JP4409685B2 - 紙幣搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコホールやゲームセンターなどの遊技場に設置される1台以上の遊技媒体貸出用台間機などから紙幣を一括して回収するための紙幣搬送装置に関し、特にエアを利用して紙幣の搬送を行うエア式のものの改良に係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パチンコホールなどの遊技場においては、複数台のパチンコ機又はスロットマシンを並列に配置して1つの遊技機列を構成し、この2つの遊技機列を互いに背中合わせに配置して1つの遊技島を構成しており、各遊技機列の隣接する遊技機の間毎又は所定置き毎にそれぞれ遊技媒体貸出用の台間機を配置している。この台間機で紙幣を使用可能とする場合には、台間機の内部に紙幣識別機などを設けるとともに、遊技島内の遊技機列背面側に紙幣搬送装置を配置し、台間機の紙幣識別機で検査した紙幣をその背面側の紙幣送り出し口から紙幣搬送装置側へ送り出し、遊技島の端などに配置した紙幣回収保管部に搬送して回収するようにしている。
【0003】
そして、上記紙幣搬送装置としては、ローラやベルトなどを用いてなる機械式のもの以外に、エアを利用してなるエア式のものも知られている。このエア式の紙幣搬送装置は、基本的には例えば特許第2511692号公報に開示されるように、遊技機列の背面側で島列方向に延びかつ一端が紙幣回収保管部に接続された主搬送管路と、一端が上記各台間機の紙幣送り出し口に、他端が上記主搬送管路にそれぞれ接続された複数の連結搬送管路と、上記紙幣回収保管部の主搬送管路側と反対側に接続されたブロワなどの吸引機とを備え、吸引機によって各連結搬送管路、主搬送管路及び紙幣回収保管部に通すエアを紙幣と共に吸引するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のエア式紙幣搬送装置では、連結搬送管路及び主搬送管路を通して紙幣を搬送するときの紙幣の姿勢について十分な配慮がなされていないため、搬送途中に紙幣が管路内で捩じれたり折れ曲がったりして詰り易いという問題があった。また、主搬送管路の長さは遊技島の長さと略同一でかなり長くなり、連結搬送管路全体の長さも遊技島内の台間機の台数と比例して長くなるため、主搬送管路及び各連結搬送管路に通すエアを吸引機により紙幣の搬送可能な速度でもって吸引するためには吸引機の出力をかなり大きくする必要があり、設備コスト及びランニングコストが高くつくという問題もある。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、例えば特開平10−329975号公報に開示されるように、吸引機などの手段によって主搬送管路などにエアの流れを発生させることとは別に、主搬送管路などの対向する壁面にコンピュータ制御のフラップを搬送方向に沿って所定間隔毎に一対ずつ設け、エアの流れと共に紙幣を搬送するに際し局部的にベンチュリ効果を起こさせるようにすることが考えられる。このものでは、管路の対向する壁面から突出する一群のフラップによって紙幣がその両面側から拘束された状態で搬送されるため、管路内で紙幣が捩じれたり折れ曲がったりすることはなく、紙幣詰まりを防止することができ、また単にエアの吸引だけで紙幣を搬送する従来のものに比べて吸引機などのエア供給源の出力を小さくすることができる利点を有するが、エア供給源以外に多数のフラップ及びこれを駆動する駆動部などを必要とし、設備コストなどがより高くつくという欠点がある。
【0006】
