以下、図を参照しながら、この発明の一実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、この発明による通信端末、通信接続方法の第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態の通信端末100は、音楽などの音声データ、静止画像データ、動画像データ等のコンテンツデータの再生機能を備え、自機と通信の相手先となる1つ以上の通信端末においてコンテンツが再生されており、しかも再生されているコンテンツについての情報がある条件を満足する場合においてのみ、その通信端末間において通信回線の接続を行うことができるようにするものである。
この第1の実施の形態において、発信側である通信元の通信端末および着信側である通信先の通信端末とも、この第1の実施の形態の通信端末として説明する通信端末100の構成を有し、種々のコンテンツデータの再生機能を備えたものである。
また、この第1の実施の形態において、通信端末100は、家庭などに設置されて使用される通信機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話端末や携帯情報通信端末などの種々の機器に適用可能なものである。しかし、説明を簡単にするため、この第1の実施の形態の通信端末100は、音楽再生機能を備えた携帯電話端末であるものとして説明する。
図1は、この第1の実施の形態の通信端末100を説明するためのブロック図である。図1に示すように、この第1の実施の形態の通信端末100は、大きく分けると、通信系1と、制御部2と、入力部3と、コンテンツ再生系4とからなるものである。通信系1は、アドレスデータベース11と、アドレス管理部12と、通信部13と、条件判断部14を備えたものである。また、コンテンツ再生系4は、コンテンツデータベース41と、コンテンツ管理部42と、コンテンツ再生部43と、表示部44と、放音部45とを備えたものである。
制御部2は、通信端末100の全体を制御するものであり、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などを備え、マイクロコンピュータの構成とされたものである。
ここで、CPUは、プログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成するなど制御の主体となるものであり、ROMは、CPUにおいて実行するプログラムや処理に必要になるデータなどを記憶保持するものである。また、RAMは、主に各種の処理において、作業領域(ワークエリア)として用いられるものであり、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)は、書き換え可能ないわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきパラメータなどを記憶保持するものである。
入力部3は、種々の操作キーや操作スイッチ等を備え、コンテンツの再生指示入力や通信の開始指示入力など、ユーザからの種々の指示入力を受け付け、これを電子信号に変換して制御部2に供給する。これにより、制御部2は、入力部3を通じて供給されるユーザからの指示入力に応じて、通信端末100の各部を制御することができるようにされる。
コンテンツデータベース41は、種々のコンテンツデータを記憶保持するものである。この第1の実施の形態の通信装置100において、コンテンツデータベース41は、例えば、記録媒体として小型化されたハードディスクを備えたハードディスクドライブにより構成される。もちろん、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)などの光ディスクを記録媒体として用いる光ディスクドライブやMD(Mini Disc(登録商標))などの光磁気ディスクを記録媒体として用いる光磁気ディスクドライブ、半導体メモリを記録媒体として用いるメモリドライブなどの種々のものを用いるように構成することも可能である。
コンテンツ管理部42は、コンテンツデータベース41に対してコンテンツデータを書き込んだり、コンテンツデータベース41に記録されているコンテンツデータを読み出したりする処理を行う。コンテンツ再生部43は、コンテンツ管理部42を通じてコンテンツデータベース41から読み出したコンテンツデータをデコードし、表示部44に供給する映像信号や、放音部45に供給する音声信号を形成する。
表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)等の表示素子を備え、コンテンツ再生部43からの再生用のアナログ映像信号の供給を受けて、当該映像信号に応じた映像を表示画面に表示することができるものである。放音部45は、いわゆる電気音響変換機能を実現するスピーカであり、コンテンツ再生部43からのアナログ音声信号の供給を受けて、当該音声信号に応じた音声を放音させることができるものである。
このような構成を有するコンテンツ再生系4は、制御部2の制御に応じて、コンテンツ管理部42がコンテンツデータベース41から再生対象のコンテンツデータを読み出して、コンテンツ再生部43に供給する。上述もしたように、コンテンツデータには、音声データ、静止画像データ、動画像データ、テレビ番組や映画などの音声データと動画像データとを同期を取って再生するようにするいわゆるAV(Audio/Visual)データなど種々のものがあるが、ここでは、いわゆるAVデータが読み出されて再生される場合を例にして説明する。
コンテンツ再生部43は、これに供給されたコンテンツデータであるAVデータをデコード処理して、アナログ映像信号とアナログ音声信号とを形成し、アナログ映像信号は表示部44に、アナログ音声信号は放音部45に供給する。これにより、再生対象のコンテンツデータに応じた映像と音声とが表示部44、放音部45を通じて再生されてユーザに提供される。
なお、ここではAVデータを再生する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、楽曲などの音声データのみを再生したり、静止画像データや動画像データのみを再生したりすることももちろん可能である。すなわち、コンテンツ再生部43は、音声データのみのコンテンツデータ、静止画像データのみのコンテンツデータ、動画像データのみのコンテンツデータについても不都合なくデコード等の再生処理を行うことができるものである。
一方、アドレスデータベース11は、通信を行う相手先のアドレス情報、例えば、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの情報を記憶保持するものである。アドレス管理部12は、アドレスデータベース11にアドレスデータを書き込んだり、アドレスデータベース11から必要なアドレスデータを読み出したりするものである。
通信部13は、ネットワークを通じて通信の相手先の通信端末との間に通信回線を接続し、この第1の実施の形態の場合には通話を行うことができるようにするものである。したがって、図示しないが、通信部13は、受信部、送信部、コーデック、受話器(スピーカ)、送話器(マイクロホン)、着信音やアラーム音などを発生させるいわゆるリンガ回路などを備えたものである。
条件判断部14は、自機のユーザの状態を反映する情報と、通信の相手先のユーザの状態を示す情報とを比較し、これらが予め設定される所定の条件を満足するか否かを判断し、満足する場合にのみ通信部13を制御して通信回線を接続するようにするものである。
この第1の実施の形態の通信端末100において、条件判断部14は、詳しくは後述もするが、コンテンツデータを再生している最中に通信を行うようにした場合に、通信先の通信端末でコンテンツデータを再生しており、そのコンテンツデータと、通信元である自機において再生しているコンテンツデータとが、予め設定される所定の条件を満足するか否かを判断し、満足する場合にのみ通信部13を制御して通信回線を接続するようにしている。
このように、再生しているコンテンツデータについての情報を用いるようにするのは、再生しているコンテンツデータは、これを利用しているユーザの状態などをある程度反映していると考えられ、そのコンテンツデータについての情報は、これを利用しているユーザの現在の状態を推測することができるものであるためである。
なお、アドレスデータベース11に対しては、入力部3、制御部2、アドレス管理部12を通じて、新たなアドレスデータを追加登録したり、既に登録されているアドレスデータを削除したり、また、既に登録されているアドレスデータを変更したりするなどのことができるようにしている。
そして、通常、目的とする相手先に対して電話をかける場合には、入力部3を通じてユーザからの通信の開始指示入力(発信指示入力)を受け付けた制御部2がアドレス管理部12を制御して、目的とする相手先の電話番号をアドレスデータベース11から読み出し、これを通信部13に供給する。そして、通信部13が発呼処理を実行して、目的とする通信先(通信の相手先)を呼び出すようにし、相手先が応答してきた場合に通信回線が接続されて通話が可能になる。
また、通信部13が自機への着信を検出した場合には、例えば通信部13が備えるリンガを用いて着信音を放音し、ユーザに着信があることを通知し、入力部3を通じて着信に対して応答する操作が行われた場合に、制御部2が通信部13を制御し、通信回線を接続して発呼してきた相手先の通信端末との間で通話を行うことができるようにしている。
また、この第1の実施の形態の通信端末100は、ネットワークおよび通信部13を通じて、外部のサーバ装置などから種々のコンテンツデータをダウンロードしてきて、制御部2およびコンテンツ管理部42を通じてコンテンツデータベース41に記憶保持するようにして、後で再生して利用することもできるものである。
