JP2784224B2 - ドラム端部の塗膜除去方法および装置 - Google Patents

ドラム端部の塗膜除去方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば、ドラム外周面および内周面に感光
性物質の塗膜が形成された電子写真感光体ドラムを製造
する際に、ドラム端部の外周面および内周面の不要な塗
膜を除去するために実施されるドラム端部の塗膜除去方
法およびその方法の実施に使用される装置に関する。
(従来の技術) 例えば、画像形成装置に使用される感光体ドラムは、
アルミニウム素管等のドラム外周面に感光性物質の塗膜
が形成されており、該感光性物質の塗膜に画像が形成さ
れる。このような感光体ドラムは、例えば、浸漬法によ
り製造される。該浸漬法では、アルミニウム素管等のド
ラムを略鉛直状の保持して、感光性物質を含有する塗布
液内に該ドラムを浸漬し、該ドラムを塗布液から引き上
げることにより、ドラム外周面に感光性の塗膜を形成し
ている。このような浸漬法では、ドラムの端部を含む外
周面全面に塗膜が形成され、また下端部の内周面にも塗
膜が形成される。しかし、感光体ドラムは、その端部に
フランジを装着したり、端部を導電処理する必要がある
ため、端部の外周面および内周面に形成される不要な塗
膜は、該浸漬工程の後に実施される塗膜除去工程で除去
される。
塗膜除去工程では、感光体ドラムの塗膜を溶解し得
る、例えばテトラヒドロフラン(THF)等の溶剤でなる
処理液内に、複数の鉛直状に支持された感光体ドラムの
下端部を浸漬し、感光体ドラムと処理液とを相対的に昇
降させることにより、該感光体ドラムの下端部の塗膜を
除去する方法が知られている。また、切削刃により切削
する方法も知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、溶剤等の処理液内にドラムの端部を浸漬して
塗膜を除去する方法では、ドラム端部を処理液内に浸漬
させた状態で、該処理液とドラムとを相対的に揺動させ
なければならなず、そのために、処理液がドラムにおけ
る除去する必要のない感光層に付着して、該感光層に悪
影響を及ぼすおそれがある。また、処理液は経時的にド
ラムから除去された塗膜の溶解物により汚染されて塗膜
除去能力が、漸次、低下するため、塗膜の除去状態が一
定しないおそれもある。また、処理液として、通常、有
機溶剤が使用されているために、防爆構造等が必要にな
るという問題もある。
切削刃によりドラム端部の塗膜を切削する場合には、
通常、各ドラム毎に端部の塗膜を切削しなければなら
ず、作業性が悪く、また、切削屑が周囲に飛散すること
により、感光層に悪影響を及ぼすおそれもある。
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その
目的は、ドラム端部の外周面および内周面の塗膜を正確
かつきわめて容易に、しかも、短時間で除去し得るドラ
ム端部の塗膜除去方法および装置を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明のドラム端部の塗膜除去方法は、塗膜が形成さ
れたドラムの端部の塗膜を除去するドラム端部の塗膜除
去方法であって、除去すべきドラム端部の塗膜に所定波
長のレーザ光を照射して該塗膜を燃焼あるいは昇華させ
ることを特徴としてなり、そのことにより上記目的が達
成される。
また、本発明のドラム端部の塗膜除去装置は、ドラム
端部の外周面および内周面に塗膜が形成されたドラムに
おけるそれぞれの塗膜を除去するドラム端部の塗膜除去
装置であって、所定波長のレーザ光を発振し得るレーザ
光源部と、該レーザ光源部から発振されたレーザ光が、
塗膜を除去すべきドラム端部の外周面と内周面に交互に
照射されるように、該レーザ光の光路を変更する光路変
更部と、を具備してなり、そのことにより上記目的が達
成される。
(実施例) 以下に、本発明を、実施例について説明する。
本発明のドラム端部の塗膜除去方法の実施に使用され
る本発明の装置は、例えば、ドラム外周面に感光性物質
の塗膜が形成された電子写真感光体ドラムを製造する場
合に使用される。該ドラム端部の塗膜除去装置は、第1
図に示すように、ドラム50を鉛直状に支持した状態で、
該ドラム50を昇降および回転させ得るチャッキング装置
10と、所定波長のレーザ光を所定の出力で発振し得るレ
ーザ光源部20と、該レーザ光源部20から発振されるレー
ザ光の光路を変更する光路変更部30と、を具備する。
レーザ光源20は、ドラム50の外周面に形成された感光
性物質の塗膜を燃焼あるいは昇華させる波長のレーザ光
を発振する、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウ
ム・ガーネット)レーザユニット21と、該レーザユニッ
ト21に高電圧を印加するための電源部22とを有する。該
電源部22は、該YAGレーザユニット21に印加される電圧
の調節が可能になっており、その調節により、該YAGレ
ーザユニット21から発振されるレーザ光の出力が調整さ
れる。該YAGレーザユニット21は、塗膜を除去されるド
