JP2003267293A - 船舶の波浪抵抗低減構造 - Google Patents
船舶の波浪抵抗低減構造Info
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Y02T70/10—Measures concerning design or construction of watercraft hulls
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造にて平水中抵抗を変えることなく
波浪による抵抗増加を効果的に低減できるようにした船
舶の波浪抵抗低減構造を提供する。 【解決手段】 船体1の喫水線2より高い位置におい
て、船首部Aに略水平に延びる張出しフィン3を設け
る。
波浪による抵抗増加を効果的に低減できるようにした船
舶の波浪抵抗低減構造を提供する。 【解決手段】 船体1の喫水線2より高い位置におい
て、船首部Aに略水平に延びる張出しフィン3を設け
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波浪中を航行する
船舶に作用する波浪による抵抗を低減するようにした船
舶の波浪抵抗低減構造に関するものである。
船舶に作用する波浪による抵抗を低減するようにした船
舶の波浪抵抗低減構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】実海域には波があることから、波浪中を
航行する船舶には平水中抵抗(波がない時に船体が受け
る抵抗)に加えて、波浪による抵抗が働くことになる。
この波浪による抵抗増加を低減することができれば、船
の馬力低減に有効となる。
航行する船舶には平水中抵抗(波がない時に船体が受け
る抵抗)に加えて、波浪による抵抗が働くことになる。
この波浪による抵抗増加を低減することができれば、船
の馬力低減に有効となる。
【0003】前記波浪中を航行する船舶に作用する波浪
による抵抗増加は、主に大きな二つの成分に分けられ
る。一つは波浪中で船体運動があるために起こる抵抗増
加であり、もう一つは船首部で波が反射するために生じ
る船体抵抗である。
による抵抗増加は、主に大きな二つの成分に分けられ
る。一つは波浪中で船体運動があるために起こる抵抗増
加であり、もう一つは船首部で波が反射するために生じ
る船体抵抗である。
【0004】前者の抵抗増加を減らすためには、波浪中
の船体運動を小さくすればよく、このための構造として
は従来からアンチ・ピッチング・フィン(Anti Pitchin
g Fin)やアンチ・ピッチング・タンク(Anti Pitching
Tank)が知られている。
の船体運動を小さくすればよく、このための構造として
は従来からアンチ・ピッチング・フィン(Anti Pitchin
g Fin)やアンチ・ピッチング・タンク(Anti Pitching
Tank)が知られている。
【0005】一方、後者の波の反射による抵抗増加を減
らす方法としては、船首部の水線面形状を鋭角的な形状
にする方法がある。
らす方法としては、船首部の水線面形状を鋭角的な形状
にする方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記アンチ・
ピッチング・フィンは、水面下で船体表面からフィンを
突き出して設けた構造であり、一方、アンチ・ピッチン
グ・タンクは船体表面に水を取り入れる開口部を持つ構
造であり、いずれも船体の平水中抵抗を増加させてしま
う問題がある。
ピッチング・フィンは、水面下で船体表面からフィンを
突き出して設けた構造であり、一方、アンチ・ピッチン
グ・タンクは船体表面に水を取り入れる開口部を持つ構
造であり、いずれも船体の平水中抵抗を増加させてしま
う問題がある。
【0007】又、船首部の水線面形状を鋭角にする方法
は、波浪中抵抗増加の低下だけを考える場合には有効で
あるが、この水線面形状は平水中抵抗に対して最適な形
状とはならない。従って、全抵抗(平水中抵抗+波浪中
抵抗増加)は逆に増加してしまう問題がある。
は、波浪中抵抗増加の低下だけを考える場合には有効で
あるが、この水線面形状は平水中抵抗に対して最適な形
状とはならない。従って、全抵抗(平水中抵抗+波浪中
抵抗増加)は逆に増加してしまう問題がある。
【0008】本発明は、上述の実情に鑑みてなしたもの
で、簡単な構造にて平水中抵抗を変えることなく波浪に
よる抵抗増加を効果的に低減できるようにした船舶の波
浪抵抗低減構造を提供することを目的としている。
で、簡単な構造にて平水中抵抗を変えることなく波浪に
よる抵抗増加を効果的に低減できるようにした船舶の波
浪抵抗低減構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
