JP4286473B2 - 近視野光ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小領域における近視野光の相互作用を利用し、高密度な情報の再生および記録を可能とした光情報記録再生装置の近視野光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
光を用いた情報記録再生装置は、大容量化・小型化の方向へと進化しており、記録ビットの高密度化が要求されている。そこで、青紫色半導体レーザやSIL(Solid Immersion Lens)を用いた研究がおこなわれているが、これらの技術では光の回折限界の問題により、現在の記録密度の数倍程度の向上しか望めない。これに対し、光の回折限界を超えた微小光学を扱う技術として近視野光を利用した情報記録再生方法が期待されている。
【0003】
この技術では、一般に、光の波長以下サイズの光学的開口を用いて、その開口表面もしくはサンプル表面に局在する近視野光との相互作用を利用する。これにより、従来の光学系において限界とされていた光の波長以下となる微小光学の情報を扱うことが可能となる。情報再生は、メディア表面に散乱光を照射することによりサンプルの微小マークに局在する多くの近視野光を微小開口と相互作用させ伝搬光に変換する方法(コレクションモード)、あるいは微小開口に生成される近視野光をメディア表面に照射し、メディア表面の微小な凹凸もしくは屈折率・透過率の変化により相互作用して変換された散乱光を別途設けたデテクタで検出する方法(イルミネーションモード)により行う。記録は、微小開口より生成される近視野光をメディア表面に照射させ、光による材料の熱変化を利用したり(ヒートモード記録)、屈折率あるいは透過率を変化させる(フォトンモード記録)ことにより行う。これら、光の回折限界を超えた光学的な微小開口を有する近視野光ヘッドを用いることにより、従来の光情報記録再生装置を超える記録ビットの高密度化が達成される。
【0004】
こうしたなか、一般に近視野光を利用した記録再生装置の構成は、磁気ディスク装置とほぼ同様であり、磁気ヘッドに代わり、近視野光ヘッドを用いる。サスペンションアームの先端に取り付けた光学的微小開口をもつ近視野光ヘッドをフライングヘッド技術により一定の高さに浮上させ、ディスク上に存在する任意のデータマークへアクセスする。ディスクの高回転に近視野光ヘッドを追従させるため、ディスクのうねりに対応して姿勢を安定させるフレクチャ機能をもたせている。
【0005】
このような構成の近視野光ヘッドにおいて、集光した光を開口に照射し、記録・再生することが一般に行われている。高分解能な微小光学を扱う走査型近接場光学顕微鏡では、先鋭化されたプローブの頂点に微小開口が存在しているが、直径100nm以下の開口における光効率は一般に低く、10-5台である。集光した光を、近視野光ヘッド内に形成した微小開口に照射することで、開口部における光効率を向上させ、記録・再生の高速化を目指している。このように集光した光を開口に供給する光方法として、上方よりコリメートした光をヘッドに照射しヘッド内に設けたレンズで集光させたり、あるいは、ヘッド外に設けたレーザからメディアに対し平行な方向より大きく広げた光を導入し、ヘッド内に設けたミラー及びレンズを用いる方法が提案されている。
【0006】
また、開口部における光効率を向上させる別の手段として、公開特許『近接場光ヘッドおよびそれを用いた光記録再生装置』(特開平10−255302)のようにヘッド内に直接レーザを設けたり、ヘッド内に上方より直接光ファイバを挿入することで、微小スポットのビームを開口に照射する方法が取られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘッド上方に配置したレーザの光をコリメートさせ、直接ヘッドに信号を照射させる場合は、ヘッドの高速な動きに対応し、入射させる光を同期させる必要があり、ヘッドの動きにあわせた動きをもつ構造体を別途設ける必要があり、非常に複雑な構成となった。また、そのような構造体を別途設けることにより、装置自体が大型なものとなり、再生記録装置の小型化が困難であった。
【0008】
また、広げた光をメディア平行方向より導入する場合は、ビーム径相当の大きさのミラーを設ける必要があり、ヘッドサイズを小型にすることが困難であった。ヘッドサイズが大きいと、高速なシーク動作や精密なトラッキング制御が困難となり、シーキング時間や再生及び記録速度に支障をきたしていた。また、大きなヘッドの場合、ヘッドの反り量が大きくなり、メディアへの近接も困難となっていた。
【0009】
また、半導体レーザをヘッドに搭載した場合には、レーザの発熱によりヘッドの温度が上昇し、ヘッドサイズが変化することにより、安定した微小浮上の達成が困難であった。また、放熱体をレーザ近辺に埋め込ませることで、ヘッドの温度を低温に保つことは可能となるが、ヘッドサイズが大きくなるという問題があった。