そして、この第1の実施の形態の通信端末100は、コンテンツ再生系4を利用してコンテンツデータを再生して利用している場合に、入力部3を通じてユーザからの通信を行うようにする指示入力を受け付けると、制御部2は通信系1の各部を制御し、アドレスデータベース11に登録された通信先(通信の相手先)に対して発信を行うようにし、当該通信先の通信端末からステイタス情報や再生しているコンテンツデータについての情報の返信を受けるようにする。
そして、通信端末100の条件判断部14の機能により、自機で再生しているコンテンツデータと通信先で再生されているコンテンツデータとの間において、所定の条件を満足する場合に、通信先において着信を継続させて通信回線を接続するように促し、通信先のユーザがオフフック操作をした場合に通信回線を接続して通話を行えるようにする。
逆に、通信先がコンテンツデータの再生を行っていない場合、あるいは、コンテンツデータは再生しているが、通信先の通信端末で再生しているコンテンツデータと自機(通信元の通信端末)で再生しているコンテンツデータとの間で予め設定された条件を満足しない場合には、着信を中止するようにして、通信先の通信端末においてユーザの呼び出し処理を実行させることなく、通信の接続処理を終了させるようにする。
ここで、コンテンツデータについての所定の条件は、自機(通信元)の通信端末100で再生しているコンテンツデータと、相手先(通信先)の通信端末で再生されているコンテンツデータとが、同じ(同一)であるとするもの、同じアーティストのものであるとするもの、あるいは、同じジャンルのものであるとするものなど、再生中のコンテンツデータについての条件である。このような所定の条件は、予め通信端末100に用意されており、ユーザによって予め選択されて、通信端末100の制御部2内の例えばEEPROMなどに予め設定される。
そして、通信元の通信端末100と通信先の通信端末との相互のコンテンツデータの再生状態を判断するために、通信元の通信端末100には、図1に示したように、条件判断部14を設け、通信元の通信端末100の状態と通信先の通信端末の状態との条件判断を行うようにしている。
このようにして、再生しているコンテンツデータが条件に合致した通信端末間において通信接続を可能にすることによって、条件に合致したコンテンツデータを再生中であるという共通点を有することとなる。この場合、双方の通信端末のユーザの意識の少なくとも一部は、再生中のコンテンツに向けられており、しかもその再生中のコンテンツは所定の条件に合致しているので、双方の通信端末のユーザの意識の方向は同じか類似する可能性が高くなり、コミュニケーションのスムーズな導入およびその後のコミュニケーションの活発化を期待することができる。
また、双方の通信端末において、同じコンテンツ、アーティストが同じコンテンツ、ジャンルが同じコンテンツなど、所定の条件に合致したコンテンツが再生されているということは、同じ話題(情報)、類似する話題(情報)を通信の開始前から共有していることになり、このように同じ話題、類似する話題を共有することになる通信端末のユーザ同士で通信を行うことができるので、コミュニケーションの活発化を期待することができる。
換言すれば、コンテンツデータの再生中であり、その再生中のコンテンツが自機において再生しているコンテンツとの間で所定の条件を満たすもの(合致するもの)であるという通信の相手先の状態を確認して通信を行うようにすることによって、通信の発信元は、活発なコミュニケーションを期待できる相手先との間で通信回線を接続して通信を行うようにすることができる。
一方、通信の相手先となる側にとっては、コンテンツデータを再生していない、あるいは、条件に合致しないコンテンツデータを再生しているなどの場合には、通信元のコンテンツデータの再生時においては接続要求がされることは無いので、通信の相手先となる側の通信端末のユーザは、自己の通信端末に対して着信拒否などの設定を一々することなく、不要な自機への接続要求を回避することができる。
なお、図1において、二重線で示したアドレス管理部12、条件判断部14、コンテンツ管理部42、コンテンツ再生部43のそれぞれの機能は、制御部2において実行されるソフトウェアによって実現することも可能である。
次に、図1に示した第1の実施の形態の通信端末100において、コンテンツデータの再生中に通信を行うようにした場合の処理について詳細に説明する。図2は、図1に示した通信端末100において、コンテンツデータの再生中に通信を行うようにした場合に、主に通信系1で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
コンテンツ再生系4によりコンテンツデータを再生している場合に、入力部3を通じてユーザから通信を行うようにする要求が受け付けられると、制御部2は通信系1の各部に対して所定の条件に合致したコンテンツデータを再生している他の通信端末との間に通信回線を接続するようにする要求を出す。この要求に応じて、通信系1は、図2に示した処理を開始する。
まず、通信系1の通信部13は、接続変数に“0(零)”を設定する(ステップS1)。この接続変数は接続結果を表す変数であり、接続成功のときには“0”、接続失敗のときに“0”以外となるものである。そして、制御部2からの要求に応じて、アドレス管理部12がアドレスデータベース11から通信先として選択した相手先のアドレス(この第1の実施の形態においては電話番号)を通信部13に供給するので、通信部13は、アドレス管理部12から与えられた電話番号に対して発信(発呼)して、通信回線を接続するための通信接続処理を行う(ステップS2)。
そして、通信部13は、通信先から返信されてくるステイタス情報等に基づいて、当該通信先に対して正常に着信が成功したか否かを判断する(ステップS3)。ステップS3の判断処理において、通信先からステイタス情報が返信されて来ない、あるいは、通話中のステイタスが返信されてきたなど、正常に呼び出しのための着信が成功していないと判断したときには、通信部13は、接続変数に着信不成功を示す値“1”を設定し(ステップS4)、この図2に示す処理を終了する。
ステップS3の判断処理において、通信先に対して正常に着信が成功したと判断したときには、通信部13は、当該通信先に対して、ユーザの状態を反映する情報として、当該通信先の通信端末の動作状態などを示す情報(状態情報)等の提供要求を送信し、当該通信先の通信端末の状態情報等を取得する(ステップS5)。
このステップS5の処理は、通信先の通信端末の動作状態やその関連情報を取得するものである。ここで動作状態の関連情報は、例えば、動作状態がコンテンツ再生中を示すものである場合には、その再生中のコンテンツの、タイトル、コンテンツタイプ、アーティスト名、ジャンル(コンテンツタイプ別情報)等の情報である。
状態情報とその関連情報は、この第1の実施の形態においては、例えば、(状態情報、タイトル、コンテンツタイプ、アーティスト名、ジャンル)の順で表されるようにされる。したがって、例えば、現代音楽のアーティスト“XXXXXX” の”YYYYYYYYYY”という曲を聴いていた場合は、状態情報とその関連情報は、(再生、YYYYYYYYYY、音楽、XXXXXX、現代音楽)ということになる。
そして、通信部13は、通信先からの情報に基づいて、通信先の状態情報の取得が成功したか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6の判断処理において、通信先の通信端末の状態情報やその関連情報の取得に成功していない(失敗した)と判断したときには、通信部13は、接続変数に状態情報の取得不成功を示す値“2”を設定し(ステップS7)、ステップS2で開始した通信回線の接続処理を中止するための通信切断処理を行い(ステップS8)、この図2に示す処理を終了する。
ステップS6の判断処理において、通信先の通信端末の状態情報やその関連情報の取得に成功したと判断したときには、通信部13は、制御部2を通じて自機の状態情報やその関連情報を取得し、これを条件判断部14に供給する(ステップS9)。条件判断部14は、ステップS5で取得した通信先の通信端末の状態情報およびその関連情報と、ステップS9で取得した自機の状態情報とその関連情報とを比較し、所定の条件を満足するか否かを判断する(ステップS10)。
ここで、所定の条件は、予めユーザがこの通信端末に対して設定するようにしたものであり、上述もしたように、例えば、「タイトル一致」、「コンテンツタイプ一致」、「アーティスト一致」、「ジャンル一致」などの条件がある。もちろんこの他の条件を設定することも可能であり、例えば、複合的な条件を設定するなどのことも可能である。
そして、ステップS5の処理において、通信先の通信端末から取得した情報が、上述した(再生、YYYYYYYYYY、音楽、XXXXXX、現代音楽)であり、また、当該通信元の通信端末(自機)においては、例えば、現代音楽のアーティスト“BBBBBB”の”AAAAAAAAAA”という曲を再生しており、ステップS9おいては、自己の状態情報とその関連情報として、(再生、AAAAAAAAAA、音楽、BBBBBB、現代音楽)という状態が取得されたとする。
この場合、予め設定された所定の条件が、「タイトル一致」や「アーティスト一致」である場合には、条件を満足しないが、予め設定された所定の条件が、「ジャンル一致」である場合には、条件を満足することになる。
そして、ステップS10の判断処理において、条件を満足しないと判断したときには、接続変数に条件不一致を示す値“3”をセットし(ステップS11)、ステップS2で開始するようにした通信接続処理を中止するようにする処理である通信切断処理を行い(ステップS12)、この図2に示す処理を終了する。ステップS10の判断処理において、条件を満足すると判断したときには、接続変数は“0(零)”のまま、通信先における着信を維持して、通信先の通信端末のユーザが着信に応答するのを待ち、応答してきた場合、すなわち通信先のユーザがオフフック操作を行った場合に、通信回線が接続され、通話を行うことができるようにしている。
