JP4422289B2 - エレベーターの主索吊設装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降路を昇降する昇降体を吊持した主索を、滑車を介して吊設するエレベーターの主索吊設装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11及び図12は、例えば実開平5−37854号公報に示された構成に類似した従来のエレベーターの主索吊設装置を示す図で、図11はエレベーターを概念的に示す立面図、図12は図11のA−A線断面拡大図である。図において、1はエレベーターの昇降路、2は昇降路1内に立設された支柱からなる固定体、3は固定体2の相互間に設けられて長手が昇降路1の上端寄りに水平に配置された支持梁、4は昇降路1の底面に設置された巻上機である。
【0003】
5は昇降路1の所定経路を昇降するかごからなる昇降体、6は昇降路1の他の所定経路を昇降するつり合おもり、7は支持梁3の上側に枢着されて水平投影面において巻上機4とつり合おもり6の間に配置された上側滑車、8は支持梁3の下側に配置されて水平投影面において巻上機4と昇降体5の間に配置された下側滑車、9は支持梁3の両側の側面にそれぞれ固定された側板、10は一端に下側滑車8が係止されて他端は側板9と対面し、支持梁3の両側の側面にそれぞれ配置された一対の支持板である。
【0004】
11は側板9に支持板10の上縁部を締結したボルトからなる締結具、12は主索で、一端が支持梁3に連結されて下降し昇降体5下部の滑車に巻掛けられて上昇し、下側滑車8に巻掛けられて下降して巻上機4の駆動綱車に巻掛けられて上昇し、上側滑車7に巻掛けられて下降してつり合おもり6の滑車に巻掛けられて上昇して他端は支持梁3に連結されている。なお、図12における13は支持梁3の上縁部における水平線である。
【0005】
従来のエレベーターの主索吊設装置は上記のように構成され、昇降体5、つり合おもり6に係合された主索12が、上側滑車7、下側滑車8、巻上機4に巻掛けられ、両端がそれぞれ支持梁3に連結されて吊設される。そして、巻上機4が付勢されると駆動綱車が回転し、主索12が駆動されて昇降体5、つり合おもり6が互いに反対方向に昇降するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のエレベーターの主索吊設装置では、支持板10が締結具11によって支持梁3の側板9に締結されることにより、下側滑車8が支持梁3に枢持される。このため、主索12を介して下側滑車8に作用する荷重が締結具11に剪断力として作用するので、所要の支持強度を得るために締結具11の数を増す、例えば六本〜八本に増す必要があった。したがって、締結具11を配置するために広いスペースを要し、また側板9、支持板10に対するボルト穴等の締結具11用の加工、また据付時における締結作業に煩雑な手数が掛かるという問題点があった。
【0007】
また、支持梁3は据付現場において固定体2の上面に固定されるが、このときに支持梁3が横断面において図12に示すように水平線13に対して角度θだけ傾いて設置されたすると、滑車8の主索溝も図12に示すように鉛直線に対して角度θだけ傾いて設置される。このときには、滑車8の主索溝に対する主索12の進入角度が大きくなって、主索12の損耗が促進されたり、騒音発生の原因になったりするという問題点があった。
【0008】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、主索が巻掛けられた滑車を支持梁に対して容易に所定位置に装着することができるエレベーターの主索吊設装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーターの主索吊設装置においては、エレベーターの昇降路内に設けられた支持梁と、この支持梁の下側に配置されてエレベーターの主索が巻掛けられる滑車と、下端に滑車が係止されて上端部は支持梁側面と対面して配置された支持板と、この支持板の上端の支持梁側面との対向面に突設された掛止片と、支持梁側面に接続して上向きに形成されて掛止片の下面に対向して配置された掛止面とが設けられて、滑車に主索を介して作用する上下方向荷重が支持板、掛止片及び掛止面を介して支持梁によって支持される。
【0010】
