以下、図を参照しながら、この発明の形態について説明する。図1は、撮像装置10の構成を示すブロック図である。
撮像部11は、例えばCMOS型やCCD型の固体撮像素子を用いて、撮像フレームレートの撮像信号を生成する。この撮像フレームレートは、撮像画像を記録媒体に記録するときの記録フレームレートや電子ビューファインダ表示画像の表示フレームレート以上のフレームレートとする。
図2は、例えばカラムアンプ方式のCMOS型固体撮像素子を用いて構成された撮像部11の構成を示すブロック図である。この撮像部11は、例えば1クロックで4画素の画素信号を並列に出力することで、1クロックで1画素の画素信号を出力する撮像部に比べて、4倍の撮像フレームレートを実現する。
垂直走査制御回路111は、画素信号を読み出すラインの選択を行う。水平走査制御回路112は、画素列選択回路113を駆動して、画素信号を読み出す水平方向の画素位置の選択を行う。画素列選択回路113は、ライン方向に対して直交する方向の画素列に一方の端子を接続して他方の端子を出力アンプ114と接続したスイッチ群113swで構成されている。
出力アンプ114は、1クロックで出力する画素信号の数に合わせて並列に設けるものとして、各出力アンプ114に画素列選択回路113のスイッチ群113swを振り分けて接続する。例えば1クロックで4画素の画素信号を並列に出力するときには、4個の出力アンプ114-1〜114-4を並列に設ける。また、出力アンプ114-1には、「4L+1(Lは0または正の整数)」番目に位置する画素列と接続されるスイッチ113sw-(4L+1)を接続する。同様に、出力アンプ114-2〜114-4には、「4L+2」〜「4L+4」番目に位置する画素列と接続されるスイッチ113sw-(4L+2)〜113sw-(4L+4)をそれぞれ接続する。
ここで、垂直走査制御回路111は、1ライン目の画素の画素信号読み出しを行い、水平走査制御回路112は、画素列選択回路113のスイッチ113sw-1〜113sw-4を同時にオン状態とする。このとき、出力アンプ114-1〜114-4からは、画素P(1,1)〜P(4,1)の画素信号Sp-(1,1)〜Sp-(4,1)が並列に出力される。水平走査制御回路112は、次のクロックで画素列選択回路113のスイッチ113sw-5〜113sw-8を同時にオン状態とする。このとき、出力アンプ114-1〜114-4からは、画素P(5,1)〜P(8,1)の画素信号Sp-(5,1)〜Sp-(8,1)が出力される。以下同様にして、4画素単位で画素信号を並列に繰り返し出力することで、1クロックで1画素の画素信号を出力する撮像部に比べて、4倍のフレームレートの画像信号SAを出力できる。
また、図3に示すように、例えばカラムA/D変換方式のCMOS型固体撮像素子を用いて撮像部11aを構成して、ディジタルの画像信号DAを出力させるものとして良い。この場合、アナログ−ディジタル変換を行うA/D変換処理部113adは、画素列選択回路113のスイッチ113swの信号入力側あるいは信号出力側に設ける。A/D変換処理部113adは、各画素から読み出されたアナログの画素信号をディジタルの画素信号に変換して、出力アンプ114に供給する。また、A/D変換処理部113adに供給される画素信号は、ライン方向と直交する方向に連続する画素の画素信号である。一方、図2の出力アンプ114から並列に出力される画像信号SAは、水平方向に4画素分離れた画素の信号が連続したものである。このため、並列に出力される画像信号SAをそれぞれプリフィルタを通して折り返し成分を除去してからアナログ−ディジタル変換すると、フィルタ処理の結果が並列出力数に応じて離れた画素位置に影響を及ぼす生じるおそれがある。しかし、A/D変換処理部113adにプリフィルタ(図示せず)を設けるものとすれば、ライン方向と直交する方向に連続する画素の画素信号が供給されるので、プリフィルタは、離れた画素位置に影響を及ぼすことなく良好に折り返し成分を除去できる。
前段処理部13-1は、撮像部11の出力アンプ114-1から出力された画像信号SA-1のゲイン調整や黒レベル調整を行ってA/D変換処理部14-1に供給する。A/D変換処理部14-1は、前段処理部13-1から供給された画像信号をディジタルの画像信号DB-1に変換してメモリ制御部15に供給する。また、前段処理部13-2〜13-4およびA/D変換処理部14-2〜14-4も、前段処理部13-1やA/D変換処理部14-1と同様な処理を行い、得られたディジタルの画像信号DB-2〜DB-4をメモリ制御部15に供給する。なお、A/D変換処理部14-1〜14-4では、折り返し成分の除去を行うものとしても良い。
