JP4415685B2 - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のボンネットフード後端部を押し上げてフロントウィンド上に展開するように構成されたエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置に関する技術分野に属する。
従来より、例えば特許文献1に示されているように、車両のボンネットフード後端部を押し上げてフロントウィンド上に展開するように構成されたエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置は知られている。この車両用エアバッグ装置のエアバッグは、車両のボンネットフード後端部の下方位置で展開する第1展開部と、該車両のフロントウィンド上に展開する第2展開部とを有し、上記第1展開部の車幅方向全体が、インフレータより供給されたガスによって展開することで上記ボンネットフード後端部を上方へ押し上げる押上げ部を構成し、この第1展開部と連通する上記第2展開部が、上記インフレータより該第1展開部を経由して供給されたガスによって、該第1展開部により押し上げられたボンネットフード後端部とフロントウィンドとの間の隙間から該フロントウィンド上に展開するように構成されている。そして、フロントバンパに設けられた衝突検出センサによって障害物(歩行者等)との衝突を検出すると、インフレータの起爆を行い、これにより、インフレータよりガスがエアバッグの第1及び第2展開部に順次供給される。この結果、最初に第1展開部が展開し、この展開によりボンネットフード後端部が上方へ押し上げられ、次いで、この押し上げられたボンネットフード後端部とフロントウィンドとの間の隙間から第2展開部が該フロントウィンド上に展開することになる。
特開平2002−308028号公報
ところで、上記従来の車両用エアバッグ装置では、容量がかなり大きいエアバッグ(特に第2展開部)を出来る限り早期に展開させるために、エアバッグの展開力(エアバッグ内のガス圧力)を或る程度高くする必要がある。
しかしながら、エアバッグの展開力が高いと、ボンネットフード後端部を押し上げる第1展開部が展開するときの展開力が高くなり過ぎて、ボンネットフード後端部に瞬時に過大な力が加わってボンネットフードが変形し易くなる。通常は、ボンネットフード後端部の車幅方向両端部を上下移動可能に支持するので、ボンネットフード後端部の車幅方向中央部が両端部に比べて上側に大きく変形し易くなる。このようなボンネットフードの変形があると、ボンネットフード後端部とフロントウィンドとの間の隙間が、車幅方向中央部で大きくなるために、第2展開部の展開動作が意図した通りとならず(フロントウィンドに沿うように展開せず、第2展開部の上端部がフロントウィンドから離れてしまう)、また、ボンネットフードの変形の仕方がエアバッグの展開毎に変化して第2展開部の展開動作が不安定となる可能性があり、ボンネットフードの変形を出来る限り防止するようにすることが望ましい。一方、ボンネットフードが変形しないようにその強度を高めようとすると、車両の重量やコストの増大を招いてしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のように車両のボンネットフード後端部を押し上げてフロントウィンド上に展開するように構成されたエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置に対して、その構成を改良することによって、ボンネットフードの変形を防止して、エアバッグの展開動作を安定させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、第1展開部の車幅方向中央部の一部を、ガスが押上げ部よりも遅れて供給される遅延部とし、エアバッグにおける上記第1展開部の車幅方向中央部の遅延部以外の部分に、インフレータより該エアバッグ内にガスを供給するためのガス流入口と、該ガス流入口より流入したガスを上記押上げ部に導くガス導通路とを設け、上記エアバッグの展開状態において、上記ガス導通路のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積を、上記押上げ部のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積よりも小さく設定することで、上記ガス導通路が上記ボンネットフード後端部に当接しないようにした
