JP4412861B2

JP4412861B2 - 複数電極式干渉低周波治療器

Info

Publication number: JP4412861B2
Application number: JP2001097071A
Authority: JP
Inventors: 均平松; 昭宣友野
Original assignee: オージー技研株式会社
Priority date: 2001-03-29
Filing date: 2001-03-29
Publication date: 2010-02-10
Anticipated expiration: 2021-03-29
Also published as: JP2002291913A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、人体患部に互いに交叉させた二つの中周波電流通電を行ない、二つの中周波電流の周波数差に相当する刺激（＝干渉刺激）を二つの中周波電流の交叉部位に生じさせ、当該干渉刺激を付加する干渉低周波治療器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来技術の登実第３０３０７２９号公報には、突起と、ストッパーと、導子カバーと、電極板と、パイプと、電極部等とからなる低周波治療器用導子において、導子カバーを僅か歪ませた時、電極板と突起の接触が一部で無くなる吸引式の低周波治療器用導子が開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の吸引式の低周波治療器用導子は、電極板と突起が弁機構を形成しており、導子を人に装着した時弁機構が開き、導子を非装着とした時弁機構が閉じる作用を呈するが、導子カバー内に電極板が一個しか設けられていないので干渉低周波治療器の場合、導子カバーを四個装着しなければならず、その装着作業に手数が掛かり、更に、効果的な干渉電流治療を行なう為には装着部位の面積を広く要するものであった。
【０００４】
本発明の目的は、人体患部への装着作業を低減でき、どの部位でも容易に装着可能で効果的な干渉電流治療を行なうことのできる複数電極式干渉低周波治療器を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
患部に装着する絶縁された一組二個の電極（６）を二組備え、通電波形の違いにより人体内に生じる干渉電流を治療に使用する干渉低周波治療器（１）において、絶縁材料で作られた一つの電極ベース（８）に二個の電極（６）が固定され、該電極ベース（８）及び緩衝材（２３）が可撓性のある吸着カップ（９）に収容されて導子（２）が構成され、該吸着カップ（９）の吸着変形作動により前記電極（６）が緩衝材（２３）を介在して人体表面に圧接され、二個の導子（２）で干渉電流治療が行なえ、電極ベース（８）と吸着カップ（９）間には、該カップ（９）の変形によりエアー通路（１６）を開閉する弁機構（１７）を備えられることを特徴とする複数電極式干渉低周波治療器である。
また、患部に装着する絶縁された一組二個の電極（６）を二組備え、通電波形の違いにより人体内に生じる干渉電流を治療に使用する干渉低周波治療器において、絶縁材料で作られた一つの電極ベース（８）に四個の電極（６）が固定され、該電極ベース（８）及び緩衝材（２３）が可撓性のある吸着カップ（９）に収容されて導子（２）が構成され、該吸着カップ（９）の吸着変形作動により前記電極（６）が緩衝材（２３）を介在して人体表面に圧接され、一個の導子（２）で干渉電流治療が行なえ、電極ベース（８）と吸着カップ（９）間には、該カップ（９）の変形によりエアー通路（１６）を開閉する弁機構（１７）を備えられることを特徴とする複数電極式干渉低周波治療器である。
【０００６】
【作用】
本発明の干渉低周波治療器１を用いて、人体患部に干渉電流を生じさせ、該干渉電流で治療を行なう。
【０００７】
導子２は可撓性のある吸着カップ９内に電極ベース８を収容する。前記吸着カップ９は人体表面における患部に吸着する。絶縁材料で作られた一つの電極ベース８は、互いに絶縁される二個の電極６を固定保持する。
【０００８】
