JP4408548B2 - ワイヤレスコントロールシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線でデータを転送する無線通信路により接続され、ユーザが入力を行う入力装置と、入力されたデータを受信し、データ処理を行うデータ処理装置とからなるワイヤレスコントロールシステムに関し、例えばゲーム装置とそのコントローラからなるシステムのように、ユーザからのリアルタイムの操作が必要となるワイヤレスコントロールシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信路により接続され、ユーザが入力を行う入力装置と、入力されたデータを受信し、データ処理を行うデータ処理装置とからなるワイヤレスコントロールシステムがある。ワイヤレスコントロールシステムは、例えばゲーム装置とそのコントローラからなるシステムが存在しており、ゲーム装置をワイヤレスでコントロールする。
このワイヤレスコントロールシステムにおいては、ユーザの方向指示などのボタンコントロールのデータは、コントローラからゲーム装置への片方向に、ユーザがコントローラに対して入力が行われたときにのみ転送されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のゲームシステムにあっては、無線通信路が妨害された時や、電池が切れた瞬間などにおいて、ユーザが正しい操作を行っていたとしても、ゲーム機本体に操作内容が伝わらず、ゲームオーバーになりうるという問題があった。
この問題について具体的に説明する。
【0004】
図13は、通常状態でのゲーム操作画面の例を示す図であり、図13(A)は、通常のゲームのある瞬間の状態を示し、図13(B)は、その0.5秒後の状態を示す。図13(A),(B)間の0.5秒の間にユーザは、破線で示された方向へ機体1を動かす操作をコントローラにより行っている。
【0005】
図14は、通信路が切断した場合のゲーム操作画面の例を示す図であり、上記状況時に、無線通信路が妨害された場合を示す。
図14(A)に示す状態において、無線通信路が妨害された場合、ユーザはコントローラにより機体100を操作することが不可能となり、その0.5秒後、図14(B)に示すように、ユーザは自らの操作ミスとは関係なく、ゲーム内の機体を失ってしまう。
このように、ユーザが正しく操作を行っているにもかかわらずゲーム上での内容の不利益を被るという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、無線通信路切断や電池切れによって、ユーザの処理が本体に伝わらないために発生する状況を未然に回避することができるワイヤレスコントロールシステムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイヤレスコントロールシステムは、データ処理を実行するデータ処理装置と、データ処理装置を操作するコントローラとを無線通信路により接続し、前記データ処理装置が実行しているデータ処理に前記コントローラからの送信データに含まれる所定の操作内容に対応するデータを反映させるワイヤレスコントロールシステムにおいて、前記データ処理装置は、データ処理の実行中に前記コントローラからの送信データを所定時間以上受信できないときには、前記無線通信路の切断状態を検出する通信路状態検出手段と、通信路状態検出手段により前記無線通信路が切断状態にあることが検出されると、当該実行中の、前記コントローラの所定の操作内容が反映されるデータ処理の一部を一時停止させるデータ処理一時停止手段を備え、前記コントローラは、前記データ処理装置へ前記所定の操作内容に対応するデータを含む送信データの送信が前記所定時間よりも短い別の所定時間以上なされない場合は、所定の通信路確認用の送信データを生成して所定周期で送信する送信手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
このような本願発明によれば、前記通信路状態検出手段が、コントローラの所定の操作内容が反映されるデータ処理の実行中に、コントローラからの送信データを、所定時間以上受信しなかったときに、データ処理を一時停止するものであることで、通信路切断等によりユーザの処理が本体に伝わらないために発生するデータ処理を一時停止することができる。
【0009】
また、本発明のワイヤレスコントロールシステムによれば、さらに、無線通信路の接続状態を確認しながらデータ処理を実行する接続確認モードと、無線通信路の接続状態に関係なくデータ処理を実行する接続非確認モードとを有し、接続確認モードである間は、コントローラからの送信データを、所定時間以上受信しなかったときに、データ処理を一時停止するものであることで、ユーザが制御の有無を設定することができるとともに、接続確認モードにあることを自動的に検出することができる。