具体的には、請求項1の発明では、車両のボンネットフード後端部の下方位置で展開する第1展開部と、該車両のフロントウィンド上に展開する第2展開部とを有するエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置を対象とする。
そして、上記エアバッグの第1展開部の車幅方向両端部が、インフレータより供給されたガスによって展開することで上記ボンネットフード後端部を上方へ押し上げる押上げ部を構成し、上記第2展開部が、上記インフレータより少なくとも上記押上げ部を経由して供給されたガスによって、該押上げ部により押し上げられたボンネットフード後端部とフロントウィンドとの間の隙間から該フロントウィンド上に展開するように構成されており、上記第1展開部の車幅方向中央部の一部は、上記ガスが上記押上げ部よりも遅れて供給される遅延部とされており、上記エアバッグにおける上記第1展開部の車幅方向中央部の遅延部以外の部分に、上記インフレータより該エアバッグ内にガスを供給するためのガス流入口と、該ガス流入口より流入したガスを上記押上げ部に導くガス導通路とが設けられ、上記エアバッグの展開状態において、上記ガス導通路のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積が、上記押上げ部のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積よりも小さく設定されていることで、上記ガス導通路が上記ボンネットフード後端部に当接しないようになされているものとする。
上記の構成により、エアバッグの第1展開部の車幅方向中央部が両端部よりも遅れて展開することになるので、ボンネットフード後端部の車幅方向中央部には、それ程大きな力が作用せず、ボンネットフード後端部の車幅方向両端部を上下移動可能に支持しておくことで、ボンネットフード後端部を変形させないように押し上げることができる。この結果、第2展開部をフロントウィンド上に安定的に展開させるようにすることができる。また、遅延部を展開させることで、ボンネットフードに対し上側から衝撃が加わっても押上げ部及び遅延部により車幅方向全体に亘ってその衝撃を確実に受け止めることができる。
また、インフレータがエアバッグの車幅方向中央部に対応する部分に配設されている場合に、第1展開部の車幅方向中央部の遅延部以外の部分を利用してガスを両端部の押上げ部に供給することができるとともに、ガス導通路の断面積が押上げ部よりも小さく設定されているので、ガス導通路がボンネットフード後端部の押し上げに寄与しないようにすることができる。
請求項の発明では、請求項の発明において、インフレータよりエアバッグの第1展開部の押上げ部に供給されたガスが、第2展開部を経由して該第1展開部の遅延部に供給されるように構成されているものとする。
このことで、第2展開部の展開後に遅延部を展開させることができ、ボンネットフード後端部の車幅方向中央部の変形を確実に防止することができる。
請求項の発明では、請求項1又は2の発明において、エアバッグの展開状態において、該エアバッグの第1展開部の押上げ部は、該第1展開部の車幅方向中央部よりも車両前方に延設されているものとする。
こうすることで、ボンネットフード後端部を、車両前後方向に出来る限り長い範囲に亘って押し上げることができ、ボンネットフードが車両前後方向中間部で折れるのを防止することができる。
以上説明したように、本発明の車両用エアバッグ装置によると、第1展開部の車幅方向中央部の一部を、ガスが押上げ部よりも遅れて供給される遅延部とし、エアバッグにおける上記第1展開部の車幅方向中央部の遅延部以外の部分に、インフレータより該エアバッグ内にガスを供給するためのガス流入口と、該ガス流入口より流入したガスを上記押上げ部に導くガス導通路とを設け、上記エアバッグの展開状態において、上記ガス導通路のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積を、上記押上げ部のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積よりも小さく設定することで、上記ガス導通路が上記ボンネットフード後端部に当接しないようにしたことにより、ボンネットフードの変形を防止して、第2展開部をフロントウィンド上に安定的に展開させるようにすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る車両用エアバッグ装置が搭載された車両1の前部を示し、この車両1のエンジンルーム内における車体カウル部10(フロントウィンド16の前方位置)に、車両用エアバッグ装置のエアバッグ2が収納されている。このエアバッグ2は、車幅方向に延びる略矩形箱状のエアバッグ収納箱3内に折り畳まれた状態で収納されており、このエアバッグ収納箱3は、エアバッグ2が展開する際にエアバッグ2の展開力で容易に破断する材料で構成されている。
