JP4412843B2 - 釣竿及び竿支持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿及び釣竿を支持する竿支持具に関し、特に、主として船釣りに使用されて釣り用のリールが装着される釣竿、及び、船縁等に固定されて釣竿を支持する竿支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の竿支持具を図6を参酌しながら説明する。一般に、竿支持具は、船用のリールSが装着された釣竿を支持するために使用される。この種の竿支持具は、釣竿を保持するための竿保持部Aと、該竿保持部Aの前方側で釣竿を下方側から支持する上方開口略U字状の竿受け部Bと、この竿支持具自体を船縁等に固定するための固定部Cとを備えている。
【0003】
竿保持部Aは、上下二つの挟持用部材50を備え、両挟持用部材50で釣竿を上下に挟持する構成、具体的には、両挟持用部材50の両端部を各々ボルト51で連結固定することにより、釣竿をリール装着部52の後方位置におけるホールド位置において挟持する構成となっている。また、両挟持用部材50は本体部53に脱着可能に構成され、本体部53からの分離はレバー54の操作により行われる。尚、本体部53は前記竿受け部Bと固定部Cとを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の竿支持具は、釣竿を支持した状態からレバー操作により瞬時に釣竿を竿支持具から離して釣りを行うことができるという利点を有している。しかしながら、釣竿に両挟持用部材50が装着されたままの状態で釣りを行わなければならないため、例えば、釣竿を持つときに挟持用部材50が邪魔になったり、釣竿を脇に挟んでいわゆるシャクリをする場合に挟持用部材50が脇や腕に当たって違和感を感じたりする場合があった。また、釣竿への挟持用部材50の装着作業や取り外し操作が面倒であり、船上であるため挟持用部材50の紛失の心配もある。
【0005】
それゆえに本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされ、竿支持具から釣竿を外して釣りをする場合にも快適に釣りを行うことができる釣竿及び竿支持具を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る釣竿は、側方に開口する凹部が形成され、該凹部に、竿支持具のフック部によって掛止される被掛止部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
特に、凹部に面する壁面を左右に連結するように被掛止部としてのピンが設けられていることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る釣竿は、側方に開口する貫通孔が形成され、該貫通孔に、竿支持具のフック部によって掛止される被掛止部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る竿支持具は、請求項1記載の釣竿を支持するための竿支持具であって、釣竿の凹部に挿入して被掛止部を掛止するフック部を備えていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る釣竿及び竿支持具の一実施形態について、図1乃至図4を参酌しつつ説明する。尚、上記従来の竿支持具と同一の構成についてはその説明を省略する。
図1は、本実施形態における釣竿の要部を示しており、1は竿本体で、2はリールを装着するためのリール装着部としてのリールシートである。
また、リールシート2から一定距離離間した後方位置には、リアグリップ3が装着されている。該リアグリップ3とリールシート2の間の領域が、釣竿を竿支持具の竿保持部で保持するためのホールド位置である。
【0011】
かかる釣竿は、このホールド位置に、後述する竿支持具のフック部4aにより掛止される被掛止部を備えている。以下、具体的に説明する。
竿本体1のホールド位置は、そのうちの一部が中実状に形成されており、この中実状の部位には、側方に開口した凹部5が形成されている。該凹部5は、全体として釣竿の軸方向に沿って縦長で、正面視略矩形の開口を有し、釣竿の中心に向かって形成されている。また、凹部5の両側壁面5bは、図1(ロ)の如く、略垂直面である一方、凹部5の前後壁面5aは、図1(イ)の如く、開口に向けてテーパ状に広がった傾斜面となっている。尚、凹部5の底面5cは平坦面であり、凹部5は釣竿の中心線を若干越える程度の深さを有している。