【0010】
また、本発明のワイヤレスコントロールシステムは、データ処理を実行するデータ処理装置と、該データ処理装置を操作するコントローラとを無線通信路により接続し、前記データ処理装置が実行しているデータ処理に前記コントローラからの送信データに含まれる所定の操作内容に対応するデータを反映させるワイヤレスコントロールシステムにおいて、前記データ処理装置は、所定周期で通信路状態検出用のデータを前記コントローラヘ送信し、所定時間以上、当該送信した通信路状態検出用のデータに対する前記コントローラからの返信を受信できないときには、前記無線通信路の切断状態を検出する通信路状態検出手段と、該通信路状態検出手段により前記無線通信路が切断状態にあることが検出されると、実行中の、前記コントローラの所定の操作内容が反映されるデータ処理の一部を一時停止する処理一時停止手段とを備え、前記コントローラは、前記所定の操作内容に対応するデータを含む送信データの前記データ処理装置ヘの送信とは別に、前記データ処理装置からの前記通信路状態検出用のデータを受信すると、前記データ処理装置に対して、当該受信した通信路状態検出用データの返信を行う送信手段を備えるものであることで、通信路状態に適応した時間の設定及び制御の有無を設定することができ、制御の実効を図ることができる。
【0011】
また、前記データ処理装置の送信手段は、ユーザからのリアルタイムの応答を必要とする時にのみ、所定周期で通信路状態検出用のデータを前記コントローラヘ送信するものであることで、ユーザの意思に応じた制御が可能になる。
また、具体的な態様としては、前記データ処理装置は、ゲーム処理を実行するゲーム装置であり、前記コントローラは、ユーザが前記ゲーム装置の入力操作を行う入力装置であってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適なワイヤレスコントロールシステムの実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態のワイヤレスコントロールシステムの全体構成を示す図である。本実施の形態に係るワイヤレスコントロールシステムは、家庭用ゲーム装置に適用した例である。
図1において、1はゲーム装置本体であり、2はゲーム画面及び音声を出力するディスプレイ、3はこのゲーム装置をコントロールするワイヤレスゲームパッドである。
【0013】
図2は、上記ゲーム装置1を、ワイヤレスコントロールシステムとしてみた場合の機能的な構成を示したブロック図である。
図2において、H1はゲーム装置1に対応するデータ処理装置(ホスト)であり、C1はワイヤレスゲームパッド3に対応する入力装置(コントローラ)である。また、H2はコントローラC1と無線通信を行うための無線ポート(送信手段)、H3は無線ポートH2より通信されるホストH1とコントローラC1の間の通信状態を検出する通信状態検出手段(通信路状態検出手段)、H4はホストH1で行われている処理の一部を一時停止する一時停止手段、H5はホストH1におけるデータ処理をつかさどるホスト機能処理手段である。また、C2はコントローラC1におけるホストH1と無線通信を行うための無線ポート(送信手段,受信手段)であり、C3はコントローラ機能の処理を行うコントローラ機能処理手段である。ホストH1とコントローラC1の間の無線通信としては、電波A9,B8や赤外線が使用される。
上記一時停止手段H4及びホスト機能処理手段H5は、全体として、通信路が切断状態にあることが検出されると、データ処理の一部を一時停止する制御を行う制御手段を構成する。
【0014】
図3は、上記ゲーム装置1の内部の構成を示すブロック図、図4は、上記ワイヤレスゲームパッド3の内部の構成を示すブロック図である。
図3において、A1はゲーム装置本体(データ処理装置,ホスト)であり、A2はゲーム処理や無線通信を制御するCPU(制御手段,通信路状態検出手段)、A3はゲームプログラムなどが格納されたROM、A4はCPU(A2)に接続されたRAM、A5は時間を計測するためのタイマ、A6はワイヤレスコントローラからの電波による無線信号を受信する無線ポート(送信手段)、A7は映像・音声を出力する映像・音声出力ポート、A8はゲーム画面及び音声を出力するディスプレイである。
【0015】
また、図4において、B1はワイヤレスゲームパッド本体(入力装置,コントローラ)であり、B2は入力処理や無線通信を制御するCPU、B3はボタン検出や通信プログラムなどが格納されたROM、B4はCPU(B2)に接続されたRAM、B5は時間を計測するためのタイマ、B6はゲーム装置1に対し電波による無線信号を送信する無線ポート(送信手段,受信手段)、B7はユーザの操作を検出するボタンスイッチ検出部である。ボタンスイッチ検出部B7には、上下左右のキーなどとともに、接続確認状態(接続確認モード)と接続非確認状態(接続非確認モード)を切り替えることのできる接続確認スイッチが実装されている。