また、この発明に係るエレベーターの主索吊設装置においては、エレベーターの昇降路内に設けられた支持梁と、この支持梁の下側に配置されてエレベーターの主索が巻掛けられる滑車と、下端に滑車が係止されて上端部は一側の支持梁側面と対面して配置され、かつ上端部に支持梁側面と対面して配置された第一の掛止片が固定された第一の支持板と、上端が他側の支持梁側面に固定されて下端部は支持梁の下面より下方に配置された下垂側板と、下端に滑車が係止されて上端部は下垂側板の支持梁側面との対向面と対面して配置され、かつ上端部に下垂側板面と対面して配置された第二の掛止片が固定された第二の支持板と、一側の支持梁側面に接続して上向きに形成されて第一の掛止片の下面と対向して配置された第一の掛止面と、他側の支持梁側面に接続する下垂側板面に接続して上向きに形成されて第二の掛止片の下面と対向して配置された第二の掛止面とが設けられて、滑車に主索を介して作用する上下方向荷重が第一の支持板、第二の支持板、第一の掛止片、第二の掛止片、第一の掛止面及び第二の掛止面を介して支持梁によって支持される。
【0011】
また、この発明に係るエレベーターの主索吊設装置においては、第一の掛止片の下面が支持梁の長手の一端から他端へ上昇する斜面によって形成され、第一の掛止面が第一の掛止片の斜面に対応して形成されると共に、第二の掛止片の下面が支持梁の長手の一端から他端へ下降する斜面によって形成され、第二の掛止面が第二の掛止片の斜面に対応して形成される。
【0012】
また、この発明に係るエレベーターの主索吊設装置においては、第一の掛止面を形成し長手が第一の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第一の突設片と、第二の掛止面を形成し長手が第二の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第二の突設片とが設けられる。また、長手が第一の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第一の掛止片及び長手が第二の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第二の掛止片が設けられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1は前述の図11におけるB部を拡大して示す相当図、図2は図1の左側面図、図3は図2における支持板等を分離して示す図、図4は図3における支持梁箇所の斜視図である。なお、図1〜図4の他は前述の図11及び図12と同様にエレベーターの主索吊設装置が構成されている。
【0014】
図において、3は固定体2の相互間に設けられて長手が昇降路1の上端寄りに水平に配置された支持梁で、両側面にそれぞれ配置されて溶接された側板14によって支持梁側面15が形成されている。8は支持梁3の下側に配置された滑車、16は滑車8の一側に対面して配置された第一の支持板で、下端に滑車8の軸の一方の端部が係止されて上端部は一方の支持梁側面15と対面して配置されている。
【0015】
17は第一の掛止片で、第一の支持板16の上端における一方の支持梁側面15との対向面に固定されて突設されると共に、長手に第一の支持板16の幅に対して突出部18を形成して装備されている。19は第一の掛止面で、一方の支持梁側面15に固定された第一の突設片20の上面によって構成されて、一方の支持梁側面15に接続して上向きに形成されて第一の掛止片17の下面に対向して配置され、また第一の突設片20は長手において第一の支持板16の幅に対して突出部21を形成して装備されている。
【0016】
22は例えばM10サイズの二本のボルトからなる第一の締結具で、第一の支持板16及び第一の掛止片17に挿通されて一方の支持梁側面15にねじ込まれ、第一の支持板16の上縁部に互いに離れて配置されている。23は下垂側板で、上端が反第一の支持板16側の支持梁側面15、すなわち他方の支持梁側面15に固定されて下端部は支持梁3の下面よりも下方に配置されている。
【0017】
24は滑車8の他側に対面して配置された第二の支持板で、下端に滑車8の軸の他方の端部が係止されて上端部は下垂側板23の下縁部と対面して配置されている。25は第二の掛止片で、第二の支持板24の上端の下垂側板23との対向面に固定されて突設されると共に、長手に第二の支持板24の幅に対して突出部26を形成して装備されている。
【0018】
27は第二の掛止面で、下垂側板23面に固定された第二の突設片28の上面によって構成されて、下垂側板23面を介して他方の支持梁側面15に接続して上向きに形成されて第二の掛止片25の下面に対向して配置され、また第二の突設片28は長手において第二の支持板24の幅に対して突出部29を形成して装備されている。
【0019】
30は例えばM10サイズの二本のボルトからなる第二の締結具で、第二の支持板24及び第二の掛止片25に挿通されて下垂側板23にねじ込まれ、第二の支持板24の上縁部に互いに離れて配置されている。31は他方の支持梁側面15に対向した昇降路1の壁である。
【0020】