このように、この第1の実施の形態の通信端末100は、目的とする通信先の通信端末に対して発信して、当該通信先の通信端末から状態情報やその関連情報を取得し、この取得した状態情報やその関連情報と、自機の状態情報やその関連情報とから、通信元である自機と通信先の通信端末とで所定の条件を満足する場合にのみ通信回線を接続して通話を行うことができるようにし、所定の条件を満足しない場合には、通信接続処理を中止して、通信先の通信端末において着信をユーザに知らせるリンガの起動などの呼び出し処理を行うことがないようにしている。
また、上述もしたように、通信先の通信端末の機能として、通信元の通信端末からの状態情報の提供要求を受け付けた場合に、自己の状態情報やその関連情報を取得して、通信元の通信端末100に対して返信する機能が必要である。しかし、通信端末の制御部は、通常、自機の動作状態を把握し管理しているので、その情報を取得して返信すればよく、新たな回路の追加をする必要もなく、いわゆるソフトウェアの追加あるいは変更で対応することができる。
このような、状態情報やその関連情報の返信機能は、この第1の実施の形態の通信端末100も備えており、この実施の形態の通信端末を通信元と通信先との双方で用いることによって、いずれが通信元となり、通信先となっても、図2に示した処理を行うことが可能である。
なお、図2を用いて説明した通信接続処理の要求には2つのモードが考えられる。ひとつは明示的に接続先のアドレスを指定するモード、もうひとつは接続先のアドレスのグループを指定するモードである。前者では、ユーザが相手のアドレスを指定して接続しようとする。例えば、相手の聴いている音楽のジャンルが、自分の聴いている音楽のジャンルと同じときなどのように、所定の条件を満足する場合にのみ、相手に繋がる。
後者では、ユーザが相手のアドレスのグループを指定する。例えば友達のアドレスのグループを指定しておくと、グループの先頭のアドレスから順番に接続しようとする。例えば、相手の聴いている音楽のタイトルが、自分の聴いている音楽のタイトルと同じときなどのように、所定の条件を満足する場合にのみ、相手に繋がる。繋がらなければ一定時間後に次のアドレスに接続しようとする。これを相手に繋がるまで繰り返す。
このように、この第1の実施の形態の通信端末100は、コンテンツデータの再生中であり、その再生中のコンテンツが自機において再生しているコンテンツとの間で所定の条件を満たすもの(合致するもの)であるという通信の相手先の状態を確認して通信を行うようにすることによって、通信の発信元は、活発なコミュニケーションを期待できる相手先との間で通信回線を接続して通信を行うようにすることができる。
また、通信の相手先となる側にとっては、コンテンツデータを再生していない、あるいは、条件に合致しないコンテンツデータを再生しているなどの場合には、通信元のコンテンツデータの再生時においては接続要求がされることは無いので、通信の相手先となる側の通信端末のユーザは、自己の通信端末に対して着信拒否などの設定を一々することなく、不要な自機への接続要求を回避することができる。
[第2の実施の形態]
次に、この発明による通信端末、通信接続方法の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態の通信端末200は、当該通信端末のユーザの心拍、脈拍、発汗、呼吸、脳波、動き、歩行等の生体情報検出機能を持ち、自機と通信の相手先となる1つ以上の通信端末で検出されるその通信端末のユーザの生体情報が、ある条件を満足する場合にのみ接続を行うようにするものである。
すなわち、この第2の実施の形態において、発信側である通信元の通信端末および着信側である通信先の通信端末とも、この第2の実施の形態の通信端末として説明する通信端末200の構成を有し、ユーザの生体情報を検出する機能を備えたものである。
また、この第2の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、通信端末200は、家庭などに設置されて使用される通信機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話端末や携帯情報通信端末などの種々の機器に適用可能なものである。しかし、説明を簡単にするため、この第2の実施の形態の通信端末200は、ユーザの生体情報の検出機能を備えた携帯電話端末であるものとして説明する。
図3は、この第2の実施の形態の通信端末200を説明するためのブロック図である。図3に示すように、この第2の実施の形態の通信端末200は、大きく分けると、通信系1と、制御部2と、入力部3と、生体情報処理系5とを備えたものである。生体情報処理系5を除く、通信系1、制御部2、入力部3は、図1に示した第1の実施の形態の通信端末100の対応する部分と同様に構成されたものである。
このため、図3に示すこの第2の実施の形態の通信端末200においては、図1に示した第1の実施の形態の通信端末100と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの部分についての重複する説明は省略し、機能等の異なる部分について説明を加えることとする。
生体情報処理系5は、図3に示したように、生体センサ51と生体情報計算部52とを備えたものである。生体センサ51は、この第2の実施の形態の通信端末200のユーザの目的とする生体データを検出し、これを電気信号に変換して生体情報計算部52に供給するものである。検出するユーザの生体データとしては、上述もしたように、心拍、脈拍、発汗、呼吸、脳波、動き、歩行、その他、ユーザの身体から得られる種々の情報が上げられる。
そして、生体センサ51は、上述の種々の生体データの内の少なくとも1つ以上を検出することができるものであり、例えば、帯電位センサ、電流センサ、静電容量センサ、電磁誘導センサ、圧力センサ、加速度センサ、ショックセンサ、方位センサなどの種々のセンサのうち必要なものを用いて構成することができるものである。
生体情報計算部52は生体センサ51からのセンサ出力の供給を受けて、これをデジタル信号に変換し、さらに所定の演算などの処理を行うことによって、目的とする生体情報、すなわち、心拍数、脈拍数、発汗の状態、呼吸数、脳波の状態、動きの有無、動きの状態(動きの方向や速度など)、歩行の状態(テンポや速度など)を示す生体情報を計算し、計算の結果得られたユーザの生体情報を制御部2に供給する。
このようにして、制御部2に通知されるこの通信端末200のユーザの生体情報は、条件判断部14にも供給される。この第2の実施の形態の通信端末200の条件判断部14は、自機(通信元)のユーザの生体情報と通信先の通信端末のユーザの生体情報との条件判断を行う部分であり、双方の生体情報が所定の条件を満たす場合においてのみ通信回線を接続することができるようにしている。
そして、この第2の実施の形態の通信端末200においては、ユーザが自己の生体情報を生体情報処理系5の機能を用いて計測している場合であって、通信を行うようにした場合に、発信して通信回線を接続するための処理が行うようにされ、通信元のユーザの生体情報と通信先のユーザの生体情報とが所定の条件を満足する場合に、通信回線の接続が維持され通話を行うことができるようにしている。すなわち、上述もしたように、通信元の通信端末も通信先の通信端末も、図3に示したこの第2の実施の形態の通信端末の構成と機能とを有するものであり、ユーザの生体情報を計測しながら通信を行うことができるものである。
このようにすることによって、例えば、複数のユーザが同じようにジョギングしているときや、ジョギングにより同じように心臓が高鳴っているときなどに、生体情報が同様の状態になっているユーザ間に通信回線が接続されることになる。したがって、身体の状態が同じような状態にあるユーザ間においては、身体面、精神面の双方において、同様の状態にある可能性が高く、コミュニケーションの活発化を促進することができるようにされる。
このように、通信端末200のユーザの生体情報は、ユーザの状態を反映する情報であり、発信元の通信端末のユーザの生体情報と、着信先の通信端末のユーザの生体情報が、同じか、類似の場合には、両ユーザは同じような状態にあると推測でき、通信回線を接続するか否かの判断情報とすることができる。
なお、図3において、二重線で示したアドレス管理部12、条件判断部14、生体情報計算部52のそれぞれの機能は、制御部2において実行されるソフトウェアによって実現することも可能である。
次に、図3に示した第2の実施の形態の通信端末200において、生体情報の検出が行うようにされている状態にあるときに通信を行うようにした場合の処理について説明する。基本的に、図2に示した通信の接続処理と同様の処理を行うため、図2をも参照しながら説明する。
生体情報処理系5を通じてユーザの生体情報を検出するようにしている場合に、入力部3を通じてユーザから通信を行うようにする要求が受け付けられると、制御部2は通信系1の各部に対して所定の条件に合致した生体情報のユーザの通信端末との間に通信回線を接続するようにする要求を出す。この要求に応じて、通信系1は、図2に示した処理を開始する。
通信部13は、接続変数に値“0”を設定し(ステップS1)、アドレス管理部12よってアドレスデータベース11から読み出されたアドレス(この第2の実施の形態においては電話番号)を用いて目的とする通信先の通信端末に発信して、通信回線を接続するようにする通信接続処理を行う(ステップS2)。なお、接続変数は、上述もしたように接続結果を表す変数であり、接続成功のときには値“0”、接続失敗のときには値“0”以外となる。
そして、通信部13は、通信先から返信されてくるステイタス情報等に基づいて、当該通信先に対して正常に着信が成功したか否かを判断する(ステップS3)。ステップS3の判断処理において、通信先からステイタス情報が返信されてこない、あるいは、通話中のステイタスが返信されてきたなど、正常に呼び出しのための着信が成功していないと判断したときには、通信部13は、接続変数に接続不成功を示す値“1”を設定し(ステップS4)、この図2に示す処理を終了する。