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、エアを利用して紙幣を搬送するに当たり、搬送路内で紙幣が捩じれたり折れ曲がったりしないようにするとともに、エアを効率的に利用してエア供給源の出力を小さくするようにし、もって紙幣詰まりの防止化及びコストの低減化を図り得る紙幣搬送装置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、請求項1に係る発明は、複数の遊技機を並列に配置してなる遊技機列の隣接する遊技機の間毎又は所定置き毎にそれぞれ紙幣の投入により少なくとも遊技媒体の貸出制御を行う台間機が配置され、これらの台間機に投入された紙幣を各台間機の背面側に設けた紙幣送り出し口から遊技島内の所定箇所に配置した紙幣回収保管部に搬送する紙幣搬送装置として、上記遊技機列の背面側で島列方向に延びかつ一端が上記紙幣回収保管部に接続された主搬送路と、一端が上記各台間機の紙幣送り出し口に、他端が上記主搬送路にそれぞれ接続された複数の連結搬送路と、上記主搬送路及び連結搬送路にそれぞれ紙幣の搬送方向に沿って紙幣の長さ寸法よりも短い所定間隔毎に設けられた少なくとも一対ずつのノズルよりなり、かつ各ノズルから噴出するエア圧又は吸引する負圧により紙幣を搬送路に沿って搬送する複数のノズル組と、上記主搬送路及び連結搬送路にて搬送される紙幣の位置を検出する検出手段と、この検出手段により検出した紙幣の位置に応じて上記各ノズル組からのエアを噴出し又はエアを吸引するように制御する制御手段とを備える。そして、上記主搬送路及び連結搬送路を、いずれも紙幣を垂直に立てて拘束するように、所定の隙間を隔てて対向しかつ紙幣の搬送方向に延びる一対の側壁と、この一対の側壁により壁面の大部分が構成された上下方向に細長い断面略矩形状の空間とを有する密閉形に形成する一方、上記各ノズル組の一対のノズル同士を、この主搬送路又は連結搬送路の一対の側壁に互いに対向しかつ略垂直に立てた状態で取り付け、この各ノズル組の一対のノズルの先端と搬送路内とを、搬送路の一対の側壁にそれぞれ紙幣の搬送方向に対し傾けて設けたノズル穴を通して連通させる。また、上記連結搬送路の主搬送路との接続側部分を、平面視で円弧状に湾曲させて形成する。さらに、上記制御手段は、上記ノズル組の各ノズルから噴出するエア圧又は吸引する負圧を同調して生じさせるように制御し、これにより、紙幣が搬送路の一対の側壁間に沿って垂直に立った状態で搬送されるように構成する。尚、少なくとも遊技媒体の貸出制御を行う台間機とは、遊技媒体の払い出しを隣接する遊技機に対し指令するだけの台間機と自ら遊技媒体の払い出しをも行う台間機の両方を含む意味である。
【0008】
この構成では、主搬送路及び連結搬送路のいずれにおいても、紙幣は搬送方向に延びる一対の側壁の間を垂直に立って拘束された状態で一対の側壁に設けた少なくとも一対ずつのノズルよりなる各ノズル組のノズルから同調して噴出するエア圧又は吸引する負圧によって搬送されるため、搬送路内で紙幣が捩じれたり折れ曲がったりすることはなく、紙幣詰まりが防止される。しかも、従来の如く主搬送路及び連結搬送路の内部全体に通すエアを紙幣の搬送可能な速度でもって送給したり吸引したりする場合に比べてエア圧又は負圧を紙幣の搬送に効率的に利用することができ、その分コンプレッサーなどのエア供給源の出力を小さくすることができる。また、搬送路が密閉形のものであるため、その一対の側壁に設けた各ノズル組のノズルからのエア圧又は負圧により紙幣を効率的に搬送することができる上、エア圧の噴出又は負圧の吸引に伴う騒音や塵埃などの発生を抑制ないし防止することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の紙幣搬送装置において、上記制御手段を、エアの噴出又はエアの吸引を間欠的に行うように制御する構成とする。この構成では、制御手段の制御の下に搬送路における紙幣の位置に応じて各ノズル組のノズルから間欠的にエアが噴出され又は吸引されるため、エア圧又は負圧をより効率的に利用することができる。
【0010】
