JP2004279347A - 漏水検知用導電網及び導電線を備えた防水シート - Google Patents

漏水検知用導電網及び導電線を備えた防水シート Download PDF

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敏雄 源間
Hiroyuki Yokozawa
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Abstract

【課題】漏水自動検知及び漏水箇所探査に適し、かつ、製造コストが安く、輸送及び敷設が容易であって、耐久性の高い漏水検知用導電網及び導電線を備えた防水シートを提供すること。
【解決手段】構造物の躯体に表装された防水層の漏水を検知するために用いられる漏水検知用導電網であって、複数の切込み62aを備えた電気的絶縁性のシート62と、シート62面に切込み62aに沿って貼付された複数の導電線60,70と、を有し、シート62が切込み62aを介して網状に拡開されることにより、導電線60,70が所定間隔ないし所定パターンで配置されてなる。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏水検知用導電網及び導電線を備えた防水シートに関し、特に、構造物の屋上に敷設される漏水検知用導電網及びそれを備えた防水シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、「建物屋上の防水用のシートの破損を検出する検出装置であって、上記シートの下に面電極を設けて、上記シートの上部で移動される移動電極と上記面電極との間に通電して、通電の変化を測定してシートの破損を検出することを特徴とする建物屋上におけるシート破損の検出装置」が提案されている。
【0003】
さらに、上記特許文献1には、上記面電極として、「アルミニウムのシート状」のもの、「メッシュ状に区分してブロック化」したもの、が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−131257号公報(請求項1、段落0025)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
防水層の漏水を検知するために必要な費用は、防水層敷設工事に対して十分に低いことが好ましい。
【0006】
前記特許文献1に提案されている防水シート破損検出装置によれば、面電極の製造コストが高く、面電極の輸送及び敷設が困難であるという問題がある。その理由は、防水シートの破損検出に適したパターンないし形状の面電極を製造するには、面電極の製造コストが高くなり、また、面電極をそれ単独で建物屋上に直接敷設するためである。
【0007】
本発明の目的は、漏水自動検知及び漏水箇所探査に適し、かつ、製造コストが安く、輸送及び敷設が容易であって、耐久性の高い漏水検知用導電網及び導電線を備えた防水シートを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の視点において、構造物の躯体に表装された防水層の漏水を検知するために用いられる漏水検知用導電網であって、複数の切込みを備えた電気的絶縁性のシートと、前記シートに前記切込みに沿って配置された複数の導電線と、を有し、前記シートが前記切込みを介して網状に拡開されることにより、前記導電線が所定間隔ないし所定パターンで配置される、ことを特徴とする漏水検知用導電網を提供する。
【0009】
本発明は、第2の視点において、拡開される前の前記漏水検知用導電網において前記複数の切込みが断続部を介して断続的に形成され、複数の断続的な切込みの列が隣接する列の断続部と前記切込みが交互に配されるよう互いに平行に配される、ことを特徴とする漏水検知用導電網を提供する。
【0010】
本発明は、第3の視点において、拡開される前の前記漏水検知用導電網において前記導電線は前記シートの巻取り方向に延在され、前記シートは該巻取り方向に直交する方向に拡開される、ことを特徴とする漏水検知用導電網を提供する。
【0011】
本発明は、第4の視点において、前記導電線がジグザグ状ないし波状に配置されることを特徴とする漏水検知用導電網を提供する。
【0012】
本発明は、第5の視点において、前記シートの所定箇所に、前記漏水検知用導電網を前記躯体に敷設するための接着剤が予め付着されることを特徴とする漏水検知用導電網を提供する。
【0013】
本発明は、第6の視点において、前記複数の導電線のうち、所定方向から奇数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続され、該所定方向から偶数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続される、ことを特徴とする漏水検知用導電網を提供する。
