JP2001228306A - レンズ洗浄方法およびレンズ洗浄装置 - Google Patents

レンズ洗浄方法およびレンズ洗浄装置

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JP2001228306A JP2000038450A JP2000038450A JP2001228306A JP 2001228306 A JP2001228306 A JP 2001228306A JP 2000038450 A JP2000038450 A JP 2000038450A JP 2000038450 A JP2000038450 A JP 2000038450A JP 2001228306 A JP2001228306 A JP 2001228306A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ表面に付着した汚染物質である有機物
残さの除去率を向上させる。 【解決手段】 洗浄すべきレンズ3に照射されるレーザ
光の照射領域であるレーザ光照射領域10は、Aで示さ
れるレーザ光照射領域10から、Bで示されるレーザ光
照射領域10にオーバラップしながら移動がなされる。
オーバラップ量は、Bで示されるレーザ光照射領域10
を洗浄した際に、飛翔した汚染物質がAで示されるレー
ザ光照射領域10に再付着したとしても、この再付着し
た汚染物質を除去できる量である。レーザ光照射領域1
0は、レンズ3の中心から外周方向に向かって、A…E
と順次、移動がなされるとともに、レンズ3が回転させ
られることにより、レンズ3の洗浄すべき全表面の洗浄
がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高機能が要求され
る用途に用いられるレンズ等のレンズ洗浄方法およびレ
ンズ洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CaF2、MgF2等のフッ化物系
結晶材料からなるレンズ等の光学素子は、極めて広範囲
の波長帯にわたって良好な透過率をもつとともに、低分
散であるという光学特性により、高級カメラレンズ、テ
レビジョンカメラレンズ等の高機能が要求される高精度
なレンズに用いられてきた。
【0003】また、CaF2、MgF2等のフッ化物系結
晶材料からなる光学素子は、エキシマレーザ等の短波長
光でもその透過率が高いことから、短波長用の光学素子
として使用することが検討され始めている。
【0004】ところで、レンズの加工工程としては、通
常、レンズ材料からまず大まかなレンズ形状を形成し、
その後研磨により最終的な面形状、面粗さを得た後、表
面にレンズの透過率向上のための反射防止膜を形成す
る。このようなレンズの加工工程において、反射防止膜
を形成する工程前のレンズ加工工程では、加工工程によ
り異なるが、基本的には研磨剤、ゴミ等の無機物、油、
および指紋等の有機物の、レンズ表面に対する汚染物質
が生じる。これらレンズの表面に共有結合、静電力、フ
ァンデルワールス力等により付着している汚染物質を除
去する洗浄工程が必要となるが、特に、紫外線領域で使
用されるため非常に高い透過率が要求される、たとえば
エキシマレーザステップ用のレンズでは、この洗浄工程
は非常に重要な工程となる。すなわち、このような波長
領域でのレンズの透過率劣化を引き起こす要因として、
有機物が関与していることが判ってきたため、レンズ表
面の有機物除去が重要となる。また、反射防止膜の成膜
後のレーザ耐久等を向上させるため、無機パーティクル
の除去も重要である。
【0005】上記のような光学素子の洗浄においては、
従来は洗浄槽に洗浄液を入れた中にレンズを浸漬させて
超音波洗浄法により洗浄する、いわゆるWET法と呼ば
れる洗浄方法が一般的であった。
【0006】しかしながら、このような洗浄槽を複数設
けておき界面活性剤、純水等により洗浄した後、最終的
にイソプロピールアルコール洗浄を行うといった洗浄方
法では、洗浄槽が大型になるとともに、洗浄機本体も高
価で大型となり、さらに乾燥等で使用される溶剤も非常
に多くなる。また環境保護という観点から言えば、溶剤
使用を削減していくか、さらに溶剤を使用しない洗浄方
法が今後必要になってくる。また、従来のWET法のみ
では、短波長の紫外光を扱う、高精度で大口径レンズの
表面の汚染物質を除去しきれず、レンズ表面の有機物残
さによりエキシマレーザの波長領域でのレンズの透過率
を低下させてしまう場合があった。
