JP4408516B2 - レンズ洗浄方法およびレンズ洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高機能が要求される用途に用いられるレンズ等のレンズ洗浄方法およびレンズ洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CaF2、MgF2等のフッ化物系結晶材料からなるレンズ等の光学素子は、極めて広範囲の波長帯にわたって良好な透過率をもつとともに、低分散であるという光学特性により、高級カメラレンズ、テレビジョンカメラレンズ等の高機能が要求される高精度なレンズに用いられてきた。
【0003】
また、CaF2、MgF2等のフッ化物系結晶材料からなる光学素子は、エキシマレーザ等の短波長光でもその透過率が高いことから、短波長用の光学素子として使用することが検討され始めている。
【0004】
ところで、レンズの加工工程としては、通常、レンズ材料からまず大まかなレンズ形状を形成し、その後研磨により最終的な面形状、面粗さを得た後、表面にレンズの透過率向上のための反射防止膜を形成する。このようなレンズの加工工程において、反射防止膜を形成する工程前のレンズ加工工程では、加工工程により異なるが、基本的には研磨剤、ゴミ等の無機物、油、および指紋等の有機物の、レンズ表面に対する汚染物質が生じる。これらレンズの表面に共有結合、静電力、ファンデルワールス力等により付着している汚染物質を除去する洗浄工程が必要となるが、特に、紫外線領域で使用されるため非常に高い透過率が要求される、たとえばエキシマレーザステップ用のレンズでは、この洗浄工程は非常に重要な工程となる。すなわち、このような波長領域でのレンズの透過率劣化を引き起こす要因として、有機物が関与していることが判ってきたため、レンズ表面の有機物除去が重要となる。また、反射防止膜の成膜後のレーザ耐久等を向上させるため、無機パーティクルの除去も重要である。
【0005】
上記のような光学素子の洗浄においては、従来は洗浄槽に洗浄液を入れた中にレンズを浸漬させて超音波洗浄法により洗浄する、いわゆるWET法と呼ばれる洗浄方法が一般的であった。
【0006】
しかしながら、このような洗浄槽を複数設けておき界面活性剤、純水等により洗浄した後、最終的にイソプロピールアルコール洗浄を行うといった洗浄方法では、洗浄槽が大型になるとともに、洗浄機本体も高価で大型となり、さらに乾燥等で使用される溶剤も非常に多くなる。また環境保護という観点から言えば、溶剤使用を削減していくか、さらに溶剤を使用しない洗浄方法が今後必要になってくる。また、従来のWET法のみでは、短波長の紫外光を扱う、高精度で大口径レンズの表面の汚染物質を除去しきれず、レンズ表面の有機物残さによりエキシマレーザの波長領域でのレンズの透過率を低下させてしまう場合があった。
【0007】
そこで、有機物残さを除去するのに有効なDRY洗浄が重要となり、なかでも、特に有効な手法としてレーザ照射による洗浄方法が注目されている。このDRY洗浄を用いると、有機物残さばかりではなく、サブミクロンレベルの無機パーティクルについても除去できることが明らかにありつつあり、レンズ表面の洗浄方法として非常に優れた方法であるといえる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のDRY洗浄の場合、レーザビームをレンズに照射する場合、レーザのエネルギー密度をかなり高くするため、ビームの大きさは数ミリ角くらいに縮小されている。
【0009】
このように縮小されたレーザビームを走査してレンズ表面全面に照射すると、レーザビームのオーバーラップ部分をとらなかった時、または、オーバーラップ部分をわずかしかとらなかった時には、洗浄を終了した領域に、次に洗浄する隣あった領域から飛来した汚染物質が再付着することにより、ビーム境界部分での汚染物除去性が低下してしまう場合があった。
【0010】
そこで、本発明は、レンズ表面の汚染物質除去性を向上させる、レーザ照射による、レンズ洗浄方法およびレンズ洗浄装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のレンズ洗浄方法は、レンズの表面上の、レーザ光が照射される照射領域を順次移動させながら、前記レンズの表面に前記レーザ光を照射することで、前記レンズの分子構造を維持しつつ、前記レンズの表面に付着している汚染物質を除去して前記レンズを洗浄するレンズ洗浄方法において、