【0014】
本発明は、第7の視点において、電気的絶縁性である一又は複数の糸から構成され、拡開されて網状体となる糸集合体と、前記糸集合体に取り付けられた複数の導電線と、を有し、前記糸集合体が拡開されることにより、前記導電線が所定間隔ないし所定パターンで配置される、ことを特徴とする漏水検知用導電網を提供する。
【0015】
本発明は、第8の視点において、構造物の躯体に表装される防水シートであって、電気的絶縁層と、前記防水シートの漏水を検知するために用いられる複数の導電線と、を備え、前記複数の導電線が前記電気的絶縁層に所定間隔ないし所定パターンで配置された、ことを特徴とする防水シートを提供する。
【0016】
本発明は、第8の視点に基づく第9の視点において、前記複数の導電線のうち、所定方向から奇数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続され、該所定方向から偶数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続された、ことを特徴とする防水シートを提供する。
【0017】
本発明は、第10の視点において、前記第1〜7の視点のいずれか一記載の漏水検知用導電網、前記第8又は9の視点に記載の防水シートのいずれかが敷設されたことを特徴とする構造物を提供する。
【0018】
本発明によれば、複数の導電線が配置されて拡開ないし展開することにより、導電線が構造物…に適した間隔ないしパターンに配置される漏水検知用導電網を低コストで容易に製造することができる。また、本発明によれば、導電網が複雑なパターンで配置される場合であっても、本発明による漏水検知用導電網及びそれを備えた防水シートは、輸送、敷設(流通、施工)の各段階での取扱いが容易であって、耐久性が高められている。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、ステンレス鋼等の導電線(好ましくはテープ状)と、電気的絶縁性のシート又は糸を導電線が所定間隔ないし所定パターンで拡開されるために用いる。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、テープ状、線状、フィルム状の導電線が用いられる。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、導電線がシート面に配置ないし貼付られる、或いはシート内に配置ないし埋設又は圧入、圧着される。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、シートを拡開前の状態で、切込みによって区分される帯状部毎に導電線が配置される。なお、導電線を一本又は複数本の帯状部毎に配置してもよい。
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態においては、導電線及びシート、糸等が下記のように構成される。
【0025】
1.複数の導電線はシートの巻取方向に対して略平行にジグザグ状ないし波状に蛇行させて配置する。
2.シートは、導電線の延在方向に沿って断続的な切込み列を入れる。このとき、導電線数1に対して切込み列数を2にして、隣接する切込み列の切込み開始位置は互いに切込み長さの略半分だけずらす。
3.シートは切込みによって帯状部が生じて網状に拡開可能になり、導電線はシートの拡開に伴って所定間隔ないし所定パターンに展開される。
4.複数の糸と複数の導電線とで構成され、複数の糸が連結されて構成される糸集合体の拡開に伴って、導電線が所定間隔ないし所定パターンに展開して、導電線同士が互いに略平行に延在されて互いに電気的に絶縁される。糸に導電線を配置するには、導電線を糸に巻き付けたり、編み込んだり、織り込んだりすればよい。また、導電線を縦糸とし、電気的絶縁性の糸を横糸にすると、複数の縦糸と一本の横糸で編物又は織物を作製することができる。
5.熱溶解接着剤がシートの裏面の両側に所定の間隔で付着する。
6.以上の構成は更に次のようにしても本発明の目的達成に好適である。
(1)切込み長さ、又は、導電線数と切込み列数との比を変える。
(2)導電線の延在方向をシート巻取り方向に略直交させる。
(3)二つの電極を備えて、導電線を一方向から奇数番目を一方の電極に、偶数番目を他方の電極に電気的に接続する。これによって、二つの電極間の導電度を測定して漏水を検出できる。
(4)線状の導電線に代えて、フィルム状の導電線を配置する。
