JP3083385U - 電位治療装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、人体周囲の電界強度を大にし、よ
り効果的な治療のできる電位治療装置を提供しようとす
るものである。 【解決手段】 電位治療器本体からの高電圧を通電用椅
子と通電台の2ヶ所から、同時に人体に与えることを特
徴とする電位治療装置である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、高電圧を利用した電位治療器（人体と室内との間に電圧を与えて 人体周囲に電界を形成し、その電界による生体刺激作用を利用した治療器）の治 療装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

電位治療器は、絶縁された人体に、高電圧（例えば交流9,000Ｖ）を通電布等 を介して与え、人体と室内の床、壁、天井等（これらはほぼ大地の電位０Vに近 い）との間に電界（電場）を形成し、その電界による生体刺激作用を利用した治 療器である。

【０００３】 人体に高電圧を与えるための一般的な電位治療器の通電（治療）方法を図１及 び図２に示す。図１は通電布方式、図２は通電台方式と称することにする。 図１において、１は電位治療器本体、1aは電位治療器本体１の高電圧出力端子 、2Aは電位治療器本体１に発生した高電圧を、後述の人体４に印加するための通 電布（高圧が導かれる通電導子が内包されている）、3Aは高電圧出力を通電布2A に導くための高耐圧コード、４は人体、５は椅子、６Aは人体４及び椅子５を床 から絶縁するためのシート状の絶縁物である。

【０００４】 図２において、図１と同一符号は同一部分を示している。2Bは電位治療器本体 １に発生した高電圧を、人体４に印加するための通電台（高圧が導かれる通電導 子が内包されている）、3Bは高電圧出力を通電台2Bに導くための高耐圧コード、 6Bは椅子５及び通電台2Bを床から絶縁するための絶縁物である。

【０００５】 図１は通電布２Aを椅子5の座部に置くことにより、椅子5に座った人体4に接触 させて（或いは通電布内の通電導子を椅子の座部又は背部に埋設させ、人の体に 近接させて）、人体4に高圧を与えるものであり、図2は通電台2Bの上に両脚を乗 せて、人体に高電圧を与えるものである。

【０００６】 以上のように従来の通電（治療）方法には、図１のように椅子の座部に置いた 通電布に人体を接触させて（或いは椅子の座部又は背部に埋設された通電導子に 人体を近接させて）、人体に高圧を与える方法、図２のように通電台の上に両脚 を乗せて、人体に高電圧を与える方法があった。これらの場合、いずれか一つの 方法のみでは、人体との接触面積が少なく、従って人体と通電導子との接触イン ピーダンスが大きくなるため、人体にかかる高圧出力が減衰することにより、結 果として治療効果が逓減されることとなっていた。

【０００７】 電位治療器により人体に高電圧を与えている時の電気的な等価回路は、おおよ そ図３のようになる。１は電位治療器本体、1bは高圧用トランス、1cは電流を制 限するための安全保護抵抗、1dは高圧2次側の一端と商用電源の一端を結び、電 位を安定させるための抵抗（渡り抵抗という）、2Zは通電布又は通電台の通電導 子と人体との接触インピーダンス、４Ｚは人体の等価インピーダンス、６Ｚは人 体を床から絶縁している絶縁物のインピーダンス、７は交流商用電源である（尚 、交流商用電源の一端は最終的に大地に接地されているとする）。通電布又は通 電台の通電導子と人体の接触面積が少ないと接触インピーダス２Zは大きくなり 、人体（等価インピーダンス４Z）にかかる電圧は減少する。従って、結果とし て人体周囲の電界強度も小さくなり、治療効果も弱くなることになる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような問題点を解決するために案出されたもので、人体周囲の電 界強度を大にし、より効果的な治療のできる電位治療装置を提供しようとするも のである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来の椅子の上に置いた通電布（或いは椅子に埋設された通電導子 ）又は足部の通電台、いずれか一つの方法による人体への高電圧印加ではなく、 通電導子を埋設・内包した通電用椅子及び通電台の2ヶ所から、同時に高電圧を 印加することにより、人体との接触面積を一方法の接触の場合よりも大きくし、 結果として接触インピーダンスを逓減させ、人体にかかる電圧及び人体周囲の電 界強度を増大させることにより治療効果を高めようとするものである。