【0007】そこで、有機物残さを除去するのに有効な
DRY洗浄が重要となり、なかでも、特に有効な手法と
してレーザ照射による洗浄方法が注目されている。この
DRY洗浄を用いると、有機物残さばかりではなく、サ
ブミクロンレベルの無機パーティクルについても除去で
きることが明らかにありつつあり、レンズ表面の洗浄方
法として非常に優れた方法であるといえる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のDRY洗浄の場合、レーザビームをレンズに照
射する場合、レーザのエネルギー密度をかなり高くする
ため、ビームの大きさは数ミリ角くらいに縮小されてい
る。
【0009】このように縮小されたレーザビームを走査
してレンズ表面全面に照射すると、レーザビームのオー
バーラップ部分をとらなかった時、または、オーバーラ
ップ部分をわずかしかとらなかった時には、洗浄を終了
した領域に、次に洗浄する隣あった領域から飛来した汚
染物質が再付着することにより、ビーム境界部分での汚
染物除去性が低下してしまう場合があった。
【0010】そこで、本発明は、レンズ表面の汚染物質
除去性を向上させる、レーザ照射による、レンズ洗浄方
法およびレンズ洗浄装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のレンズ洗浄方法は、レンズの表面上の、レ
ーザ光が照射される照射領域を順次移動させながら、前
記レンズの表面に前記レーザ光を照射することで、前記
レンズの分子構造を維持しつつ、前記レンズの表面に付
着している汚染物質を除去して前記レンズを洗浄するレ
ンズ洗浄方法において、洗浄が終了した前記照射領域で
ある洗浄終了領域の次に洗浄する前記照射領域である洗
浄領域を洗浄した際に、前記洗浄領域で除去され、飛翔
して前記洗浄終了領域に再付着した汚染物質を除去でき
るような量だけ前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域
の面積とをオーバラップさせて前記照射領域を移動させ
る工程を含むことを特徴とする。
【0012】上記の工程を含む本発明のレンズ洗浄方法
は、レンズ表面での、レーザ光の照射される照射領域を
順次移動させる際、洗浄が終了した洗浄終了領域の次に
洗浄される洗浄領域で除去され、飛翔して洗浄終了領域
に再付着した汚染物質を除去できるような量だけ、洗浄
終了領域の面積と次に洗浄する洗浄領域の面積とをオー
バーラップさせて照射領域を移動させる。このため、次
に洗浄する洗浄領域を洗浄した際に汚染物質が飛翔し
て、先ほど洗浄を終了したばかりの洗浄終了領域に再付
着したとしても、この再付着した汚染物質を即座に、か
つ、確実に除去することができる。
【0013】また、洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域
の面積とを50%以上オーバラップさせる工程を含むも
のであってもよい。また、レーザ光として、KrFガ
ス、ArFガス、F2ガスのいずれかを用いたエキシマ
レーザ光をレンズに照射する工程を含むものであっても
よい。
【0014】さらに、材料として石英、CaF2、Mg
2を含むレンズを洗浄する工程を含むものであっても
よい。
【0015】また、本発明のレンズ洗浄装置は、レンズ
の表面上の、レーザ光が照射される照射領域を順次移動
させながら、前記レンズの表面に前記レーザ光を照射す
ることで、前記レンズの分子構造を維持しつつ、前記レ
ンズの表面に付着している汚染物質を除去して前記レン
ズを洗浄するレンズ洗浄装置において、前記レーザ光を
放射するレーザ放射手段と、前記レンズを保持し、前記
照射領域を移動させるために前記レンズを移動させる移
動手段と、洗浄が終了した前記照射領域である洗浄終了
領域の次に洗浄する前記照射領域である洗浄領域を洗浄
した際に、前記洗浄領域で除去され、飛翔して前記洗浄
終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量だ
け前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とをオ
ーバラップさせて前記照射領域を移動させるように前記
移動手段に制御信号を送る制御手段とを有することを特
徴とする。
【0016】上記の通り構成された本発明のレンズ洗浄
装置は、レーザ放射手段から放射されたレーザ光の照射
されるレンズ表面での照射領域を順次移動させる際、先
ほど洗浄が終了した洗浄終了領域の次に洗浄される洗浄