【0010】
さらに、上方より光ファイバを接続した構造で光を入射させると、光ファイバの構造体がヘッドとアーム間に接続しており、そのことがヘッドの自由な運動を妨げ、ディスクの運動に対するヘッドの姿勢制御が困難となったり、ヘッドの構成が大型になることにより、ディスクと開口との距離を一定に保つことができなかった。この結果、ディスク上に描かれた光学情報からの出力S N比が低下し、信号の読み込み・書き込みが困難な状況であった。さらに、ヘッド上方へファイバが出ている構成であるため装置自体が大型になり、小型化・薄型化が困難であった。また、光ファイバのヘッドへ差し込みやその位置合わせを一本ずつおこなっており、量産性が乏しいものであった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る近視野光ヘッドにおいては、
近視野光の生成もしくは散乱を行う微小開口と、その微小開口と光学的に接続し、メディアに対し平行方向に光を伝搬させる光導波路と、その光導波路の一部に設けた複数の溝とを有する近視野光ヘッドにおいて、複数の溝が、微小開口方向へ光を回折させる機能と、回折する光を集光させる機能とを備えていることを特徴とした。
【0012】
さらに、複数の溝が、光伝搬方向を半径方向として同心円状に形成されていることを特徴とした。
【0013】
従って、微小浮上及び高速シークや精密なトラッキングが可能となる小型で薄型な構成で、高速な記録・再生を実現するに十分大きな近視野光が生成でき、かつ、量産性・信頼性に優れた近視野光ヘッドを低コストで供給可能となる。
【0014】
また、光導波路が、光が伝搬するコア部と前記コア部に比べ屈折率の低いクラッド部とから構成されていることを特徴とした。
【0015】
さらに、複数の溝が、コア部とクラッド部の界面に形成されていることを特徴とした。
【0016】
さらに、複数の溝の間隔が、伝搬する光の波長の1/4から10倍の範囲にあることを特徴とした。
【0017】
さらに、複数の溝が、深さ方向に2層以上の複数の階層を有することを特徴とした。
【0018】
さらに、複数の溝の側面の一部が、曲面であることを特徴とした。
【0019】
従って、より効率良く開口へ光を供給することが可能となり、微小開口から生成される近視野光の光量が大きくなることから、さらなる高密度・高速再生が可能となる。
【0020】
また、複数の溝が形成された複数の光導波路と複数の微小開口が同一近視野光ヘッド内に形成されたことを特徴とした。
【0021】
従って、短い走査範囲で多くの情報を得ることが可能となり、掃引速度を上げなくても高速な読みだし、書き込みが可能となる。
【0022】
また、光導波路の一部に、メディアに対する姿勢が常に一定に保持できる柔構造が形成されていることを特徴とした。
【0023】
従って、導波路内にサスペンションに付随したジンバルの機能を有しており、部品点数を削減できることから、信頼性の向上と低コスト化が図れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる近視野光ヘッドの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
[実施の形態1]
図1に本発明の実施の形態1に係る光記憶再生装置の一例の概略図を示す。近視野光ヘッド102はサスペンションアーム103の先端部に支持されており、高速に回転するディスク101(メディア)上を微小浮上する。近視野光ヘッド102が高速走行するディスク101上に置かれた場合、気体の流体運動による発生する浮上力をディスク101側の面より受ける。近視野光ヘッド102を支持するサスペンションアーム103でディスク101側に負荷荷重を加え、浮上力とのバランスを取ることにより、ディスク101との距離を一定に保つことができる。この技術は、一般に磁気ディスク(ハードディスク)で用いられるフライングヘッド技術と呼ばれており、近視野光の効果を利用できる距離(10nm〜100nm)でヘッドとディスク間を制御できる。ディスク101との距離を一定に保つ別の方法として、近視野光ヘッド102とメディア表面との間に生じるトンネル電流や原子間力の相互作用を利用して制御する方法を採用しても良い。また、メディアとの距離を近接させる別の方法として、近視野光ヘッドとメディアとの間に薄く一定厚の潤滑剤を充填し、その潤滑剤の表面張力を利用して近視野光ヘッドを潤滑剤上で滑らせることでもメディアとの距離を十分小さく維持することが可能となる。この方法は、メディアの歪みに対しても十分追従できるため、有効な手段である。ディスク上における走査は、モータ付きの回転軸104によりサスペンションアーム103を水平方向に動かすことにより行う。モータの制御により、近視野光ヘッド102を任意の場所にアクセスさせることが可能となる。近視野光ヘッド102への光の導入は、サスペンションアーム103に接続した光導波路(光ファイバでも良い)105により行う。ディスク101に対し、平行方向より光を導入しており、ヘッド全体を小型化させている。近視野光ヘッド102内に導入された光は、ディスク側面内に形成された微小開口より近視野光に変換される。ディスク101は近視野光が局在する範囲にあることから、近視野光とディスク101表面の微小構造及び微小な光学特性の変化とを相互作用させ、発生する散乱光を、近視野光ヘッド102内もしくは近視野光ヘッド102近傍あるいはディスク101の裏面に設けた受光素子で検出する。
