JP4421742B2 - 光ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を利用して記録媒体表面の微小領域との相互作用を検出することにより、高密度な情報記録および再生を行う記録装置、特に入力光の波長以下の微小領域での構造情報あるいは光学情報を観察し、高密度な情報記録および再生に利用する近視野光利用情報記録装置のための光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクなど光を利用した高密度な情報記録および再生を行う装置の開発が盛んに進められている。情報の高密度化のためには紫外線を用いるなど波長を短くすることが必要だが、これには限界があるため油浸あるいは固浸対物レンズを使うなどの方法がある。実質的な波長を短くする別の方法として波数の一成分を虚数にする近視野光利用が挙げられる。
【0003】
近視野光を利用した高分解能プローブは、近視野光顕微鏡や近視野光ヘッドに使われている。プローブの先端から近視野光を発生させて、顕微鏡試料あるいは記録媒体と近視野光の相互作用の結果発生する伝播光を検出することで、光の回折限界を超える空間分解能が得られる。入射伝播光と、試料あるいは記録媒体との相互作用の結果発生した近視野光をプローブによって検出する方法もある。近視野顕微鏡はこの原理によって従来の光学顕微鏡の回折限界を超える分解能を達成している。また、このような近視野光プローブを近視野光ヘッドに利用した場合には、従来の光ディスクを超えるデータ記録密度が可能となる。
【0004】
近視野光ヘッドを用いたデータストレージ装置においては、基本的構成は従来型の磁気ディスク装置と同じで、磁気ヘッドの代わりに近視野光プローブを用いる。このとき近視野光プローブは柔構造によって、動作中に記録媒体表面に対して常に一定の姿勢を保つことができる。サスペンションアームの長さ方向をz軸とし、z軸に垂直で記録媒体に平行な方向をx軸、垂直方向をy軸とすると、典型的な柔構造はフレクシャー構造と呼ばれるもので、z軸方向においてのみサスペンションアームと接続された枠状構造の内側に、スライダーが、x軸方向においてのみ前記枠状構造に接続されている。この構造により、前記枠状構造はz軸に対して回転自由度をもち、スライダーは前記枠状構造に対してx軸を回転軸とする自由度を持つ。すなわちスライダーはサスペンションアームに対してz軸とx軸を軸とする回転自由度を持つ。
【0005】
このように構成されたサスペンションアームに対して光をスライダーに入射させるには、光ファイバや導波路をスライダーに接続する、あるいはスライダーの上面あるいは側面に向けて光を照射するなどして行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の構造によって光をスライダーに入射させると、導波路などのなんらかの構造体がスライダーに接続していることがスライダーの自由な運動を妨げ、スライダーの姿勢維持が困難となり、記録媒体表面と微小開口の距離を一定に保つことができない。記録媒体表面と微小開口の距離が一定でないと、相互作用に関与する光強度が一定せず、安定した出力信号が得られない。高速な記録/再生のためにはノイズを低減する必要があるが、信号が安定しないとこれは困難となる。また、スライダーに対して空中伝播によって光を入射させた場合にはスライダーの動きに入射光を同期して移動させることが極めて困難であった。スライダーの上面に対して空中伝播によって光を入射させた場合にはスライダーの上方空間に光入射のための構造体を配置する必要がおき、装置全体が大型なものとなってしまう、という問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明に係る1番目の光ヘッドは、負荷加重を与えるサスペンションアームにより支持されると共に記録媒体との相対運動により浮上力を得、前記負荷加重と前記浮上力との均衡により記録媒体との間に隙間をつくるスライダーと、前記スライダーが前記サスペンションアームに対して姿勢を変化し得る柔構造と、前記サスペンションアームと前記スライダー表面の間を光で接続するアームスライダー間導光構造と、前記スライダー底面において形成され、前記記録媒体と光を介して相互作用する開口と、前記スライダー表面と前記開口との間を光で接続するスライダー内導光構造と、から成り、前記スライダーが前記記録媒体表面を走査するときに、前記光を介して前記記録媒体と前記開口が相互作用することによって情報の記録および再生を行う光ヘッドにおいて、前記柔構造が前記アームスライダー間導光構造と一体になっている事を特徴とする。
【0008】
