JP4422358B2 - ウインドウガラスの挟み込み有無検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウインドウガラスの挟み込み有無検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両には、ウインドウガラスをモータ等の駆動力によって昇降させるパワーウインドウ装置を備えたものがある。このパワーウインドウ装置では、各ドアに設けられたスイッチの操作によってモータを駆動し、ウインドウガラスを昇降させるようになっている。
【0003】
ところで、このようなパワーウインドウ装置は、挟まれ防止機能を備えているものが多い。詳述すると、この挟まれ防止機能は、ウインドウガラスが閉動作を行っている途中において、該ガラスと窓枠の間に例えば異物が挟まって、それ以上の閉動作が不能となったとき、制御回路がその挟まりを検出する。そして、ウインドウガラスを逆方向たる開く方向に動作させて挟まった異物を開放させるものである。
【0004】
この異物が挟まったことの検出には、例えば、パルス検知方式がある。パルス検知方式は、ウインドウガラスを開閉するモータの回転速度を検出し、その検出速度に比例した周期のパルス信号を生成することによって行われる。このパルスの周期(モータの回転速度)の変動を利用して制御回路では挟み込みの検出が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ウインドウガラスの閉鎖動作の際における同ウインドウガラスの上昇速度、即ち、モータの回転速度は、窓に掛かる負荷が一定の場合、モータへの通電電圧に比例する。直流制御(D.C制御)でモータを駆動する際、モータへの通電電圧が小さい場合は上昇速度が遅くなり、通電電圧が大きい場合は上昇速度が速くなる。一般的な車両では8V〜16Vがバッテリから供給し得る使用電圧範囲とされており、この電圧範囲では、最低値たる8Vの場合と最大値たる16Vの場合との間でモータの回転に3倍近い速度差が発生してしまう。そして、16Vの場合は、8Vの場合と比較してウインドウガラスが異物を挟み込んでから、挟み込み荷重が上昇するまでの時間が短い。この結果、16V時の挟まれ検出を8V時の場合と同一ロジックで行うと、制御回路にて挟み込みと判断され逆転動作が行われるまでの間に挟まれた物に掛る荷重が8V時よりも大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、使用される電圧を始めとする駆動環境に影響されることなく、好適に挟まれ防止機能を発揮することができるウインドウガラスの挟み込み有無検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ウインドウガラスを開閉動作するためのウインドウスイッチと、前記ウインドウガラスを開閉動作させるモータと、そのモータを正逆回転駆動させる駆動回路と、前記スイッチからの操作信号に基づいて駆動回路を介してモータを駆動制御するとともに、前記ウインドウガラスによる挟まれが発生した際に前記モータの駆動を停止又は逆転する挟まれ防止機能を有する駆動制御手段とを備えるウインドウガラスの挟み込み有無検出装置において、ウインドウガラスの開閉の際にウインドウガラスの駆動環境パラメータを検出する駆動環境パラメータ検出手段と、同駆動環境パラメータ検出手段から検出された駆動環境パラメータが所定条件を満足しているか否かを判定する判定手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記判定手段が、前記駆動環境パラメータが所定条件を満足していると判定した際に、前記モータに対して速度制御を行い、前記速度制御は、デューティ制御であり、前記駆動制御手段は、モータに対してデューティ制御が行われている場合、前記デューティ制御に用いるデューティ比に基づいて挟まれ防止機能を発揮し、前記モータの回転に応じたパルスを生成するパルス生成手段を更に備えるとともに、前記パルスのパルス周期の増大変化を検出し、同パルス周期の増大変化に伴ってデューティ比を増加調整するデューティ比調整手段を備え、増加調整されるデューティ比が挟まれ判定デューティ値を超えた場合に、前記駆動制御手段は挟まれ防止機能を発揮することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、ウインドウガラスを開閉動作するためのウインドウスイッチと、前記ウインドウガラスを開閉動作させるモータと、そのモータを正逆回転駆動させる駆動回路と、前記スイッチからの操作信号に基づいて駆動回路を介してモータを駆動制御するとともに、前記ウインドウガラスによる挟まれが発生した際に前記モータの駆動を停止又は逆転する挟まれ防止機能を有する駆動制御手段とを備えるウインドウガラスの挟み込み有無検出装置において、ウインドウガラスの開閉の際にウインドウガラスの駆動環境パラメータを検出する駆動環境パラメータ検出手段と、同駆動環境パラメータ検出手段から検出された駆動環境パラメータが所定条件を満足しているか否かを判定する判定手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記判定手段が、前記駆動環境パラメータが所定条件を満足していると判定した際に、前記モータに対して速度制御を行い、前記速度制御は、デューティ制御であり、前記駆動制御手段は、モータに対してデューティ制御が行われている場合、前記デューティ制御に用いるデューティ比に基づいて挟まれ防止機能を発揮し、前記モータの回転に応じたパルスを生成するパルス生成手段を更に備えるとともに、前記パルスのパルス周期の増大変化を検出し、同パルス周期の増大変化に伴ってデューティ比を増加調整するデューティ比調整手段を備え、デューティ比の増加調整が所定時間以上続いた場合に、前記駆動制御手段は挟まれ防止機能を発揮することを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記駆動環境パラメータは、バッテリ電圧を含み、前記駆動環境