【0026】
ここで、本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッドの構成について説明する。図2は、実施の形態1に係る近視野光ヘッド200の斜視図を示し、図3は、近視野光ヘッド200の断面図を示している。図2と図3ではサスペンションアームを省略している。近視野光ヘッド200は、光の伝搬が可能な基板206と、その基板上に形成され、光導波路105等により外部から導入された光をディスク101に対し平行な方向に伝搬させるヘッド内導波路201と、ヘッド内導波路201の一部に形成され、伝搬する光をディスク側面方向へ回折させるとともにその光を集光させる機能を有するグレーティング202と、近視野光ヘッド200のディスク側面の表面に形成する遮光膜203と、同じくディスク側面の表面に形成され、近視野光を発生する微小開口204と、光導波路105を所望の位置に固定させるための位置合わせガイド溝205とから構成される。
【0027】
図には示さないが、半導体レーザから出射される光は、レンズ等により光導波路105端面に効率良くカップリングされ、光導波路105内を伝搬する。この光導波路105のもう片方の端面は、近視野光ヘッド200内に形成したガイド溝205内に固定される。このガイド溝205は、光導波路105の端面から放射される光の多くをヘッド内導波路201内へ導かせるように、ヘッド内導波路201の端面近くに形成され、凹字型あるいはV字型といった光導波路105の形状や大きさにあわせて形成される。こうして、ガイド溝205内に配置された光導波路105の端面からの光は効率良くヘッド内導波路201にカップリングされる。ヘッド内導波路201を伝搬する光は、グレーティング202が形成されているところまで到達すると、このグレーティング202による回折現象により、開口方向へと伝搬方向を変化させる。しかもこのグレーティング202は、ヘッド内導波路201内を伝搬する光の進行方向を半径方向とするようにして、孤を描くような形状に形成されている。つまり、ヘッド内導波路201で広がった光を回折させ、1点で集光するような形状にし、集光点を微小開口204に合わせるよう設計される。1次回折のみを集光する場合、40%程度の回折効率が得られ、そのときのグレーティング202の深さは、20nmから1μm程度に、ピッチは、0.2μm〜0.8μm程度に設定する(可視光帯域の光を利用したとき)。ここで、グレーティング202の一部を複数の深さレベルをもつ多段の凹凸形状にすることも可能である。この場合、2次以上の回折光も集光することができ、回折効率を向上させることが可能となる。図3に4段階の深さレベルを有するグレーティング301を含むヘッド内導波路の断面構造を示す。深さレベルが2段階の場合、1次の回折成分のみ集光させるが、4段階の場合、複数の高次回折成分を含めて集光させることが可能となり、回折効率を80%程度まで向上できる。さらに、8段階、16段階と深さレベルを増すごとに、さらなる回折効率の向上が期待できる。さらに段階数を増やしていくと、回折による効果がに加え、屈折の効果も現れる。図5に示すように、グレーティング401の側面の一部がなだらかな曲面あるいは斜面になっていき、集光効率を100%へ近づけることが可能となる。また、図2に示す2段階のグレーティング202による回折光の一部は、開口とは反対の方向へと回折される。よって、図2に示すように、光導波路の上面に光反射膜207を形成することで、微小開口204と反対の方向に回折した光を開口方向へ反射させることが可能となり、微小開口204へより多くの光を導くことが可能となる。ヘッド内導波路201は、光が伝搬する部分、いわゆるコア208だけの1層構造でも構わないが、コア208の上面にごみが付着すると、そこで光が散乱し光効率が低下する。コア208の周りに、コアより屈折率の低いクラッド209で覆った構造(3層構造)にする方が光効率の点で望ましい。近視野光ヘッド200のメディア側面内の一部もしくは全体に、遮光膜203が形成されている。グレーティング202により回折し、集光された光は、この遮光膜203の一部に形成された微小開口204に照射される。微小開口204は、円形でも多角形でも構わない。そのサイズは、直径もしくは一辺の長さが30〜100nm程度にする。ヘッド内導波路201内に形成されたグレーティング202の効果により、多くの光(高エネルギーの光)が効率良く微小開口204に照射され、開口から多くの近視野光を発生させることが可能となる。ここでの説明では、開口近辺に近視野光を発生させ、メディアとの相互作用により散乱させた光を別途設けた受光素子で検出するイルミネーションモードを用いたが、この方法に限らず、メディアに光を照射することでメディア表面に発生する近視野光を微小開口で相互作用させ、近視野光ヘッド内へと散乱した光を、グレーティングを介して導波路内を伝搬させ検出することで、情報再生を行っても構わない。
