JP2003079748A - 低周波治療器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 導子の装着手数を低減でき、導子の準備に掛
かるコストが嵩まない低周波治療器を提供すること。 【構成】 二箇所以上に電極（６）を有する導子（２）
において、電極（６）相互間を短絡又は低抵抗値接続に
切り替えることで、複数の電極（６）を電気的に一個の
電極（６）とし、電極（６）相互間の短絡又は低抵抗値
接続への切り替えを行なう切替回路（７）を低周波治療
器（１）内部に有し、導子（２）は可撓性のある吸着カ
ップ（９）に電極（６）が収容され、電極（６）は緩衝
材（１１）を介して人体表面に圧接されるもので、吸着
カップ（９）の吸着変形動作により人体表面に導子
（２）が吸着される低周波治療器である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人体患部に低周波電流
を通電し通電治療を施す低周波治療器に関する。多く
は、互いに交叉させた二つの低周波電流通電を行ない、
二つの低周波電流の周波数差に相当する刺激（＝干渉刺
激）を二つの低周波電流の交叉部位に生じさせ、当該干
渉刺激を人体患部に付与する干渉低周波治療器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来技術の特公昭５６−４５６２４号公
報には、空気装置と、カップと、電極支持体と、二つの
電極とからなる「健康美容具」が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術の上記構成に
よれば、吸引によるマッサージと、低周波電流による刺
激を同時に加えることができるが、二個の電極を電気的
に短絡する機能をを有していないため、広間隔の治療部
位を治療する場合は、別個の導子を準備しなければなら
ず、費用が嵩み、また、導子交換の手間が掛かるもので
あった。

【０００４】本発明の目的は、導子の装着手数を低減で
き、導子の準備に掛かるコストが嵩まない低周波治療器
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち本発明は、二箇所以
上に電極（６）を有する導子（２）において、電極
（６）相互間を短絡又は低抵抗値接続に切り替えること
で、複数の電極（６）を電気的に一個の電極（６）とす
ることを特徴とする低周波治療器である。又、電極
（６）相互間の短絡又は低抵抗値接続への切り替えを行
なう切替回路（７）を低周波治療器（１）内部に有す
る。更に、導子（２）は可撓性のある吸着カップ（９）
に電極（６）が収容され、電極（６）は緩衝材（１１）
を介して人体表面に圧接されるもので、吸着カップ
（９）の吸着変形動作により人体表面に導子（２）が吸
着される。

【０００６】

【作用】本発明の低周波治療器１を用いて、人体患部に
通電し、通電治療を行なう。多くは、低周波治療器１を
干渉低周波治療器になして、人体患部に干渉電流を生じ
させ該干渉電流に係る干渉刺激で治療を行なう。

【０００７】狭範囲の治療部位を干渉刺激治療する場合
は、二箇所以上に電極６部を有する導子２を一個人体に
装着し、該導子２に低周波治療器１から低周波電力を付
与し、通電を行なう。

【０００８】広範囲の治療部位を治療する場合は、電極
６相互間を短絡又は低抵抗接続に切り替え、複数の電極
６を電気的に一個の電極６になし、該一個の電極６にな
した導子２を複数個準備し、それらの該一個の電極６に
なした導子２を人体に装着し、該一個の電極６になした
導子２に低周波治療器１から低周波電力を付与し、通電
治療を行なう。

【０００９】低周波治療器１内部に有する切替回路７を
作動させて、電極６相互間を短絡するか、又は、電極６
相互間を低抵抗値で接続する。

【００１０】導子２の吸着カップ９は、電極６を収容す
る。吸着カップ９は吸着変形動作を起こして人体表面に
吸着する。吸着カップ９は、電極６を、緩衝材１１を介
して人体表面に吸着し圧接する。

【００１１】

【実施例】図１、２に示す本発明の第１実施例は、低周
波治療器１と、導子２とから構成される。低周波治療器
１が干渉低周波治療器である場合、該低周波治療器１
は、導子２に治療用の電力を付与する一方電源３及び他
方電源４と、導子２の凹部内を負圧になす吸引部５と、
導子２内に設けられる二個の電極６相互間を開放と短絡
の切り替えをなす切替回路７とを備える。前記一方電源
３と他方電源４は互いに周波数の異なる別個の電源であ
る。