上記のように構成されたエレベーターの主索吊設装置において、前述の図11及び図12に示すエレベーターと同様に滑車8を介して昇降体5、つり合おもり6に係合された主索12が吊設される。そして、第一の突設片20、第二の突設片28の上面によって構成されて、支持梁側面15に接続して上向きに形成された第一の掛止面19、第二の掛止面27が設けられる。
【0021】
また、第一の掛止面19、第二の掛止面27は、第一の支持板16、第二の支持板24に設けられた第一の掛止片17、第二の掛止片25の下面に対向して配置される。このような構成によって、第一の掛止面19、第二の掛止面27に第一の掛止片17、第二の掛止片25の下面が支持されることによって滑車8に作用する上下方向荷重が第一の支持板16、第二の支持板24を介して支持梁3によって支持される。
【0022】
したがって、締結具22、締結具30に滑車8に作用する上下方向荷重が剪断力として作用することはなく、締結具22、締結具30の本数を少なくし、またサイズを小さくすることができる。このため、支持梁3に対する滑車8の装着箇所における所要スペースを節減し、締結具11用の加工が減少し、また据付時における締結作業を簡易化することができ、主索12が巻掛けられる滑車8を支持梁8に対して容易に所定位置に装着することができる。
【0023】
また、支持梁3の長手に対して同側に配置された第一の支持板16及び上下方向の長さが第一の支持板16とは異にし下垂側板23に対向した第二の支持板24を介して滑車8が支持される。このため、反壁31側からの作業によって滑車8を装着することができるので、壁31と支持梁3の間隔が狭い場合においても滑車8の装着作業を容易化することができる。
【0024】
また例えば、第一の掛止片17に突出部18が、また第一の突設片20に突出部21が設けられている。これにより、滑車8の装着作業時に突出部18と突出部21の相互の隙間の有無によって、第一の掛止面19による第一の掛止片17の下面の支持状況を容易に確認することができる。これにより、滑車8を確実に支持梁3に装着することができる。
【0025】
実施の形態2.
図5は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、前述の2相当図である。図において、図2と同符号は相当部分を示し、16は支持板で、支持梁3の両側面にそれぞれ配置されている。19は側板14の上端面によって形成された掛止面で、支持梁側面15に接続して上向きに形成されて掛止片17の下面に対向して配置されている。22は例えばM10サイズの二本のボルトからなる締結具で、支持板16に挿通されて支持梁側面15にねじ込まれ、支持板16の上縁部に互いに離れて配置されている。
【0026】
上記のように構成されたエレベーターの主索吊設装置においても、側板14の上端面によって形成された掛止面19に、支持板16に固定された掛止片17の下面が支持される。これによって滑車8に作用する上下方向荷重が支持板16を介して支持梁3によって支持される。
【0027】
したがって、詳細な説明を省略するが図5の実施の形態においても、滑車8に作用する上下方向荷重が締結具22に剪断力として作用することはなく、締結具22の本数を少なくし、またサイズを小さくすることができる。これによって、支持梁3に対する滑車8の装着箇所における所要スペースを節減し、締結具11用の加工が減少し、また据付時における締結作業を簡易化することができ、主索12が巻掛けられる滑車8を支持梁8に対して容易に所定位置に装着することができる。
【0028】
実施の形態3.
図6〜図10も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図6は前述の図1相当図、図7は図6の左側面図、図8は図6における支持梁側の構成を示す図、図9は図8の斜視図、図10は図6における滑車側の構成を示す図である。なお、図6〜図10の他は前述の図11及び図12と同様にエレベーターの主索吊設装置が構成されている。
【0029】
図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、32は第一の掛止片であり、第一の支持板16の一方の支持梁側面15との対向面に固定されて突設されると共に、長手に第一の支持板16の幅に対して突出部33を形成して装備され、下面に図6において左端から右端へ向かって上昇する斜面34が形成されている。
【0030】
35は第一の掛止面で、一方の支持梁側面15に固定された第一の突設片36の上面によって構成されて、支持梁側面15に接続して上向きに形成されて第一の掛止片32の斜面34に対向して配置され、かつ斜面34に対応する形状に配置され、また第一の突設片36は長手に第一の支持板16の幅に対して突出部37を形成して装備されている。