上記エアバッグ収納箱3の下側には、上記エアバッグ2内にガスを供給するインフレータ5(図4参照)を収納しかつ上面に開口部を有するインフレータ収納箱4が配設されている。このインフレータ収納箱4の開口部の上側位置に、上記エアバッグ2に設けられかつ該エアバッグ2内にガスを流入させるためのガス流入口2e(図3参照)が配設されており、このガス流入口2eは、展開したエアバッグ2の車幅方向略中央部の下部(後述の第1展開部2aの車幅方向中央部の遅延部2d以外の部分)に設けられている。
上記車両1のボンネットフード11は、車体カウル部10の車幅方向両端部にそれぞれ設けられかつ車幅方向に延びるヒンジ軸12を中心に回動可能に構成されている。すなわち、これら両ヒンジ軸12には、2つのリンク部材13の一端部が回動可能にそれぞれ取り付けられ、該両リンク部材13の他端部がボンネットフード11後端部の車幅方向両端部にそれぞれ回動可能に取り付けられており、ボンネットフード11は、この両リンク部材13を介して上記ヒンジ軸12回りに回動するようになっている。そして、ボンネットフード11前端部の裏面の車幅方向中央部には、ボンネットロック14が設けられており、このボンネットロック14によって、ボンネットフード11はエンジンルーム上側の開口部を閉じた状態にロックされる一方、ロックが解除されると、ボンネットフード11前端部を上側に持ち上げることで上記各ヒンジ軸12回りに回動して、エンジンルーム上側の開口部を開放状態にすることができるようになっている(図2の一点鎖線参照)。
尚、上記各リンク部材13は、互いに嵌合しかつ長さ方向にスライド可能な外筒部材13aと内筒部材13bとからなっていて、このスライドによりリンク部材13の長さが変化可能になっているが、後述の如くボンネットフード11後端部がエアバッグ2の展開により押し上げられるとき以外は、リンク部材13の長さは変化せず最も短い状態にある。
また、上記ボンネットフード11は、ボンネットロック14によってエンジンルーム上側の開口部を閉じた状態にロックされているときに、該ボンネットフード11の後端部裏面に上方へ押し上げる力(所定値よりも大きい力)が加わると、図2に二点鎖線で示すように、上記ボンネットロック14の箇所が、車幅方向に延びる回動中心軸となって、その回動中心軸回りに回動するようになっており、このことで、ボンネットフード11後端部が上方へ移動するようになっている。このとき、ボンネットフード11の回動に連れて、外筒部材13aと内筒部材13bとの互いのスライドにより上記リンク部材13の長さが長くなる(但し、所定長さになると不図示のストッパによりそれ以上はスライドしない)。つまり、ボンネットフード11後端部は、リンク部材13によって上下移動可能に支持されていることになる。そして、上記ボンネットフード11後端部の押上げ力は、エアバッグ2(後述の第1展開部2aの押上げ部2c)の展開力によって得られ、エアバッグ2が展開すると、ボンネットフード11後端部が上方へ押し上げられることになる。
尚、上記ボンネットフード11の裏面における周縁部全周及び対角線上には、従来の通常のボンネットフードと同様に、補強板15が設けられている。
上記エアバッグ2は、図1で二点鎖線で示すように、車体カウル部10からフロントウィンド16に沿うように車両後側に向かって上方に延びて展開するようになっている。具体的には、このエアバッグ2は、図3にも示すように、車両1のボンネットフード11後端部の下方位置で車幅方向略全体に亘って展開する第1展開部2aと、車両1のフロントウィンド16上に車幅方向略全体に亘って展開する第2展開部2bとを有している。そして、上記第1展開部2aの車幅方向両端部が、インフレータ5よりエアバッグ2のガス流入口2eを介して供給されたガスによって展開することで上記ボンネットフード11後端部を上方へ押し上げる押上げ部2cを構成している。つまり、この押上げ部2cは、該押上げ部2cの展開時にボンネットフード11後端部の車幅方向両端部に当接して、その展開力によってボンネットフード11後端部を上方へ押し上げるようになっている。
