JP4364421B2 - キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香剤や消臭剤等の揮散性の薬剤を揮散させる揮散器に用いられるキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、芳香剤や消臭剤等の揮散性の薬剤を揮散させる揮散器には、配置状態において揮散を可能にしつつ内部に物等が落下するのを防止し、また搬送時や陳列時に揮散器を積み重ねる(スタック)ことを可能にするためにキャップを備えた揮散器があり、例えば本出願人により図6に示すような揮散器101が提案されている(特開2000−191059号公報参照)。
【0003】
この揮散器101は、容器2と、この容器2に装着されるキャップ111とから構成されている。容器2は、その上面に開口部25が設けられており、内部には揮散性の薬剤4が収容されている。さらに、容器2の開口部25の縁にはアルミ箔等の気密シート(図示せず)が貼着されており、この気密シートによって開口部25が塞がれた状態となっている。
【0004】
また、キャップ111は、容器2の上部に装着されるキャップ本体112と、このキャップ本体112の上面の周縁部全体に渡って上方に突出して設けられたフランジ113とから構成されている。キャップ本体112には、図6に示すように上面に複数の揮散口114が形成されている。
【0005】
そして、揮散器101を使用する際には、キャップ111を外して容器2に貼着された前記気密シートを剥がして除去した後、再度キャップ111を容器2に装着して室内等に配置する。
【0006】
すると、図7に示すようにキャップ111の上部を流動する空気aがキャップ本体112の揮散口114から容器2の開口部25を介して容器2内に流入して薬剤4に接触し、開口部25を介して揮散口からキャップ111の上部に流出するという空気aの流通経路が形成される。これにより、容器2内で揮散している薬剤4の揮散成分が容器2内からキャップ111の上部に流出する空気aに伴って上昇することにより揮散器101の外部に効率的に揮散されるため、芳香効果や消臭効果を高めることが可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キャップ111の側面115に流れてくる空気bにおいては、妨げられて上方に流れたり(図6参照)、キャップ111の側面115に沿って流れたり(図7参照)して揮散口114に流入されない。このため、キャップ111の外部で流動する空気を十分に活用することができず、容器2内の薬剤4をより効率的に外部に揮散させることができなかった。
【0008】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、揮散効率を高めることができるキャップを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1記載のキャップでは、内部に揮散性の薬剤が収容され上面に開口部が設けられた容器の上部に装着されるキャップ本体と、このキャップ本体の上面の周縁部全体に渡って上方に突出して設けられたフランジとから構成され、前記キャップ本体の前記上面に複数の揮散口が設けられたキャップにおいて、前記フランジに、切欠き部を設け、前記揮散口は、前記切欠き部と前記キャップ本体の中心とを結ぶ直線と交差してそれぞれ両端部が前記キャップ本体に結合された複数のリブと、前記キャップ本体とから構成されたものとしている。
【0010】
かかる構成においては、キャップの上部だけでなく側面からも容器内に空気が流入することで容器内への空気の流入量が増加するため、容器内からキャップの外部に流出する空気の流出量も増加し、容器内の薬剤をキャップの外部に揮散させやすくすることができる。
また、切欠き部から流入した空気がリブに当たって流下することにより、容器内に効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。
【0011】
また、請求項2記載のキャップにおいては、前記切欠き部が、前記フランジに複数設けられたものとしている。
【0012】
かかる構成においては、キャップの側面から容器内への空気の流入量が増加するため、容器内からキャップの外部に流出する空気の流出量もさらに増加し、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。
【0013】
また、請求項3記載のキャップにおいては、前記切欠き部が、前記フランジに相対向して設けられたものとしている。
【0014】
かかる構成においては、キャップの左右側から切欠き部を介してそれぞれ容器内に空気が流入されることにより、切欠き部が相対向して設けられていない場合と比べて空気の流入範囲が広がるため、容器内に効率よく空気を流入させることが可能となって、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。