【0012】
そして、凹部5の略半分の深さ位置に、凹部5の両側壁面5bを連結するようにピン6が設けられている。このピン6は、金属製で、図1のように丸棒状であり、且つ、凹部5の長手方向の略中央位置に、釣竿の軸方向に対して略直交するように設けられている。このピン6が、フック部4aにより掛止される被掛止部である。
【0013】
尚、竿本体1のホールド位置における中実状領域は、プリプレグから形成された円筒部7に、該円筒部7とは別体に形成された中実体8が嵌挿固定されて構成されている。円筒部7には正面視略矩形の開口が形成され、且つ、中実体8にはピン6が取付固定されている凹部が形成され、凹部の開口を円筒部7の開口に合わせるように中実体8が円筒部7に嵌挿されている。該中実体8は、例えば、硬質プラスチックや金属等から構成される。
【0014】
次に、以上の構成からなる釣竿を支持するための竿支持具について説明する。本実施形態における竿支持具にあっては、竿受け部と竿保持部と固定部とを備えている点は従来と同様であるが、竿保持部の構成が従来と異なっている。図2には、竿保持部を拡大且つ概略的に示している。
【0015】
該竿支持具における竿保持部は、釣竿を挟持する従来の構成とは異なり、釣竿の被掛止部としてのピン6をフック部4aで掛止する構成となっている。
具体的には、竿保持部は、スリット9が形成された保持部本体10と、該保持部本体10に軸支されたレバー体4とを備えている。保持部本体10には、その上面に開口するように上下方向に沿ったスリット9が形成されており、該スリット9を左右に貫通する支軸11によって前記レバー体4は回転可能に支持されている。このスリット9内で回動するレバー体4は、その一端部が上方に向けて略くの字状に形成されて前記フック部4aを構成し、支軸11を介してその反対側の他端部は保持部本体10から後方に突出し、手で操作する操作部4bを構成している。尚、レバー体4は、図示しないバネによって操作部4bが下方側に付勢されている。
【0016】
また、保持部本体10の上端部12は、釣竿の凹部5に挿入できるように、図2(イ)の如く、下方の部位よりも幅狭に形成されている。そして、この上端部12の前後両面12aは図2(ロ)の如く、先細りとなるようにテーパ状の傾斜面となっている。保持部本体10の上端部12が釣竿の凹部5に挿入した際に、この上端部12の前後両面12aが凹部5の前後壁面5aに当接してその挿入動作が停止するようになっている。尚、保持部本体10の上端部12には、上方に開口する切欠部13が形成されていて、釣竿への挿入の際においてピン6との干渉を防止する。前記スリット9によって保持部本体10の上端部12はその大部分が左右に二分されているので、二分された両部位に各々切欠部13が形成されている。
【0017】
以上の構成からなる釣竿と竿支持具の使用について説明すると、まず、竿支持具をその固定部により例えば船縁等に固定する。そして、釣竿を竿受け部に支持させると共に、ホールド位置の開口を下側にしてこの開口に保持部本体10の上端部12を挿入させる。保持部本体10の上端部12の前後両面12aが凹部5の前後両壁面5aに当接して上端部12の挿入動作が自動的に停止する。尚、挿入動作を行う際にはレバー体4の操作部4bを釣竿と共に把持する等してフック部4aを前方側に待避させておく。
挿入動作が完了した後、レバー体4を回動させてフック部4aでピン6を掛止する。この掛止により、釣竿は竿支持具と一体化するように確実に保持されて船縁に固定される。
【0018】
一方、釣竿を竿支持具から離して手で把持する等して釣りを行う場合には、レバー体4の操作部4bを引き上げてレバー体4を回動させ、フック部4aによるピン6の掛止状態を解除する。そして、リアグリップ3や図示しないフロントグリップを把持したり脇に挟んだりして釣りを行うが、その時でも、従来のような挟持用部材が釣竿に装着されていないので、その部材が邪魔になるということがない。特に、被掛止部としてのピン6が釣竿の外周面より内側に位置して外に出っ張っていないので、釣りを行う際の邪魔にならない。また、被掛止部であるピン6が釣竿自体に設けられているので、従来のようにその都度挟持用部材を釣竿に装着する作業が不要となり、また、紛失の心配もない。
【0019】
