JP4409739B2 - 廃棄物処分場及びコンクリート壁の構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処分場及びその構築技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処分場は、地面を掘り下げ、或いはコンクリート壁よりなる揚壁を構築するなどして設けられた凹面を備えており、その底から廃棄物を順次埋め立てるようになっている。
廃棄物処分場では、凹面内に投棄された廃棄物から生じる汚水の外部土壌への拡散防止が極めて重要であり、そのために様々な技術が用いられている。汚水の拡散防止のために最も汎用されているのが、凹面の表面全体に遮水シートを敷設することである。合成樹脂シートやゴムシートよりなる高い遮水性能を有する遮水シートを凹面の全体に敷設することによって、汚水の外部拡散を防止するのである。
かかる遮水シーとは汚水拡散防止のために機能する。しかしながら、その有用性は遮水シートに損傷がない場合に限って発揮されるのである。遮水シートは、廃棄物処分場の建設工事の際、或いは廃棄物の埋め立ての際に損傷する可能性がある。また廃棄物処分場に侵入する鳥獣によって損傷する場合もある。
従って、廃棄物処分場では、遮水シートの損傷検知システムを設置することで遮水シートに損傷が生じた場合にはそれを速やかに検知し、補修などの手当てを速やかに行うようにしている。
【0003】
その遮水シートの損傷検知システムは、電気探査の技術を応用しており、例えば2極方式や3極方式などが用いられている(特公平6−63901号公報等に開示されている。)。かかる損傷検知システムは、遮水シートの内外に配された電界形成用の給電用電極と、遮水シートに沿って複数配された測定用電極とを備えて構成される。そして、この損傷検知システムでは、給電用電極によって遮水シートの内外に電界を形成すると共に、遮水シート近辺の電位を測定用電極によって測定するようになっている。遮水材には一般に電気絶縁性の高い合成樹脂シートやゴムシートが用いられており、遮水シートの損傷によって導電体(汚水)に動きが発生すると、遮水シートの近辺に電位変化が生じる。この電位変化を測定用電極によって捉えることにより遮水シートの損傷位置や損傷の大きさを検知できるようになるわけである。
ここで、上述の電位変化の測定を正確に行うには、複数の測定用電極が意図した正しい位置にあることが必要である。例えば、測定用電極は碁盤の目状に配置される。
【0004】
しかしながら、凹面上の所定位置に正しく測定用電極を配置するのはなかなか面倒である。また、測定用電極を正確に配置したとしてもその後の遮水シート敷設作業の際に、或いは廃棄物を凹面に投入している際に、測定用電極の位置がずれてしまうことがある。
凹面の一部にコンクリート製の部分がある場合には、凹面が土の場合に比較して、配置した測定用電極がずれ易くなる。また、凹面のうちコンクリートによって形成されている部分が垂直ないしそれに近い角度の面である場合(例えば、凹面の一部が揚壁の一面により形成されている場合。)には、垂直乃至それに近い角度の上述の面に、測定用電極を配置することすら難しくなる。特に最近は、底面及び法面からなる凹面のすべてにコンクリート壁を用いた室内型の廃棄物処分場が増えてきているので、測定用電極の正確な配置を実現するための技術が非常に重要になってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、遮水シートで被覆された上述の如きコンクリート壁を備える廃棄物処分場において使用される測定用電極を、その後の遮水シート敷設作業や廃棄物投棄作業によってもずれないようにしながら、正確な位置に配置できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願出願人は、上述の課題解決のために以下の発明を提案する。
本発明は、大きく分けて2つのグループに大別できる。
【0007】
本発明の1つ目のグループは、コンクリート壁に窪みを作り、そこに測定用センサを配置するようにするという技術思想に基づく。
