JP4416522B2 - 分光器 - Google Patents

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Description

本発明は分光器に関し特に、光学素子の反射率や透過率等を所定の波長の光で計測する際に好適なものである。
従来より、ミラーやレンズ等の光学素子の反射率や透過率を分光器より得た単色の光で計測し、光学素子の特性を分析することが行われている(例えば特許文献1)。
光学素子の分析などの目的のために用いられる分光器を用いた計測装置では、光源からの光を分光して特定の波長の光のみを取り出して光学素子に照射し、光学素子からの反射光や透過光、発生する2次電子などを計測している。例えば、蛍光X線分析や、オージェ電子分析、真空中の試料表面にX線を照射し、放出される光電子のスペクトルを計測する光電子分光解析、X線吸収分光法(XAS)により得られるXAFS(スペクトル微細構造)解析などが行われている。また、反射鏡の反射率などの光学素子の特性を評価することも行われてきた。
このような計測装置には、光源としては、シンクロトロン放射光光源、レーザ励起プラズマ光源、放電プラズマ光源などが用いられる。又分光器としては回折格子分光器あるいは結晶分光器が用いられる。
従来の分光器は回折格子または分光結晶等の分光手段の入射光に対する角度を変化させて、入射光の入射角を変えて、所定の出射スリットから出射する出射光の波長を変化させていた。又は、当該分光手段に対する出射スリットの位置を変えることにより出射光の波長を変化させていた。
一方、分光器の出射スリットから出射する光の波長は、回折格子の角度設定や回折格子の溝間隔、入射スリット位置、出射スリット位置などによって決定される。これらの分光器の出射スリットから出射する光の波長を決定するパラメータは一定の誤差を有するため、従来より、出射スリットから出射される光の波長が所望の波長であることを確認する必要があった。
この目的のため、従来はガスセルによる出射光の波長の測定が行われてきた。ガスセルは光を透過する薄膜の窓をもった密閉容器にガスを所定の圧力に充填したものであり、これを用いてガスセルに封入されたガス固有の吸収スペクトル構造をもとに分光器から出射する光の波長を決定するものである。充填するガスの種類は校正を行う光の波長に応じて選ぶ必要があり、波長13〜14nm領域では、この波長域に吸収スペクトルをもつガスとして一般にクリプトンガスが用いられる。ガスセルの吸収による入射光の減衰を測定する場合には、ガスセルを通過したビームの強度を検出器で測定する。またガスセルなしでのビーム強度を測定し、その強度の比からガスセルの透過率を求める。
図2は従来の分光器の一例の概略図である。この図を用いて従来の波長測定方法を説明する。図2において光源1から放射された光は入射スリット3を通過し、集光凹面鏡等の光学素子4で集光される。光学素子4で反射された光は、光源1と光学素子4の特性により、ある固有のスペクトルを持つ光5となっている。
光5は入射スリット6で適当な波長分解能に設定され、回折格子8に入射する。回折格子8は回折格子の回転角を変える駆動機構9によって駆動される。回折格子8の回転状態により、出射スリット14から出射する波長の範囲が決定され、特定の波長の光27のみが出射スリット14より取り出される。
出射スリットから出射した光は光センサ23に照射されその強度を計測することが出来る。また、光源の強度の変化を補正するために、光センサ2で光源強度を計測し、センサ23の強度をセンサ2の強度で除して強度比(I/I0)を計算することが出来る。
出射スリットからの出射光の波長の測定は、当該射出光の波長域に使用するガスセルの吸収帯が含まれている場合には、図2に示すように出射スリットの後段に当該ガスセルを挿入し、光センサ23による光強度の変化を測定することで行うことが出来る。
また、当該射出光の波長域に使用するガスセルの吸収帯が直接含まれていない場合には、周辺に存在する複数のガスセルの吸収帯の位置から、以下のような手段によって分光手段の角度θと出射スリットからの射出光の波長の関係を求め、当該関係に基づいて分光手段の角度θを制御することで所望の波長を有する射出光を得ていた。
分光手段の角度θと出射スリットからの射出光の波長の関係の測定は、まずガスセル11を外した状態で、分光手段8の入射光に対する角度θをスキャンさせながら強度比(I/I0)を計測する。その結果、図3に示すような曲線31を得る。
次に、ガスセルを挿入して、ガスセルの吸収帯を含んだ曲線32を取得する。
次に、ガスセルによる吸収帯が現れる角度θを明らかにするために、曲線32の各θに応じた強度比を曲線31の各θに応じた強度比で除することで、図4のように各角度θにおける光の透過率33を得る。このとき、曲線33に示すように透過率が小さくなる波長(図では模式的にλ1、λ2、λ3と記載した)は使用したガスセルに固有の吸収波長であるので、曲線33の関係から図5に示すように、分光手段の角度θと出射スリットからの射出光の波長の関係を示すθ〜λ曲線34を得ることが出来る。
このようにして求めたθ〜λ曲線34により、所望の射出光の波長に応じた角度θに分光手段8を設定することで、所望の波長を有する射出光を得ていた。
Beamline for measurement and characterization of multiplayer optics for EUV lithography (J.H. Underwood, E.M.Gullikson) 52/SPIE VOL.3331
