JP4415433B2 - 電動機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、固定子にインシュレータを備える電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータおよび発電機の界磁巻線を施した固定子は大別して、固定子極歯間に構成される複数のスロットに複数の相の巻線を配した分布巻固定子と、一つの固定子極歯に一つの相の巻線を巻いた集中巻固定子がある。集中巻固定子では、特に巻線端部(コイルエンド部)を短くできるという長所があり、モータの小型化が図れ、また巻線抵抗も小さくなるので巻線電流と巻線抵抗によって生じる銅損も小さく高効率であるという長所が得られる。
【0003】
特に回転子に二次銅損の存在する誘導モータと違って同期モータでは、固定子巻線の発熱を効率良く放熱することで、定格出力の向上、発熱による寿命の低下もなく長寿命で、高効率なモータを実現することができる。
【0004】
そこで、従来は固定子外周部のフレームの放熱フィンにて表面積を大きくすることや、ファン等による強制空冷や、フレームに設けた冷却液路を利用し液冷を行っているものが一般的であった。また、モータ内部のコア巻線を直接油冷するものや、ヒートパイプにより内部の発熱を外部に逃がすようにしたものも存在するが、モータ内部を直接冷却するために部品点数の増加をもたらし、構造が複雑になり、信頼性の確保等、新たな課題も発生する。
【0005】
発熱源となる巻線には電流を流すために、巻線表面を電気絶縁し、巻線が巻かれている電磁鋼板等で構成された鉄芯との間にもインシュレータを配し、巻線時に鉄芯のエッジ等で巻線被覆が剥がれたり、巻線が断線することのないようにしている。以上が一般的なモータの巻線部の構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなインシュレータは、電気絶縁体であるが熱に対しても絶縁体となる。よって、熱を伝えるという点で障害になるため、巻線とフレームとの空間に高熱伝導性樹脂を配しモータの発熱を効率良く放熱しようとした例がある。
【0007】
しかし、このように高熱伝導性樹脂を配することで放熱の効果は高まるが、モータの重量が増大するという課題がある。特に小型高出力高効率が求められる電気自動車用モータにおいては、重量の増加は大きな問題である。さらに樹脂を充填するための設備、工程が必要であること、樹脂充填の圧力、温度によっては、巻線の絶縁破壊によるショート等が起こらないように信頼性を十分確保しなければならないといった課題がある。
【0008】
次に、インシュレータの熱伝導率を高めた材料に変えるという点については、以下の課題が存在する。コアに巻線を巻く工程において、巻線にある程度の張力をかけて巻かなければ巻線がたるみ、スロット内に正確に巻線が行えない。インシュレータは、最低限この張力に耐えうる強度が必要である。一方、熱伝導性の高い電気絶縁体は、シリコーンゴムや熱伝導性の良い酸化アルミを配合した合成樹脂などが一般的に良く知られているが、軟らかい、あるいはもろいため、このままでは強度が低く巻線の絶縁体として機能をなさない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、複数の電磁鋼板を積層したコアセグメントと、このコアセグメントを覆う電気絶縁性のインシュレータと、このインシュレータを介して前記コアセグメントのティース部に巻線を施したコイル部とからなる固定子構成部材を環状に組み合わせた固定子を備える電動機であり、前記コイル部と接する前記インシュレータに電動機軸方向に段差を有した形状の穴部を設け、前記穴部の形状とほぼ同様の段差を有した形状の高熱伝導性絶縁樹脂体を前記穴部に装着し、前記コアセグメントに前記コイル部の熱を伝えやすくすることを特徴とする電動機であり、段差形状を有した高熱伝導性絶縁樹脂体はインシュレータ本体とコアセグメントにより挟持され、コイルのみならずインシュレータにてコアセグメントに押さえつけられ、コアとの接地を確実にし、また、接地面積が拡大でき、コイル部からコアセグメント側への熱の伝導をより大きくすることができる。