JP4413675B2 - 乾燥剤フィルムとその製造方法 - Google Patents

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本発明は、乾燥剤として利用できる乾燥剤フィルム、或いは乾燥剤フィルムを外装フィルムに積層した乾燥剤フィルムとして利用するか、若しくは乾燥剤フィルムと外装或いは機能性フィルム若しくは平板状部材とを積層して、食料品、医薬品、電子部品及びディバイス等の包装体或いは包装材料として利用することができる乾燥剤フィルム及びその製造方法に関するものである。
従来、乾燥製品を包装する場合、シルカゲル、塩化カルシウム等を小袋に包装して包装体内に同封して利用されていたが、作業性が悪く、しかも小袋が破れて乾燥剤が内部の製品に混入したり、誤飲する恐れがあり、近年ではこれらの問題を解決するためのものとして、包装材料に乾燥剤を混入した乾燥剤フィルムが包装材料として利用されている。例えば、乾燥剤フィルムとしては、合成ゼオライト(モレキュラーシーブ)を樹脂に混練した乾燥剤練り込み樹脂(乾燥剤含有樹脂)をTダイ法により押出して一軸延伸加工したものがある。(例えば、特許文献1参照)
また、この種の包装材料には、乾燥剤として、潮解性無機塩、潮解性有機化合物、高吸水性樹脂、その他にシリカゲル、合成ゼオライト等を用いたものがある。潮解性無機塩、潮解性有機化合物では、湿気を吸収して溶け易い性質があり、このような吸湿材料を接着剤に混合し、吸湿材料層の両面側にガスバリヤー層を介在させ、さらに脱酸素剤を添加した樹脂層をガスバリヤー層間に介在させ、一方のバリヤー層を湿気が通過したとしても吸湿材料層で捕捉し、包装体内部に浸透しないようにし、包装体内容物を長期間保存し得る包装材料がある。(例えば、特許文献2参照)
特開2002−206046号公報(明細書段落〔0011〕〜〔0016〕、図面図1) 特開平8−197692号公報(明細書段落〔0024〕〜〔0027〕、図面図1)
従来例の乾燥剤フィルムは、乾燥剤練り込み樹脂をTダイ法により押出成形で一軸延伸してフィルム製造を行ってきたが、乾燥剤(モレキュラーシーブ)の含有率が高くなるにつれてフィルムが脆くなり、引張強度、後加工性が劣るという問題があった。殊に、押出成形により乾燥剤フィルムが比較的厚みがあって、乾燥剤練り込み樹脂(乾燥剤含有樹脂)の乾燥剤含有量が多い程、乾燥剤含有樹脂を薄く延伸しようとすると、乾燥剤粒子に起因する表面粗さやフィルムに穴が空くことがあり、薄く成膜するのが困難な面があった。
また、乾燥剤含有樹脂を薄く延伸して製造した乾燥剤フィルムでは、吸湿量を増大させようとして乾燥剤を樹脂に多量に混合したとすると、乾燥剤フィルムの表面粗さが大きくなり、この乾燥剤フィルムの表面に他のフィルムを接着する際の接着性が悪くなるという問題があった。即ち、包装材料等に乾燥剤フィルムを積層するには、乾燥剤フィルムの接着面が平滑であることが望ましく、かつ引張強度や衝撃強度等の機械的強度を有する必要であった。
また、乾燥剤フィルムを積層した包装材料による包装袋或いは包装体では、湿気を嫌う内容物を長期間に渡って保護できるものが望ましく、乾燥剤フィルムの厚みの調整や内容物に応じた吸湿量、吸湿性能が容易に調整できることが望ましい。なお、このような内容物としては、食品、医薬品、電子部品、電子ディバイス、電子機器等が含まれる。
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたものであって、乾燥剤の含有率が高くても機械的強度が強く、しかも外装フィルム等への接着性が良好であって、かつ乾燥剤としての吸湿性能の調整が容易である乾燥剤フィルムとその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、請求項1の発明は、モレキュラーシーブとMFR10以上の樹脂を含む樹脂とによる乾燥剤含有樹脂を用いた乾燥剤フィルムの製造方法であって、
該モレキュラーシーブの含有率を1〜80重量%の範囲で混合した前記乾燥剤含有樹脂を用意し、
該乾燥剤含有樹脂と熱可塑性樹脂とをインフレーション法により共押出成形し、
該乾燥剤含有樹脂による複層の乾燥剤フィルム層と該熱可塑性樹脂による補強フィルム層とを積層した乾燥剤フィルムを形成するに際し、
該モレキュラーシーブの含有率の異なる前記乾燥剤含有樹脂を用いて、前記複層の乾燥剤フィルム層の内、前記補強フィルム層に接する乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブを、他の乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブの含有率より高含有率としたことを特徴とする乾燥剤フィルムの製造方法である。
また、請求項の発明は、前記補強フィルム層の厚さを調整し、前記補強フィルムの表面粗さRaを0<Ra≦1.30(μm)の範囲内としたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥剤フィルムの製造方法である。
