JP4426717B2 - 二輪車用サスペンション - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前輪と後輪をそれぞれ懸架する油圧シリンダと各油圧シリンダに連通する調圧装置を備える二輪車用サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用サスペンションとして例えば図4に示すようなものが提案されている(特開平8−132846号公報参照)。
【0003】
即ち、図4は従来の車両用サスペンションの構成を模式的に示す断面図であり、図示の車両用サスペンションは、前輪を懸架する油圧シリンダ1’と後輪を懸架する油圧シリンダ11’及び調圧装置20’を備えている。
【0004】
上記各油圧シリンダ1’,11’は、シリンダ2’,12’内に下方から挿入されたピストンロッド3’,13’の下端に結着されたピストン4’,14’をシリンダ2’,12’内に摺動自在に嵌装し、シリンダ2’,12’内にピストン4’,14’によって画成された上部油室6’,16’と下部油室7’,17’にオイルを充填して構成され、ピストン4’,14’に形成された油孔4a’,14a’には絞り5’,15’が設けられている。
【0005】
又、前記調圧装置20’は、前輪用の前記油圧シリンダ1’の上部油室6’に油圧経路24’を介して連通する第1の油室23’を備える第1の調圧シリンダ21’と、後輪用の前記油圧シリンダ11’の上部油室16’に油圧経路34’を介して連通する第2の油室33’を備える第2の調圧シリンダ31’とを一体に形成し、前記2つの油室23’,33’とガス室28’とを移動隔壁としての1つのフリーピストン22’によって画成して構成されている。そして、第1の油室23’と第2の油室33’との間には絞り27’が設けられている。尚、フリーピストン22’は、第1の油室23’と第2の油室33’の有効断面積が互いに等しくなるように形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる構成を有するサスペンションを二輪車に適用した場合、前輪の油圧シリンダ1’と後輪の油圧シリンダ11’が同じ方向に略等しい作動量をもって作動するバウンス時には、各油圧シリンダ1’,11’においてピストン4’,14’に設けられた絞り5’,15’のみによって減衰力が発生するようにすべきであるが、二輪車においては前輪と後輪の油圧シリンダ1’,11’の形式が異なり、又、前後輪への重量配分も等しくないために調圧装置20’の絞り27’をオイルが通過することによって不要な付加的な減衰力が発生するという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的とする処は、車体のバウンスの動きに対して不要な付加減衰力が発生しない二輪車用サスペンションを提供することにある。
【0008】
一方、前輪の油圧シリンダ1’と後輪の油圧シリンダ11’の作動方向が異なるときには、各油圧シリンダ1’,11’においてピストン4’,14’に設けられた絞り5’,15’にて発生する減衰力に加えて調圧装置20’の絞り27’によっても付加的な減衰力が発生する。このため、二輪車の急減速時や急加速時には減衰力が相対的に増大し、急減速時の車体のダイブや急加速時の車体のスクォートが抑制される。
【0009】
ところが、前述のように二輪車においては前輪と後輪の油圧シリンダ1’,11’の形式が異なり、又、前後輪への重量配分も等しくないために付加減衰力の大きさがダイブとスクォートで大きく異なるという問題があった。
【0010】