パラメータ検出手段は、バッテリ電圧を検出するためのバッテリ電圧検出手段を含むことを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3において、前記駆動環境パラメータは、ウインドウガラス移動位置を含み、前記駆動環境パラメータ検出手段は、ウインドウガラス移動位置を検出するための位置検出手段をさらに含むことを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3において、前記バッテリ電圧の所定条件は、そのバッテリの使用電圧範囲の上限値近傍であることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4において、前記ウインドウガラス移動位置の所定条件は、同ウインドウガラスの全閉位置から所定距離離間した位置であることを要旨とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項3において、前記バッテリ電圧の所定条件は、モータによって閉動作するウインドウガラスの挟み込み荷重に関連づけられ、同挟み込み荷重が所定荷重を示す電圧値より大きいか否かであることを要旨とする。
【0015】
(作用)
請求項1又は請求項2の発明によれば、ウインドウガラスの駆動環境パラメータが所定条件を満たしている場合のみに駆動制御手段によりモータに対して速度制御が行われ、その状態で前記駆動制御手段にて挟まれ防止機能が発揮される。
また、モータの速度制御はデューティ制御にて容易に実現される。
さらに、駆動制御手段による挟まれ防止機能は、デューティ制御に用いるデューティ比に基づいて実現される。
請求項1の発明によれば、挟まれが発生した場合は、パルス生成手段から生成されるパルスのパルス周期の増大変化に伴い、デューティ比調整手段によりデューティ比が増加調整される。そして、前記増加調整されたデューティ比が挟まれ判定デューティ値を超えると、ウインドウガラスを閉動作させるためのモータの駆動が停止又は逆転される。
請求項2の発明によれば、挟まれが発生した場合は、パルス生成手段から生成されるパルスのパルス周期の増大変化に伴い、デューティ比調整手段によりデューティ比が増加調整される。そして、デューティ比の増加調整が所定時間以上続くと、ウインドウガラスを閉動作させるためのモータの駆動が停止又は逆転される。
【0016】
請求項3の発明によれば、バッテリ電圧が所定条件を満足している際に、モータに対しての速度制御は実現される。
請求項4の発明によれば、ウインドウガラス移動位置が所定条件を満足している際に、モータに対しての速度制御は実現される。
【0017】
請求項5の発明によれば、ウインドウガラスの移動速度が速くなる使用電圧範囲の上限値近傍にてモータに対して速度制御は行われるため、同速度制御は効果的に行われる。
【0018】
請求項6の発明によれば、ウインドウガラスの全閉位置から所定距離離間した位置を、物を挟み込む可能性が比較的高い位置とすることで、モータに対する速度制御は効果的に行われる。
【0019】
請求項7の発明によれば、バッテリ電圧の所定条件は、モータによって閉動作するウインドウガラスの挟み込み荷重に関連づけられた電圧値とされ、前記挟み込み荷重が所定荷重を示す電圧値よりバッテリ電圧が大きい場合に、モータに対して速度制御が実現される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両のサイドドアのパワーウインドウ装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0023】
図1はパワーウインドウ装置の電気的構成を示すブロック図である。
同図において、駆動制御手段、判定手段としてのコントローラ11は演算部12及び記憶部13を備えている。演算部12は各種の演算を行うようにされている。又、記憶部13は演算部12による演算結果等を記憶する書き換え可能なメモリ部(RAM)と、各種制御プログラムを記憶する読み出し専用のメモリ部(ROM)とを備えている。又、コントローラ11はPWM出力部14を備えている。
【0024】
下降スイッチ、上昇スイッチ、自動操作スイッチ(オートスイッチ)からなるウインドウスイッチとしてのパワーウインドウスイッチ15は、入力回路16を介してコントローラ11に接続されている。パワーウインドウスイッチ15はドア17(図3参照)の内側面に設けられている。前記上昇スイッチはウインドウガラス18を閉まる方向(上方)に作動させるためのスイッチであり、下降スイッチはウインドウガラス18を開く方向(下方)に作動させるためのスイッチである。両スイッチは、2段クリック式であり揺動型のパワーウインドウスイッチ15を選択的に切換操作、即ち、一端側(ダウン側)若しくは他端側(アップ側)を一段押圧することにより、オン・オフ操作される。
【0025】
また、前記オートスイッチは、パワーウインドウスイッチ15のダウン側若しくはアップ側を2段押圧する操作に基づいてウインドウガラス18を全開・全閉状態に作動させるためのスイッチである。
【0026】
尚、本実施形態では、ウインドウガラス18の全開から全閉までの距離は例えば、400mm以上とされている。
一方、ウインドウガラス18を上昇又は下降させるためのモータとしての駆動モータ19は、直流モータから構成され、駆動回路としてのドライブ・切換回路20を介して前記コントローラ11に接続されている。前記ドライブ・切換回路20は、コントローラ11からの駆動制御信号に基づいて、駆動モータ19に対して駆動電源の供給又は停止を行うと共に正転又は逆転を行うための回路を切り換える。前記上昇・下降スイッチの操作信号たるアップ信号若しくはダウン信号に基づくコントローラ11からの制御駆動信号に応答して、ドライブ・切換回路20は駆動モータ19を駆動させ、ウインドウガラス18を上昇又は下降させるようになっている。
【0027】
ここで前記ドライブ・切換回路20について詳述すると、コントローラ11に接続された第1リレーR1のコイル33及び第2リレーR2のコイル43は、共にバッテリ25に接続されている。各コイル33,43の両端子には、保護用のダイオード35,45がそれぞれ接続されている。