また、高熱伝導性絶縁樹脂体以外のインシュレータ部分の材質は自由に選択できるため、インシュレータの強度を高くしながら、コアセグメントとコイル部との熱伝導性を高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願発明は、複数の電磁鋼板を積層したコアセグメントと、このコアセグメントを覆う電気絶縁性のインシュレータと、このインシュレータを介して前記コアセグメントのティース部に巻線を施したコイル部とからなる固定子構成部材を環状に組み合わせた固定子を備える電動機であり、前記コイル部と接する前記インシュレータの少なくとも一部は、高熱伝導性絶縁樹脂であり前記コアセグメントに前記コイル部の熱を伝えやすくすることを特徴とする電動機であり、インシュレータの一部を熱伝導性を高くし他の部分の材質は自由に選択できるため、インシュレータの強度を高くしながら、コアセグメントとコイル部との熱伝導性を高めることができる。
【0011】
また、複数の電磁鋼板を積層したコアセグメントと、このコアセグメントを覆う電気絶縁性のインシュレータと、このインシュレータを介して前記コアセグメントのティース部に巻線を施したコイル部とからなる固定子構成部材を環状に組み合わせた固定子を備える電動機であり、前記コイル部と接する前記インシュレータの少なくとも一部は、高熱伝導性絶縁樹脂であり、この高熱伝導性絶縁樹脂と前記コアセグメントとの間に高熱伝導性絶縁樹脂よりも熱伝導率の大きい高熱伝導体を介在したことを特徴とする電動機であり、組み立てが容易である。なお、高熱伝導体とは、熱伝導率の高い金属であっても良い。
【0012】
また、インシュレータは、高熱伝導性絶縁樹脂と、この高熱伝導性絶縁樹脂を配置する穴部を備えたインシュレータ本体とを備え、前記高熱伝導性樹脂本体は前記インシュレータ本体より熱伝導率が高く、高熱伝導性樹脂体はコイル部とコアセグメントに挟まれモータの軸方向を支持し、インシュレータ本体の穴部によりモータ軸に直交した方向を支持される。
【0013】
また、高熱伝導性絶縁樹脂体の少なくとも一部はインシュレータの外側に露出し、前記高熱伝導性絶縁樹脂体はインシュレータ本体とコアセグメントにより挟持するので、前記高熱伝導性絶縁樹脂は前記インシュレータ本体の穴部付近により前記コアセグメントに押さえつけることで、コアとの接地を確実にし、また、接地面積が拡大でき熱の伝導をより大きくすることができる。熱伝導性樹脂の端部に斜面部または段差部が形成され、この斜面部または段差部の上部よりインシュレータで押さえることで熱伝導体をコアセグメント上部に支持することができる。
【0014】
また、インシュレータは、少なくともティース部のエッジ部を硬質絶縁性樹脂で形成すると良い。なぜならば、巻線時にインシュレータに作用する力は、ティース部のエッジ部分に集中しやすく、端面には大きな力が生じないことに着目し、巻線時の張力に対する強度を十分にもたせたインシュレータを用い、張力に対する強度をあまり必要としない端面部には熱伝導性の良い軟らかな材料を用いることで、巻線との密着性を向上し、巻線の発熱を固定子鉄芯に効率良く伝達することができる。
【0015】
また、コアセグメントのスロット部積層面を高熱伝導性絶縁シートで覆うと、コイル部の熱がコアセグメントの積層面からも伝わりやすくなる。また、高熱伝導性絶縁シートは弾力性を有すると、コイル部やコアセグメントの密着性に優れる。さらに、高熱伝導性絶縁シートは、弾力性の高いゴム状高熱伝導層と強度の高い支持層とからなり、前記ゴム状高熱伝導層がコイル部側になるようにすると、コイル部に密着しやすく、ある一定の強度を有するので固定子の組み立てが容易である。また、高熱伝導性絶縁シートをコアセグメントとインシュレータの端部とで挟持しても良い。