(5)切込みの端部を応力集中を避けるために略円形にする。
【0026】
次に、好ましい導電線の特性等について説明する。
【0027】
1.導電線の間隔:
コンクリート、砂等の乾燥状態の導電率は、濡れた状態に比較して低下し、通常、砂は、躯体のコンクリートに比較して水が拡散し易い。したがって、漏水箇所近傍のコンクリート、砂等が濡れる範囲の最小検出限界は、導電線の間隔によって決まる。
また、導電線を一つおきに二つの電極に電気的に接続して二つの電極間の導電度を測定して漏水を検出するための漏水検知用導電網においては、電極間に電圧を印加するとコンクリート、砂等が漏水によって濡れていなくても、それらを介して微弱の電流が流れる。このため、導電線間の間隔を狭くすれば、漏水箇所付近で生じた電気伝導度の増加を弁別し難くなる。このため、導電線の間隔は適当な距離に保たれることが望ましい。
【0028】
2.敷設上の考慮:
(1)導電網を広い建物に低コストで敷設するためには、薄く、長く、かつ広幅であること。
(2)アスファルトで防水層を設けたときに、導電線がアスファルトで覆われることのないようにする必要があるが、通常、アスファルトの下には砂を敷き詰めるから、導電網はこの砂の下に埋もれるように適したものであること。
(3)敷設時の取扱い上の適当な強度が必要である。もちろん、切込み端部での応力集中を避けることが望ましい。
(4)また、防水層としてシート状のものをコンクリート表面に直接貼付するような場合には、本発明のフィルムを裏面に貼付して防水シートとすることが好ましい。ただし、このような場合には、導電線とコンクリートとの間が電気的絶縁されないことが必要である。
【0029】
3.製造上の考慮:
本発明の漏水検知用導電網は、低価格であって大量製造するものではないから、初期投資を低くすることは特に重要である。そこで、本発明の漏水検知用導電網を狭幅の巻取シートとして製造し、切込みを拡開して広い面積に敷設することができるようにする。
また、切込みをシートの巻取り方向に対してジグザク状ないし波状にすることによって、次のような効果を生じる。
(1)切込みが巻取り方向に常に平行な場合には、巻取り状態で切込みが重なってしまうため、シートが巻取り軸方向に解体するおそれがあるが、切込みをジグザク状ないし波状にすることによって、巻取り状態でジグザグ状ないし波状が交差して互いに摩擦力を生じ、巻取り軸方向への解体を防止する。
(2)切込みが巻取り方向に常に平行であれば、シートを巻解する際に切込みが干渉して絡まりを生じてしまうが、切込みをジグザグ状ないし波状にすることによって、シートの巻解の際の切込み同士シートの巻解の際の切込み同士の干渉による絡まりを防止する。
【0030】
4.専用治具:
シートないし導電線が、接着剤(粘着剤を含む)を備えることによってシートを拡開した状態で容易に仮止めすることができる。例えば、熱溶解プラスチックを用いた場合には、熱鏝を用いて、躯体のコンクリートにワンタッチで接着できる。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、本発明による漏水検知用導電網が備えた複数の導電線のうち、所定方向から奇数番目の導電線の端部が電気的に接続された第1の電極と、該所定方向から偶数番目の導電線の端部が電気的に接続された第2の電極と、前記第1の電極と、前記第2の電極との間の電気伝導度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定データに基づいて漏水を判定する判定手段と、を含む漏水検知システムが構築される。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、本発明による漏水検知用導電網が防水層と躯体の間に敷設されてなる導電層となり、前記導電層に電気的に接続した第1の電極と、前記躯体に埋め込まれた導電体に電気的に接続された第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気伝導度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定データに基づいて漏水を判定する判定手段と、を含む漏水検知システムが構築される。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、電気的に絶縁した二つの本発明による漏水検知用導電網が防水層と躯体の間に敷設された二つの導電層となり、一方の前記導電層に電気的に接続した第1の電極と、他方の前記導電層に電気的に接続した第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気伝導度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定データに基づいて漏水を判定する判定手段と、を含む漏水検知システムが構築される。