JP4482254B2 - 光ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を利用して記録媒体表面の微小領域との相互作用を検出することにより、高密度な情報記録および再生を行う記録装置、特に入力光の波長以下の微小領域での構造情報あるいは光学情報を観察し、高密度な情報記録および再生に利用する近視野光利用情報記録装置のための光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクなど光を利用した高密度な情報記録および再生を行う装置の開発が盛んに進められている。情報の高密度化のためには紫外線を用いるなど波長を短くすることが必要だが、これには限界があるため油浸あるいは固浸対物レンズ(以下、SIL)を使うなどの方法がある。実質的な波長を短くする別の方法として波数の一成分を虚数にする近視野光利用が挙げられる。近視野光を利用した高分解能プローブは、近視野光顕微鏡や近視野光ヘッドに使われている。プローブの先端から近視野光を発生させて、顕微鏡試料あるいは記録媒体と近視野光の相互作用の結果発生する伝播光を検出することで、光の回折限界を超える空間分解能が得られる。入射伝播光と、試料あるいは記録媒体との相互作用の結果発生した近視野光をプローブによって検出する方法もある。近視野顕微鏡はこの原理によって従来の光学顕微鏡の回折限界を超える分解能を達成している。またこのような近視野光プローブを近視野光ヘッドに利用した場合には、従来の光ディスクを超えるデータ記録密度が可能となる。
【0003】
近視野光ヘッドを用いたデータストレージ装置においては、基本的構成は従来型の磁気ディスク装置と同じで、磁気ヘッドの代わりに近視野光ヘッドを用いる。このとき近視野光ヘッドはフレクシャー構造によって、動作中に記録媒体表面に対して常に一定の姿勢を保つことができる。サスペンションアームの長さ方向をz軸とし、z軸に垂直で記録媒体に平行な方向をx軸、垂直方向をy軸とすると、典型的なフレクシャー構造はz軸方向においてのみサスペンションアームと接続された枠状構造の内側に、光ヘッドが、x軸方向においてのみ前記枠状構造に接続されている。この構造により、前記枠状構造はz軸に対して回転自由度をもち、光ヘッドは前記枠状構造に対してx軸を回転軸とする自由度を持つ。すなわち光ヘッドはサスペンションアームに対してz軸とx軸を軸とする回転自由度を持つ。
【0004】
このような光ヘッドの例を図7に示す。図7(a)にしめす光ヘッドアセンブリ7001は、サスペンションアーム701にフレクシャー構造702が取り付けられ、フレクシャー構造702には、光ヘッド703が取り付けられている。光ヘッド703は、反射基板706、レンズ707、スライダー705、チップ710、およびチップ710の先端に形成された開口709からなる。光ヘッドアセンブリ7001では、開口709に光を導入するために、反射基板706に光ファイバーや光導波路などの光伝搬体704が接続される。光伝搬対704から出射された光999は、反射基板706、レンズ707を経て開口709へ導入される。この構造によれば、光999の光軸が固定されるため、開口709から記録媒体に安定した強度の近接場光を照射することができる。
【0005】
また、図7(b)に示すような光ヘッドアセンブリ7002が知られている。光ヘッドアセンブリ7002の構成要素は、図7(a)に示した光ヘッドアセンブリ7001と同じであり、反射基板706、レンズ707をサスペンションアーム701に取り付けるとともに、サスペンションアームにフレクシャー構造702を取り付け、フレクシャー構造702に光ヘッド703を取り付けた構造となっている。
【0006】
また、特開2000-215494に開示されているように導波路をスライダーとして用い、記録媒体と接する面に開口をもうけた光ピックアップが知られている。
【0007】
姿勢を高速に変化させている光ヘッドに光を入射する必要は近視野光を利用した記録装置に限らず、光ディスクなどの他の光記録装置においても起こるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7(a)に示した構造によって光を開口に入射させると、導波路などのなんらかの構造体が光ヘッドに接続していることが光ヘッドの自由な運動を妨げ、光ヘッドの姿勢維持が困難となり、記録媒体表面と開口の距離を一定に保つことができない。