また、請求項の発明は、前記乾燥剤フィルム又は該乾燥剤フィルムと他のモレキュラーシーブを含む乾燥剤フィルム層とをドライラミネーション又はサンドラミネーションにより積層し、吸湿量等の吸湿性能及び前記乾燥剤フィルムの厚みを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥剤フィルムの製造方法である。
また、請求項の発明は、モレキュラーシーブとMFR10以上の樹脂を含む樹脂とによる乾燥剤含有樹脂を用いた乾燥剤フィルムであって、
モレキュラーシーブが樹脂に対し1〜80重量%の範囲で含有する乾燥剤含有樹脂と熱可塑性樹脂とにより、該乾燥剤含有樹脂による複層の乾燥剤フィルム層と、前記熱可塑性樹脂による補強フィルム層とを、インフレーション法により共押出成形して積層した乾燥剤フィルムであり、
前記複層の乾燥剤フィルム層が、モレキュラーシーブ含有率の異なる層からなり、前記補強フィルム層に接する乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブ含有率を他の層より高くしたことを特徴とする乾燥剤フィルムである。
また、請求項の発明は、前記補強フィルム層の厚さを調整して前記補強フィルムの表面粗さRaが、0<Ra≦1.30(μm)の範囲内であることを特徴とする請求項に記載の乾燥剤フィルムである。
また、請求項の発明は、前記乾燥剤フィルム同士又は該乾燥剤フィルムと他の乾燥剤含有樹脂フィルムとをドライラミネーション又はサンドラミネーションにより積層して吸湿量等の吸湿性能及び厚みを任意に設定したことを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥剤フィルムである。
また、請求項の発明は、前記乾燥剤フィルムの補強フィルム層上に外装又は機能性フィルム若しくは平板状部材を積層したことを特徴とする請求項4,5又は6に記載の乾燥剤フィルムである。
請求項1の発明では、モレキュラーシーブとMFR10以上の樹脂を含む樹脂とによる乾燥剤含有樹脂を用いた乾燥剤フィルムの製造方法であって、該モレキュラーシーブの含有率を1〜80重量%の範囲で混合した前記乾燥剤含有樹脂を用意し、該乾燥剤含有樹脂と熱可塑性樹脂とをインフレーション法により共押出成形し、該乾燥剤含有樹脂による単層又は複層の乾燥剤フィルム層と該熱可塑性樹脂による補強フィルム層とを積層して乾燥剤フィルムを形成し、該補強フィルム層により該乾燥剤フィルムの表面粗さを平坦なものとした乾燥剤フィルムの製造方法であり、乾燥剤含有樹脂の周囲に熱可塑性樹脂がインフレーション法による二軸延伸による共押出成形されるので、フィルムの引張強度が増すとともに、乾燥剤含有樹脂による乾燥剤フィルム層の片面に熱可塑性樹脂による補強フィルム層が積層されており、仮に乾燥剤フィルム層に微細な穴が開口したとしても、補強フィルム層で覆われているので、乾燥剤フィルムのインフレーション法による製造に支障を与えることがないし、補強フィルム層により穴が開口し難いという利点がある。
また、本発明の乾燥剤フィルムの製造方法では、補強フィルム層と複層の乾燥剤フィルム層とをインフレーション法により共押出成形としたので、各層の密着性が良好であり、モレキュラーシーブの含有率が異なる乾燥剤フィルム層を容易に積層できる利点があり、薄膜から厚膜まで様々な膜厚のフィルムを製造できる利点がある。また、補強フィルム層の膜厚は、インフレーションダイからの熱可塑性樹脂の吐出量及び吐出速度を調整することによって、任意の厚さ調整することが可能であり、補強フィルム層の厚さを調整することにより、粒状のモレキュラーシーブに起因する乾燥剤フィルム層の表面粗さを補強フィルムによって平坦なものとすることができる。また、三層の乾燥剤フィルムでは、補強フィルム層とは反対側の乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブが低含有率であるので、その表面粗さが比較的平坦であ、十分なラミネーション強度を有する。従って、補強フィルム層に他のフィルムや平板状部材を接着する際の接着性が改善され、後加工性が良好となる利点があり、乾燥剤フィルムの汎用性を高めることができる効果を有する。
また、請求項の発明では、前記複層の乾燥剤フィルム層を前記熱可塑性樹脂とともに前記インフレーション法により共押出成形する際、モレキュラーシーブ含有率の異なる二種類の前記乾燥剤含有樹脂を用い、前記補強フィルム層に接する前記乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブを高含有率としており、乾燥剤フィルムの中側の乾燥剤フィルム層に対して、外側の乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブ含有率を低含有率とし、モレキュラーシーブに起因する表面粗さが比較的平坦なものとすることによって、他の乾燥剤フィルム層、他のフィルム若しくは平板状部材などとのラミネーションを良好なものとし、補強フィルム層側の乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブ含有率を高くして所望の吸湿量若しくは吸湿性能を有する乾燥剤フィルムとすることができるし、モレキュラーシーブが高含有率の乾燥剤フィルム層であったとしても補強フィルム層とモレキュラーシーブの低含有率の乾燥剤フィルム層との間に介在しているので、乾燥剤フィルムが脆くなるといった問題を解消することができる利点がある。