【0028】
前記第1リレーR1のリレー接点34は、トランスファ接点とされており、可動接点34a、第1固定接点34b、及び第2固定接点34cとから構成されている。前記可動接点34aは、駆動モータ19の一方の端子に接続されている。また、第1固定接点34bは、バッテリ25に接続されており、第2固定接点34cはパワートランジスタ21を介してグラウンドGNDに接続されている。そして、通常時であるコイル33の消磁時には可動接点34aはグラウンドGND側の第2固定接点34cに接続されている。又、前記可動接点34aは、前記コイル33が励磁されると、バッテリ25側の第1固定接点34bに接続される。
【0029】
一方、前記第2リレーR2のリレー接点44は、トランスファ接点とされており、可動接点44a、第3固定接点44b、及び第4固定接点44cとから構成されている。前記可動接点44aは、駆動モータ19の他方の端子に接続されている。また、第3固定接点44bは、バッテリ25に接続されており、第4固定接点44cはパワートランジスタ21を介してグラウンドGNDに接続されている。そして、通常時であるコイル43の消磁時には可動接点44aはグラウンドGND側の第4固定接点44cに接続されている。又、前記可動接点44aは前記コイル43が励磁されると、バッテリ25側の第3固定接点44bに接続される。また、前記第1固定接点34b(第3固定接点44b)が接続されたラインと、第2固定接点34c(第4固定接点44c)が接続されたラインは駆動モータ19に対する保護用のダイオード36を介して接続されている。
【0030】
この結果、下降スイッチ(又はオートスイッチ)がオン操作されると、第1リレーR1のコイル33が励磁され、リレー接点34の可動接点34aが第1固定接点34bに接続される。すると、駆動モータ19は正転され、同駆動モータ19によりウインドウガラス18が下降する。一方、上昇スイッチ(又はオートスイッチ)がオン操作されると、第2リレーR2のコイル43が励磁され、リレー接点44の可動接点44aが第3固定接点44bに接続される。すると、駆動モータ19は逆転され、同駆動モータ19によりウインドウガラス18が上昇する。
【0031】
第2及び第4固定接点34c,44cの下流側に接続されたパワートランジスタ21は、FET(電界効果トランジスタ)から構成されている。そして、コントローラ11のPWM出力部14から出力された所定のデューティ比を持つ電圧信号(以下、「デューティ信号」という。)に基づいてオン・オフを繰り返す。この結果、バッテリ25からの直流電流は駆動モータ19へパルス電流として通電され、駆動モータ19は、そのデューティ信号に基づいた所定の回転速度で回転する。従って、前記パワートランジスタ21にて前記駆動モータ19の速度制御(デューティ制御)が可能になる。
【0032】
前記駆動モータ19の近傍には、パルス生成手段としてのパルスセンサ22が配設されている。このパルスセンサ22はパルス入力回路23を介してコントローラ11に接続されており、駆動モータ19の駆動(回転)に応じてパルス信号(以下、単に「パルス」という)をコントローラ11へ出力するようになっている。そして、コントローラ11では、この入力されたパルスをカウントし、そのカウント数に基づいてウインドウガラス18の位置(即ち、駆動環境パラメータ)を検出するとともに、前記パルスのパルス周期の長短に基づいて駆動モータ19の回転速度を検出している。尚、前記パルスセンサ22とコントローラ11とから駆動環境パラメータ検出手段及び位置検出手段は構成されている。
【0033】
さらに、前記コントローラ11には、駆動環境パラメータ検出手段及びバッテリ電圧検出手段としてのバッテリ電圧検出回路24が接続されている。バッテリ電圧検出回路24はバッテリ25の端子電圧(バッテリ電圧、即ち、駆動環境パラメータ)を検出し、その検出電圧に応じた信号をコントローラ11に出力するようになっている。尚、本実施形態では、バッテリ25から車両内に通電可能な使用電圧範囲は8V〜16Vとされている。
【0034】
次に、コントローラ11にて行われ、挟まれ防止機能を発揮するための挟まれ判定処理について説明する。なお、本実施形態においては、この挟まれ判定処理は、速度制御(デューティ制御)が行われる、行われないに拘わらず、常に以下の手順で行われる。
【0035】
本実施形態では、パルス検知方式をとっており、パルスセンサ22にて生成され、駆動モータ19の回転速度に比例した周期のパルス信号に基づいている。即ち、一般に、モータ19の回転速度が速いとパルス周期は短く、反対に遅いとパルス周期は長くなり、このパルス周期の変動を利用している。
【0036】
詳述すると、今、駆動モータ19が一定の回転速度でウインドウガラス18を閉める方向に閉動作されているとき、その時々に出力されるパルス周期は一定となる。そして、今出力された実パルスのパルス周期T0 と、その今出力されたパルスより数えてN−1個前までの各パルスのパルス周期T1 〜TN-1 とを合計し、その合計値をNで割る。即ち、平均パルス周期P0 (=T0 +T1 +・・・+TN-1 /N)を求める。すると、パルス周期が常に一定ならば、平均パルス周期P0 も一定となる。
【0037】
また、その時々で求めた平均パルス周期P0 に対して予め定めた係数aを掛けた値を基本閾値として閾値P0S(=a*P0 ;但し、0<a<1)として求める。この閾値P0Sは、その時々における挟み込みの有無を決定するための基準値となるものである。
【0038】
そして、そのときに求められたパルス周期T0 と、そのパルス周期T0 を含む平均パルス周期P0 との周期差分値△S(=T0 −P0 )を求める。この求めた周期差分値△Sとそのときに求められた前記閾値P0Sとを比較する。そして、そのときの周期差分値△Sが閾値P0Sよりも大きいとき(△S>P0S)、演算部12は何かが挟まったと判断して、ウインドウガラス18を停止又は逆転動作(開く方向への動作)させるようにドライブ・切換回路20に制御信号を出力する。反対に、そのときの周期差分値△Sが閾値P0S以下(△S≦P0S)のときには演算部12は何も挟まっていないと判断する。