【0016】
以下、上述のように構成されたワイヤレスコントロールシステムの動作を説明する。
図5及び図6は、上記ワイヤレスゲームパッド3の処理動作を示すフローチャートであり、CPU(B2)がROM(B3)より処理プログラムを読み出して本フローを実行する。図中、Sはフローの各ステップを示す。
まず、電源が投入されると、ステップS1でボタン操作の検出を待ち、ボタン操作の検出が行われると、ステップS2で該ボタン操作が電源のOFFの操作か否かを判別する。ボタン操作が電源OFFの操作である場合は本フローを終了し、ボタン操作が電源OFFの操作でない場合は、ステップS3で該ボタン操作が接続確認スイッチのONであるか否かを判別する。
【0017】
接続確認スイッチがONである場合、ステップS4でタイマ値に0を代入してタイマB5をリセットし、タイマB5のカウントをスタートさせる(ステップS5)。次いで、ステップS6でボタン操作の検出を行い、ステップS7でタイマB5の値が所定の設定値(ここでは20msec)を超えたか(タイマ値>20msecか)否かを判別する。タイマB5の値が20msecを超えるまでボタン操作の検出を行い(ステップS6)、ボタンが操作されると、ステップS8で該ボタン操作が電源のOFFの操作か否かを判別する。ボタン操作が電源OFFの操作である場合は本フローを終了する。
【0018】
上記ステップS8でボタン操作が電源OFFの操作でない場合は、ステップS9で該ボタン操作が接続確認スイッチのOFFであるか否かを判別し、接続確認スイッチがOFFである場合は、ステップS1に戻って上記処理を繰り返す。接続確認スイッチがONである場合は、ステップS10で〔表1〕に示すような接続確認状態の対応データを生成し、ステップS11で無線ポートB6よりゲーム装置A1に対して送信を行ってステップS4に戻る。〔表1〕に示すように、接続確認状態においては、データの最上位ビットが「1」となるように送信データの系列が変更されて送信される。
【0019】
【表1】
Figure 0004408548
【0020】
上記ステップS7で20msecの間、ボタン操作が検出されなかった場合、ステップS12で〔表1〕に示される接続確認状態の処理無しデータの送信を行い、ステップS4のタイマリセットの処理に戻る。また、この20msecの間に、行われたボタン操作が、電源スイッチOFFであった場合は本フローを終了し(ステップS8)、接続確認スイッチがOFFされた場合(ステップS9)は、ステップS1のボタン操作検出に戻る。
一方、上記ステップS3において、接続確認スイッチONの操作でなかった場合、ステップS13で〔表1〕より接続非確認状態の対応データを生成し、ステップS14で無線ポートB6からゲーム装置A1に対して送信を行う。
【0021】
図7及び図8は、上記ゲーム装置A1の処理動作を示すフローチャートであり、CPU(A2)がROM(A3)より処理プログラムを読み出して本フローを実行する。
まず、電源が投入されると、ステップS21でゲームプログラムをROM(A3)から読み出して実行する。ステップS22では、ゲーム処理を実行しながら、無線ポートA6からのデータ受信を待ち、データを受信するとステップS23で受信データが〔表1〕に示す接続確認状態のデータであるか否かを判別する。接続確認状態のデータであるか否かは、〔表1〕に示すように、データの最上位ビットが「1」であることを判別することにより行う。
【0022】
受信データが〔表1〕に示す接続確認状態のデータであった場合、ステップS24で受信データのゲーム処理への反映を行った後、ステップS25で受信データが〔表1〕に示す接続非確認状態のデータであるか否かを判別する。接続非確認状態のデータでなければ、ステップS26でゲーム終了か否かを判別する。 操作によりゲームが終了すればゲームを終了するとともに本フローを終え、ゲーム終了でなければ、ステップS27でタイマ値に0を代入してタイマA5をリセットし、ステップS28でタイマA5をスタートさせてステップS29に進む。
【0023】
ステップS29では、データ受信があるか否かを判別し、データ受信があればステップS24に戻って上記処理を繰り返し、データ受信がないときはステップS30でタイマA5が25msecを超えたか否かを判別する。タイマA5が25msecを超えていなければ、ステップS29に戻りタイマA5が25msecを超えるまでデータ受信を待つ。
【0024】
25msecの間データ受信がなかった場合は、ワイヤレスゲームパッド3との通信路(A9、B8)が不通になっていると判断し、ステップS31でゲーム処理の一時停止を行い、ステップS32で通信路が復旧してデータが受信されるのを待つ。ステップS32でデータが受信されると、ステップS33でゲーム処理を再スタートし、ステップS24に戻る。