【0016】
また、固定子構成部材を環状に組み合わせた固定子の外周に、この固定子を覆うフレーム部を備えた電動機であり、前記固定子と前記フレーム部の間の少なくとも一部には熱伝導性樹脂を介在すると、コアセグメントの熱がフレームに流れやすくなり、コイル部で発生する熱の放熱が優れる。
【0017】
また、インシュレータは、引張り強さ40MPa以上の硬質絶縁性樹脂により形成することが適する。また、高熱伝導性絶縁樹脂の熱伝導率は1W/mK以上であることが適する。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1の電動機の固定子を示す平面図である。固定子1は、複数の固定子構成部材2を環状に組み合わせる。固定子構成部材2を環状に組み合わせた後、リング支持部3で外側から覆い補強することで集中巻方式の固定子1を完成する。この固定子1の内部に永久磁石を有するロータを配置し、永久磁石同期電動機とする。なお、図面には巻線13の下にあるインシュレータ部12の端面部がわかるように、巻線13は透視して描いている。
【0019】
図2を用いて、上述した固定子構成部材を詳細に説明すると、固定子構成部材2は、複数の電磁鋼板を積層したコアセグメント11にインシュレータ部12を被せ、インシュレータ部12の穴部31に高熱伝導性絶縁樹脂32を配置し、インシュレータ部12、高熱伝導性絶縁樹脂32の上から絶縁被覆した巻線を巻回しコイル部14を形成している。
【0020】
固定子構成部材2を形成するコアセグメント11は、図3に示すようにヨーク部21とティース部22とを備える。ヨーク部21の幅(外周側面の長さ)が、ティース部22の幅より大きいために形成される空間をスロット部23とする。ヨーク部21の端面には、凸部24と凹部25を備えており、異なるコアセグメントの凸部、凹部とを嵌合させ、コアセグメント11を環状となる連結体とする。
【0021】
また、図4に示したインシュレータ部12は、コアセグメント11のティース部22に巻線を施す時、コイル部14とコアセグメント11とが電気的に接続しないように絶縁樹脂でできており、ティース部22にガイド部(インシュレータ部12のコアセグメント側に突き出した突出部)を挿入し、位置決めする。巻線支持部26、27は電磁鋼板の積層方向に突出しており、巻線がティース部22の周りを巻回されやすいようガイドの役目を果たす。インシュレータ部12には穴部31を備えている。この穴部31を設けることで、インシュレータ部12をコアセグメントに取り付けると、穴部31には、ティース部22の一部が露出する。なお、インシュレータ部12はコアセグメントのエッジ部15は必ず覆うような構成とし、穴部31はコアセグメントのエッジ部15に位置しないコアセグメントの中央部に位置する構成が良い。インシュレータ部12は、コアセグメントに直接巻線を巻回するとコアセグメントのエッジ部15で巻線の皮膜が剥がれてしまう可能性があるため、コアセグメントの周りを電気絶縁体樹脂よりなるインシュレータ部12により、保護しているわけである。ところで、コアセグメント11のエッジ部15に高熱伝導性絶縁樹脂32により保護する場合、高熱伝導性絶縁樹脂32は軟らかく、コアセグメントのエッジ部15により巻線を傷つけてしまう可能性がある。よって、エッジ部15は高熱伝導性樹脂より硬い硬質絶縁性樹脂で形成するのが適している。
【0022】
固定子構成部材2は上述するような構成であり、インシュレータ部12および高熱伝導性絶縁樹脂32の上から巻線支持部27、28間を、巻線により巻回することで巻線より、高熱伝導性絶縁樹脂32はコアセグメント11に押さえつけられて密着する。つまり、巻線の一部分とコアセグメント11は高熱伝導性絶縁樹脂を介して密着しており、巻線の熱がコアセグメントに伝わりやすくなっている。