洗浄が終了した前記照射領域である洗浄終了領域の次に洗浄する前記照射領域である洗浄領域を洗浄した際に、前記洗浄領域で除去され、飛翔して前記洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とをオーバラップさせて前記照射領域を移動させる工程を含むことを特徴とする。
【0012】
上記の工程を含む本発明のレンズ洗浄方法は、レンズ表面での、レーザ光の照射される照射領域を順次移動させる際、洗浄が終了した洗浄終了領域の次に洗浄される洗浄領域で除去され、飛翔して洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ、洗浄終了領域の面積と次に洗浄する洗浄領域の面積とをオーバーラップさせて照射領域を移動させる。このため、次に洗浄する洗浄領域を洗浄した際に汚染物質が飛翔して、先ほど洗浄を終了したばかりの洗浄終了領域に再付着したとしても、この再付着した汚染物質を即座に、かつ、確実に除去することができる。
【0013】
なお、本発明では、レンズのレーザ光による洗浄が完了した時点で洗浄された全領域のいずれの部分においてもレンズがレーザ光から受けたエネルギ量が等しくなるように、洗浄終了領域の面積と洗浄領域の面積とを50%以上オーバラップさせ、且つ、レーザ光のエネルギ密度を一定にして前記照射領域に照射されるレーザパルス数を等しくしている。
【0015】
また、本発明のレンズ洗浄装置は、レンズの表面上の、レーザ光が照射される照射領域を順次移動させながら、前記レンズの表面に前記レーザ光を照射することで、前記レンズの分子構造を維持しつつ、前記レンズの表面に付着している汚染物質を除去して前記レンズを洗浄するレンズ洗浄装置において、
前記レーザ光を放射するレーザ放射手段と、
前記レンズを保持し、前記照射領域を移動させるために前記レンズを移動させる移動手段と、
洗浄が終了した前記照射領域である洗浄終了領域の次に洗浄する前記照射領域である洗浄領域を洗浄した際に、前記洗浄領域で除去され、飛翔して前記洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とをオーバラップさせて前記照射領域を移動させるように前記移動手段に制御信号を送る制御手段とを有することを特徴とする。
【0016】
上記の通り構成された本発明のレンズ洗浄装置は、レーザ放射手段から放射されたレーザ光の照射されるレンズ表面での照射領域を順次移動させる際、先ほど洗浄が終了した洗浄終了領域の次に洗浄される洗浄領域で除去され、飛翔して洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ、洗浄終了領域の面積と次に洗浄する洗浄領域の面積とをオーバーラップさせて照射領域を移動させるように、移動手段に制御信号を送る制御手段を有する。このため、次に洗浄する洗浄領域を洗浄した際に汚染物質が飛翔して、先ほど洗浄を終了したばかりの洗浄終了領域に再付着したとしても、この再付着した汚染物質を即座に、かつ、確実に除去することができる。
【0017】
なお、本発明では、レンズのレーザ光による洗浄が完了した時点で洗浄された全領域のいずれの部分においてもレンズがレーザ光から受けたエネルギ量が等しくなるように、制御手段は、洗浄終了領域の面積と洗浄領域の面積と50%以上オーバラップさせるように移動手段を制御し、レーザ放射手段は照射領域に照射されるレーザ光のレーザパルス数を等しくする。
【0019】
また、移動手段は、円形の前記レンズの中心を軸として回転させる回転手段と、円形のレンズの半径方向にレンズを移動させる半径方向移動手段とを有するものであってもよい。円形のレンズを洗浄する場合、回転手段および半径方向移動手段によりレンズを移動させることで、レンズの中心から外周方向に向けて、順次照射領域を移動させながらレンズを洗浄することができる。
【0020】
また、本発明のレンズ洗浄装置は、レーザ光を集光させる集光手段を有するものであってもよいし、レーザ光が照射されることでレンズの表面から飛翔した汚染物質を吸引する吸引手段を有するものであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に関して説明する。
【0022】
図1は、本発明によるレーザ照射によるレンズ洗浄装置の一例の概略構成図である。
【0023】
レンズ洗浄装置は、レーザ光源となるエキシマレーザ光源1と、エキシマレーザ光源1から放射されたレーザ光を集光、制御するためのレーザ光焦点制御部2と、レンズ3を洗浄する機構を有する加工ステーション8と、エキシマレーザ光源1、レーザ光焦点制御部2、後述の回転ステージ7およびX−Yステージ5を制御するパソコン等の制御部9とで概略構成される。