図3に示す撮像部11aから出力された折り返し成分の除去された画像信号DA-1〜DA-4を用いる場合、前段処理部13-1〜13-4は、画像信号DA-1〜DA-4を用いてゲイン調整や黒レベル調整を行い、調整後の画像信号を画像信号DB-1〜DB-4としてメモリ制御部15に供給する。
なお、前段処理部13-1〜13-4は、ゲイン調整や黒レベル調整の調整量をそれぞれの前段処理部で独立に制御可能とする。このように、調整量を独立に制御可能とすることで、撮像部11(11a)から並列に出力される画像信号の信号レベルがばらつきを生じても、各画像信号をそれぞれ正しく調整できる。
メモリ制御部15は、供給されたディジタルの画像信号DBをメモリ16に記憶させる。また、メモリ16に記憶されている画像信号を読み出してマルチプレクサ18に供給する。
図4は、メモリ制御部15の構成を示すブロック図である。メモリ制御部15は、タイミング信号生成部151と制御情報レジスタ152と書込読出処理部153を有している。タイミング信号生成部151は、供給された画像信号DBをメモリ16に書き込んだり(以下メモリ16に書き込まれている画像信号を画像信号DCという)、メモリ16に書き込まれている画像信号DCを読み出して(以下メモリ16から読み出した画像信号を画像信号DDという)出力するための基準となるタイミング信号TMを生成する。このタイミング信号TMは、後述する同期信号発生部31から供給されたクロック信号TSckや同期信号TS-m,TS-cに基づいて生成する。制御情報レジスタ152は、後述する動作制御部35と接続されており、動作制御部35から供給された制御情報やメモリ16の構成や書込読出処理部153の動作状態等に関する情報を保持する。
書込読出処理部153は、タイミング信号生成部151で生成されたタイミング信号TMや制御情報レジスタ152に保持されている制御情報JHに基づき、書込制御信号WCや読出制御信号RCを生成してメモリ16に供給することで、メモリ16の所望の領域に画像信号の書き込み、あるいはメモリ16の所望の領域から画像信号を読み出す。なお、図4では、画像信号DDとして画像信号DBと同様に4つの画像信号DD-1〜DD-4を並列に出力する場合を示している。
また、書込読出処理部153は、メモリ16に書き込む画像信号やメモリ16から読み出した画像信号を一時保持するバッファ(図示せず)を有している。このため、撮像フレームレートの画像信号DBが供給されるタイミングと画像信号DBをメモリ16に書き込むタイミングが一致しなくとも、画像信号DBがバッファに一時保持されることから、正しく画像信号DBをメモリ16に書き込むことができる。また、メモリ16から画像信号を読み出して出力する場合も、読み出した画像信号がバッファに一時保持されることから、画像信号の読み出しを所望のフレームレートのタイミングで行うことができなくとも、所望のフレームレートの画像信号DDとしてメモリ制御部15から出力できる。例えば表示フレームレートや記録フレームレートで画像信号を出力できる。
このように、撮像画像の画像信号をメモリ16に記憶させることで、メモリ制御部15に供給された画像信号DBのフレームレートとメモリ制御部15から出力される画像信号DDのフレームレートを独立したものとすることができる。
メモリ16は、撮像フレームレートの高い画像信号を記憶したり、撮像フレームレートの画像信号をメモリ16に書き込みながら、画像信号を読み出して所望のフレームレートで出力できるように、信号の書き込みや読み出しを高速に行うことができるメモリを用いて構成する。例えば、クロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両方で信号の書き込みや読み出しを行うことができるDDRSDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)を用いて構成する。
マルチプレクサ18は、メモリ16から読み出した画像信号DD-1〜DD-4を時分割多重してフレーム単位の画像信号を生成する。ここで、撮像画像を表示するため表示フレームレートの画像信号を生成するようにメモリ16から画像信号の読み出しがメモリ制御部15によって行われたとき、マルチプレクサ18は、生成したフレーム単位の画像信号を画像信号DEとしてVF用プロセス部21に供給する。また、撮像画像を記録するため記録フレームレートの画像信号を生成するようにメモリ16から画像信号の読み出しがメモリ制御部15によって行われたとき、マルチプレクサ18は、生成したフレーム単位の画像信号を画像信号DFとして本線用プロセス部23に供給する。