【0017】
また、請求項記載のキャップにおいては、前記フランジの内側に、前記切欠き部に隣接して段部を設けたものとしている。
【0018】
かかる構成においては、フランジに沿って切欠き部から流入した空気が段部でガイドされて流下することにより、容器内に効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。
【0019】
また、請求項記載のキャップにおいては、前記段部が、前記切欠き部の下側で前記切欠き部に隣接して設けられたものとしている。
【0020】
かかる構成においては、段部と容器との距離が近付くことにより、容器内により効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。
【0021】
また、請求項記載のキャップにおいては、前記段部は、前記切欠き部の切欠き形状を構成する切欠き面部が延長して形成されたものとしている。
【0022】
かかる構成においては、切欠き面部に沿って流入した空気がスムーズに流下することにより、容器内により効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。
【0023】
また、請求項記載のキャップにおいては、前記段部が、前記切欠き部から下方に傾けて設けられたものとしている。
【0024】
かかる構成においては、切欠き部から流入した空気が段部により下方にガイドされて流下するため、容器内により効率よく空気を流入させることが可能となり、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態を示す揮散器1の正面図である。この揮散器1は、容器2と、この容器2に装着されたキャップ3とから構成されている。
【0027】
容器2は透明のプラスチック製であって、図2にも示すように底面部21と、この底面部21に下端部が連なる周壁22、及びこの周壁22の上端部に連なって起立する円筒状の首部23を一体的に有しており、この首部23は容器2の上部を構成している。
【0028】
底面部21は、容器2の内部方向に膨出しており、周壁22はその上下方向の中程部が外部方向に膨出した球面形状に形成されている。首部23の外周面には雄ねじ部24が形成されており、上面には開口部25が設けられている。
【0029】
また、容器2の内部には、揮散して薬効を発生する芳香剤、消臭剤等の揮散性のゲル状の薬剤4が収容されている。さらに、容器2の開口部25の縁にはアルミ箔等の気密シート(図示せず)が貼着されており、この気密シートによって開口部25が塞がれた状態となっている。
【0030】
一方、キャップ3は半透明のプラスチック製であって、図1および図3に示すように、容器2の首部23に装着されるキャップ本体31と、キャップ本体31の上面31aの周縁部32全体に渡って上方に突出して形成されたフランジ33とから構成されている。
【0031】
キャップ本体31には、図3(B)に示すように、その内周面に雌ねじ部34が形成されており、この雌ねじ部34が容器2の雄ねじ部24(図2参照)に螺合されることによってキャップ3が容器2の首部23に装着されている。
【0032】
また、図1や図3に示すようにフランジ33には、上端部に本発明の切欠き部として切欠き35,35が相対向して形成されている。各切欠き35は切欠き形状がV字型であって、図3(B)及び(C)に示すようにV字型を構成している斜め下方に切り欠かれた切欠き面部36,37が交差して形成されている。
【0033】
したがって、内側の切欠き面部36において、外側の切欠き面部37と交差する内側交差部が本発明の段部38を構成している。この段部38は切欠き面部36が延長して形成されており、フランジ33の内側において切欠き35の下側で切欠き35に隣接し、さらに切欠き35から下方に傾けて設けられている。
【0034】
また、図3(A)に示すようにキャップ本体31の上面31aには、切欠き35,35とキャップ本体31の中心Oとを結ぶ直線Lと交差し、それぞれ両端部がキャップ本体31と結合した複数のリブ39、40、41が形成されている。
【0035】
キャップ本体31の上面31aにおいて中央に位置する中央リブ39は、キャップ本体31の中心部に位置して前記直線Lと交差するボス部39aと、ボス部39aの両端に結合して二股状に形成された一対の二股部39b,39bとを中心にして構成されている。
【0036】
ボス部39aを挟んで対角線状に向き合う二股部39b,39bはさらに二股状に形成された一対の二股端部39c,39cを有している。これにより中央リブ39の両端部は、それぞれ一方の二股部39bと、一対の二股端部39c,39cとから構成され、キャップ本体31の上面31aに結合している。
【0037】
また、中央リブ39の両側に位置するリブ40、41は、それぞれ両端部42,42の一方がキャップ本体31の上面31aに結合しているとともに、他方が二股状に形成されて中央リブ39の一方の二股部39bとキャップ本体31の上面31aとに結合されている。