【0009】
また、図7(b)に示した構造によれば、光ヘッド703の運動を妨げるような構造ではないが、回転軸を有するフレクシャー構造702から開口709までの距離L1が長いため、光ヘッド703の運動によって、光999の光軸から開口709の位置がずれる。従って、開口709から記録媒体に照射される近接場光の強度が不安定である問題があった。この問題を解決するために、光ヘッド703を薄片化してL1を短くすることが容易に考えられる。しかし、光ヘッド703とフレクシャー構造702との組立を容易に行うためにはある程度の厚さ(数100μm程度)が必要である。また、一般的なレンズ707の焦点距離L2は、数10μm以上であり、開口709の位置で焦点となるように光ヘッド703を薄片化するには限界がある。仮に光ヘッド703が薄片化できたとしても、L2が非常に小さくなるためレンズ707にSILを用いる必要があり、各光学素子の位置決めに高い精度が要求されるため、組立コストが高くなる問題があった。
【0010】
また、回転機能を有するフレクシャー構造に重い光ヘッドが取り付けられているため、記録媒体の凹凸に対して姿勢を維持するための追従性が良くないため、高速に光ヘッドを移動することが困難であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、負荷加重を与えるサスペンションアームに取り付けられる固定部分と、前記固定部分に取り付けられ、前記固定部分に対する姿勢を変化し得るフレクシャー構造と、前記フレクシャー構造に取り付けられ、記録媒体との相対運動により浮上力を得、前記負荷加重と前記浮上力との均衡により前記記録媒体との間に隙間をつくるスライダーと、前記記録媒体と対向するように形成された光学的な開口と、前記開口へ光を導入する光入射部からなり、前記光入射部が前記固定部に形成され、前記フレクシャー構造が前記固定部分の前記記録媒体に面する側の極表層に形成されていることを特徴とする光ヘッドとした。
【0012】
また、前記フレクシャー構造が前記固定部分の表面から20μm以内に構成されていることを特徴とする光ヘッドとした。
【0013】
また、前記開口へ導入される入射光の光軸と前記フレクシャー構造の少なくとも一つの回転軸とが交わることを特徴とする光ヘッドとした。
【0014】
また、前記開口が、錐状のチップの先端に形成されていることを特徴とする光ヘッドとした。
【0015】
また、前記チップおよび前記開口が前記固定部分に固定されていることを特徴とする光ヘッドとした。
【0016】
また、前記チップおよび前記開口が前記フレクシャーとともに可動なことを特徴とする光ヘッドとした。
【0017】
また、前記開口へ光を導入するための光学的空間が前記フレクシャーに形成されていることを特徴とする光ヘッドとした。
また、前記フレクシャー構造が2つ以上形成されていることを特徴とする光ヘッドとした。
【0018】
また、前記光入射部から前記開口までのすべての光学系が固定されていることを特徴とする光ヘッドとした。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ヘッドについて、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ヘッドの概略図である。図1(a)は、光ヘッド1000のスライダー4が形成された面からみた上面図である。図1(b)は、同図(a)中a-a’で示す位置での断面図である。図1(c)は、同図(a)中c-c’で示す位置での断面図である。図1(d)は、同図(a)中b-b’で示す位置での断面図である。
【0021】
本発明の光ヘッド1000は、基部5、基部5の上に形成されたエッチングストップ層8、エッチングストップ層の上に形成された支持層7、支持層7の上に形成されたフレクシャー1、フレクシャー1の上に形成された錐状のチップ2およびスライダー4、チップ2の先端に形成された開口3、基部5に形成された光導入部6と、開口3以外の少なくともチップ2を覆うように形成された遮光膜(図示していない)からなる。図1(b)および同図(c)に示すように、フレクシャー1は、軸10を介して外周部12と接続し、フレクシャー1の外周部12は、軸9および固定部11を介して支持層7に固定される。したがって、フレクシャー1は、軸9、軸10を中心とした回転運動が可能である。また、軸9および軸10の回転軸は、それぞれ、開口3のほぼ中心をとおりフレクシャーに対して垂直な線と交わる。図1(b)に示すように、光ヘッド1000は、光導入部6を通して入射光999を開口3へ導入することによって、開口3から近接場光を照射することができる。