この発明によれば、スライダーが記録媒体表面上を走査するときに記録媒体表面に対してスライダーの姿勢を一定に保ちながら、スライダーとサスペンションアームを、光によって高く安定した効率で接続することが実現される。これにより、安定した出力信号が得られ、高速記録/再生が可能となる。また、柔構造とアームスライダー間導光構造が分離していた従来技術にくらべて装置全体の小型化が実現する。
【0009】
また、本発明に係る2番目の光ヘッドは、前述の1番目の光ヘッドにおいて、前記柔構造が光導波路によって作製されている事を特徴とする。
この発明によれば、1番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、柔構造が単一基板から作製されるため、製造工程が簡略で、低コストに作製することができる。
【0010】
また、本発明に係る3番目の光ヘッドは、1番目の光ヘッドにおいて、前記柔構造が柔構造の表面あるいは内部に導光構造が接着あるいは形成されることによって作製されている事を特徴とする。
この発明によれば、1番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、柔構造および導光構造が既存の技術によって製造することができ、低コストに作製することができる。
【0011】
また、本発明に係る4番目の光ヘッドは、1番目から3番目のいずれかの光ヘッドにおいて、前記アームスライダー間導光構造が、光伝播損失が少ない構造になっている事を特徴とする。
この発明によれば、1番目から3番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、アームとスライダー間の導光における光損失を最小限に抑えることができる。
【0012】
また、本発明に係る5番目の光ヘッドは、1番目から3番目のいずれかの光ヘッドにおいて、前記アームスライダー間導光構造が、直線あるいは曲率の小さな形状に形成されたものである事を特徴とする。
この発明によれば、1番目から3番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、アームとスライダー間の導光における光損失を最小限に抑えることができる。
【0013】
また、本発明に係る6番目の光ヘッドは、1番目から5番目のいずれかの光ヘッドにおいて、前記開口が光波長以下のサイズの微小なもので、前記記録媒体と相互作用する前記光が近視野光であることを特徴とする。
この発明によれば、1番目から5番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、近視野光の特徴である超解像度を利用することにより、光の回折限界を超える記録密度が実現される。また、1番目から5番目の光ヘッドにおいて実現された効果のそれぞれについても、近視野光の特徴である光強度の距離依存性にもかかわらず、安定した信号出力が得られ、高速記録/再生が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1に係る光データストレージ装置の概略を示す。従来の磁気ディスク装置と基本構成は類似であり、記録媒体4の表面に近視野光開口(図示略)を数十ナノメートルまで近接した状態で記録媒体4を高速に回転させ、近視野光開口が記録媒体4と常に一定の相対配置で浮上するために、フレクシャー3をサスペンションアーム2の先端部に形成している。サスペンションアーム2はボイスコイルモータ5によって記録媒体4の半径方向に移動可能である。光はサスペンションアーム2の上に接着あるいは形成された光導波路や光ファイバによってフレクシャー3付近まで導かれる。
【0015】
記録媒体との近視野光による相互作用の結果発生した散乱光は、たとえばフレクシャー上に接着された受光素子(図示略)によって受光されて電気信号に変換され、信号処理回路(図示略)に伝送される。これを必要に応じて増幅回路によって増幅して、情報の再生信号とする。本実施の形態においては近視野光を微小開口から発生させて記録媒体で散乱させるイリュミネーションモードを実施したが、記録媒体表面に近視野光を発生させて、微小開口によって散乱した光を集光するコレクションモードでも、本発明の実施は同様に行うことができる。
【0016】
図2に本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッド用フレクシャー構造を示す。ステンレス製の枠7に対してローリング支持軸9によって接続された別のステンレス製枠8があり、それに対してピッチング支持軸10によってスライダー11が接続されている。この構造によって、スライダーはz軸およびx軸に対して回転する自由度を持つ。高速に回転する記録媒体の面外振動に対して追従する機能を実現している。