従って、本発明の目的とする処は、車体のダイブとスクォートの動きに対する付加減衰力の大きさをバランスさせることができる二輪車用サスペンションを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、シリンダ内に挿入されたピストンロッドの端部にピストンを取り付けて構成される第1及び第2の油圧シリンダで前輪と後輪をそれぞれ懸架し、前記第1の油圧シリンダに連通する第1の油室と該第1の油室内に摺動自在に嵌装された移動隔壁を備える第1の調圧シリンダと、前記第2の油圧シリンダに連通する第2の油室と該第2の油室内に摺動自在に嵌装された移動隔壁を備える第2の調圧シリンダを備え、両調圧シリンダの前記第1及び第2の油室の容積変化が一致するよう前記移動隔壁同士を連結するとともに、第1及び第2の油室を連通する連通路に絞りを設けて構成される二輪車用サスペンションにおいて、
前記第1及び第2の油圧シリンダのピストンストロークをS1,S2、ピストンロッドの断面積をa1,a2とし、第1及び第2の油圧シリンダのピストンストロークがS1,S2であるときの前輪と後輪の接地点での上下方向の変位量をλ1,λ2とし、前記第1及び第2の調圧シリンダの有効断面積をA1,A2とし、
a1≠a2又はS1/λ1≠S2/λ2の少なくとも一方を満足し、且つ、
(S1/λ1 )×(a1/A1)≒(S2/λ2 )×(a2/A2)
が成立するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1及び第2の調圧シリンダの第1及び第2の油室の圧力をP1,P2、第1の油室から第2の油室にオイルが流れるときの両油室の差圧をΔΦ、第2の油室から第1の油室にオイルが流れるときの両油室の差圧をΔΦ’とし、
a1とa2、S1/λ1とS2/λ2又は第1の調圧シリンダの第1の油室からオイルが絞りを通って第2の調圧シリンダの第2の油室へ流れるときの減衰力特性と第2の調圧シリンダの第2の油室からオイルが絞りを通って第1の調圧シリンダの第1の油室へ流れるときの減衰力特性のそれぞれ対となる値同士のうち、少なくとも何れか一方の対となる値同士を互いに異なる値に設定し、前輪と後輪が互いに逆方向に変位するときであって、変位速度の絶対値が同一であるとき、
(S1/λ1 )×(a1/A1)×ΔΦ≒(S2/λ2 )×(a2/A2)×ΔΦ’
が成立するようにしたことを特徴とする。
【0013】
従って、請求項1記載の発明によれば、二輪車の前輪と後輪をそれぞれ懸架する第1及び第2の油圧シリンダのピストンロッドの断面積a1,a2が互いに異なる場合やピストンストロークS1,S2と前後輪の変位量λ1,λ2との比(S1/λ1),(S2/λ2)が異なる場合であっても、前後輪の変位方向と変位量が略等しいバウンスの動きに対して第1及び第2の調圧シリンダの第1及び第2の油室を連通する連通路に設けられた絞りにオイルが流れないようにすることができ、車体のバウンスの動きに対して不要な付加減衰力の発生を防ぐことができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、第1及び第2の油圧シリンダのピストンロッドの断面積a1,a2が互いに異なる場合、ピストンストロークS1,S2と前後輪の変位量λ1,λ2との比(S1/λ1),(S2/λ2)が互いに異なる場合、第1及び第2の調圧シリンダの有効断面積A1,A2が互いに異なる場合のうち少なくとも何れか1つの場合であったとしても、第1及び第2の調圧シリンダの第1及び第2の油室を連通する連通路に設けられた絞りにおいて発生する付加減衰力の大きさの絞りでのオイルの流れ方向による変化を防ぐことができ、車体のダイブとスクォートの動きに対する付加減衰力の大きさをバランスさせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明に係るサスペンションを備える二輪車の概略側面図、図2は同サスペンションの構成を模式的に示す図である。
【0017】
図1に示す二輪車50において、53は車体前方上部に位置するヘッドパイプであって、このヘッドパイプ53内には不図示のステアリング軸が回動可能に挿通している。そして、このステアリング軸にはアッパーブラケット54とロアーブラケット55を介してフロントフォーク56が取り付けられており、このフロントフォーク56の下端部には前輪51が車軸57によって回転自在に軸支されている。
【0018】