【0039】
従って、演算部12による挟まれ判定処理は、現在の回転速度に基づくパルスと、現在に至るまでの回転速度に基づくパルスとの比較により行っている。ここで、上下動するウインドウガラス18の上昇速度(駆動モータ19の回転速度)に関わらず、同一ロジック(即ち、閾値P0Sに係る係数aが同じ)で演算が行われると仮定する。すると、駆動モータ19の回転速度が遅いほど、ウインドウガラス18が異物の挟み込みを開始してから異物が挟まったと演算部12に判断されるまでにおいて異物に掛かる挟み込み荷重は小さくなる。
【0040】
なお、前記ウインドウガラス18が全閉位置に到達したときは、図示しないリミットスイッチがオンされて、そのオン信号がコントローラ11に出力されるようになっている。そして、そのオン信号に基づいてコントローラ11からドライブ・切換回路20に制御信号が出力され、駆動モータ19の駆動は停止されるようになっている。
【0041】
次に、上記のように構成されたパワーウインドウ装置の作用を説明する。
まず、コントローラ11では常にパルスセンサ22からパルス入力回路23を介して入力されたパルスをカウントし、そのカウント数に基づいてウインドウガラス18の位置を検出している。その一方で、コントローラ11では常にバッテリ電圧検出回路24からの入力信号に基づいてバッテリ25の現在のバッテリ電圧を検出している。
【0042】
そして、図2及び図3に示すように、バッテリ電圧が13V以上であって、且つウインドウガラス18が全閉位置から30mm以内に位置している際にPWM出力部14からパワートランジスタ21に所定デューティ比のデューティ信号が出力されて駆動モータ19に対して速度制御を行うような制御プログラムが記憶部13のROMに記憶されている。尚、全閉位置から30mm以内が所定距離離間した位置に相当する。
【0043】
ここで、駆動モータ19に対してデューティ比による速度制御が行われるまでの制御態様を図4に示すフローチャートに基づいて詳述する。なお、このフローチャートは演算部12が実行する処理を示したものである。
【0044】
このフローチャートは、アップ信号を入力すると起動する。まず、パワーウインドウスイッチ15がアップ側に押圧され、ウインドウガラス18が閉まる方向に作動する中で、コントローラ11の演算部12は、バッテリ電圧検出回路24から入力されるバッテリ電圧が所定電圧である13V以上であるか否かを判定する(ステップ(以下、「S」と略す。)101)。そして、演算部12にてバッテリ電圧が13V以上でないと判断された場合には(S101がNo)、S104に進む。S104において、コントローラ11のPWM出力部14からデューティ比が100%となるように、パワートランジスタ21をオン制御し、すなわち、直流でモータ19を駆動制御する(S104)。この結果、駆動モータ19はその通電電圧に比例した回転速度で回転する。
【0045】
そして、直流でモータ19が駆動され、ウインドウガラス18が上昇動作をする中で、演算部12は前述した挟まれの検出処理を行い、ウインドウガラス18による異物の挟み込みを判断する。
【0046】
一方、前記演算部12がバッテリ電圧が所定電圧である13V以上であると判断した場合は(S101がYes)、ステップ102に進む。次のS102において、パルスセンサ22からのパルスをカウントしたカウント数に基づいて演算部12はウインドウガラス18の位置が全閉位置から30mm以内であるか否かを判定する。そして、ウインドウガラス18が全閉位置から30mm以内に位置していないと判断した場合は(S102がNo)、ステップ101でNoであった場合と同様に、デューティ比が100%となるように、すなわち、直流でモータ19を駆動制御する(S104)。従って、駆動モータ19はそのときの通電電圧に比例した回転速度で回転する。
【0047】
その一方で、ステップ102にて、演算部12がウインドウガラス18が全閉位置から30mm以内に位置していると判断した場合は、ステップ103に進み、デューティ比100%を除いた所定のデューティ比で速度制御を行う。即ち、PWM出力部14から所定デューティ比(デューティ比が例えば、50%)のデューティ信号がパワートランジスタ21に印加される。この所定デューティ比は、直流で駆動した場合の回転速度よりも遅くなるデューティ比である。そして、パワートランジスタ21はそのデューティ信号に基づいてオン・オフ作動され、駆動モータ19は前記デューティ比に応じて遅い回転速度で回転するようになる。この結果、ウインドウガラス18の上昇速度は低下される。
【0048】
なお、前記所定デューティ比は、パルスセンサ22から入力されたパルスに係るパルス周期に基づいたその時のウインドウガラス18の上昇速度と、予め記憶部13のROMに記憶された目標速度との差を出し、その差に基づいて算出されたものである。
【0049】
そして、所定のデューティ比でモータ19が駆動され、ウインドウガラス18が上昇動作をする中で、演算部12は前述した挟まれの検出処理を行い、ウインドウガラス18による異物の挟み込みを判断する。
【0050】
この結果、ウインドウガラス18が全閉位置から30mm以内において、たとえバッテリ電圧が大きい状態で異物を挟み込んだとしても、このときのウインドウガラス18の上昇速度は遅くされているため、挟み込み荷重が上昇するまでに時間的な余裕を得る。従って、コントローラ11による挟まれ検出をいちいち敏感な設定(即ち、閾値P0Sに係る係数aを小さくする)にして行う必要もない。
