JP4423748B2 - 穀粒乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型化を可能とする穀粒乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機内を循環させながら穀粒の乾燥を行う循環型の穀粒乾燥機は従来からよく知られている。しかしながら、従来の穀粒乾燥機はいずれも大型のものが多く、設置場所の問題もあり、小型でも乾燥能力の高い乾燥機の出現が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、小型化を可能とし且つ十分な乾燥能力を備えた穀粒乾燥機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成している。請求項1に係る穀粒乾燥機は、穀粒を貯留する貯留室と、穀粒を乾燥する乾燥室と、機体左右長手方向にわたって回転自在に軸支して乾燥室の穀粒を繰り出すロータリバルブと、ロータリバルブで繰り出された穀粒を機体左右長手方向の中央に移送する中央送りラセンと、機体左右長手方向の略中央部にあって、前記中央送りラセンにより中央に集穀した穀粒を上方に移送して貯留室に供給する揚穀機とを設け、中央送りラセンをロータリバルブの真下より機体正面側にずらした位置に配置し、揚穀機を中央送りラセンの機体正面側に設け、揚穀機の上部から穀粒を機内循環と機外排出とに切替排出可能に構成し、
機体正面壁の一側には張込口を設け、機体正面機壁上部には穀粒排出用の漏斗を取り付け、揚穀機の機外排出側と漏斗とを案内シュートで接続し、さらに、機体正面機壁にコントローラと水分計を配置し、
上記揚穀機が、中央送りラセンで集穀した穀粒を上方に移送する揚穀ラセンと、この揚穀ラセンを内部に配した揚穀ラセン筒からなり、
揚穀ラセン筒の上部の周面に、案内シュート側に開口する機外排出用開口と、貯留室側に開口する機内循環用開口を設けると共に、
揚穀ラセン筒の上部の周面を、上下移動可能な円筒状のシャッタ筒で被覆し、このシャッタ筒の上下動により、機外排出用開口か機内排出用開口の何れかが開放状態となる構成とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の穀粒乾燥機の一実施形態を示す幅方向に沿った縦断面図、図2はその長手方向に沿った縦断面図である。
【0006】
本発明に係る穀粒乾燥機1は、穀粒を乾燥する循環型の乾燥機であり、全体は横断面視略長方形の箱型形状を成し、その機高は約2mの小型のもので、機体の内部には、貯留室、乾燥室、排風室、送風室等を有している。さらに、穀粒の水分を検出する水分計9や熱風を発生するバーナ10等を装着している。
【0007】
機壁上部の天井板下側に穀粒を貯留する穀粒貯留室を形成していて、穀粒の乾燥室はこの貯留室下側において、排風室と送風室との間に設けている。乾燥室下部には、交互に正逆回転して一定量づつ穀粒を繰り出し流下させるロータリバルブ2を機体の左右長手方向にわたって回転自在に軸支している。ロータリバルブ2はその軸方向に溝状の受部が形成されており、ロータリバルブ2が回転して上記受部が下方に向いたとき穀粒が落下するようになっている。
【0008】
また、上記ロータリバルブ2より落下する穀粒を中央に移送するための中央送りラセン3をロータリバルブ2の真下よりずらした位置(図1では機体の正面側にずらした位置)に配置し、機体の左右長手方向にわたって回転自在に軸支している。該中央送りラセンの下部にラセンシャッターが配置されており、該ラセンシャッターの長手方向ほぼ中央部に開口を有し、ここから穀粒が三角トレイ状のアダプタ4内に流れ込んで、次の揚穀ラセン5下部に供給されるようになっている。
【0009】
さらに、上記中央送りラセン3により中央に集穀した穀粒を上方に移送するための揚穀ラセン5を、上記中央送りラセン3の側方であって機体の正面側のほぼ中央に真っ直ぐ立てた状態で配置している。なお、本発明では、機体の長手方向に沿った面で、投入ホッパ(張込口)8及び取出口(排出口)7並びにコントローラ11を設けた面、つまり図2に示す面を正面とする。要するに従来の乾燥機では側面であった面を正面とする。この揚穀ラセン5は揚穀ラセン筒6内に設置され、その上下両端部が回転自在に軸支されている。そして、複数のモータでこれらのロータリバルブ2、中央送りラセン3及び揚穀ラセン5を減速機構を介してそれぞれ回転駆動させている。
【0010】