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の紙幣搬送装置において、更に一端が上記紙幣回収保管部に接続され、他端が上記主搬送路の他端側に接続されて主搬送路と共にエアを循環させる循環路を構成する管路と、上記循環路内のエアを外部に放出するための空気口とを備える構成とする。この構成では、密閉形の主搬送路が循環路を構成しているため、主搬送路の一対の側壁に設けた各ノズル組のノズルからのエア圧又は負圧だけでなく循環路内を流れるエア流によっても紙幣が搬送されることになり、エアが効率良く利用される。その上、循環路内のエアは空気口より適宜外部に放出されて圧力が調整されるため、各ノズル組のノズルからのエア噴出などに支障を来たすことはない。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙幣搬送装置において、上記主搬送路及び連結搬送路の底部に、それぞれ紙幣を空間内に浮上させて搬送するための浮上用エア噴出ノズルを紙幣の搬送方向に沿って所定間隔毎に設ける構成とする。この構成では、搬送路に沿って紙幣を搬送するとき紙幣が浮上用エア噴出ノズルから噴出されるエアによって搬送路の空間内を浮上しながら搬送されるため、紙幣と搬送路との間の摩擦抵抗が小さくなり、紙幣の搬送が円滑にかつ迅速に行われる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る紙幣搬送装置を備えたパチンコホールにおけるスロットマシンの遊技島Aの設備全体を示す。この遊技島Aは、複数台(図では4台)のスロットマシン1,1,…を互いに並列に配置して1つのマシン列2を構成し、この2つのマシン列2,2を互いに背中合わせに配置して構成されており、各マシン列2の互いに隣接する2台のスロットマシン1,1の間及び左端のスロットマシン1の左側方にはそれぞれ台間機3が配置されている。
【0018】
上記各マシン列2のスロットマシン1及び台間機3は、いずれも同一の据付け台6上に載置されており、遊技島Aの島列方向両端にはそれぞれ妻板7が垂直に立てて設けられ、この一方の妻板7の側方には島ホスト8が設置されている。この島ホスト8は紙幣回収保管部としての金庫9を内蔵している。また、各マシン列2のスロットマシン1上方には下側より順に載置棚11、ランプ板12及び幕板13が設けられており、ランプ板12には遊技者が遊技場の従業員を呼び寄せるときなどに点灯させるランプ14などが取り付けられている。
【0019】
上記各台間機3は、その前面上部に上下方向に細長い紙幣投入口16を有し、この紙幣投入口16より所定の紙幣(例えば千円札)を垂直に立てて投入すると右隣りのスロットマシン1に対し所定枚数のメダルの払い出しなどを指令する一方、投入紙幣を背面側に設けた紙幣送り出し口(図示せず)から紙幣搬送装置20に送り出すようになっている。
【0020】
上記紙幣搬送装置20は、各台間機3の紙幣送り出し口から送り出された紙幣を全て回収して上記島ホスト8内の金庫9に搬送するもので、1つの主搬送路21と遊技島Aにおける台間機3の台数に相当する複数(図では8つ)の連結搬送路22,22,…とを備えている。主搬送路21は、マシン列2の背面側でかつ台間機3の紙幣投入口16と略同じ高さ位置で島列方向に水平に延びて配置されており、その一端は妻板7を貫通して上記金庫9に接続されている。また、各連結搬送路22の一端は対応する台間機3の紙幣送り出し口に接続され、他端は上記主搬送路21に接続されている。
【0021】
上記主搬送路21及び連結搬送路22は図3〜図6に示すように、いずれも上下方向に細長い断面略矩形状の空間を有する密閉形の部材23からなり、この部材23の左右一対の側壁23a,23aは、紙幣wを垂直に立ててその両面側より拘束するように所定の隙間を隔てて対向しかつ紙幣wの搬送方向に延びている。連結搬送路22の主搬送路21との接続側部分は、連結搬送路22から主搬送路21に紙幣が円滑に搬送されるように平面視で円弧状に湾曲形成されている。