【0022】
チップ2およびスライダー4は、シリコンや二酸化ケイ素などの誘電体からなる。また、基部5は、シリコンや二酸化ケイ素などの誘電体からなる。なお、フレクシャー1、軸9、軸10、固定部11、外周部12は、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの誘電体からなる。また、図示していない遮光膜は、アルミニウムや金などの金属からなる。
【0023】
光ヘッド1000の長さL、幅Wは、それぞれ3mm以下である。また、基部5の厚さT1は、数100μm以上であり、支持層7およびエッチングストップ層8の厚さは、数10μm以下である。また、フレクシャー1、軸9、軸10、固定部11、外周部12の厚さは、数μm以下である。軸9および軸10の長さおよび幅は、それぞれ、数μmから1000μm、数μmから数100μmである。また、チップ2の高さH1は、10数μmである。また、チップ2の高さH1とスライダー4の高さH2の高さの差は、100nm以下である。
【0024】
図2は、光ヘッド1000を用いた光ヘッドアセンブリ1001を説明する図である。光ヘッド1000は、説明を簡単にするため、一部の構成要素を省略している。光ヘッドアセンブリ1001は、サスペンションアーム23に固定された光ヘッド1000、ミラー21、レンズ26、およびミラー21に固定された光伝搬体22、記録媒体27、図示しない光源、記録媒体を回転させるための回転駆動部、受光光学系および信号処理部からなる。光源から照射された入射光999は、光伝搬体22によってミラー21へ導かれる。ミラー21によって偏向された入射光999はレンズ26に導入される。レンズ26によって集光された入射光999は、チップ2を通り、チップ先端に形成された開口3へ導入され、開口3からは、近接場光が照射される。開口3から照射される近接場光は、記録媒体27との相互作用によって、記録媒体27の近接場が照射された領域の光学情報を反映した伝搬光に変換され、受光光学系へと導かれる。受光光学系によって得られた信号は、信号処理部によって処理され、記録媒体に記録された情報を再生する。光ヘッド1000は、記録媒体が回転することによって生じる空気流とスライダー4との相互作用によって生じる浮力とサスペンションアームの押し付け力とのつりあいによって、記録媒体上を100nm以下の高さで浮上する。また、フレクシャー1は、軸9および軸10を中心とした回転運動が可能であり、記録媒体のうねりに対して浮上量が一定になるように追従することが可能である。なお、上記では、記録媒体に記録された情報を再生する手順を説明したが、入射光999の強度を大きくすることによって、記録媒体上へ情報を書き込むこともできる。
【0025】
図3は、光ヘッド1000の作製方法を説明した図である。光ヘッド1000の作製方法は、まず、図3(a)に示すように、基板105上にエッチングストップ層108を形成し、エッチングストップ層108上に支持層107を形成し、支持層107上にフレクシャー層101を形成する。基板105、エッチングストップ層108、支持層107、フレクシャー層101のそれぞれの厚さは、200μm以上、数μm、数μm、数μmである。また、基板105、エッチングストップ層108、支持層107、フレクシャー層101は、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの誘電体からなる。
【0026】
次に、図3(b)に示すように、透明体102を形成する。透明体102は、二酸化ケイ素、シリコン、窒化ケイ素などの誘電体からなる。透明体102の厚さは、数μm以上である。
【0027】
次に、図3(c)に示すように、透明体102の上に、フォトレジスト103を形成し、透明体102に100〜200nmの段差を形成する。
【0028】
次に、図3(d)に示すように、チップ用マスク112およびスライダー用マスク111をフォトリソグラフィ工程によって形成し、透明体102を等方性エッチングによってエッチングし、チップ2を形成するとともに、スライダー原型115を形成する。