【0038】
この結果、キャップ本体31の上面31aには、複数のリブ39、40、41と、キャップ本体31とにより複数の揮散口43が形成されている。
【0039】
かかる構成において、揮散器1を使用する際には、容器2からキャップ3を外して容器2に貼着された前記気密シートを剥がして除去した後、再度キャップ3を容器2に螺合させて装着し、室内等に配置する。
【0040】
すると、図4に示すように、キャップ3の上部を流動する空気aが、キャップ本体31の揮散口43から容器2の開口部25を介して容器2内に流入して薬剤4に接触した後、開口部25を介して揮散口43からキャップ3の上部に流出するという空気aの流通経路が形成される。
【0041】
さらに、キャップ3の側面3aに流れてくる空気bがフランジの切欠き35,35からキャップ本体31の揮散口43と容器2の開口部25とを介して容器2内に流入して薬剤4に接触した後、開口部25を介して揮散口43からキャップの上部に流出する空気bの流通経路が形成される。
【0042】
したがって、キャップ3の上部だけでなく側面3aからも容器2内に空気が流入されるので、容器2内からキャップ3の上部に流出する空気の流出量が増加する。これにより、容器2内で揮散している薬剤4の揮散成分が、容器2内からキャップ3の上部に流出する空気a、bに伴って上昇しやすくなり、薬剤4をキャップ3の外部に揮散させやすくすることができる。
【0043】
よって、本実施の形態では、このキャップ3を用いることにより、揮散効率を高めることができ、その結果周囲に与える芳香効果や消臭効果もさらに高めることができる。
【0044】
また、キャップ3のフランジ33には、切欠き35,35が相対向して形成されていることから、キャップ3の側面3aにおいて左右側から切欠き35を介してそれぞれ容器2内に空気bが流入される。これにより、切欠きが相対向して設けられていない場合と比べて空気bの流入範囲が広がるため、容器2内に効率よく空気bを流入させることが可能となって、容器2内の薬剤4をキャップ3の外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0045】
また、図3(A)に示したように揮散口43を構成する複数のリブ39、40、41が前記直線Lに交差しているので、図4に示すように切欠き35から流入した空気bがリブ41に当たって流下する。これにより、容器2内に効率よく空気bを流入させることが可能となり容器2内からキャップ3の上部に流出する空気の流出量が増加するため、容器2内の薬剤4をキャップ3の外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0046】
また、図5に示すように、フランジ33の内側において切欠き35に隣接して段部38が設けられているので、フランジ33に沿って切欠き35から流入した空気bが段部38でガイドされて流下する。また、段部38は内側の切欠き面部36が延長して形成されているので切欠き面部36に沿って流入した空気bがそのままスムーズに流下する。さらに、段部38は切欠き35の下側で隣接していることから容器2との距離が近くなっており、しかも切欠き35から下方に傾いているので空気bが段部38で下方にガイドされながら流下する。
【0047】
したがって、この段部38は、フランジ33に沿って切欠き35から流入した空気bを容器2内に流入させやすくなっているので、容器2内により効率よく空気bを流入させることが可能となり、容器2内の薬剤4をキャップ3の外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、本発明の切欠き部として切欠き35を形成したが、この切欠き35の他に穴、孔、溝等を形成してもよい。また、切欠き35,35を相対向してフランジ33に設けたが、単にフランジ33に複数の切欠きをランダムに設けても良い。
【0049】
また、段部38が切欠き35の切欠き形状を構成する切欠き面部36が延長して形成されたものとしたが、これに限定されることはなく、切欠き35に別部材として段部を隣接して設けても良い。
【0050】
また、揮散口43を複数のリブ39、40、41とキャップ本体31とから構成したが、これに限定されることはなく、例えば一体成形したキャップ本体の上面に形状に関係なく揮散口を形成しても良い。
【0051】
また、フランジ33に切欠き35,35と段部38とを設けたが、最低限フランジ33の任意の1箇所に切欠き部が設けられていれば良い。この場合でも、キャップ3の上部だけでなく側面3aからも容器2内に空気が流入することから、切欠きがフランジ33に設けられていない場合と比べて空気の流入量が増加するため、本実施の形態と同様に揮散効率を高めることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載のキャップにおいては、キャップの上部だけでなく側面からも容器内に空気が流入することで容器内への空気の流入量が増加するため容器内からキャップの外部に流出する空気の流出量も増加し、容器内の薬剤をキャップの外部に揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率を高めることができる。