【００１２】干渉刺激を与えようとする治療部位の範囲
が狭い場合は、甲乙導子２ａ・２ｂを使用する。即ち、
一方電源３と他方電源４は、人体表面に装着した甲乙導
子２ａ・２ｂに係る四個電極６を経由して、人体患部に
おける交叉する二つの経路に低周波電流を流すものであ
る。

【００１３】二つの経路の低周波電流は周波数が異なる
ため、その差の周波数の干渉電流が患部に生じ、これが
干渉刺激となり、人体に治療効果を与える。吸引部５
は、真空ポンプ（図示省略）、可撓ホース８等からな
る。

【００１４】導子２は、可撓性のある吸着カップ９に電
極ベース１０及び緩衝材１１が収容されて構成される。
前記電極ベース１０は絶縁材料で作られ、該電極ベース
１０に二個の電極６が互いに絶縁されて設けられてお
り、前記導子２は二極一体吸着導子と称される。

【００１５】甲導子２ａには甲一方・甲他方電極６ａ・
６ｂが設けられ、乙導子２ｂには乙一方・甲他方電極６
ｃ・６ｄが設けられる。吸着カップ９は、甲一方・甲他
方電極６ａ・６ｂ及び乙一方・甲他方電極６ｃ・６ｄが
所定の電極面積及び所定の電極相互間距離を確保された
上で作られる。

【００１６】吸着カップ９は、吸着変形作動により前記
電極６が緩衝材１１を介して人体表面に圧接されるよう
に作用するものであり、電極６が設けられる電極ベース
１０と、該電極ベース１０から椀状に広がるカップカバ
ー１２とからなる。カップカバー１２の内部には電極ベ
ース８を囲う環部１３が形成される。

【００１７】電極ベース１０はカップカバー１２の中央
部に形成される。前記電極ベース１０の外側にはエアー
導入具１４が取着される。エアー導入具１４に設けられ
たエアー接続具１５から電極ベース１０の内側のエアー
吸入口１６に至るまでの間に、エアー通路１７が開通さ
れる。

【００１８】甲導子２ａと乙導子２ｂは、人体の治療部
位における甲一方電極６ａと乙一方電極６ｃでなる通電
路と、該治療部位における甲他方電極６ｂと乙他方電極
６ｄでなる通電路とが互いに交差するように、該治療部
位の人体表面に当接させ、治療部位に二個低周波を交差
状に通電させる。

【００１９】前記緩衝材１１は、可撓性を有するもので
あり、屈曲して人体に最も好適に添う。緩衝材１１は、
例えば、甲一方電極６ａと甲他方電極６ｂとの間に通電
した場合に、電流の殆ど（＝略８割以上）が甲一方電極
６ａから緩衝材１１を経由し人体に流れ込み、甲一方電
極６ａから緩衝材１１を経由して甲他方電極６ｂに戻る
電流が少ない（＝略２割未満）特性となるような材料・
寸法である。

【００２０】前記緩衝材１１の材料を含水体とした場
合、該含水体は、スポンジ、紙、布等からなる。

【００２１】前記緩衝材１１は、カップカバー１２内に
収納できる大きさであり、略１０ミリ以下の厚みの平板
状である。尚、一個の緩衝材１１が一個のカップカバー
１２内に遊動状態に挿入されているが、電極６６ごとに
緩衝材１１を分割し該電極６６に取着してもよい。又、
前述のものは、一個の緩衝材１１が一個の吸着カップ９
内に遊動可能状態に挿入されているが、電極６毎に緩衝
材１１を分割して付設してもよい。

【００２２】又、治療部位が広範囲の場合は、甲・乙・
丙・丁導子２ａ・２ｂ・２ｃ・２ｄを用いる。甲導子２
ａ内の甲一方電極６ａと甲他方電極６ｂとを切替回路７
で短絡し一個の電極（＝甲電極６ｅ）とし、乙導子２ｂ
内の乙一方電極６ｃと乙他方電極６ｄとを切替回路７で
短絡し一個の電極（＝乙電極６ｆ）とし、丙導子２ｃ内
の丙一方電極６ｇと丙他方電極６ｈとを切替回路７で短
絡し一個の電極（＝丙電極６ｉ）とし、丁導子２ｄ内の
丁一方電極６ｊと丁他方電極６ｋとを切替回路７で短絡
し一個の電極（＝丁電極６ｌ）とする。

