解除し、次いで、図8(a)に示すように、サンプル交換ユニット28のサンプル着脱用開閉爪32を、それの開状態として進出変位させて、その開閉爪32の爪部先端を、サンプルホルダ固定ベース33と、サンプルホルダフック34との間に位置させるとともに、そこにて、サンプル着脱用開閉爪32を、図8(b)に示すように閉止作動させて、それの爪部先端の、サンプルホルダフック34への掛合をもたらす。
【0053】
しかる後は、サンプル交換ユニット28のロッドレスシリンダ30によって、サンプル着脱用開閉爪32を図8(c)に示すように後退変位させて、試料軸7上の試験済み筒状サンプル9を、元のサンプル支持軸26上に引込み嵌合させ、さらに、そのサンプル着脱用開閉爪32の、開放、後退および閉止のそれぞれを順次に行って、それを、図8(d)に示すように、サンプルホルダ8およびサンプル支持軸26から完全に離隔させることで、元のサンプル支持軸26上への筒状サンプル9の引き取り作業を終了する。
【0054】
そして、他の筒状サンプル9に対する試験は、タレット24の割出し作動によって、たとえば図8(d)に矢印Aで示すように、試験済みのサンプル9を引き取ったサンプル支持軸26に隣接して位置するサンプル支持軸26を、試料軸7に整列させて位置させて、そのサンプル支持軸26上のサンプル9を前述したと同様にして試料軸7に引き渡し、そこに抜止め保持することにて行うことができる。
【0055】
ところで、以上のように構成してなる装置において、より適正なる試験結果をもたらすためには、それぞれの筒状サンプルに対する試験を常に一定の氷盤条件の下で行うことが好ましく、これがためには、たとえば、試料軸7の配設位置に対し、氷盤1の直径方向に対抗する位置に、氷盤1の研磨手段を設けることが好ましい。
【0056】
図9は、その研磨手段を例示する部分断面図であり、これは、駆動モータ43を取付けた可動プレート44を、それに貫通するねじ軸45および昇降ガイド46の作用下で昇降変位自在に配設して、駆動モータ43および可動プレート44の、氷盤1に対する相対高さを、ハンドル47の操作によるねじ軸45の回転によって調整可能とする一方、そのねじ軸45の不測の回転を、ねじ軸ロックハンドル48の回転に基づく、内臓ロックボルトによって拘束可能としたところにおいて、駆動モータ43の回転軸49の先端部に、氷盤1に押圧される、研削刃50を装着した研削刃ホルダ51のボス部を、図示しないねじをもって取付けたものである。
【0057】
この研磨装置では、ハンドル47の操作によって、駆動モータ43を下降変位させて、各研削刃50を氷盤1に十分に接触させるとともに、その接触状態をねじ軸ロックハンドル48によって維持しつつ、駆動モータ43を回転させることにより、回転中の氷盤1の表面を、それの全体にわたって十分平坦に削り取ることができる。
【0058】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、回転駆動される氷盤に、弾性材料の筒状サンプルの周面を、所要のスリップ率の下に、所期した通りの押圧力で押圧しつつ、試料軸に生じるトルクを計測することで、スリップ率に対応する氷上摩擦力を、客観的数値をもって高い精度で測定することができるので、弾性材料毎の試作タイヤ等を製造するまでもなく、各弾性材料の氷上摩擦特性を高い信頼性の下に評価することができ、それ故に、弾性材料の、迅速にして効率的な研究開発等を可能ならしめることができる。
【0059】
なおここで、筒状サンプルの、氷盤に対する姿勢を水平面内で変化させて、試料軸の軸線方向およびその軸線方向と直交する方向の少なくとも一方に生じる力を計測した場合には、たとえば、車両の旋回走行時の横力、路面グリップ力、転がり抵抗等を、製品タイヤとの高い相関の下に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る装置の要部を示す部分断面略線正面図および側面図である。
【図2】 図1に示す装置の全体を示す部分断面略線側面図である。
【図3】 試料軸等の装置の要部とタレットを示す略線平面図である。
【図4】 バランスウエイト機構の拡大正面図である。
【図5】 タレットおよびサンプル交換ユニットを示す拡大正面図である。
【図6】 サンプルホルダの拡大図である。
【図7】 サンプル支持軸から試料軸への筒状サンプルの引き渡し態様を示す工程図である。
【図8】 試験軸からサンプル支持軸へのサンプルの引き取り態様を示す工程図である。
【図9】 研磨手段を例示する部分断面図である。
【符号の説明】
1 氷盤
1a 氷盤枠
2 氷盤駆動モータ
3 減速機
4 冷気発生装置
5 冷水機
6 恒温室
7 試料軸
8 サンプルホルダ
9 筒状サンプル
10 試料軸駆動モータ
11 トルクメータ
12 昇降プレート
13 固定フレーム
14 試験部昇降シリンダ
15 ワイヤ
16 バランスウエイト
17 バランスウエイトショック吸収用スプリング
18 ウエイト伝達用ギヤ
19 圧下シリンダ
20 中間プレート
21 三分力計
22 ガイドレール
23 試料軸揺動変位用モータ
24 タレット
25 インデックスシリンダ
26 サンプル支持軸
27 位置決めピン
28 サンプル交換ユニット
29 上部フレーム
30 ロッドレスシリンダ
31 腕部
32 サンプルホルダ着脱用開閉爪
33 サンプルホルダ固定ベース
34 サンプルホルダフック
35 ホイールフランジ
36 押えリング
37 サンプル固定突起
38 サンプルロックシリンダ
39 サンプルロックブロック
40 駆動力伝達用ブロック
41 被動ブロック
42 試料軸昇降ガイドシャフト
43 研削刃駆動モータ
44 可動プレート
45 ねじ軸
46 昇降ガイド
47 ハンドル
48 ねじ軸ロックハンドル
49 回転軸
50 研削刃
51 研削刃ホルダ

Claims (15)