【0022】
上記主搬送路21及び連結搬送路22にはそれぞれ紙幣wの搬送方向に沿って所定間隔毎に一対ずつのエア噴出用ノズル24,24よりなるノズル組30が複数設けられ、この各ノズル組30の一対のエア噴出用ノズル24,24は、それぞれ搬送路21又は22の一対の側壁23a,23aに互いに対向しかつ外部より内側の搬送路21又は22に向いて略垂直に立てた状態で取り付けられている。この各ノズル24の先端から搬送路21又は22に連通するエア噴出穴25は、いずれも紙幣wの搬送方向に向いて形成されていて、各ノズル24から噴出するエア圧により紙幣wを搬送路21,22の一対の側壁23a,23a間に沿って搬送するようになっており、上記所定間隔は、搬送路21,22内の紙幣wに対し常にノズル24からのエア圧が当たるように紙幣wの長さ寸法よりも短く設定されている。
【0023】
図7は上記各ノズル24にエアを供給する回路構成を示し、26は図2に示す如く遊技島A内の島ホスト8寄りに配置されたエア供給源としてのコンプレッサーであり、このコンプレッサー26には主搬送路21と並行して島列方向に延びるエア供給本管27が接続され、このエア供給本管27にはそれぞれ一端が各ノズル24に接続された複数のエア供給支管28,28,…の他端が接続されており、この各エア供給支管28には開閉弁29が設けられている。また、31は上記各開閉弁29の開閉を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータよりなる制御部であって、この制御部31は、主搬送路21及び連結搬送路22にて搬送される紙幣wの位置を検出する検出手段として搬送路21,22に沿って所定間隔毎に設けられた複数の位置検出センサ32,32,…からの信号を受け、紙幣の位置に応じて上記各ノズル24から間欠的にエアを噴出するように上記各開閉弁29の開閉を制御するようになっており、上記各位置検出センサ32は、光センサなどの非接触センサ又は接触センサからなる。
【0024】
さらに、上記紙幣搬送装置20は、主搬送路21と連結搬送路22の他に、主搬送路21と共同してエアの循環路を構成するためのエア管路36を備えており、このエア管路36の一端は島ホスト8内の金庫9に接続されている一方、他端部は遊技島A内の主搬送路21の上方(詳しくは幕板13と同じ高さ位置)を島ホスト8と反対側に延びて主搬送路21の端部に接続されている。このエア管路36には循環路内のエアを外部に放出するための空気口37が設けられている。
【0025】
次に、上記実施形態の作動、特に紙幣搬送装置20の紙幣搬送について説明する。台間機3の紙幣投入口16に紙幣wを垂直に立てて投入するとその紙幣wは台間機3背面側の紙幣送り出し口から紙幣搬送装置20の連結搬送路22及び主搬送路21を通して島ホスト8内の金庫9に搬送される。この搬送においては、紙幣wは、連結搬送路22及び主搬送路21のいずれにおいても搬送方向に延びる左右一対の側壁23a,23aの間を垂直に立った状態でその左右両面側より拘束されながら一対の側壁23a,23aに設けた各ノズル組30の一対のノズル24,24から同調して噴出するエア圧によって搬送されるため、搬送路21,22内で紙幣wが捩じれたり折れ曲がったりすることはなく、紙幣詰まりを防止することができる。
【0026】
その上、従来の如く主搬送路21及び連結搬送路22の内部全体に通すエアを紙幣wの搬送可能な速度でもって送給したり吸引したりする場合に比べてエア圧を紙幣wの搬送に効率的に利用することができるので、その分エア供給源としてのコンプレッサー26の出力を小さくすることができ、設備コスト及びランニングコストの低減化に寄与することができる。特に、本実施形態では、搬送路21,22で搬送される紙幣wの位置を位置検出センサ32により検出し、このセンサ32からの信号を受ける制御部31の制御の下に紙幣wの位置に応じて各ノズル24から間欠的にエアを噴出する、つまり紙幣wの位置に対応したノズル24のみからエアを噴出するため、エア圧の効率的な利用によるコンプレッサー26の出力をより小さくすることができ、コストの低減化を一層図ることができる。
