JP4415590B2 - 浮体構造物の横揺れ低減構造 - Google Patents

浮体構造物の横揺れ低減構造 Download PDF

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本発明は、海上などの沿岸域に浮遊設置されて各種用途に使用される浮体構造物の波浪などによる横揺れを低減する構造に関するものである。
近年、沿岸域の有効利用を図ることが考えられ、浮き桟橋、コンベンション施設やアミューズメント施設、ホテル施設、駐車場施設などをポンツーン形の浮体構造物として製作し、これらを沿岸域に浮遊設置することが行われつつある。
このような沿岸域の浮体構造物を地上構造物と同様に利用しようとした場合、波による揺動を極力低減させる必要があるため、従来における浮体構造物の多くは、沿岸域の定位置に多数のチェーンやワイヤロープなどを用いて係留しているが、単にチェーンやワイヤロープの数を多くするだけでは波による揺動を有効に低減できないのが実情である。
特に沿岸域に設置される浮体構造物では、岸壁に係留された浮体構造物に対して沖合側から略一定の方向の波の力が加わることが多く、この波による横揺れ(ローリング)を低減することが最も大きな課題となっている。
そこで、本特許出願人は、浮体構造物の波の入射側の側面に、喫水線付近を上端として波の進行方向上流側に向け傾斜し且つ下端を浮体構造物の下面深さ付近まで至らせた傾斜板と、該傾斜板の下端から浮体構造物側へ向け略水平に延び且つ適宜位置に開口部を形成した底板とからなる減揺中空体を付設したものを既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
又、平面視でほぼ長方形の浮体構造物の長手方向の片側又は両側の喫水線下に長手方向の張り出し部を設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。
更に、浮体構造物の平面形状は、入射波の入射する方向に所要の長さを有し、入射波の入射する方向と直交する方向に所要の長さを有する矩形形状を成し、且つその長さ方向に沿った側面形状は、入射波の入射する側の辺から長手方向に所要の長さ範囲の喫水を、その他の範囲の喫水よりも深くした段形状とし、浮体構造物の上面が喫水線と平行となるように、喫水を深くした部分にバラストを積載したものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−227683号公報 特開2002−145170号公報 特開2001−233286号公報
特許文献1の形状を採用することによって、事実、浮遊構造物の横揺れに対する波強制モーメント及び横揺れ振幅を小さくして、横揺れを低減できることが水槽試験により確認された。
しかし、特許文献1では、浮体構造物の波の入射側の側面に傾斜した減揺中空体が突出した形状を有しているため、浮体構造物に水上バスなどの船舶が着岸する際に前記減揺中空体が障害となり浮体構造物の上面と船舶との間に間隔が生じてしまい、このために構造的な変更が必要となる問題がある。
又、特許文献2においても、浮体構造物の長手方向の片側又は両側の喫水線下に、長手方向の張り出し部を設けているために、浮体構造物に船舶などを着岸する際に前記張り出し部が障害になる問題がある。又、特許文献2のように側面の喫水線下に横方向に突出した張り出し部を設けたのみでは張り出し部が横揺れ力の抵抗として働くのみであり、浮体構造物の非対称形状によって横揺れを低減することはできず、横揺れの低減効果を有効に高めることは困難である。
又、特許文献3では、浮体構造物の入射波の入射する方向の長さ方向に沿った側面形状を、入射波の入射する側の辺から長手方向に所要の長さ範囲の喫水が、その他の範囲の喫水よりも深くなるように段形状として、入射波の入射する方向に対して前後で非対称形状となっており、この形状の非対称性によって浮体構造物の横揺れを低減することができる。しかし、底部を段形状としたものでは、入射波が入射する側の喫水と反対側の喫水との差を大きくしても非対称性は余り高められず、このために大きな非対称性とするには前後の喫水の差を大きくする必要があるがこのようにした場合、浮体構造物の容積が大型化する問題がある。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、船舶などの着岸が容易にでき、且つ容積を大型化することなしに横揺れの低減効果を高めることができる浮体構造物の横揺れ低減構造を提供することを目的としている。
本発明は、浮体構造物における入射波の入射側の側面に鉛直面を形成し、前記浮体構造物の底面に、前記鉛直面側の喫水が大きく鉛直面と反対側の側面側の喫水が前記鉛直面側に比して小さくなるように全面に亘って直線状に延びた傾斜面を形成して非対称形状を構成したことを特徴とする浮体構造物の横揺れ低減構造、に係るものである。
請求項2に記載の発明は、前記浮体構造物における入射波が入射する方向の幅を、想定される入射波の波長と略同等以上としたことを特徴とする請求項1に記載の浮体構造物の横揺れ低減構造、に係るものである。
上記手段によれば、以下の如く作用する。
浮体構造物の入射側の側面に鉛直面を形成しているので、浮体構造物の海側に突出物が存在しておらず、よって何ら構造的な変更を要することなしに浮体構造物に対して水上バスなどの船舶がそのまま着岸できる。浮体構造物の底面に、鉛直面側の喫水が大きく鉛直面と反対側の側面の喫水が小さくなるように全面に亘って直線状に延びた傾斜面を形成したので、入射波の入射方向前後の全体的な非対称性が有効に高められる。この構成により、浮体底面に作用する上向き圧力の分布が一様な分布に近付き、よって浮体構造物に作用する波強制モーメントが小さくなる。