ステップS3の判断処理において、通信先に対して正常に着信が成功したと判断したときには、通信部13は、通信の相手先である当該通信先に対して、当該通信先の通信端末のユーザの生体情報の提供要求を送信し、当該通信先の通信端末の生体情報を取得する(ステップS5)。
ここで、生体情報の内容は、生体情報の種別(種類)を示す情報とその生体情報の値とからなるものであり、生体情報が例えば心拍数である場合には、例えば、(心拍数:86.2)のように表現される。複数の生体情報を検出するようにした場合には、そのそれぞれについての生体情報が形成され、例えば、(生体情報名1:値1、生体情報名2:値2、…)というように、そのそれぞれについての生体情報の種別を示す情報と生体情報の値とが制御部2に供給される。
そして、通信部13は、通信先からの情報に基づいて、通信先の状態情報(この第2の実施の形態においては生体情報)の取得が成功したか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6の判断処理において、通信先のユーザの生体情報の取得に失敗したと判断したときには、通信部13は、接続変数に状態情報の取得不成功を示す値“2”を設定し(ステップS7)、ステップS2で開始した通信回線の接続処理を中止するための通信切断処理を行い(ステップS8)、この図2に示す処理を終了する。
ステップS6の判断処理において、相手から生体情報の取得が成功したと判断したときは、次に自己のユーザの生体情報の取得を行う(ステップS9)。ここでは、生体情報処理系5を通じて検出される生体情報を、制御部2を通じて条件判断部14が取得することになる。この場合、例えば、(心拍数:68.5)という状態(生体情報)が取得されたとする。
条件判断部14は、ステップS5で取得した通信先の通信端末のユーザの生体情報と、ステップS9で取得した自機のユーザの生体情報とを比較し、所定の条件を満足するか否かを判断する(ステップS10)。この第2の実施の形態においても、所定の条件は、予めユーザがこの通信端末に対して設定するようにしたものであり、例えば、心拍数差、脈拍数差など、比較対象の生体情報に応じた所定の条件が設定されている。
例えば「心拍数差:10」という条件が設定されているものとすると、上述の例の場合、通信元の生体情報は(心拍数:68.5)であり、通信先の生体情報は(心拍数:86.2)であり、条件を満足しないので、接続変数に条件不満足を示す値“3”を設定して(ステップS11)、通信切断処理(ステップS12)を行ってから、この図2に示す処理を終了する。
また、ステップS10の判断処理において、条件を満足したと判断した場合には、接続変数は値“0”のまま、この図2に示す処理を終了し、自機と条件を満たす生体情報を返信してきた通信端末との間の通信回線の接続を維持し、通話をできるようにする。
ここでは、比較対象となる生体情報として心拍数を用いた場合を例にして説明したが、他の生体情報、例えば、発汗の状態、呼吸数、脳波の状態などに応じても、同様に処理することが可能である。また、加速度センサなどを用い、ユーザの歩行動作に応じたデータ(生体データ)を検出し、これを処理することにより、ユーザの歩行のテンポ(リズム)を算出し、この歩行のテンポを比較対象の生体情報として用いて、歩行テンポが同じ相手先との間に通信回線を接続して通話を可能にするなどのことも、上述の場合と同様にして実現することができる。
なお、この第2の実施の形態においても、図2を参照しながら説明した通信接続処理の要求には2つのモードが考えられる。ひとつは明示的に接続先のアドレスを指定するモード、もうひとつは接続先のアドレスのグループを指定するモードである。前者では、ユーザが相手のアドレスを指定して接続しようとする。例えば、相手のジョギングのテンポが、自分のジョギングのテンポとほぼ同じときにのみ、相手に繋がるようにするなどのことが可能となる。
後者では、ユーザが相手のアドレスのグループを指定する。例えば友達のアドレスのグループを指定しておくと、グループの先頭のアドレスから順番に接続しようとする。例えば、相手のジョギングのテンポが、自分のジョギングのテンポとほぼ同じときにのみ、相手に繋がる。繋がらなければ一定時間後に次のアドレスに接続しようとする。これを相手に繋がるまで繰り返す。
また、上述した後者の場合、すなわち、ユーザが相手のアドレスのグループを指定し、そのグループ内で通信の相手先を検索して通信回線を接続する方式の場合には、通信回線の接続先の候補が複数存在する。このため、通信回線の接続後、自機のユーザの生体情報と通信の相手先のユーザの生体情報とが所定の条件を満足しなくなった場合には、接続した当該通信回線を切断し、新たに条件の一致する生体情報のユーザの通信端末との間に通信回線を接続することが可能である。
そこで、グループ内で通信の相手先を検索して通信回線を接続するようにした場合、自機のユーザの生体情報と通信の相手先のユーザの生体情報とが所定の条件を満足しなくなった場合に接続した通信回線を自動切断する処理を実行するようにする。
図4は、この第2の実施の形態の通信端末において、グループ内で通信の相手先を検索して通信回線を接続するようにした場合に用いる自動通信切断処理を説明するためのフローチャートである。この図4に示す処理は、通信回線接続後、通信回線が接続された状態にある場合において、所定のタイミングで繰り返し実行される。
この図4に示す自動通信切断処理においては、以下に説明するように、通信回線の状態、主に切断した場合の状態を示す切断変数を用いる。切断変数は、接続されている通信回線の切断処理(通信切断処理)を行う場合には値“0”がセットされ、既に切断されている場合には値“1”がセットされ、接続が維持されている場合には値“2”がセットされるものである。
そして、図2を用いて説明した通信接続処理により、目的とする通信の相手先の通信端末との間に通信回線を接続した後、通信系1の通信部13と条件判断部14とが制御部2の制御に応じて、所定のタイミング毎に図4に示す処理を実行する。通信部1は、生体情報の提供要求を通信先の通信端末に送信し、当該通信先の通信端末を通じてその通信端末のユーザの生体情報を取得し、条件判断部14に供給するようにする(ステップS21)。
そして、通信部1は、生体情報が取得できたか否かを判断し(ステップS22)、生体情報が取得できなかったと判断したときには、接続した当該通信回線が切断されていると判断し、切断変数に既に通信回線は切断されていることを示す値“1”をセットして(ステップS23)、この図4に示す処理を終了する。
ステップS22の判断処理で通信の相手先のユーザの生体情報が取得できたと判断したときには、通信部1は条件判断部14を制御し、条件判断部14が制御部2を通じて、自機のユーザの生体情報を取得するようにする(ステップS24)。そして、条件判断部14は、ステップS24で取得した自機のユーザの生体情報と、ステップS21において取得した通信の相手先のユーザの生体情報とを比較し、予め決められた条件を満足するか否かを判断する(ステップS25)。
ステップS25の判断処理において、条件を満足していないと判断したときには、通信部14は、自機のユーザの生体情報と通信の相手先のユーザの生体情報との内の少なくとも一方が変化したために条件を満足しなくなったと判断し、切断変数に通信切断処理を行うことを示す値“0”をセットし(ステップS26)、接続されている通信回線を解放するための通信切断処理を行って(ステップS27)、この図4に示す処理を終了する。
ステップS25の判断処理において、条件を満足していると判断したときには、通信回線の接続を維持すると判断して、切断変数に通信回線の接続が維持されていることを示す値“2”をセットし(ステップS28)、この図4に示す処理を終了する。
そして、制御部2は、切断変数が値“0”または値“1”である場合には、図2を用いて説明した通信接続処理を行って、自機のユーザの生体情報に対して、予め決められた条件に合致する生体情報のユーザの通信端末との間に新たに通信回線を接続するようにして、常に、自機のユーザの生体情報に対して、予め決められた条件を満足する生体情報を有する通信先との間で通信を行うようにすることができるようにしている。
このように、図2を用いて説明した通信接続処理と図4を用いて説明した自動通信切断処理とを行うことにより、相手の状態と自分の状態が条件を満足している間だけ通信の接続を行うようにすることができ、条件が合致する生体情報のユーザの通信端末との間においてのみ通信回線を接続して通信を行うことができるようにされる。
例えば、ジョギングで普通のテンポで走っているときにはその同じテンポの人と接続され、速いテンポや遅いテンポで走っているときには同様にそれぞれ同じテンポで走っている人に接続されるというように、走る速度に応じて様々な人の通信端末と繋がれるとともに、テンポのあった運動を行っているユーザ間で通信を行うことができるようにされ、コミュニケーションの活発化が期待できる。
このように、この第2の実施の形態の通信端末200は、自己のユーザの身体の状態と同じような状態になっているユーザの通信端末との間で通信を可能にすることによって、通信の発信元は、活発なコミュニケーションを期待できる相手先との間で通信回線を接続して通信を行うようにすることができる。主に、ウォーキング、ジョギング、ランニングといった生体情報が変化する運動を行っているような場合に、その運動を行っている相手先との間で通信を行えるようにすることによって、運動の持続性や効率性を高めるなどの効果が期待できる。
また、通信の相手先となる側にとっては、自己の身体の状態と異なる相手からの接続要求については回避することができるので、自己の通信端末に対して着信拒否などの設定を一々することなく、不要な自機への接続要求を回避することができる。
[第3の実施の形態]