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、本発明による漏水検知用導電網が防水層と躯体の間に敷設された導電層となり、前記導電層に電気的に接続した第1の電極と、漏水を探査しようとする箇所における任意の測定点に移動可能な第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気伝導度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定データに基づいて漏水を判定する判定手段と、を含む漏水探査システムが構築される。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、本発明による漏水検知用導電網が防水層と躯体の間に敷設された導電層となり、前記導電層に電気的に接続した電極と、防水層の表装上において、前記電極に対して漏水を探査しようとする箇所を囲むように所定の電圧を印加する電圧印加電極と、該電圧印加電極の内側の電位を測定する電位測定電極と、該電位測定電極を用いて前記電圧印加電極の内側の複数位置における電位を測定する測定手段と、測定された電位の分布に基づいて漏水を判定する判定手段と、を含む漏水探査システムが構築される。
【0036】
【実施例】
以上説明した本発明の好ましい実施の形態をさらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例に係る漏水検知用導電網の拡開前の裏面(漏水検知用導電網を敷設するときに躯体に面する側)から見た導電線配置図である。図2は、図1の部分図である。図3は、図1に示した拡開前の漏水検知用導電網を拡開した後の裏面から見た導電線配置図である。
【0038】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る、構造物の躯体に表装された防水層の漏水を検知するために用いられる漏水検知用導電網は、複数の切込み62aを備えた電気的絶縁性のシート(フィルム)62と、シート62の面に切込み62aに沿って配置された複数の導電線、すなわち、シート62の裏面をジグザグ状ないし波状にそれぞれ配置されている第1の導電線60及び第2の導電線70と、を有している。
【0039】
第1の導電線60は第1の電極61に電気的に接続され、第2の導電線70は第2の電極71に電気的に接続されている。これによって、複数の導電線60,70のうち、所定方向(図1中上下方向)から奇数番目の導電線、すなわち、第1の導電線60の端部が互いに電気的に接続され、該所定方向から偶数番目の導電線、すなわち、第2の導電線70の端部が互いに電気的に接続されている。第1の導電線60及び第2の導電線70において、シート62の面外に突出している部分はそれぞれ絶縁被覆されている。
【0040】
シート62の面において、複数の切込み62aは断続部を介して断続的に形成され、複数の断続的な切込み62aによって形成される複数の列は、互いに平行であって、隣接する列の切込み開始位置は互いに切込み長さの略半分ずれるよう配される。
【0041】
図2を参照すると、シート62の所定箇所には、漏水検知用導電網を躯体に敷設するための接着剤63がシート62の裏面に予め付着されている。接着剤63を付着したシート62は接着剤を付着した部分を巻取り方向の直交方向に引出して巻き取られる。
【0042】
第1の導電線60及び第2の導電線70はシート62の巻取り方向に延在され、シート62は巻解された状態で該巻取り方向に直交する方向に拡開される。すなわち、図1に示したシート62が切込み62を介して網状に拡開される。この結果、図3に示すように、第1の導電線60及び第2の導電線70が所定間隔ないし所定パターンで配置されてなる漏水検知用導電網が得られる。この漏水検知用導電網を躯体と防水層の間に敷設し、第1の電極61と第2の電極62との間の電気伝導度を測定することにより、防水層等の破損による漏水の有無を判定することができる。
【0043】
以上説明した、導電線が所定間隔ないし所定パターンで配置された漏水検知用導電網を有するシートを躯体に直接敷設してもよい。或いは、この拡開されたシートを、さらに、防水シートに貼着し、この状態の防水シートを躯体に敷設してもよい。また、場合によっては、導電線が所定間隔ないし所定パターンで配置された漏水検知用導電網が他の方法で予め形成された防水シートを躯体に敷設してもよい。