また、請求項の発明では、前記乾燥剤フィルム層に積層される該補強フィルム層の厚さを調整し、前記補強フィルムの表面粗さRaを0<Ra≦1.30(μm)の範囲内としたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥剤フィルムの製造方法であるので、モレキュラーシーブが高含有率程、乾燥剤フィルム層表面の粗さが増すが、溶融状態で押し出された熱可塑性樹脂が乾燥剤含有樹脂との接着面が融合して二軸延伸され、熱可塑性樹脂の押出量等を調整して補強フィルムの厚さを設定することにより、乾燥剤に起因する乾燥剤フィルム層表面の凹凸が緩和され、乾燥剤フィルムの補強フィルム側の表面を平坦なものとすることができる利点がある。補強フィルムの表面粗さRaが1.30μmを超える場合、即ち乾燥剤フィルムの表面粗さRaが1.30μmを超えると、他のものと積層構造としたとしても耐久性等に問題が生じるので、乾燥剤フィルムの表面粗さRaは、0<Ra≦1.30(μm)が好ましい。
また、請求項の発明では、前記乾燥剤フィルム又は該乾燥剤フィルムと他のモレキュラーシーブを含む乾燥剤フィルム層とをドライラミネーション又はサンドラミネーションにより積層し、吸湿量等の吸湿性能及び前記乾燥剤フィルムの厚みを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥剤フィルムの製造方法であるので、乾燥剤フィルムの厚さを好みに応じて調整することが可能であり、しかも他のモレキュラーシーブを含む乾燥剤フィルム層、例えば乾燥剤含有量が多い脆い乾燥剤フィルムを中側に介在させることが可能であるので、所望の吸湿量若しくは吸湿性能を有する乾燥剤フィルムを容易に製造することができるし、吸湿性能の持続性を調整できる利点がある。
また、請求項の発明では、モレキュラーシーブとMFR10以上の樹脂を含む樹脂とによる乾燥剤含有樹脂を用いた乾燥剤フィルムであって、
モレキュラーシーブが樹脂に対し1〜80重量%の範囲で含有する乾燥剤含有樹脂と熱可塑性樹脂とにより、該乾燥剤含有樹脂による複層の乾燥剤フィルム層と、前記熱可塑性樹脂による補強フィルム層とを、インフレーション法により共押出成形して積層した乾燥剤フィルムであり、前記複層の乾燥剤フィルム層が、モレキュラーシーブ含有率の異なる層からなり、前記補強フィルム層に接する乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブ含有率を他の層より高くしたことを特徴とする乾燥剤フィルムであるので、各フィルム層が、インフレーション法による二軸延伸であり、フィルム自体の引張強度が強く、乾燥剤フィルム層に熱可塑性樹脂による補強フィルムが積層されて引張強度が増し、しかも補強フィルム層の表面が平滑となっており、乾燥剤フィルム同士の接着性、包装材料の外装或いは機能性フィルム若しくは平板状部材等との接着性が良好となる乾燥剤フィルムが提供できる。
また、モレキュラーシーブを高含有率とした乾燥剤フィルム層によって、所望の吸湿量を有する乾燥剤フィルムを容易に製造することができるし、モレキュラーシーブが低含有率の乾燥剤フィルム層は、高含有率よりも引張強度が強いことから乾燥剤フィルムの機械的強度を高めるのに利用することができるし、さらに、低含有率の乾燥剤フィルム層は、モレキュラーシーブの分布密度が粗であり、長期間に渡って吸湿性能を維持し得る作用をする利点がある。
また、請求項の発明では、前記補強フィルム層の厚さを調整して前記補強フィルムの表面粗さRaが、0<Ra≦1.30(μm)の範囲内であることを特徴とする請求項に記載の乾燥剤フィルムであるので、モレキュラーシーブが高含有率程、乾燥剤フィルム層表面の粗さが増すが、溶融状態で押し出された熱可塑性樹脂が乾燥剤含有樹脂との接着面が融合して二軸延伸され、熱可塑性樹脂の押出量等を調整して補強フィルムの厚さを設定することにより、乾燥剤に起因する乾燥剤フィルム層表面の凹凸が緩和され、乾燥剤フィルム(補強フィルム側)の表面粗さRaを0<Ra≦1.30(μm)の範囲に押さえることができ、乾燥剤フィルムの他の材料との接着性が改善できる利点がある。