船体の喫水線より高い位置において、船首部に略水平に
延びる張出しフィンを設けたことを特徴とする船舶の波
浪抵抗低減構造、に係るものである。
船体の喫水線より高い位置において、船首部に略水平に
延びる張出しフィンを設けたことを特徴とする船舶の波
浪抵抗低減構造、に係るものである。
【0010】請求項2記載の発明は、船体の喫水線より
高い位置において、船尾部に略水平に延びる張出しフィ
ンを設けたことを特徴とする船舶の波浪抵抗低減構造、
に係るものである。
高い位置において、船尾部に略水平に延びる張出しフィ
ンを設けたことを特徴とする船舶の波浪抵抗低減構造、
に係るものである。
【0011】請求項3記載の発明は、船体の喫水線より
高い位置において、船首部と船尾部に略水平に延びる張
出しフィンを設けたことを特徴とする船舶の波浪抵抗低
減構造、に係るものである。
高い位置において、船首部と船尾部に略水平に延びる張
出しフィンを設けたことを特徴とする船舶の波浪抵抗低
減構造、に係るものである。
【0012】請求項4記載の発明は、船体の船尾部に船
尾突出部を備えている船体構造において、船尾突出部の
底面を喫水線より高く形成し、該底面と水面とのなす角
を1゜〜10゜の範囲としたことを特徴とする船舶の波
浪抵抗低減構造、に係るものである。
尾突出部を備えている船体構造において、船尾突出部の
底面を喫水線より高く形成し、該底面と水面とのなす角
を1゜〜10゜の範囲としたことを特徴とする船舶の波
浪抵抗低減構造、に係るものである。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項4の構造と
請求項1〜3の構造とを組合わせて備えたことを特徴と
する船舶の波浪抵抗低減構造、に係るものである。
請求項1〜3の構造とを組合わせて備えたことを特徴と
する船舶の波浪抵抗低減構造、に係るものである。
【0014】上記手段によれば、以下のように作用す
る。
る。
【0015】請求項1〜3記載の船舶の波浪抵抗低減構
造によれば、船体の船首部、又は船尾部、或いはその両
者に略水平に延びる張出しフィンを設けた構成としてい
るので、船体が波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行う
とき、張出しフィンが水中に没したり空中に出たりする
ようになり、張出しフィンが水中を移動する時に船体が
流体から抵抗を受け、この抵抗は船体の上下揺れや縦揺
れに対して減衰力となるので、張出しフィンによって船
体運動が低減され、船体運動の低減により波浪中抵抗増
加が低減される。
造によれば、船体の船首部、又は船尾部、或いはその両
者に略水平に延びる張出しフィンを設けた構成としてい
るので、船体が波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行う
とき、張出しフィンが水中に没したり空中に出たりする
ようになり、張出しフィンが水中を移動する時に船体が
流体から抵抗を受け、この抵抗は船体の上下揺れや縦揺
れに対して減衰力となるので、張出しフィンによって船
体運動が低減され、船体運動の低減により波浪中抵抗増
加が低減される。
【0016】又、張出しフィンは船体の喫水線より上部
に設けているので、張出しフィンによって平水中抵抗が
変化することはなく、よって、張出しフィンを設けるこ
とにより平水中抵抗を維持したまま波浪中性能を改善す
ることができる。
に設けているので、張出しフィンによって平水中抵抗が
変化することはなく、よって、張出しフィンを設けるこ
とにより平水中抵抗を維持したまま波浪中性能を改善す
ることができる。
【0017】請求項4、5記載の船舶の波浪抵抗低減構
造によれば、船尾突出部の底面が喫水線2より上部に位
置し、且つその底面と水面とのなす角が約1゜〜10゜
の範囲になるようにしているので、船体が波浪中で上下
揺れや縦揺れの運動を行うと、船尾突出部の底面が水中
に没したり空中に出たりする状態となり、船尾突出部の
底面が水中に侵入する時は船体は流体から抵抗を受け、
この抵抗は船体の上下揺れや縦揺れに対して減衰力とな
るので、船尾突出部の底面によって船体運動が低減さ
れ、船体運動の低減により、波浪中抵抗増加が低減され
る。
造によれば、船尾突出部の底面が喫水線2より上部に位
置し、且つその底面と水面とのなす角が約1゜〜10゜
の範囲になるようにしているので、船体が波浪中で上下
揺れや縦揺れの運動を行うと、船尾突出部の底面が水中
に没したり空中に出たりする状態となり、船尾突出部の
底面が水中に侵入する時は船体は流体から抵抗を受け、
この抵抗は船体の上下揺れや縦揺れに対して減衰力とな
るので、船尾突出部の底面によって船体運動が低減さ
