JP4409027B2 - 芳香剤収納容器と芳香放散用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香剤収納容器と該芳香剤収納容器に被蓋され、放散効果を増大した芳香放散用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸液芯を取り付けた中栓の上面に芳香揮散板を取り付け、上面に多数の開口を設けた芳香放散用具を被せ、芳香揮散板の表面より芳香揮散板に吸い上げられた芳香剤を揮発放散させるようにした芳香剤放散容器、例えば図6に示すような容器は従来より知られている。
【0003】
図6において、Aaは芳香剤収納容器、Baは芳香放散用具であり、収納容器Aaには吸液芯aを取着した中栓bが嵌着されており、芳香放散用具Baは、揮散板支持枠cに、下面が吸液芯aに接合するように芳香揮散板dを装着し、芳香放散用具Baの上面に設けた芳香拡散孔eから、芳香を大気中に拡散するようにしている。
【0004】
しかしながら、上記従来の芳香剤収納容器Aaでは、吸液芯aは、中栓bの保持部に取着されているが、吸液芯を取着した中栓の取付時に、吸液芯aが斜めに傾斜して挿入されると、吸液芯aの上端が中栓上端と面一に確実に保持されないことがあり、吸液芯aの上端と芳香揮散板との接触が不充分となり揮散が充分に行えないという問題が生じることがあった。
また吸液芯aの下端は、自由端となっているため、使用前または使用中、収納容器を傾けた場合に、内容液の動きに伴い吸液芯aが傾斜して、下端部が容器の底部から離れ、そのままの状態が維持されることがあった。
そのため、内容液を最後まで吸上げることができないという問題があった。
【0005】
また、上記芳香放散用具は、芳香拡散孔eが芳香放散用具Baの頂壁と側壁上部に設けられており、芳香揮散板dの上面から揮散した芳香は、芳香拡散孔eから放散されるが、芳香揮散板dの下面から揮散した芳香は、主として内部に充満し、放散効率がよくないという問題があった。
また、吸液芯aの上端を芳香揮散板dの下面に正確に接触させなければならず、中栓b、とくに吸液芯aの支持部と、芳香放散用具Baの揮散板支持枠cの取付位置を正確に合致させなければならないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決することを課題として、吸液芯の下端を底壁中央に維持して、内容液を最後まで吸上げるようにした芳香剤収納容器、および芳香揮散板を上下動可能とし、芳香放散用具の頂壁とともに側周壁の下方部まで芳香拡散孔を配設し、芳香揮散板の下面からも揮散した芳香を大気中に拡散するようにした芳香剤の放散用具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、芳香剤収納容器として、容器口部に吸液芯を保持した中栓を嵌着した芳香剤収納容器であって、容器底部の底壁はほぼ水平に形成され、該底壁には、中央部側内面を傾斜面とした四つの隆起部が底壁中央部を囲むように配設されるとともに、隣り合う隆起部と隆起部との間には細巾の液路が形成されており、吸液芯の下端が、前記隆起部の前記傾斜面に沿って底壁中央部に誘導され、底壁中央部に維持されるようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【0008】
芳香放散用具として、芳香剤収納容器に取着された芳香放散用具であって、芳香放散用具は、カバー体と、該カバー体内に設けられた揮散板支持枠と芳香揮散板とからなっており、前記カバー体は、頂壁と側周壁とを具え、カバー体内面には、頂壁との間に一定の間隔を置いて、複数本の支持枠杆を有する揮散板支持枠が設けられ、前記芳香揮散板は、カバー体の頂壁と前記支持枠杆との間で上下動自在に配設され、芳香剤収納容器の中栓上端から突出する吸液芯によって、支持枠杆から上方に持ち上げられた状態で保持され、前記カバー体の頂壁には、前記芳香揮散板の上面に対向する複数の芳香揮散孔が穿設され、カバー体の側周壁には、前記支持枠杆を通る下方への芳香揮散に対応する芳香揮散孔が、前記支持枠杆の下方に穿設されていることを特徴とする構成を採用する。
また、カバー体の具体的な実施例として、カバー体の側周壁には、芳香揮散孔が、前記揮散板支持枠の上方と下方に穿設され、側周壁の前後面内周に、揮散板支持枠を保持する膨出部が設けられ、左右面内周には、膨出部より上方に位置し、上下方向に延びる複数の縦リブが配設されており、揮散板支持枠は、容器口部を包囲する筒体と、放射状に延びる複数本の支持枠杆と、支持枠杆の外端を結び、膨出部に保持される保持リングとからなっていることを特徴とする構成を採用する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、Aは芳香剤の収納容器、Bは芳香放散用具である。