前述のように、図2に示したような分光器から出射する光の波長は、回折格子や分光結晶などの分光素子の位置と角度、およびピンホールやスリット等の光束制限手段の位置によって決まる。このため分光器は非常に精密な機構をもちこれらの位置や角度を精密に制御している。
しかし環境温度変化や、光照射による素子の温度変化や、分光器を設置する架台や床の形状変化、大気圧の変動による真空チャンバの伸縮などの要因により、光学素子や光束制限手段の位置や角度が変化し、出射する光の波長が変動することは避けられない。
このため、従来は上記の様にガスセル等を用いて射出光の波長を測定して校正を行っても、使用中にその波長が変化する問題が生じていた。また、この場合には、図5に示したθ〜λ曲線34自体が変化するため、経時変化した波長を再校正することは非常に煩雑となっていた。このため、結果的に分光器からの射出光の波長を精度良く所望の波長に保持することが困難であった。
更に、図2に示したように、出射スリットを通過した光線についてガスセル等により波長測定を行う場合には、その都度毎に分光器の使用を停止する必要があり、分光器の使用中に射出光の波長をその場測定することが困難であった。
本発明は、分光器の出射スリットから出射する光の波長が予め設定した波長となるように波長校正を短時間でかつ高精度に行うことができる分光器の提供を目的とする。
さらに、分光器の使用中においても出射スリットからの出射光の波長をその場観察することができる分光器の提供を目的とする。
請求項1の発明の分光器は、単一の光源からの光束であって溝間隔が一定の単一の回折格子で分光した光のうち、所定の波長の光を出射スリットの開口部から出射する分光器において、前記出射スリットの開口部の両側であって、
前記出射スリットの遮光部に配置され、該分光した光のうち前記出射スリットの開口部を通過しない光の少なくとも一部の光のスペクトルを取得し、取得したスペクトルに基づいて、該分光した光のうち該出射スリットの開口部から射出する光の波長を決定可能な空間分解能を持つ光センサを有していることを特徴としている。
請求項2の発明は請求項1の発明において、該分光した光のスペクトルの各輝線と波長とが対応づけられた基準スペクトル分布を記憶する記憶装置と、該記憶装置に記憶された基準スペクトル分布と前記取得されたスペクトルとの比較を行うことにより、前記取得されたスペクトルに基づいて該出射スリットから射出する光の波長を制御するコントローラとを有することを特徴としている。
請求項3の発明の分光器は、単一の光源からの光束であって溝間隔が一定の単一の回折格子で分光した光のうち、所定の波長の光を出射スリットの開口部から出射する分光器において、
前記出射スリットの開口部の両側に配置され、該分光した光のうち前記出射スリットの開口部を通過しない光のスペクトル分布を測定する光センサを有し、
前記光センサによる測定結果を用いて、該分光した光のうち前記出射スリットの開口部から出射する光の波長を制御することを特徴としている。
請求項4の発明は請求項3の発明において、基準スペクトル分布と前記光センサにより測定されたスペクトル分布とを比較することにより、
該測定されたスペクトル分布のうち前記所定の波長に対応する部分が前記出射スリットの開口部に移動するように、前記分光手段の角度を制御するコントローラを有することを特徴としている。
本発明によれば分光器の出射スリットから出射する光の波長が予め設定した波長となるように波長校正を短時間でかつ高精度に行うことができる分光器が得られる。また、分光器の使用中においても、出射スリットからの出射光の波長をその場観察することができる分光器の波長校正方法及びそれを用いた測定装置が得られる。
以下、具体的に各図を用いて各実施例の説明を行う。
図1は、本発明の実施例1の分光器の要部概略図である。図1において光源手段1から放射された光は入射スリット3を通過し、集光作用のある凹面ミラーや非球面ミラー等の光学素子4で集光される。
光源手段1は、例えばレーザプラズマ光源より成りターゲット材料に集光したレーザ光をパルス状に照射し、高温のプラズマを発生させ、軟X線やEUV光を発生させる。このような光源手段1からは、特定の波長に輝線を有するような固有のスペクトルを有する光束が発生する。本実施例においては、光源手段1の一例として銅箔にレーザ光線を照射することにより主にEUV光源として用いられる光線を含むスペクトルを発生させている。EUV光源を用いて図1に示すような分光器を構成する場合には、ガス分子による光線の吸収が問題となるため、光路が真空に保たれていることが望ましい。
本実施例は以下に説明するように、単一の光源からの光束が有するスペクトルに基づいて波長の選択を行うことを特徴とするため、発明が適用される光源はEUV光源に限定されず、特徴的なスペクトル光を発する光源であれば適用可能である。
光源手段1として上記の様に軟X線やEUV光を発生する光源を用いた場合には、十分な反射率を得るために、光学素子4として多層膜による回折を利用して反射を生じさせる多層膜ミラーが用いられる。多層膜ミラーによっては、入射した光線のうちで所定の波長域の光線のみが所定の方向に反射される。この結果、光源手段1と光学素子4の特性により光学素子4からの光束5は、ある固有のスペクトルを持っている。