【0051】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、バッテリ電圧が所定電圧である13V以上であり、且つウインドウガラス18の位置が全閉位置から所定距離離間した30mm以内である限定された移動範囲においてPWM出力部14からパワートランジスタ21に所定のデューティ比のデューティ信号が出力されて駆動モータ19の速度制御を行うようにし、他の移動範囲では、直流でモータ19を駆動するようにした。このため、ウインドウガラス18の移動範囲全域においてデューティ比により速度制御を行う場合には、ウインドウの移動位置に応じて異なるデューティ比で行うことになるが、この場合と比較して、デューティ比は少ない種類で行うことができるためPWM用にそのための回路や速度制御のためのロジック等を追加する必要がなく、好適にデューティ比による速度制御を行うことができる。
【0052】
また、バッテリ電圧が所定電圧である13V以上、ウインドウガラス18の位置が全閉位置から所定距離離間した30mm以内の範囲ではデューティ比により確実に速度制御が行われるため、たとえバッテリ電圧が高くてもウインドウガラス18の上昇速度を低下させた状態で、電圧に影響されることなく、好適に挟まれ防止機能を発揮できる。
【0053】
(2)上記実施形態では、バッテリ電圧及び、ウインドウガラス18の全閉位置からの距離の両方でデューティ制御を行う範囲を限定したため、何れか一方のみで範囲を特定する場合と比較して、より効果的である。
【0054】
(3)上記実施形態では、デューティ比による速度制御を行うバッテリ電圧の条件は使用電圧範囲(8V〜16V)の上限値近傍たる13V以上であったため、ウインドウガラス18の上昇速度が大きくなる際に確実に速度制御を行うことができる。
【0055】
(4)上記実施形態では、デューティ比による速度制御を行うウインドウガラス18の位置は、全閉位置付近たる30mm以内であっため、物を挟み込む可能性が最も高い箇所で確実に速度制御を行うことができる。
【0056】
(5)上記実施形態では、デューティ比による速度制御にて物が挟まれ易い所では、ウインドウガラス18の上昇速度を遅くするように制御されるため、ウインドウガラス18の挟まれ検出を敏感に行う高速度用のロジック(係数aが小さいロジック)の追加も不要となり、所謂低速度用のロジック1つのみでも十分な精度で挟まれ検出の判断ができる。
【0057】
(6)上記実施形態では、バッテリ電圧が13V以上であり、且つウインドウガラス18が全閉位置から30mm以内という限られた範囲のみでデューティ比による速度制御を行うため、ウインドウガラス18の開閉における全域でデューティ比による速度制御を行う場合と異なり、異音も極短時間しか発生しなくなり、その対策も不要となる。また、たとえ対策を立てる場合でも、デューティ比は移動範囲の全域で行うよりは少ない種類であるため、容易に対応できる。
【0058】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図5(a)に基づいて説明する。
尚、第2実施形態を含む以下の各実施形態においては、既に説明した実施形態の構成と同一構成又は相当する構成については、同一番号を付しその説明を省略する。
【0059】
本第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは、デューティ比による速度制御を行う又は行わないの判断が、演算部12にてバッテリ電圧のみに基づいて行われることである。従って、本実施形態において、パルスセンサ22とコントローラ11は位置検出手段として機能しない。なお、本実施形態では、コントローラ11はさらにデューティ比調整手段に相当する。
【0060】
次に、駆動モータ19に対してデューティ比による速度制御が行われる制御態様及び、挟まれ防止機能を発揮するための挟み込みの有無の検出について図5(a)に示すフローチャートに従って詳述する。なお、このフローチャートは演算部12が実行する処理を示したものである。
【0061】
このフローチャートは、アップ信号を入力すると起動する。即ち、パワーウインドウスイッチ15からコントローラ11に操作信号たるアップ信号が入力されると、演算部12はバッテリ電圧検出回路24を介してコントローラ11に入力されるバッテリ電圧を検出する。そして、そのバッテリ電圧が判定電圧値より大きいか否かを判定する(S201)。
【0062】
ここで、前記判定電圧値について詳しく説明する。
直流で駆動モータ19を駆動させ、バッテリ25からの電圧を変化させた場合のウインドウガラス18による挟み込み荷重が、予め実験にて測定されている。なお、挟み込み荷重とは、ウインドウガラス18の閉動作に際して、窓枠とウインドウガラス18との間に挟まれた物に掛かる荷重のことである。そして、その挟み込み荷重が基準荷重となる電圧値が判定電圧値と設定され、ROMに格納されている。なお、前記基準荷重は、本実施形態では100Nとしているが、この値に限定するものではない。
【0063】
そして、演算部12は、前記判定電圧値を超えたバッテリ電圧がバッテリ電圧検出回路24を介してコントローラ11に入力された際に(S201がYES)、S202に進み、速度制御(デューティ制御)を行う。
【0064】
ところで、前記判定電圧値より大きい各電圧値で、デューティ比を変化させて駆動モータ19を駆動し、各電圧値においてウインドウガラス18の挟み込み荷重を前記基準荷重(100N)にするような基準デューティ比が、予め実験にて決定されている。そして、判定電圧値より大きく、使用電圧範囲(8V〜16V)内の各電圧値に応じた複数の基準デューティ比が予め記憶部13のROMに格納されている。
【0065】
この結果、S202において、演算部12は、複数の基準デューティ比のうち今回検出されたバッテリ電圧に応じており、デューティ比100%を除いた所定の基準デューティ比(デューティ比が例えば、50%)をROMから読み出す。そして、PWM出力部14から前記基準デューティ比のデューティ信号をパワートランジスタ21に印加し、駆動モータ19を速度制御しながら駆動する(S203)。
【0066】
一方、駆動モータ19の回転駆動に基づいて、パルスセンサ22はその回転速度に比例した周期のパルスを生成し、コントローラ11へ出力する。この結果、コントローラ11では、パルス周期の取得を行う。
【0067】