また、請求項の発明では、前記乾燥剤フィルム同士又は該乾燥剤フィルムと他の乾燥剤含有樹脂フィルムとをドライラミネーション又はサンドラミネーションにより積層して乾燥性能及び厚みを任意に設定したことを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥剤フィルムであるので、乾燥剤フィルム同士或いはモレキュラーシーブ含有率の異なる他の乾燥剤含有樹脂フィルムとを組み合わせて任意の吸湿量及び吸湿性能の持続性等の吸湿特性を容易に設定できる利点がある。
また、請求項の発明では、前記乾燥剤フィルムの補強フィルム層上に外装又は機能性フィルム若しくは平板状部材を積層したことを特徴とする請求項4,5又は6に記載の乾燥剤フィルムであり、外装フィルムとは代表例として包装材料、包装容器等が挙げられ、機能性フィルム若しくは平板状機能部材としては電子部品或いは電子ディバイスを湿気から保護したり、或いは電気的絶縁性や帯電防止性を有する機能を備えたものであり、補強フィルム層を設けることによって、これらのものとの接着性を改善することにより、汎用性の高い乾燥剤フィルムを提供できる利点がある。
以下、本発明の乾燥剤フィルム及びその製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の乾燥剤フィルムを示している。同図において、乾燥剤フィルム1は、乾燥剤としてモレキュラーシーブを含む乾燥剤含有樹脂と熱可塑性樹脂とを用いてインフレーション法によ共押出成形により、乾燥剤含有樹脂による乾燥剤フィルム層2,3と、熱可塑性樹脂による補強フィルム層4とによる積層構造のものである。乾燥剤フィルム層2,3にはモレキュラーシーブ5が含有しており、乾燥剤フィルム層2は乾燥剤フィルム層3よりもモレキュラーシーブ5の含有率が高く、モレキュラーシーブ5が密に分布し、乾燥剤フィルム層3にはモレキュラーシーブ5が粗に分布している。乾燥剤フィルム層2,3及び補強フィルム層4は、インフレーション法による二軸延伸により引張強度が高められている。
乾燥剤フィルム層2は、モレキュラーシーブ5の含有率が高く、その面は粒状のモレキュラーシーブ5により粗面となっており、この粗面の乾燥剤フィルム層2上に補強フィルム層4が積層されることにより平坦な面としている。補強フィルム層4は、モレキュラーシーブ5の含有率を高めた際の機械的強度(引張強度,耐衝撃性)の脆さを補うことができるとともに、乾燥剤フィルム層2の表面の凹凸を補強フィルム層4で埋めて補強フィルム層4の表面を平坦にし、他の外装フィルム等を接着する際の接着性を改善することができる。補強フィルム層、即ち乾燥剤フィルム1の表面粗さRaは、0<Ra≦1.30(μm)とすることができる。なお、膜厚或いは面積にも依存するが、モレキュラーシーブの含有率が1〜10重量%の範囲ではモレキュラーシーブに起因する表面粗さが無視できる程度であり、補強フィルム層4にモレキュラーシーブを10%以下の割合で含有させることにより、乾燥剤フィルム1の総モレキュラーシーブ含有量を多くすることができ、さらに、補強効果を有し、表面粗さが0<Ra≦1.30(μm)の補強フィルム層4を形成することができる。また、乾燥剤フィルム層3は、乾燥剤フィルム層2よりモレキュラーシーブ5の含有率が低く、乾燥剤フィルム層2より引張強度が強い。乾燥剤フィルム1は、乾燥剤フィルム層2が補強フィルム層4と乾燥剤フィルム層3との間に介在した積層構造であり、モレキュラーシーブ含有率の高い乾燥剤フィルム層を中間層に形成することができる。また、モレキュラーシーブ含有率が最も高い乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブ含有率を40〜80%、さらに好ましくは50〜80%とすることで、高い吸湿能の積層フィルムを形成することができる。
この乾燥剤フィルム1は、例えば図2に示す装置を用いてインフレーション法により製造することができる。図2において、10はインフレーションダイであり、インフレーションダイ10の口金部には押出機11〜13が装着され、その中央部に圧縮空気を供給する圧空供給パイプ10aが設けられ、インフレーションダイ10の上部近傍には冷却槽14が設けられている。インフレーションダイ10の上方の巻取口にはガイド板15とニップロール16が設けられている。なお、押出機13は図2中点線で図示した。また、押出機の口金部への装着位置は、図2のように側部に限定するものではなく、押出機の一つをインフレーションダイ10の底部に設けてもよい。
押出機11,13にはモレキュラーシーブを含む乾燥剤含有樹脂A,Cが所定温度で溶融され、かつ押出機12には熱可塑性樹脂Bが所定温度で溶融されており、押出機11〜13によりこれらの樹脂A,B,Cがダイ10の吐出口から押し出され積層されて連続的に送り出され、圧空供給パイプ10aからは圧縮空気が送り込まれて乾燥剤含有樹脂A,C及び熱可塑性樹脂Bが二軸延伸されると同時に冷却槽14により冷却されてチューブ状の積層されたフィルムが成形される。このフィルム状に成形された乾燥剤フィルムはガイド板15に沿ってニップロール16に送り込まれ引き出されて巻き取られる。この乾燥剤フィルムは、乾燥剤フィルム層2′,3′と補強フィルム層4′が折り畳められて巻き取られ、チューブ状の乾燥剤フィルムの両側が切断されて乾燥剤フィルムとして利用される。この乾燥剤フィルムは、インフレーション法により樹脂の分子配列が二軸配向して、引張強度が一軸延伸よりも増したものとなる。なお、乾燥剤含有樹脂A,Cには、少なくともメルトフローレート(以下、MFRと称する)10以上の樹脂が混合されて、実質的に乾燥剤含有樹脂A,CをMFR1.0以上の樹脂とする。