【0017】
図3に本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッド用フレクシャーの拡大図を示す。サスペンションアームとスライダーを接続する支持体の表面に光導波路12が接着されている。光導波路12は半導体プロセスによって作製したシリコン基板上の導波路で、これをフレクシャーの上に接着する。このときスライダーの光入射口(図示略)と、光導波路12とは光軸を一致させて接着する。フレクシャーの形状や重量には有意な変化はないので、上に述べたスライダーに自由度を持たせる機能に影響はない。
【0018】
これにより、スライダーは記録媒体表面に対する相対的姿勢を一定に保つことができ、かつ、導波路が直接接続されていることから、スライダーに対して光を一定の効率で入射させることが実現された。近視野光による相互作用を利用していることから、光の回折限界を超える記録密度での記録/再生が実現された。微小開口から発生する近視野光は、微小開口からの距離に強く依存して減衰するが、本実施の形態においてはフレクシャー構造によってスライダーが記録媒体の動きに追従するため、常に安定した相互作用が起き、情報の記録/再生中常に安定した信号出力が得られた。また、フレクシャーと導光構造が一体化しているので装置全体の小型化も実現できた。このようなフレクシャーは作製も容易であり、低コストで大量生産することができる。
(実施の形態2)
図4に本発明の実施の形態2に係る近視野光ヘッド用フレクシャーを組み込んだサスペンションアームの全体図を示す。全体がシリコン基板21の一枚の平板構造になっている。導波路19はシリコン基板21の上面に形成されていて、サスペンションアームの回転軸(図示略)のほう(図中右端)からフレクシャー内のスライダー18まで形成されている。この導光構造はシリコンを基板としたものと限定する必要はなく、プラスティック系の支持体内部に作成された導光構造であっても良い。スライダー18まで伝播した光は、たとえば光反射膜をスライダー上面に形成するなどして伝播方向を変えて微小開口に導く。この光が微小開口によって近視野光に変換されて記録媒体と相互作用する。それ以降の動作機構については実施の形態1で説明したものと同一であるので説明を略す。
【0019】
図5(a)から(d) は本実施の形態2に係る近視野光ヘッド用フレクシャーを組み込んだサスペンションアームの作製方法を示す。(a) から (d) の各図において上に上面図、下に (a) に示した線分ABにおける断面図を示す。シリコン基板21は厚さが 500〜1000 ミクロン程度のものを使用したが、他の厚さの基板を用いてもよい。図5(a) ではシリコン基板21に対して異方性エッチングによって逆錘状のテーパ構造22を設ける。この逆錘の頂部すなわちシリコン基板の底面には直径100ナノメートル程度の微小開口23が形成される。図5(b)ではシリコン基板の上面にパターニングされた凹形状24をエッチングによって形成する。この部分は最終的には貫通穴になる。図5(c)ではテーパ部22にアルミニウムの遮光膜(図示略)を100ナノメートルの厚みで蒸着した後で、クラッド・コア・クラッド構造の光導波路19をパターニングして積層する。図5(c)の中図は上図における線分ABでの断面図、下図は上図における線分CDでの断面図である。最後に図5(d)でシリコン基板の下面からエッチングによって凹形状部24を除去して完成する。
【0020】
このような方法によって形成されたサスペンションアームは、従来の磁気ディスク装置用のサスペンションアームが持つフレクシャー構造などの機能を持ち、スライダーと近視野光ヘッド、さらには光源(図示略)からヘッド先端の微小開口に至る導光のための導波路構造のすべてを一体にした構造となっている。これによってスライダーへの安定した光の入射が可能になったのみならずサスペンションアーム全体の作製方法が極めて容易で安価になった。
(実施の形態3)
図6に実施の形態3に係る近視野光ヘッド用フレクシャーを組み込んだサスペンションアームの全体図を示す。ローリング支持軸33によってスライダー34がローリング動作を行い、ピッチング支持軸31によってピッチング動作を行う。スライダー34にはテーパが形成され、その先端には微小開口32が形成されている。光導波路36はサスペンションアームの内部に形成されるような実施の形態2でも良いし、サスペンションアームとは別に形成してから接着するなどしても良い。この実施の形態の特徴は、ピッチング支持軸31がサスペンションアームの長さ方向に向いて配置していることによって、光導波路36が途中で曲がることなく直線的にスライダー34に向かって形成することが可能になっている点である。この軸がサスペンションアームの長さ方向に細長い形状をしているため、ローリング方向には変形しにくく、ピッチング方向には変形しやすい。ピッチング支持軸31は、本実施の形態においては3本足の梁がスライダーに接続する形になっているが、これは何本でも良く、ピッチングが可能でかつ何らかの直線形状の構造体がサスペンションアームからスライダーに向かって形成されていさえすれば良い。これと、ローリング支持軸33の組み合わせによってスライダーは従来の磁気ディスクにおけるスライダーと同一の自由度を持つ。