又、上記フロントフォーク56の前方には油圧シリンダ1が配されており、該油圧シリンダ1の上端は車体側の前記アッパブラケット54に取り付けられ、同油圧シリンダ1の下端は前輪51側のブラケット58に取り付けられている。
【0019】
他方、前記ヘッドパイプ53からはメインフレーム59が車体後方に向かって斜め下方に延出しており、該メインフレーム59の後端部にはリヤアーム60の前端がピボット軸61によって上下に揺動自在に枢着されている。そして、このリヤアーム60の後端部には後輪52が車軸62によって回転自在に軸支されている。
【0020】
又、前記メインフレーム59の途中からは左右一対のシートレールフレーム63が車体方向に向かって斜め上方に延出しており、該シートレールフレーム63と前記リヤアーム60との間には油圧シリンダ11が介設されている。
【0021】
更に、シートレールフレーム63には調圧装置20が取り付けられており、この調圧装置20には前記油圧シリンダ1,11が油圧経路24,34を介してそれぞれ接続されている。
【0022】
而して、本発明に係る二輪車用サスペンションは油圧シリンダ1,11と調圧装置20を含んで構成されるが、その構成の詳細を図2に基づいて説明する。
【0023】
前輪51側と後輪52側の各油圧シリンダ1,11は、シリンダ2,12内に下方から挿入されたピストンロッド3,13の上端に結着されたピストン4,14をシリンダ2,12内に摺動自在に嵌装し、シリンダ2,12内にピストン4,14によって画成された上部油室6,16と下部油室7,17にオイルを充填して構成され、ピストン4,14に形成された油孔4a,14aには絞り5,15がそれぞれ設けられている。尚、本実施の形態では、後輪52側の油圧シリンダ11をショックアブソーバで構成したが、これを前輪51側の油圧シリンダ1と同様に専用のシリンダで構成しても良い。
【0024】
ここで、前輪51側の油圧シリンダ1には後輪52側の油圧シリンダ11よりも小型(小径)のものが使用され、両油圧シリンダ1,11の各ピストンロッド3,13の断面積a1,a2は互いに異なる値に設定されている。
【0025】
又、前後輪51,52の変位量と油圧シリンダ1,11のピストンストロークの割合(以下、レバー比と称する)も互いに異なる値に設定されている。具体的には、図1に示すように各油圧シリンダ1,11のピストンストロークがS1,S2であるときの前輪51と後輪52の接地点での上下方向の変位量をλ1,λ2とすると、前輪51側のレバー比(S1/λ1)と後輪52側のレバー比(S2/λ2)とは互いに異なる値に設定されている。
【0026】
他方、前記調圧装置200は、互いに連結一体化された第1及び第2の調圧シリンダ21,31内に移動隔壁であるフリーピストン22,32を摺動自在に嵌装して構成され、第1の調圧シリンダ21の内部にフリーピストン22によって区画される第1の油室23は前記油圧経路24を介して前輪51側の油圧シリンダ1の上部油室6に連通し、第2の調圧シリンダ31の内部にフリーピストン32によって区画される第2の油室33は前記油圧経路34を介して後輪52側の油圧シリンダ11の上部油室16に連通している。尚、第1及び第2の調圧シリンダ21,31の有効断面積A1,A2は互いに異なる値に設定されている。
【0027】
ここで、第1及び第2の油室23,33の容積変化が一致するようフリーピストン22,32同士は連結部材25によって連結されている。又、第1の油室23と第2の油室33とは連通路26を介して連通しており、連通路26には第1の絞り27と第2の絞り37が設けられている。尚、第1の絞り27は第1の油室23から第2の油室33へのオイルの流れを許容するものであり、第2の絞り37は逆に第2の油室33から第1の油室23へのオイルの流れを許容するものである。
【0028】
そして、第1及び第2の調圧シリンダ21,31内にはフリーピストン22,32によって区画される共通のガス室28が形成されており、前記第1及び第2の油室23,33にはオイルが充填され、ガス室28には不活性ガスが封入されている。ここで、第1の油室23の圧力をP1、第2の油室33の圧力をP2とする。