また、上記実施形態では、共押出成形により三層の乾燥剤フィルムの製造方法を示したが、図3に示したようにモレキュラーシーブを含有する乾燥剤含有樹脂により一層の乾燥剤フィルム層2aをインフレーション法により製造することができるし、同様の方法で二層或いは三層以上の乾燥剤フィルムを製造することができることも言うでもない。これらの一層乃至三層、或いは三層以上の乾燥剤フィルムは、例えば、図6に示したようにドライラミネーション或いはサンドラミネーション等の手法により積層することにより、吸湿量及び吸湿持続時間等が異なる種々の吸湿性能を有する乾燥剤フィルムを製造することができる。
図4の乾燥剤フィルムは、図3の乾燥剤フィルム層2aを2枚用意し、これらの乾燥剤フィルム2aにブレンド樹脂層6を挟み込んでサンドラミネーションした形態である。ブレンド樹脂層6のモレキュラーシーブの含有率は、乾燥剤フィルム2aより低い含有率であり、このような乾燥剤フィルム層を複数組み合わせることによって、吸湿量を任意に設定することができるし、乾燥剤フィルムの厚さを調整することができる。
また、図5の乾燥剤フィルムは、モレキュラーシーブの含有率の異なる乾燥剤フィルム層2a,3aからなる乾燥剤フィルムを2枚用意してブレンド樹脂層6を挟み込んでサンドラミネーションしたものである。乾燥剤フィルム層2a,3aはインフレーション法により共押出成形して製造することができる。乾燥剤フィルム層2aのモレキュラーシーブの含有率は、乾燥剤フィルム層3aよりも高く、ブレンド樹脂層6は乾燥剤フィルム層3aよりも低い含有率であるか、略同一の含有率である。このように乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブの含有率を異ならせたり、積層構造により全体の厚みを調整することによって、吸湿量及び吸湿持続性能を調整することができる。
また、図6の乾燥剤フィルムは、図1の乾燥剤フィルム1を2枚用意し、互いの補強フィルム層4を外側にし、これらの乾燥剤フィルム1間に図3の一層の乾燥剤フィルム層2aを接着層7でドライラミネーションした形態である。なお、接着性を良好なものとするために、乾燥剤フィルム1の乾燥剤フィルム層側の面にはコロナ処理が施される。このモレキュラーシーブを含有する5層の乾燥剤フィルム層によって、吸湿量の調整に加えて接着層7を介在させて厚みを調整することができ、吸湿持続性能の調整が可能である。モレキュラーシーブが低含有率の乾燥剤フィルム層3は高含有率のものより接着性が改善され、含有するモレキュラーシーブが吸湿量に寄与するとともに、吸湿持続性能に寄与する。なお、図6の乾燥剤フィルムの各乾燥剤フィルム1及び乾燥剤フィルム層2aに含有するモレキュラーシーブの含有率は相互に異なったとしてもよい。
また、図7の乾燥剤フィルムは、乾燥剤フィルム2の両面に補強フィルム層4a,4bを、図2に示したインフレーション法による共押出成形により製造したものである。図1の形態と同様に3層の共押出成形したフィルムであり、乾燥剤フィルム2の表面の凹凸を補強フィルム層4aが覆い、補強フィルム層4aの表面9を平坦な面としている。乾燥剤フィルム2の表面粗さRaは、0<Ra≦1.30(μm)とする。乾燥剤フィルム2の両面が、補強フィルム層4a,4bで平坦面となっている。また、この乾燥剤フィルムの補強フィルム層4aの表面をコロナ処理し、外装或いは機能性フィルムをこの処理面にドライラミネートして使用することができる。補強フィルム層4aには、例えばガスバリヤー性フィルム等を含む外装或いは機能性フィルム8を、コロナ処理した表面9にドライラミネーションして包装材料として利用することができる。また、この外装或いは機能性フィルム8は、図柄、絶縁層、電極パターン等の印刷層が形成されたフィルムであってもよいし、さらには、有機ELディバイス用の乾燥剤フィルムとしても利用できるし、平板状部材であってもよい。
上述のように、本発明の乾燥剤フィルムは、乾燥剤として大きな容積を占めることがないし、乾燥を必要とする種々の対象物に利用することができという汎用性の高い乾燥剤フィルムである。
以下、本発明の乾燥剤フィルムの実施例について、インフレーション法とTダイ法による製造方法による相違を、引張強度、ラミネート強度と表面粗さとの関係等の観点から比較例と検証しつつ説明する。なお、図1,図6,図7の乾燥剤フィルムは主な実施例であるが、これらの形態以外に、これらの乾燥剤フィルムと図3〜図5に示す他の形態の乾燥剤フィルムとを積層した実施例がある。