【0021】
光導波路36が直線的に形成されているため、途中の伝播損失を極めて小さく抑えることができた。このような効果は、本実施の形態に限らず、サスペンションアームから何らかの構造体がスライダーに直線的に接続されているような構造であれば実現することが可能であることは本実施の形態より明らかである。
また、記録媒体と近視野光を介して相互作用する微小開口の代わりに、記録媒体表面の近視野光を散乱する微小突起を用いて近視野光ヘッドを作成した場合でも、上述の実施の形態と同様の構造を作成することが可能であり、散乱光を微小突起の近辺に配置した受光素子によって受光したあと、その光を上述の構造を持つサスペンションアーム内の光導波路によって伝播して信号処理回路に送ることができる。これによって安定した効率で光の伝播が可能となる。
【0022】
(実施の形態4)
図7に実施の形態4に係る近視野光ヘッド用フレクシャー40の上面図を示す。フレクシャー40は図示しないサスペンションアームに接着部41において接着される。可動部42はサズペンションアームには接着されていないためある程度の自由度を持っている。近視野光ヘッド43はフレクシャー40の先端に形成された片持ち梁45に接着されている。フレクシャー40はSiから成り、導波路46はSi上に酸化Si膜を形成することによって作製する。ここでは導波路46はフレクシャー40の上面に作製したが、下面に作製することも可能である。導波路46の先端から出射した光はミラー面44で反射して近視野光ヘッド43の方向に伝播する。ミラー面はSi基板の異方性エッチングによって形成した斜面にAlなど反射率の高い材質を蒸着することで形成する。図8は本実施の形態4に係る近視野光ヘッド43と、フレクシャー40先端部の断面図である。近視野光ヘッド43は下面(図示しない記録媒体に向かう面)にエアベアリングサーフェス51と、遮光膜52に囲まれた微小開口53と、が形成されている。エアベアリングサーフェス51は記録媒体の回転運動によって発生する浮上力を図中下方向から受け、それによって近視野光ヘッド43およびフレクシャー40のうちの可動部42が動き、近視野光ヘッド43が常に記録媒体表面に対して同一姿勢を保つ。光は導波路46から出射されてミラー面44で反射し、微小開口53に向けて、安定した高効率で伝播される。
【0023】
本実施の形態においては微小開口53をなるべく記録媒体に近接させるために、導波路46をフレクシャー40中央よりも図中右側にずれた位置に形成している。これは近視野光ヘッド43が受ける空気浮上力が図中左方向から働くことによって、図中右側が左側より記録媒体表面に近接した姿勢で浮上していることに対応するためである。一方、別の実施の形態としては図9に示すように、導波路46をフレクシャー60の中央に形成し、片持ち梁45の上で光をミラー面44によって曲げる構造も可能である。これは実施の形態3で実施した構造と基本的に同一である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る1番目の光ヘッドの発明によれば、負荷加重を与えるサスペンションアームにより支持されると共に記録媒体との相対運動により浮上力を得、前記負荷加重と前記浮上力との均衡により記録媒体との間に隙間をつくるスライダーと、前記スライダーが前記サスペンションアームに対して姿勢を変化し得る柔構造と、前記サスペンションアームと前記スライダー表面の間を光で接続するアームスライダー間導光構造と、前記スライダー底面において形成され、前記記録媒体と光を介して相互作用する開口と、前記スライダー表面と前記開口との間を光で接続するスライダー内導光構造と、から成り、前記スライダーが前記記録媒体表面を走査するときに、前記光を介して前記記録媒体と前記開口が相互作用することによって情報の記録および再生を行う光ヘッドにおいて、前記柔構造が前記アームスライダー間導光構造と一体になっている事を特徴としているので、スライダーが記録媒体表面上を走査するときに記録媒体表面に対してスライダーの姿勢を一定に保ちながら、スライダーとサスペンションアームを、光によって高く安定した効率で接続することが実現される、という効果を奏する。また、安定した出力信号が得られ、高速記録/再生が可能となり、柔構造とアームスライダー間導光構造が分離していた従来技術にくらべて装置全体の小型化が実現された、という効果を奏する。