【0029】
次に、図3(e)に示すように、マスク113をフォトリソグラフィ工程によってマスク113を形成し、異方性ドライエッチングによって、スライダー116を形成する。
【0030】
次に、図3(f)に示すように、マスク114を形成して、所望の形状のフレクシャー1、軸9、軸10、外周部12、固定部11を形成する。
さらに、図3(g)に示すように、支持層107および基板105の一部をウエットエッチングによって除去することによって、フレクシャーをリリースし、かつ、光導入部6を形成する。この後、少なくともチップ2を覆うように遮光膜を形成し、チップ2の先端の遮光膜を除去して開口3を形成する。なお、遮光膜が薄い場合は、物理的に開口3を形成しなくても良い。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る光ヘッド1000は、フレクシャー1の回転中心から開口3までの距離をほぼチップ2の高さ程度に小さくすることができるため、フレクシャー1が回転することによって生じる入射光999と開口3との光軸ずれを小さくすることができる。したがって、開口3へ効率よく入射光999を導入することができ、開口3から照射される近接場光の強度を大きくできる。また、開口3から照射される近接場光の強度むらを小さく抑えることができる。また、基部5の厚さを適切に選定することによって、レンズ26の焦点距離に開口3を位置させることが可能であるため、開口3から照射される近接場光の強度を大きくすることができる。また、一般的なレンズ26を用いることによって組立精度を緩和することができるため、光ヘッドアセンブリ1001の組立が容易になり、光ヘッドアセンブリ1001の組立時の歩留まりが向上する。したがって、光ヘッド1000によって、光ヘッドアセンブリ1001および光記録再生装置を安価に提供することができる。
【0032】
また、光ヘッド1000は、基部5が数100μm以上であるため、取り扱いが容易である。したがって、光ヘッドアセンブリ1001の組立が容易に行える。また、光ヘッド1000は、スライダー4とフレクシャー1とを一体に形成しているため、光ヘッドアセンブリ1001を組み立てる工程を簡略化することができる。したがって、安価に光ヘッドアセンブリ1001を提供することができる。
【0033】
また、光ヘッド1000は、フレクシャー1を含む可動部分が小型である。また、フレクシャー1を含む可動部分の重量は、従来の光ヘッドの10分の1と軽量である。したがって、記録媒体に対する追従性が向上し、光ヘッド1000を用いた情報記録再生装置は、高速に情報を記録再生することができる。
【0034】
また、光ヘッド1000は、半導体プロセスを応用したバッチプロセスによって作製することができるため、性能が均一な光ヘッド1000を安価に提供することができる。
【0035】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施例に係る光ヘッド2000を説明する図であり、図4(a)は、光ヘッド2000のスライダー4が形成された面からみた上面図である。図4(b)は、同図(a)中b-b’で示す位置での断面図である。図4(c)は、同図(a)中c-c’で示す位置での断面図である。本発明の第1の実施例の光ヘッド1000と重複する部分は、同一記号を用い説明を省略する。
【0036】
光ヘッド2000は、光ヘッド1000の構成に加え、チップ2の底面にチップ固定層31と光接続部32を有している。光接続部32は、光導入部6上に固定されている。したがって、チップ2および開口3は、光接続部32およびチップ固定層31を介して基部5に固定されている。光接続部31は、フレクシャー1と同じ材料を用いて作製される。また、光接続部32は、固定層7と同一の材料を用いて作製され、入射光999を少なくとも透過するような材料を用いる。
【0037】
光ヘッド2000は、図2の光ヘッド1000の代わりに用いることができる。光ヘッド2000は、チップ2が固定され、かつ、フレクシャー1が光ヘッド1000と同様に回転運動が可能であり、記録媒体のうねりに追従した一定間隔の浮上量を維持することができるとともに、チップ2が固定されているため、開口3へ導かれる入射光999の光軸が常に一定である。