本発明の浮体構造物の横揺れ低減構造によれば、下記の如き優れた効果を奏し得る。
浮体構造物の入射側の側面に鉛直面を形成しているので、浮体構造物の海側に突出物が存在しておらず、よって何ら構造的な変更を要することなしに浮体構造物に対して水上バスなどの船舶がそのまま着岸できる。
浮体構造物の底面に、鉛直面側の喫水が大きく鉛直面と反対側の側面の喫水が小さくなるように全面に亘って直線状に延びた傾斜面を形成したので、入射波の入射方向前後の全体的な非対称性を有効に高めることができる。この構成により、浮体底面に作用する上向き圧力の分布が一様な分布に近付くことになり、これによって浮体構造物に作用する波強制モーメントが小さくなり、浮体構造物の横揺れが効果的に低減されるようになる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る浮体構造物1の平面形状を示すもので、浮体構造物1は、入射波Sが入射する方向と直交する方向の長さLと、入射波Sが入射する方向の幅Bとを有する平面矩形形状の箱形を有している。
浮体構造物1は、図1をII−II方向から見た側面図である図2に示す如く、入射波Sの入射側の側面に鉛直面2を形成している。
更に、前記浮体構造物1の底面には、前記鉛直面2側の喫水がD1であり、鉛直面と反対側の側面3の喫水がD2であるとき、鉛直面2側の喫水D1が大きく、反対の側面3の喫水D2が鉛直面側の喫水D1に比して小さい、即ち、D2<D1の関係になる傾斜面4を形成し、この傾斜面4によって前後に非対称形状を構成している。
又、前記浮体構造物1は、入射波Sの入射する方向の幅Bを、想定される入射波Sの波長と略同等かそれより大きい寸法としており、これにより浮体構造物1は薄い扁平な箱形となっている。
上記形態例によれば以下の如く作用する。
図2に示す如く、浮体構造物1の入射側の側面に鉛直面2を形成したので、浮体構造物1の海側に突出物が存在しておらず、よって何ら構造的な変更を要することなしに浮体構造物1に対して水上バスなどの船舶をそのまま着岸させることができる。
又、前記浮体構造物1の底面には、前記鉛直面2側の喫水D1が大きく、鉛直面2と反対側の側面3の喫水D2が小さいD2<D1の関係となる連続した傾斜面4を形成したので、入射波Sの入射方向前後の全体的な非対称性を有効に高めることができる。
入射波Sによって浮体構造物1に作用する動的な圧力は水面に近い部分が最も大きく、深度が大きくなるに従ってその圧力は減少する。一方、図2に示すような薄い扁平形状を有する浮体構造物1における横揺れは、前記入射波Sが側面に対して水平に作用する圧力よりも底面に上向きに作用する圧力の方が支配的であることは知られている。
通常の箱形浮体では、図3に示すように波上側と波下側の喫水が同一であるため、底面における圧力は、波上側で高く、波下側で低いという分布をなす。
そのため図3のような非一様な圧力分布に基づく、浮体構造物に作用する波強制モーメントは大きい。
前記した傾斜面4の傾斜角度を大きくすると、入射波Sの入射方向前後における浮体構造物1の非対称性は強化され、これによって、浮体構造物1の容積を大型化することなしに横揺れを有効に低減することができる。それは、波上側で喫水が大きくなることにより上向きの圧力が減少し、波下側で喫水が小さくなることにより上向きの圧力が増加することによって、浮体構造物1の底面に圧力分布が一様に近づき、波強制モーメントが低減するからである。
図4に、本発明の底面に傾斜面4を形成して非対称性を高めた浮体構造物1(実線)と、一般的な側断面が矩形形状を有する浮体構造物(破線)に作用する波の力(モーメント)を計算した結果を比較して示した。横軸は浮体構造物1の幅Bに対して波長λを変化させた値を示し、縦軸は波の力(モーメント)を2次元化した値Mrを示す。図中ρは水の密度、gは重力加速度、ζaは波振幅を表わす。
図4に示すように、本発明の浮体構造物1によれば、浮体構造物1の入射波Sが入射する方向の幅Bを、想定される入射波Sの波長λと略同かそれ以上の大きさとすることにより、実線Xで示すように、破線Yで示す従来の矩形断面の浮体構造物に比して波の力(モーメント)を大幅に低減することができる。
尚、本発明の浮体構造物の横揺れ低減構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
海上などの沿岸域に浮遊設置する浮き桟橋、コンベンション施設やアミューズメント施設、ホテル施設、駐車場施設などの各種用途の浮体構造物の波浪による横揺れを低減できる。
本発明を実施する浮体構造物の一例を示す概略平面図である。 図1をII−II方向から見た側面図である。 通常の箱形浮体における底面に作用する上向き圧力の分布を示すための側面図である。 本発明の浮体構造物と側断面が矩形形状の浮体構造物による波の力を計算して比較して示した線図である。
符号の説明
1 浮体構造物
2 鉛直面
3 側面
4 傾斜面
B 幅
1 喫水
2 喫水
S 入射波
λ 波長

Claims (2)

  1. 浮体構造物における入射波の入射側の側面に鉛直面を形成し、前記浮体構造物の底面に、前記鉛直面側の喫水が大きく鉛直面と反対側の側面側の喫水が前記鉛直面側に比して小さくなるように全面に亘って直線状に延びた傾斜面を形成して非対称形状を構成したことを特徴とする浮体構造物の横揺れ低減構造。
  2. 前記浮体構造物における入射波が入射する方向の幅を、想定される入射波の波長と略同等以上としたことを特徴とする請求項1に記載の浮体構造物の横揺れ低減構造。
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