VF用プロセス部21は、接続される電子ビューファインダ41の能力に応じた画素数変換回路や、フォーカスを分かりやすくするためのエッジ強調処理回路、所定のビデオレベルの信号に目印を重畳するゼブラミックス回路、有効画枠などの領域情報を示すボックスカーソル表示回路等で構成されている。VF用プロセス部21は、録画モードや録画待機状態であるスタンバイモードのとき、撮像者を手助けするための種々の処理を行う。VF用プロセス部21は、画像信号DEに対して上述の回路で種々の信号処理を行い、得られた表示信号DGをD/A変換器22に供給する。D/A変換器22は、表示信号DGをアナログの表示信号Vvfに変換して電子ビューファインダ41に供給する。電子ビューファインダ41は、供給された表示信号Vvfに基づいて撮像中の画像やメモリ16に記憶されている撮像画像の表示等を行う。
本線用プロセス部23は、露出制御のための検出回路や、画作りのためのエッジ強調処理回路、色を調整するためのリニアマトリクス回路、モニタガンマを補正するガンマ補正回路、記録装置42で撮影画像を記録するためのインタフェースとしてのYCマトリクス処理回路等で構成されている。本線用プロセス部23は、画像信号DFに対して上述の回路で種々の信号処理を行い、得られた映像信号Voutを記録装置42に供給する。記録装置42は、供給された映像信号Voutをテープ状やディスク状等の記録媒体に記録する。
同期信号発生部31は、クロック信号TSckを生成して各部に供給する。また、表示フレームレートや記録フレームレートの画像信号の生成および処理を行うための基準となる同期信号TS-mを生成して、メモリ制御部15およびメモリ制御部15の後段に設けられたプロセス部等に供給する。さらに、撮像フレームレートの画像信号の生成および処理を行うための基準となる同期信号TS-cを生成して、メモリ制御部15と駆動信号生成部32およびメモリ制御部15の前段の前段処理部13やA/D変換処理部14に供給する。
駆動信号生成部32は、同期信号発生部31から供給されたクロック信号TSckや同期信号TS-cに基づき駆動信号RDを生成して撮像部11(11a)に供給し、撮像フレームレートの画像信号SA(DA)を生成するように撮像部11(11a)を駆動する。
動作制御部35はCPU(Central Processing Unit)を用いて構成されており、この動作制御部35に接続されたユーザインタフェース部36からのユーザ操作に応じた操作信号PSに基づき制御信号CSを生成する。この生成した制御信号CSを各部に供給することで、撮像装置をユーザ操作に応じて動作させる。例えば、動作モードが録画待機状態であるスタンバイモードとされたとき、動作制御部35は、撮像部11(11a)で撮像されている画像を電子ビューファインダ41にリアルタイムに表示させて、フォーカスや露出の調整および画角の設定等を可能とする。また、動作モードが録画モードとされたときは、撮像部11(11a)で撮像されている画像を記録装置42に供給する。
次に、撮像装置の動作について説明する。撮像部11(11a)の固体撮像素子が例えば水平方向2200画素,垂直方向1125ラインの所謂HDサイズであるとき、この固体撮像素子をクロック周波数74.25MHzで駆動して、1クロックで1画素の画素信号を読み出すと、撮像フレームレートは30フレーム/秒となる。
ここで、上述のように1クロックで4画素の画素信号を並列に読み出すと、1ライン分の画素を(2200/4)=550クロックで読み出すことができる。すなわち撮像フレームレートは、(30×4)=120フレーム/秒となる。
また、メモリ制御部15に供給される画像信号DBの語長を16ビット、メモリ制御部15とメモリ16とのバス幅を64ビット、メモリ16をシングルポートのメモリで構成すると、画像信号の書き込みと読み出しを同時に行う場合、148.5MHzでメモリ16にアクセスすることになる(メモリアクセスのためのオーバーヘッドは無視する)。すなわち、画像信号の書き込みと読み出しは、それぞれ74.25MHz×(4×16)ビットの帯域を使用することとなる。
電子ビューファインダ41は、水平方向2200画素,垂直方向1125ラインのHDサイズの画像表示機能を有しており、表示フレームレートで画像表示を行うものとする。