光束5は回折格子8を回転させる駆動機構(アクチェータ)9によって駆動される回折格子(分光手段)8で分光され、出射スリット14に入射し、特定の波長の光27のみが開口部分より出射するようにしている。
回折格子8は角度を設定するステージに載っており、そのステージには、駆動用モータとロータリーエンコーダ等を有する駆動機構9が設けられており、回折格子8の入射光に対する角度を設定し、同時にその角度を計測することができるようになっている。回折格子8の上流(光入射側)に設けた入射スリット6と、下流(光出射側)に設けた出射スリット14は、回折格子8に入射する光線と出射する光線のなす角度、すなわち偏角が所定の角度になるような位置に配置されている。当該偏角を所定の角度にした状態で回折格子8を回転して回折格子8への入射角を変化させることで、異なる波長の光を出射スリット14の開口より取り出している。
出射スリット14の光入射側の面には、溝間隔が一定の単一の回折格子8からの光束10の分光方向に所定の長さを有する。それと共に、開口部から射出する光の波長を決定可能な所定の分解能(空間分解能)を有する1次元または2次元の光センサ13aが配置されている。光センサ13aは一般のCCD素子等により構成される。この光センサ13aには、回折格子8で分光された光束10のうちで出射スリット14の開口部を通過しない光束が照射され、当該光センサ13aの各位置における強度測定することで、全体として光束10のスペクトル分布の一部を得ることが出来る。光センサ13aを構成する画素が分布する領域の端部は、出射スリット14の開口(開口部)の端部と一致、又はなるべく近くする配置することが測定精度の点で好ましい。このように分光された光束10のうちで出射スリット14の開口部を通過しない部分(遮光部)のスペクトルを測定することで、この測定結果を用いて当該出射スリット14から射出する光束の波長を知ることが可能となる。
図1において、回折格子8は全体として所定の光学的なパワーを持つことが好ましく、光源手段1の像が出射スリット14(光センサ13a)上に結像するようにすることで、光束10に含まれる光線が出射スリット14に単一のスペクトルを構成することとなり、センサ13aにおいて精度良く光束10のスペクトル分布を得ることができる。入射スリット6は光学素子4に関して光源手段と共役の位置に配置され、必要に応じて実質的な光源の大きさを制限する機能を有する。
また、図1においては、光センサ13aが出射スリット14の一方にのみ取り付けられているが、両側に取り付けることで更に測定の範囲を広げることが出来る。
図1のような構成を持つ分光器において、出射スリット14から射出する光束の波長を正確に制御する方法について以下に説明する。
まず、光源手段1から放射され、光学素子4で集光された光束5が回折格子8で分光されることで得られる基準スペクトル(基準スペクトル分布)の取得方法について記載する。
基準スペクトルを得るためには、図1においてガスセル11等を光路中に挿入しない状態で、回折格子8の角度θを所定の角度θ0に設定して光源1を発光させてセンサ13aでスペクトル分布を計測する。これにより得られるスペクトル分布の一例として、スペクトル分布38を図6に示す。図6において、スペクトルが得られているのはセンサ13aを構成する画素が存在する領域で、当該領域の端部と出射スリット14の開口部の端部を一致させているため、図6中でスペクトル分布38の右側は出射スリット14の開口部に相当する。
次に上記で得られたスペクトル分布38の横軸はセンサ13a上の位置に対応するため、基準スペクトルとして使用するためにはスペクトル分布38中の各輝線がいかなる波長に対応するかの対応付けを行い、基準スペクトルの横軸を決定する必要がある。
波長の対応付けの方法の一例として、光源手段1における光源の発光の方法(被励起物質等)と光学素子4、回折格子8等の特性を考慮することで、基準スペクトル中の各輝線が有する波長が予想される場合には、それによって図6のスペクトル分布38の横軸に相当する波長分布を決定することが出来る。
一方、本実施例においては、ガスセルを用いた測定により図6のスペクトル分布38の横軸に相当する波長分布を決定する方法について以下に説明する。
ガスセルを用いた測定は、図1において吸収波長が既知のクリプトンガスを用いたガスセル11を回折格子とセンサ13a間の光路中に挿入して、他は上述のスペクトル分布38中の測定と同じようにして計測を行う。この測定により、センサ13aには上記スペクトル分布38と比較して、ガスセル中のクリプトンガスによって所定の波長の光が選択的に吸収されたスペクトル分布39を得られる。図7には、得られたスペクトル分布39をスペクトル分布38中と比較して示す。このガスセル挿入時のスペクトル分布39をガスセル非挿入時のスペクトル分布38で除することで、図8の曲線40に示されるようなガスセルによる吸収曲線が得られ、λa、λbのようなクリプトンガスによって選択的に吸収された波長が観測される。これによって、図9のようにセンサ13a上の位置と波長の関係41が判明し、上記で得られたスペクトル分布38の横軸に対応する波長を決定し、基準スペクトルとすることができる。センサ13a上の位置と波長の関係41は一定の波長域であれば直線的に近似することが十分に可能である。
スペクトル分布と当該分布中に現れるガスセルによる吸収の位置の関係はその原理上不変である。このため、上記の方法により基準スペクトルを決定した後は、光源手段1や光学素子4を変更するなどによりスペクトル分布自体が変化しない限りは有効であり、頻繁にガスセルを使用した校正を行う必要を無くすることが出来る。