れ、船体運動の低減により、波浪中抵抗増加が低減され
る。
【0018】又、船尾突出部の底面は船体の喫水線より
高くしているので、船尾突出部の底面によって平水中抵
抗が変化することはなく、よって、上記船尾突出部の底
面の構成によれば平水中抵抗を維持したまま波浪中性能
を改善することができる。
高くしているので、船尾突出部の底面によって平水中抵
抗が変化することはなく、よって、上記船尾突出部の底
面の構成によれば平水中抵抗を維持したまま波浪中性能
を改善することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
を図面に基づいて説明する。
【0020】図1〜図3は、本発明の船舶の波浪抵抗低
減構造の形態の一例を示したものであり、船体1の喫水
線2より高い位置において、船首部Aに略水平に延びる
張出しフィン3を設けた構成としている。図2に示す平
面において、張出しフィン3は船首部Aの外周に沿って
略同一幅Wで張出させて庇状フィン3aとした場合を示
している。しかし、張出しフィン3の形状はこれに限定
されるものではなく、例えば図4、図5に示すように船
首部Aの前側に板状部材3bを突出して設けるようにし
てもよく、又は他の種々の形状としてもよい。前記張出
しフィン3の張出幅Wは、船体1の幅より小さいものと
する。
減構造の形態の一例を示したものであり、船体1の喫水
線2より高い位置において、船首部Aに略水平に延びる
張出しフィン3を設けた構成としている。図2に示す平
面において、張出しフィン3は船首部Aの外周に沿って
略同一幅Wで張出させて庇状フィン3aとした場合を示
している。しかし、張出しフィン3の形状はこれに限定
されるものではなく、例えば図4、図5に示すように船
首部Aの前側に板状部材3bを突出して設けるようにし
てもよく、又は他の種々の形状としてもよい。前記張出
しフィン3の張出幅Wは、船体1の幅より小さいものと
する。
【0021】前記船体1に取り付ける張出しフィン3の
高さ位置は、喫水線2より高く、且つ波浪中航行時に張
出しフィン3が波浪を横切る高さである。これにより、
張出しフィン3は波浪により水中に没入したり水面上に
出現したりするようになる。又、前記張出しフィン3
は、破線で示すように複数段設けるようにしてもよく、
この場合も、各張出しフィン3が波浪中航行時に波浪を
横切る高さになるように船体1に取り付ける。
高さ位置は、喫水線2より高く、且つ波浪中航行時に張
出しフィン3が波浪を横切る高さである。これにより、
張出しフィン3は波浪により水中に没入したり水面上に
出現したりするようになる。又、前記張出しフィン3
は、破線で示すように複数段設けるようにしてもよく、
この場合も、各張出しフィン3が波浪中航行時に波浪を
横切る高さになるように船体1に取り付ける。
【0022】図1〜図5に示した形態例では、船体1が
波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行うと、船首部A及
び船尾部Bでは船体1の上下変位が大きくなり、船首部
Aに取り付けた張出しフィン3は水中に没したり空中に
出たりするようになる。張出しフィン3が水中を移動す
る時には船体1が流体から抵抗を受けることになり、こ
の抵抗は、船体1の上下揺れや縦揺れに対して減衰力と
なるので、張出しフィン3によって船体運動は低減す
る。
波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行うと、船首部A及
び船尾部Bでは船体1の上下変位が大きくなり、船首部
Aに取り付けた張出しフィン3は水中に没したり空中に
出たりするようになる。張出しフィン3が水中を移動す
る時には船体1が流体から抵抗を受けることになり、こ
の抵抗は、船体1の上下揺れや縦揺れに対して減衰力と
なるので、張出しフィン3によって船体運動は低減す
る。
【0023】波浪中抵抗増加を構成する二成分のうち、
船体運動に基づく成分は船体運動が小さくなれば減少す
るので、前記した張出しフィン3による減衰作用によっ
て船体運動が低減されることから、波浪中抵抗増加は低
減する。
船体運動に基づく成分は船体運動が小さくなれば減少す
るので、前記した張出しフィン3による減衰作用によっ
て船体運動が低減されることから、波浪中抵抗増加は低
減する。
【0024】図12は、船体長さ1メートルの模型船体
を用いて水槽で波浪中抵抗の計測を行った実験結果を示
す線図であり、横軸は波高の自乗、縦軸は波浪中抵抗増
加を表わし、この時の船体長さLに対する入射波の波長
λ、即ちλ/Lは約1.2とした。図中S1は喫水線か
ら20ミリメートルの高さに前記張出しフィン3を取り
付けた場合、S2は喫水線から33ミリメートルの高さ