また、切欠き部から流入した空気がリブに当たって流下することにより、容器内に効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0053】
また、請求項2記載のキャップにおいては、キャップの側面から容器内への空気の流入量が増加するため、容器内からキャップの外部に流出する空気の流出量もさらに増加し、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0054】
また、請求項3記載のキャップにおいては、キャップの左右側から切欠き部を介してそれぞれ容器内に空気が流入されることで空気の流入範囲が広がるため、容器内に効率よく空気を流入させることが可能となって、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0056】
また、請求項記載のキャップにおいては、フランジに沿って切欠き部から流入した空気が段部でガイドされて流下することにより、容器内に効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0057】
また、請求項記載のキャップにおいては、段部と容器との距離が近付くことにより、容器内により効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0058】
また、請求項記載のキャップにおいては、切欠き面部に沿って流入した空気がスムーズに流下することにより、容器内により効率よく空気を流入させることが可能となるため、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【0059】
また、請求項記載のキャップにおいては、切欠き部から流入した空気が段部により下方にガイドされて流下するため、容器内により効率よく空気を流入させることが可能となり、容器内の薬剤をキャップの外部にさらに揮散させやすくすることができる。よって、揮散効率をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す揮散器の正面図である。
【図2】(A)は容器の平面図、(B)は容器の正面図である。
【図3】(A)はキャップの平面図、(B)はキャップの一部断面正面図、(C)はキャップの底面図である。
【図4】揮散器の外部と内部とを流通する空気の流通経路を示す模式図である
【図5】切欠きから容器内に流入する空気の流入経路を示す模式図である。
【図6】従来のキャップを備えた揮散器の正面図である。
【図7】従来のキャップの平面図である。
【符号の説明】
2 容器
3 キャップ
4 薬剤
23 首部
25 開口部
31 キャップ本体
31a 上面
32 周縁部
33 フランジ
36 切欠き面部
38 段部
39 リブ
40 リブ
41 リブ
43 揮散口
L 直線
O 中心

Claims (7)

  1. 内部に揮散性の薬剤が収容され上面に開口部が設けられた容器の上部に装着されるキャップ本体と、このキャップ本体の上面の周縁部全体に渡って上方に突出して設けられたフランジとから構成され、前記キャップ本体の前記上面に複数の揮散口が設けられたキャップにおいて、
    前記フランジに、切欠き部を設け
    前記揮散口は、前記切欠き部と前記キャップ本体の中心とを結ぶ直線と交差してそれぞれ両端部が前記キャップ本体に結合された複数のリブと、前記キャップ本体とから構成されたことを特徴とするキャップ。
  2. 前記切欠き部が、前記フランジに複数設けられたことを特徴とする請求項1記載のキャップ
  3. 前記切欠き部が、前記フランジに相対向して設けられたことを特徴する請求項2記載のキャップ。
  4. 前記フランジの内側に、前記切欠き部に隣接して段部を設けたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のキャップ。
  5. 前記段部が、前記切欠き部の下側で前記切欠き部に隣接して設けられたことを特徴とする請求項記載のキャップ。
  6. 前記段部は、前記切欠き部の切欠き形状を構成する切欠き面部が延長して形成されたことを特徴とする請求項記載のキャップ。
  7. 前記段部が、前記切欠き部から下方に傾けて設けられたことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のキャップ。
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