上記ステップS29で25msec以内にデータ受信した場合には、ゲーム処理の一時停止はせずにステップS24に戻る。
【0025】
上記ステップS25において、受信データが〔表1〕に示す接続非確認状態であった場合、ステップS22のデータ受信に戻りデータ受信を行う。ステップS23で受信データが接続確認状態とならなかった場合には、ステップS34で受信データのゲーム処理への反映のみを行い、ステップS35でゲーム終了か否かを判別する。ゲームが終了しなければ、ステップS22に戻りデータ受信を待つ。ステップS35でゲーム終了と判別すれば本フローを終了する。
上記処理を実行することにより、接続確認状態においては、25msec以上通信路が途絶えたときにはゲーム処理が一時停止されるようになり、通信路が復旧したときにはゲーム処理が再開されるようになる。
【0026】
本実施の形態では、コントローラB1が通信路状態検出用のデータを一定周期で送信する接続確認モードと、通信路状態検出用のデータを送信しない接続非確認モードの2つの状態を持ち、ユーザが所望のモードを選択できるとともに、接続確認モードにおいては、〔表1〕に示すように送信データの系列を変更して送信し、ゲーム装置A1では、このデータ系列の変更によりコントローラB1が接続確認モードにあることを自動的に検出することができる。
【0027】
第2の実施の形態
本実施の形態の構成は、図3及び図4において、無線ポートA6,B6が赤外線による送受信を行えるようになっていることである。
以下、上述のように構成されたワイヤレスコントロールシステムの動作を説明する。
図9は、上記ワイヤレスゲームパッド3の処理動作を示すフローチャートであり、CPU(B2)がROM(B3)より処理プログラムを読み出して本フローを実行する。
まず、電源が投入されると、ステップS41で〔表2〕に示すゲーム装置A1からの通信路確認用データの受信を待つ。
【0028】
【表2】
Figure 0004408548
【0029】
ステップS41で〔表2〕に示す通信路確認用データの受信をすると、ステップS42で同じ通信路確認用データをゲーム装置A1に対して送信する。ステップS43では、ボタン操作を判別し、ボタン操作がなければステップS41に戻りボタン操作があるまで通信路確認用データの受信を続ける。
【0030】
上記ステップS43でボタン操作を検出すると、ステップS44でボタン操作が電源のOFFの操作か否かを判別し、ボタン操作が電源OFFの操作でない場合は、ステップS45で〔表2〕のテーブルに基づき押されたボタンに対応したデータを送信してステップS41の通信確認用データの受信待ちの処理に戻る。ステップS44で検出されたボタン操作が、スイッチOFFの操作であった場合は本フローの処理を終了する。
【0031】
図10及び図11は、上記ゲーム装置A1の処理動作を示すフローチャートであり、CPU(A2)がROM(A3)より処理プログラムを読み出して本フローを実行する。
まず、電源が投入されると、ステップS51でゲームプログラムをROM(A3)から読み出して実行する。ステップS52では、ゲーム処理を実行しながら、通信路確認用データ送信を行い、ステップS53で接続フラグに0を代入し、ステップS54でタイマ値に0を代入してタイマA5をリセットし、ステップS55でタイマをスタートする。
【0032】
ステップS56では、データ受信があるか否かを判別し、データ受信がなければステップS57でタイマA5が25msecを超えたか否かを判別する。タイマA5が25msecを超えていなければ、ステップS56に戻りタイマA5が25msecを超えるまでデータ受信を待つ。
【0033】
25msecの間データ受信がなかった場合は、ワイヤレスゲームパッド3との通信路(A9、B8)が不通になっていると判断し、ステップS60でゲーム処理の一時停止を行い、ステップS56で通信路が復旧してデータが受信されるのを待つ。ステップS32でデータが受信されると、ステップS33でゲーム処理を再スタートし、ステップS24に戻る。
【0034】
タイマA5の値が25msecを超えるまでデータ受信を行い、ステップS56でデータを受信すると、ステップS56で受信データが〔表2〕に示す通信路確認用データであるか否かを判別する。受信データが通信路確認用データである場合、ステップS62で接続フラグに1を代入し、ステップS63でその時にゲームが一時停止の状態であるか否かを判別する。ゲームが一時停止の状態であれば、ステップS64でゲームを再開してステップS57に進み、ステップS57で続けてタイマA5の値が25msecを超えるまでデータ受信を行う(ステップS56)。
【0035】
上記ステップS61でタイマA5の値が25msecを超えるまでの間のデータが通信路確認用データでなかった場合は、ステップS65で受信データのゲーム処理への反映を行ってステップS57に進み、続けてタイマの値が25msecを超えるまで受信を行う。