【0027】
さらに、上記主搬送路21及び連結搬送路22は共に密閉形のものであるため、ノズル24からのエア圧の噴出による騒音を抑制することができるとともに、塵埃などの発生を防止することができる。また、主搬送路21は、エア管路36と共に循環路を構成し、各ノズル24から噴出されたエアが循環するようになっているため、主搬送路21内では紙幣wはこの循環するエア流によっても搬送されることになり、エアの効率的な利用をより一層図ることができる。しかも、循環路内のエアは、エア管路36の空気口37より適宜外部に放出されて圧力が調整されるため、ノズル24からのエア噴出に支障を来たすことはない。
【0028】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記実施形態では、主搬送路21と共に循環路を構成するエア管路36を、遊技島A内の主搬送路21の上方で島列方向に延ばして配置したが、場合によっては主搬送路21の下方で島列方向に延ばして配置してもよい。また、循環路内の圧力を空気口37により調整するに当たっては、空気口37に圧力調整弁を設けてもよく、この場合には循環路内の圧力調整を確実に行うことができる。
【0029】
また、上記実施形態では、主搬送路21及び連結搬送路22にそれぞれ紙幣wの搬送方向に沿って所定間隔毎に一対ずつのエア噴出用ノズル24,24を設けたが、本発明は、同じく所定間隔毎に、図8に示すように例えば左右一対の側壁23a,23aの上部と中央部と下部の3箇所に一対ずつ計3対ずつのエア噴出用ノズル24,24,…を設けたり、あるいは図9に示すような上下方向に細長い口41aを持った一対ずつのエア噴出ノズル41,41を設けたりしてもよい。
【0030】
さらに、上記実施形態では、コンプレッサー26で所定圧に圧縮したエアをエア供給本管27及びエア供給支管28を通してエア噴出用ノズル24に供給し、このノズル24から噴出するエア圧により搬送路21,22内の紙幣wを搬送するようにしたが、本発明は、コンプレッサー26の代わりに負圧ポンプを用い、この負圧ポンプと搬送路に沿って所定間隔毎に少なくとも一対ずつ設けたエア吸引用ノズルとを接続し、各ノズルから吸引する負圧により搬送路内の紙幣を搬送するようにしてもよい。但し、この場合、エア吸引用ノズルの先端から搬送路に連通するエア吸引穴は、エア噴出穴25とは逆に紙幣の搬送方向と反対方向に向けて形成する必要がある。
【0031】
また、図10に示すように、コンプレッサー51で圧縮したエアを循環路52内に送給して循環させ、この循環路52にアスピレーター53を設ける一方、搬送路54に沿ってエア噴出用ノズル55とエア吸引用ノズル56とを交互に設け、上記アスピレーター53の内部とエア吸引用ノズル56とを、アスピレーター53近傍の循環路52とエア噴出用ノズル55とをそれぞれ接続し、エア吸引用ノズル56から吸引する負圧とエア噴出用ノズル55から噴出するエア圧とにより搬送路54内の紙幣wを搬送するようにしてもよい。但し、この場合、搬送路54の同一箇所には同一のエア噴出用ノズル55又はエア吸引用ノズル56を少なくとも一対設ける必要がある。尚、図10中、57は開閉弁である。
【0032】