【0024】
エキシマレーザ光源1は、KrF、ArF、あるいはF2等のエキシマレーザを放射するものが好適である。
【0025】
レーザ光焦点制御部2は、エキシマレーザ光源1から放射されたエキシマレーザをレンズ3の表面の汚染物質を除去可能なエネルギ密度に高めてから、レンズ3の表面に照射する。なお、実施形態のエキシマレーザ光源1から放射されるレーザ光がレンズ3の分子構造に影響を与えることはない。
【0026】
加工ステーション8は内部に、洗浄されるレンズ3を保持するレンズホルダ4、レンズホルダ4を回転させる回転ステージ7、レンズホルダ4と回転ステージ7とを所定の平面内で移動させるX−Yステージ5、およびレンズ3より除去された汚染物質を吸引する吸引器6を有する。
【0027】
レンズホルダ4は、レンズ3のコバ部分、すなわち、レンズ3の外周部のみに接触してレンズ3を保持する。
【0028】
回転ステージ7は、レンズ3の中心軸を中心として、レンズホルダ4を回転させ、また、X−Yステージ5は、図1に示すX方向および紙面に垂直な方向であるY方向からなるX−Y平面内で回転ステージ7を移動させる。よって、レンズ3は、回転可能で、かつ、X−Y平面内を移動可能にレンズホルダ4に保持されている。
【0029】
吸引器6は、レンズ3のレーザ光が照射される領域に近い場所に設けられており、後述の洗浄工程においてレンズ3の表面から除去された有機物、無機パーティクル等の汚染物質を吸引する。
【0030】
制御部9は、エキシマレーザ光源1から放射される、レンズ3の表面において1回の照射領域当たりに照射されるエキシマレーザのショット数等を制御する。また、レーザ光の焦点が常にレンズ3の表面に合うようにレーザ光焦点制御部2を制御する。また、回転ステージ7の回転量や回転速度、X−Yステージ5の移動量や移動速度等、各ステージの移動量を制御することで、レンズ3の表面におけるレーザ光の照射領域のオーバラップ量を制御する。すなわち、洗浄が終了した照射領域と、次に洗浄する、先ほど洗浄が終了した領域に隣り合った領域と重なりあうように、レーザ光の照射領域を移動させるように制御する。
次に、本発明のレンズ洗浄装置によるレンズの洗浄方法の一例に関して説明する。
図2に本発明のレンズ洗浄装置によるレンズの洗浄方法のフローチャートを示す。
まず、洗浄するレンズ3の表面に付着した研磨剤、油分、その他のゴミをあらかじめ拭き取り、その他の手法により、極端な汚染物を除去しておく(ステップ101)。
【0031】
次に、レンズホルダ4にステップ101で予備洗浄しておいたレンズ3を装着する(ステップ102)。
【0032】
次に、エキシマレーザ光源1よりレーザ光を放射し、これをレーザ光焦点制御部2を介して、レンズ3の表面に照射し、レーザ光が照射された領域の、レンズ3の表面に付着した汚染物質を除去する(ステップ103)。この際、レーザ光が照射されることでレンズ3の表面から、ガス化あるいは飛び出した汚染物質は、概ね吸入器6により吸入される。
【0033】
次に、ステップ103で洗浄した、レーザ光の照射領域から、次の照射領域へとレンズ3を移動させる。この際、今回のステップ103でレーザ光を照射した領域と、次回のステップ103でレーザ光を照射する領域とが、オーバラップするようにレンズ3を移動させる(ステップ104)。このオーバラップ量は、レンズ3の加工工程においてレンズ3の表面に付着した有機物残さおよび無機パーティクル等の汚染物質を、ある領域について洗浄した後、続いてその隣りの領域を洗浄している際に、吸引器6により吸引しきれなかった汚染物質が先ほど洗浄した領域へと飛翔し、その先ほど洗浄した領域を再度汚染したとしても、この再付着した汚染物質を除去できるような量であれば、いかなる量であってもよい。また、このオーバラップ量は、先ほど洗浄が終了した領域の面積と洗浄中の領域の面積とが50%以上重なり合うようなものである。このようなオーバラップ量とすることにより、オーバラップをさせないことによる未洗浄領域の形成、あるいはオーバラップ量が少ないことによる洗浄不足を回避することができる。
【0034】
次に、レンズ3の表面全域を洗浄できたかどうかを判定し(ステップ105)、もし、まだ、全領域が洗浄されていないなら、全領域が洗浄されるまでステップ103とステップ104を繰り返す。このようにして、全領域の洗浄がなされたなら、洗浄を終了する。
【0035】
上述のようにしてなされる洗浄におけるオーバラップ量を説明するための、レンズ表面でのレーザ光走査の概念図を図3に示す。
【0036】