【0031】
38は第二の掛止片で、第二の支持板24の下垂側板23との対向面に固定されて突設されると共に、長手に第二の支持板24の幅に対して突出部39を形成して装備され、下面に図6において左端から右端へ向かって下降する斜面40が形成されている。
【0032】
41は第二の掛止面で、下垂側板23面に固定された第二の突設片42の上面によって構成されて、下垂側板23面を介して他方の支持梁側面15に接続して上向きに形成されて第二の掛止片38の斜面40に対向して配置され、かつ斜面40に対応する形状に配置され、また第二の突設片42は長手に第二の支持板24の幅に対して突出部43を形成して装備されている。
【0033】
44は第一の支持板16及び第一の掛止片32に設けられた長穴で、長手が水平方向に配置され、第一の支持板16の上縁部に互いに離れて配置されて第一の締結具22が挿通される。45は第二の支持板24及び第二の掛止片38に設けられた長穴で、長手が水平方向に配置され、第二の支持板24の上縁部に互いに離れて配置されて第二の締結具30が挿通される。
【0034】
上記のように構成されたエレベーターの主索吊設装置において、第一の突設片36、第二の突設片42の上面によって構成されて、支持梁側面15に接続して上向きに形成された第一の掛止面35、第二の掛止面41が設けられる。そして、第一の掛止片32、第二の掛止片38の下面が第一の掛止面35、第二の掛止面41に支持されることによって滑車8に主索を介して作用する上下方向荷重が第一の支持板16、第二の支持板24を介して支持梁3によって支持される。
【0035】
したがって、詳細な説明を省略するが図6〜図10の実施の形態においても図1〜図5の実施の形態と同様な作用が得られる。
また、第一の掛止片32の下面の斜面34は、第一の突設片36の上面からなる第一の掛止面35に支持され、また第二の掛止片38の下面の斜面40は、第二の突設片42の上面からなる第二の掛止面41に支持される。
【0036】
この構成によって、第一の支持板16及び第二の支持板24に装着された滑車8を、長穴44、長穴45を介して図6において矢印C方向に移動すると、第一の支持板16は図7に示す矢印D方向へ移動、すなわち上昇し、第二の支持板24は図7に示す矢印E方向へ移動、すなわち下降する。
【0037】
これによって、前述の図12に示すように支持梁3が横断面において水平線13に対して角度θだけ傾いて設置された場合に、第一の掛止片32の斜面34、第二の掛止片38の斜面、40長穴44、長穴45による構成により、第一の支持板16及び第二の支持板24の上下方向位置を変位して支持梁3の傾きに対して滑車8の姿勢を正常に据付けることができる。
【0038】
したがって、滑車8が鉛直線に対して傾いて設置されることによって、主索12の損耗が促進されたり、騒音発生の原因になったりする不具合を未然に防止することができる。なお、滑車8の姿勢が正常に設定された状態で締結具22、締結具30が締め込まれて第一の支持板16及び第二の支持板24が支持梁3に対して固定される。
【0039】
なお、第一の掛止片32の斜面34等の傾斜を例えば20:1に設定した場合に、第一の支持板16及び第二の支持板24に装着された滑車8を、図6において矢印C方向へ20mm移動すると、第一の支持板16は1mm上昇し、第二の支持板24は1mm下降する。このようにして、据付けられた支持梁3の傾きに対して滑車8を正常な姿勢に据付けることができる。
【0040】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、エレベーターの昇降路内に設けられた支持梁と、この支持梁の下側に配置されてエレベーターの主索が巻掛けられる滑車と、下端に滑車が係止されて上端部は支持梁側面と対面して配置された支持板と、この支持板の上端の支持梁側面との対向面に突設された掛止片と、支持梁側面に接続して上向きに形成されて掛止片の下面に対向して配置された掛止面とを設けて、滑車に作用する上下方向荷重を支持板、掛止片及び掛止面を介して支持梁によって支持したものである。
【0041】
これによって、支持梁に形成された掛止面に、支持板に設けられた掛止片が掛止して滑車に作用する上下方向荷重が支持される。このため、支持梁に支持板を締結する締結具の本数を少なくし、またサイズを小さくすることができる。したがって、支持梁に対する滑車の装着箇所における所要スペースを節減し、締結具用の加工が減少し、また据付時における締結作業を簡易化することができ、主索が巻掛けられる滑車の支持梁への所定位置装着を容易化する効果がある。
【0042】