図5は、上述のように撮像フレームレートを120フレーム/秒、表示フレームレートを30フレーム/秒とした場合の同期信号を示している。なお、図5において、図5Aは撮像フレームレートでのフレーム周期を示す同期信号TS-cf、図5Bは撮像フレームレートでのライン周期を示す同期信号TS-cl、図5Cは表示フレームレートでのフレーム周期を示す同期信号TS-mdf、図5Dは表示フレームレートでのライン周期を示す同期信号TS-mdlをそれぞれ示している。
動作モードがスタンバイモードとされたとき、メモリ制御部15は、撮像画像の画像信号DBのフレーム間引きを行い、撮像フレームレートとは異なる表示フレームレートの画像信号としてメモリ16に書き込む。また、メモリ制御部15は、メモリ16から表示フレームレートの画像信号を生成できるように画像信号の読み出しを行い、読み出された画像信号DDをマルチプレクサ18に供給する。マルチプレクサ18は、画像信号DDの選択を行い表示フレームレートの画像信号DEを生成してVF用プロセス部21に供給する。VF用プロセス部21は、画像信号DEに基づき表示信号DGを生成してD/A変換器22に供給して、表示信号Vvfを電子ビューファインダ41に供給させる。このため、スタンバイモードのとき、撮像部11(11a)で撮像された画像がどのような画像であるか電子ビューファインダ41で確認することが可能となり、録画前にフォーカスや露出等の調整および画角の設定等を行うことができる。
録画モードとされたとき、メモリ制御部15は、撮像画像の画像信号DBをメモリ16に書き込む。また、メモリ制御部15は、メモリ16から撮像フレームレートとは異なる記録フレームレートの画像信号を生成できるように画像信号の読み出しを行い、読み出された画像信号DDをマルチプレクサ18に供給する。マルチプレクサ18は、画像信号DDの選択を行い記録フレームレートの画像信号DEを生成して本線用プロセス部23に供給する。このため、本線用プロセス部23から出力される映像信号Voutを記録装置42に供給して、撮像画像を記録フレームレートで記録させることができる。
次に、動作モードがスタンバイモードとされているときの動作について、図6を用いて説明する。この場合、メモリ制御部15は、120フレーム/秒の撮像フレームレートである撮像画像KDB(図6A)の画像信号DBの間引きを行い、表示フレームレートに相当する画像信号としてメモリ16に書き込みながら、メモリ16に記憶した撮像画像KDC(図6B)の画像信号DCを、フレーム順に記録フレームレートの画像信号を生成できるように読み出してマルチプレクサ18に供給する。マルチプレクサ18は、表示フレームレートの撮像画像KDE(図6C)の画像信号DEを生成してVF用プロセス部21に供給する。
なお、メモリ制御部15での画像信号の間引きは、例えば動作制御部35から制御信号CSの一つとして供給された制御情報に基づいて行うものとしたり、動作制御部35から制御信号CSの一つとして供給されたゲート信号に基づいて行うものとしても良い。
図7は、動作モードが録画モードとされているときの動作を説明するための図である。この場合、メモリ制御部15は、120フレーム/秒の撮像フレームレートである撮像画像KDB(図7A)の画像信号DBをメモリ16に撮像画像KDC(図7B)の画像信号DCとして順次書き込みながら、メモリ16に記憶されている撮像画像KDCの画像信号を、表示フレームレートの画像信号と記録フレームレートの画像信号を生成できるように読み出してマルチプレクサ18に供給する。マルチプレクサ18は、表示フレームレートの画像信号を生成できるように読み出された画像信号を選択して、30フレーム/秒の表示フレームレートである撮像画像KDE(図7C)の画像信号DEを生成する。また、記録フレームレートの画像信号を生成できるように読み出された画像信号を選択して、記録フレームレートを最大90フレームレート/秒とした撮像画像KDF(図7D)の画像信号DFを生成する。
ここで、電子ビューファインダ41で撮像中の画像をリアルタイムで表示するため、メモリ16から画像信号DCを読み出すとき、メモリ制御部15は、画像信号DCを表示フレームレートに応じてフレーム単位で間引きして読み出す。すなわち、撮像フレームレートが120フレームレート/秒で表示フレームレートが30フレーム/秒とされていることから、1フレームの撮像画像を読み出したのち3フレーム分の撮像画像を間引く処理(3フレーム間引き処理)を繰り返して画像信号DCを順次読み出すものとすれば、録画モードや録画待機状態であるスタンバイモードのとき、30フレーム/秒の表示フレームレートで撮像中の画像をリアルタイムに表示することができる。