に前記張出しフィン3を取り付けた場合、S3は張出し
フィンを備えていない場合の波浪中抵抗を夫々表わす。
を用いて水槽で波浪中抵抗の計測を行った実験結果を示
す線図であり、横軸は波高の自乗、縦軸は波浪中抵抗増
加を表わし、この時の船体長さLに対する入射波の波長
λ、即ちλ/Lは約1.2とした。図中S1は喫水線か
ら20ミリメートルの高さに前記張出しフィン3を取り
付けた場合、S2は喫水線から33ミリメートルの高さ
に前記張出しフィン3を取り付けた場合、S3は張出し
フィンを備えていない場合の波浪中抵抗を夫々表わす。
【0025】図12から明らかなように、喫水線から2
0ミリメートルの高さに張出しフィン3を取り付けた場
合であるS1、及び喫水線から33ミリメートルの高さ
に張出しフィン3を取り付けた場合であるS2は、夫々
張出しフィンを備えていない場合のS3に対して波浪中
抵抗が低減した。
0ミリメートルの高さに張出しフィン3を取り付けた場
合であるS1、及び喫水線から33ミリメートルの高さ
に張出しフィン3を取り付けた場合であるS2は、夫々
張出しフィンを備えていない場合のS3に対して波浪中
抵抗が低減した。
【0026】一方、前記張出しフィン3は、船体1の喫
水線2より上部に設けているので、張出しフィン3によ
って平水中抵抗が変化することはなく、よって、前記張
出しフィン3によれば平水中抵抗を維持したまま波浪中
性能を改善することができる。
水線2より上部に設けているので、張出しフィン3によ
って平水中抵抗が変化することはなく、よって、前記張
出しフィン3によれば平水中抵抗を維持したまま波浪中
性能を改善することができる。
【0027】図6〜図8は、本発明の船舶の波浪抵抗低
減構造の他の形態を示したものであり、船体1の喫水線
2より高い位置において、船尾部Bに略水平に延びる張
出しフィン3を設けた構成としている。この張出しフィ
ン3は、前記図1〜図5に示した構成と同様に庇状フィ
ン3aとしてもよく、又板状部材3bとしてもよく、更
に複数段備えるようにしてもよい。
減構造の他の形態を示したものであり、船体1の喫水線
2より高い位置において、船尾部Bに略水平に延びる張
出しフィン3を設けた構成としている。この張出しフィ
ン3は、前記図1〜図5に示した構成と同様に庇状フィ
ン3aとしてもよく、又板状部材3bとしてもよく、更
に複数段備えるようにしてもよい。
【0028】図6〜図8に示した形態例では、船体1が
波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行うと、船尾部Bに
取り付けた張出しフィン3が水中に没したり空中に出た
りする状態となり、張出しフィン3が水中を移動する時
に船体1が流体から抵抗を受け、この抵抗は船体1の上
下揺れや縦揺れに対して減衰力となるので、張出しフィ
ン3によって船体運動は低減される。
波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行うと、船尾部Bに
取り付けた張出しフィン3が水中に没したり空中に出た
りする状態となり、張出しフィン3が水中を移動する時
に船体1が流体から抵抗を受け、この抵抗は船体1の上
下揺れや縦揺れに対して減衰力となるので、張出しフィ
ン3によって船体運動は低減される。
【0029】このように船体運動が減少することによ
り、波浪中抵抗増加は低減する。又この場合も、張出し
フィン3は船体1の喫水線2より上部に設けているの
で、張出しフィン3によって平水中抵抗が変化すること
はなく、よって、前記張出しフィン3によれば平水中抵
抗を維持したまま波浪中性能を改善することができる。
り、波浪中抵抗増加は低減する。又この場合も、張出し
フィン3は船体1の喫水線2より上部に設けているの
で、張出しフィン3によって平水中抵抗が変化すること
はなく、よって、前記張出しフィン3によれば平水中抵
抗を維持したまま波浪中性能を改善することができる。
【0030】図9、図10は、本発明の船舶の波浪抵抗
低減構造の更に他の形態を示したものであり、船体1の
喫水線2より高い位置において、船首部Aと船尾部Bの
両方に略水平に延びる張出しフィン3を設けた構成とし
ている。この張出しフィン3は、前記図1〜図5に示し
た構成と同様に庇状フィン3aとしてもよく、又板状部
材3bとしてもよく、更に複数段備えるようにしてもよ
い。
低減構造の更に他の形態を示したものであり、船体1の
喫水線2より高い位置において、船首部Aと船尾部Bの
両方に略水平に延びる張出しフィン3を設けた構成とし
ている。この張出しフィン3は、前記図1〜図5に示し
た構成と同様に庇状フィン3aとしてもよく、又板状部
材3bとしてもよく、更に複数段備えるようにしてもよ
い。
【0031】図9、図10に示した形態例では、船体1