また、エアバッグ2の展開状態において、上記第1展開部2aの車幅方向中央部の上部は、上記ガスが上記押上げ部2cよりも遅れて供給される遅延部2dとされており、後に詳細に説明するように、インフレータ5よりエアバッグ2の第1展開部2aの押上げ部2cに供給されたガスが、上記第2展開部2bを経由して該第1展開部2aの遅延部2dに供給されるようになっている。一方、第1展開部2aの車幅方向中央部の下部(第1展開部2aの車幅方向中央部の遅延部2d以外の部分)には、上記ガス流入口2eと、該ガス流入口2eより流入したガスを押上げ部2cに導くガス導通路2fが設けられている。そして、エアバッグ2の展開状態において、このガス導通路2fのガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積A1が押上げ部2cのガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積A2よりも小さく設定されており、このことで、ガス導通路2fが展開してもボンネットフード11後端部には当接せず、ガス導通路2fの展開によってボンネットフード11後端部が押し上げられることはない。
上記第2展開部2bは、上記第1展開部2aの上側に接続されていて、上記インフレータ5より上記第1展開部2aの押上げ部2cを経由して供給されたガスによって、第1展開部2aにより押し上げられたボンネットフード11後端部とフロントウィンド16との間の隙間からフロントウィンド16上に展開するように構成されている。尚、第2展開部2bの車幅方向両端部は、左右のフロントピラー17上に展開するとともに、押上げ部2cに供給されたガスを第2展開部2bの車幅方向中央部へ導くガス通路2jを構成している。
上記第1展開部2aのガス導通路2fないし押上げ部2cと遅延部2dとの間は、エアバッグ2の上面と下面とを糸で縫い合わせてなる第1縫合部2gにより仕切られており、この第1縫合部2gは、第2展開部2bの上端近傍まで延長されて、第2展開部2bのガス通路2jと車幅方向中央部との間も第1縫合部2gにより仕切られている。
また、上記押上げ部2cの上端部とガス通路2jの下端部との間は、エアバッグ2の上面と下面とを糸で縫い合わせてなる第2縫合部2hにより仕切られているが、その一部は縫い合わされてはおらずオリフィス2iとされている。尚、第1縫合部2gでは、エアバッグ2が展開しても糸が破断されることはないが、第2縫合部2hでは、押上げ部2c内のガス圧力が所定値(ボンネットフード11後端部を押し上げることが可能なガス圧力よりも大きな値)以上となることにより糸が破断されてオリフィス径が大きくなるようになされている。
図4に示すように、上記インフレータ5の起爆制御は、該インフレータ5と接続されたコントロールユニット31によって行われる。このコントロールユニット31は、エンジン制御ユニット等と共用のものであってもよく、別個のものであってもよい。そして、このコントロールユニット31は、衝突予知センサ22、衝突検出センサ23及び車速センサ24と接続されていて、これらセンサ22〜24より各情報を入力して、インフレータ5の起爆制御を行う。
上記衝突予知センサ22は、車両1の障害物への衝突を予知するために、車両1の前方に存在する障害物を検出しかつ車両1とその障害物との位置関係及び距離を測定するセンサ(例えば、レーザレーダ、ミリ波レーダ、超音波レーダ等)であり、コントロールユニット31は、この衝突予知センサ22からの情報と車速センサ24からの情報とに基づいて障害物への衝突を予知する。
上記衝突検出センサ23は、車両1のフロントバンパ21に設けられていて、フロントバンパ21が障害物に接触したときに接触信号をコントロールユニットに送信するようになっており、コントロールユニット31は、この衝突検出センサ23からの接触信号によって車両1の障害物への衝突を検出する。尚、衝突予知センサ22及び衝突検出センサ23の両方を設ける必要はなく、いずれか1つだけであってもよい。
そして、コントロールユニット31は、上記各センサ23〜25からの情報に基づいて、障害物への衝突を予知したか、又は障害物への衝突を検出したときに、上記インフレータ5の起爆を行うようになっている。