【0036】
タイマA5の値が25msecを超え(ステップS57)、ステップS58でゲーム終了でなかった場合は、ステップS59で接続フラグを確認する。接続フラグが1でなかった場合は、ステップS60でゲームの処理を一時停止してステップS52に戻り、接続フラグが1であった場合にはゲーム処理の一時停止は行わずに、ステップS52の通信路確認用データの送信へ戻る。
S58において、ゲーム終了の状態であったときには処理を終了する。
上記処理を実行することにより、25msec以上通信路が途絶えたときにはゲーム処理が一時停止されるようになり、通信路が復旧したときにはゲーム処理が再開されるようになる。
【0037】
以上のように、実施の形態のワイヤレスコントロールシステムは、ゲーム装置1であるデータ処理装置H1と、ワイヤレスゲームパッド3である入力装置(コントローラ)C1の間が無線通信路により接続されており、データ処理装置H1は、コントローラC1と無線通信を行うための無線ポートH2、無線ポートH2より通信されるデータ処理装置H1とコントローラC1の間の通信状態を検出する通信状態検出手段H3、データ処理装置H1で行われている処理の一部を一時停止する一時停止手段H4、及びデータ処理装置H1におけるデータ処理をつかさどるホスト機能処理手段H5を備え、コントローラC1は、データ処理装置H1と無線通信を行うための無線ポートC2、コントローラ機能の処理を行うコントローラ機能処理手段C3とを備え、通信状態検出手段H3により通信路が切断状態にあることが検出されると、一時停止手段H4及びホスト機能処理手段H5がデータ処理の一部を一時停止する制御を行うように構成したので、通信路が途絶えたときにデータ処理装置(ホスト)H1側での処理の一部を通信路が復旧するまで一時停止することができ、例えばゲーム操作などにおいて一時的な通信路の妨害によりユーザに不利益となる処理が行われてしまう不具合を防止することができる。
【0038】
例えば、ホストとしてゲーム装置1、コントローラとしてワイヤレスゲームパッド3に、本ワイヤレスコントロールシステムを応用した場合、従来例では、無線伝送路の悪化により通信が途絶えた場合には、図14に示したようにユーザが正しく操作を行っているにもかかわらずゲーム上での仮想機体100を1機失うという不利益が発生していたが、本実施の形態では、同様の場合においても、図12に示すように、通信の途絶えと同時にゲーム処理が一時停止されるため、ユーザに不利益が発生しないという効果がある。
【0039】
なお、上記各実施の形態では、ワイヤレスコントロールシステムをゲーム機とコントローラに適用した例であるが、本発明の適用範囲はゲーム機に限定されるものではない。本システムが、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等のデータ処理機能として組み込まれたものでもよい。
【0040】
また、上記各実施の形態において、ゲーム装置A1とワイヤレスゲームパッド3との通信は、Bluetooth等の無線通信、あるいはIrDA等の赤外線による通信で行うことができ、その通信プロトコルについては問わない。
また、上記各実施の形態ではゲームに対する処理を例にとり記述しているが、データ処理を行う装置であればどのような装置であってもよい。
【0041】
また、タイマによる一定時間間隔のカウント方法はどのようなものでもよく、上記各実施の形態で挙げた方法以外の、さらに複雑なアルゴリズムを用いた設定方法を用いてもよい。また、タイマの時間間隔は、通信路の状態やデータ処理装置の処理能力等を加味して決められるものである。この場合、時間間隔を必ずしも一定にする必要はない。
また、上記各実施の形態では無線通信路が妨害されたときを例にとり説明しているが、電池切れにより通信が途絶えた場合も同様である。
【0042】
以上説明したワイヤレスコントロールシステムは、このワイヤレスコントロールシステムを機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、図3及び図4に示されているゲーム装置A1側の制御部又はコントローラB1側の制御部で処理が行われるために必要な図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また図示していないが外部記録装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。いずれの場合においても、格納されるプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行する構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、ゲーム装置A1側の制御部又はコントローラB1側の制御部の図示されていないプログラム記録エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0043】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、例えばPCカード(SRAMカード)のほか、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0044】