【0028】
ここで、図6及び図7を用いて、図2及び図3に示した近視野光ヘッド200の製造工程の1つを説明する。はじめに、ステップS101では、光の伝搬を可能とする透明な基板206、例えば石英基板を用意し、その上面に、クラッド209を積層する。クラッド209の材料は、酸化シリコンや窒化シリコン等の誘電体材料を使用する。誘電体材料の積層は、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法によって容易に実現できる。
【0029】
続いて、ステップS102では、グレーティング202の形状を作製する。グレーティング202の最小ピッチは波長程度もしくはそれ以下であり、微細加工が必要である。電子ビーム露光や集束イオンビーム加工を用いることでも作製可能だが、量産性が低い。ここでは、塗布したレジストを露光及び現像してパターン形成する光露光法や、塗布したレジストにあらかじめ用意した型を押し付けてパターン形成するナノスタンピング法(ナノプリント法とも呼ばれている)といった方法によりレジストパターンを形成し、エッチングにより加工することで量産性良く微細なグレーティング202を精度良く作製することができる。
【0030】
次に、ステップS103では、クラッド209より屈折率の高いコア208を積層する。コアの厚は、3〜20μm程度とする。コアの材料は、ほぼクラッド209と同様であるが、少量の不純物を含ませることで高い屈折率を得ることが可能である。積層方法は、スピンオングラス法(水硝子をスピンコート法にて塗布した後、溶媒を飛ばし固める方法)を用いても良いし、勿論、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法を用いても良い。しかし、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法にて積層させた場合、グレーティング202の形状が、コア上面に転写されるため、積層後に表面を平坦化させる処理(研磨等)が必要となる。
【0031】
続いて、ステップS104では、コア208上にクラッド209を積層させる。クラッド209の材料は、ステップS102で説明したクラッド209と同等で構わない。また積層方法もステップS102で示した方法で構わない。
【0032】
次に、ステップS105では、フォトリソグラフィ技術とエッチングを用いて、ヘッド内光導波路201を作製する。通常の半導体製造工程で用いられるフォトリソグラフィ技術を使用して、ヘッド内光導波路201上にエッチングを保護するマスク材を積層してパターニングを行なう。その後、光導波路材料をエッチングし、マスク材を除去することにより、ヘッド内光導波路201を作製できる。
【0033】
次に、ステップS106では、ヘッド内導波路上に光反射膜207を積層する。光反射膜207には、光反射率の高いAl,Cr,Ti,Au、Agといった金属材料を使用し、スパッタリング法あるいは真空蒸着法にて形成する。
【0034】
次にステップS107では、光導波路を固定するガイド溝をエッチングにて形成する。ガイド溝205が凹型のときにはマスクの形状に併せて垂直なエッチングが可能なドライエッチングで形成し、V字型にするときは、エッチングレートの遅い(111)面が現れるウェットエッチングを利用する。
【0035】
最後に、ステップS108では、ヘッド内光導波路201を形成した反対の面上に遮光膜203を成膜し、その遮光膜203の一部を加工し、微小開口204を作製する。この微小開口プロセスにおいても、電子ビーム露光法や集束イオンビーム加工の利用で作製できるが、別途作製した型(スタンパー)で塗布したレジストの形状を任意の形状に変化させるナノスパンピング法を採用することにより、量産性良く作製できる。遮光膜203の材料に、AuやAgといった貴金属を採用した場合、プラズモン効果により開口から発生する近視野光を増加させることも期待できる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態1における近視野光ヘッドでは、ヘッド内を伝搬する導波路内にグレーティングを形成し、そのグレーティングが回折と集光機能を有していることから、開口へ高エネルギー密度の光を供給することが可能となる。光強度の大きい近視野光を容易に発生させることができ、高密度、高速記録・再生が可能となる。