(1)インフレーション法とTダイ法による引張強度の検証:実施例1,2は、図7に示すように、補強フィルム4a/乾燥剤フィルム層2/補強フィルム4bの積層構造からなり乾燥剤フィルムであり、実施例1は乾燥剤としモレキュラーシーブ3Aを、実施例2はモレキュラーシーブ4Aを用い、モレキュラーシーブ3Aは微細孔の直径が3Å、モレキュラーシーブ4Aが4Åのもであり、その平均粒径は5〜10μmの範囲に分布するものである。なお、乾燥剤含有樹脂はMFR10以上となるように調整し、乾燥剤含有樹脂ペレット或いは乾燥剤を一定含有量含む溶融した乾燥剤含有樹脂を用いて製作した。
実施例1は、乾燥剤フィルム層2が、低密度ポリエチレン(以下、LDPEと略号で示す)(ペトロセン204 東ソー社製)を50重量部とモレキュラーシーブス3Aを50重量部とを所定の溶融温度(約150〜200℃)で混練した乾燥剤含有樹脂を用い、補強フィルム4a,4bが、線状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと略号で示す)を用いて、これらの樹脂をインフレーション法により共押出成形して乾燥剤フィルムを製作した。補強フィルム4a、乾燥剤フィルム層2、補強フィルム4bの各厚さは、それぞれ10μm、50μm、10μmとした。また、実施例2は、モレキュラーシーブ4Aを50重量部とLDPEを50重量部とを混練した乾燥剤含有樹脂を用い、補強フィルム4a,4bがLLDPEを用い、実施例1と同様にインフレーション法により共押出成形し、乾燥剤フィルム層2の両面に、それぞれ補強フィルム4a,4bを積層した乾燥剤フィルムを製作した。各層の厚さは実施例1と同様の厚さとした。
一方、比較例1,2の乾燥剤フィルムは、実施例1,2と同一の材料を用いてTダイ法により押出成形を行い同様の積層構造とした。即ち、比較例1が、LLDPE(10μm)/モレキュラーシーブ3Aを含有する乾燥剤フィルム層(50μm)/LLDPE(10μm)であり、比較例2が、LLDPE(10μm)/モレキュラーシーブス4Aを含有する乾燥剤フィルム層(50μm)/LLDPE(10μm)である。実施例1,2及び比較例1,2の引張強度試験の結果は表1の通りであり、一軸延伸に対して二軸延伸の方がフィルム強度が増した。なお、引張強度試験は、ASTMD−882の規定により行った。
Figure 0004413675
(2)ラミネート強度と表面粗さとの関係を検証:図7を参照し、実施例3〜5と比較例3とに基づき、ラミネート強度と表面粗さとの関係について検証し実施例を説明する。乾燥剤フィルム層2のモレキュラーシーブに起因する表面粗さRaは、補強フィルム4aを設けることにより平坦な面となる。実施例3では、LDPE(ペトロセン204 東ソー社製)を50重量部とモレキュラーシーブ3Aを50重量部とを混練した乾燥剤含有樹脂とLLDPEを用意して、この乾燥剤含有樹脂による乾燥剤フィルム層2と、LLDPEによる補強フィルム層4a,4bをインフレーション法により共押出成形して乾燥剤フィルムを製作した。
実施例3の積層構成は、補強フィルム4a(LLDPE(5μm))/乾燥剤フィルム2(モレキュラーシーブ3Aを含有する乾燥剤フィルム層(50μm))/補強フィルム4b(LLDPE(10μm))であり、補強フィルム4aをコロナ処理した。このコロナ処理面に、PET(12μm)/アルミニウム(7μm)/PE(10μm)からなる積層フィルム8のPE側をドライラミネーションをした。
また、実施例4の積層構成は、補強フィルム4a(LLDPE(10μm))/乾燥剤フィルム2(モレキュラーシーブ3Aを含有する乾燥剤フィルム層(50μm))/補強フィルム4b(LLDPE(10μm))であり、補強フィルム4aをコロナ処理した。このコロナ処理面に、PET(12μm)/アルミニウム(7μm)/PE(10μm)からなる積層フィルム8のPE側をドライラミネーションした。
また、実施例5の積層構成は、補強フィルム4a(LLDPE(20μm))/乾燥剤フィルム2(モレキュラーシーブ3Aを含有する乾燥剤フィルム層(50μm))/補強フィルム4b(LLDPE(10μm))であり、補強フィルム4aをコロナ処理した。このコロナ処理面に、PET(12μm)/アルミニウム(7μm)/PE(10μm)からなる積層フィルム8のPE側をドライラミネーションした。なお、PETはポリエチレンテレフタレート、PEはポリエチレン、積層フィルム8のアルミニウムはアルミニウム箔或いは蒸着膜によるガスバリヤー性フィルムである。
一方、比較例3は、上記実施例3における補強フィルム4aを設けないで、乾燥フィルム2(50μm)/補強フィルム4b(LLDPE(10μm))の2層フィルムであり、乾燥フィルム層側の表面をコロナ処理し、このコロナ処理面に、上記と同様のPET(12μm)/アルミニウム(7μm)/PE(10μm)からなる積層フィルム8のPE側をドライラミネーションした。