【００１０】

【実施例】

図４は、この考案の電位治療器本体１からの高電圧出力を人体に与えるための 、通電用椅子５と通電台２Ｂとの組合せの一実施例を示す図である。 5aは椅子５の座部に埋設され、高圧が導かれる通電導子、2Baは通電台２Ｂの 通電導子、3Cは電位治療器本体１の高圧出力端子から各通電導子5a、2Baに高圧 出力を導くための高耐圧コード、3Dは椅子の通電導子5aと通電台の通電導子2Ba を連結する高耐圧コード、6Bは椅子５及び通電台２Ｂを床から絶縁するための絶 縁物である。

【００１１】 ここで、その一端が電位治療器本体１の高圧出力端子に接続される高耐圧コー ド3Cは、一旦、椅子５の座部に埋設された通電導子5aに電気的接続されるととも に、そこから、さらに高耐圧コード3Dにより通電台２Ｂの通電導子2Baに連結さ れている。このことにより、高電圧は、通電用椅子５の座部にある通電導子5aと 通電台の通電導子2Baの2ヶ所に同時に出力される。 従って、人体が通電用椅子に座るとともに通電台に足を乗せていれば、人体の 座部及び足部から高圧が印加されることになる。

【００１２】 本考案により、人体に高電圧を与えている時の電気的な等価回路は、おおよそ 図５のようになる（図５において、図３と同一符号は同一部分を示している）。 又、5aZは,通電用椅子５に埋設された通電導子５aと人体との接触インピーダン ス、2BaZは通電台2Bの通電導子2Baと人体との接触インピーダンスを現している 。 5aZと2BaZが電気的に並列接続のインピーダンスとなり、それぞれ一つの接触の 時よりもインピーダンスが低くなる。従って相対的に人体（等価インピーダンス 4Z）にかかる電圧は増大することとなる。

【００１３】

【考案の効果】

この考案は、椅子に置かれた通電布（又は椅子に埋設された通電導子）或いは 足部の通電台のいずれか1ヶ所による、人体への高電圧印加の場合よりも、通電 用椅子及び通電台の、同時に2ヶ所からの高電圧印加の方が、通電導子と人体と の接触インピーダンスが低くなって、人体に印加される電圧が高くなり、電界強 度の増強が図られることにより、結果として電位治療器による治療効果が高まる ことになる。 実施例による、人体周囲に発生する電界強度を、椅子においた通電布のみによ る高電圧印加の場合、及び通電台のみによる高電圧印加の場合と比較した測定結 果を図６の比較表に示す。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の電位治療器の通電方法（通電布方式）を
示す斜視図。

【図２】従来の電位治療器に通電方法（通電台方式）を
示す斜視図。

【図３】電位治療器により人体に高電圧を印加している
時の、おおよその電気的等価回路。

【図４】本考案の電位治療器の通電用椅子と通電台の組
合せ実施例を示す側面説明図。

【図５】本考案により人体に高電圧を印加している時の
おおよその電気的等価回路。

【図６】本考案による通電用椅子と通電台との組み合わ
せ、通電布方式のみ、及び通電台方式のみの各場合にお
ける電界強度の比較表。

【符号の説明】

１ 電位治療器本体 1a 電位治療器の高電圧出力端子 1b 高圧用トランス 1c 電流を制限するための安全保護抵抗 1d 高圧2次側の一端と商用電源の一端を結び、電位
を安定させるための抵抗（渡り抵抗） 2A 通電布 2Aa 通電布の通電導子 2B 通電台 2Ba 通電台の通電導子 2BaZ 通電台に通電導子と人体との接触インピーダンス 2Z 通電布又は通電台の通電導子と人体との接触イン
ピーダンス 3A 電位治療器本体と通電布を接続する高耐圧コード 3B 電位治療器本体と通電台を接続する高耐圧コード 3C 電位治療器本体と通電用椅子の通電導子を接続す
る高耐圧コード 3D 通電用椅子の通電導子と通電台の通電導子を接続
する高耐圧コード ４ 人体 4Z 人体の等価インピーダンス ５ 椅子（又は通電用椅子） 5a 通電用椅子に埋設された通電導子 5aZ 通電用椅子に埋設された通電導子と人体との接触
インピーダンス 6A 人体及び椅子を床から絶縁するシート状の絶縁物 6B 椅子及び通電台を床から絶縁する絶縁物 6Z 人体を床から絶縁している絶縁物のインピーダン
ス ７ 交流商用電源

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電位治療器本体からの高電圧を通電用椅
   子と通電台の2ヶ所から、同時に人体に与えることを特
   徴とする電位治療装置。