以上のようにして、具体的な波長との関連付けを行った基準スペクトル25をコントローラ26の記憶手段に記憶する。以後は、この基準スペクトル25とその都度得られるスペクトルの波形を比較することにより、スペクトルを構成する各部位の波長を知ることができる。
次に、上記で取得した基準スペクトルを使用して、出射スリット14から所望の波長の光束を射出し、且つ当該射出されている光束の波長を所定に保つ方法について説明する。
図10は、基準スペクトルを使用して出射スリット14から射出する光束の有する波長帯を所定に保つ簡易な方法を示す。この方法においては、基準スペクトル25内に見出された所望の波長を有する部分と対応するスペクトル分布38の一部分を、回折格子8を回転させることで出射スリット14の開口部分に移動することで出射スリット14から当該波長の光束を射出している。また、スペクトル上で当該所望の波長を有する部分との関係が明らかな他の波長を有する部分であって、当該所望の波長域を出射スリット14の開口部分に移動した際にセンサ13a上に投影されるスペクトルの部分の当該センサ13a上での位置を所定に保持することで、出射スリット14から射出している光束が所望の波長を有することを補償し、且つその状態を保持することを可能としている。
具体例として、図10において、上記基準スペクトル25と相似形であるスペクトル分布38の中から、所望の波長域を出射スリット14から射出させる方法について説明する。上記説明したように、基準スペクトル25には対応する波長が横軸として付されているため、当該基準スペクトルの形状とスペクトル分布38を比較することで、スペクトル分布38内のどの部分が所望の波長に対応するかを知ることができる。この結果、例えば簡単のために、スペクトル分布38中のAで示した部分が所望の波長を有する部分である場合、センサ13a上に投影されるスペクトルを観察しつつ、回折格子8を基準スペクトル25を取得した角度θ0から必要な量だけ回転して、当該Aで示した部分が出射スリット14の開口部分に相当する位置に図10中の矢印のように移動させる。これにより、所望の波長の光束を出射スリット14の開口部分から放出することが出来る。
しかしながら、この時には、当該Aで示した部分はセンサ13a上には投影されず、必ずしも当該Aの部分が出射スリット14を通過していることを補償することができない。このため実際には、例えば当該Aの近傍にある図10中のBの位置に着目し、AがA’に移動するような移動量だけBを移動させてB‘とすることで、AをA’に移動する。さらに当該B’のセンサ13a上での位置が変化しないように回折格子8の角度を保持することで、使用中のその場観察によって、分光器の各部分の特性変化によらず確実に所望の波長の光束を出射スリット14から射出することが可能となる。
上記操作と同時に、後に説明するような出射スリット14の駆動手段15により出射スリット14の開口幅を調整することで、出射スリット14から射出する光束の波長域の幅を決定する。
所望の波長域を出射スリット14に移動する際に着目する基準としては、上記のようにスペクトル中の特徴的な部位を用いてもよいし、センサ13a上に観察されるスペクトル全体の形状を基準にしてもよい。これらの操作は測定者が行っても良く、公知のパターンマッチング等により自動的に行っても良い。また、所望の波長帯と出射スリット14の位置を一致させるには、出射スリット14の開口位置自体を移動してもよい。
更に上記では、基準スペクトル中の一部分を選択して出射スリットから射出させる方法について説明したが、図9に示したセンサ13a上の位置と波長の関係41を応用して外挿することで、基準スペクトル25には含まれない波長(例えば、図9内のλc)を正確に射出することも出来る。
次に、上記で取得した基準スペクトル25を使用して回折格子8の回転角を校正し、これによって出射スリット14から所望の波長の光束を射出させる他の方法について説明する。この方法では、基準スペクトルを使用して回折格子8の回転角に対応してセンサ13a上に得られることが期待されるスペクトルと、実際にセンサ13a上に得られたスペクトルの差を明らかにして、その差分を考慮しながら回折格子8の回転角を適切に設定して所望の波長の光束が出射スリット14から射出されるようにしている。このように基準スペクトルを使用して回折格子8の回転角を校正することで、実際の測定中は従来の回折格子8の回転角のみによる射出光束の波長の制御を行っても容易に高い精度を得ることが出来ることとなる。
使用による分光器各部の特性の変化分を吸収して、回折格子8の回転角と射出光束の波長の対応付けを行うための校正は以下のように行う。まず、回折格子8の角度θを基準スペクトル計測時の回折格子設定角度であるθ0に設定して、センサ13aによりスペクトル分布を計測する。図11に示すように、このときの計測結果であるスペクトル分布43とコントローラ26の記憶手段に記憶されている基準スペクトル25(スペクトル分布38)を比較して、例えば特徴的部分であるA”を本来のAと対応する位置になるように、その変位分44だけ回折格子8の回転角をずらすことで行う。このときの回折格子8の角度を新たにθ0として以後の測定を行う。
上記の校正方法では、使用による分光器各部の特性の変化に起因した回折条件の変化が生じても、予め取得した基準スペクトルとの比較により回折格子8の回転角を校正することによって、回折格子8の回転角による射出光束の波長の制御を行う場合にもガスセル等を用いることなく容易に校正が可能である。