そして、S204において、取得したパルスのパルス周期T0 が記憶部13のROMに記憶されている基準パルス周期Pkと同じであるか否かを判定する。なお、前記基準パルス周期Pkとは、ウインドウガラス18の挟み込み荷重が前記基準荷重(100N)となるデューティ比(基準デューティ比)で駆動モータ19が駆動制御された際のパルス周期である。そして、前記基準パルス周期Pkは判定電圧値より大きい各電圧値に応じてそれぞれ設定されている。
【0068】
ここで、例えば、挟まれが発生している場合等は、駆動モータ19の回転速度が遅くなるため、取得したパルスのパルス周期T0 が長くなる。その一方で、ウインドウガラス18とドア17の摺動抵抗が小さくなった場合等は、駆動モータ19の回転速度が速くなり、取得したパルスのパルス周期T0 が短くなる。このように取得したパルスのパルス周期T0 が基準パルス周期Pkと同じでない場合は(S204がYES)、S205に進む。
【0069】
そして、S205において、増加又は減少しているパルス周期T0 を、基準パルス周期Pkと等しくするために、今回入力されたパルス周期T0 に基づいて、新たなデューティ比の算出を行うパルス周期調整処理を行う。このとき、例えば、取得したパルスのパルス周期T0 が基準パルス周期Pkよりも長かった場合は、駆動モータ19の回転速度を速め、パルス周期を短くするようにデューティ比が増加調整される。
【0070】
次いで、S206において、パルス周期調整処理が行われた後のデューティ比(以下、「調整デューティ比」という)が挟まれ判定デューティ値を超えたか否かを判定する。ここで、挟まれ判定デューティ値とは、S202でROMから読み出される各バッテリ電圧に応じた基準デューティ比よりも大きい値であり、挟まれの有無を判定するための判定値である。前記記憶部13のROMには、判定電圧値より大きい各電圧値毎に挟まれ判定デューティ値がそれぞれ格納されている。そして、今回のパルスのパルス周期T0 が長く、S205で算出(増加調整)された調整デューティ比が挟まれ判定デューティ値よりも大きかった場合は、演算部12は挟まれが発生したと判断してS207に進む。
【0071】
従って、本実施形態において、駆動モータ19がデューティ比で速度制御(デューティ制御)されている場合は、設定(算出)される調整デューティ比に基づいて挟まれ判定が行われる。
【0072】
挟まれが検出されると、演算部12からドライブ・切換回路20に制御信号を出力し、ウインドウガラス18を逆転動作(開く方向への動作)させることで、ウインドウガラス18の逆転制御を行い、このフローチャートを終了する。なお、この場合、駆動モータ19は、直流にて逆転駆動する。
【0073】
また、前記S206において、パルス周期調整処理が行われた後の調整デューティ比が挟まれ判定デューティ値以下であった場合は(S206がNO)、S203に戻り次のパルスの取得を行うとともに、S205で算出された調整デューティ比で駆動モータ19を速度制御しながら駆動する。
【0074】
また、前記S204において、取得したパルスのパルス周期T0 が記憶部13のROMに記憶されている基準パルス周期Pkと同じであった場合は、S208に進む。そして、S208において、図示しないリミットスイッチからのオン信号が入力されたか否かを判定して、ウインドウガラス18が全閉位置か否かを判定する。リミットスイッチからのオン信号を検出した際は(S208がYES)、ウインドウガラス18が全閉位置に到達したと判断して、このフローチャートを終了する。一方、リミットスイッチからのオン信号を検出していない場合は、S201に戻る。
【0075】
さて、S201において、バッテリ電圧検出回路24を介して入力されるバッテリ電圧が判定電圧値以下であった場合は(S201がNO)、PWM出力部14からデューティ比が100%となるようにパワートランジスタ21をオン制御し、直流でモータ19を駆動制御(直流制御)する(S209)。
【0076】
なお、この直流で駆動モータ19を駆動する場合における挟まれ判定処理(S210〜S212)は、デューティ比で速度制御される場合(S204〜S206)とは異なっている。その一方で、第1実施形態における挟まれ判定処理とほぼ同じである。以下の説明では、第1実施形態における挟まれ判定処理と異なる箇所のみを説明する。そして、第1実施形態の処理と異なっているのは、閾値P0Sに係る係数aが、判定電圧値以下の各電圧毎に予め設定されており、ROMに格納されている所である。なお、前記係数aは、電圧が大きくなるに従って、次第に小さくなるように設定されている。このため、高電圧時には、低電圧時と比較して閾値POSが大きくなり、挟まれの誤判定を防ぐことができる。また、低電圧時には、高電圧時と比較して閾値POSが小さくなり、敏感に挟まれを判定できる。
【0077】
さて、S210において、記憶部13のROMから電圧に応じた係数aを読みだす。そして、平均パルス周期P0 と掛け合わせることで、閾値P0S(=a*P0 )を算出する(S211)。その後、入力されたパルスのパルス周期T0 に係る周期差分値△S(=T0 −P0 )が閾値P0Sを超えている場合は(S212がYES)、S213に進む。そして、演算部12からドライブ・切換回路20に制御信号を出力し、ウインドウガラス18を逆転動作(開く方向への動作)させることで、ウインドウガラス18の逆転制御を行い、このフローチャートを終了する。一方、前記周期差分値△Sが閾値P0Sを超えていなかった場合は(S212がNO)、前記S208に進む。
【0078】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、バッテリ電圧が判定電圧値を超えた場合には、PWM出力部14からパワートランジスタ21にデューティ比100%を除いた所定のデューティ比のデューティ信号が出力されて駆動モータ19の速度制御を行うようにし、判定電圧値以下の場合は直流でモータ19を駆動した。このため、バッテリ25からの電圧に影響されることなく、好適に挟まれ防止機能を発揮できる。
【0079】
(2)上記実施形態では、デューティ比による速度制御(デューティ制御)にて駆動モータ19の速度制御が好適に実現できる。