【0044】
次に、本発明による漏水検知用導電網の敷設に好適に用いられる治具を説明する。図4は、本発明による漏水検知用導電網の敷設に好適に用いられるシート敷設用治具の模式断面図である。
【0045】
図4を参照すると、このシート敷設用治具は、本発明による漏水検知用導電網の端部をコンクリート面に接着するための治具であって、ヒータ91と、ヒータ91の周囲に配置されて外周部に放熱フィン92aを備えた押え金92と、ヒータ91のハウジングに形成されたフランジ部と押え金92との間に圧縮介装され、ヒータ91を図中上方向に常時付勢しているバネ90と、を有している。
【0046】
以上説明したシート敷設用治具を、特に、図3に示した拡開された漏水検知用導電網の敷設に用いる場合の操作方法を説明する。ヒータ91を漏水検知用導電網の接着剤63が付着された部分に押し付けると、ヒータ91が矢印方向に下降して、そこに付着された接着剤(熱溶解ボンド)63がヒータ91の熱で溶解する。次に、ヒータ91への押圧力を少し弱くすると、ヒータ91は上昇するが、押え金92はバネ90の力で導電網の端部を押えた状態のままで、熱溶解ボンドは固化し、接着は完了する。
【0047】
本発明による漏水検知用導電網が適用される構造物の躯体の防水構造の一例を説明する。図5は、本発明による漏水検知用導電網が適用される構造物の躯体の防水構造を示す階段状断面斜視図である。図6は、図5の横断面図である。
【0048】
図5及び図6を参照すると、躯体1上には、順に、防水下層(砂)3、防水層4、保護砂51及びルーフブロック52が積層されている。さらに、本発明による漏水検知用導電網2が、防水下層3と躯体1の間に敷設されている。特に、図6を参照すると、防水層4が損傷した場合、雨水が躯体1に浸透して、図3等に示した第1の導電線60と第2の導電線70との間の電気伝導度が変化する。この変化を検出することによって、漏水の有無を判定することができる。
【0049】
本発明による漏水検知用導電網を用いた構造物の躯体の漏水検知システムの一例を説明する。図7は、本発明による漏水検知用導電網が好適に適用される、構造物の躯体の漏水検知システムを説明するための模式図である。
【0050】
図7を参照すると、本発明による漏水検知用導電網が用いられた導電性網2は、躯体1上を区画するよう互いに離間して配設した二以上の導電層であり、導電性網2と同数であって、各導電性網2にそれぞれ一つを電気的に接続した第1の電極が設けられている。導電性網2は測定ケーブル6を介して制御盤81に接続されている。躯体1に埋め込まれた鉄筋11は接地ケーブル7を介して制御盤81に接続されている。制御盤81には、前記第1の電極のそれぞれと前記第2の電極との間の電気伝導度をそれぞれ測定する手段を有する。このように、導電性網2を区画して配置することにより、いずれの導電性網区画9において漏水が発生したかを検知することができる。制御盤81には、構造物の屋上に設置した太陽電池83から電力が供給される。制御盤81(測定手段の測定データに基づいて漏水を判定する手段を含む)には警報装置82が接続されて構造物の管理者に漏水に関する警報を発する。また、制御盤81は、複数の構造物を集中的に管理するセンターに測定データを送信してセンターがそれぞれの構造物における漏水状態を分析することができる。
【0051】
本発明の他の実施例に係る漏水検知用導電網を説明する。図8は、本発明の他の実施例に係る漏水検知用導電網を拡開した後の導電線配置図である。
【0052】
図8を参照すると、本発明の他の実施例に係る漏水検知用導電網は、電気的絶縁性である複数の糸64が互いに連結された糸集合体に、第1の導電線60と、第2の導電線70が取り付けられている。複数の糸64は、糸集合体が拡開されてないし解かれて網状体となるよう、不連続に互いに連結されている。複数の糸64は、糸の一部を接着すること、或いは、編み込みないし織り込みによる糸同士の摩擦力等、によって、互いに連結することができる。導電線60,70は、糸64に対して不連続に、すなわち、糸64上に所定間隔毎に設けられた結び目64aにおいて糸64に連結されている。糸集合体において、糸64或いは導電線60,70上には、拡開した糸集合体を躯体と防水層の間に敷設するための接着剤63が、付着されている。この糸集合体が拡開され網状体になることにより、導電線60,70が波状ないしジクザグ状ないし波状に延伸され、導電線60,70同士は互いに略平行に延在して、互いに電気的に絶縁される。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、漏水自動検知及び漏水箇所探査に適し、かつ、製造コストが安く、輸送及び敷設が容易であって、耐久性の高い漏水検知用導電網及び導電線を備えた防水シートが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る拡開前の漏水検知用導電網を裏側から見た導電線配置図である。