一個の吸着カップ９は、人体表面に吸着した時には該吸着カップ９の吸着変形作動により二個の電極６を、緩衝材２３を介して前記患部に同時に圧接させる。
【０００９】
干渉低周波治療を行なう時は、一つの干渉波通電に付き二個の吸着カップ９を用いて行なう。
【００１０】
他の構成の電極ベース８では、絶縁材料で作られた一つの電極ベース８に互いに絶縁される四個の電極６が固定保持される。
一個の吸着カップ９は、該吸着カップ９の吸着変形作動により四個の電極６を、緩衝材２３を介して前記患部に同時に圧接させる。
【００１１】
干渉低周波治療を行なう時は、一つの干渉波通電に付き一個の吸着カップ９を用いて行なう。
【００１２】
電極ベース８と吸着カップ９間に構成される弁機構１７は、該カップ９の変形によりエアー通路１６を開閉する。
【００１３】
形状を略半月形とした電極６で人体に通電を行なう。
【００１４】
形状を略扇形とした電極６で人体に通電を行なう。
【００１５】
吸着カップ９が吸着変形作動し導子２が治療部位に装着された時、厚みを４〜６ミリとした緩衝材２３は、電極６と人体表面との間にあって容易に変形し、電極６と人体表面の両部材に好適に接触し導電作用をなす。
【００１６】
緩衝材２３は可撓性を有する。緩衝材２３を所定の材料・寸法とし、一方電極６と他方電極６との間に加電した場合に、電流の殆どが一方電極６から緩衝材２３を通過し人体に流れ込み、一方電極６から緩衝材２３を通って他方電極６に戻る電流は少ない。
【００１７】
【実施例】
本発明の第１実施例の干渉低周波治療器１は、導子２に治療電力を付与し互いに別個の電源であるＣｈ１電源３とＣｈ２電源４と、導子２の内側を負圧になす吸引部５とから構成される。
【００１８】
Ｃｈ１電源３とＣｈ２電源４は、人体表面に装着した二組四個の電極６を経由して、人体患部における交叉する二つの経路に中周波電流Ａ、Ｂを流すものである。
中周波電流ＡとＢは周波数が異なるため、その差の周波数の干渉電流が患部に生じ、これが干渉刺激となり、人体に治療効果を与える。
吸引部５は、真空ポンプ（図示省略）、可撓ホース７等からなる。
【００１９】
導子２は、可撓性のある吸着カップ９に電極ベース８及び緩衝材２３が収容されて構成される。前記電極ベース８は絶縁材料で作られ、一個の該電極ベース８に二個の電極６が互いに絶縁されて設けられており、前記導子２は二極一体吸着導子１０である。
【００２０】
一方導子２ａにはＡ電極６ａとＤ電極６ｄが設けられ、他方導子２ｂにはＣ電極６ｃとＢ電極６ｂが設けられる。
Ａ電極６ａ及びＤ電極６ｄは略左右対称の略半月形に形成され、同様に、Ｃ電極６ｃ及びＢ電極６ｂも略左右対称の略半月形に形成され、所定の電極面積及び所定の電極相互間距離を確保した上で吸着カップ９の径を小さくなるように作る。（図１参照）
【００２１】
一方導子２ａと他方導子２ｂは、人体の治療部位におけるＡ電極６ａとＢ電極６ｂでなる通電路と、該治療部位におけるＣ電極６ｃとＤ電極６ｄでなる通電路とが互いに交差するように、該治療部位の表皮に当接させ、治療部位に二中周波を交差状に通電させるものである。
【００２２】
吸着カップ９は、吸着変形作動により前記電極６が緩衝材２３を介して人体表面に圧接されるように作用するものであり、電極６が設けられる電極ベース８と、該電極ベース８から椀状に広がるカップカバー１１とからなる。カップカバー１１の内部には電極ベース８を囲う環部１２が形成される。
【００２３】
電極ベース８はカップカバー１１の中央部に水密に取着される。前記電極ベース８の外側にはエアー導入具１３が取着される。エアー導入具１３に設けられたエアー接続具１４から電極ベース８の内側のエアー吸入口１５に至るまでの間に、エアー通路１６が開通される。
【００２４】
電極ベース８と吸着カップ９間には、該カップ９の変形によりエアー通路１６を開閉する弁機構１７が備わる。即ち、エアー通路１６の先端となるエアー吸入口１５の直前に環部１２が存在しており、該環部１２は弁機構１７を形成している。
【００２５】
環部１２は、常時はエアー吸入口１５に接して該吸入口１５を閉弁し、吸着カップ９の吸着変形作動時には、環部１２はエアー吸入口１５から離間してエアー吸入口１５を開弁する。
【００２６】