次に、この発明による通信端末、通信接続方法の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態の通信端末300は、音楽などの音声データ、静止画像データ、動画像データ等のコンテンツデータの再生機能を備えるとともに、当該通信端末のユーザの心拍、発汗、呼吸、脳波、動き、歩行等の生体情報検出機能を持ち、自機と通信の相手先となる1つ以上の通信端末で再生されているコンテンツの状況と、自機と通信の相手先となる1つ以上の通信端末で検出されるその通信端末のユーザの生体情報とが、ともに予め決められる条件を満足する場合にのみ接続を行うようにするものである。
すなわち、この第3の実施の形態において、発信側である通信元の通信端末および着信側である通信先の通信端末とも、この第3の実施の形態の通信端末として説明する通信端末300の構成を有し、種々のコンテンツデータの再生機能と、ユーザの生体情報の検出機能とを備えたものである。
また、この第3の実施の形態においても、上述した第1、第2の実施の形態の場合と同様に、通信端末300は、家庭などに設置されて使用される通信機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話端末や携帯情報通信端末などの種々の機器に適用可能なものである。しかし、説明を簡単にするため、この第3の実施の形態の通信端末300は、コンテンツ再生機能およびユーザの生体情報の検出機能を備えた携帯電話端末であるものとして説明する。
図5は、この第2の実施の形態の通信端末300を説明するためのブロック図である。図5に示すように、この第3の実施の形態の通信端末300は、大きく分けると、通信系1と、制御部2と、入力部3と、コンテンツ再生系4と、生体情報処理系5とを備えたものである。すなわち、図1に示した1の実施の形態の通信端末100と、図3に示し第2の実施の形態の通信端末200との両方の機能を併せ持つようにしたものである。
このため、図5に示した第3の実施の形態の通信端末300において、図1に示した第1の実施の形態の通信端末100と同様に構成される部分、および、図3に示した第2の実施の形態の通信端末200と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略し、機能等の異なる部分について説明を加えることとする。
そして、この第3の実施の形態の通信端末300は、通信部13および条件判断部14等の機能によって、通信回線を接続して通信を行おうとする通信先の通信端末から、その通信端末の動作状態や動作に関連する関連情報とその通信端末のユーザの生体情報とを取得すると共に、自機の動作状態や動作に関連する関連情報と自機のユーザの生体情報とを取得して、双方の状態情報、その関連情報、生体情報が、予め決められた所定の条件を満足する場合にのみ通信回線を接続することができるようにしている。
このようにすることによって、同じコンテンツあるいは関連のあるコンテンツを再生している通信端末同士のユーザが、心拍数が所定以上であって、興奮して心臓が高鳴っている状態であると判断できる場合に、通信回線を接続することができるようにされる。したがって、同じコンテンツあるいは関連のあるコンテンツに対して、同じ感情を抱いているユーザ同士が通信を行うことができるようにされ、コミュニケーションの活発化を期待することができる。
なお、図5において、二重線で示したアドレス管理部12、条件判断部14、コンテンツ管理部42、コンテンツ再生部43、生体情報計算部52のそれぞれの機能は、制御部2において実行されるソフトウェアによって実現することも可能である。
次に、図5に示した第3の実施の形態の通信端末300において、コンテンツが再生されており、かつ、生体情報の検出が行うようにされている状態にあるときに通信を行うようにした場合の処理について説明する。この第3の実施の形態の通信端末においても、基本的に、図2に示した通信の接続処理と同様の処理を行うため、図2をも参照しながら説明する。
コンテンツ再生系4を通じてコンテンツデータを再生しており、かつ、生体情報処理系5を通じてユーザの生体情報を検出するようにしている場合に、入力部3を通じてユーザから通信を行うようにする要求が受け付けられると、制御部2は通信系1の各部に対して、所定の条件に合致したコンテンツデータを再生しており、かつ、生体情報が所定の条件に合致するユーザの通信端末との間に通信回線を接続するようにする要求を出す。この要求に応じて、通信系1は、図2に示した処理を開始する。
まず、通信系1の通信部13は、接続変数に“0(零)”を設定する(ステップS1)。この接続変数は接続結果を表す変数であり、接続成功のときには“0”、接続失敗のときに“0”以外となるものである。そして、制御部2からの要求に応じて、アドレス管理部12がアドレスデータベース11から通信先として選択した相手先のアドレス(電話番号)を通信部13に供給するので、通信部13は、アドレス管理部12から与えられた電話番号に対して発信(発呼)して、通信回線を接続するようにする通信接続処理を行う(ステップS2)。
そして、通信部13は、通信先から返信されてくるステイタス情報等に基づいて、当該通信先に対して正常に着信が成功したか否かを判断する(ステップS3)。ステップS3の判断処理において、通信先からステイタス情報が返信されてこない、あるいは、通話中のステイタスが返信されてきたなど、正常に呼び出しのための着信が成功していないと判断したときには、通信部13は、接続変数に着信不成功を示す値“1”を設定し(ステップS4)、この図2に示す処理を終了する。
ステップS3の判断処理において、通信先に対して正常に着信が成功したと判断したときには、通信部13は、当該通信先に対して、当該通信先の通信端末の動作状態などを示す情報(状態情報)やその関連情報、および、生体情報の提供要求を送信し、当該通信先の通信端末の状態情報等を取得する(ステップS5)。
この第3の実施の形態においては、状態情報やその関連情報、生体情報を取得する。すなわち、第1の実施の形態の通信端末100の場合と同様に、動作状態、再生中のコンテンツの、タイトル、コンテンツタイプ、アーティスト名、ジャンルなどの情報と、第2の実施の形態の通信端末200の場合と同様に、生体情報の種別を示す情報とその生体情報の値を取得する。具体的に前者の状態情報等の内容は、(状態、タイトル、コンテンツタイプ、コンテンツタイプ別情報)であり、後者の生体情報の内容は、(生体情報名1:値1、生体情報名2:値2、…)と言ったものである。
例えば、この第3の実施の形態の通信端末のコンテンツ再生系4を通じて現代音楽のアーティスト“XXXXXX” の”YYYYYYYYYY”という曲を再生し、これを聴取していたユーザの心拍数が86.2であることが生体情報処理系5を通じて検出された場合には、((再生、YYYYYYYYYY、音楽、XXXXXX、現代音楽)、(心拍数、86.2))という情報が取得できることになる。
そして、通信部13は、通信先からの情報に基づいて、通信先の状態情報やその関連情報および生体情報との取得が成功したか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6の判断処理において、通信先の通信端末の状態情報やその関連情報および生体情報の取得に失敗したと判断したときには、通信部13は、接続変数に状態情報等の取得不成功を示す値“2”を設定し(ステップS7)、ステップS2で開始した通信回線の接続処理を中止するための通信切断処理を行い(ステップS8)、この図2に示す処理を終了する。
ステップS6の判断処理において、通信先の通信端末の状態情報やその関連情報、および生体情報の取得に成功したと判断したときには、通信部13は、制御部2を通じて自機の状態情報やその関連情報および生体情報を取得し、これを条件判断部14に供給する(ステップS9)。ここでは、((再生、BBBBBBBBBB、音楽、AAAAAA、現代音楽)、(心拍数:68.5))という状態が取得されたとする。
そして、条件判断部14は、ステップS5で取得した通信先の通信端末の状態情報やその関連情報および生体情報と、ステップS9で取得した自機の状態情報やその関連情報および生体情報とを比較し、所定の条件を満足するか否かを判断する(ステップS10)。条件判断部14で用いる条件は、上述もしたように予め設定することができ、例えば「「ジャンル一致」& 「心拍数差:10」」という条件が設定されていたとする。
ここで、通信先から取得した情報が、((再生、YYYYYYYYYY、音楽、XXXXXX、現代音楽)、(心拍数、86.2))であり、自機の情報が、((再生、BBBBBBBBBB、音楽、AAAAAA、現代音楽)、(心拍数:68.5))である場合には、ジャンルは共に“現代音楽”であるので、「ジャンル一致」という条件は満足するが、心拍数差は17.7であるので、「心拍数差:10」は満足しない。すなわち、条件全体を満足しない。
このように、ステップS10の判断処理において、所定の条件を満足しないと判断したときには、通信部13においては、接続変数に条件不一致を示す値“3”をセットし(ステップS11)、ステップS2で開始するようにした通信接続処理を中止するようにする処理である通信切断処理を行い(ステップS12)、この図2に示す処理を終了する。
ステップS10の判断処理において、条件を満足すると判断したときには、接続変数は“0”のまま、通信先における着信を維持して、通信先の通信端末のユーザが着信に応答するのを待ち、応答してきた場合、すなわち通信先のユーザがオフフック操作を行った場合に、通信回線が接続され、通話を行うことができるようにしている。
そして、この第3の実施の形態の通信端末300の場合においても、通信接続処理の要求には2つのモードが考えられる。ひとつは明示的に接続先のアドレスを指定するモード、もうひとつは接続先のアドレスのグループを指定するモードである。
前者では、ユーザが相手のアドレスを指定して接続しようとする。例えば、相手の聴いている音楽のジャンルが、自分の聴いている音楽のジャンルと同じで心拍数の差が10以内のときにのみ、相手に繋がるようにすることができる。