このようにインフレータ5の起爆が行われると、図3に矢印で示すように、そのインフレータ5のガスがエアバッグ2の第1展開部2aのガス導通路2fにガス流入口2eより供給され、このガス導通路2fから押上げ部2cに供給される。これにより、押上げ部2cが展開してボンネットフード11後端部が押し上げられる。尚、ガス導通路2fは、押上げ部2cよりも先に展開することになるが、ボンネットフード11後端部の押し上げには寄与しない。また、押上げ部2cに供給されたガスの一部は、オリフィス2iより第2展開部2bのガス通路2jに供給されるが、押上げ部2cが略完全に展開するまでは、オリフィス2iによってガスの第2展開部2bへの流動が制限されて第2展開部2bへは殆ど流れず、この結果、ボンネットフード11後端部を確実に押し上げることができる。
そして、上記押上げ部2cが略完全に展開してボンネットフード11後端部が略完全に押し上げられると、やがて押上げ部2c内のガス圧力が所定値以上となることで第2縫合部2hの糸が破断されてオリフィス径が大きくなり、これにより、ガスが一気に第2展開部2bのガス通路2j及び車幅方向中央部に順次供給されて第2展開部2bが展開する。
続いて、第2展開部2bに供給されたガスは、その下側に位置する第1展開部2aの遅延部2dに供給されて遅延部2dが展開し、このことで、エアバッグ2全体が展開する。
したがって、上記実施形態では、エアバッグ2の第1展開部2aの車幅方向中央部に位置する遅延部2dが両端部に位置する押上げ部2cよりも遅れて展開するので、ボンネットフード11後端部の車幅方向中央部には、大きな力が殆ど作用せず、車幅方向両端部には、或る程度大きな力が作用するが、リンク部材13によって支持されているので、ボンネットフード11後端部を変形させないように押し上げることができる。この結果、押し上げられたボンネットフード11後端部とフロントウィンド16との間の隙間は、常に安定しており、第2展開部2bはフロントウィンド16上に安定的に展開する。すなわち、第2展開部2bがフロントウィンド16に沿うように展開し、第2展開部2bの上端部がフロントウィンド16から離れるようなことはない。また、遅延部2dはボンネットフード11後端部の押上げには殆ど寄与しないが、遅延部2dを展開させることで、ボンネットフード11に対し上側から衝撃が加わっても押上げ部2c及び遅延部2dにより車幅方向全体に亘ってその衝撃を確実に受け止めることができる。
尚、上記実施形態では、エアバッグ2全体のうち遅延部2dが最後に展開するようにしたが、遅延部2dの展開が押上げ部2cよりも遅れる(遅延部2dにガスが押上げ部2cよりも遅れて供給される)のであれば、エアバッグ2をどのように展開させてもよい。例えば、押上げ部2cから遅延部2dにガスを直接供給して第1展開部2a全体を展開させた後、遅延部2dから第2展開部2bにガスを供給して第2展開部2bを展開させるようにしてもよい。或いは、押上げ部2cから遅延部2dと第2展開部2bとの両方にガスを供給して第2展開部2bを展開させるようにしてもよい(第2展開部2bとしては、押上げ部2cと遅延部2dとの両方からガスが供給される)。
また、上記実施形態では、第1展開部2aの車幅方向中央部の一部(上部)を、遅延部2dとしたが、本発明とは異なる参考形態としては、第1展開部2aの車幅方向中央部全体を遅延部2dとしてもよい。例えば、図5に示すように、2つのインフレータ5を設けるとともに、エアバッグ2の2つの押上げ部2cの下端部にガス流入口2eをそれぞれ設け、その各インフレータ5より各ガス流入口2eを介して各押上げ部2cにガスをそれぞれ供給するようにする。そして、上記実施形態と同様に、押上げ部2cに供給されたガスは、オリフィス2iを通って第2展開部2bのガス通路2j及び車幅方向中央部に順次供給された後、第1展開部2aの遅延部2dに供給されることになる。この場合、ガス導通路2fは不要となり、このため、第1縫合部2gは、エアバッグ2の車幅方向中央部には設けられず、押上げ部2cと遅延部2dとの間及び第2展開部2bのガス通路2jと車幅方向中央部との間に設けられる。