(3)上記実施形態では、駆動モータ19の速度制御を行うか否かの判定値となる判定電圧値を、ウインドウガラス18による挟み込み荷重が基準荷重(100N)となる電圧値としている。このため、判定電圧値を全ての車両に対して一律に決める場合と比較して、ドア17の建て付け状態等に応じて、車両に応じた適切な判定電圧値を設定できる。
【0080】
(4)上記実施形態では、駆動モータ19に対して速度制御(デューティ制御)が行われる際の挟まれ判定は、デューティ比に基づいて行われ、演算部12は、パルス周期調整処理が行われた後の調整デューティ比が挟まれ判定デューティ値を超えた場合に挟まれと判断する。このため、速度制御時の挟まれ判定を好適に実現できる。
【0081】
(5)上記実施形態では、駆動モータ19に対して速度制御が行われる場合において、パルスセンサ22から生成されたパルスのパルス周期T0 が基準パルス周期Pkと同じでない場合は、S205において基準パルス周期Pkになるようにデューティ比を調整した。このため、たとえ窓の移動範囲の全域でデューティ制御を行った場合でも、ウインドウガラス18の移動速度に関して操作者に違和感を与えることはない。
【0082】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2実施形態では、車両のサイドドアのパワーウインドウ装置に具体化したが、車両の天井面に設けられる電動のスライドルーフを含むスライドルーフ装置に具体化してもよい。このようにしても、本発明は、異物の挟まれが有り得るスライドルーフに対して効果的に用いられる。尚、このようにした場合は前記スライドルーフがウインドウガラスに相当する。
【0083】
・上記第1実施形態において、デューティ比による速度制御が行われるバッテリ電圧は13V以上に限定することはなく、例えば、12Vや14,15V等、使用電圧範囲の上限値近傍であるならば何れの値でもよい。
【0084】
・上記第1実施形態において、デューティ比による速度制御が行われるウインドウガラス18の全閉位置からの距離は、30mmに限定することはなく、例えば40mmや50mm等、ウインドウガラスの全閉位置付近であるならば、何れの値でもよい。
【0085】
・上記第1実施形態では、コントローラ11(演算部12)はデューティ比による速度制御をする処理において、まず、バッテリ電圧検出回路24から入力されるバッテリ電圧が13V以上であるか否かを判定した後に、ウインドウガラス18の位置が全閉位置から30mm以内であるか否かを判定したが、それらの処理を逆に行ってもよい。
【0086】
・上記第2実施形態では、S206における演算部12による挟まれ判定は、S205で算出され増加調整された調整デューティ比が挟まれ判定デューティ値を超えた場合に行われたが、図5(b)に示す様に変更してもよい。
【0087】
即ち、コントローラ11にタイマを備え、S204でYESと判断されてからの時間、換言すると、パルス周期調整処理が行われ(S205)、増加調整された調整デューティ比で駆動モータ19が駆動し続けられる時間を計測する。なお、このタイマが計測開始されるときは、今回のパルス周期T0 が基準パルス周期Pkよりも長い状態であった場合に限定される。そして、S216において、計測時間が所定時間を経過したか否かを判定する。前記計測時間が所定時間以内であれば、S203に戻り、時間の計測は維持したままで、調整デューティ比による駆動モータ19の駆動を行う。そして、S203、S204、S205、S216の処理が繰り返され、計測時間が所定時間を超えた場合は(S216がYES)、ウインドウガラス18(駆動モータ19)の逆転制御を行う。尚、タイマは、S207を通過した際、若しくはS204でNOと判断された際にリセットされるようになっている。このようにしても速度制御時の挟まれ判定を好適に実現できる。
【0088】
・上記第2実施形態では、速度制御をするか否かの判定値となる判定電圧値を、ウインドウガラス18による挟み込み荷重が基準荷重(100N)を示す電圧値としたが、第1実施形態のように、13Vとしてもよい。また、第1実施形態におけるS101の電圧判定を判定電圧値を用いてもよい。
【0089】
・上記第2実施形態では、基準荷重を100Nとしたが、例えば、95Nや90N等100Nより小さい値にしてもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は請求項2の発明によれば、駆動環境に影響されることなく、好適に挟まれ防止機能を発揮できる。
また、モータの速度制御をデューティ制御にて容易に実現できる。
さらに、速度制御時における駆動制御手段による挟まれ防止機能を、デューティ制御に用いるデューティ比に基づいて好適に実現できる。
請求項1の発明によれば、速度制御時において、増加調整されたデューティ比が挟まれ判定デューティ値を超えた場合に、駆動制御手段による挟まれ防止機能を実現できる。
請求項2の発明によれば、速度制御時において、デューティ比の増加調整が所定時間以上続いた場合に、駆動制御手段による挟まれ防止機能を実現できる。
【0091】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加えて、バッテリ電圧が所定条件を満たしているときに、モータに対する速度制御を実現できる。
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項の発明の効果に加えて、ウインドウガラス移動位置が所定条件を満たしているときに、モータに対する速度制御を実現できる。
【0092】
請求項5の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、使用電圧範囲の上限値近傍は、ウインドウガラスの移動速度が速くなる所であるため、モータに対しての速度制御を効果的に実現できる。
【0093】
請求項6の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、ウインドウガラスの全閉位置から所定距離離間した位置を、物を挟み込む可能性が高い位置に設定すれば、モータに対する速度制御を効果的に実現できる。