後者では、ユーザが相手のアドレスのグループを指定する。例えば友達のアドレスのグループを指定しておくと、グループの先頭のアドレスから順番に接続しようとする。例えば、相手の聴いている音楽のタイトルが、自分の聴いている音楽のタイトルと同じで心拍数の差が10以内のときにのみ、相手に繋がる。繋がらなければ一定時間後に次のアドレスに接続しようとする。これを相手に繋がるまで繰り返すようにすることにより、通信回線の接続の可能性を高めることができる。
このように、この第3の実施の形態の通信端末300は、自機(通信元)と通信先の通信端末との双方において、コンテンツを再生しているか否か、コンテンツを再生している場合にはそれはどのようなものか、またユーザの生体情報はどうかを把握し、そのいずれの情報についても所定の条件を満たす場合にのみ、通信回線を接続し、通信を行うようにすることができる。
そして、この場合、より詳細な条件を用いることができるようにされるので、コミュニケーションをスムーズに開始することができると共に、より活発で有効なコミュニケーションを実現する可能性の高い通信先との間で通信回線を接続して通信を行うことができるようにされる。
また、通信先の候補となる通信端末においては、一々着信拒否の設定を行わなくても、状態情報やその関連情報および生体情報が所定の条件に合致しない限り接続されることは無いので、自機への不要な着信を防止することもできる。
[第4の実施の形態]
上述した第1〜第3の実施の形態においては、通信端末間において情報の送受を行って、所定の条件に合致する場合にのみ通信回線を接続させるようにした。しかし、条件判断処理を各通信端末の条件判断部14において行うようにするのではなく、外部に設けられたサーバ装置に行わせるようにすることも可能である。
この第4の実施の形態は、この発明のシステム、装置、方法の一実施の形態が適用されたものである。そして、この実施の形態のシステムを構成する通信端末は、図1、図3、図5に示した第1〜第3の実施の形態の通信端末と同様に、コンテンツ再生系4、生体情報処理系5を備えるものである。しかし、この実施の形態のシステムを構成する通信端末は、第1〜第3の実施の形態の通信端末においては、通信系1に設けられていた条件判断部14については設けられている必要はないものである。
そして、図1、図3、図5に示した第1〜第3の実施の形態の通信端末の通信系1に設けられていた条件判断部14については、この実施の形態の通信端末がアクセス可能なサーバ装置の機能として設けられるようにされている。このように構成することによって、この第4の実施の形態のシステムを構成する通信端末は、自機において検出するようにした状態情報やその関連情報、生体情報等の情報を当該サーバ装置に送信し、サーバ装置が通信の相手先として予め登録された通信端末との間を仲介するようにして、予め設定された条件を満たす通信先の通信端末との間で通信が可能となるようにするものである。
図6は、この第4の実施の形態のシステム、方法を説明するための図である。この実施の形態においても、通信端末は、家庭などに設置されて使用される通信機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話端末や携帯情報通信端末などの種々の機器に適用可能なものである。しかし、説明を簡単にするため、この第4の実施の形態においても通信端末は、携帯電話端末であるものとして説明する。
図6に示すように、この第4の実施の形態のシステムは、参照符号100(1)、…、200(1)、…、300(1)、…等によって示される通信端末と、接続管理サーバ700とが、電話通信網などの公衆通信網500とインターネット600とを介して接続する事ができるようにされたものである。
通信端末100(1)、…、200(1)、…、300(1)、…のそれぞれは、図1、図3、図5に示した第1〜第3の実施の形態の通信端末100、200、300とほぼ同様に構成されるものである。しかし、上述もしたように、通信端末100(1)、200(1)、300(1)、…のそれぞれは、通信系1には、条件判断部14を備えない点で上述した第1〜第3の実施の形態の通信端末とは異なるものである。このように構成することによって、第1〜第3の実施の形態においては、各通信端末の通信系1の条件判断部14において行っていた条件判断処理を、この第4の実施の形態のシステムにおいては接続管理サーバ700において行うようにしている。
なお、上述のように、この第4の実施の形態の通信端末100(1)、…、200(1)、…、300(1)、…のそれぞれは、通信系1に条件判断部14を備えない点を除き、図1、図3、図4に示した通信端末の内の対応する通信端末と同様に構成されるものであるので、以下においては、必要に応じて、図1、図3、図5をも参照して説明することとする。
この第4の実施の形態において、通信端末100(1)、100(2)、…のそれぞれは、図1に示した第1の実施の形態の通信端末100に対応するものであり、自機のコンテンツ再生系4を通じてコンテンツデータを再生して利用している場合に、入力部3を通じてユーザが、適切な通信先を検索して接続することを要求する操作を行うと、制御部2は、自機の識別情報、接続の条件情報、コンテンツ再生系4が再生しているコンテンツデータについての情報、すなわち、再生中のコンテンツの、タイトル、コンテンツタイプ、アーティスト名、ジャンルなどの情報を含む接続要求を形成し、これを公衆通信網500を介して接続されるインターネット600を通じて接続管理サーバ700に送信する。
ここで、自機に識別情報は、接続要求を送信してきた通信端末を一意に特定可能な情報であり、例えば、電話番号や予め付与された会員番号などの情報である。また、接続の条件情報は、タイトル一致、アーティスト一致、ジャンル一致などの通信回線を接続するか否かの判断を行うための所定の条件を示すものである。
接続管理サーバ700は、詳しくは後述もするが、会員データベースを備え、接続要求を送信してきた通信端末が、会員データベースに登録された会員のものであるか否かの認証を取り、認証が取れた場合には、通信先として通信回線の接続可能な会員についての情報が登録された接続先データベースを参照して、接続先の候補を抽出し、その抽出した接続先の候補からコンテンツデータを再生しているか否か、再生している場合には、再生中のコンテンツの、タイトル、コンテンツタイプ、アーティスト名、ジャンルなどの情報を取得する。
そして、接続要求を送信してきた通信端末からの再生中のコンテンツデータについての情報と、接続先の候補として抽出した通信端末から取得したコンテンツデータについての情報とを比較し、タイトル一致、アーティスト一致、ジャンル一致などの接続の条件情報によって予め決められるようにされる条件に一致する場合には、接続管理サーバ700は、自機が仲介して、接続要求を送信してきた通信端末(接続元の通信端末)と、接続先として特定した通信端末(接続先の通信端末)との間に通信回線を接続するように仲介し、両通信端末が接続管理サーバ700を介して通信回線を接続し、通信を行うことができるようにする。
また、この第4の実施の形態において、通信端末200(1)、200(2)、…のそれぞれは、自機のユーザの生体情報を検出するようにしている場合に、入力部3を通じてユーザが、適切な通信先を検索して接続することを要求する操作を行うと、制御部2は、自機の識別情報、接続の条件情報、自機のユーザの検出した生体情報を含む接続要求を形成し、公衆通信網500を介して接続されるインターネット600を通じて接続管理サーバ700に送信する。
ここで、自機の識別情報は、上述もしたように、接続要求を送信してきた通信端末を一意に特定可能な情報であり、例えば、電話番号や予め付与された会員番号などの情報である。また、接続の条件情報は、心拍数差が10、脈拍数差が10等の通信回線を接続するか否かの判断を行うための所定の条件を示すものである。また、生体情報は、上述した第2の実施の形態において説明したように、(生体情報名:生体情報値1)などのように、生体情報とその値とが識別可能なものであり、具体的には、(心拍数:86.2)等の情報である。
接続管理サーバ700は、上述もしたように、会員データベースを備え、接続要求を送信してきた通信端末が、会員データベースに登録された会員のものであるか否かの認証を取り、認証が取れた場合には、通信先として通信回線の接続可能な会員についての情報が登録された接続先データベースを参照して、接続先の候補を抽出し、その抽出した接続先からユーザの生体情報を取得する。
そして、接続要求を送信してきた通信端末のユーザの生体情報と、接続先の候補として抽出した通信端末から取得したその通信端末のユーザの生体情報とを比較し、心拍数差、脈拍数差などの接続要求に含まれる接続の条件情報に合致する場合には、接続管理サーバ700は、自機が仲介して、接続要求を送信してきた通信端末(接続元の通信端末)と、接続先として特定した通信端末(通信先の通信端末)との間に通信回線を接続するように仲介し、両通信端末が接続管理サーバ700を介して通信回線を接続し、通信を行うことができるようにする。
また、この第4の実施の形態において、通信端末300(1)、300(2)、…のそれぞれは、自機のコンテンツ再生系4がコンテンツデータを再生しており、かつ、自機のユーザの生体情報を検出するようにしている場合に、入力部3を通じてユーザが、適切な通信先を検索して接続することを要求する操作を行うと、制御部2は、自機の識別情報、接続の条件情報、コンテンツ再生系4が再生しているコンテンツデータについての情報、自機のユーザの検出した生体情報、などを含む接続要求を形成し、公衆通信網500を介して接続されるインターネット600を通じて接続管理サーバ700に送信する。
なお、コンテンツ再生系4が再生しているコンテンツデータについての情報は、再生中のコンテンツの、タイトル、コンテンツタイプ、アーティスト名、ジャンルなどの情報であり、また、自機のユーザの検出した生体情報は、(生体情報名:生体情報値1)などのように、生体情報とその値とが識別可能なものであり、具体的には、(心拍数:86.2)等の情報である。