更に、竿保持部が釣竿を保持した状態では、保持部本体10の上端部12が凹部5に係入し、釣竿と竿保持部の傾斜面同士が前後二箇所で密着するため、釣竿の保持の状態が安定する。即ち、釣竿の上方向への動きがフック部4aによる掛止によって規制され、且つ、釣竿の下方向への動きが保持部本体10により規制されることとなり、釣竿の上下の動きがフック部4aと保持部本体10とによって確実に規制されるので、釣竿の保持状態が安定するのである。しかも、保持部本体10の上端部12の前後両面12aが釣竿の凹部5の前後両壁面5aに当接するので前後の動きも規制されて安定する。
また、レバー体4の回動動作でピン6の掛止、及びその解除を行う構成なるため、簡単に且つ瞬時に動作を行うことができる。
【0020】
尚、レバー体4の操作部4bを下方側に付勢する手段としては、例えば、図5のように、支軸11を巻回するように巻きバネ20を設けることもできる。即ち、レバー体4の一側面側に巻きバネ20を収容できるバネ収容凹部21を設けておき、巻きバネ20の一端部20aをバネ収容凹部21に面した操作部4b側の内壁面22に当接させると共に、他端部20bはレバー体4から前方に突出させて保持部本体10におけるスリット9に面した前側内面10aに当接させる。巻きバネ20の一端部20aがその弾性復元力によりレバー体4の操作部4b側内壁面22を下方に向けて押圧するため、レバー体4は操作部4b側が下方になる方向に付勢される。尚、操作部4bを所定の位置で停止させるため、保持部本体10のスリット9内下部後方側にはレバーストッパ23が設けられている。
このように、レバー体4に付勢手段としての巻きバネ20を内装することにより、付勢手段がレバー操作時に邪魔にならないという利点がある。
【0021】
また、上述した構成では、ピン6を左右方向に沿って設けたが、逆に釣竿の軸方向に沿って設けることもできる。その場合、レバー体4の回動方向もそれに対応した方向とする。但し、上述したようにピン6を左右方向に設けると、凹部5を縦長に形成することによってピン6の前後に、フック部4aの回動動作のための空間を形成しやすくなるという利点がある。
【0022】
また、図1に二点鎖線にて示すように、凹部5に代えて貫通孔14としてもよい。その他、被掛止部としてピン6以外の構成も無論採用でき、竿保持部や竿支持具の構成も本発明の意図する範囲内にいいて適宜変更可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、従来のような挟持用部材を釣竿に装着しなくても、竿支持具のフック部が釣竿の被掛止部を掛止することにより確実に釣竿を保持でき、且つ被掛止部が外側に出っ張っていないので、竿支持具から外した場合に釣竿を持って快適に釣りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における釣竿の要部を示し、(イ)は縦断面図、(ロ)は(イ)のP−P断面図。
【図2】本発明の一実施形態における竿支持具の要部を示し、(イ)は側面図、(ロ)は(イ)のQ−Q断面図。
【図3】本発明の一実施形態の釣竿及び竿支持具の使用状態を示す要部断面図。
【図4】図3のR−R断面図。
【図5】他の実施形態の釣竿及び竿支持具の使用状態を示す要部断面図。
【図6】従来の竿支持具を示す正面図。
【符号の説明】
1…竿本体、2…リールシート、3…リアグリップ、4…レバー体、4a…フック部、4b…操作部、5…凹部、5a…前後壁面、5b…側壁面、5c…底面、6…ピン(被掛止部)、7…円筒部、8…中実体、9…スリット、10…保持部本体、11…支軸、12…上端部、13…切欠部、14…貫通孔、20…巻きバネ、21…バネ収容凹部、22…内壁面、23…レバーストッパ
Claims (4)
- 側方に開口する凹部(5)が形成され、該凹部(5)に、竿支持具のフック部(4a)によって掛止される被掛止部が設けられていることを特徴とする釣竿。
- 凹部(5)に面する壁面(5b)を左右に連結するように被掛止部としてのピン(6)が設けられている請求項1記載の釣竿。
- 側方に開口する貫通孔(14)が形成され、該貫通孔(14)に、竿支持具のフック部(4a)によって掛止される被掛止部が設けられていることを特徴とする釣竿。
- 請求項1記載の釣竿を支持するための竿支持具であって、釣竿の凹部(5)に挿入して被掛止部を掛止するフック部(4a)を備えていることを特徴とする竿支持具。
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