本発明に係る穀粒乾燥機は、このような構成において、バーナ熱風を乾燥室に通気しつつ、上記ロータリバルブ2で穀粒を一定量づつ繰り出し、その繰り出された穀粒がロータリバルブ2下方の流下通路を落下し、上記中央送りラセン3により中央に移送され、集穀された穀粒が揚穀ラセン5で上方に移送され貯留室内に供給されるという循環をしながら穀粒の乾燥を行なうようにした循環式の穀粒乾燥機である。
【0011】
以上の構成によると、機内の長手方向のほぼ中間に揚穀ラセン5を配置することにより、揚穀ラセン5の上部より貯留室内に拡散供給される穀粒を機内のほぼ中央に溜めることができる。しかも、揚穀ラセン5を機体の正面側にやや寄せて配置することで、揚穀ラセン5上部からの穀粒取出口を一定以上の高さに設定でき、本実施形態に係る小型の穀粒乾燥機をたとえば籾摺機に直結することが可能となる。さらに、従来の乾燥機に設けられていた上部の送りラセンなども廃止できるので、その分機構を簡略化でき、屋根も低くでき、よりいっそうの小型化を可能とする。
【0012】
また、機体正面に、穀粒の張込口8及び取出口7並びにコントローラ11を配置することにより、操作性を向上できる。さらに、ロータリバルブ2、中央送りラセン3、揚穀ラセン5及び送風ファン12の伝動系である4つのモータM1〜M4を機体の正面側又は一側面側に配置したことで、メンテナンスを行うのに都合がよい。
【0013】
またさらには、本実施形態では、機体の正面側であってファン12伝動系と同じ側にバーナ10を配置してガイドアウタとの空間の大きい側に熱風を供給する構成としており、ファン12と反対側の側面にはとくに突起物などが存在しないため壁に寄せることが可能である。
【0014】
つまり本実施形態の構成では、機体全体の箱型形状において従来は側面であった面を正面とし、この正面側とそれと隣り合う一側面側に集中して操作部や伝動系を配置することにより、本機をたとえば壁のコーナーに寄せて設置することができ、しかも操作がしやすく、正面又は一側面からのメンテナンスが可能になるという利点がある。
【0015】
次に、上述の実施形態における揚穀ラセン5の上部排出口の切替構成について説明する。図3は揚穀ラセン上部近傍の断面図、図4は揚穀ラセン上部の分解斜視図、図5は揚穀ラセンの側面図及び平面図である。
【0016】
揚穀ラセンの上部は二重の筒構成になっており、揚穀ラセン筒6の外をシャッタ筒17が上下移動可能に構成されている。揚穀ラセン筒6上部の周面には、機内循環用開口6aと機外排出用開口6bが開けられている。ここで機内循環用開口6aはAで示す領域、機外排出用開口6bはBで示す領域に開けられており(図5参照)、機内循環用開口6aの方が機外排出用開口6bよりも開口面積が大きくなるように形成されている。また、揚穀ラセン筒6の上端部は金具21を介して機体の屋根板にネジ止め固定され、同時に、上記金具21の一端にレール部材20が揚穀ラセン筒6の周面と一定の間隔を隔てて上下方向に保持されるように取付けられる。なお、図4ではレール部材20の上端部分を示しているが、レール部材20の下端についても図5(b)に示すごとく金具23を介して揚穀ラセン筒6に取付けられる。
【0017】
シャッタ筒17は、揚穀ラセン筒6より径の少し大きな円筒状に形成されており、その上端の一部が上方に延設されたフラップ17bを形成している。また、該フラップ17bの真下には所定の大きさの開口17aが開けられている。さらに、シャッタ筒17の左右2箇所にパイプ状の案内杆18、18が上から下に取付けられていて、上述のレール部材20が挿通するように構成されており、これによってシャッタ筒17がレール部材20で案内されながら揚穀ラセン筒6の外を上下に一定間隔をスライド可能に構成されている。
【0018】
また、穀粒排出用の漏斗13は機体の正面機壁の所定位置に取付け、揚穀ラセンの機外排出側と上記漏斗13とをつなぐアダプタ(案内シュート)22を機体の屋根板に取付ける。この際、アダプタ22と揚穀ラセン筒6とが接触しない位置関係とし、シャッタ筒17のスライドの邪魔にならないようにしておく。
【0019】
そして、上記漏斗13内部に回転ピン15を横軸に取付け、該回転ピン15の中央にロッド16を垂直に溶接等で固定し、ロッド16の他端は、前述のシャッタ筒17のフラップ17bに取付けた垂直フラップ19の長孔19aと係合する。したがって、回転ピン15に取付けたレバー14を動かすと、回転ピン15の回転にあわせてロッド16の他端が回動するため、これに伴ってシャッタ筒17が上下にスライドする。
【0020】