また、自機の識別情報は、上述もしたように、接続要求を送信してきた通信端末を一意に特定可能な情報である。また、接続の条件情報は、例えば、例えば「「ジャンル一致」& 「心拍数差:10」」などのように、再生されているコンテンツについての条件と、生体情報についての条件とからなるものである。したがって、再生されているコンテンツについての条件と生体情報についての条件との双方を同時に満足する場合に条件が満たされたことになる。
接続管理サーバ700は、上述もしたように、会員データベースを備え、接続要求を送信してきた通信端末が、会員データベースに登録された会員のものであるか否かの認証を取り、認証が取れた場合には、通信先として通信回線の接続可能な会員についての情報が登録された接続先データベースを参照して、接続先の候補を抽出し、その抽出した接続先の候補から、コンテンツデータを再生しているか否か、再生している場合には、再生中のコンテンツの、タイトル、コンテンツタイプ、アーティスト名、ジャンルなどの情報、および、その通信端末のユーザの生体情報を取得する。
そして、接続要求を送信してきた通信端末のコンテンツデータについての情報、および、生体情報と、接続先の候補として抽出した通信端末から取得した、コンテンツデータについての情報、および、その通信端末のユーザの生体情報とを比較し、接続の条件情報に合致する場合には、接続管理サーバ700は、自機が仲介して、接続要求を送信してきた通信端末(接続元の通信端末)と、接続先として特定した通信端末(通信先の通信端末)との間に通信回線を接続するように仲介し、両通信端末が接続管理サーバ700を介して通信回線を接続し、通信を行うことができるようにする。
このように、この第4の実施の形態においては、接続の条件情報に基づいて接続先の通信端末の検索処理を行い、条件が一致する場合に通信回線を接続する処理を接続管理サーバ700が行うようにしている。このようにすることによって、通信端末の負荷を軽減することができるようにされる。
図7は、この第4の実施の形態の接続管理サーバ700を説明するためのブロック図である。図7に示すように、この第4の実施の形態のシステムを構成する接続管理サーバ700は、制御部701、通信部702、会員データベース703、認証部704、接続先データベース705、登録検索部706を備えたものである。
制御部701は、この第4の実施の形態のサーバ装置700の各部を制御するものであり、図示しないが、CPU、ROM、RAM、EEPROMなどを備えたマイクロコンピュータの構成とされたものである。通信部702は、インターネット600への接続を実現し、インターネット600を通じて送信されてきた情報の受信と、自機からのインターネット600への送出とを行うことができるものである。
会員データベース703は、上述もしたように、この接続管理サーバ700の機能が利用可能な会員の識別情報を記憶保持するものである。この会員データベース703には、通信端末のユーザが、インターネット600を通じて会員となることの手続を行うことによって、当該通信端末の識別情報、当該通信端末のユーザの氏名、住所、電話番号などの情報が会員データベース703に登録されることになる。
認証部703は、通信部702を通じて通信端末からの接続要求を受信した場合に、その接続要求に含まれる通信端末の識別情報に基づいて会員データベース703の蓄積情報を参照し、会員データベース703に登録された正規の会員の通信端末からの接続要求か否かを確認して、正規の会員からの接続要求であると確認が取れた場合(認証が取れた場合)に、これを制御部701に通知する。これにより、制御部701は、認証が取れた会員の通信端末からの接続要求に対してのみ応答することができるようにされる。
接続先データベース705は、会員の通信端末からの接続要求に応じて、当該会員の通信端末との間で通信回線を接続する通信先の候補となる通信端末についての情報が蓄積されたものである。例えば、会員となったユーザが、自己の友人や知人など、予め通信の相手先の候補となる通信端末についての情報を接続先データベース705に登録(蓄積)することができるようにされる。この場合には、接続先データベース705に登録された情報は、その会員のみしか利用できない。
また、接続先データベース705には、接続管理サーバ装置700の運営者が、接続先の候補となる通信端末のユーザを予め募っておき、その接続先の候補となる通信端末についての情報を蓄積することもできるようにされる。この場合の接続先の候補となる通信端末のユーザは、発信元の通信端末のユーザとは基本的に無関係であり、コンテンツの嗜好や共通の話題などが合う可能性の高い会員であるユーザ同士の通信端末間を接続することが可能になる。
そして、上述もしたように、会員が自己の通信端末を用いて、コンテンツデータを再生して利用している場合、あるいは、自己の生体情報を計測している場合、あるいは、コンテンツデータを再生して利用しながら自己の生体情報を計測している場合に、他の通信端末との間で通信を行うようにすると、通信端末は、自己の識別情報、接続の条件情報、コンテンツに関する情報と生体情報との一方あるいは両方を含む接続要求を形成して接続管理サーバ装置700に送信してくる。
管理サーバ700の通信部702は、通信端末からの接続要求を通信部702の機能により受信、復調し、各情報を分離して、識別情報を認証部704に供給する。認証部704は、通信部702からの通信端末の識別情報に基づいて、会員データベースを参照し、接続要求を送信してきた通信端末のユーザは、会員か否かを確認し、会員であることの認証が取れたか否かを制御部701に通知する。
制御部701は、認証部704からの通知が、認証が取れないことを通知するものであるときには、通信部702を制御して、接続要求には答えられない旨のメッセージを要求元に送信するようにする。制御部701は、認証部704からの通知が、認証が取れたことを通知するものであるときには、通信部702を制御して、会員か否かを識別するための識別情報、接続の条件情報、コンテンツに関する情報や生体情報等を登録検索部706に供給するようにする。
登録検索部706は、制御部701の制御に応じて、接続先データベース705に蓄積された情報を参照し、接続先の候補の通信端末の情報を抽出し、通信部702を通じて、その接続先の候補の通信端末に対して現在の状態を示す情報を提供することを要求する提供要求を送信する。この提供要求に応じて、通信先の候補の通信端末から現在の状態、すなわち、コンテンツデータを再生しているか否か、コンテンツデータを再生している場合には、そのコンテンツについての情報、計測している生体情報の名前や計測した値などの情報の返信を受けるようにする。
通信先の候補とされた通信端末からの返信情報は、通信部702を通じて受信され、登録検索部706に供給され、既に提供されている通信元の通信端末からの情報と比較するなどして、接続の条件を満たすか否かを判定し、この判定結果を制御部701に通知する。登録検索部706からの判定結果が、接続の条件をみさしていることを示している場合には、制御部701は、通信部702を制御して、通信元の通信端末と通信先の通信端末との間に通信回線を接続し、通話をできるようにする。
登録検索部706からの判定結果が、接続の条件を満たさないことを示す場合には、登制御部701は登録検索部706を制御し、次の接続先の候補を接続先データベース705から抽出して、現在の状態を示す情報の提供を要求する提供要求を送信するというように、通信の相手先を検索する処理を繰り返すことになる。
なお、ここでは、接続先データベース705の情報を元にして、通信の相手先の候補の通信端末にアクセスして、現在の状況を示す情報の提供を要求するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、通信先の候補となる通信端末においては、まだ通信先とはなっておらず、コンテンツ再生系4によりコンテンツデータが再生されている場合、あるいは、生体情報処理系5により生体情報が計測されている場合には、所定のタイミングで自己の状態を接続管理サーバ装置700に送信する。
この情報を接続管理サーバ装置700の通信部702を通じて受信し、登録検索部706を通じて接続先データベース705に蓄積する。これにより、通信の候補となる通信端末の状態は、接続管理サーバ装置700の接続先データベース705に蓄積される。これにより、接続先の候補となる通信端末であって、空いている通信端末の状態を接続管理サーバ装置700で管理することができる。
したがって、上述したように、接続サーバ装置700が一々接続先の候補の通信端末に対して動作の状況の動作報告を行わせること無く、登録検索部706の機能により接続先データベース705の情報に基づいて、通信先となる通信端末を迅速に特定し、通信元の通信端末と、接続の条件に合致する通信先の通信端末との間に通信回線を接続し、通話を行うことができるようされる。
このように、接続管理サーバ装置700を介在させることにより、通信端末における負荷を軽減し、接続の条件に合致する通信先の通信端末を特定して、接続の条件に合致する通信先の通信端末との間に通信回線を接続することができるようにされる。
なお、ここでは、接続管理サーバ装置700は、インターネット600上に設けられるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、電話回線網上にサーバ装置を設けるようにしてももちろんよい。
第1〜第4の実施の形態において説明したように、ユーザの状態を自動的に取得することと、通信接続時に、相互のユーザの状態が条件を満足しなければ接続できないようにすることで、通信元と通信先のユーザの状態に応じて通信回線を接続するか否かを決定することができるので、その後のユーザ間のコミュニケーションがより活発化することが期待できる。