【００２３】これら甲・乙・丙・丁電極６ｅ・６ｆ・６
ｉ・６ｌをもって通電治療を行なう。尚、上述切替回路
７の他の例では、電極６相互間を所定値の低抵抗体で接
続する。

【００２４】甲・乙・丙・丁導子２ａ・２ｂ・２ｃ・２
ｄは、人体の治療部位における甲電極６ｅと丁電極６ｌ
でなる通電路と、該治療部位における乙電極６ｆと丙電
極６ｉでなる通電路とが互いに交差するように、該治療
部位の人体表面に当接させ、該治療部位に二低周波を交
差状に通電させるものである。

【００２５】図２中、１８は電極端子、２２は導子２コ
ードである。

【００２６】使用に際し、低周波治療を行なう場合は、
甲導子２ａを人体表面へ装着し、甲一方・甲他方電極６
ａ・６ｂを、緩衝材１１を介して人体表面へ密着させ、
前記二個電極６ａ・６ｂ間に低周波治療器１からの電力
を加電し、緩衝材１１を介して二個電極６ａ・６ｂ間の
人体患部へ通電を行なう。

【００２７】次に、干渉低周波治療を行なう場合を述べ
る。先ず、治療部位が狭範囲の場合には、甲導子２ａと
乙導子２ｂを、治療部位を挟むように互いに適宜な間隔
を開けて当該治療部位に吸着状態に装着する。甲導子２
ａ内の甲一方電極６ａと、乙導子２ｂ内の乙一方電極６
ｃとに一方電源３を加電し、第一の通電経路を作り、

【００２８】甲導子２ａの甲他方電極６ｂと、乙導子２
ｂ内の乙他方電極６ｄとに他方電源４を加電し、第二の
通電経路を作り、互いに交叉する二つの通電経路に通電
し、該交叉患部に干渉電流刺激を与える。

【００２９】治療部位が広範囲の場合は、甲・乙・丙・
丁導子２ａ・２ｂ・２ｃ・２ｄを使用しこれらの導子２
を治療部位に応じた適宜間隔を取って人体表面に装着す
る。切替回路７の切り替え作用によって、前記各導子２
内の二個の電極を互いに短絡し、各導子２を電気的に一
個の電極にする。四個の導子２を、治療部位に応じた適
宜間隔を取って人体表面に装着する。

【００３０】甲導子２ａの甲電極６ｅと、丁導子２ｄの
丁電極６ｌとに一方電源３を加え、第一の通電経路を作
り、乙導子２ｂの乙電極６ｆと丙導子２ｃ内の丙電極６
ｉとに他方電源４を加え、第二の通電経路を作り、互い
に交叉する二つの通電経路を作り、該交叉患部に干渉電
流刺激を与え、治療を行なう。

【００３１】人体表面に当てがう導子２に係る吸着カッ
プ９は、吸引部５の作用により凹内部の空気が負圧にな
り、該吸着カップ９の変形作動が進み、吸着カップ９が
所定の変形姿態となって電極６緩衝材１１はが緩衝材１
１を介して人体表面に圧接される。

【００３２】緩衝材１１は人体表面に添って湾曲等の変
形をなす。緩衝材１１が含水体の場合は、使用前に該含
水体に水を含ませる。緩衝材１１は、緩衝作用により、
電極６の押し圧力による皮膚の痛みを緩和し、電気抵抗
作用により、通電による痛みを緩和する。

【００３３】一個の吸引部５に複数の吸着カップ９に係
る可撓ホース８を接続する。

【００３４】図３に示す本発明の第２実施例は、第１実
施例に係る二極一体導子を四極一体導子２１に代えたも
のである。

【００３５】即ち、第２実施例の四極一体導子２１で
は、吸着カップ９に係る電極ベース１０に四個の電極６
が設けられる。

【００３６】四極一体導子２１の構成を、イ導子２ｅを
もって述べると、該イ導子２ｅ内にイ甲電極６ｍ、イ乙
電極６ｎ、イ丙電極６ｐ及びイ丁電極６ｑが設けられ
る。ロ導子２ｆ内には、ロ甲電極６ｒ、ロ乙電極６ｓ、
ロ丙電極６ｔ及びロ丁電極６ｕが設けられる。