具体的には、廃棄物投棄用の凹面の少なくとも一部に沿って設けられるものであり、その表面に遮水シートが配されているコンクリート壁と、該遮水シートの内外に配された電界形成用の給電用電極と、前記遮水シートに沿って複数配された測定用電極とを備えており、これら測定用電極によって測定された前記遮水シート付近の電位に基づいて前記遮水シートの損傷を検出できるようにされてなる廃棄物処分場をその基本とするものであり、前記コンクリート壁の表面には複数の窪みが設けられており、この窪みの中に前記測定用電極が納められてなる廃棄物処分場である。
このような廃棄物処分場であれば、コンクリート壁に設けられた窪み中に測定用電極を配置することができるので、その後の遮水シート敷設作業や廃棄物投棄作業によって測定用電極がずれることがなくなる。また、窪みの位置を正確に位置決めすることで、測定用電極を正確に位置決めできるようになる。
尚、コンクリート壁は、凹面の全体に対応して設けられている必要はない。
【0008】
この場合の窪みは、平滑な表面を持つコンクリート壁を先に構築してから事後的に設けることもできるし、またコンクリート壁を構築する際に同時的に設けることもできる。
例えば、廃棄物投棄用の凹面の少なくとも一部に沿って設けられるものであり、その表面に遮水シートが配されているコンクリート壁と、該遮水シートの内外に配された電界形成用の給電用電極と、前記遮水シートに沿って複数配された測定用電極とを備えており、これら測定用電極によって測定された前記遮水シート付近の電位に基づいて前記遮水シートの損傷を検出できるようにされてなる廃棄物処分場を構築するために用いられるコンクリート壁構築方法であって、前記凹面との間に所定の間隔を開けて、前記凹面と対向する側の面に複数の突出部が設けられた枠体を配置し、前記凹面と前記枠体との間の間隙にコンクリートを打設し、前記コンクリートが硬化した後に前記枠体を除去するというコンクリート壁構築方法を実行するのである。この方法によれば、突出部によって規定されていた空間が、枠体を取り外した後においては、測定用電極がその中に納められる窪みとなる。
尚、このような方法を用いる場合には、最終的に窪みが設けられるべき位置に突出部が設けられた枠体を予め準備しておくことにより、窪みの位置(ひいては、測定用電極の位置)を正確に位置決めできるのみならず、かかる位置合せについての現場での作業負担を軽減できるようになる。
【0009】
本発明の2つ目のグループは、コンクリート壁に測定用センサを埋め込み固定するという技術思想に基づくコンクリート壁の構築方法である。
この方法は、廃棄物投棄用の凹面の少なくとも一部に沿って設けられるものであり、その表面に遮水シートが配されているコンクリート壁と、該遮水シートの内外に配された電界形成用の給電用電極と、前記遮水シートに沿って複数配された測定用電極とを備えており、これら測定用電極によって測定された前記遮水シート付近の電位に基づいて前記遮水シートの損傷を検出できるようにされてなる廃棄物処分場を構築するために用いられるコンクリート壁構築方法である。
具体的には、前記凹面との間に所定の間隔を開けて枠体を配置すると共に、前記測定用電極を係止可能な形状とされた突起がその少なくとも一方の面に複数設けられた遮水シートを、前記突起が設けられた面を前記凹面に対向させた状態で、前記枠体と前記凹面との間隙に配置し、前記突起の幾つかに前記測定用電極を係止し、前記遮水シートと前記凹面との間の間隙にコンクリートを打設し、前記コンクリートが硬化した後に前記枠体を除去する。または、前記凹面との間に所定の間隔を開けて枠体を配置すると共に、前記測定用電極を係止可能な形状とされた突起がその少なくとも一方の面に複数設けられ、且つその突起の幾つかに前記測定用電極が係止された遮水シートを、前記突起が設けられた面を前記凹面に対向させた状態で、前記枠体と前記凹面との間隙に配置し、前記遮水シートと前記凹面との間の間隙にコンクリートを打設し、前記コンクリートが硬化した後に前記枠体を除去する。