次に、図1のような構成を持つ分光器において、取得される基準スペクトルや使用時にセンサ13a上に得られるスペクトル分布の分解能を高め、また出射スリット14から射出する光束の波長選択性を高める方法について説明する。
上記で説明したように、図1において入射スリット6は光学素子4に関して光源手段と共役の位置に配置され、必要に応じて実質的な光源の大きさを制限する機能を有する。上記のように、光源手段1として例えばレーザプラズマ光源を使用した場合、光源が一定の広がりを持つことで必ずしも点光源とはならず、回折格子8上の各位置に入射する光束の入射角度が一定とはならない。このような場合には、回折格子8を入射光の基準光線に対して所定の角度に設置した場合でも、実際には異なる角度で回折格子8に入射する光が存在し、結果的に出射スリット14(センサ13a)には複数のスペクトルが重畳して投影されることとなる。
図16(a)〜(c)は、光源手段1に含まれる光源の大きさと、入射スリット6の開口大きさ、出射スリット14上に得られるスペクトルの分解能について説明するための図である。図16においては、簡単のために図1に示した分光器の光路を共軸的に表現している。図中の各符号は図1中の符号と対応する。尚、回折格子8は入射スリット6と出射スリット14を共役の位置とする光学パワーを有することが望ましいため、図中では理解を容易にするために凸レンズとして記載してある。また回折格子8の分光作用は波長の異なる光線を図の上下方向に分離させることで表現している。
図16(a)は光源手段1に含まれる光源が十分に点光源とみなせる場合について示している。この場合には、回折格子8に入射する光束は入射スリットの開口の一点から射出しているとみなせるため、回折格子8上の各位置への入射角度は一定であり、出射スリット14上には光源が有するスペクトルがそのまま(輝線の半値幅を変えずに)投影される。
一方、実際の光源(図中の1’)は一定の広がりを持つため、入射スリット6の開口が大きい場合(図16(b))には、光源内の異なる位置から射出して回折格子8に入射する光線は、異なる角度で回折格子8に入射し、それぞれの回折光は少しずつ位置を変えて出射スリット14上に投影される。この結果、出射スリット14上にはこれらの回折スペクトルが重畳したものが投影され、分解能が低下する。
これに対し、一定の広がりを持つ光源を使用した場合でも、入射スリット6の開口を十分に小さくすることで(図16(c))、回折格子8に入射する光線は点光源から発せられたものとみなすことが可能となり、出射スリット14上に形成されるスペクトル分布は十分な分解能を有することとなる。
以上、説明したように、入射スリット6の開口を小さくすることで、出射スリット14上に形成されるスペクトル分布は十分な分解能を有することとなる。しかし、その場合には、出射スリット14に到達する光量が低下するため、実際に分光器として所望の波長の光線を得る場合には入射スリット6の開口が一定の面積を有するように制御する必要がある。
図1において入射スリット6は、その開口の大きさを制御する制御手段7を有し、制御手段7はコントローラ26に接続されることで入射スリット6の開口を制御している。制御手段7によって得られるスペクトル分布の分解能を高めることにより、基準スペクトルの取得や、ガスセルによる吸収線の特定、回折格子8の角度校正などを精度良く行うことが可能となる。
図12は、本発明の実施例2の測定装置の要部概略図である。図12においては、図1で示した部材と同一部材には同符号を示している。この実施例においては図1に示した校正に対して、出射スリット14上にセンサ13が追加されている。
図13は、センサ13aと13bとを用いて得られる基準スペクトルの例を示す。図13の基準スペクトル52についても実施例1と同様の方法でその横軸にスペクトル各部に対応する波長が関連付けられた上で、コントローラ26の記憶装置に記憶される。図12に示すように出射スリット14の開口部に相当する位置51の両側にそれぞれセンサ13aと13bとを設けて、当該開口部の両側に形成されるスペクトル分布を計測することで、より広い波長範囲を基準に射出光束の波長の制御や回折格子8の回転角の校正が可能となる。
図14は、本発明の実施例3の測定装置の要部概略図である。図14において図1で示した部材と同一部材には同符号を示している。図14において、回折格子8による光束10の波長分散方向に所定の長さと分解能を有する画素列からなる一次元もしくは二次元の光センサ16が、出射スリット14の後段に配置されている。センサ16は挿脱機構28により、必要に応じて光路上への挿脱が可能である。
光センサ16は、上記の各実施例で説明したセンサ13と同様に、基準スペクトルの取得と、回折格子8の回転角の校正に用いられる。センサ16は出射スリット14の開口部を塞ぐようにしてスペクトルの取得を行うため、上記のセンサ13等のように出射スリット14を射出する光束の波長をその場観察することは出来ない。しかしながら、比較的簡単な構成によって、センサ13と同様に基準スペクトルとのスペクトル形状等の比較により、ガスセル等を使用せずに容易に出射スリット14を通過した光束の波長の確認と回折格子8の回転角の校正が可能である。基準スペクトルの取得、回折格子8の回転角の校正の手順は実施例1と同様である。