領域で除去され、飛翔して洗浄終了領域に再付着した汚
染物質を除去できるような量だけ、洗浄終了領域の面積
と次に洗浄する洗浄領域の面積とをオーバーラップさせ
て照射領域を移動させるように、移動手段に制御信号を
送る制御手段を有する。このため、次に洗浄する洗浄領
域を洗浄した際に汚染物質が飛翔して、先ほど洗浄を終
了したばかりの洗浄終了領域に再付着したとしても、こ
の再付着した汚染物質を即座に、かつ、確実に除去する
ことができる。
【0017】制御信号は、洗浄終了領域の面積と洗浄領
域の面積とが50%以上オーバラップするように照射領
域を移動させる信号であってもよい。
【0018】また、レーザ放射手段は、レーザ光とし
て、KrFガス、ArFガス、F2ガスのいずれかを用
いたエキシマレーザ光を放射するものであってもよい。
【0019】また、移動手段は、円形の前記レンズの中
心を軸として回転させる回転手段と、円形のレンズの半
径方向にレンズを移動させる半径方向移動手段とを有す
るものであってもよい。円形のレンズを洗浄する場合、
回転手段および半径方向移動手段によりレンズを移動さ
せることで、レンズの中心から外周方向に向けて、順次
照射領域を移動させながらレンズを洗浄することができ
る。
【0020】また、本発明のレンズ洗浄装置は、レーザ
光を集光させる集光手段を有するものであってもよい
し、レーザ光が照射されることでレンズの表面から飛翔
した汚染物質を吸引する吸引手段を有するものであって
もよい。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態に関して説明する。
【0022】図1は、本発明によるレーザ照射によるレ
ンズ洗浄装置の一例の概略構成図である。
【0023】レンズ洗浄装置は、レーザ光源となるエキ
シマレーザ光源1と、エキシマレーザ光源1から放射さ
れたレーザ光を集光、制御するためのレーザ光焦点制御
部2と、レンズ3を洗浄する機構を有する加工ステーシ
ョン8と、エキシマレーザ光源1、レーザ光焦点制御部
2、後述の回転ステージ7およびX−Yステージ5を制
御するパソコン等の制御部9とで概略構成される。
【0024】エキシマレーザ光源1は、KrF、Ar
F、あるいはF2等のエキシマレーザを放射するものが
好適である。
【0025】レーザ光焦点制御部2は、エキシマレーザ
光源1から放射されたエキシマレーザをレンズ3の表面
の汚染物質を除去可能なエネルギ密度に高めてから、レ
ンズ3の表面に照射する。なお、実施形態のエキシマレ
ーザ光源1から放射されるレーザ光がレンズ3の分子構
造に影響を与えることはない。
【0026】加工ステーション8は内部に、洗浄される
レンズ3を保持するレンズホルダ4、レンズホルダ4を
回転させる回転ステージ7、レンズホルダ4と回転ステ
ージ7とを所定の平面内で移動させるX−Yステージ
5、およびレンズ3より除去された汚染物質を吸引する
吸引器6を有する。
【0027】レンズホルダ4は、レンズ3のコバ部分、
すなわち、レンズ3の外周部のみに接触してレンズ3を
保持する。
【0028】回転ステージ7は、レンズ3の中心軸を中
心として、レンズホルダ4を回転させ、また、X−Yス
テージ5は、図1に示すX方向および紙面に垂直な方向
であるY方向からなるX−Y平面内で回転ステージ7を
移動させる。よって、レンズ3は、回転可能で、かつ、
X−Y平面内を移動可能にレンズホルダ4に保持されて
いる。
【0029】吸引器6は、レンズ3のレーザ光が照射さ
れる領域に近い場所に設けられており、後述の洗浄工程
においてレンズ3の表面から除去された有機物、無機パ
ーティクル等の汚染物質を吸引する。
【0030】制御部9は、エキシマレーザ光源1から放
射される、レンズ3の表面において1回の照射領域当た
りに照射されるエキシマレーザのショット数等を制御す
る。また、レーザ光の焦点が常にレンズ3の表面に合う
ようにレーザ光焦点制御部2を制御する。また、回転ス
テージ7の回転量や回転速度、X−Yステージ5の移動
量や移動速度等、各ステージの移動量を制御すること
で、レンズ3の表面におけるレーザ光の照射領域のオー
バラップ量を制御する。すなわち、洗浄が終了した照射
領域と、次に洗浄する、先ほど洗浄が終了した領域に隣
り合った領域との重なりあうように、レーザ光の照射領
域を移動させるように制御する。 次に、本発明のレン
ズ洗浄装置によるレンズの洗浄方法の一例に関して説明
する。 図2に本発明のレンズ洗浄装置によるレンズの
洗浄方法のフローチャートを示す。まず、洗浄するレン
ズ3の表面に付着した研磨剤、油分、その他のゴミをあ