これらの方法によれば、いずれの場合でも、測定用電極が内包されたコンクリート壁を構築することができる。そのようにして配置された測定用電極は当然に、後の遮水シート敷設作業や廃棄物投棄作業によって測定用電極がずれることがない。また、枠体に設けておく突起の位置を予め正確に位置決めしておけば、硬化後のコンクリートに内包される測定用電極の位置も正確に位置決めされることになる。
尚、コンクリート壁は、凹面の全体に対応して設けられている必要はない。
ここで、上述の突起の形状は、測定用電極を係止できるのであればどのようなものとしても良い。あくまでも測定用電極との兼ね合いでその形状は決定される。また、突起は、測定用電極を取付けるのに必要な数だけ設けておけばよい。もっとも、必要な数に足りていればそれ以上あっても構わない。突起の配列は、任意のものにできる。例えば碁盤の目状にこれを配列することができる。
突起は、また、上述のように、測定用電極を係止可能な形状とされているが、測定用電極を係止可能であり、且つ硬化したコンクリートから抜け落ちないような形状とされていても良い。このような突起を持つ遮水シートを用いて上述のコンクリート壁構築方法を実行すれば、遮水シートのコンクリート壁に対する固定と、測定用電極の配置とを同時に行えるようになるので作業負担が非常に小さくなる。
【0010】
また、第2グループの方法を実行するに当たっては、枠体の凹面と対向させる面に、突起が露出する状態で遮水シートを予め固定しておき、この枠体を前記凹面との間に所定の間隔を設けて配するようにすることができる。このようにすれば、枠体及び遮水シートをまとめて配することができるので作業負担の軽減が図れる。
【0011】
尚、1つ目のグループの発明、2つ目のグループの発明で用いられる測定用電極は、電位の計測さえできればその具体的な構成を問わない。例えば、以下のようなものを測定用電極として採用することができる。即ち、カーボンブラックを混入した樹脂からなる線状電極であって、略平面をなすような渦形状とされてなる測定用電極がそれである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1及び第2実施形態について説明する。第1実施形態の説明では図1〜図4を参照し、第2実施形態の説明では図5〜図10を参照する。尚、両実施形態の説明において、同一のものでは同一の符号を使用することとし、重複する説明は省略することとする。
【0013】
≪第1実施形態≫
第1実施形態では、コンクリート壁に窪みを作り、そこに測定用センサを配置するようにするという技術思想に基づくコンクリート壁の構築方法とその方法により得られた廃棄物処分場について説明する。
【0014】
この廃棄物処分場Aの構造について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による廃棄物処分場Aを模式化して示したものである。
図1に見られるように、この廃棄物処分場Aは、これには限られないが、地表から数〜十数mの深さに掘り下げた廃棄物投棄用の凹面1を備えている。凹面1の底面と法面には、その全面を覆うコンクリート壁2と、その全体を覆う遮水シート3が設けられている。
遮水シート3は、例えば、合成樹脂製やゴム製である電気絶縁性の高い素材で構成されている。
遮水シート3の上、及び遮水シート3と凹面1との間には、遮水シート3の損傷を防止する役割を果たす保護層4が設けられている。この保護層4は、ヤシマット、不織布、或いは合成樹脂マットなどを敷きつめることによって構成されている。
【0015】
この廃棄物処分場Aには、また、遮水シート3の損傷を検知する損傷検知システムが設けられている。
この例の損傷検知システムには、3極方式が採用されている。この例の損傷検知システムは、給電用電極5と、測定用電極6と、電源7と、処理装置8とを備えて構成されている。
給電用電極5は、上述の遮水シート3の内外に、遮水シート3を挟むようにして配されている。測定用電極6は、コンクリート壁2の表面全面に点々と格子状に設けられた窪み2A内にそれぞれ配されている。窪み2Aの形状は、測定用電極6を安定的に保持できるようなものとなっている。