【0029】
而して、図1に示す二輪車50の走行中において前後輪51,52が路面の凹凸に追従して上下動すると、サスペンションを構成する各油圧シリンダ1,11が作動して所要の減衰力が発生する。
【0030】
具体的には、前後輪51,52の変位方向と変位量が略等しいバウンスの動きに対しては、各油圧シリンダ1,11のシリンダ2,12とピストンロッド3,13伸縮動し、ピストン4,14がシリンダ2,12内を摺動して該ピストン4,14の油孔4a,14aに設けられた絞り5,15をオイルが通過する際に発生する減衰力によって前後輪51,52が路面から受ける衝撃が吸収される。この場合、各油圧シリンダ1,11のシリンダ2,12内のオイル量はピストンロッド3,13がシリンダ2,12に対して進退動する体積分だけそれぞれ増減し、この増減したオイルは油圧経路24,34をそれぞれ介して各油圧シリンダ1,11の上部油室6,16と各調圧シリンダ21,31の第1及び第2の油室23,33との間を移動し、これによってフリーピストン22,32が調圧シリンダ21,31内を一体的に摺動し、オイルの増減はガス室28内のガスの圧縮又は膨張によって許容される。
【0031】
ここで、前輪51側の油圧シリンダ1でのオイルの増減量Q1と後輪52側の油圧シリンダ11でのオイルの増減量Q2が等しくない場合(Q1≠Q2)、調圧装置20においてはQ1とQ2との差分(|Q1−Q2|)のオイルが第1の絞り27を通って第1の油室23から第2の油室33へと流れ、或は逆に第2の絞り37を通って第2の油室33から第1の油室23へと流れ、絞り27又は37をオイルが通過するときに不要な付加減衰力が発生してしまう。
【0032】
而して、本発明者は、各油圧シリンダ1,11のピストンストロークをS1,S2、ピストンロッド3,13の断面積a1,a2、前輪51と後輪52の接地点での上下方向の変位量λ1,λ2、各調圧シリンダ21,31の有効断面積A1,A2との間に、
a1≠a2又はS1/λ1≠S2/λ2の少なくとも一方を満足し、且つ、次式:
(S1/λ1 )×(a1/A1)≒(S2/λ2 )×(a2/A2) …(1)
が成立するようにすれば、バウンスの動きに対して不要な付加減衰力の発生を抑制することができることを見出した。
【0033】
この結果、二輪車50の前輪51側の油圧シリンダ1と後輪52側の油圧シリンダ11の各ピストンロッド3,13の断面積a1,a2が互いに異なる場合やピストンストロークS1,S2と前後輪51,52の変位量λ1,λ2との比(S1/λ1),(S2/λ2)が異なる場合であっても、前後輪51,52の変位方向と変位量が略等しいバウンスの動きに対して第1及び第2の調圧シリンダ21,31の第1及び第2の油室23,33を連通する連通路26に設けられた絞り27,37にオイルが流れないようにすることができ、車体のバウンスの動きに対して不要な付加減衰力の発生を防ぐことができる。
【0034】
一方、前輪側51の油圧シリンダ1と後輪52側の油圧シリンダ11が異なる方向に作動すると、ピストンロッド3,13のシリンダ2,12に対する進退動に伴って増減する体積分の量のオイルが調圧装置20の絞り27又は37を通って流れるために付加的な減衰力が発生し、この付加減衰力が各油圧シリンダ1,11において発生する減衰力に付加されるため、油圧シリンダ1,11の互いに異なる方向への作動が抑制されて車体のダイブ又はスクォートが抑えられる。
【0035】
具体的には、急減速時には前輪51側の油圧シリンダ1が圧縮されて後輪52側の油圧シリンダ11が伸長するため、前輪51側の油圧シリンダ1からオイルが排出され、後輪52側の油圧シリンダ11にオイルが流入する。このため、前輪51側の油圧シリンダ1から排出されたオイルは油圧経路24を通って調圧装置20の第1の油室23に流入するとともに、その一部は第1の絞り27を通って第2の油室33へと流れ、オイルが第1の絞り27を通過するときに付加的な減衰力が発生する。
【0036】