また、録画モードとされて、撮像画像を間引くことなく全て記録装置42で記録する場合、メモリ16に記憶されている記録前の画像信号DC-ur(図7E)は、撮像画像の書き込みと読み出しを同時に行うときの記録フレームレートを90フレーム/秒としたとき、30フレーム/秒の割合で増加する。したがって、メモリ制御部15は、記録前の画像信号DC-urが所定量MLフレームに達したときに画像信号DBの書き込みを停止する。このように画像信号DBの書き込み動作を制御すれば、最も古い撮像画像KDBの記憶位置に新たに撮像された撮像画像KDBを順次記憶させて記憶領域をサイクリックに使用するとき、記録前の撮像画像が新たな撮像画像で書き換えられて非連続な撮像画像が記録装置42に記録されてしまうことを防止できる。また、メモリ16をサイクリックに使用することができるので、メモリ16の利用効率を高めることができる。なお、記憶領域をサイクリックに使用する場合、記録フレームレートを大きくしておけば、撮像フレームレートとの差が少なくなるので、画像信号DBの書き込みが停止されるまでの時間を長くできる。また、メモリ16をサイクリックに使用することができるので、メモリ16の利用効率を高めることができる。
ここで、上述のように撮像フレームレートが120フレーム/秒である撮像画像を間引くことなく記録して、この記録した撮影画像を例えば30フレーム/秒で再生すると、1/4倍速のスロー再生画像を表示することができる。
このように、動作モードがスタンバイモードであるときは、撮像フレームレートの撮像画像KDBに対して間引きを行うことから、録画モードのように撮像フレームレートの撮像画像KDBを間引くことなくメモリ16に書き込む場合に比べて、消費電力を少なくできる。
ところで、表示フレームレートを30フレーム/秒、記録装置42の記録フレームレートを30フレーム/秒とするとき、上述のように画像信号の語長を16ビットとすると、74.25MHz×(4×16)ビットの帯域が用いられることとなり、バス幅が64ビットで、メモリ16に148.5MHzでアクセスすると、74.25MHz×32ビットの帯域の余裕が生ずる。このため、帯域の余裕を利用して表示フレームレートや記録フレームレートよりも高いフレームレートで画像信号の読み出しを行う。また、ディジタル信号処理部を設けて、高いフレームレートで読み出した画像信号のディジタル信号処理、例えばフィルタリング処理を行うものとすれば、フィルタリング処理がなされた表示フレームレートの画像信号DEや記録フレームレートの画像信号DFを生成できる。なお、図8は、メモリ制御部の他の構成として、メモリ制御部にディジタル信号処理部154を設けた場合のブロック図である。
図9は、ディジタル信号処理部でフィルタリング処理を行う場合の動作を説明するための図である。メモリ制御部15は、120フレーム/秒の撮像フレームレートである撮像画像KDB(図9A)の画像信号DBをメモリ16に撮像画像KDC(図9B)の画像信号DCとして順次記憶しながら、メモリ16に記憶されている撮像画像KDCを、表示フレームレートの画像信号を生成できるように読み出してマルチプレクサ18に供給する。マルチプレクサ18は、30フレーム/秒の表示フレームレートである撮像画像KDE(図9C)の画像信号DEを生成してVF用プロセス部21に供給する。また、メモリ制御部15は、メモリ16に記憶されている撮像画像KDCの画像信号DCを、90フレームレート/秒の画像信号を生成できるように順次読み出して、撮像画像KDF’(図9D)の画像信号を画像信号DDとしてディジタル信号処理部154に供給する。
ディジタル信号処理部154は、3フレーム分の画像信号を用いて信号処理を行う。例えばディジタル信号処理部154にトランスバーサルフィルタ機能を設けるものとして、フィルタ係数z1,z2,z3を「1,2,1」に設定することにより3フレーム分の撮像画像KDF’の画像信号を画素毎に重み付け加算するフィルタリング処理を行えば、時間フィルタ処理後の撮像画像KDF(図9E)の画像信号DFを生成できる。