【0037】
また、従来、高エネルギー密度の光を開口に供給する方法としてレンズを使用していたが、そのレンズを直接ヘッドに乗せていたり、上方に設けた大きなレンズをヘッドの動きに同期させたり、或いは、メディアに対し平行方向から伝搬させる場合には、集光する前にビーム径を大きくする必要があり、ヘッドの小型化が困難であった。本発明の近視野光ヘッドは、メディアに対し平行方向から導入した光を薄い導波路内を伝搬させ、その導波路に形成したグレーティングにより、開口へ回折及び集光させることが可能であるため、ヘッドの小型化、特に薄型化が容易となる。
【0038】
また、半導体製造プロセスに用いられる技術によってバッチ処理が可能となり、量産に適したものとなる。また、ウェハに対する一括した工程で作製できるため、製品特性が安定する。また、ヘッドの小型化により、ウェハあたりの取り個数が増加するので、コスト低減を図ることができる。
【0039】
また、実施の形態1に係る近視野光ヘッドは、一般的な半導体プロセスを用いて形成できるため、同一ヘッド内に複数個の光導波路及び開口を配列させることが容易である。図8に、ヘッド内導波路801と微小開口802の組み合わせを4組み配置した近視野光ヘッドアレイ800を示す。4つのヘッド内導波路801にはそれぞれグレーティング803が形成されており、それらグレーティング803によりそれぞれ別の微小開口802へ集光されるよう設計されている。図には示さないが、1つの光源から出射された光は、4つのヘッド内導波路801の端面へと導かれ、それぞれのヘッド内導波路801内を伝搬する。グレーティング803が形成された所まで伝搬すると、光は回折により進行方向を変更し、開口方向へと伝搬していく。導かれた光によって、各々の微小開口802からは近視野光が生成される。図8に示した近視野光ヘッドアレイ800は、1つの光源に対して、4つの微小開口を記しているが、これに限らず、様々な組み合わせが可能である。
【0040】
上記のように、実施の形態2に係る近視野光ヘッドは、同一ヘッド内に2次元的に複数個の開口が配列され、同時に複数のデータ記録及び再生が可能であるため、記録媒体上おけるヘッドの掃引を最小限に抑え、高速な光記録および読み出しが可能となり、更には、前記配列間隔を記録媒体上の情報記録単位間隔に適合させることによってトラッキングレスを実現することができる。
【0041】
[実施の形態2]
図9に、本発明実施の形態2に係る近視野光ヘッドの斜視図を示す。実施の形態1と同様に、ヘッドへの光の導入は、メディアに平行な方向から光導波路901により行われる。光は光導波路901のコア902を伝搬するが、このコア902の一部には、グレーティング903が形成されている。メディアに対し平行な方向に伝搬する光は、このグレーティング903により回折し、基板を通して開口方向へと進行方向を変更する。このグレーティング903の形状は、光の伝搬する方向を半径方向として孤を描くように刻まれており、回折の効果とともに開口へ光を集光させる効果も有する。このような光導波路901は、基板904上に接合される。光導波路901の材料としては、酸化シリコンや窒化シリコンといった誘電体を用いても良いし、可視光帯域で透明性の高い高分子材を用いても構わない。どちらの場合も、コア部での伝搬ロスの少ない構造が望ましい。
【0042】
ここで、実施の形態2に係る近視野光ヘッドでは、図9の斜視図に示すように、光導波路901の一部にいわゆるフレクチャ905の機能が付加させている。光導波路の一部が凹型にくりぬかれており、基板との接合は、光導波路の一部(図9における接合部906)で行われる。サスペンションアームから加えられる負荷荷重は、この接合部906の一部(荷重点)に加えられる。このような構成の近視野光ヘッド900は、サスペンションアームに対し、ロール方向及びピッチ方向に動き易い状況となっており、メディアのうねりや反りに対応し、常にメディアに対して一定の姿勢を保つことが可能となる。つまり、光導波路901の一部にフレクチャ機能をもたせた構造をしており、ヘッドに光を導入するスペースを有効に活用し、ヘッドの小型化を実現している。
【0043】
以上、本発明の実施の形態2における近視野光ヘッドでは、ヘッドに光を供給する光導波路内に、回折と集光機能を有したグレーティングを形成し、かつメディアに対して一定の姿勢を保持するフレクチャ機能を備えており、開口へ高エネルギー密度の光を供給するとともに、ヘッドの小型化・薄型化が可能となり、高密度で高速な記録・再生、及び高速シーキングが実現する。また、部品点数も削減し、低コスト化が可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の近視野光ヘッドによれば、シリコンなどを用いた微細加工プロセスにて作製でき、また上方より近視野光ヘッドに光を入射させる場合に装置構成が大型化する問題に対し、ヘッドへの光をメディアと平行な方向より入射することにより、装置全体の小型化および薄型化が可能となり、同時にバッチ処理可能な量産工程への適用もしくは部品点数の削減による低コスト化や製品の安定性および高信頼性も実現した。また、2次元に配列したアレイ化に適した構造であり、光メモリヘッドとして使用した場合、高速な光の記憶または再生が可能となる。