【0023】
さらに、インシュレータは高熱伝導性絶縁樹脂より硬度の高い硬質絶縁性樹脂で形成されているため、巻線をインシュレータの上から巻回しても、コアセグメント11のエッジ部15により巻線を傷つけることはない。
【0024】
コイル部14を形成した後、固定子構成部材2を環状に連結する。そして、隣り合う固定子構成部材2の外周の少なくとも一部を溶接により、連結を強固にする。さらに、この環状に連結した固定子構成部材2にリング支持部3を焼きばめ、あるいは挿入することで外側から覆い、電動機の固定子として強固な一体構造を実現する。
【0025】
上述した固定子の構成の特徴を整理して説明すると、本実施例のインシュレータは、固定子のエッジ部15では、硬度のある硬質絶縁性樹脂で保護し、ある部分では硬度が硬質絶縁性樹脂より低い高熱伝導性絶縁樹脂32で保護しているので、コイル部14の熱がコアセグメント11に伝わり放熱性の高く、かつエッジ部15は硬度の高い硬質絶縁性樹脂で保護するので、巻線時の張力でインシュレータが割れることなく固定子エッジ部でコイル部を傷つけない固定子である。
【0026】
なお、インシュレータの硬質絶縁性樹脂は、引張り強さ165MPa、熱伝導率0.3W/mKのポリフェニレンサルファイド(PPS)により形成され、高熱伝導性絶縁樹脂32は引張り強さ3.7MPa、熱伝導率5W/mKのシリコーンゴムシートにより形成されている。インシュレータの硬質絶縁性樹脂として、PPS以外のもので形成しても良いが、引張り強さは40MPa以上のものが適する。実験にて、40MPa以下の硬質絶縁性樹脂に、50Nの力が係る巻線機にて巻線を巻回すると、巻線時の張力により絶縁樹脂がくだけてしまう。よって、硬質絶縁性樹脂の強度は40MPa以上必要である。また、高熱伝導性絶縁樹脂32は、熱伝導の良い電気絶縁物である酸化アルミニウムを含んだ樹脂であっても良い。
【0027】
なお、リング支持部3はリング状でなくとも、環状に連結した固定子構成部材を外周から補強するようなものであれば、いずれの形状のフレームでも良い。また、モータ内部を直接冷却することなく、モータ外側のフレームを空冷または、液冷する構成とすると、重量の増加もほとんどなく、簡易な構造でモータの発熱を効率良く放熱することができ、定格出力を向上し、発熱による寿命の低下もなく長寿命で、高性能なモータを実現することができる集中巻固定子を提供するものである。
【0028】
(実施例2)
図6は、本発明の実施例2の固定子構成部材41の断面図である。なお、実施例1で説明した同一部分は実施例1と同一の符号を使い、説明を省略する。
【0029】
コアセグメント11を覆うインシュレータ部42は穴部を設けている。この穴部の形状は、実施例1の穴部と似ているが、図6で見るように、電動機軸方向の穴部の形状が、段差を有している点で異なる。このように、穴部の形状が段差を有しており、かつこの穴部の形状とほぼ同様に段差を備える高熱伝導性絶縁樹脂43を用いることで、熱伝導体樹脂をコアセグメント11に巻線のみならずインシュレータ部42にて押さえつける。このような構成とすることで、熱伝導性樹脂をコアセグメント11に強固に支持することができる。この段差がなく穴が巻線よりも大きいと巻線の張力によって高熱伝導性絶縁樹脂43がコアセグメントと密着しようとしても、巻線のないところから外部へ逃げてしまいうまく密着がはかれない可能性がある。また、高熱伝導性絶縁樹脂のコイル部側の面積よりコアセグメント側の面積が大きいことにより、コイル部で発生した熱をコアセグメント11側で吸収しやすくなり、熱伝導の効率も良くなる。
【0030】
(実施例3)
図7は、本発明の実施例3の固定子構成部材51の断面図である。なお、実施例1、2で説明した同一部分は図1と同一の符号を使い、説明を省略する。
【0031】