【００３７】次に、四極一体導子２１を使用して、干渉
低周波通電を行なう場合を述べる。先ず、治療部位が狭
範囲の場合には、イ導子２ｅを一個のみ用いる。治療部
位にイ導子２ｅを装着する。治療部位に四個の電極６が
緩衝材１１を介して人体表面に密着する。

【００３８】治療部位におけるイ甲電極６ｍとイ丁電極
６ｑでなる第一の通電径路に一方電源３を加え通電す
る。イ乙電極６ｎとイ丙電極６ｐでなる第二の通電径路
に他方電源４を加え通電する。治療部位に第一の通電径
路と第二の通電径路の二個低周波電流が互いに交叉状に
流れ、治療部位に干渉刺激を付与する。

【００３９】治療部位が広範囲の場合には、切替回路７
の切り替え作用によって、導子２内の四個の内、二個の
電極６を互いに短絡し二組みに分離され、電気的に二個
の電極６となる。即ち、イ導子２ｅにあっては、イ甲電
極６ｍとイ乙電極６ｎを短絡しイ一方電極６ｖとなし、
イ丙電極６ｐとイ丁電極６ｑを短絡しイ他方電極６ｗと
なす。

【００４０】ロ導子２ｆにあっては、ロ甲電極６ｒとロ
乙電極６ｓを短絡しロ他方電極６ｘとなし、ロ丙電極６
ｔとロ丁電極６ｕを短絡しロ一方電極６ｙとなす。イ導
子２ｅとロ導子２ｆを治療部位に応じた適宜間隔を取っ
て人体表面に装着する。治療部位に前述の四個の電極６
が緩衝材１１を介して人体表面に密着する。

【００４１】治療部位におけるイ一方電極６ｖとロ一方
電極６ｙでなる第一の通電径路に一方電源３を加え、イ
他方電極６ｗとロ他方電極６ｘでなる第二の通電径路に
他方電源４を加え、治療部位に第一の通電径路と第二の
通電径路の二個低周波電流が互いに交叉状に流れ、治療
部位に干渉刺激を付与する。

【００４２】

【発明の効果】本発明は、二箇所以上の電極６を有する
導子２において、複数の電極６相互間を短絡又は低抵抗
値接続に切り替えることで、複数の電極６を電気的に一
個の電極６とするものであるから、複数電極一体導子２
で広範囲治療部位を治療する場合に、複数電極一体導子
２を単一電極導子として扱かえるためその個数だけ単一
電極導子の準備数量を減らせ、費用面で有利である。

【００４３】本発明は、電極６相互間を短絡又は低抵抗
値接続に切り替える切替回路７を低周波治療器１内部に
有するものであるから、導子２を複数電極導子として使
うか、単一電極導子として使うかの切り替えが低周波治
療器１本体側で容易に操作でき、低周波治療器１と導子
２を接続する手間が省け、好都合である。

【００４４】本発明に係る導子２は可撓性のある吸着カ
ップ９に電極６が収容され、電極６は緩衝材１１を介し
て人体表面に圧接されるもので、吸着カップ９の吸着変
形動作により人体表面に導子２が吸着されるものである
から、導子２の人体表面への装着に手間が掛からず、
又、ゲル導子に比して消耗部品が要らず、該消耗部品に
係る経費が不要となり、導子２装着時及び通電時の痛み
が軽減でき、好都合である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のブロック図である。

【図２】本発明の第１実施例に係る導子の断面図であ
る。

【図３】本発明の第２実施例のブロック図である。

【符号の説明】

２ 導子 ６ 電極 ７ 切替回路 ９ 吸着カップ １１ 緩衝材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 二箇所以上に電極（６）を有する導子
   （２）において、電極（６）相互間を短絡又は低抵抗値
   接続に切り替えることで、複数の電極（６）を電気的に
   一個の電極（６）とすることを特徴とする低周波治療
   器。
2. 【請求項２】 電極（６）相互間の短絡又は低抵抗値接
   続への切り替えを行なう切替回路（７）を低周波治療器
   （１）内部に有することを特徴とする請求項１記載の低
   周波治療器。
3. 【請求項３】 導子（２）は可撓性のある吸着カップ
   （９）に電極（６）が収容され、電極（６）は緩衝材
   （１１）を介して人体表面に圧接されるもので、吸着カ
   ップ（９）の吸着変形動作により人体表面に導子（２）
   が吸着されることを特徴とする請求項２記載の低周波治
   療器。