電源7は、給電用電極5と接続されており、給電用電源5間に、ひいては遮水シート3の内外に所定の電界を形成するようなものとなっている。処理装置8は、図示を省略の導線によって各測定用電極6と接続されている。処理装置8は、所定のコンピュータを内蔵しており、各測定用電極6が測定した電位に基づいて、電界が特異的に変化している部分を検出することによって、遮水シート3の損傷を検出するようになっている。
【0016】
ここで、測定用電極6は、これには限られないが、図2に示したようなものとすることができる。
この測定用電極6は、1本の銅線61A及び2本の鉄線61Bからなる芯部61と、例えば、6%のカーボンブラックが混入されたポリエチレンにより形成され、前記芯部61を被覆するようにされた被覆層62とによった線状電極として構成されている。この線上電極は、渦状に巻き込まれており、且つ略平面状にされている。
尚、この測定揚電極の特性を以下に示す。
【表1】
比重 1.050 kg/m3
可耐張力 12 kpa
伸び 100 %
線状電極の直径 4.0 mm
抵抗値 106 Ω・cm
渦状にされた部分の直径 85 mm
【0017】
次いで、上述のコンクリート壁2の構築方法について図3を用いて説明する。
まず、凹面1との間に所定の間隔を開けて、枠体Wを配置する(図3(イ))。この枠体Wは、複数に分割されており、それらを組み合わせることで凹面1の全体に対応するようにして配置される。枠体Wの凹面1と対応する側の面には複数の突出部W1が設けられている。
次いで、枠体Wと、凹面1との間にコンクリート2を打設する(図3(ロ))。
その後一定期間養生し、コンクリート2が硬化した後、枠体Wを除去する(図3(ハ))。
このようにすることで、コンクリート壁2が構築される。枠体Wの突出部W1により規定されていた空間が、窪み2Aとなる。
その後、遮水シート3と保護層4を敷設して上述の廃棄物処分場Aを得る。
【0018】
尚、この廃棄物処分場Aは、図4で示したように、遮水シート1を2枚敷設した構造とすることができる。
この場合には、凹面1側から、保護層4、遮水シート3、電界層4A、遮水シート3、保護層4の順に、層を形成することができる。2枚の遮水シート3の間に配される電界層4Aは、2枚の遮水シート3の間に一定の電界を形成させる役割とを担うものである。電界層4Aは、シート状または網状の導電性材13をサンドイッチ的に組み込んだ、例えば不織布やヤシマットなどで形成することができる。
【0019】
≪第2実施形態≫
第2実施形態では、コンクリート壁に測定用センサを埋め込み固定するという技術思想に基づくコンクリート壁の構築方法とその方法により得られた廃棄物処分場について説明する。
【0020】
以下説明する方法によって得られた廃棄物処分場Bの構造について、まず説明する。
この廃棄物処分場Bは、図5に示したようなものである。
図5は、本発明の第2実施形態による廃棄物処分場Bを模式化して示したものである。
この廃棄物処分場Bは、凹部1と、その全面を覆うコンクリート壁2と、その全面を覆う遮水シート3及び、遮水シート3の全面を覆う保護層4を備えている。これらの点で、廃棄物処分場Bは第1実施形態の廃棄物処分場Aと共通する。
但し、この廃棄物処分場Bの遮水シート3は、後述の方法により、コンクリート壁2と一体化されている。従って、遮水シート3とコンクリート壁2との間には、第1実施形態の場合と異なり保護層4が存在しない。
この廃棄物処分場Bも、遮水シート3の損傷を検知する損傷検知システムが設けられている。
廃棄物処分場Bの損傷検知システムでも、3極方式を使用している。この例の損傷検知システムも、給電用電極5と、測定用電極6と、電源7と、処理装置8とを備えて構成されている。
但し、廃棄物処分場Bの測定用電極6は、後述の方法によってコンクリート壁2の内部に埋め込まれており、その点で第1実施形態の場合と異なっている。
測定用電極6は、第1実施形態で説明したのと同様のものとなっている。
【0021】
次いで、上述のコンクリート壁2の構築方法について図6を用いて説明する。
まず、凹面1との間に所定の間隔を開けて、枠体Wを配置する(図6(イ))。この枠体Wは、複数に分割されており、それらを組み合わせることで凹面1の全体に対応するようにして配置される。