実施例3〜5の乾燥剤フィルムと、比較例3の積層フィルムとのラミネート強度を測定し、この試験結果を表2に示した。この試験結果から実施例4の乾燥剤フィルムが、最もラミネート強度が強いことが判った。この補強フィルム層4の表面粗さRaは、0.7596μmであり、それより表面粗さRaが粗いものは、ラミネート強度が弱くなることが判った。また、実施例5のように表面粗さRaが、0.3825μm程度の比較的平坦な面同士であってもラミネート強度が多少低下するものの実用上問題になるものではない。また、比較例1では、表面粗さRaが、1.3360μmであり、ラミネート強度が43gf/15mmとかなり弱く実用的に問題となる。従って、この結果からは、概ね乾燥剤フィルム層2に積層された補強フィルム層4の表面粗さRaが、0<Ra≦1.30(μm)の範囲内が好ましく、表面粗さRaが1.30μm以上であると、剥がれ易く実用的ではないものと判定した。なお、ラミネート強度の測定は、180°剥離方法で行った。
Figure 0004413675
(3)飽和吸湿量,フィルム強度,ラミネーション強度の検証:実施例6〜8と比較例4〜6とにより乾燥剤フィルムとしての吸湿性能と機械的強度とについて検証し実施例を説明する。
実施例6は図4の乾燥剤フィルムであり、2枚の乾燥剤フィルム層2a間にブレンド樹脂層6をサンドラミネーションしたものである。乾燥剤フィルム層2aは、エチレンとメタクリレートとのランダム共重合体(以下、EMAAと略記する)(ニュクレル4214C 三井・デュポンポリケミカル社製)とモレキュラーシーブ3Aとを互いに100重量部混練して乾燥剤含有樹脂とし、この乾燥剤含有樹脂をインフレーション法により厚さ100μmの乾燥剤フィルム層2aを製作した。ブレンド樹脂層6は、上記乾燥剤含有樹脂を100重力部に対して、EMAAを50重量部を混合して混練し押出成形して10μmの厚さのものを製作した。その後、乾燥剤フィルム2a間にブレンド樹脂層6をサンドラミネーションして乾燥剤フィルムを製作した。
実施例7は図5の乾燥剤フィルムであり、積層構造の乾燥剤フィルム層2a,3aからなる乾燥剤フィルムを2枚用意し、乾燥剤フィルム間にブレンド樹脂層6をサンドラミネーションした。乾燥剤フィルム層2a,3aはモレキュラーシーブ3Aの含有率が異なり、これらの層はインフレーション法により共押出成形して製作した。乾燥剤フィルム層2aは、EMAA(ニュクレル4214C 三井・デュポンポリケミカル社製)100重部に対して、モレキュラーシーブ3Aを50重部を混合し、混練した乾燥剤含有樹脂を用いた。乾燥剤フィルム層3aはEMAA(ニュクレル4214C 三井・デュポンポリケミカル社製)100重部に対して、モレキュラーシーブ3Aを50重部を混練した乾燥剤含有樹脂を用いた。乾燥剤フィルム層2aは厚さを80μm、乾燥剤フィルム層3aの厚さを20μmとした。ブレンド樹脂層6は実施例6と同様な製造工程により、10μmの厚さのものを製作した。続いて、乾燥剤フィルム層2a,3aの乾燥剤フィルムの乾燥剤フィルム層3a同士が向かい合う方向にブレンド樹脂層6を挟んでサンドラミネーションした。
実施例8は図6の乾燥剤フィルムであり、乾燥剤フィルム1の間に乾燥剤フィルム層2aをドライラミネーションしたものである。乾燥剤フィルム1は、補強フィルム層4と乾燥剤フィルム層2,3との積層構造である。乾燥剤フィルム層2は、EMAA(ニュクレル4214C 三井・デュポンポリケミカル社製)とモレキュラーシーブ3Aとを、互いに100重部を混練して乾燥剤含有樹脂とする。乾燥剤フィルム層3は、EMAA(ニュクレル4214C 三井・デュポンポリケミカル社製)を100重部に、モレキュラーシーブ3Aとを50重部を混練して乾燥剤含有樹脂とする。補強フィルム4はLLDPEを用いた。モレキュラーシーブ3Aの含有率が異なる乾燥剤含有樹脂とLLDPEとをインフレーション法により共押出成形し、乾燥剤フィルム層3の面をコロナ処理を行って3層の乾燥剤フィルム1を製作した。この乾燥剤フィルム1を2枚用意し、乾燥剤フィルム1の乾燥剤フィルム層3側が向かい合うよう方向に、図3に示す厚さ10μmの乾燥剤フィルム層2aを接着剤7でドライラミネートして乾燥剤フィルムを製作した。
一方、比較例4はEMAA(ニュクレル4214C 三井・デュポンポリケミカル社製)とモレキュラーシーブ3Aとを互いに100重部を混練して乾燥剤含有樹脂をTダイ法により200μmの厚さの単層フィルムを製作した。比較例5は、同様の組成の乾燥剤含有樹脂をTダイ法により300μmの厚さの単層フィルムを製作した。比較例6は、同様の組成の乾燥剤含有樹脂をTダイ法により100μmの厚さの単層フィルムを製作し、この単層フィルムを3枚ドライラミネーションして、300μmの厚さの積層フィルムを製作した。
下記表3の結果から明らかなように、実施例6〜8及び比較例3〜6では乾燥剤フィルムの膜厚を厚くするに連れて、飽和吸湿量が増すことは確認されたが、比較例3〜6ではフィルム強度が不十分であった。しかし、実施例6〜8では、乾燥剤含有率を下げた樹脂やブレンド樹脂を用いることにより接着性が向上し、積層構造の乾燥剤フィルムによって、飽和吸湿量を変えることなく、機械的強度(引張強度、衝撃強度、引裂強度等)によるフィルム強度評価が良好であり、積層構造により乾燥剤としての基本性能である飽和吸湿量を調整することができるし、任意の厚膜フィルムを製作できることを確認した。