図1に示すように、収納容器Aは容器本体1と中栓2、該中栓2に装着された吸液芯3とキャップ4とを具えており、収納容器Aの内容液として、揮発性の芳香剤、消臭剤が収納されている。
【0010】
図1,2に示すように、容器本体1は、外周にねじ5を螺設した口部6、断面楕円形の肩部7と胴部8および底部9とからなり、胴部8の上端には、環状凹部10が設けられ、底部9の底壁9aは、ほぼ水平に形成され、中央部で交差する細巾の十字路11を挟んで4つの隆起部12が形成されている。
隆起部12の内側12aは傾斜面となっており、吸液芯3の外周を囲むように位置している。
【0011】
中栓2は、口部6上面を被う上壁13と、上壁13より垂下され、口部6内周を嵌合する嵌着筒14と、上壁13内周縁に垂設された吸液芯3を保持する保持筒15とを具えている。
保持筒15は、上部の円筒部16と、中間部のロート状の円錐部17、該円錐部17の下端より垂下する長尺の吸液芯の保持パイプ18とからなっており、円錐部17には、通気孔19が穿設されている。
【0012】
吸液芯3は、前記保持パイプ18に嵌挿され、その上端3aは、中栓2の上面より突出している。
中栓の取付に当たって、吸液芯3の下端3bは、4つの隆起部12の内側12aの傾斜面によって誘導されるので、容器底部9の底壁9a中央面上に載置されることになっている。
そして、吸液芯3の下端3bが、底壁9a中央面上に載置されていることによって、底部9周辺の内容液は、十字路11を通じて吸液芯3に引き寄せられ内容液を最後まで吸い上げられることになる。
また、使用中に容器を傾け内容液が移動しても、吸液芯3の下端は隆起部12によって妄動が防止され、常に底壁9aの十字路11中央部に維持される。
【0013】
キャップ4は、中栓2の上面に接合する環状の上壁20と、上壁20外周縁に垂設され、内周にねじ溝21を螺設した嵌着筒22と、内周縁から上下に延びる側筒壁23と、頂壁24とを具えている。
側筒壁23の下部外周は、中栓2の円筒部16内周に嵌挿され、頂壁24は、中栓の上壁13より突出した吸液芯3の上端3aより高く位置している
【0014】
図1,4,5に示すように、芳香放散用具Bは、カバー体30と、揮散板支持枠31と芳香揮散板32とからなっている。
カバー体30は、楕円形の頂壁33とその周縁から垂設された側周壁34とからなっており、頂壁33には、芳香拡散孔35が穿孔されている。
該芳香拡散孔35は、半円状の開口35a、放射状に並列された多数の長孔35b等によって左右対称的に所定の模様を形成するように配設されている。
【0015】
側周壁34の左右面の内周には、上端から一定長さの縦リブ36が等間隔に突設されており、縦リブ36の下端から、若干の間隔をおいて横方向に延びる膨出部37が前後面内周に複数個設けられている。
側周壁34の下端内周には、胴部8の環状凹部10に係合する膨出環38が複数個設けられている。
【0016】
側周壁34の前後面には、前記膨出部37を境にして、上下に分離して芳香拡散孔39,40が穿孔されている。
芳香拡散孔39,40は、縦方向へ延びる長孔状の模様に形成されており、下方の芳香拡散孔40は、側周壁34の下端部近くまで配設されている。
【0017】
揮散板支持枠31は、容器口部の外周より大きい径を有する筒体41と、該筒体41の上端から放射状に連設された8本の支持枠杆42と、該支持枠杆42の外端に連結され、カバー体30の側周壁34内周に嵌合される保持リング43とを具えている。
支持枠杆42の下方の筒体41周面には、補強のための縦リブ44が突設されており、一つ置きの支持枠杆42と縦リブ44との間には、板リブ45が設けられている。
【0018】
芳香揮散板32は、カバー体30と相似形にその内周よりやや小さく形成され、揮散板支持枠31の上面に保持されている。
取付にあたっては、揮散板支持枠31がカバー体30の膨出部37の上面で支持され、芳香揮散板32は、カバー体30の頂壁33と揮散板支持枠31との間に上下動可能に保持され、側周壁34内周の縦リブ36によって、左右方向への妄動を阻止されるようにしている。
【0019】
次に、本芳香放散用具の使用態様と作用効果について説明する。
使用にあたって、収納容器Aのキャップ4を取り外して、芳香放散用具Bを肩部7に被せると、側周壁34下端の膨出環38が収納容器Aの環状凹部10に係合して、芳香放散用具Bが収納容器Aに取着される。
その際、揮散板支持枠31の上端の支持枠杆42と保持リング43は、中栓2の上端とほぼ一致するようになっているが、吸液芯3の上端3aは中栓2上端より突出しているので、芳香揮散板32は上方に押し上げられ、支持枠杆42より上昇した位置に保持されることになる。