図14のように光センサ16を出射スリット14の後方に配置する構成は、特に出射スリット14の開口部分が比較的広く、スリットの透過光内に複数の輝線が含まれる場合に有効である。
一方、出射スリット14の開口幅がスペクトル内の輝線の幅に比較して小さい場合には、スペクトルの取得時に出射スリット14の開口の幅及び位置を調整する駆動手段15を使用することが有効である。また、駆動手段15は分光器に望まれる射出光の波長と校正に使用する輝線等が比較的離れた波長を有する場合にも有効である。
図15は、本発明の実施例4の測定装置の要部概略図である。図15においては図1、図14等で示した部材と同一部材には同符号を付している。図15は本発明に係る分光器を特に反射率計として使用する場合の望ましい実施の形態について示している。
図15においては、回折格子8による光束10の波長分散方向に所定の長さと分解能を有する画素列からなる一次元もしくは二次元の光センサ19が、出射スリット14の後段に配置される反射ミラー17からの反射光が入射する位置に配置されている。また、18は当該反射ミラー17を保持すると主にその設置角度を変化する駆動手段である。
反射ミラー17は、出射スリット14近傍に結像した光源像を光センサ19に再結像することが、取得される基準スペクトルの精度を向上する点で望ましい。しかし、光センサ19と出射スリット14間の光学的な距離が十分に小さく、また出射スリット14を通過する光束の開き角度が十分に小さく、輝線スペクトルの同定が可能であれば、必ずしも反射ミラー17による結像関係は必要とされず、例えば平面ミラーを用いた場合でも、十分な精度で基準スペクトルを得ることができる。
特定波長の光線を用いて反射率を測定する反射率計では、射出される特定波長の光線を測定対象である反射面に照射し、反射された光線を光強度計に入射させてその強度を測定することが通常である。このため、本発明に係る基準スペクトルを用いた波長校正機能を有する分光器を反射率計に適用する場合には、図15に示すように分光器の光強度計として測定光の波長分散方向に所定の長さと分解能を有する光センサ19を使用し、反射率の測定対象であるミラーの代わりに出射スリット14近傍に結像した光源像を光センサ19に再結像するように反射ミラー17を設置することで、実施例1で説明したような付加的なセンサを使用せずに同様の効果を得ることが可能となる。
光センサ19を用いて基準スペクトルを取得する手順や、取得した基準スペクトルを使用して回折格子8の角度を校正する手順は実施例1と同様である。また、それらの工程においては、得られるスペクトル分布の幅を拡大するために、出射スリット14の開口幅を駆動手段15により広げることが好ましい。
更に、図15に示した反射率計で反射率が測定されるミラーが所定の光学的パワーを有している際には、光センサ19を当該被測定物のミラーによって出射スリット14と共役とされる位置に配置することが望ましい。そのような配置にすることで、光センサ19上に投影されるスペクトルの形状と基準スペクトルの対比によって、反射率の測定をすると同時に、測定光の有する波長のその場観察をすることが可能となる。
図17は、以上説明した分光器を用いて、測定対象である光学素子の特定波長に対する反射率を測定する際の要部概略図である。上記の実施例で説明したものと同様の構成部材については同様の符号を付している。
図17において、20は反射率を計測する対象の光学素子(被測定物)であり、21は光学素子20からの反射光の大きさを計測するための強度センサであり、感度補正を行うために入射光の強度を直接測定する位置Tと、光学素子からの反射光の強度を測定するための位置Rとに移動可能とされている。上記実施例4で説明したとおり、強度センサ21に回折格子8からの回折光束10の分光方向に分解能を有する光センサ19を用いることで、付加的なセンサを設けることなく基準スペクトルの取得や回折格子8の角度の校正が可能である。一方、実施例1で説明したように光センサ13を使用することにより、出射スリット14を通過する光束の波長が補償されている場合には、強度センサ21として空間分解能を有さない光センサを使用することも可能である。
図17に示した反射率計による光学素子20の反射率の測定法について、1)実施例1に説明した方法などで出射スリット14から所定の波長の光束が射出可能な場合と、2)実施例4で説明したような強度センサ21として空間分解能を有する光センサ19を使用して回折格子8の角度校正と反射率測定の両方を行う場合について、以下にそれぞれ説明する。
1)出射スリット14から所定の波長の光束が射出可能な場合
実施例1に説明した方法で、射出光の波長のその場観察や回折格子8の角度校正が行われることで出射スリット14から所定の波長の光束が射出させている場合、強度センサ21として空間分解能を有さない光センサを使用し、又は空間分解能を有する光センサ19の一部分(又は積分強度)に着目して、光学素子20の反射率の測定を行うことができる。
最初に、特定の波長(λ)における光学素子20の反射率を測定する方法について説明する。まず、光学素子20を駆動手段18により光路外に退避させて、強度センサ21を駆動手段22により位置Tに移動させる。この状態で光源手段1により発光を生じさせて、その際に光源強度モニタ2と強度センサ21によりそれぞれの入射光の強度を測定する。
ここで、光源強度モニタ2の出力をI0t(λ)、強度センサ21の出力をIrt(λ)として、それらの比Rt(λ)を(1)式から求め、その波長での強度センサ21の感度とする。