さらに、外部の通信ネットワークとの接続が可能な通信装置を備えている場合には、その通信装置を介して通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように、流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、無線通信路切断や電池切れによって、ユーザの処理が本体に伝わらないために発生する状況を未然に回避することができるワイヤレスコントロールシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のワイヤレスコントロールシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのゲーム装置を、ワイヤレスコントロールシステムとしてみた場合の機能的な構成を示したブロック図である。
【図3】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのゲーム装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのワイヤレスゲームパッドの内部の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのワイヤレスゲームパッド3の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのワイヤレスゲームパッド3の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのゲーム装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのゲーム装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのワイヤレスゲームパッドの処理動作を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのゲーム装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムのゲーム装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態のワイヤレスコントロールシステムの通信路が切断した場合のゲーム操作画面の例を示す図である。
【図13】従来の通常状態でのゲーム操作画面の例を示す図である。
【図14】従来の通信路が切断した場合のゲーム操作画面の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ゲーム装置
2 ディスプレイ
3 ワイヤレスゲームパッド
H1 データ処理装置(ホスト)
H2 無線ポート(送信手段)
H3 通信状態検出手段(通信路状態検出手段)
H4 一時停止手段
H5 ホスト機能処理手段
C1 入力装置(コントローラ)
C2 無線ポート(送信手段,受信手段)
C3 コントローラ機能処理手段
A1 ゲーム装置(データ処理装置,ホスト)
A2 CPU(制御手段,通信路状態検出手段)
A3 ROM
A4 RAM
A5 タイマ
A6 無線ポート(送信手段)
A7 映像・音声出力ポート
A8 ディスプレイ
B1 ワイヤレスゲームパッド(入力装置,コントローラ)
B2 CPU
B3 ROM
B4 RAM
B5 タイマ
B6 無線ポート(送信手段,受信手段)
B7 ボタンスイッチ検出部

Claims (8)

  1. データ処理を実行するデータ処理装置と、データ処理装置を操作するコントローラとを無線通信路により接続し、前記データ処理装置が実行しているデータ処理に前記コントローラからの送信データに含まれる所定の操作内容に対応するデータを反映させるワイヤレスコントロールシステムにおいて、
    前記データ処理装置は、
    データ処理の実行中に前記コントローラからの送信データを所定時間以上受信できないときには、前記無線通信路の切断状態を検出する通信路状態検出手段と、
    通信路状態検出手段により前記無線通信路が切断状態にあることが検出されると、当該実行中の、前記コントローラの所定の操作内容が反映されるデータ処理の一部を一時停止させるデータ処理一時停止手段