以上の構成により、たとえば図3(a)に示すようなシャッタ筒17が一番下に下がった状態では、揚穀ラセン筒6の機内循環用開口6aが開放され、機外排出用開口6bはシャッタ筒17のフラップ17bにより塞がれているため、穀粒は機内に拡散される。一方、シャッタ筒17が図3(b)に示すごとく一番上にスライドした状態では、機内循環用開口6aはシャッタ筒17で塞がれ、機外排出用開口6bがシャッタ筒17の開口17aと一致して開放されるため、穀粒はアダプタ22を通って機外へ排出される。
【0021】
このように、揚穀ラセンの上部を二重の筒構成とし、外周のシャッタ筒をスライドする簡易な構成により二方向に穀粒を流すことができ、穀粒循環と排出の二方向切替えを可能とする。
【0022】
なお、本実施形態では、前述のように、コントローラ11を正面パネルに取付けているが、コントローラをトランス等の本体部分と操作部の別体式の構成とし、このうち本体部分は排風路や熱風路内に設置し、操作部は薄型パネルとして正面パネルに設置する構成とすることができる。このようにすると、コントローラが乾燥機本体から出っ張らずにすっきりとした外観になり、しかもコントローラ操作部の取付位置は正面パネル上で自由にレイアウトすることが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る穀粒乾燥機は、穀粒を貯留する貯留室と、穀粒を乾燥する乾燥室と、機体左右長手方向にわたって回転自在に軸支して乾燥室の穀粒を繰り出すロータリバルブと、ロータリバルブで繰り出された穀粒を機体左右長手方向の中央に移送する中央送りラセンと、機体左右長手方向の略中央部にあって、前記中央送りラセンにより中央に集穀した穀粒を上方に移送して貯留室に供給する揚穀機とを設けたことにより、揚穀機の上部より貯留室内に拡散供給される穀粒を機内のほぼ中央に溜めることができ、しかも、小型化により機高は高くしないでも揚穀機上部からの穀粒取出口を高い位置に設定でき、たとえば籾摺機等に直結することが可能となる。
また、機体正面に、穀粒の張込口、コントローラ、水分計を配置することにより、操作性を向上できる。
【0024】
また、揚穀機は中央送りラセンで集穀した穀粒を上方に移送する揚穀ラセンと、この揚穀ラセンを内部に配した揚穀ラセン筒からなり、揚穀ラセン筒の上部の周面に、案内シュート側に開口する機外排出用開口と、貯留室側に開口する機内循環用開口を設けると共に、揚穀ラセン筒の上部の周面を、上下移動可能な円筒状のシャッタ筒で被覆し、このシャッタ筒の上下動により、機外排出用開口か機内排出用開口の何れかが開放状態となる構成とすることにより、簡単な構成で二方向に穀粒を流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示し、穀粒乾燥機の幅方向に沿った縦断面図である。
【図2】 その長手方向に沿った縦断面図である。
【図3】 揚穀ラセン上部近傍の構成を示す縦断面図である。
【図4】 揚穀ラセン上部の分解斜視図である。
【図5】 揚穀ラセン筒上部の構成を示すもので、(a)と(b)はそれぞれ別の方向からみた側面図、(c)は平面図である。
【符号の説明】
1穀粒乾燥機
2ロータリバルブ
3中央送りラセン
5揚穀ラセン
6揚穀ラセン筒
7穀粒取出口
8投入ホッパー
9水分計
10バーナ
11コントローラ
13漏斗
17シャッタ筒
22アダプタ
Claims (1)
- 穀粒を貯留する貯留室と、穀粒を乾燥する乾燥室と、機体左右長手方向にわたって回転自在に軸支して乾燥室の穀粒を繰り出すロータリバルブと、ロータリバルブで繰り出された穀粒を機体左右長手方向の中央に移送する中央送りラセンと、機体左右長手方向の略中央部にあって、前記中央送りラセンにより中央に集穀した穀粒を上方に移送して貯留室に供給する揚穀機とを設け、
中央送りラセンをロータリバルブの真下より機体正面側にずらした位置に配置し、揚穀機を中央送りラセンの機体正面側に設け、揚穀機の上部から穀粒を機内循環と機外排出とに切替排出可能に構成し、
機体正面壁の一側には張込口を設け、機体正面機壁上部には穀粒排出用の漏斗を取り付け、揚穀機の機外排出側と漏斗とを案内シュートで接続し、
さらに、機体正面機壁にコントローラと水分計を配置し、
上記揚穀機は中央送りラセンで集穀した穀粒を上方に移送する揚穀ラセンと、この揚穀ラセンを内部に配した揚穀ラセン筒からなり、
揚穀ラセン筒の上部の周面に、案内シュート側に開口する機外排出用開口と、貯留室側に開口する機内循環用開口を設けると共に、
揚穀ラセン筒の上部の周面を、上下移動可能な円筒状のシャッタ筒で被覆し、このシャッタ筒の上下動により、機外排出用開口か機内排出用開口の何れかが開放状態となる構成としたことを特徴とする穀粒乾燥機。
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