Rt(λ)=Irt(λ)/I0t(λ) ・・・(1)
次に、光学素子20を光路中に挿入して、計測用の光束10との入射角が所定の角度(φ)となるように、駆動手段18により設定する。同様に、強度センサ21を光学素子20からの反射光が計測できる位置Rに移動する。この状態で再度、光源手段1により発光を生じさせて、その際に光源強度モニタ2と強度センサ21によりそれぞれの入射光の強度を測定する。このとき光源強度モニタ2の出力をIor(λ)、強度センサ21の出力をIrr(λ)とし、それらの比Rr(λ)を(2)式から求め、その波長での反射光強度とする。
Rr(λ)=Irr(λ)/I0r(λ) ・・・(2)
このとき、当該波長λにおける光学素子20の反射率R(λ)は(3)式で得られる。
R(λ) = Rr(λ)/Rt(λ) ・・・(3)
以上のような特定波長における光学素子20の反射率を、一定波長域の複数の波長について行う。図18は以上説明した方法で光学素子20の反射率の計測を行う順序のフローチャートである。
図18において、最初に、測定に使用する所定の波長域の光束が出射スリット14から射出されるように回折格子8の角度と出射スリット14の開口幅を設定する。つまり、測定に使用する光束の中心波長は回折格子8の角度により、使用する波長域の幅は出射スリット14の開口幅により調節する。
次に、実施例1で説明したように予め求められた基準スペクトルとの比較により、射出波長域の確認を行う。この確認は、出射スリット14上に設けられたセンサ13に投影されたスペクトルと基準スペクトルの比較により、基準スペクトル内の所望の部位が出射スリットの位置に対応していることを確認して行う。この際に、入射スリット6の開口幅を調節して、投影されるスペクトルの分解能を調節しても良い。基準スペクトル内の所望の部位が出射スリットの位置に対応していない場合には、再度回折格子8の角度と出射スリットの開口幅を調整する。
次に、被測定物で反射された反射光の強度を図るセンサ21の当該波長での感度(Rt(λ))を測定する。これは上記で説明したように、波長の設定された出射スリット14からの光束を直接センサ21に入射させ、そのときの光源強度モニタ2との出力比を求めることで行う。
次に、被測定物で反射された反射光をセンサ21に入射させて、当該波長での被測定物からの反射光の強度(Rr(λ))を測定する。このときにも光源強度モニタ2との出力比を求めることにより、光源の発光強度が変化した場合にも反射率を正確に求めることが出来る。
次に、上記で求めたセンサ21の感度(Rt(λ))と反射光の強度(Rr(λ))から反射率(R(λ))を求める。以上の測定を所定の全ての波長域について行い、測定を終了する。
以上の測定を、必要とされる全ての波長域で行って測定を終了する。
2)空間分解能を有する光センサ19を使用して回折格子8の角度校正と反射率測定を行う場合
強度センサ21として空間分解能を有する光センサ19を使用する場合、実施例4で説明したように、所定の反射ミラー17を使用することで、光センサ13のような付加的なセンサを使用することなく、回折格子8の角度校正と反射率測定の両方を行うことができる。
最初に、光センサ19を用いて回折格子8の角度と、必要に応じて被測定物の駆動手段18の角度の校正を行う方法について説明する。
これらの角度の校正には、実施例4で説明したような所定の反射ミラー17を駆動手段18に取付けて、実施例1で説明した方法と同様の方法で光センサ19を用いて予め取得した基準スペクトルと同様のスペクトルが光センサ19に投影される様に回折格子8の角度と駆動手段18の角度を調整する。
この時、光センサ19と出射スリット14間の光学的な距離が十分に小さく、また出射スリット14を通過する光束の開き角度が十分に小さい場合には、必ずしも反射ミラー17による結像関係は必要とされず、例えば平面ミラーを用いた場合でも、十分な精度で回折格子8の角度と駆動手段18の角度を校正することができる。
次に、光学素子20の反射率の測定を行うために、反射ミラー17を被測定物である光学素子20と交換すると共に、上記で校正した回折格子8の角度を所定に設定して出射スリット14から所望の波長の光束を射出させる。この状態で光学素子20を駆動手段18により光路外に退避させて、また光センサ19を駆動手段22により位置Tに移動させ、光源手段1により発光を生じさせて、その際に光源強度モニタ2と光センサ19によりそれぞれの入射光の強度を測定して、上記と同様にその波長での光センサ19の感度を求める。
次に、光学素子20を光路中に挿入して、計測用の光束10との入射角が所定の角度(φ)となるように、上記で校正した駆動手段18により設定する。同様に、光センサ19を光学素子20からの反射光が計測できる位置Rに移動する。この状態で再度、光源手段1により発光を生じさせて、その際に光源強度モニタ2と光センサ19によりそれぞれの入射光の強度を測定して、上記と同様にその波長での反射光強度とする。更に上記で求めた光センサ19の感度と反射光強度から光学素子20の反射率を求める。
以上の測定において、光センサ19には必ずしも出射スリット14を通過した光束のスペクトルが良好に投影されないため、上記の光センサ19の感度と反射光強度を求めるに際しては、光センサ19の全面に照射される光束の積分強度を用いることが望ましい。
図19は、以上で説明した空間分解能を有する光センサ19を使用して回折格子8の角度校正と反射率測定を行う場合の反射率の測定方法の流れを示す。尚、出射スリット14上に設けた光センサ13を用いて回折格子8の角度を校正する場合にも、図19に示した測定の流れと同様となる。