コアセグメント11を覆うインシュレータ部42は穴部を設けている。この穴部の形状は、実施例の穴部と同じであり、この穴の中に、高熱伝導性絶縁樹脂52と高熱伝導体53(高熱伝導体53はインシュレータ部42の硬質絶縁性樹脂より熱伝導性は良い。電気絶縁性は問わないので金属等で可能。)の2種類を配している点で異なる。インシュレータ部42の穴部のコアセグメント11に接する部分には、電磁鋼板等の金属に代表される高熱伝導体を配し、この高熱伝導体53とコイルの間には、電気絶縁性を有する高熱伝導性絶縁樹脂52を用いることで、高熱伝導性絶縁樹脂52を高熱伝導体53に巻線にて押さえつける。このような構成とすることで、高熱伝導性絶縁樹脂52を高熱伝導体53に強固に支持することができる。
【0032】
実施例2よりもさらに熱伝導を高めるために、樹脂に対して1桁以上熱伝導率の高い金属を配することで、放熱効率がさらに良くなる。特に、インシュレータの厚みが2mm以上と厚い場合は、効果的である。
【0033】
高熱伝導体53は、アルミニウム、銅、オーステナイト系ステンレス等の非磁性の金属で電気抵抗が高いこと、あるいは、電磁鋼板のように電気絶縁されている薄板を積層していることが好ましい。断面積が大きな一体の金属では、巻線に流した電流によって、渦電流が生じ、かえって発熱するおそれがある。また、インシュレータに高熱伝導体53をインサート成型することで、部品点数の削減、組み立て性の向上が図れる。さらに、高熱伝導性絶縁樹脂52も一体成型することで、部品点数の削減、組み立て性の向上が図れる。このことは、実施例1ないし3に有効であることはいうまでもない。
【0034】
なお、コアセグメント11と高熱伝導体53の密度性を高めるために、ペース状の液状ゴムである熱伝導性樹脂をコアセグメント11に塗布し、コアセグメント11と高熱伝導体53の間に熱伝導性樹脂を介在すると良い。さらに、高熱伝導性絶縁樹脂52とコアセグメント11の間にも熱伝導性樹脂を介在しても良い。
【0035】
(実施例4)
図8が、本発明の実施例4の固定子の平面図である。なお、実施例1で説明した同一部分は実施例1の同一符号を使い、説明を省略する。
【0036】
固定子61は、固定子構成部材2を環状に組み合わせた後、モータフレーム63で外側から覆い補強している。この時、モータフレーム63と固定子構成部材2との間には、熱伝導性樹脂62(絶縁性が好ましいが、通電性であっても良い)を介在している。熱伝導性樹脂62は、室温で効果するグリース状のゴムであり、固定子構成部材2を環状に連結した後、固定子構成部材2の外周側面に塗布して、モータフレーム3をはめ合わせる。このように、固定子構成部材2とモータフレーム63との間に、熱伝導性樹脂62を介在させることで、固定子構成部材2の熱が、モータフレーム63に伝わりやすくなり、固定子の放熱が優れる。モータフレーム63には、冷却液、冷却ガスを流す循環通路65を備えており、モータ内部を直接冷却することなく、モータ外側のフレームを空冷または、液冷する構成とすると、重量の増加もほとんどなく、簡易な構造でモータの発熱を効率良く放熱することができ、定格出力を向上し、発熱による寿命の低下もなく長寿命で、高性能なモータを実現することができる集中巻固定子を提供するものである。
【0037】
さらに、実施例4の固定子構成部材2は、図10、図11に示すように、コアセグメント11のスロット部積層面63を熱伝導性絶縁シート64で覆っている。熱伝導性絶縁シート64は、コアセグメント11のスロット部積層面63に配置し、インシュレータ部12をコアセグメント11に被せた時、コアセグメント11とインシュレータ部12のガイド部66との間に熱伝導性シートが介在するようにする。そして、インシュレータ部12の上から巻線を巻回しコイル部14を形成する。コイル部14は、高熱伝導性絶縁樹脂32と、熱伝導性絶縁シート64を介してコアセグメントに接しており、コイル部14で発生した熱は、コアセグメント11に伝わりやすい。
【0038】