【0038】
光ヘッド2000の製造方法は、光ヘッド1000の製造方法とほぼ同じである。
【0039】
以上説明したように、光ヘッド2000は、本発明の第1の実施例で説明した効果に加え、フレクシャー1の動きに関わらず、一定の強度を有する近接場光を開口3から照射することができる。また、フレクシャー1にチップ2がないことから、フレクシャー1の重量が軽減されるため、フレクシャー1の記録媒体のうねりなどへの追従性が向上する。
【0040】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施例に係る光ヘッド3000を説明する図である。
【0041】
本発明の第1の実施例の光ヘッド1000および本発明の第2の実施例の光ヘッド2000と重複する部分は、同一記号を用い説明を省略する。
【0042】
光ヘッド3000は、光ヘッド2000の構成に加え、チップ固定層31に光通過部33を有している。光通過部33は、空洞でもよいし、チップ2と同一の材質でもよく、少なくとも入射光999を透過する材料を用いる。光ヘッド3000は、図2の光ヘッド1000の代わりに用いることができる。
【0043】
光ヘッド3000は、実施の形態2で説明した効果に加え、光通過部33を設けたことによって、フレクシャー1を構成する材料に入射光999を透過しない材料を用いることができる。
【0044】
(実施の形態4)
図6は、本発明の第4の実施例に係る光ヘッド4000を説明する図であり、本発明の第1の実施例の光ヘッド1000と重複する部分は同一記号を用い、説明を省略する。光ヘッド4000は、スライダー4それぞれにフレクシャー部61を有する構成となっている。フレクシャー部61は、実施の形態1で説明したフレクシャー1、軸9、軸10、外周部12からなり、材質もそれぞれの構成要素と同じものを用いる。また、チップ2は、固定部11に固定されている。
【0045】
光ヘッド4000は、図2の光ヘッド1000の代わりに用いることができる。
【0046】
本発明の光ヘッド4000は、実施の形態1から実施の形態3で説明した効果に加え、各スライダー4に個別のフレクシャー部61を設けることによって、各フレクシャー部61の可動部にかかる重量を軽減することができるため、記録媒体のうねりなどに対する追従性をさらに向上させることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の実施例の光ヘッドによれば、フレクシャーの回転中心から開口までの距離をほぼチップの高さ程度に小さくすることができるため、フレクシャーが回転することによって生じる入射光と開口との光軸ずれを小さくすることができる。したがって、開口へ効率よく入射光を導入することができ、開口から照射される近接場光の強度を大きくできる。また、開口から照射される近接場光の強度むらを小さく抑えることができる。また、基部の厚さを適切に選定することによって、レンズの焦点距離に開口を位置させることが可能であるため、開口から照射される近接場光の強度を大きくすることができる。
【0048】
また、一般的なレンズを用いることによって組立精度を緩和することができるため、光ヘッドアセンブリの組立が容易になり、光ヘッドアセンブリの組立時の歩留まりが向上する。したがって、光ヘッドによって、光ヘッドアセンブリおよび光記録再生装置を安価に提供することができる。また、光ヘッドは、基部が数100μm以上であるため、取り扱いが容易である。したがって、光ヘッドアセンブリの組立が容易に行える。また、光ヘッドは、スライダーとフレクシャーとを一体に形成しているため、光ヘッドアセンブリを組み立てる工程を簡略化することができる。したがって、安価に光ヘッドアセンブリを提供することができる。
【0049】
また、光ヘッドは、フレクシャーを含む可動部分が小型である。また、フレクシャーを含む可動部分の重量は、従来の光ヘッドのほぼ10分の1と軽量である。したがって、記録媒体に対する追従性が向上し、光ヘッドを用いた情報記録再生装置は、高速に情報を記録再生することができる。
【0050】
また、光ヘッドは、半導体プロセスを応用したバッチプロセスによって作製することができるため、性能が均一な光ヘッドを安価に提供することができる。
【0051】