レーザ光を照射して汚染物質を除去するレーザ光照射領域10として、まず、Aの領域を洗浄する。次いで、その隣のBの領域が洗浄されるが、この際、Aの領域とBの領域とは、重なり合う領域ができるように、レンズ3が移動させられる。すなわち、洗浄領域をオーバラップさせることで、洗浄領域をオーバラップさせない場合に生じるAの領域とBの領域との領域間の境界、すなわち、未洗浄の領域をなくすとともに、オーバラップした領域を複数回洗浄する。なお、このオーバラップ量は、上述したように、Aの領域を洗浄した後、Bの領域を洗浄している際に、レーザ光によりレンズ3から一旦除去され、かつ、吸入器6により吸入しきれなかった汚染物質が、先ほど洗浄したAの領域に再付着したとしても、この再付着した汚染物質を除去できる量である。
【0037】
制御部9はこのような移動制御信号をX−Yステージ5に送信することで、A〜E…と順次、レンズ3の半径方向への洗浄を行わせるとともに、回転ステージ7が回転するように信号を送信することで、レンズ3の周方向への洗浄も行わせる。このようにして、レーザ光照射領域10をオーバラップさせながらレンズ3の表面全体の有機物残さおよび無機パーティクル等の汚染物質を除去する。
【0038】
なお、図3には、半径方向に向けてレーザ光照射領域10がオーバラップしているが、これに限定されるものではなく、例えば、周方向にオーバラップさせながら洗浄するものであってもよい。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のレンズ洗浄器およびレンズ洗浄方法によれば、レンズの加工工程においてレンズ表面に付着した有機物残さや、無機パーティクル等を除去し、レンズの透過率の低下を来さずにレンズを製造することができる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、また、次に説明する各実施例にも、何ら限定されるものではない。
【0041】
【実施例】
以下に説明する各実施例で用いる符号等は、上述の実施形態で用いた符号と同じものを用いる。
(第1の実施例)
本実施例では、研磨剤、油分、その他のゴミをあらかじめ拭き取り、その他の手法により、極端な汚染物を除去しておいた、外径200mmで、曲率半径250mmで、レンズ材料がCaF2の凸レンズを洗浄した。
【0042】
エキシマレーザ光源1として、ルモニクス社製のINDEX200を用いた。なお、レーザ光としては、反復速度が200HzのKrFエキシマレーザ(波長248nm)でエネルギ密度は500mJ/cm2のレーザ光を放射し、レンズ3の表面の照射領域が4mm×15mm角となるようにレーザ光焦点制御部2を制御した。
【0043】
また、各照射領域においてレーザパルスを各50ショットずつ照射し、各照射領域のオーバーラップする面積割合を50%として、レンズ3の表面全体を洗浄した。すなわち、各照射領域を50%ずつオーバーラップさせながら、レーザ光を各50ショットずつ照射した本実施例は、各照射領域に100ショットずつレーザ光を照射した場合と同等となる。
【0044】
以上のようにして、レンズ3を洗浄した後、高倍率顕微鏡、分光器等により洗浄効果を確認したところ、研磨剤、ゴミ、および有機膜残さが完全に除去できることを確認した。
(第2の実施例)
本実施例では、研磨剤、油分、その他のゴミをあらかじめ拭き取り、その他の手法により、極端な汚染物を除去しておいた、外径250mmで、曲率半径280mmで、レンズ材料がSiO2の凹レンズを洗浄した。
【0045】
エキシマレーザ光源1として、第1の実施例と同じ、ルモニクス社製のINDEX200を用いた。なお、レーザ光は、第1の実施例と同じ、反復速度が200HzのKrFエキシマレーザ(波長248nm)で、レンズ3の表面の照射領域が4mm×15mm角となるようにしたが、エネルギ密度は400mJ/cm2とした。
【0046】
また、各照射領域においてレーザパルスを各25ショットずつ照射し、各照射領域のオーバーラップする面積割合を75%として、レンズ3の表面全体を洗浄した。すなわち、各照射領域を75%ずつオーバーラップさせながら、レーザ光を各25ショットずつ照射した本実施例は、第1の実施例と同様、やはり、各照射領域に100ショットずつレーザ光を照射した場合と同等となる。
【0047】
以上のようにして、レンズ3を洗浄した後、高倍率顕微鏡、分光器等により洗浄効果を確認したところ、研磨剤、ゴミ、および有機膜残さが完全に除去できることを確認した。
(比較例)
石英平面ダミー基板に全面黒色油性インクを塗布した基板の洗浄を第1の実施例と同じ条件で行った。ただし、レーザ光の照射領域のオーバーラップする面積割合を10%とした。