らかじめ拭き取り、その他の手法により、極端な汚染物
を除去しておく(ステップ101)。
【0031】次に、レンズホルダ4にステップ101で
予備洗浄しておいたレンズ3を装着する(ステップ10
2)。
【0032】次に、エキシマレーザ光源1よりレーザ光
を放射し、これをレーザ光焦点制御部2を介して、レン
ズ3の表面に照射し、レーザ光が照射された領域の、レ
ンズ3の表面に付着した汚染物質を除去する(ステップ
103)。この際、レーザ光が照射されることでレンズ
3の表面から、ガス化あるいは飛び出した汚染物質は、
概ね吸入器6により吸入される。
【0033】次に、ステップ103で洗浄した、レーザ
光の照射領域から、次の照射領域へとレンズ3を移動さ
せる。この際、今回のステップ103でレーザ光を照射
した領域と、次回のステップ103でレーザ光を照射す
る領域とが、オーバラップするようにレンズ3を移動さ
せる(ステップ104)。このオーバラップ量は、レン
ズ3の加工工程においてレンズ3の表面に付着した有機
物残さおよび無機パーティクル等の汚染物質を、ある領
域について洗浄した後、続いてその隣りの領域を洗浄し
ている際に、吸引器6により吸引しきれなかった汚染物
質が先ほど洗浄した領域へと飛翔し、その先ほど洗浄し
た領域を再度汚染したとしても、この再付着した汚染物
質を除去できるような量であれば、いかなる量であって
もよい。また、このオーバラップ量は、先ほど洗浄が終
了した領域の面積と洗浄中の領域の面積とが50%以上
重なり合うようなものであってもよい。このようなオー
バラップ量とすることにより、オーバラップをさせない
ことによる未洗浄領域の形成、あるいはオーバラップ量
が少ないことによる洗浄不足を回避することができる。
【0034】次に、レンズ3の表面全域を洗浄できたか
どうかを判定し(ステップ105)、もし、まだ、全領
域が洗浄されていないなら、全領域が洗浄されるまでス
テップ103とステップ104を繰り返す。このように
して、全領域の洗浄がなされたなら、洗浄を終了する。
【0035】上述のようにしてなされる洗浄におけるオ
ーバラップ量を説明するための、レンズ表面でのレーザ
光走査の概念図を図3に示す。
【0036】レーザ光を照射して汚染物質を除去するレ
ーザ光照射領域10として、まず、Aの領域を洗浄す
る。次いで、その隣のBの領域が洗浄されるが、この
際、Aの領域とBの領域とは、重なり合う領域ができる
ように、レンズ3が移動させられる。すなわち、洗浄領
域をオーバラップさせることで、洗浄領域をオーバラッ
プさせないことによって生じるAの領域とBの領域との
領域間の境界、すなわち、未洗浄の領域をなくすととも
に、オーバラップした領域を複数回洗浄する。なお、こ
のオーバラップ量は、上述したように、Aの領域を洗浄
した後、Bの領域を洗浄している際に、レーザ光により
レンズ3から一旦除去され、かつ、吸入器6により吸入
しきれなかった汚染物質が、先ほど洗浄したAの領域に
再付着したとしても、この再付着した汚染物質を除去で
きる量である。
【0037】制御部9はこのような移動制御信号をX−
Yステージ5に送信することで、A〜E…と順次、レン
ズ3の半径方向への洗浄を行わせるとともに、回転ステ
ージ7が回転するように信号を送信することで、レンズ
3の周方向への洗浄も行わせる。このようにして、レー
ザ光照射領域10をオーバラップさせながらレンズ3の
表面全体の有機物残さおよび無機パーティクル等の汚染
物質を除去する。
【0038】なお、図3には、半径方向に向けてレーザ
光照射領域10がオーバラップしているが、これに限定
されるものではなく、例えば、周方向にオーバラップさ
せながら洗浄するものであってもよい。
【0039】以上説明したように、本実施形態のレンズ
洗浄器およびレンズ洗浄方法によれば、レンズの加工工
程においてレンズ表面に付着した有機物残さや、無機パ
ーティクル等を除去し、レンズの透過率の低下を来さず
にレンズを製造することができる。
【0040】なお、本発明は上述した実施形態に何ら限
定されるものではなく、また、次に説明する各実施例に
も、何ら限定されるものではない。
【0041】
【実施例】以下に説明する各実施例で用いる符号等は、
上述の実施形態で用いた符号と同じものを用いる。 (第1の実施例)本実施例では、研磨剤、油分、その他
のゴミをあらかじめ拭き取り、その他の手法により、極
端な汚染物を除去しておいた、外径200mmで、曲率
半径250mmで、レンズ材料がCaF2の凸レンズを
洗浄した。