また、本発明の第2の実施例の光ヘッドによれば、本発明の第1の実施例で説明した効果に加え、フレクシャーの動きに関わらず、一定の強度を有する近接場光を開口から照射することができる。また、フレクシャーにチップがないことから、フレクシャーの重量が軽減されるため、フレクシャーの記録媒体のうねりなどへの追従性が向上する。
【0052】
また、本発明の第3の実施例の光ヘッドによれば、実施の形態1および2で説明した効果に加え、光通過部を設けたことによって、フレクシャーを構成する材料に入射光を透過しない材料を用いることができる。
【0053】
また、本発明の第4の実施例の光ヘッドによれば、実施の形態1から実施の形態3で説明した効果に加え、各スライダーに個別のフレクシャー部を設けることによって、各フレクシャー部の可動部にかかる重量を軽減することができるため、記録媒体のうねりなどに対する追従性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ヘッド1000を説明する図である。
【図2】本発明の光ヘッド1000を用いた光ヘッドアセンブリ1001を説明する図である。
【図3】本発明の光ヘッド1000の製造方法を説明する図である。
【図4】本発明の光ヘッド2000を説明する図である。
【図5】本発明の光ヘッド3000を説明する図である。
【図6】本発明の光ヘッド4000を説明する図である。
【図7】従来の光ヘッドを説明する図である。
【符号の説明】
1 フレクシャー
2 チップ
3 開口
4 スライダー
5 基部
6 光導入部
7 支持層
8 エッチングストップ層
9 軸
10 軸
11 固定部
12 外周部
999 入射光
1000,2000,3000,4000 光ヘッド
1001 光ヘッドアセンブリ
Claims (6)
- 負荷加重を与えるサスペンションアームに取り付けられる固定部分と、
前記固定部分に取り付けられ、前記固定部分に対する姿勢を変化し得るフレクシャー構造と、
前記フレクシャー構造に取り付けられ、記録媒体との相対運動により浮上力を得、前記負荷加重と前記浮上力との均衡により前記記録媒体との間に隙間をつくるスライダーと、
前記固定部分または前記フレクシャー構造の前記記録媒体と対向する位置に備えられ、近接場光を生成する錐状のチップと、
前記固定部分に備えられ、前記近接場光の生成に用いられる光を前記チップに向けて導入する光入射部とを備え、
前記フレクシャー構造は、前記固定部分の前記記録媒体に面する側に形成されているものであり、所定方向の軸及び前記所定方向に対する直交軸を中心として前記スライダーを回転動作させるために用いられるものであることを特徴する光ヘッド。 - 前記フレクシャー構造は、
前記スライダーの側方に備えられた外周部と、
前記スライダーを支持するフレクシャーと
を備え、
前記所定方向の軸は、前記固定部分と前記外周部とを連結するものであり、
前記直交軸は、前記外周部と前記フレクシャーとを連結するものであることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド。 - 前記フレクシャーは、前記光入射部を通る光軸上に配置された透明部分を備え、
前記チップは、前記透明部分に取付けられていることを特徴とする請求項2に記載の光ヘッド。 - 前記光入射部を通る光軸上に配置され、チップを支持する透明部分を備え、
前記透明部分は、前記固定部分に取付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の光ヘッド。 - 前記チップは、前記所定方向の軸を通る仮想線と前記直交軸を通る仮想線との交点部に取付けられていることを特徴とする請求項3に記載の光ヘッド。
- 前記所定方向の軸は、所定方向第1軸及び所定方向第2軸を備え、
前記直交軸は、第1直交軸及び第2直交軸を備え、
前記フレクシャー構造は、前記スライダーのそれぞれのうちのいずれか一方を、前記所定方向第1軸及び前記第1直交軸を中心にして回転動作させるために用いられるとともに、前記スライダーのそれぞれのうちの他方を、前記所定方向第2軸及び前記第2直交軸を中心にして回転動作させるために用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド。
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