さらに、本実施例の構成は、コアセグメント11とモータフレーム63との間も熱伝導性樹脂62を介在している。よって、コイル部14で発生した熱は、コアセグメント11に流れやすく、かつコアセグメント11の熱もモータフレーム63に流れやすいので、コイル部14で発生した熱は、モータフレーム63へ流れやすく固定子の放熱性が優れる。なお、図12のようにコアセグメント65の外周端部に凹み部66を設け、コアセグメントの外周側面に熱伝導性樹脂62を塗布すると、熱伝導性樹脂がコアセグメント外周に付着しやすくなる。また、図13(a)、(b)に示すような電磁鋼板67、68を、十層程度交互に積層してコアセグメントを構成すると、コアセグメントの外周側面は図14に示すような積層方向に不連続な溝を有する形状となり、熱伝導性樹脂を塗布しやすくなり、また固定子コア外周にフレームを圧入、あるいは焼きばめ、挿入する際に熱伝導性樹脂62がこすれ落ちることを防ぎ、少なくとも溝部に留まり、熱伝導性の向上に寄与する。
【0039】
【発明の効果】
本願発明は、コアセグメントとコイル部との間を高熱伝導性絶縁樹脂により介在しているため、コイル部の熱がコアセグメントに伝わりやすく、電動機外周を冷却することで、電動機内部の巻線を効率良く冷却することができ、連続定格出力が向上でき、発熱による寿命低下もなく、長寿命で高効率電動機を実現できる。電動機のみに限らず、集中巻線方式である発電機にも有効であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の固定子を示す平面図
【図2】同固定子構成部材を示す図
【図3】同コアセグメントを示す図
【図4】同インシュレータを示す図
【図5】同固定子構成部材の断面図
【図6】本発明の実施例2の固定子構成部材の断面図
【図7】本発明の実施例3の固定子構成部材の断面図
【図8】本発明の実施例4の固定子の平面図
【図9】同固定子構成部材の断面図
【図10】同固定子構成部材のティース部側から見た図
【図11】同ティース部に熱伝導性樹脂シートを配置した図
【図12】コアセグメントの一例を示す図
【図13】(a)、(b)はコアセグメントを構成する電磁鋼板の一例を示す図
【図14】コアセグメントの外周側側面の一例を示す図
【符号の説明】
1 固定子
2 固定子構成部材
11 コアセグメント
12 インシュレータ部
14 コイル部
32 高熱伝導性絶縁樹脂

Claims (3)

  1. 複数の電磁鋼板を積層したコアセグメントと、このコアセグメントを覆う電気絶縁性のインシュレータと、このインシュレータを介して前記コアセグメントのティース部に巻線を施したコイル部とからなる固定子構成部材を環状に組み合わせた固定子を備える電動機であり、前記コイル部と接する前記インシュレータに電動機軸方向に段差を有した形状の穴部を設け、前記穴部の形状とほぼ同様の段差を有した形状の高熱伝導性絶縁樹脂体を前記穴部に装着し、前記コアセグメントに前記コイル部の熱を伝えやすくすることを特徴とする電動機。
  2. 複数の電磁鋼板を積層したコアセグメントと、このコアセグメントを覆う電気絶縁性のインシュレータと、このインシュレータを介して前記コアセグメントのティース部に巻線を施したコイル部とからなる固定子構成部材を環状に組み合わせた固定子を備える電動機であり、前記コイル部と接する前記インシュレータに電動機軸方向に段差を有した形状の穴部を設け、前記穴部のコイル側に高熱伝導性絶縁樹脂体を装着し、前記穴部のコアセグメント側に高熱伝導性絶縁樹脂よりも熱伝導率の大きい高熱伝導体を装着し、前記コアセグメントに前記コイル部の熱を伝えやすくすることを特徴とする電動機。
  3. インシュレータは、引張り強さ40MPa以上の硬質絶縁性樹脂により形成され、高熱伝導性絶縁樹脂の熱伝導率は1W/mK以上である請求項1または請求項2記載の電動機。
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