【0025】
また、本発明に係る2番目の光ヘッドの発明によれば、前述の1番目の光ヘッドにおいて、前記柔構造が光導波路によって作製されている事を特徴とするので、1番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、柔構造が単一基板から作製されるため、製造工程が簡略で、低コストに作製することができる、という効果を奏する。
【0026】
また、本発明に係る3番目の光ヘッドの発明によれば、1番目の光ヘッドにおいて、前記柔構造が柔構造の表面あるいは内部に導光構造が接着あるいは形成されることによって作製されている事を特徴とするので、1番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、柔構造および導光構造が従来技術によって製造することができ、低コストに作製することができる、という効果を奏する。
【0027】
また、本発明に係る4番目の光ヘッドの発明によれば、1番目から3番目のいずれかの光ヘッドにおいて、前記アームスライダー間導光構造が、光伝播損失が少ない構造になっている事を特徴とするので、1番目から3番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、アームとスライダー間の導光における光損失を最小限に抑えることができる、という効果を奏する。
【0028】
また、本発明に係る5番目の光ヘッドの発明によれば、1番目から3番目のいずれかの光ヘッドにおいて、前記アームスライダー間導光構造が、直線あるいは曲率の小さな形状に形成されたものである事を特徴とするので、1番目から3番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、アームとスライダー間の導光における光損失を最小限に抑えることができる、という効果を奏する。
【0029】
また、本発明に係る6番目の光ヘッドの発明によれば、1番目から5番目のいずれかの光ヘッドにおいて、前記開口が光波長以下のサイズの微小なもので、前記記録媒体と相互作用する前記光が近視野光であることを特徴とするので、1番目から5番目の光ヘッドにおいて実現された効果に加えて、近視野光の特徴である超解像度を利用することにより、光の回折限界を超える記録密度が実現される。また、1番目から5番目の光ヘッドにおいて実現された効果のそれぞれについても、近視野光の特徴である光強度の距離依存性にもかかわらず、安定した信号出力が得られ、高速記録/再生が可能になる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光データストレージ装置の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光ヘッド用フレクシャー構造を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光ヘッド用フレクシャーを示す拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る光ヘッド用フレクシャーを組み込んだサスペンションアームを示す全体図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る光ヘッド用フレクシャーを組み込んだサスペンションアームの作製方法を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る光ヘッド用フレクシャーを組み込んだサスペンションアームを示す全体図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る近視野光ヘッド用フレクシャーを示す上面図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る近視野光ヘッドと、フレクシャー先端部の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る他の近視野光ヘッド用フレクシャーを示す上面図である。
【符号の説明】
1 光データストレージ装置
2 サスペンションアーム
3 フレクシャー
4 記録媒体
5 ボイスコイルモータ
7、8 ステンレス製の枠
9 ローリング支持軸
10 ピッチング支持軸
11 スライダー
12 光導波路
18 スライダー
19 導波路
21 シリコン基板
22 テーパ構造
23 微小開口
24 凹形状
31 ピッチング支持軸
32 微小開口
33 ローリング支持軸