まず、回折格子8の角度、及び反射ミラー17を取付けた被測定物の駆動手段18の角度を調節して、基準スペクトルと同様のスペクトルがセンサ19に投影される様にする。このときの回折格子の角度を新たな基準とすることで角度の校正とし、以後の測定を行う。
回折格子8の角度校正を行うに際しては、実施例1で説明したように、入射スリットの開口幅を調節して光センサ19に投影されるスペクトルの分解能を高めて校正を行っても良い。
次に校正された回折格子8の角度と出射スリットの開口幅を所定に設定し、上記図18で説明したのと同様にセンサの感度測定と被測定物からの反射光を測定して反射率を求める。以上の測定を、必要とされる全ての波長域で行って測定を終了する。
本実施例においては、分光器を反射率計として使用する場合について説明したが、同様の操作によって透過率計としても使用できるのは明らかである。また、測定手順は必要に応じて改変することも可能である。
本発明の実施例1の概略図 従来の分光器での波長校正方法の概略図 従来の分光器における波長校正に係るグラフ(1) 従来の分光器における波長校正に係るグラフ(2) 従来の分光器における波長校正に係るグラフ(3) ガスセル非挿入時のスペクトル分布(基準スペクトル)の説明図 ガスセル挿入によるスペクトル分布の変化の説明図 透過率曲線の説明図 スペクトル分布を測定した画素と波長の関係を示したグラフ 基準スペクトルを利用した波長域選択の例の説明図 基準スペクトルを利用した回折格子の角度校正の例の説明図 本発明の実施例2の概略図 実施例2で取得されるスペクトルの例の説明図 本発明の実施例3の概略図 本発明の実施例4の概略図 入射スリットの波長分解能調整機能の説明図 本発明の実施例5(反射率計)の概略図 反射率の計測のフローチャート(1) 反射率の計測のフローチャート(2)
符号の説明
1:光源手段
2:光源強度モニタ
3:入射スリット
4:光学素子(集光ミラー)
5:集光された光束
6:入射スリット(波長分解能設定スリット)
7:入射スリットの駆動手段
8:回折格子
9:回折格子の駆動手段
10:分光された光束
11:ガスセル
13:光センサ
14:出射スリット
15:出射スリット駆動手段
16:光センサ
17:反射ミラー
18:反射ミラー駆動手段
19:光センサ
20:計測対象ミラー
21:光センサー
22:光センサ駆動手段
23:光強度センサ(従来例)
24:基準スペクトル保持手段
25:基準スペクトル
26:コントローラ
27:出射スリットを通過した光束
31:θ〜I/I0グラフの例(ガスセル非挿入)
32:θ〜I/I0グラフの例(ガスセル挿入)
33:透過率プロファイルの例
34:θ〜λ曲線の例
35:ガスセルによる波長構成時のθ〜λ曲線
36:誤差を持った波長構成時のθ〜λ曲線
37:設定波長誤差量
38:スペクトル分布の例(ガスセル非挿入)
39:スペクトル分布の例(ガスセル挿入)
40:透過率プロファイルの例
41:画素〜波長プロファイルの例
42:設定角度θ〜設定波長λプロファイル
43:シフトしたスペクトル分布の例
44:回折格子の角度校正量
51:スリット部
52:スペクトル分布の例
63:波長分解能が低い場合の波長λaのスペクトル
64:波長分解能が低い場合の波長λbのスペクトル
65:波長分解能が高い場合の波長λaのスペクトル
66:波長分解能が高い場合の波長λbのスペクトル

Claims (4)

  1. 単一の光源からの光束であって溝間隔が一定の単一の回折格子で分光した光のうち、所定の波長の光を出射スリットの開口部から出射する分光器において、前記出射スリットの開口部の両側であって、
    前記出射スリットの遮光部に配置され、該分光した光のうち前記出射スリットの開口部を通過しない光の少なくとも一部の光のスペクトルを取得し、取得したスペクトルに基づいて、該分光した光のうち該出射スリットの開口部から射出する光の波長を決定可能な空間分解能を持つ光センサを有していることを特徴とする分光器。
  2. 該分光した光のスペクトルの各輝線と波長とが対応づけられた基準スペクトル分布を記憶する記憶装置と、該記憶装置に記憶された基準スペクトル分布と前記取得されたスペクトルとの比較を行うことにより、前記取得されたスペクトルに基づいて該出射スリットから射出する光の波長を制御するコントローラとを有することを特徴とする請求項1に記載の分光器。
  3. 単一の光源からの光束であって溝間隔が一定の単一の回折格子で分光した光のうち、所定の波長の光を出射スリットの開口部から出射する分光器において、
    前記出射スリットの開口部の両側に配置され、該分光した光のうち前記出射スリットの開口部を通過しない光のスペクトル分布を測定する光センサを有し、
    前記光センサによる測定結果を用いて、該分光した光のうち前記出射スリットの開口部から出射する光の波長を制御することを特徴とする分光器。
  4. 準スペクトル分布と前記光センサにより測定されたスペクトル分布とを比較することにより、
    該測定されたスペクトル分布のうち前記所定の波長に対応する部分が前記出射スリットの開口部に移動するように、前記分光手段の角度を制御するコントローラを有することを特徴とする請求項3に記載の分光器。
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