【0048】
洗浄後、高倍率顕微鏡で観察したところ、レーザ光を走査した境界部分にほんのわずか黒色インクの残さが見られた。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、洗浄終了領域の次に洗浄される洗浄領域から飛翔して洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ、洗浄終了領域の面積と次に洗浄する洗浄領域の面積とをオーバーラップさせて照射領域を移動させるため、この再付着した汚染物質を確実に除去することができる。このため、高精度が要求されるレンズを透過率を低下させることなく洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ洗浄装置の一例の概略を示す図である。
【図2】本発明のレンズ洗浄方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示したレンズ洗浄装置によるレーザ光走査の概念図である。
【符号の説明】
1 エキシマレーザ光源
2 レーザ光焦点制御部
3 レンズ
4 レンズホルダ
5 XYステージ
6 吸入器
7 回転ステージ
8 加工ステーション
9 制御部
10 レーザ光照射領域

Claims (5)

  1. レンズの表面上の、レーザ光が照射される照射領域を順次移動させながら、前記レンズの表面に前記レーザ光を照射することで、前記レンズの分子構造を維持しつつ、前記レンズの表面に付着している汚染物質を除去して前記レンズを洗浄するレンズ洗浄方法において、
    洗浄が終了した前記照射領域である洗浄終了領域の次に洗浄する前記照射領域である洗浄領域を洗浄する際に、前記洗浄領域で除去され飛翔して前記洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とをオーバラップさせて前記照射領域を移動させる工程を含み、
    前記レンズの前記レーザ光による洗浄が完了した時点で洗浄された全領域のいずれの部分においても前記レンズが前記レーザ光から受けたエネルギ量が等しくなるように、前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とを50%以上オーバラップさせ、且つ、前記レーザ光のエネルギ密度を一定にして前記照射領域に照射されるレーザパルス数を等しくすることを特徴とするレンズ洗浄方法。
  2. レンズの表面上の、レーザ光が照射される照射領域を順次移動させながら、前記レンズの表面に前記レーザ光を照射することで、前記レンズの分子構造を維持しつつ、前記レンズの表面に付着している汚染物質を除去して前記レンズを洗浄するレンズ洗浄装置において、
    エネルギ密度が一定である前記レーザ光を放射するレーザ放射手段と、
    前記レンズを保持し、前記照射領域を移動させるために前記レンズを移動させる移動手段と、
    洗浄が終了した前記照射領域である洗浄終了領域の次に洗浄する前記照射領域である洗浄領域を洗浄する際に、前記洗浄領域で除去され飛翔して前記洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とをオーバラップさせて前記照射領域を移動させるように前記移動手段を制御する制御手段とを有し、
    前記レンズの前記レーザ光による洗浄が完了した時点で洗浄された全領域のいずれの部分においても前記レンズが前記レーザ光から受けたエネルギ量が等しくなるように、前記制御手段は、前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とを50%以上オーバラップさせるように前記移動手段を制御し、前記レーザ放射手段は前記照射領域に照射される前記レーザ光のレーザパルス数を等しくすることを特徴とするレンズ洗浄装置。
  3. 前記移動手段は、円形の前記レンズの中心を軸として回転させる回転手段と、前記円形のレンズの半径方向に前記レンズを移動させる半径方向移動手段とを有する、請求項に記載のレンズ洗浄装置。
  4. 前記レーザ光を集光させる集光手段を有する、請求項2または3に記載のレンズ洗浄装置。
  5. 前記レーザ光が照射されることで前記レンズの表面から飛翔した前記汚染物質を吸引する吸引手段を有する、請求項2ないし4のいずれか1項に記載のレンズ洗浄装置。
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