【0042】エキシマレーザ光源1として、ルモニクス
社製のINDEX200を用いた。なお、レーザ光とし
ては、反復速度が200HzのKrFエキシマレーザ
(波長248nm)でエネルギ密度は500mJ/cm
2のレーザ光を放射し、レンズ3の表面の照射領域が4
mm×15mm角となるようにレーザ光焦点制御部2を
制御した。
【0043】また、各照射領域においてレーザパルスを
各50ショットずつ照射し、各照射領域のオーバーラッ
プする面積割合を50%として、レンズ3の表面全体を
洗浄した。すなわち、各照射領域を50%ずつオーバー
ラップさせながら、レーザ光を各50ショットずつ照射
した本実施例は、各照射領域に100ショットずつレー
ザ光を照射した場合と同等となる。
【0044】以上のようにして、レンズ3を洗浄した
後、高倍率顕微鏡、分光器等により洗浄効果を確認した
ところ、研磨剤、ゴミ、および有機膜残さが完全に除去
できることを確認した。 (第2の実施例)本実施例では、研磨剤、油分、その他
のゴミをあらかじめ拭き取り、その他の手法により、極
端な汚染物を除去しておいた、外径250mmで、曲率
半径280mmで、レンズ材料がSiO2の凹レンズを
洗浄した。
【0045】エキシマレーザ光源1として、第1の実施
例と同じ、ルモニクス社製のINDEX200を用い
た。なお、レーザ光は、第1の実施例と同じ、反復速度
が200HzのKrFエキシマレーザ(波長248n
m)で、レンズ3の表面の照射領域が4mm×15mm
角となるようにしたが、エネルギ密度は400mJ/c
2とした。
【0046】また、各照射領域においてレーザパルスを
各25ショットずつ照射し、各照射領域のオーバーラッ
プする面積割合を75%として、レンズ3の表面全体を
洗浄した。すなわち、各照射領域を75%ずつオーバー
ラップさせながら、レーザ光を各25ショットずつ照射
した本実施例は、第1の実施例と同様、やはり、各照射
領域に100ショットずつレーザ光を照射した場合と同
等となる。
【0047】以上のようにして、レンズ3を洗浄した
後、高倍率顕微鏡、分光器等により洗浄効果を確認した
ところ、研磨剤、ゴミ、および有機膜残さが完全に除去
できることを確認した。 (比較例)石英平面ダミー基板に全面黒色油性インクを
塗布した基板の洗浄を第1の実施例と同じ条件で行っ
た。ただし、レーザ光の照射領域のオーバーラップする
面積割合を10%とした。
【0048】洗浄後、高倍率顕微鏡で観察したところ、
レーザ光を走査した境界部分にほんのわずか黒色インク
の残さが見られた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
洗浄終了領域の次に洗浄される洗浄領域から飛翔して洗
浄終了領域に再付着した汚染物質を除去できるような量
だけ、洗浄終了領域の面積と次に洗浄する洗浄領域の面
積とをオーバーラップさせて照射領域を移動させるた
め、この再付着した汚染物質を確実に除去することがで
きる。このため、高精度が要求されるレンズを透過率を
低下させることなく洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ洗浄装置の一例の概略を示す図
である。
【図2】本発明のレンズ洗浄方法の一例を示すフローチ
ャートである。
【図3】図1に示したレンズ洗浄装置によるレーザ光走
査の概念図である。
【符号の説明】
1 エキシマレーザ光源 2 レーザ光焦点制御部 3 レンズ 4 レンズホルダ 5 XYステージ 6 吸入器 7 回転ステージ 8 加工ステーション 9 制御部 10 レーザ光照射領域

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズの表面上の、レーザ光が照射され
    る照射領域を順次移動させながら、前記レンズの表面に
    前記レーザ光を照射することで、前記レンズの分子構造
    を維持しつつ、前記レンズの表面に付着している汚染物
    質を除去して前記レンズを洗浄するレンズ洗浄方法にお
    いて、 洗浄が終了した前記照射領域である洗浄終了領域の次に
    洗浄する前記照射領域である洗浄領域を洗浄した際に、
    前記洗浄領域で除去され、飛翔して前記洗浄終了領域に
    再付着した汚染物質を除去できるような量だけ前記洗浄
    終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とをオーバラップ
    させて前記照射領域を移動させる工程を含むことを特徴