が波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行うと、船首部A
と船尾部Bに取り付けた張出しフィン3が水中に没した
り空中に出たりする状態となり、張出しフィン3が水中
を移動する時に船体1が流体から抵抗を受け、この抵抗
は船体1の上下揺れや縦揺れに対して減衰力となるの
で、張出しフィン3によって船体運動は低減される。図
9、図10では船首部Aと船尾部Bとに張出しフィン3
を設けているので、船体運動の低減効果は、前記した船
首部Aと船尾部Bの一方のみに張出しフィン3を設けた
場合に比して更に向上する。
が波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行うと、船首部A
と船尾部Bに取り付けた張出しフィン3が水中に没した
り空中に出たりする状態となり、張出しフィン3が水中
を移動する時に船体1が流体から抵抗を受け、この抵抗
は船体1の上下揺れや縦揺れに対して減衰力となるの
で、張出しフィン3によって船体運動は低減される。図
9、図10では船首部Aと船尾部Bとに張出しフィン3
を設けているので、船体運動の低減効果は、前記した船
首部Aと船尾部Bの一方のみに張出しフィン3を設けた
場合に比して更に向上する。
【0032】このように船体運動が減少することによ
り、波浪中抵抗増加は低減する。又この場合も、張出し
フィン3は船体1の喫水線2より上部に設けているの
で、張出しフィン3によって平水中抵抗が変化すること
はなく、よって、前記張出しフィン3によれば平水中抵
抗を維持したまま波浪中性能を改善することができる。
り、波浪中抵抗増加は低減する。又この場合も、張出し
フィン3は船体1の喫水線2より上部に設けているの
で、張出しフィン3によって平水中抵抗が変化すること
はなく、よって、前記張出しフィン3によれば平水中抵
抗を維持したまま波浪中性能を改善することができる。
【0033】図11は、本発明の船舶の波浪抵抗低減構
造の更に他の形態を示したものであり、船尾部Bの後方
に向かって張出する船尾突出部4を備えた船体構造を示
している。図中5は舵である。図10のように船尾突出
部4を備えた構造において、船尾突出部4の底面4aが
喫水線2より高く、且つその底面4aと水面とのなす角
αが約1゜〜10゜の範囲となるように構成している。
即ち、船尾突出部4の底面4aは平面に近い小さな角α
(約1゜〜10゜)とすることによって、船尾突出部4
の底面4aが水中に没入しようとする時に流体から抵抗
を受けるようにしている。
造の更に他の形態を示したものであり、船尾部Bの後方
に向かって張出する船尾突出部4を備えた船体構造を示
している。図中5は舵である。図10のように船尾突出
部4を備えた構造において、船尾突出部4の底面4aが
喫水線2より高く、且つその底面4aと水面とのなす角
αが約1゜〜10゜の範囲となるように構成している。
即ち、船尾突出部4の底面4aは平面に近い小さな角α
(約1゜〜10゜)とすることによって、船尾突出部4
の底面4aが水中に没入しようとする時に流体から抵抗
を受けるようにしている。
【0034】図11に示した形態例では、船尾突出部4
の底面4aが喫水線2より上部に位置し、且つその底面
4aと水面とのなす角αが約1゜〜10゜の範囲になる
ようにしているので、船体1が波浪中で上下揺れや縦揺
れの運動を行うと、船尾突出部4の底面4aが水中に没
したり空中に出たりする状態となり、船尾突出部4の底
面4aが水中に進入する時は船体1は流体から抵抗を受
け、この抵抗は船体1の上下揺れや縦揺れに対して減衰
力となるので、船尾突出部4の底面4aによって船体運
動は低減される。
の底面4aが喫水線2より上部に位置し、且つその底面
4aと水面とのなす角αが約1゜〜10゜の範囲になる
ようにしているので、船体1が波浪中で上下揺れや縦揺
れの運動を行うと、船尾突出部4の底面4aが水中に没
したり空中に出たりする状態となり、船尾突出部4の底
面4aが水中に進入する時は船体1は流体から抵抗を受
け、この抵抗は船体1の上下揺れや縦揺れに対して減衰
力となるので、船尾突出部4の底面4aによって船体運
動は低減される。
【0035】このように船体運動が減少すると、波浪中
抵抗増加は低減する。又この場合も、船尾突出部4の底
面4aは船体1の喫水線2より高くしているので、船尾
突出部4の底面4aによって平水中抵抗が変化すること
はなく、よって、上記船尾突出部4の底面4aの構成に
よれば平水中抵抗を維持したまま波浪中性能を改善する
ことができる。
抵抗増加は低減する。又この場合も、船尾突出部4の底
面4aは船体1の喫水線2より高くしているので、船尾
突出部4の底面4aによって平水中抵抗が変化すること