又、急加速時には前輪51側の油圧シリンダ1が伸長して後輪52側の油圧シリンダ11が圧縮されるため、前輪51側の油圧シリンダ1にオイルが流入し、後輪52側の油圧シリンダ11からオイルが排出される。このため、後輪52側の油圧シリンダ11から排出されたオイルは油圧経路34を通って調圧装置20の第2の油室33に流入するとともに、その一部は第2の絞り37を通って第1の油室23へと流れ、オイルが第2の絞り37を通過するときに付加的な減衰力が発生する。
【0037】
ところで、上述のように急減速時に発生する付加減衰力と急加速時に発生する付加減衰力は互いに略等しくなければ車体の揺動を適切に制御することができない。
【0038】
而して、本発明者は、車体がピッチングを起こして前輪51と後輪52が互いに逆方向に変位するときであって、前後輪51,52の変位速度の絶対値が同一であるとき(dλ1/dt=−dλ2/dt)に次式:
(S1/λ1 )×(a1/A1)×ΔΦ≒(S2/λ2 )×(a2/A2)×ΔΦ’…(2)
が成立するようにすれば、急減速時に発生する付加減衰力と急加速時に発生する付加減衰力が略等しくなることを見出した。
【0039】
ここで、(2)式におけるΔΦは第1の油室23から第2の油室33へオイルが流れるとき両油室23,33の差圧(P1−P2)であり、ΔΦ’は第2の油室33から第1の油室23へオイルが流れるとき両油室23,33の差圧(P1−P2)である。
【0040】
前記(2)式は、急減速時に第1の絞り27において発生する付加減衰力と急加速時に第2の絞り37において発生する付加減衰力とが等しくなる第1の条件と、急減速時に第2の絞り37において発生する付加減衰力と急加速時に第1の絞り27において発生する付加減衰力とが等しくなる第2の条件を求め、これら2つの条件が共に満たされるようにしたものであって、この(2)式を導く手順については説明を省略する(詳しくは特願2000−003385参照)。
【0041】
従って、本実施の形態においては、油圧シリンダ1,11のピストンロッド3,13の断面積a1,a2が互いに異なる場合、ピストンストロークS1,S2と前後輪51,52の変位量λ1,λ2との比(S1/λ1),(S2/λ2)が互いに異なる場合、第1及び第2の調圧シリンダ21,31の有効断面積A1,A2が互いに異なる場合のうち少なくとも何れか1つの場合であったとしても、第1及び第2の調圧シリンダ21,31の第1及び第2の油室23,33を連通する連通路26に設けられた絞り27,37において発生する付加減衰力の大きさの絞り27,37でのオイルの流れ方向による変化を防ぐことができ、車体のダイブとスクォートの動きに対する付加減衰力の大きさをバランスさせることができる。
【0042】
次に、圧力容器の漏れ検出装置を図3に基づいて説明する。尚、図3は漏れ検出装置の構成を示す断面図である。
【0043】
油圧緩衝器のシリンダのように一端が大きく開口する圧力容器の漏れ検査を行う場合、開口部を蓋部材で気密に密閉して内部を加圧又は減圧し、一定時間経過後の内圧の変化によって漏れの有無を判定するようにしていた。
【0044】
ところが、上記従来の方法では圧力容器の容積が大きいために時間経過に伴う内圧の変化量が小さく、検出精度が低くて検出に長時間を要するという問題があった。
【0045】
そこで、図3に示すように、圧力容器70の開口部を塞ぐ蓋部材71を圧力容器70の内部に臨ませ、この蓋部材71の体積分だけ圧力容器70の容積を減ずるようにした。このため、圧力容器70の容積を従来よりも極端に小さく抑えることができ、圧力容器70の漏れ検査を短時間で高精度に行うことができる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1記載の発明によれば、二輪車の前輪と後輪をそれぞれ懸架する第1及び第2の油圧シリンダのピストンロッドの断面積a1,a2が互いに異なる場合やピストンストロークS1,S2と前後輪の変位量λ1,λ2との比(S1/λ1),(S2/λ2)が異なる場合であっても、前後輪の変位方向と変位量が略等しいバウンスの動きに対して第1及び第2の調圧シリンダの第1及び第2の油室を連通する連