また、フィルタリング処理を行って画像信号DFを生成する場合、フィルタリング処理に応じた係数を画像信号DEに乗算して、画像信号DFと信号レベルを一致させる。例えば、フィルタリング処理で3フレーム分の撮像画像を単に加算して画像信号DFを生成するものとした場合、画像信号DFの信号レベルは画像信号DEの信号レベルの3倍となる。このため、画像信号DEに係数「3」を乗算することで、撮像画像KDEの信号レベルを撮像画像KDFと同等の信号レベルとする。なお、画像信号DEの信号レベルの調整は、ディジタル信号処理部154で行うものとしても良く、またVF用プロセス部21で行うものとしても良い。このように、画像信号DEの信号レベルをフィルタリング処理に応じて調整すれば、撮像画像KDFと電子ビューファインダ41に表示される撮像画像KDEが大きく異なってしまうことを防止できる。
さらに、フィルタリング処理がなされた撮像画像を記録する場合、予め動作モードがスタンバイモードのときにフィルタリング処理がなされた撮像画像を電子ビューファインダ41に表示させることで、どのような撮像画像が記録されるか事前に確認できる。次に、スタンバイモードのときにフィルタリング処理がなされた撮像画像を電子ビューファインダ41に表示させる動作について図10を用いて説明する。
例えば、120フレームレート/秒の撮像フレームレートである撮像画像KDB(図10A)の画像信号DBをメモリ16に書き込む際に、メモリ制御部15は、3フレーム書き込んだら1フレームを間引く処理を繰り返し行いながら撮像画像KDC(図10B)の画像信号DCをメモリ16に記憶させる。また、メモリ制御部15は、メモリ16に書き込まれている撮像画像KDCの画像信号DCを、90フレームレート/秒の画像信号を生成できるように順次読み出して、ディジタル信号処理部154に供給する。さらに、ディジタル信号処理部154は、連続する3フレームの画像信号を重み付け加算するようにフィルタ係数z4,z5,z6を設定してフィルタリング処理を行うものとすれば、時間フィルタ処理後の撮像画像KDE(図10C)の画像信号DEを生成できる。
また、例えば図11に示すようにメモリ制御部15は、1フレームの撮像画像を書き込んだのち次の1フレーム分の撮像画像を間引く処理(1フレーム間引き処理)を繰り返して撮像画像KDB(図11A)の画像信号DBをメモリ16に書き込みながら、メモリ16に記憶された撮像画像KDC(図11B)の画像信号を読み出して、ディジタル信号処理部154で2フレーム加算を行ってから出力すれば、表示フレームレートである撮像画像KDE(図11C)の画像信号DEを得ることができる。この場合、2フレーム加算を行うことで、ランダムノイズの影響を少なくできる。また、2フレームの撮像画像を書き込んだのち2フレーム分の撮像画像を間引く処理を行い、連続する2フレームを加算すれば、ランダムノイズの影響を少なくできる。また、連続する2フレームを加算することから、加算後の画像は、1フレーム間引き処理を行った場合に比べて良好な画像となる。
このように、スタンバイモードにおいて、フィルタリング処理を考慮した場合にメモリ16に書き込む必要のあるフレームレートRFwは、フレーム加算数をM回、表示フレームレートをRFdとすると式(1)として示すことができる。なお、フレームレートRFwは、撮像フレームレートRFcを超えないものとする。
RFw=M×RFd ・・・(1)
また、録画モードとスタンバイモードで同様な処理を可能とすると、例えば撮像部11の出力は常に同じ条件(露光時間,読み出し速度など)としたまま、目的に応じたフィルタ処理を行い、時間方向のフィルタリング処理や、フレーム加算数を変えることで種々のフレームレートで撮像画像の記録を行うこともできる。
このように、動作モードに応じてメモリ16に書き込む撮像画像のフレームレートを切り換えるものとすれば、電子ビューファインダに所定の表示フレームレートで撮影画像を表示できるとともに、表示フレームレートとは異なる記録フレームレートの撮像画像を生成できる。
ところで、上述の動作では、スタンバイモードのときにフレーム間引きを行ってメモリ16に撮像画像KDBの画像信号DBを書き込むものとしたが、録画モードにおいても、スタンバイモードと同様にフレーム間引きを行うものとすれば、被写体の動きの速さを変えた画像信号を生成できる。
図12は、スタンバイモードと録画モードでフレーム間引きを行った時の書き込み動作を説明するための図である。スタンバイモードのとき、メモリ制御部15は、例えば120フレーム/秒の撮像フレームレートである撮像画像KDB(図12A)の画像信号DBを、3フレーム間引き処理を繰り返しながらメモリ16に撮像画像KDC(図12B)の画像信号DCとして書き込む。また、メモリ制御部15は、この記憶されている撮像画像KDCの画像信号DCを、フレーム順に30フレーム/秒の画像信号を生成できるように読み出してマルチプレクサ18に供給する。マルチプレクサ18は、信号の選択を行い30フレーム/秒の画像信号DEを生成してVF用プロセス部21に供給する。このようにすれば、撮像中の画像をリアルタイムで表示できる。