はなく、よって、上記船尾突出部4の底面4aの構成に
よれば平水中抵抗を維持したまま波浪中性能を改善する
ことができる。
【0036】一方、図11に示した船尾突出部4の底面
4aの構成は、図1〜図10で説明した船体1に張出し
フィン3を備えた構成と組合わせて備えることができ、
このように組合わせると、船体運動を更に減少させて、
波浪中抵抗増加が更に低減されるようになる。
4aの構成は、図1〜図10で説明した船体1に張出し
フィン3を備えた構成と組合わせて備えることができ、
このように組合わせると、船体運動を更に減少させて、
波浪中抵抗増加が更に低減されるようになる。
【0037】尚、本発明は上記形態例にのみ限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】請求項1〜3記載の船舶の波浪抵抗低減
構造によれば、船体の船首部、又は船尾部、或いはその
両者に略水平に延びる張出しフィンを設けた構成として
いるので、船体が波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行
うとき、張出しフィンが水中に没したり空中に出たりす
るようになり、張出しフィンが水中を移動する時に船体
が流体から抵抗を受け、この抵抗は船体の上下揺れや縦
揺れに対して減衰力となるので、張出しフィンによって
船体運動が低減され、船体運動の低減により波浪中抵抗
増加が低減される効果がある。
構造によれば、船体の船首部、又は船尾部、或いはその
両者に略水平に延びる張出しフィンを設けた構成として
いるので、船体が波浪中で上下揺れや縦揺れの運動を行
うとき、張出しフィンが水中に没したり空中に出たりす
るようになり、張出しフィンが水中を移動する時に船体
が流体から抵抗を受け、この抵抗は船体の上下揺れや縦
揺れに対して減衰力となるので、張出しフィンによって
船体運動が低減され、船体運動の低減により波浪中抵抗
増加が低減される効果がある。
【0039】又、張出しフィンは船体の喫水線より上部
に設けているので、張出しフィンによって平水中抵抗が
変化することはなく、よって、張出しフィンを設けるこ
とにより平水中抵抗を維持したまま波浪中性能を改善で
きる効果がある。
に設けているので、張出しフィンによって平水中抵抗が
変化することはなく、よって、張出しフィンを設けるこ
とにより平水中抵抗を維持したまま波浪中性能を改善で
きる効果がある。
【0040】請求項4、5記載の船舶の波浪抵抗低減構
造によれば、船尾突出部の底面が喫水線2より上部に位
置し、且つその底面と水面とのなす角が約1゜〜10゜
の範囲になるようにしているので、船体が波浪中で上下
揺れや縦揺れの運動を行うと、船尾突出部の底面が水中
に没したり空中に出たりする状態となり、船尾突出部の
底面が水中に進入する時は船体は流体から抵抗を受け、
この抵抗は船体の上下揺れや縦揺れに対して減衰力とな
るので、船尾突出部の底面によって船体運動が低減さ
れ、船体運動の低減により、波浪中抵抗増加が低減され
る効果がある。
造によれば、船尾突出部の底面が喫水線2より上部に位
置し、且つその底面と水面とのなす角が約1゜〜10゜
の範囲になるようにしているので、船体が波浪中で上下
揺れや縦揺れの運動を行うと、船尾突出部の底面が水中
に没したり空中に出たりする状態となり、船尾突出部の
底面が水中に進入する時は船体は流体から抵抗を受け、
この抵抗は船体の上下揺れや縦揺れに対して減衰力とな
るので、船尾突出部の底面によって船体運動が低減さ
れ、船体運動の低減により、波浪中抵抗増加が低減され
る効果がある。
【0041】又、船尾突出部の底面は船体の喫水線より
高くしているので、船尾突出部の底面によって平水中抵
抗が変化することはなく、よって、上記船尾突出部の底
面の構成によれば平水中抵抗を維持したまま波浪中性能
を改善できる効果がある。
高くしているので、船尾突出部の底面によって平水中抵
抗が変化することはなく、よって、上記船尾突出部の底
面の構成によれば平水中抵抗を維持したまま波浪中性能
を改善できる効果がある。
【図1】本発明の船舶の波浪抵抗低減構造の形態の一例
を示す側面図である。
を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のIII−III方向矢視図である。
【図4】異なる形状の張出しフィンを備えた船体の側面
図である。
図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】本発明の船舶の波浪抵抗低減構造の他の形態を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図6のVIII−VIII方向矢視図である。
【図9】本発明の船舶の波浪抵抗低減構造の更に他の形