通路に設けられた絞りにオイルが流れないようにすることができ、車体のバウンスの動きに対して不要な付加減衰力の発生を防ぐことができるという効果が得られる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、第1及び第2の油圧シリンダのピストンロッドの断面積a1,a2が互いに異なる場合、ピストンストロークS1,S2と前後輪の変位量λ1,λ2との比(S1/λ1),(S2/λ2)が互いに異なる場合、第1及び第2の調圧シリンダの有効断面積A1,A2が互いに異なる場合のうち少なくとも何れか1つの場合であったとしても、第1及び第2の調圧シリンダの第1及び第2の油室を連通する連通路に設けられた絞りにおいて発生する付加減衰力の大きさの絞りでのオイルの流れ方向による変化を防ぐことができ、車体のダイブとスクォートの動きに対する付加減衰力の大きさをバランスさせることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二輪車用サスペンションを備える二輪車の概略側面図である。
【図2】本発明に係る二輪車用サスペンションの構成を模式的に示す断面図である。
【図3】圧力容器の漏れ検出装置を示す断面図である。
【図4】従来の二輪車用サスペンションの構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,11 第1、第2の油圧シリンダ
2,12 シリンダ
3,13 ピストンロッド
4,14 ピストン
5,15 絞り
20 調圧装置
21,31 第1、第2の調圧シリンダ
22,32 フリーピストン(移動隔壁)
23,33 第1、第2の油室
26 連通路
27,37 第1、第2の絞り
50 二輪車
51 前輪
52 後輪
Claims (2)
- シリンダ内に挿入されたピストンロッドの端部にピストンを取り付けて構成される第1及び第2の油圧シリンダで前輪と後輪をそれぞれ懸架し、前記第1の油圧シリンダに連通する第1の油室と該第1の油室内に摺動自在に嵌装された移動隔壁を備える第1の調圧シリンダと、前記第2の油圧シリンダに連通する第2の油室と該第2の油室内に摺動自在に嵌装された移動隔壁を備える第2の調圧シリンダを備え、両調圧シリンダの前記第1及び第2の油室の容積変化が一致するよう前記移動隔壁同士を連結するとともに、第1及び第2の油室を連通する連通路に絞りを設けて構成される二輪車用サスペンションにおいて、前記第1及び第2の油圧シリンダのピストンストロークをS1,S2、ピストンロッドの断面積をa1,a2とし、第1及び第2の油圧シリンダのピストンストロークがS1,S2であるときの前輪と後輪の接地点での上下方向の変位量をλ1,λ2とし、前記第1及び第2の調圧シリンダの有効断面積をA1,A2とし、
a1≠a2又はS1/λ1≠S2/λ2の少なくとも一方を満足し、且つ、
(S1/λ1 )×(a1/A1)≒(S2/λ2 )×(a2/A2)
が成立するようにしたことを特徴とする二輪車用サスペンション。 - 前記第1及び第2の調圧シリンダの第1及び第2の油室の圧力をP1,P2、第1の油室から第2の油室にオイルが流れるときの両油室の差圧をΔΦ、第2の油室から第1の油室にオイルが流れるときの両油室の差圧をΔΦ’とし、
a1とa2、S1/λ1とS2/λ2又は第1の調圧シリンダの第1の油室からオイルが絞りを通って第2の調圧シリンダの第2の油室へ流れるときの減衰力特性と第2の調圧シリンダの第2の油室からオイルが絞りを通って第1の調圧シリンダの第1の油室へ流れるときの減衰力特性のそれぞれ対となる値同士のうち、少なくとも何れか一方の対となる値同士を互いに異なる値に設定し、前輪と後輪が互いに逆方向に変位するときであって、変位速度の絶対値が同一であるとき、
(S1/λ1 )×(a1/A1)×ΔΦ≒(S2/λ2 )×(a2/A2)×ΔΦ’
が成立するようにしたことを特徴とする請求項1記載の二輪車用サスペンション。
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