加えて、上記実施形態では、主搬送路21及び連結搬送路22を、共に上下方向に細長い断面略矩形状の空間を有する密閉形に形成したが、本発明は、これら搬送路において、紙幣をその両面側より拘束するように所定の隙間を隔てて対向しかつ紙幣の搬送方向に延びる一対の壁面を有していれば開放形に形成してもよい。また、搬送路を実施形態の如く密閉形に形成する場合には、図11に示すように、搬送路61の底部に紙幣wを空間内に浮上させて搬送するための複数の浮上用エア噴出ノズル62,62,…を紙幣wの搬送方向に沿って所定間隔毎に設けて、搬送時に発生する摩擦抵抗を下げるようにしてもよい。この場合、各ノズル62毎にエアの噴出及び停止を行うだけでなく、図11に示す如く例えば5つのノズル62,62,…毎に1つのブロック63を構成し、このブロック63単位でエアの噴出及び停止を行ってもよく、紙幣wが上にない時エアの噴出を停止させればその分エアの効率的利用を図ることができる。
【0033】
上記実施形態では、エアの供給を1台のコンプレッサー26により、図10に示す別の実施形態では、エアの供給・吸引を1台のコンプレッサー51によりそれぞれ行う構成としたが、個々のノズルに1台ずつのコンプレッサーを接続したり、複数ずつ(例えば5つずつ)のノズルを担当するコンプレッサーを複数設けてもよい。また、実施形態では、搬送路21,22の隣接するノズル24,24同士の間隔を、搬送路21,22内の紙幣wに対し常にノズル24からのエア圧が当たるように紙幣wの長さ寸法よりも短く設定したが、実施形態の如く搬送路21,22内にエアの流れがあれば紙幣の長さ寸法よりも長く設定してもよい。
【0034】
さらにまた、上記実施形態では、パチンコホールにおけるスロットマシンの遊技島に装備される紙幣搬送装置20について述べたが、本発明は、パチンコ機の遊技島に装備される紙幣搬送装置は勿論のこと、ゲームセンターなどに設置されるゲーム機用の紙幣投入可能な1台以上の機器から紙幣を回収する紙幣搬送装置にも適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、紙幣が搬送路の対向する一対の側壁の間を垂直に立って拘束された状態で一対の側壁に設けた少なくとも一対ずつのノズルよりなる各ノズル組のノズルから同調して噴出するエア圧又は吸引する負圧によって搬送されるため、搬送中に紙幣が捩じれたり折れ曲がったりすることはなく、紙幣詰まりの防止化を図ることができる。しかも、エアを紙幣の搬送に効率的に利用することができるので、その分コンプレッサーなどのエア供給源の出力を小さくすることができ、コストの低減化を図ることができる。また、搬送路が密閉形のものであるため、その一対の側壁に設けた各ノズル組のノズルからのエア圧又は負圧により紙幣を効率的に搬送することができる上、エア圧の噴出又は負圧の吸引に伴う騒音や塵埃などの発生を抑制ないし防止することができるという効果をも有する。
【0036】
特に、請求項2に係る発明では、搬送路における紙幣の位置に応じて各ノズル組のノズルから間欠的にエアが噴出され又は吸引されるため、エア圧又は負圧をより効率的に利用することができ、コストの低減化をより図ることができる。
【0037】
【0038】
請求項3に係る発明では、密閉形の主搬送路が循環路を構成しているため、循環路内を流れるエア流をも紙幣の搬送に利用することができ、エアの効率的な利用によるコストの低減化をより一層図ることができる。しかも、循環路内の圧力が調整されるため、各ノズル組のノズルからのエア噴出などに支障を来たすことはなく、実施化を有効に図ることができる。
【0039】
さらに、請求項4に係る発明では、搬送路に沿って紙幣を搬送するとき紙幣が浮上用エア噴出ノズルから噴出されるエアによって搬送路の空間内を浮上しながら搬送されるため、紙幣と搬送路との間の摩擦抵抗を可及的に下げることができ、紙幣の搬送を円滑にかつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る遊技島の設備全体を示す側面図である。
【図2】 同平面図である。
【図3】 紙幣搬送装置の搬送路構造を示す横断面図である。
【図4】 図3のX−X線における断面図である。
【図5】 図3のY部分の拡大図である。
【図6】 図3のZ−Z線における断面図である。
【図7】 紙幣搬送装置のエア供給回路構成を示す模式図である。