また、この発明は以上説明したように、エレベーターの昇降路内に設けられた支持梁と、この支持梁の下側に配置されてエレベーターの主索が巻掛けられる滑車と、下端に滑車が係止されて上端部は一側の支持梁側面と対面して配置され、かつ上端部に支持梁側面と対面して配置された第一の掛止片が固定された第一の支持板と、上端が他側の支持梁側面に固定されて下端部は支持梁の下面よりも下方に配置された下垂側板と、下端に滑車が係止されて上端部は下垂側板の支持梁側面との対向面と対面して配置され、かつ上端部に下垂側板面と対面して配置された第二の掛止片が固定された第二の支持板と、一側の支持梁側面に接続して上向きに形成されて第一の掛止片の下面と対向して配置された第一の掛止面と、他側の支持梁側面に接続する下垂側板面に接続して上向きに形成されて第二の掛止片の下面と対向して配置された第二の掛止面とを設けて、滑車に作用する上下方向荷重を第一の支持板、第二の支持板、第一の掛止片、第二の掛止片、第一の掛止面及び第二の掛止面を介して支持梁によって支持したものである。
【0043】
これによって、支持梁に形成された第一、第二掛止面に第一、第二支持板に設けられた第一、第二掛止片が掛止して滑車に作用する上下方向荷重が支持される。このため、支持梁に第一、第二支持板を締結する締結具の本数を少なくし、またサイズを小さくすることができる。したがって、支持梁に対する滑車の装着箇所における所要スペースを節減し、締結具用の加工が減少し、また据付時における締結作業を簡易化することができ、主索が巻掛けられる滑車の支持梁への所定位置装着を容易化する効果がある。
また、支持梁の一側の支持梁側面に第一の支持板が配置され、また他側の支持梁側面に設けられた下垂側板面に第一の支持板と同側から第二の支持板が配置される。このため、支持梁の側面に対して一側からの作業によって滑車を支持梁に装着することができ、昇降路の壁等の固定体に接近した位置に支持梁が配置された場合であっても滑車の装着作業を容易化する効果がある。
【0044】
また、この発明は以上説明したように、第一の掛止片の下面が支持梁の長手の一端から他端へ上昇する斜面によって形成され、第一の掛止面が第一の掛止片の斜面に対応して形成されると共に、第二の掛止片の下面が支持梁の長手の一端から他端へ下降する斜面によって形成され、第二の掛止面が第二の掛止片の斜面に対応して形成される。
【0045】
これによって、支持梁に形成された第一、第二掛止面に第一、第二支持板に設けられた第一、第二掛止片が掛止して滑車に作用する上下方向荷重が支持される。このため、支持梁に第一、第二支持板を締結する締結具の本数を少なくし、またサイズを小さくすることができる。したがって、支持梁に対する滑車の装着箇所における所要スペースを節減し、締結具用の加工が減少し、また据付時における締結作業を簡易化することができ、主索が巻掛けられる滑車の支持梁への所定位置装着を容易化する効果がある。
また、支持梁の一側の支持梁側面に第一の支持板が配置され、また他側の支持梁側面に設けられた下垂側板面に第一の支持板と同側から第二の支持板が配置される。このため、支持梁の側面に対して一側からの作業によって滑車を支持梁に装着することができ、昇降路の壁等の固定体に接近した位置に支持梁が配置された場合であっても滑車の装着作業を容易化する効果がある。
また、第一の掛止片と第一の掛止面に支持梁の長手の一端から他端へ上昇する斜面が設けられ、第二の掛止片と第二の掛止面に支持梁の長手の一端から他端へ下降する斜面が設けられる。これによって、滑車を支持梁の長手の一端から他端へ移動することにより、第一の支持板が上昇し、第二の支持板は下降するので、支持梁の横断面における傾きに対して滑車を容易に鉛直姿勢に装着することができる。このため、傾いて設置された滑車によって、主索の損耗が促進されたり、騒音発生の原因になったりする不具合を未然に防止する効果がある。
【0046】
また、この発明は以上説明したように、第一の掛止面を形成し長手が第一の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第一の突設片と、第二の掛止面を形成し長手が第二の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第二の突設片とを設けたものである。また、長手が第一の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第一の掛止片及び長手が第二の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第二の掛止片を設けたものである。
【0047】