【0094】
請求項7の発明によれば、請求項3の効果に加えて、バッテリ電圧の所定条件を、ウインドウガラスの挟み込み荷重に関連づけられた電圧値を用いた条件としたため、車両に応じた適切な電圧値が設定でき、モータに対する速度制御を効果的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るパワーウインドウ装置の電気的構成を示すブロック図。
【図2】同じくウインドウガラスの上昇速度と電圧の関係を示す説明図。
【図3】同じく速度制御範囲を図示した車両のサイドドアの側面図。
【図4】第1実施形態における速度制御の処理を示すフローチャート。
【図5】(a)は、第2実施形態におえる挟まれ判定処理を示すフローチャート、(b)は他の実施形態におけるフローチャートの一部。
【符号の説明】
11…コントローラ(駆動制御手段、判定手段、駆動環境パラメータ検出手段、位置検出手段、デューティ比調整手段)、15…パワーウインドウスイッチ(ウインドウスイッチ)、18…ウインドウガラス、19…駆動モータ(モータ)、20…ドライブ・切換回路(駆動回路)、22…パルスセンサ(駆動環境パラメータ検出手段、位置検出手段、パルス生成手段)、24…バッテリ電圧検出回路(駆動環境パラメータ検出手段、バッテリ電圧検出手段)。
Claims (7)
- ウインドウガラスを開閉動作するためのウインドウスイッチと、前記ウインドウガラスを開閉動作させるモータと、そのモータを正逆回転駆動させる駆動回路と、前記スイッチからの操作信号に基づいて駆動回路を介してモータを駆動制御するとともに、前記ウインドウガラスによる挟まれが発生した際に前記モータの駆動を停止又は逆転する挟まれ防止機能を有する駆動制御手段とを備えるウインドウガラスの挟み込み有無検出装置において、
ウインドウガラスの開閉の際にウインドウガラスの駆動環境パラメータを検出する駆動環境パラメータ検出手段と、
同駆動環境パラメータ検出手段から検出された駆動環境パラメータが所定条件を満足しているか否かを判定する判定手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記判定手段が、前記駆動環境パラメータが所定条件を満足していると判定した際に、前記モータに対して速度制御を行い、
前記速度制御は、デューティ制御であり、
前記駆動制御手段は、モータに対してデューティ制御が行われている場合、前記デューティ制御に用いるデューティ比に基づいて挟まれ防止機能を発揮し、
前記モータの回転に応じたパルスを生成するパルス生成手段を更に備えるとともに、前記パルスのパルス周期の増大変化を検出し、同パルス周期の増大変化に伴ってデューティ比を増加調整するデューティ比調整手段を備え、増加調整されるデューティ比が挟まれ判定デューティ値を超えた場合に、前記駆動制御手段は挟まれ防止機能を発揮することを特徴とするウインドウガラスの挟み込み有無検出装置。 - ウインドウガラスを開閉動作するためのウインドウスイッチと、前記ウインドウガラスを開閉動作させるモータと、そのモータを正逆回転駆動させる駆動回路と、前記スイッチからの操作信号に基づいて駆動回路を介してモータを駆動制御するとともに、前記ウインドウガラスによる挟まれが発生した際に前記モータの駆動を停止又は逆転する挟まれ防止機能を有する駆動制御手段とを備えるウインドウガラスの挟み込み有無検出装置において、
ウインドウガラスの開閉の際にウインドウガラスの駆動環境パラメータを検出する駆動環境パラメータ検出手段と、
同駆動環境パラメータ検出手段から検出された駆動環境パラメータが所定条件を満足しているか否かを判定する判定手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記判定手段が、前記駆動環境パラメータが所定条件を満足していると判定した際に、前記モータに対して速度制御を行い、
前記速度制御は、デューティ制御であり、
前記駆動制御手段は、モータに対してデューティ制御が行われている場合、前記デューティ制御に用いるデューティ比に基づいて挟まれ防止機能を発揮し、
前記モータの回転に応じたパルスを生成するパルス生成手段を更に備えるとともに、前記パルスのパルス周期の増大変化を検出し、同パルス周期の増大変化に伴ってデューティ比を増加調整するデューティ比調整手段を備え、デューティ比の増加調整が所定時間以上続いた場合に、前記駆動制御手段は挟まれ防止機能を発揮することを特徴とするウインドウガラスの挟み込み有無検出装置。 - 前記駆動環境パラメータは、バッテリ電圧を含み、前記駆動環境パラメータ検出手段は、バッテリ電圧を検出するためのバッテリ電圧検出手段を含む請求項1又は請求項2に記載のウインドウガラスの挟み込み有無検出装置。
- 前記駆動環境パラメータは、ウインドウガラス移動位置を含み、前記駆動環境パラメータ検出手段は、ウインドウガラス移動位置を検出するための位置検出手段をさらに含む請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のウインドウガラスの挟み込み有無検出装置。
- 前記バッテリ電圧の所定条件は、そのバッテリの使用電圧範囲の上限値近傍である請求項3に記載のウインドウガラスの挟み込み有無検出装置。
- 前記ウインドウガラス移動位置の所定条件は、同ウインドウガラスの全閉位置から所定距離離間した位置である請求項4に記載のウインドウガラスの挟み込み有無検出装置。
- 前記バッテリ電圧の所定条件は、モータによって閉動作するウインドウガラスの挟み込み荷重に関連づけられ、同挟み込み荷重が所定荷重を示す電圧値より大きいか否かである請求項3に記載のウインドウガラスの挟み込み有無検出装置。
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JP3377260B2 (ja) | モータ駆動制御装置 |
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