ラム50の下端部に対向されて配設されており、略水平状
にレーザ光を発振する。
該レーザ光源部20とドラム50との間に介装された光路
変更部30は、レーザユニット21から発振されるレーザ光
の光路内に進入および退出し得るように配設されたプリ
ズム31と、該プリズム31をレーザ光の光路内に進入およ
び退出させるべく高速で昇降させる昇降手段32とを有す
る。該昇降手段32としては、エアシリンダあるいはモー
タ等が使用される。プリズム31は、昇降手段32によりレ
ーザ光の光路内に進入した状態では、該レーザ光の光路
を若干下方へ屈折させる。そして、該プリズム31に屈折
されたレーザ光の光路内には反射鏡33が配設されてい
る。該反射鏡33は、プリズム31にて屈折されたレーザ光
を、チャッキング装置10により鉛直状に支持されたドラ
ム50の下端部内周面に向けて反射する。プリズム31に
は、レーザ光が透過することによる加熱を抑制するため
に、冷却水の通流管34が配設されている。
チャッキング装置10により鉛直状に支持されたドラム
50の下端部の近傍には、吸引装置40が配設されており、
該吸引装置40により、レーザ光により燃焼あるいは昇華
されたドラム50下端部の塗膜成分が吸引される。
このような構成のドラム端部の塗膜除去装置の動作は
次の通りである。チャッキング装置10により鉛直状に支
持されたドラム50は、その下端部の除去すべき塗膜部分
の上端が、レーザ光源部20におけるYAGレーザユニット
から発振されるレーザ光にて照射されるように昇降され
る。このような状態で、チャッキング装置10は、ドラム
50を所定の方向に回転させ、YAGレーザユニット21から
所定の波長のレーザ光が発振される。同時に、光路変更
部30の昇降手段32は、プリズム31を高速にて昇降駆動
し、プリズム31がYAGレーザユニット21から発振される
レーザ光の光路内に高速にて進入および退出される。こ
れにより、YAGレーザユニット21から発振されたレーザ
光は、その光路からプリズム31が退出した状態では、ド
ラム50の下端部に直接照射され、プリズム31が光路内に
進入した状態では、該プリズム31にて屈折された後に反
射鏡33にて反射されて、ドラム50の下端部内周面に照射
される。このような状態が、高速にて繰り返されて、ド
ラム50下端部における外周面の塗膜と内周面の塗膜と
が、高速にて、交互にレーザ光に照射され、その照射部
分の塗膜が燃焼あるいは昇華される。燃焼あるいは昇華
された塗膜成分は、ドラム50下端部近傍に配設された吸
引装置40により吸引される。
ドラム50は、このように、下端部の外周面と内周面と
にレーザ光が照射された状態で回転しており、例えば、
該ドラム50が数回転する毎に、ドラム50は所定量だけ上
昇される。そして、該ドラム50の下端部における外周面
および内周面の所定領域の塗膜がレーザ光により除去さ
れると、レーザ光の発振が停止される。
YAGレーザユニット21から発振されるレーザ光は、通
常、1600nm程度であり、感光層として形成された塗膜は
確実に燃焼あるいは昇華される。また、該YAGレーザユ
ニット21から発振されるレーザ光の出力は、感光層とし
て形成された塗膜を燃焼あるいは昇華させることがで
き、しかも、例えば、アルミニウム製のドラムには悪影
響が及ばない程度に設定される。
(発明の効果) 本発明のドラム端部の塗膜除去方法および装置は、こ
のように、レーザ光によりドラム端部の塗膜を除去する
ようにしているために、ドラム端部の外周面および内周
面の塗膜を短時間で確実に除去し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のドラム端部の塗膜除去方法の実施に使
用される本発明装置の一例を示す模式図である。 10……チャッキング装置、20……レーザ光源部、21……
YAGレーザユニット、30……光路変更部、31……プリズ
ム、32……昇降手段、33……反射鏡。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗膜が形成されたドラムの端部の塗膜を除
    去するドラム端部の塗膜除去方法であって、 除去すべきドラム端部の塗膜に所定波長のレーザ光を照
    射して該塗膜を燃焼あるいは昇華させることを特徴とす
    るドラム端部の塗膜除去方法。
  2. 【請求項2】ドラム端部の外周面および内周面に塗膜が
    形成されたドラムにおけるそれぞれの塗膜を除去するド
    ラム端部の塗膜除去装置であって、 所定波長のレーザ光を発振し得るレーザ光源部と、 該レーザ光源部から発振されたレーザ光が、塗膜を除去
    すべきドラム端部の外周面と内周面に交互に照射される
    ように、該レーザ光の光路を変更する光路変更部と、 を具備するドラム端部の塗膜除去装置。
JP28386089A 1989-10-30 1989-10-30 ドラム端部の塗膜除去方法および装置 Expired - Lifetime JP2784224B2 (ja)

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