それぞれの枠体Wの凹面1と対向する側の面には、遮水シート3が取付けられている。従って、第2実施形態の方法では、枠体Wを配することで、遮水シート3もまとめて配される。枠体Wに対する遮水シート3の取付け方はどのようにしても構わないが、この例では釘を打ち付けることによりその取付けを行っていることとする。遮水シート3の凹面1と対向する側の面には、多数の突起3Aが設けられている。この突起3Aは、測定用電極6を配置すると好ましい間隔を開けつつ、碁盤の目状に配置されている。突起3Aの形状は、測定用電極6を係止可能であると共に、硬化したコンクリートから抜け落ちないような形状とされている。その形状は、例えば、鈎型、きのこ型、コイル型等にすることができる。この実施形態における突起3Aは、図7の断面図に示したような形状とされている。つまり、円盤状の係止片31Aを棒状の支持柱31Bで支持した形状となっている。
【0022】
次いで、突起3Aに測定用電極6を係止する(図6(ロ))。この例では、必ずしもそうする必要はないが、すべての突起3Aに測定用電極6を係止する。この例の測定用電極6は、図2に示した如き形状であり、且つ一定の弾性を有するものとなっているので、渦を巻いている芯部61及び被覆層62は変形させることができる。そこで、突起3Aの支持柱31Bが測定用電極6の渦の隙間に入るようにすることにより、測定用電極6を指示柱31Bで係止する。係止片31Aの存在により、測定用電極6の落下が生じにくくなる。
尚、突起3Aに測定用電極6を係止するのは、凹面1との間に所定の間隔を開けて、枠体Wを配置する前でも構わない。
【0023】
次いで、遮水シート3と凹面1との間の間隙にコンクリートを打設する(図6(ハ))。
その後一定期間養生し、コンクリート2が硬化した後、枠体Wを除去する(図6(ニ))。枠体Wを取り外すと、コンクリート壁2と一体化した遮水シート3から多数の釘が突き出した状態となる。従ってこの釘を抜くか、切断すると共に、釘が貫通することによって生じた遮水シート3に生じた多数の孔を、例えば熱溶着などによって埋めていく。また、隣接する遮水シート3の間には若干の隙間があるため、樹脂を用いた熱溶着によってこれも埋める。このようにして、測定用電極6が内包されたコンクリート壁2が構築される。
その後、遮水シート3上に保護層4を敷設して上述の廃棄物処分場Bを構築する。
【0024】
尚、この例の廃棄物処分場Bでも、遮水シート3を2枚使用する構成を採用することができる。
その場合には、図8又は図9に示したようにすればよい。
図8で示した構成は、凹面1側から順に、コンクリート壁2、遮水シート3、電界層4A、遮水シート3、保護層4の各層を形成したものである。凹面1に近接するコンクリート壁2及び遮水シート3を上述の方法で構築した後、残りの電界層4A、遮水シート3、保護層4を順に敷設することでこの構成を得られる。
図9で示した構成は、凹面1側から順に、遮水シート3、コンクリート壁2、遮水シート3、保護層4の各層を形成したものである。ここで、コンクリート壁2に挟まれた遮水シート3は、図10に示したように、その両面に突起3Aを備えたものとすることができる。このようにすれば、コンクリート壁2に挟まれた遮水シート3は、それが接する両コンクリート壁2と一体化されることとなり、その損傷の可能性を押さえられる。尚、図9で示したような構成を実現するには、図6(イ)〜図6(ニ)で説明した方法を2回繰返して行えば良い。この場合には、表面に露出する遮水シート3は、その片面に突起3Aを備える図7に示した如きものとなる。
また、図示を省略するが、図9と同様に2つのコンクリート壁2を有する構成の場合、後から作ったコンクリート壁2の上に遮水シート3と、保護層4とを単純に重ねて敷設するという構成もありうる。
【0025】
【発明の効果】
本発明による廃棄物処分場揚壁の構築方法によれば、遮水シートの損傷を検出するための測定用電極が、設置後にずれることがなくなる。また、測定用電極を設置する際に、その精度を高くすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による廃棄物処分場の構成を概略で示す図。