Figure 0004413675
因みに、上記実施例において、モレキュラーシーブを含有する乾燥剤含有樹脂は、押出時の溶融状態において、MFR1.0以上であることがインフレーション法による共押出成形の製造条件である。なお、MFRは、JISK7210に規定する試験方法のもとで溶融した樹脂を射出し、一定時間当たりに押出される樹脂の量を示す値である。
本発明は、食品、医薬品、電気機器、電子ディバイスを含む電子部品等の乾燥剤として利用できるとともに、乾燥剤フィルムをシート状の包装袋或いは容器内面側に積層した包装材料、梱包材料に利用できるし、有機ELディバイス等に積層して有機物質を湿気から保護するための乾燥剤フィルムとしても利用できる。
本発明の実施形態を示す乾燥剤フィルムの断面図である。 本実施形態をインフレーション法により共押出成形する製造方法を説明する断面図である。 乾燥剤フィルムの一形態を示す断面図である。 乾燥剤フィルムの他の形態を示す断面図である。 乾燥剤フィルムの他の形態を示す断面図である。 本発明の実施形態を示す乾燥剤フィルムの断面図である。 実施形態による表面粗さとラミネート強度との関係を説明する断面図である。
符号の説明
1 乾燥剤フィルム
2,3,2a,3a 乾燥剤フィルム層
4,4a,4b 補強フィルム層
5 乾燥剤(モレキュラーシーブ)
6 ブレンド樹脂層
7 接着層
8 外装或いは機能性フィルム
9 補強フィルム層の表面
10 インフレーションダイ
10a 圧空供給パイプ
11〜13 押出機
14 冷却槽
15 ガイド板
16 ニップロール
A 乾燥剤含有樹脂
B 熱可塑性樹脂

Claims (7)

  1. モレキュラーシーブとMFR10以上の樹脂を含む樹脂とによる乾燥剤含有樹脂を用いた乾燥剤フィルムの製造方法であって、
    該モレキュラーシーブの含有率を1〜80重量%の範囲で混合した前記乾燥剤含有樹脂を用意し、
    該乾燥剤含有樹脂と熱可塑性樹脂とをインフレーション法により共押出成形し、
    該乾燥剤含有樹脂による複層の乾燥剤フィルム層と該熱可塑性樹脂による補強フィルム層とを積層した乾燥剤フィルムを形成するに際し、
    該モレキュラーシーブの含有率の異なる前記乾燥剤含有樹脂を用いて、前記複層の乾燥剤フィルム層の内、前記補強フィルム層に接する乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブを、他の乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブの含有率より高含有率としたことを特徴とする乾燥剤フィルムの製造方法。
  2. 前記補強フィルム層の厚さを調整し、前記補強フィルムの表面粗さRaを0<Ra≦1.30(μm)の範囲内としたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥剤フィルムの製造方法。
  3. 前記乾燥剤フィルム又は該乾燥剤フィルムと他のモレキュラーシーブを含む乾燥剤フィルム層とをドライラミネーション又はサンドラミネーションにより積層し、吸湿量等の吸湿性能及び前記乾燥剤フィルムの厚みを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥剤フィルムの製造方法。
  4. モレキュラーシーブとMFR10以上の樹脂を含む樹脂とによる乾燥剤含有樹脂を用いた乾燥剤フィルムであって、
    該モレキュラーシーブが樹脂に対し1〜80重量%の範囲で含有する乾燥剤含有樹脂と熱可塑性樹脂とにより、該乾燥剤含有樹脂による複層の乾燥剤フィルム層と、前記熱可塑性樹脂による補強フィルム層とを、インフレーション法により共押出成形して積層した乾燥剤フィルムであり、
    前記複層の乾燥剤フィルム層が、モレキュラーシーブ含有率の異なる層からなり、前記補強フィルム層に接する乾燥剤フィルム層のモレキュラーシーブ含有率を他の層より高くしたことを特徴とする乾燥剤フィルム
  5. 前記補強フィルム層の厚さを調整して前記補強フィルムの表面粗さRaが、0<Ra≦1.30(μm)の範囲内としたことを特徴とする請求項4に記載の乾燥剤フィルム。
  6. 前記乾燥剤フィルム同士又は該乾燥剤フィルムと他の乾燥剤含有樹脂フィルムとをドライラミネーション又はサンドラミネーションにより積層して吸湿量等の吸湿性能及び厚みを任意に設定したことを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥剤フィルム。
  7. 前記乾燥剤フィルムの補強フィルム層上に外装又は機能性フィルム若しくは平板状部材を積層したことを特徴とする請求項4,5又は6に記載の乾燥剤フィルム。
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