【0045】
さらに、レーザ光源での光量が少ない場合でも、集光機能をもつグレーティングによりエネルギー密度の高い光を低損失で開口に伝搬でき、記録媒体に必要とされる近視野光の供給が可能となる。よって、レーザ光源での電力が節約でき、低消費電力および低電圧駆動可能な情報再生記録装置の供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光記憶再生装置の一例の概略図
【図2】本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッドの斜視図
【図3】本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッドの断面図
【図4】本発明の実施の形態1に係るグレーティングを含む導波路の断面図
【図5】本発明の実施の形態1に係るグレーティングを含む導波路の断面図
【図6】本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッド作製工程の一例
【図7】本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッド作製工程の一例
【図8】本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッドアレイの斜視図
【図9】本発明の実施の形態2に係る近視野光ヘッドの斜視図
【符号の説明】
101:ディスク
102、200、900:近視野光ヘッド
103:サスペンションアーム
104:回転軸
105、901:光導波路
201、801:ヘッド内導波路
202、301、401、803、903:グレーティング
203:遮光膜
204、802:微小開口
205:ガイド溝
206、904:基板
207:光反射膜
208、902:コア
209:クラッド
800:近視野光ヘッドアレイ
905:フレクチャ
906:接合部

Claims (9)

  1. 近視野光の生成もしくは散乱を行う光学的微小開口と、
    前記微小開口と光学的に接続し、メディアに対し平行方向に光を伝搬させる光導波路と、
    前記光導波路の一部に設けたグレーティングとを有する近視野光ヘッドにおいて、
    前記グレーティングが、前記光導波路を伝搬する光を前記微小開口方向へ回折する機能と、回折した前記光を前記微小開口に集める機能とを備えていることを特徴とする近視野光ヘッド。
  2. 前記光導波路が、光が伝搬するコア部と前記コア部に比べ屈折率の低いクラッド部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の近視野光ヘッド。
  3. 前記グレーティングは複数の溝を有し、
    前記複数の溝が、前記コア部と前記クラッド部の界面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の近視野光ヘッド。
  4. 前記光導波路を伝搬する前記光が可視光帯域の光であり、
    前記複数の溝の間隔が0.2μm〜0.8μmの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の近視野光ヘッド。
  5. 前記複数の溝が、光伝搬方向を半径方向として同心円状に形成されていることを特徴とする請求項3あるいは請求項4のいずれかに記載の近視野光ヘッド。
  6. 前記複数の溝の少なくとも一部が、深さ方向に階段状に多段にわたって形成されていることを特徴とする請求項から請求項5のいずれか1つに記載の近視野光ヘッド。
  7. 前記複数の溝の側面の一部が、曲面であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか1つに記載の近視野光ヘッド。
  8. 前記複数の溝が形成された複数の前記光導波路と複数の前記微小開口が同一近視野光ヘッド内に形成されたことを特徴とする請求項から請求項7のいずれか1つに記載の近視野光ヘッド。
  9. 前記光導波路の一部に、前記メディアに対する姿勢を常に一定に保持できる柔構造が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の近視野光ヘッド。
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