次に、録画モードのとき、メモリ制御部15は、撮像画像KDBの画像信号DBを1フレーム間引き処理しながらメモリ16に撮像画像KDCの画像信号DCとして記憶する。また、記憶されている画像信号DCを1フレーム置きに間引きしながら、30フレーム/秒の画像信号を生成できるように読み出してマルチプレクサ18に供給して、30フレーム/秒の画像信号DEと生成させることで、録画モードで撮像中の画像をリアルタイムで表示できる。また、記憶されている画像信号DCをフレーム順に読み出して記録装置42に記録させれば、記録された画像信号を30フレーム/秒で再生したとき1/2倍速のスロー再生画像を得ることができる。また、録画モードで、撮像画像KDBの画像信号DBを間引くことなくメモリ16に撮像画像KDCの画像信号DCとして記憶させれば、上述のように、1/4倍速のスロー再生画像を得ることができる。このように、録画モードでフレーム間引きを行うことで、再生画像の速度を切り換えることができる。
さらに、録画モードにおいて、記録フレームレートを可変して記録装置42に撮像画像を記録できる場合は、記録フレームレートに応じてフレーム間引きを行い、この記録フレームレートを段階的に変更することで、フレームレートの変化部分での違和感をなくした撮像画像を記録することも可能である。
図13は、記録フレームレートを切り換えたときの動作を説明するための図である。具体的には、記録フレームレートを段階的に切り換えて、1倍速の再生速度を1/4倍速のスロー再生画像に切り換えたのち1倍速の再生速度に戻す場合を示している。なお、記録装置42で記録された撮影画像の再生フレームレートは30フレーム/秒とする。
ここで、1倍速の再生速度の撮像画像を得ることができるように、メモリ制御部15は例えば120フレーム/秒の撮像フレームレートである撮像画像KDB(図13A)の画像信号DBを3フレーム分間引きしながらメモリ16に撮像画像KDC(図13B)の画像信号DCとして記憶する。次に、記録フレームレートを60フレーム/秒に切り換えて、間引き動作を3フレーム分の間引きから1フレーム置きの間引きとして、画像信号DBを1フレーム毎に間引きしながらメモリ16に画像信号DCとして記憶する。この記憶された画像信号DCをメモリ制御部15で読み出して60フレーム/秒の記録フレームレートで記録装置42に記録させる。さらに、記録フレームレートを120フレーム/秒に切り換えて、間引き動作を1フレーム間引き処理から間引きを行わないものとして、画像信号DBを間引くことなくメモリ16に画像信号DCとして記憶する。この記憶された画像信号DCを読み出して120フレーム/秒の記録フレームレートで記録装置42に記録する。その後、記録フレームレートを60フレーム/秒、30フレーム/秒に切り換えて、記録フレームレートに応じた上述の処理を行う。
このように記録フレームレートの切り換えを行うものとすると、記録装置42で記録された撮像画像を再生したときの速度は、1倍速再生→1/2倍速再生→1/4倍速再生→1/2倍速再生→1倍速再生の順に切り換えられることになり、1倍速再生から1/4倍速再生に切り換えるとき、段階的に再生速度の切り換えが行われて、フレームレートを切り換えた部分の違和感が少ない再生画像を得ることができる。
ところで、上述のように、撮像フレームレートである撮像画像KDBの画像信号DBを間引くことなくメモリ16に書き込むものとしたり、間引きするフレーム数を可変してメモリ16に書き込むものとする場合、撮影画像の画像信号だけでは、どのような条件で撮像動作が行われたか判別することができない。このため、図14に示すように撮像条件等の管理情報を示すヘッダIHを、例えば画像信号DFに対しフレーム単位で付加して、どのように撮像が行われたか等をヘッダによって示された管理情報で正しく判別可能とする。また、管理情報を利用することで、撮像画像に対する補正のかけ方をフレーム毎に適応的に変化させることも可能となる。例えば、管理情報に撮像部11の温度を示す温度情報を含めるものとすれば、この温度情報に基づき、撮像部11の温度に応じた補正をフレーム毎に適応的に行うことが可能となる。