さらに、上記実施形態では、押上げ部2cの上端部とガス通路2jの下端部との間に、第2縫合部2h及びオリフィス2iを設けたが、第2縫合部2hにより、押上げ部2cとガス通路2jとを完全に非連通状態で接続するようにしてもよい。この場合は、押上げ部2c内の所定値以上のガス圧力により第2縫合部2hの糸を破断させる必要があるが、上記実施形態のようにオリフィス2iを設けている場合には、第2縫合部2hの糸を必ずしも破断させる必要はない。また、第2縫合部2hを設けないで押上げ部2cとガス通路2jとを連通状態で接続するようにしてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、エアバッグ2の押上げ部2cの車両前端位置が第1展開部2aの車幅方向中央部(ガス導通路2f)の車両前端位置と略同じになるようにしたが、図6に示すように、エアバッグ2の展開状態において、第1展開部2aの押上げ部2cを、該第1展開部2aの車幅方向中央部よりも車両前方に延設するようにすることが好ましい。このようにすると、ボンネットフード11後端部を、車両前後方向に出来る限り長い範囲に亘って押し上げることができ、ボンネットフード11が車両前後方向中間部で折れるのを防止することができる。
本発明は、車両のボンネットフード後端部を押し上げてフロントウィンド上に展開するように構成されたエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置に有用である。
本発明の実施形態に係る車両用エアバッグ装置が搭載された車両の前部を示す概略斜視図である。 図1の車両の前部の概略断面図である。 車両用エアバッグ装置のエアバッグの展開状態を示す平面図である。 車両用エアバッグ装置の構成を示すブロック図である。 参考形態に係る車両用エアバッグ装置のエアバッグを示す図3相当図である。 本発明の実施形態に係る別の車両用エアバッグ装置のエアバッグを示す図3相当図である。
1 車両
2 エアバッグ
2a 第1展開部
2b 第2展開部
2c 押上げ部
2d 遅延部
2e ガス流入口
2f ガス導通路
5 インフレータ
11 ボンネットフード

Claims (3)

  1. 車両のボンネットフード後端部の下方位置で展開する第1展開部と、該車両のフロントウィンド上に展開する第2展開部とを有するエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置であって、
    上記エアバッグの第1展開部の車幅方向両端部が、インフレータより供給されたガスによって展開することで上記ボンネットフード後端部を上方へ押し上げる押上げ部を構成し、
    上記第2展開部が、上記インフレータより少なくとも上記押上げ部を経由して供給されたガスによって、該押上げ部により押し上げられたボンネットフード後端部とフロントウィンドとの間の隙間から該フロントウィンド上に展開するように構成されており、
    上記第1展開部の車幅方向中央部の一部は、上記ガスが上記押上げ部よりも遅れて供給される遅延部とされており、
    上記エアバッグにおける上記第1展開部の車幅方向中央部の遅延部以外の部分に、上記インフレータより該エアバッグ内にガスを供給するためのガス流入口と、該ガス流入口より流入したガスを上記押上げ部に導くガス導通路とが設けられ、
    上記エアバッグの展開状態において、上記ガス導通路のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積が、上記押上げ部のガス流動方向と垂直な方向に切断した断面積よりも小さく設定されていることで、上記ガス導通路が上記ボンネットフード後端部に当接しないようになされていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  2. 請求項記載の車両用エアバッグ装置において、
    インフレータよりエアバッグの第1展開部の押上げ部に供給されたガスが、第2展開部を経由して該第1展開部の遅延部に供給されるように構成されていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  3. 請求項1又は2記載の車両用エアバッグ装置において、
    エアバッグの展開状態において、該エアバッグの第1展開部の押上げ部は、該第1展開部の車幅方向中央部よりも車両前方に延設されていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
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