    とするレンズ洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄終了領域の面積と前記洗浄領域
    の面積とを50%以上オーバラップさせる工程を含む、
    請求項1に記載のレンズ洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光として、KrFガスを用い
    たエキシマレーザ光を前記レンズに照射する工程を含
    む、請求項1または2に記載のレンズ洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光として、ArFガスを用い
    たエキシマレーザ光を前記レンズに照射する工程を含
    む、請求項1または2に記載のレンズ洗浄方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザ光として、F2ガスを用いた
    エキシマレーザ光を前記レンズに照射する工程を含む、
    請求項1または2に記載のレンズ洗浄方法。
  6. 【請求項6】 材料として石英を含む前記レンズを洗浄
    する工程を含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載のレンズ洗浄方法。
  7. 【請求項7】 材料としてCaF2を含む前記レンズを
    洗浄する工程を含む、請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載のレンズ洗浄方法。
  8. 【請求項8】 材料としてMgF2を含む前記レンズを
    洗浄する工程を含む、請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載のレンズ洗浄方法。
  9. 【請求項9】 レンズの表面上の、レーザ光が照射され
    る照射領域を順次移動させながら、前記レンズの表面に
    前記レーザ光を照射することで、前記レンズの分子構造
    を維持しつつ、前記レンズの表面に付着している汚染物
    質を除去して前記レンズを洗浄するレンズ洗浄装置にお
    いて、 前記レーザ光を放射するレーザ放射手段と、 前記レンズを保持し、前記照射領域を移動させるために
    前記レンズを移動させる移動手段と、 洗浄が終了した前記照射領域である洗浄終了領域の次に
    洗浄する前記照射領域である洗浄領域を洗浄した際に、
    前記洗浄領域で除去され、飛翔して前記洗浄終了領域に
    再付着した汚染物質を除去できるような量だけ前記洗浄
    終了領域の面積と前記洗浄領域の面積とをオーバラップ
    させて前記照射領域を移動させるように前記移動手段に
    制御信号を送る制御手段とを有することを特徴とするレ
    ンズ洗浄装置。
  10. 【請求項10】 前記制御信号は、前記洗浄終了領域の
    面積と前記洗浄領域の面積とが50%以上オーバラップ
    するように前記照射領域を移動させる信号である、請求
    項9に記載のレンズ洗浄装置。
  11. 【請求項11】 前記レーザ放射手段は、前記レーザ光
    として、KrFガスを用いたエキシマレーザ光を放射す
    る、請求項9または10に記載のレンズ洗浄装置。
  12. 【請求項12】 前記レーザ放射手段は、前記レーザ光
    として、ArFガスを用いたエキシマレーザ光を放射す
    る、請求項9または10に記載のレンズ洗浄装置。
  13. 【請求項13】 前記レーザ放射手段は、前記レーザ光
    として、F2ガスを用いたエキシマレーザ光を放射す
    る、請求項9または10に記載のレンズ洗浄装置。
  14. 【請求項14】 前記移動手段は、円形の前記レンズの
    中心を軸として回転させる回転手段と、前記円形のレン
    ズの半径方向に前記レンズを移動させる半径方向移動手
    段とを有する、請求項9ないし13のいずれか1項に記
    載のレンズ洗浄装置。
  15. 【請求項15】 前記レーザ光を集光させる集光手段を
    有する、請求項9ないし14のいずれか1項に記載のレ
    ンズ洗浄装置。
  16. 【請求項16】 前記レーザ光が照射されることで前記
    レンズの表面から飛翔した前記汚染物質を吸引する吸引
    手段を有する、請求項9ないし15のいずれか1項に記
    載のレンズ洗浄装置。
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