前記緩衝材２３は、可撓性を有するものであり、屈曲して人体に最も好適に添う。
緩衝材２３は、可撓性を有するものであって、一方電極６と他方電極６との間に通電した場合に、電流の殆ど（＝略８割以上）が一方電極６から緩衝材２３を経由し人体に流れ込み、一方電極６から緩衝材２３を経由して他方電極６に戻る電流が少ない（＝略２割未満）特性となるような材料・寸法である。
前記緩衝材２３の材料を含水体２４とした場合、該含水体２４は、スポンジ、紙、布等からなる。
【００２７】
前記緩衝材２３を非含水体２５とした場合、該非含水体２５は、ゲルパッド、導電ゴム、その他の材料からなる。
前記緩衝材２３は、カップカバー１１内に収納できる大きさであり、含水体２４又は非含水体２５のいずれの材料であっても略１０ミリ以下の厚みの平板状のものとする。
【００２８】
尚、緩衝材２３を非含水体２５とすれば、吸引部５へ水分が吸引される心配がなく、吸引部５及び導子２に係る水処理対策が不要となる。
又、一個の緩衝材２３が一個のカップカバー１１内に遊動状態に挿入されているが、電極６ごとに緩衝材２３を分割し該電極６に取着してもよい。
尚、前述のものは、一個の緩衝材２３が一個の吸着カップ９内に遊動可能状態に挿入されているが、電極６毎に緩衝材２３を分割して付設してもよい。
【００２９】
図２中、１８は電極ベース８の外側凹部１９を蓋する蓋体、２１は電極端子、２２は導子コードである。
【００３０】
使用に際しては、一方導子２ａと他方導子２ｂを、治療部位を挟むように互いに間隔を開けて該治療部位に吸着させる。
一方導子２ａ内のＡ電極６ａと他方導子２ｂ内のＢ電極６ｂが第一の通電経路を作り、一方導子２ａ内のＤ電極６ｄと他方導子２ｂ内のＣ電極６ｃが第二の通電経路を作り、互いに交叉する二つの通電経路が作られる。
【００３１】
導子２を人体表面に当てがうと、吸着カップ９が変形作動し、環部１２がエアー吸入口１５から離れ、弁機構１７が開弁する。開弁すると吸着カップ９内の空気が吸引部５に吸引され、吸着カップ９内が負圧になり該カップ９の変形作動が進み、吸着カップ９が所定の変形姿態となって電極６が緩衝材２３を介して人体表面に圧接される。
【００３２】
緩衝材２３は人体表面に添って湾曲等の変形をなす。緩衝材２３が含水体２４の場合は、使用前に該含水体２４に水を含ませる。緩衝材２３が非含水体２５の場合は、適宜清拭処理又は交換処理等を行なう。
【００３３】
一個の吸引部５に複数の吸着カップ９を接続するが、非使用の吸着カップ９の弁機構１７は自動的に閉弁するので、非使用の吸着カップ９が使用中の吸着カップ９の吸引作用を低下させるといった不都合な事態は起きない。
【００３４】
干渉低周波治療器１を作動させ、異なる二つの中周波電流を電極６に与え、上述の二つの通電経路に所定の値に設定した中周波電流を通電し干渉波電流を発生させ、治療部位に干渉刺激を与え、治療を行なう。
【００３５】
本発明の第２実施例は、第１実施例に係る二極一体導子１０を四極一体導子２０に代えたものである。
【００３６】
即ち、第２実施例の導子２では、一個の電極ベース８に四個の電極６が設けられ、該電極ベース８が可撓性のある吸着カップ９に収容されて構成され、一個の導子２として扱われる。
【００３７】
導子２には、Ａ電極６ａ、Ｂ電極６ｄ、Ｃ電極６ｃ及びＤ電極６ｄが設けられ、各電極６は略扇形とされる。
各電極６の形状を略扇形として、所定の電極面積及び互いの電極相互間距離を確保した上で吸着カップ９の径を小さくなるように作る。（図４参照）
【００３８】
導子２を治療部位に装着すると、治療部位におけるＡ電極６ａとＢ電極６ｂでなる第一の通電径路と、Ｄ電極６ｄとＣ電極６ｃでなる第二の通電径路とが互いに交叉する。
所定の中周波電流を四個の電極６に付与すると、治療部位に二中周波電流が交叉状に流れ、治療部位に干渉刺激が付与される。
【００３９】
【発明の効果】
本発明は、絶縁材料で作られた一つの電極ベース８に二個の電極６を固定し、該電極ベース８は可撓性のある吸着カップ９に収容されて導子２が構成され、該吸着カップ９の吸着変形作動により前記電極６が緩衝材２３を介して人体表面に圧接されるので、装着すべき導子２の数が二個にできるため装着作業を低減でき、好都合である。