34 スライダー
36 光導波路
40 フレクシャー
41 接着部
42 可動部
43 近視野光ヘッド
44 ミラー面
45 片持ち梁
51 エアベアリングサーフェス
52 遮光膜
53 微小開口
60 フレクシャー

Claims (7)

  1. 負荷加重を与えるサスペンションアームにより支持されると共に記録媒体との相対運動により浮上力を得、前記負荷加重と前記浮上力との均衡により記録媒体との間に隙間をつくるスライダーと、
    前記スライダーが前記サスペンションアームに対して姿勢を変化し得る柔構造と、
    前記サスペンションアームと前記スライダー表面の間を光で接続するアームスライダー間導光構造と、
    前記スライダー底面において形成され、前記記録媒体と光を介して相互作用する開口と、
    前記スライダー表面と前記開口との間を光で接続するスライダー内導光構造とを備え、
    前記スライダーが前記記録媒体表面を走査するときに、前記光を介して前記記録媒体と前記開口が相互作用することによって情報の記録および再生を行う光ヘッドにおいて、
    前記柔構造は、前記アームスライダー間導光構造と一体になっており、
    前記柔構造は、
    前記サスペンションアームに接続された第1枠体と、
    前記第1枠体の内側に備えられた第2枠体と、
    前記第1枠体と前記第2枠体との連結、及び前記第2枠体と前記スライダーとの連結のいずれか一方に用いられるものであり、前記スライダーをローリング方向よりもピッチング方向に移動し易くするピッチング支持軸と、
    前記一方以外の他方の連結に用いられるものであり、前記スライダーをピッチング方向よりもローリング方向に移動し易くするローリング支持軸と
    を備えることを特徴とする光ヘッド。
  2. 前記ピッチング支持軸は、前記サスペンションアームの長手方向に直交する方向に備えられており、
    前記ローリング支持軸は、前記サスペンションアームの長手方向に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド。
  3. 前記ピッチング支持軸は、前記サスペンションアームの長手方向に複数併設して備えられており、
    前記ローリング支持軸は、前記サスペンションアームの長手方向に備えられており、
    前記複数のピッチング支持軸の一つは、前記ローリング支持軸を通る軸上に備えられており、
    前記光導波路は、前記一つのピッチング支持軸及び前記ローリング支持軸と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド。
  4. 負荷加重を与えるサスペンションアームにより支持されると共に記録媒体との相対運動により浮上力を得、前記負荷加重と前記浮上力との均衡により記録媒体との間に隙間をつくるスライダーと、
    前記スライダーが前記サスペンションアームに対して姿勢を変化し得る柔構造と、
    前記サスペンションアームと前記スライダー表面の間を光で接続するアームスライダー間導光構造と、
    前記スライダー底面において形成され、前記記録媒体と光を介して相互作用する開口と、
    前記スライダー表面と前記開口との間を光で接続するスライダー内導光構造とを備え、
    前記スライダーが前記記録媒体表面を走査するときに、前記光を介して前記記録媒体と前記開口が相互作用することによって情報の記録および再生を行う光ヘッドにおいて、
    前記柔構造は、前記アームスライダー間導光構造と一体になっており、
    前記柔構造は、基部と、前記基部よりも撓み易い片持ち梁とを備え、
    前記スライダーは、前記片持ち梁に接続されており、
    前記アームスライダー間導光構造は、直線状に形成されているものであり、前記基部の幅方向の両端部のうちの一端部よりに備えられており、
    前記スライダーが受ける空気浮上力は、前記基部の幅方向の両端部のうちの他端部から働くことを特徴とする光ヘッド。
  5. 前記柔構造が単一基板から作製されたものである事を特徴とする請求項1又は請求項4のいずれか一項に記載の光ヘッド。
  6. 前記柔構造が柔構造の表面あるいは内部に導光構造が接着あるいは形成されることによって作製されている事を特徴とする請求項1又は請求項4のいずれか一項に記載の光ヘッド。
  7. 前記開口が光波長以下のサイズの微小なもので、前記記録媒体と相互作用する前記光が近視野光であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光ヘッド。
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