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記データ処理装置へ前記所定の操作内容に対応するデータを含む送信データの送信が前記所定時間よりも短い別の所定時間以上なされない場合は、所定の通信路確認用の送信データを生成して所定周期で送信する送信手段
    を備えていることを特徴とするワイヤレスコントロールシステム。
  2. 前記データ処理装置は、
    前記コントローラの所定の操作内容が反映される前記データ処理を、前記データ処理一時停止手段及び前記データ処理一時停止手段を用いて、前記無線通信路の接続状態を確認しながら実行する接続確認モードと、
    前記コントローラの所定の操作内容が反映される前記データ処理を、前記データ処理一時停止手段及び前記データ処理一時停止手段を用いずに、前記無線通信路の接続状態に関係なく実行する接続非確認モードと
    を有し、
    前記コントローラでは、前記接続確認モードにおいて、前記送信手段が、前記データ処理装置(H1)へ前記所定の操作内容(Aボタン,Bボタン,…)に対応するデータを含む送信データの送信が前記所定時間(25msec)よりも短い別の所定時間(20msec)以上なされない場合は、所定の通信路確認用(処理無し)の送信データを生成して所定周期(20msec)で送信する
    ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレスコントロールシステム。
  3. 前記コントローラには、
    前記データ処理装置における前記接続確認モードと前記接続非確認モードとを切り替える操作スイッチが設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載のワイヤレスコントロールシステム。
  4. 前記コントローラは、
    前記操作スイッチの切り替え操作に応じて、前記所定の操作内容における同一の操作内容に対応する前記データ処理装置への送信データの系列を変更して、接続確認状態対応又は接続非確認状態対応の送信データを生成して送信し、
    前記データ処理装置は、
    前記コントローラからの接続確認状態対応の送信データを受信することにより、接続確認モードに切り替わり又は接続確認モードを保持する一方、前記コントローラからの接続非確認状態対応の送信データを受信することにより、接続非確認モードに切り替わり又は接続非確認モードを保持する
    ことを特徴とする請求項記載のワイヤレスコントロールシステム。
  5. 前記所定の操作内容に対応するデータは、前記コントローラに設けられた各方向ボタンのそれぞれ操作内容に対応するデータである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のワイヤレスコントロールシステム。
  6. データ処理を実行するデータ処理装置と、該データ処理装置を操作するコントローラとを無線通信路により接続し、前記データ処理装置が実行しているデータ処理に前記コントローラからの送信データに含まれる所定の操作内容に対応するデータを反映させるワイヤレスコントロールシステムにおいて、
    前記データ処理装置は、
    所定周期で通信路状態検出用のデータを前記コントローラヘ送信し、所定時間以上、当該送信した通信路状態検出用のデータに対する前記コントローラからの返信を受信できないときには、前記無線通信路の切断状態を検出する通信路状態検出手段と、
    該通信路状態検出手段により前記無線通信路が切断状態にあることが検出されると、実行中の、前記コントローラの所定の操作内容が反映されるデータ処理の一部を一時停止する処理一時停止手段と
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記所定の操作内容に対応するデータを含む送信データの前記データ処理装置ヘの送信とは別に、前記データ処理装置からの前記通信路状態検出用のデータを受信すると、前記データ処理装置に対して、当該受信した通信路状態検出用データの返信を行う送信手
    を備えていることを特徴とするワイヤレスコントロールシステム。
  7. 前記データ処理装置の通信路状態検出手段は、
    前記コントローラからのリアルタイムの応答を必要とするときに、前記通信路状態検出用のデータを前記コントローラヘ送信する
    ことを特徴とする請求項記載のワイヤレスコントロールシステム。
  8. 前記データ処理装置は、ゲーム処理を実行するゲーム装置であり、
    前記コントローラは、ユーザが前記ゲーム装置の入力操作を行う入力装置である
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のワイヤレスコントロールシステム。
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