【００４０】
又、一治療部位に対して装着する導子２の数が半分でよくそれ故に装着面積が少なくなるので、狭い部位への装着が可能になった。
又、導子２の装着部位として狭い部位が加わり、導子２を選択した部位に容易に且つ確実に装着できる為、電極６と人体表面との接触状態を安定させることができ治療に適し、好都合である。
【００４１】
また、本発明に係る導子２は、電極ベース８と吸着カップ９間には、該カップ９の変形によりエアー通路１６を開閉する弁機構１７を備えたものであるから、導子２を非使用時は、導子２の弁機構１７を閉弁し、エアー通路１６を閉じるようにできる。それ故に、エアー通路１６に生じる空気騒音を抑えることができ、又、エアー通路１６の開きっ放しを無くせる為に吸引部５の能力を低くでき、吸引部５に係る省エネルギー化、低騒音化が図れ、好都合である。
【００４２】
本発明は、絶縁材料で作られた一つの電極ベース８に四個の電極６を固定し、該電極ベース８は可撓性のある吸着カップ９に収容されて導子２が構成され、該吸着カップ９の吸着変形作動により前記電極６が緩衝材２３を介して人体表面に圧接されるので、装着すべき導子２の数が一個でよいため装着作業を低減でき、好都合である。
【００４３】
又、一治療部位に対して装着する導子２の数が四分の一でよくそれ故に装着面積が少なくなるので、狭い部位への装着が可能になった。又、前述同様に、導子２は選択した部位に容易に装着でき、且つ、確実に装着できる為、電極６と表皮との接触状態を安定させることができ治療に適し、好都合である。又、導子装着箇所が、従来は四箇所であったが、本発明は一箇所でよく局部治療が可能となり、好都合である。
【００４４】
又、本発明に係る導子２は、電極ベース８と吸着カップ９間には、該カップ９の変形によりエアー通路１６を開閉する弁機構１７を備えたものであるから、導子２を非使用時は、導子２の弁機構１７を閉弁し、エアー通路１６を閉じるようにできる。それ故に、エアー通路１６に生じる空気騒音を抑えることができ、又、エアー通路１６の開きっ放しを無くせる為に吸引部５の能力を低くでき、吸引部５に係る省エネルギー化、低騒音化が図れ、好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例のブロック図である。
【図２】本発明の第１実施例に係る二極一体吸着導子の断面を示す図である。
【図３】本発明の第１実施例に係る二極一体吸着導子の平面を示す図である。
【図４】本発明の第２実施例のブロック図である。
【図５】本発明の第２実施例に係る四極一体吸着導子の平面を示す図である。
【符号の説明】
１干渉低周波治療器
２導子
６電極
８電極ベース
９吸着カップ
１６エアー通路
１７弁機構
２３緩衝材

Claims

患部に装着する絶縁された一組二個の電極（６）を二組備え、通電波形の違いにより人体内に生じる干渉電流を治療に使用する干渉低周波治療器（１）において、
絶縁材料で作られた一つの電極ベース（８）に二個の電極（６）が固定され、該電極ベース（８）及び緩衝材（２３）が可撓性のある吸着カップ（９）に収容されて導子（２）が構成され、該吸着カップ（９）の吸着変形作動により前記電極（６）が緩衝材（２３）を介在して人体表面に圧接され、二個の導子（２）で干渉電流治療が行なえ、
電極ベース（８）と吸着カップ（９）間には、該カップ（９）の変形によりエアー通路（１６）を開閉する弁機構（１７）が備えられることを特徴とする複数電極式干渉低周波治療器。
患部に装着する絶縁された一組二個の電極（６）を二組備え、通電波形の違いにより人体内に生じる干渉電流を治療に使用する干渉低周波治療器において、
絶縁材料で作られた一つの電極ベース（８）に四個の電極（６）が固定され、該電極ベース（８）及び緩衝材（２３）が可撓性のある吸着カップ（９）に収容されて導子（２）が構成され、該吸着カップ（９）の吸着変形作動により前記電極（６）が緩衝材（２３）を介在して人体表面に圧接され、一個の導子（２）で干渉電流治療が行なえ、
電極ベース（８）と吸着カップ（９）間には、該カップ（９）の変形によりエアー通路（１６）を開閉する弁機構（１７）が備えられることを特徴とする複数電極式干渉低周波治療器。