態を示す側面図である。
態を示す側面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】本発明の船舶の波浪抵抗低減構造の更に他の
形態を示す側面図である。
形態を示す側面図である。
【図12】模型船体を用いて水槽で波浪中抵抗の計測を
行った実験結果を示す線図である。
行った実験結果を示す線図である。
1 船体
2 喫水線
3 張出しフィン
4 船尾突出部
4a 底面
A 船首部
B 船尾部
α 船尾突出部底面と水面とのなす角
Claims (5)
- 【請求項1】 船体の喫水線より高い位置において、船
首部に略水平に延びる張出しフィンを設けたことを特徴
とする船舶の波浪抵抗低減構造。 - 【請求項2】 船体の喫水線より高い位置において、船
尾部に略水平に延びる張出しフィンを設けたことを特徴
とする船舶の波浪抵抗低減構造。 - 【請求項3】 船体の喫水線より高い位置において、船
首部と船尾部に略水平に延びる張出しフィンを設けたこ
とを特徴とする船舶の波浪抵抗低減構造。 - 【請求項4】 船体の船尾部に船尾突出部を備えている
船体構造において、船尾突出部の底面を喫水線より高く
形成し、該底面と水面とのなす角を1゜〜10゜の範囲
としたことを特徴とする船舶の波浪抵抗低減構造。 - 【請求項5】 請求項4の構造と請求項1〜3の構造と
を組合わせて備えたことを特徴とする船舶の波浪抵抗低
減構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002076719A JP2003267293A (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | 船舶の波浪抵抗低減構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002076719A JP2003267293A (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | 船舶の波浪抵抗低減構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003267293A true JP2003267293A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=29205397
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002076719A Pending JP2003267293A (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | 船舶の波浪抵抗低減構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003267293A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013121765A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | National Maritime Research Institute | 波浪中抵抗増加低減方法および波浪中抵抗増加低減装置 |
| KR101342635B1 (ko) * | 2013-06-10 | 2013-12-17 | 주식회사 에이스모건 | 고강도 콘크리트 부잔교 |
| CN106627984A (zh) * | 2016-05-10 | 2017-05-10 | 中国人民解放军海军工程大学 | 船首抑波减摇附体 |
-
2002
- 2002-03-19 JP JP2002076719A patent/JP2003267293A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013121765A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | National Maritime Research Institute | 波浪中抵抗増加低減方法および波浪中抵抗増加低減装置 |
| KR101342635B1 (ko) * | 2013-06-10 | 2013-12-17 | 주식회사 에이스모건 | 고강도 콘크리트 부잔교 |
| CN106627984A (zh) * | 2016-05-10 | 2017-05-10 | 中国人民解放军海军工程大学 | 船首抑波减摇附体 |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070522 |