  1. 筒状サンプルのサンプルホルダと一体に構成したサンプルホルダ固定ベースに対し、サンプルロックブロックを固定したサンプルロックシリンダを収縮作動させて、そのサンプルホルダを試料軸に保持した状態で、弾性材料の筒状サンプルの周面を、回転駆動される氷盤上に所要の力で押圧するとともに、その筒状サンプルを、そのサンプルを取り付けたサンプルホルダ側の被動ブロックと、試料軸側の駆動力伝達用のブロックとの嵌合による駆動連結状態の下で回転駆動し、筒状サンプルの周速と氷盤の速度とを相対的に変化させた場合の摩擦力を、発生トルクにより計測する弾性材料の氷上摩擦特性試験方法。
  2. 筒状サンプルのサンプルホルダと一体に構成したサンプルホルダ固定ベースに対し、サンプルロックブロックを固定したサンプルロックシリンダを収縮作動させて、そのサンプルホルダを水平な試料軸に保持した状態で、弾性材料の筒状サンプルの周面を、回転駆動される氷盤上に所要の力で押圧するとともに、その筒状サンプルを、そのサンプルを取り付けたサンプルホルダ側の被動ブロックと、試料軸側の駆動力伝達用のブロックとの嵌合による駆動連絡状態の下で回転駆動し、試料軸を水平面内で揺動変化させた場合に、試料軸の軸線方向に発生する力および、その軸線方向と直交する方向に発生する力の少なくとも一方を計測する弾性材料の氷上摩擦特性試験方法。
  3. 試料軸の重量の相殺下で計測を行う請求項1もしくは2に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験方法。
  4. 氷盤からの入力による筒状サンプルの上下動を、バランスウエイトショック吸収用スプリングで抑制する請求項3に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験方法。
  5. 恒温室内で計測を行う請求項1〜4のいずれかに記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験方法。
  6. 試料軸に保持した試験済みの筒状サンプルと、次に試験を行う筒状サンプルとの交換を行うに当り、はじめに、試料軸に整列させた空のサンプル支持軸上に、試料軸上の試験済み筒状サンプルを抜き取り、次いで、次に試験を行う筒状サンプルを支持したサンプル支持軸を前記試料軸に整列させて、そのサンプル支持軸上の筒状サンプルを試料軸上に嵌め合わせる請求項1〜5のいずれかに記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験方法。
  7. 回転駆動される氷盤を水平に配置するとともに、一端に、サンプルホルダを介して弾性材料の筒状サンプルを保持し、他端にモータを連結される試料軸を水平に配置し、この試料軸とサンプルホルダとを、嵌合によって駆動連絡する、試料軸側の駆動力伝達用ブロックおよび、サンプルホルダ側の被動ブロックを設け、サンプルホルダと一体に構成したサンプルホルダ固定ベースに対し、サンプルロックブロックを作動させて、筒状サンプルを取付けたサンプルホルダを試料軸に保持するサンプルロックシリンダを配設し、試料軸の中間部にトルクメータを介装し、その試料軸を昇降変位させる往復駆動手段を設けるとともに、この往復駆動手段により変位されて、試料軸に保持した筒状サンプルを氷盤上に所要の力で押圧する圧下シリンダを設け、この圧下シリンダと試料軸との間に垂直荷重センサを配設してなる弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  8. 試料軸の前記他端側を揺動変位させる揺動駆動手段を設けるとともに、試料軸の軸線を含む平面内での二次元方向のそれぞれの分力センサを設けてなる請求項7に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  9. 試料軸の中間部にバランスウエストを連結してなる請求項7もしくは8に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  10. バランスウエイトの揺動基部に、筒状のサンプルの上下動変位を抑制するバランスウェイトショック吸収用スプリングを配設してなる請求項9に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  11. 氷盤および試料軸を恒温室に収納するとともに、恒温室内を冷却する冷却手段を設けてなる請求項7〜10のいずれかに記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  12. 氷盤と平行に配置されて、各割出し位置に、試料軸と整列するサンプル支持軸を有するタレットおよび、各サンプル支持軸と試料軸との間での筒状サンプルの受け渡しを司るサンプル交換ユニットを設けてなる請求項11に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  13. サンプル交換ユニットを、進退駆動部と、この進退駆動部に腕部を介して連結されて、サンプル支持軸上の筒状サンプルの、サンプルホルダの端面に当接するとともに、試料軸上の筒状サンプルの、サンプルホルダの溝部に嵌まり込む開閉爪とで構成してなる請求項12に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  14. 氷盤の研磨手段を設けてなる請求項7〜13のいずれかに記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
  15. 研磨手段を、氷盤に押圧されて回転駆動される研削刃により構成してなる請求項14に記載の弾性材料の氷上摩擦特性試験装置。
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