【図8】 搬送路におけるエア噴出用ノズルの別の配列状態を示す模式図である。
【図9】 搬送路におけるエア噴出用ノズルの別の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)はノズルの取付状態を示す模式図である。
【図10】 紙幣搬送装置の別の実施形態を示す図7相当図ある。
【図11】 同じく紙幣搬送装置の別の実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
A 遊技島
w 紙幣
1 スロットマシン(遊技機)
2 マシン列(遊技機列)
3 台間機
9 金庫(紙幣回収保管部)
20 紙幣搬送装置
21 主搬送路
22 連結搬送路
23a 側壁
24,41,55 エア噴出用ノズル
30 ノズル組
31 制御部(制御手段)
32 位置検出センサ(検出手段)
36 エア管路
37 空気口
56 エア吸引用ノズル
62 浮上用エア噴出ノズル
Claims (4)
- 複数の遊技機を並列に配置してなる遊技機列の隣接する遊技機の間毎又は所定置き毎にそれぞれ紙幣の投入により少なくとも遊技媒体の貸出制御を行う台間機が配置され、これらの台間機に投入された紙幣を各台間機の背面側に設けた紙幣送り出し口から遊技島内の所定箇所に配置した紙幣回収保管部に搬送する紙幣搬送装置において、
上記遊技機列の背面側で島列方向に延びかつ一端が上記紙幣回収保管部に接続された主搬送路と、
一端が上記各台間機の紙幣送り出し口に、他端が上記主搬送路にそれぞれ接続された複数の連結搬送路と、
上記主搬送路及び連結搬送路にそれぞれ紙幣の搬送方向に沿って紙幣の長さ寸法よりも短い所定間隔毎に設けられた少なくとも一対ずつのノズルよりなり、かつ各ノズルから噴出するエア圧又は吸引する負圧により紙幣を搬送路に沿って搬送する複数のノズル組と、
上記主搬送路及び連結搬送路にて搬送される紙幣の位置を検出する検出手段と、
この検出手段により検出した紙幣の位置に応じて上記各ノズル組からのエアを噴出し又はエアを吸引するように制御する制御手段とを備えており、
上記主搬送路及び連結搬送路は、いずれも紙幣を垂直に立てて拘束するように、所定の隙間を隔てて対向しかつ紙幣の搬送方向に延びる一対の側壁と、この一対の側壁により壁面の大部分が構成された上下方向に細長い断面略矩形状の空間とを有する密閉形に形成されており、
上記各ノズル組の一対のノズル同士は、この主搬送路又は連結搬送路の一対の側壁に互いに対向しかつ略垂直に立てた状態で取り付けられており、この各ノズル組の一対のノズルの先端と搬送路内とは、搬送路の一対の側壁にそれぞれ紙幣の搬送方向に対し傾けて設けたノズル穴を通して連通されており、
上記連結搬送路の主搬送路との接続側部分は、平面視で円弧状に湾曲して形成されており、
上記制御手段は、上記ノズル組の各ノズルから噴出するエア圧又は吸引する負圧を同調して生じさせるように制御することにより、紙幣が搬送路の一対の側壁間に沿って垂直に立った状態で搬送されるようになっていることを特徴とする紙幣搬送装置。 - 上記制御手段は、エアの噴出又はエアの吸引を間欠的に行うように制御するものである請求項1記載の紙幣搬送装置。
- 一端が上記紙幣回収保管部に接続され、他端が上記主搬送路の他端側に接続されて主搬送路と共にエアを循環させる循環路を構成する管路と、上記循環路内のエアを外部に放出するための空気口とを備えた請求項1又は2記載の紙幣搬送装置。
- 上記主搬送路及び連結搬送路の底部にはそれぞれ紙幣を空間内に浮上させて搬送するための浮上用エア噴出ノズルが紙幣の搬送方向に沿って所定間隔毎に設けられている請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙幣搬送装置。
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