【0020】
芳香揮散板32の周面とカバー体30側周壁34との間には間隙があり、左右方向は、縦リブ36によって妄動しないように保持されているので、芳香揮散板32の上面と周面、下面のほとんどの面で芳香剤が揮発放散し、カバー体30の頂壁33、および側周壁34の上下に設けられた芳香拡散孔35、39、40から拡散されることになる。
したがって、側周壁34の下方に設けられた芳香拡散孔40からも放散されるので、揮発拡散面積が広くなり、芳香剤の放散量を多くすることができる。
【0021】
収納容器Aの底壁9aは、ほぼ水平に形成されており、中央部で交差する細巾の十字路11を挟んで内側12aを傾斜面とした4つの隆起部12が形成されているから、工場での作業、容器の芳香剤の詰め替えにあたって、吸液芯3の下端を誘導することによって、吸液芯3の下端3aを底壁の十字路中央部に載置し、その状態を常に維持することができるので、底部9周辺の内容液が十字路を通じて引き寄せられ、すべての内容液を吸上げることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
収納容器の底壁をほぼ水平とし、底壁面上に中央部で交差する十字路と吸液芯を囲む隆起部とを設けたから、吸液芯の下端を底壁の中央部に載置保持し、すべての内容液を吸上げることができるようになった。
【0023】
また、芳香揮散板とカバー体内周との間に間隙を形成して上下動可能とし、吸液芯上端を中栓より突出させ、芳香揮散板を浮き上がらせるようにしたから、芳香揮散板のほとんど全面から芳香剤を揮発放散させることができ、カバー体側周壁の下方部にも芳香拡散孔を設けたから、多量の芳香剤を放散させることができるようになった。
【0024】
また、工場での作業、または消費者の芳香剤詰め替え時に、中栓に保持された吸液芯の下端は、隆起部の内側傾斜面に沿って底壁の中央部に誘導されるため、吸液芯が傾斜して斜めになることがなく、吸液芯の上端と芳香揮散板とは常に定位置で確実に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】収納容器に芳香放散用具を取着した一部断面正面図である。
【図2】収納容器の一部断面正面図である。
【図3】収納容器の底部の説明図である。
【図4】芳香放散用具のカバー体の説明図で、(a)は一部断面側面図、(b)は底面図である。
【図5】揮散板支持枠の説明図で、(a)は一部断面正面図、(b)は底面図である。
【図6】 従来の芳香剤放散容器の説明図である。
【符号の説明】
A、Aa 収納容器
B、Ba 芳香放散用具
1 容器本体
2、b 中栓
3、a 吸液芯
3a 上端
3b 下端
13 上壁
14 嵌着筒
15 保持筒
30 カバー体
31、c 揮散板支持枠
32、d 芳香揮散板
35、39、40、e 芳香拡散孔
Claims (3)
- 容器口部に吸液芯を保持した中栓を嵌着した芳香剤収納容器であって、
容器底部の底壁はほぼ水平に形成され、該底壁には、中央部側内面を傾斜面とした四つの隆起部が底壁中央部を囲むように配設されるとともに、隣り合う隆起部と隆起部との間には細巾の液路が形成されており、
吸液芯の下端が、前記隆起部の前記傾斜面に沿って底壁中央部に誘導され、底壁中央部に維持されるようにしたことを特徴とする芳香剤収納容器。 - 芳香剤収納容器に取着された芳香放散用具であって、
芳香放散用具は、カバー体と、該カバー体内に設けられた揮散板支持枠と芳香揮散板とからなっており、
前記カバー体は、頂壁と側周壁とを具え、カバー体内面には、頂壁との間に一定の間隔を置いて、複数本の支持枠杆を有する揮散板支持枠が設けられ、
前記芳香揮散板は、カバー体の頂壁と前記支持枠杆との間で上下動自在に配設され、
芳香剤収納容器の中栓上端から突出する吸液芯によって、支持枠杆から上方に持ち上げられた状態で保持され、
前記カバー体の頂壁には、前記芳香揮散板の上面に対向する複数の芳香揮散孔が穿設され、
カバー体の側周壁には、前記支持枠杆を通る下方への芳香揮散に対応する芳香揮散孔が、前記支持枠杆の下方に穿設されていることを特徴とする芳香放散用具。 - カバー体の側周壁には、芳香揮散孔が、前記揮散板支持枠の上方と下方に穿設され、側周壁の前後面内周に、揮散板支持枠を保持する膨出部が設けられ、左右面内周には、膨出部より上方に位置し、上下方向に延びる複数の縦リブが配設されており、
揮散板支持枠は、容器口部を包囲する筒体と、放射状に延びる複数本の支持枠杆と、支持枠杆の外端を結び、膨出部に保持される保持リングとからなっていることを特徴とする請求項2記載の芳香放散用具。
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