【図2】図1で示した廃棄物処分場で用いられる測定用電極の構成を説明するための図。
【図3】本発明の第1実施形態による廃棄物処分場の構築方法を示す図。
【図4】本発明の第1実施形態による廃棄物処分場の変形例を説明するための図。
【図5】本発明の第2実施形態による廃棄物処分場の構成を概略で示す図。
【図6】本発明の第2実施形態による廃棄物処分場の構築方法を示す図。
【図7】図1で示した廃棄物処分場の遮水シートの構成を示す断面図。
【図8】本発明の第1実施形態による廃棄物処分場の変形例を説明するための図。
【図9】本発明の第1実施形態による廃棄物処分場の変形例を説明するための図。
【図10】図1で示した遮水シートの変形例の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 凹面
2 コンクリート壁
2A 窪み
3 遮水シート
3A 突起
4 保護層
5 給電用電極
6 測定用電極
W 枠体
W1 突出部
Claims (5)
- 廃棄物投棄用の凹面の少なくとも一部に沿って設けられるものであり、その表面に遮水シートが配されているコンクリート壁と、該遮水シートの内外に配された電界形成用の給電用電極と、前記遮水シートに沿って複数配された測定用電極とを備えており、これら測定用電極によって測定された前記遮水シート付近の電位に基づいて前記遮水シートの損傷を検出できるようにされてなる廃棄物処分場を構築するために用いられるコンクリート壁構築方法であって、
前記凹面との間に所定の間隔を開けて枠体を配置すると共に、前記測定用電極を係止可能な形状とされた突起がその少なくとも一方の面に複数設けられた遮水シートを、前記突起が設けられた面を前記凹面に対向させた状態で、前記枠体と前記凹面との間隙に配置し、
前記突起の幾つかに前記測定用電極を係止し、
前記遮水シートと前記凹面との間の間隙にコンクリートを打設し、
前記コンクリートが硬化した後に前記枠体を除去する、
ことにより、前記測定用電極が内包されたコンクリート壁を構築する、コンクリート壁構築方法。 - 廃棄物投棄用の凹面の少なくとも一部に沿って設けられるものであり、その表面に遮水シートが配されているコンクリート壁と、該遮水シートの内外に配された電界形成用の給電用電極と、前記遮水シートに沿って複数配された測定用電極とを備えており、これら測定用電極によって測定された前記遮水シート付近の電位に基づいて前記遮水シートの損傷を検出できるようにされてなる廃棄物処分場を構築するために用いられるコンクリート壁構築方法であって、
前記凹面との間に所定の間隔を開けて枠体を配置すると共に、前記測定用電極を係止可能な形状とされた突起がその少なくとも一方の面に複数設けられ、且つその突起の幾つかに前記測定用電極が係止された遮水シートを、前記突起が設けられた面を前記凹面に対向させた状態で、前記枠体と前記凹面との間隙に配置し、
前記遮水シートと前記凹面との間の間隙にコンクリートを打設し、
前記コンクリートが硬化した後に前記枠体を除去する、
ことにより、前記測定用電極が内包されたコンクリート壁を構築する、コンクリート壁構築方法。 - 前記測定用電極を係止可能な形状とされ且つ硬化したコンクリートから抜け落ちないような形状とされた突起がその少なくとも一方の面に複数設けられた遮水シートを、前記枠体と前記凹面との間隙に配置する、
請求項1又は2記載のコンクリート壁構築方法。 - 前記枠体の前記凹面と対向させる面に、前記突起が露出する状態で前記遮水シートを予め固定しておき、この枠体を前記凹面との間に所定の間隔を設けて配することで、枠体及び遮水シートをまとめて配するようにした、
請求項1又は2記載のコンクリート壁構築方法。 - 前記突起の幾つかに、カーボンブラックを混入した樹脂からなる線状電極であって、略平面をなすような渦形状とされてなる測定用電極を係止する、
請求項1又は2記載のコンクリート壁構築方法。
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