また、上述したように、接続して欲しくないときに接続しないようにする消極的な用途にも用いることができる。すなわち、接続するとコミュニケーションが活発になるようなお互いの状態にあるときに自動的に接続するようにする積極的な用途と、接続して欲しくないときに接続しないようにする消極的な用途との両方に用いることが可能である。
[その他]
上述した第1〜第4の実施の形態においては、ユーザの状態を反映する情報として、通信元となる自機と、通信先となる相手の通信端末とにおける、(1)コンテンツデータの再生状態、(2)生体情報の状態、(3)コンテンツの再生状態と生体情報の状態とを用いるようにし、これらが所定の条件を満足する場合に通信回線を接続し、通信を行えるようにした。しかし、これに限るものではない。
ユーザの状態を反映する情報としては、例えば、通信元となる自機と、通信先となる相手の通信端末とにおける環境状態、移動状態、位置状態など、通信元となる自機のユーザの状態と、通信先となる通信端末のユーザの状態を推測することが可能な種々の情報を検出し、この検出した情報をユーザの状態を反映する情報とし用いて、通信回線を接続するか否かの条件を設定することができる。
ここで、環境状態は、その通信端末が置かれた周囲の環境の状態であり、例えば、気温、明るさ、湿度、騒音、風速などの種々の状態が含まれる。例えば、通信元と通信先との双方の通信端末が、周囲の気温の測定が可能な温度センサを備えている場合には、周囲の気温の同じ通信端末間に通信回線を接続することができる。これにより、例えば、冬場において、一方が暖房の効いた屋内にあり、他方が気温の低い屋外にある場合、あるいは、夏場において、一方が冷房の聞いた屋内にあり、他方が気温の高い屋外にある場合などにおいては、通信回線を接続しないようにすることができ、双方の通信端末が置かれた環境が同じか同程度の気温の状態にあるときにのみ、通信回線を接続することができるようにされる。
また、通信元と通信先との双方の通信端末が、周囲の明るさの測定が可能な明度(明るさ)センサを備えている場合には、双方の通信端末が置かれた環境が同じか同程度の明るさの状態にあるときにのみ通信回線を接続することができる。したがって、通信元の通信端末のユーザが明るい場所におり、通信先の通信端末のユーザが就寝しており部屋を暗くしているような場合には通信回線を接続することがないようにすることができる。
また、通信元と通信先との双方の通信端末が、周囲の湿度の測定が可能な湿度センサを備えている場合には、双方の通信端末が置かれた環境が同じか同程度の湿度の状態にあるときにのみ通信回線を接続することができる。したがって、一方が湿度の比較的に低い部屋におり、他方が湿度の比較的に高いプールサイドにいる場合などにおいては通信回線を接続することがないようにすることができる。
また、通信元と通信先との双方の通信端末が、周囲の騒音の測定が可能な騒音センサを備えている場合には、双方の通信端末が置かれた環境が同じか同程度の騒音の状態にあるときにのみ通信回線を接続することができる。したがって、一方が静かな場所にあり、他方が騒音の高い場所にあるときには、通信回線を接続することがないようにすることができる。
また、通信元と通信先との双方の通信端末が、周囲の風速の測定が可能な風速センサを備えている場合には、双方の通信端末が置かれた環境が同じか同程度の風速の状態にあるときにのみ通信回線を接続することができる。したがって、一方が風のない屋内にあり、他方が風の強い屋外にあるときには、通信回線を接続することがないようにすることができる。
また、通信元と通信先との双方の通信端末が、現在時刻の提供が可能な時計回路を備えている場合には、双方の通信端末が置かれた場所の現在時刻が同じかほぼ同じ場合にのみ通信回線を接続することができる。これにより、例えば、通信元と通信先とのそれぞれが、現在時刻の異なる地域にある場合において、双方の通信端末間の時間差が所定の時間差以内である場合には通信回線を接続できるようにするが、それ以上の時間差の場合には通信回線を接続しないようにすることができる。
また、この場合、通信先の通信端末の時計回路が示し現在時刻が、深夜や早朝などの通信に適さない時間帯にある場合にのみ、通信回線を接続しないようにすることも可能である。このように、双方の通信端末の状態を示す情報(状態を推測できる情報)を用いることなく、通信先の状態を示す情報のみについて所定の条件を設定し、通信回線を接続するか否かを判断するようにすることも可能である。
このように、通信元の通信端末と通信先の通信端末とがおかれた環境が同じか同程度である場合には、それらの通信端末のユーザのおかれた環境も同程度であることが推測でき、通話の場合には通話などの通信を阻害ずる要因も少なく、また、双方のユーザのおかれた環境も予め推測することができるので、通話などの通信の活発化を期待することができる。
また、移動状態は、通信端末が移動しているか否かや、通信端末の移動速度などの状態である。これらの状態は、例えば、加速度センサ、角速度センサなどを備えることにより検出することが可能である。そして、通信元の通信端末と通信先の通信端末とが共に静止している場合、あるいは、共に同じ速度、あるいは、双方の速度の差が予め決められた範囲内にある場合には、当該通信端末間において通信回線を接続することができるようにされる。
このようにすることによって、例えば、双方が共に静止している場合や、同程度の速度で移動している場合などにおいて通信を接続することができ、一方は静止しているが他方が移動している場合、あるいは、共に移動しているが、一方は歩行程度の速度で、他方が自動車で移動しているような速度である場合には、それぞれ状況はことなっているので、通信回線の接続を行うことがないようにすることができる。
なお、この場合、例えば、自動車、バイク、電車などによって移動しているような速度の場合には、安全性や周囲への迷惑などのことを考慮し、例え双方の移動速度の差が所定範囲内であっても、接続しないようにすることもできる。すなわち、比較対象とする移動速度の上限をも接続のための条件とすることができる。
また、位置状態は、通信元の通信端末の位置と通信先の通信端末の位置に関する情報であり、通信元と通信先の通信端末の現在位置、標高などの情報である。これらの情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)などの測位システムと地図情報とに基づいて把握することが可能である。近年、GPSシステムも小型化が進み、携帯型の通信端末にも搭載可能である。また、携帯電話通信網における1つ以上の基地局からの電波の受信状況とそれらの基地局の位置に基づいて通信端末の現在位置を把握することも可能である。
そして、通信元の通信端末と通信先の通信端末とが共に所定の範囲内に位置する場合、例えば、野球場、サッカー場、遊園地などに双方の通信端末が位置する場合に通信回線を接続するようにしたり、通信元の通信端末と通信先の通信端末との間の距離が予め決められた距離以下である場合には通信回線を接続し、そうでない場合には通信回線を接続しないようにしたりするなどのことができるようにされる。
また、双方の通信端末とも同程度の標高にあるときには通信回線の接続を可能にするが、双方の標高差が所定の範囲に納まらない場合には、通信回線を接続しないようにすることができる。したがって、一方の通信端末は標高の比較的に低い都市部で用いられ、他方の通信端末は標高の比較的に高い山間部で用いられているといった場合には、利用環境の状態が大きく異なっていることが推測できるので、当該通信端末間には通信回線を接続しないようにすることができる。
このように、通信元と通信先との環境状態、移動状態、位置状態などについて、接続の条件を設定することにより、その設定した条件を満たした場合にのみ通信回線を接続して通信を行うようにすることができる。すなわち、接続の条件が合致した場合には、接続元の通信端末のユーザと接続先の通信端末のユーザとが同じ状態にあると推測することができるので、通信回線を接続した場合であっても、通話などの通信をスムーズに行うことができ、通信の活発化を期待することができる。
なお、上述した実施の形態においては、通信端末同士が1対1で通信を行う場合を例にして説明したが、これに限るものではない。1つの発信元の通信端末と、複数の通信先の通信端末との間に同時に通信回線を接続して通信を行うようにすることが可能である。この場合には、例えば、接続管理サーバ装置などの仲介装置を介在させることにより、1つの通信元の通信端末と複数の通信先の通信端末との間、および、複数の通信先の通信端末との間にも通信回線を接続して通信を行うようにすることができる。
また、上述の実施の形態においては、通信端末間においては音声信号を送受する通話を行うものとして説明した。しかし、これに限るものではない。文字情報や画像情報などを送受するようにするデータ通信であってもよいし、通話とデータ通信との両方を行うようにすることも可能である。
また、上述の実施の形態の通信端末は、例えば、携帯電話端末などの通話を行うためのものである場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、通信機能を備えたパーソナルコンピュータや通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置等、通信機能を備えた種々の電子機器にこの発明を適用することができる。もちろん、通信端末は携帯型でもよいし、据え置き型でもよい。
1…通信系、11…アドレスデータベース、12…アドレス管理部、13…通信部、14…条件判断部、2…制御部、3…入力部、4…コンテンツ再生系、41…コンテンツデータベース、42…コンテンツ管理部、43…コンテンツ再生部、44…表示部、45…放音部、5…生体情報処理部、51…生体センサ、52…生体情報計算部、100、200、300…通信端末、500…公衆通信網、600…インターネット、700…接続管理サーバ装置、701…制御部、702…通信部、703…会員データベース、704…認証部、705…接続先データベース、706…登録検索部