これによって、支持梁に形成された掛止面に支持板に設けられた掛止片が掛止して滑車に作用する上下方向荷重が支持される。このため、支持梁に支持板を締結する締結具の本数を少なくし、またサイズを小さくすることができる。したがって、支持梁に対する滑車の装着箇所における所要スペースを節減し、締結具用の加工が減少し、また据付時における締結作業を簡易化することができ、主索が巻掛けられる滑車の支持梁への所定位置装着を容易化する効果がある。
また、掛止片、突設片等の長手に支持板幅から突出した突出部が設けられるので、滑車の装着作業時に掛止片、突設片の突出部の相互の隙間の有無を容易に判定することができる。そして、この隙間の有無により掛止面による掛止片の下面の支持状況を容易に確認することができ、滑車の装着作業を能率化する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す図で、後述する図11におけるB部を拡大して示す相当図。
【図2】 図1の左側面図。
【図3】 図2における支持板等を分離して示す図。
【図4】 図3における支持梁箇所の斜視図。
【図5】 この発明の実施の形態2を示す図で、前述の2相当図。
【図6】 この発明の実施の形態3を示す図で、前述の図1相当図。
【図7】 図6の左側面図。
【図8】 図6における支持梁側の構成を示す図。
【図9】 図8の斜視図。
【図10】 図6における滑車側の構成を示す図。
【図11】 従来のエレベーターの主索吊設装置を示す図で、エレベーターを概念的に示す立面図。
【図12】 図11のA−A線断面拡大図。
【符号の説明】
1 昇降路、3 支持梁、8 下側滑車、12 主索、15 支持梁側面、 16 第一の支持板、17 第一の掛止片、18 突出部、19 第一の掛止面、20 第一の突設片、21 突出部、23 下垂側板、24 第二の支持板、25 第二の掛止片、26 突出部、27 第二の掛止面、28 第二の突設片、29 突出部、32 第一の掛止片、34 斜面、35 第一の掛止面、36 第一の突設片、38 第二の掛止片、40 斜面、41 第二の掛止片、42 第二の突設片。
Claims (4)
- エレベーターの昇降路内に設けられた支持梁と、この支持梁の下側に配置されて上記エレベーターの主索が巻掛けられる滑車と、下端に上記滑車が係止されて上端側は上記支持梁側面と対面して配置された支持板と、この支持板の上端の上記支持梁側面との対向面に突設された掛止片と、上記支持梁側面に接続して上向きに形成されて上記掛止片の下面に対向して配置された掛止面とを備え、上記滑車に作用する上下方向荷重を上記支持板、掛止片及び掛止面を介して上記支持梁によって支持するエレベーターの主索吊設装置。
- エレベーターの昇降路内に設けられた支持梁と、この支持梁の下側に配置されて上記エレベーターの主索が巻掛けられる滑車と、下端に上記滑車が係止されて上端部は一側の上記支持梁側面と対面して配置され、かつ上端部に上記支持梁側面と対面して配置された第一の掛止片が固定された第一の支持板と、上端が他側の上記支持梁側面に固定されて下端部は上記支持梁の下面より下方に配置された下垂側板と、下端に上記滑車が係止されて上端部は上記下垂側板の上記支持梁側面との対向面と対面して配置され、かつ上端部に上記下垂側板面と対面して配置された第二の掛止片が固定された第二の支持板と、上記一側の上記支持梁側面に接続して上向きに形成されて上記第一の掛止片の下面と対向して配置された第一の掛止面と、上記他側の支持梁側面に接続する上記下垂側板面に接続して上向きに形成されて上記第二の掛止片の下面と対向して配置された第二の掛止面とを備え、上記滑車に作用する上下方向荷重を上記第一の支持板、第二の支持板、第一の掛止片、第二の掛止片、第一の掛止面及び第二の掛止面を介して上記支持梁によって支持するエレベーターの主索吊設装置。
- 第一の掛止片の下面を支持梁の長手の一端から他端へ上昇する斜面によって形成し、第一の掛止面を上記第一の掛止片の斜面に対応して形成すると共に、第二の掛止片の下面を上記支持梁の長手の一端から他端へ下降する斜面によって形成し、第二の掛止面を上記第二の掛止片の斜面に対応して形成したことを特徴とする請求項2記載のエレベーターの主索吊設装置。
- 第一の掛止面を形成し長手が第一の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第一の突設片と、第二の掛止面を形成し長手が第二の支持板幅端部から突出して突出部を形成した第二の突設片とを備え、第一の掛止片を、長手が第一の支持板幅端部から突出して突出部を形成したものとし、第二の掛止片を、長手が第二の支持板幅端部から突出して突出部を形成したものとしたことを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれか一つに記載のエレベーターの主索吊設装置。
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