図15は、ヘッダの構成を示している。このヘッダの管理情報は、撮像画像のフレーム番号(Frame No)、フレーム加算を行ったときのフレーム加算数(Accum Time)、撮像部の温度(Temperature)、タイムコード(Time Code)、フレームレート(Frame Rate)、間引き処理を行ったときのフレーム間隔(Interval)、画像の水平サイズ(Image Width)と垂直サイズ(Image Height)、画像データの信号長(Bit Length)、シャッタ速度(Shutter Speed)、アイリス調整値(Iris)、ゲイン調整値(Gain)等を有している。これらの管理情報を利用して、例えば補正のかけ方をフレーム毎に適応的に変化させることができる。
このようにヘッダを付加することで、ヘッダの情報を利用して各フレームに最も適した補正処理等を行うことができる。また、高速撮像等を行ってとも様々な情報をリアルタイムに管理することが可能となる。
また、動作モードに応じて画像信号の書き込み制御を切り換えるものとすれば、メモリ16に対しての画像信号の書き込みや読み出しを容易に行うことができる。
ここで、動作モードがスタンバイモードとされているとき、メモリ制御部15は撮像画像KDBの画像信号DBに対して表示フレームレートに応じたフレーム間引きを行う。また、メモリ16に少なくとも1フレーム分の画像信号を記憶可能とする記憶領域を設け、この記憶領域の位置を固定して画像信号を書き込み、この記憶領域に書き込まれた画像信号を読み出して表示フレームレートの画像信号DEを生成させる。なお、複数フレーム分の画像信号を用いたフィルタリング処理を行う場合は、複数フレーム分の画像信号を同じ記憶領域に書き込むものとする。このように、スタンバイモードとされているときには、表示フレームレートに応じたフレーム間引きを行い、間引き後の画像信号をフレーム単位でメモリ16の同じ記憶領域の固定した位置に書き込むものとすれば、画像信号DEを生成するためメモリ16から画像信号を読み出す際に、位置の固定された記憶領域からフレーム単位で画像信号を読み出せば良いので、画像信号の読み出しを容易に行うことができる。
また、動作モードが録画モードとされているとき、メモリ制御部15は撮像画像KDBの画像信号DBを間引くことなく、あるいは記録フレームレートに応じて間引きして、フレーム毎に異なる記憶領域に書き込む。さらに、記憶領域をサイクリックに利用して、最も古い画像信号が記録された領域に新たな画像信号を順次記録する。また、記憶領域に書き込まれている画像信号を読み出して記録フレームレートの画像信号DFを生成する。
このように、動作モードに連動させて書き込み制御の切り換えを行えば、メモリ16を効率良く利用して、画像信号の書き込みや読み出しを容易に行うことができる。また、スタンバイモード時で用いる記憶領域と、録画モードで用いる記憶領域を異なる領域とすれば、動作モードを切り換えたときに、録画モード時に書き込んだ撮像画像の画像信号が、スタンバイモード時に書き込まれる撮像画像の画像信号で書き換えられてしまうことを防止することができるので、例えば記憶された撮像画像を管理する場合のソフトウェアの負担を軽減できる。
さらに、メモリ16に撮像画像補正信号の領域を設けるものとすれば、この領域に設けた撮像画像補正信号を用いて、撮像画像のノイズを低減させることができる。例えば、絞りを閉じた状態で撮影した黒画像を複数フレーム加算したものを撮像画像補正信号として書き込み、メモリ16から画像信号を読み出す際に、ゲインを合わせて撮像画像補正信号を画像信号から減算することで、固定パターンノイズの影響を取り除いた画像信号を得ることができる。
なお、上述の形態のフレームレートや画像サイズ等は、理解を容易とするために一例として示したものであり、上記フレームレートや画像サイズ等に限定されるものでないことは勿論である。
10・・・撮像装置、11,11a・・・撮像部、13・・・前段処理部、14・・・A/D変換処理部、15・・・メモリ制御部、16・・・メモリ、18・・・マルチプレクサ、21・・・VF用プロセス部、22・・・D/A変換器、23・・・本線用プロセス部、31・・・同期信号発生部、32・・・駆動信号生成部、35・・・動作制御部、36・・・ユーザインタフェース部、41・・・電子ビューファインダ、42・・・記録装置、111・・・垂直走査制御回路、112・・・水平走査制御回路、113・・・画素列選択回路、113ad・・・A/D変換処理部、113sw・・・スイッチ、114・・・出力アンプ、151・・・タイミング信号生成部、152・・・制御情報レジスタ、153・・・書込読出処理部、154・・・ディジタル信号処理部