【図2】図1の部分図である。
【図3】図1に示した漏水検知用導電網を拡開した後の導電線配置図である。
【図4】本発明による漏水検知用導電網の敷設に好適に用いられる治具の模式断面図である。
【図5】本発明による漏水検知用導電網が好適に適用される、構造物の躯体の防水構造を示す階段状断面斜視図である。
【図6】図5の横断面図である。
【図7】本発明による漏水検知用導電網が好適に適用される、構造物の躯体の漏水検知システムを説明するための模式図である。
【図8】本発明の他の実施例に係る漏水検知用導電網を拡開した後の導電線配置図である。
【符号の説明】
1…躯体(鉄筋コンクリート)
2…導電性網(導電層)
3…防水下層(砂)
4…防水層(アスファルト)
5…保護層
6…測定ケーブル
7…接地ケーブル
9…導電性網区画
11…鉄筋
51…保護砂
52…ルーフブロック
60…第1の導電線
61…第1の電極
62…シート(フィルム)
62a…切込み
63…接着剤
64…糸
64a…結び目
70…第2の導電線
71…第2の電極
81…制御盤
82…警報装置
83…太陽電池
90…バネ
91…ヒータ
92…押え金
92a…放熱フィン

Claims (10)

  1. 構造物の躯体に表装された防水層の漏水を検知するために用いられる漏水検知用導電網であって、
    複数の切込みを備えた電気的絶縁性のシートと、前記シートに前記切込みに沿って配置された複数の導電線と、を有し、
    前記シートが前記切込みを介して網状に拡開されることにより、前記導電線が所定間隔ないし所定パターンで配置される、ことを特徴とする漏水検知用導電網。
  2. 拡開される前の前記漏水検知用導電網において前記複数の切込みが断続部を介して断続的に形成され、複数の断続的な切込みの列が隣接する列の断続部と前記切込みが交互に配されるようにして互いに平行に配される、ことを特徴とする請求項1記載の漏水検知用導電網。
  3. 拡開される前の前記漏水検知用導電網において前記導電線は前記シートの巻取り方向に延在され、前記シートは該巻取り方向に直交する方向に拡開される、ことを特徴とする請求項1又は2記載の漏水検知用導電網。
  4. 拡開される前の漏水検知用導電網において前記導電線がジグザグ状ないし波状に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一記載の漏水検知用導電網。
  5. 前記シートの所定箇所に、前記漏水検知用導電網を前記躯体に敷設するための接着剤が予め付着されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一記載の漏水検知用導電網。
  6. 前記複数の導電線のうち、所定方向から奇数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続され、該所定方向から偶数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一記載の漏水検知用導電網。
  7. 構造物の躯体に表装された防水層の漏水を検知するために用いられる漏水検知用導電網であって、
    電気的絶縁性である一又は複数の糸から構成され、拡開されて網状体となる糸集合体と、
    前記糸集合体に取り付けられた複数の導電線と、を有し、
    前記糸集合体が拡開されることにより、前記導電線が所定間隔ないし所定パターンで配置される、ことを特徴とする漏水検知用導電網。
  8. 構造物の躯体に表装される防水シートであって、電気的絶縁層と、前記防水シートの漏水を検知するために用いられる複数の導電線と、を備え、前記複数の導電線が前記電気的絶縁層に所定間隔ないし所定パターンで配置される、ことを特徴とする防水シート。
  9. 前記複数の導電線のうち、所定方向から奇数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続され、該所定方向から偶数番目の導電線の端部が互いに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項8記載の防水シート。
  10. 請求項1〜7のいずれか一記載の漏水検知用導電網、請求項8又は9に記載の防水シートのいずれかが敷設されたことを特徴とする構造物。
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